JP3409462B2 - ロータリーダイカッター - Google Patents

ロータリーダイカッター

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JP3409462B2
JP3409462B2 JP24168294A JP24168294A JP3409462B2 JP 3409462 B2 JP3409462 B2 JP 3409462B2 JP 24168294 A JP24168294 A JP 24168294A JP 24168294 A JP24168294 A JP 24168294A JP 3409462 B2 JP3409462 B2 JP 3409462B2
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alloy steel
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紀章 三輪
和彦 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長寿命で低コストであり
大径品にも容易に対応できるロータリーダイカッターに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、周面に刃型を備えた円柱状のダイ
と、このダイに周面を対向させて配置された円柱状のア
ンビルとを具備してなり、ダイとアンビルとの間にフィ
ルム、紙、不織布、パルプなどの被加工物を挟み込み、
ダイの刃型を被加工物に押し付けることにより被加工物
の一部分を切断加工するロータリーダイカッターが知ら
れている。図3は、この種の従来のロータリーダイカッ
ターの一構造例を示すもので、この例のロータリーダイ
カッターAは、外観略円柱状をなすダイ1と円柱状のア
ンビル2とが相互の周面を突き合わせ、それぞれの中心
軸S1、S2を平行にして相互に周回りに回転自在に配置
されて構成されている。そして、前記ダイ1の両端部を
除く部分には、小径部3が形成され、その小径部3の中
央部分には、特定の形状をなした刃型4(この例では三
角形状の突型のもの)が形成されている。
【0003】この例のロータリーダイカッターAを用い
て帯状のフィルム、紙、不織布、パルプなどの被加工物
5の部分切断加工を行うには、被加工物5をダイ1とア
ンビル2の間に送り込むとともに、ダイ1とアンビル2
を回転させてそれらの間に被加工物5を挟み込み、刃型
4を被加工物5に押し付けて被加工物5の一部分5aを
押し抜くことにより行うことができる。
【0004】ところで従来、ロータリーダイカッターA
においては、ダイ1の刃型4の部分を被加工物5に対し
て繰り返し押し付けることから、直径200mm程度以
下の小径品にあっては、SKD11、SKH51と称さ
れるJIS規定の工具鋼を用いて溶解法により作成され
た一体物のダイを用いることが一般的であった。また、
この種のロータリーダイカッターにおいては、外面に刃
型を有する超硬合金製のスリーブを焼きバメあるいは冷
やしバメなどの方法にてシャフトの外周に固定したダイ
も知られている。一方、この種のダイにおいて、直径2
00mm以上の大径品にあっては、前記と同様のSKD
11を用いて溶解法により作成された一体物のダイ、あ
るいは、同等の材料を用いて作成された図4に示すよう
な中空構造のダイ6が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現在、この
種のロータリーダイカッターを用いる加工現場において
は、被加工物5の種類の多様化が進められ、マシンスピ
ードが向上している状況にあるので、ダイの長寿命化が
望まれている。このような状況にあって、小径品のダイ
においては、超硬合金からなるダイが用いられている
が、超硬合金からなるダイは、製品寿命は充分に長いも
のの、高価になる欠点がある。また、大径品のダイにあ
っては、超硬合金化でもって長寿命化に対応できる範囲
もあるが、ダイの大きさによっては、超硬合金製のダイ
の製造能力の限界を超えるものがある。また、大径品の
ダイを全て超硬合金で製造すると、大幅なコスト高にな
る問題がある。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、ダイの長寿命化をなしえるとともに、大径品であ
っても小径品であっても容易に対応できるとともに、イ
ニシャルコストを下げることができるロータリーダイカ
ッターを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、周面に刃型を有する略円柱状
のダイとアンビルとが互いの周面を向き合わせて対向配
置され、前記ダイとアンビルとの間に被加工物を挟み、
前記刃型を被加工物に押し付けることにより被加工物を
加工するロータリーダイカッターにおいて、前記ダイ
が、構造用合金鋼、軸受鋼、機械構造用炭素鋼のいずれ
かの金属材料からなる中空の取付筒と、この取付筒の外
方に一体化された複数のスリーブおよびリングとからな
る加工筒を具備してなる2重構造とされており、前記リ
ングが、構造用合金鋼からなり、前記スリーブが、C:
1.5〜4.5%(重量%、以下同じ)、Cr:2〜6
%、W:0.5〜10%、Mo:5〜15%、V:3〜
10%、Ti:2〜12%、N:0.3〜3.5%、Nb
およびTaのうちの1種または2種:2〜10%を含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有し、更
に、焼き戻しマルテンサイトを主体とした素地に、平均
粒径:0.5〜5μmのMC型炭化物を主体とする炭化
物と窒化チタンが均一に分散した組織を有する燒結合金
鋼からなり、前記スリーブが、前記取付筒から取り外し
て交換可能とされたものである。
【0008】請求項2記載の発明は前記課題を解決する
ために、周面に刃型を有する略円柱状のダイとアンビル
とが互いの周面を向き合わせて対向配置され、前記ダイ
とアンビルとの間に被加工物を挟み、前記刃型を被加工
物に押し付けることにより被加工物を加工するロータリ
ーダイカッターにおいて、前記ダイが、構造用合金鋼、
軸受鋼、機械構造用炭素鋼のいずれかの金属材料からな
る中空の取付筒と、この取付筒の外方に一体化された複
数のスリーブおよびリングとからなる加工筒を具備して
なる2重構造とされており、前記リングが、構造用合金
鋼からなり、前記スリーブが、C:1.5〜4.5%、C
r:2〜6%、W:0.5〜10%、Mo:5〜15
%、V:3〜10%、Ti:2〜12%、N:0.3〜
3.5%、NbおよびTaのうちの1種または2種:2
〜10%、Co:1〜15%を含有し、残りがFeと不
可避不純物からなる組成を有し、更に、焼き戻しマルテ
ンサイトを主体とした素地に、平均粒径:0.5〜5μ
mのMC型炭化物を主体とする炭化物と窒化チタンが均
一に分散した組織を有する燒結合金鋼からなり、前記ス
リーブが、前記取付筒から取り外して交換可能とされた
ものである。
【0009】本発明のロータリーカッターは、前記課題
を解決するために、ダイが、構造用合金鋼、軸受鋼、機
械構造用炭素鋼のいずれかの金属材料からなる中空の取
付筒と、この取付筒の外方に一体化された複数のスリー
ブおよびリングとからなる加工筒を具備してなる2重構
造とされており、前記リングが、構造用合金鋼からな
り、前記スリーブが前記組成の燒結合金鋼からなり、前
記スリーブの外面に刃型が形成されてなる構成とし、さ
らに、前記スリーブが、前記取付筒から取り外して交換
可能とされている
【0010】請求項記載の発明は前記課題を解決する
ために、請求項1、2のいずれかに記載のロータリーダ
イカッターにおいて、加工筒あるいはスリーブの刃型が
形成された部分の厚さが、10mm以上にされてなるも
のである。
【0011】
【作用】ダイを構成する加工筒の部分が、C:1.5〜
4.5%、Cr:2〜6%、W:0.5〜10%、Mo:
5〜15%、V:3〜10%、Ti:2〜12%、N:
0.3〜3.5%、NbおよびTaのうちの1種、または
2種:2〜10%を含有し、残りがFeと不可避不純物
からなる組成を有し、更に、焼き戻しマルテンサイトを
主体とした素地に、平均粒径:0.5〜5μmのMC型
炭化物を主体とする炭化物と窒化チタンが均一に分散し
た組織を有する特別な燒結合金鋼からなるので、従来の
JIS規定SKD11からなるダイよりも寿命が長く、
従来の超硬合金製のダイよりも低コストになる。なお、
ダイの加工筒の部分は、前記組成にCoを1〜15%添
加した組成の燒結合金金鋼を用いても良い。
【0012】本発明のロータリーダイカッターは、ダイ
の構造として、構造用合金鋼、軸受鋼、機械構造用炭素
鋼のいずれかの金属材料からなる中空の取付筒の外面に
前記燒結合金鋼からなるスリーブと構造用合金鋼からな
リングを外挿した2重構造としたことにより、用いる
燒結合金鋼の使用割合を少なくできるので、より低コス
トにできる。更に、刃型を形成する加工筒あるいはスリ
ーブにおいて、刃型を形成した部分の厚さを10mm以
上とすることで、加工のために充分な強度と靱性を備え
させることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の基本構成例に
ついて説明する。図1は、本発明に係るロータリーダイ
カッターに用いられるダイの基本構成例を示すもので、
この例のダイBは、中空の取付筒10と、この取付筒1
0の外面に嵌め込まれて一体化され、後述する特殊な燒
結合金鋼からなる中空の加工筒11と、これらの取付筒
10と加工筒11の開口部にはめ込まれたフランジ部材
12、12と、各フランジ部材12の外面に突設された
回転軸13を主体として構成されている。また、加工筒
11長さ方向両端部には、周段部11aが形成されると
ともに、周段部11a、11aの間の部分には小径部1
1bが形成され、小径部11bの外面中央部分には、突
起状の刃型11cが形成されている。そして、前記構成
のダイBは、図3に示す従来例の場合と同様にアンビル
に対して配置され、被加工物5を切断加工するために用
いられる。
【0014】前記取付筒10は、構造用合金鋼、軸受
鋼、機械構造用炭素鋼などの強度の高い金属材料からな
る。前記加工筒11は、C:1.5〜4.5%(重量%、
以下同じ)、Cr:2〜6%、W:0.5〜10%、M
o:5〜15%、V:3〜10%、Ti:2〜12%、
N:0.3〜3.5%、NbおよびTaのうちの1種また
は2種:2〜10%を含有し、残りがFeと不可避不純
物からなる組成を有し、更に、焼き戻しマルテンサイト
を主体とした素地に、平均粒径:0.5〜5μmのMC
型炭化物を主体とする炭化物と窒化チタンとが均一に分
散した組織を有する燒結合金鋼からなる。
【0015】また、加工筒11を構成する他の材料とし
て、C:1.5〜4.5%、Cr:2〜6%、W:0.5
〜10%、Mo:5〜15%、V:3〜10%、Ti:
2〜12%、N:0.3〜3.5%、NbおよびTaのう
ちの1種または2種:2〜10%、Co:1〜15%を
含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有
し、更に、焼き戻しマルテンサイトを主体とした素地
に、平均粒径:0.5〜5μmのMC型炭化物を主体と
する炭化物と窒化チタンが均一に分散した組織を有する
燒結合金鋼を用いても良い。これらの組成と組織を有す
る燒結合金鋼は、いずれも、耐摩耗製と靱性に優れたも
のである。
【0016】次に、前記燒結合金鋼において、成分組成
を上記のように限定した理由を以下に説明する。 C:炭素には、素地に固溶してこれの硬さおよび強度を
向上させる他、Cr、W、MoおよびV、さらにはN
b、Taと結合して炭化物を形成し、鋼の耐摩耗製を向
上させる作用があるが、その含有量が1%未満では前記
作用に所望の効果が得られず、一方この含有量が4.5
%を超えると、鋼の靱性が低下するようになるから、そ
の含有量を1.5〜4.5重量%と定めた。
【0017】Cr、W、MoおよびV:これらの成分に
は、いずれもその一部が素地に固溶してこれを強化する
他、上記の通りにCと結合して炭化物を形成し、鋼の耐
摩耗性を向上させる作用があるが、その含有量がCr、
W、MoおよびVのうちのいずれかでも、それぞれC
r:2%未満、W:0.5%未満、Mo5%未満、およ
びV:3%になると前記作用に所望の効果が得られず、
一方、Cr、W、MoおよびVのうちのいずれかの含有
量でも、それぞれCr:6%、W10%、Mo15%、
およびV:10%を超えると、炭化物生成量が多くなり
すぎて鋼の靱性が低下するようになることから、その含
有量をそれぞれ、Cr:2〜6%、W:0.5〜10
%、Mo5〜15%、およびV:3〜10%と定めた。
【0018】TiおよびN:これら2成分は、主体が素
地に分散するTiNを構成するものであり、このTiN
の分散含有によって鋼の耐摩耗性、被加工物との耐溶着
性、および耐熱性が向上するようになるが、その含有量
がそれぞれTi:2%未満およびN:0.3%未満で
は、分散相としてのTiNの割合が少なすぎて前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量がTi:12
%およびN:3.5%を超えると、TiNの割合が多く
なりすぎて鋼の靱性が低下するようになることから、こ
れら成分の含有量を、Ti:2〜12%、N:0.3〜
3.5%に定めた。
【0019】Nb、Ta:これらの成分には、Cr、
W、MoおよびVと同様に素地に固溶してこれを強化す
るとともに、Cr、W、MoおよびVと微細な固溶体炭
化物を形成して、その形態を硬質のMC型にする作用が
あり、この結果として鋼は優れた耐摩耗性と靱性を具備
するようになるが、その含有量が2%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量が10%を越
しても鋼には靱性に低下傾向が現れることになるから、
その含有量を2から10%に定めた。
【0020】Co:Co成分には、素地に固溶して、鋼
の耐熱性を向上させる効果があるので必要に応じて含有
させるが、その含有量が1%未満では所望の耐熱性向上
効果が見られず、一方その含有量が15%を超えてもよ
り一層の向上効果は現れず、経済性を考慮してその含有
量を1から15%に定めた。
【0021】なお、この発明で用いる燒結合金は、通常
の粉末冶金法にて原料粉末としてC粉末、Cr粉末、W
粉末、V粉末、Nb粉末、および、Ta粉末、並びにこ
れらの炭化物粉末のうちの所用の粉末と、Co粉末の要
素粉末とTiN粉末を用い、これらを所定の組成で混合
するか、あるいは所定組成の合金鋼粉末にTiN粉末を
混合するか、さらにTiN粉末を除く構成成分の酸化物
粉末を用い、まず、所定組成の合金鋼に対応した組成
に、これら金属酸化物粉末を混合し、還元用C粉末を加
えた状態で、水素雰囲気中で共還元処理を施し、これに
TiN粉末と必要に応じて上記要素粉末の1種以上を加
えて成分調整し、混合するなどの手段を講じ(この場
合、TiN粉末を最初から金属酸化物粉末と混合した状
態で加えておき、これに共還元処理を施しても良
い。)、次いで圧粉体にプレス成形し、これを通常の条
件で燒結することによって製造することができる。
【0022】なお、この基本構成例のダイBにおいて
は、金属製の取付筒10の外周に加工筒11を一体化す
る必要があるので、例えば前記混合粉末を筒状で刃型を
有するものに予備成形したものをHIP法を用いて燒結
と同時に成形する方法を実施すれば良い。取付筒10へ
の加工筒11の一体化は、HIP法による接合法、また
は、焼バメや冷しバメあるいは圧入などの接合手段を用
いて取付筒10に加工筒11を挿通して固定すれば良
い。なお、HIP法による一体化後熱処理を行った場合
には加工筒11には圧縮応力が発生し、使用上有利とな
る。次に、前記加工筒11の刃型11cの周囲の部分の
肉厚は少なくとも、10mm以上であり、40mm以下
であることが好ましい。この部分の肉厚が、10mm以
下であると、加工の際の繰り返しの圧力や衝撃により刃
型11cの寿命が短くなる。
【0023】以上の如く製造されたダイBにあっては、
刃型11cを含めた加工筒11が前記組成の燒結合金か
らなり、JIS規定SKD11などの鉄鋼材料系の従来
材料に比べて耐摩耗性と靱性が向上しているので、長寿
命な特徴がある。また、超硬合金製のダイに比べると、
製品コストを低く抑えることができる。次に、ダイB
は、燒結合金製の加工筒11を取付筒10で裏側から補
強した構造になっているので、構造耐力は取付筒10と
加工筒11が双方で受け持つことになり、充分な強度を
発揮する。更に、刃型11cの周囲部分の加工筒11の
肉厚を10mm以上としたので、加工時に作用する圧力
や衝撃に十分に耐えることができ、耐久性の面でも優れ
ている。
【0024】次に、本発明の第1実施例について図2を
参照して以下に説明する。図2は本発明に係るロータリ
ーダイカッターに用いられるダイの第実施例を示すも
のであり、この実施例のダイCにおいて、先の基本構成
例のダイBと異なるのは、加工筒21が複数の燒結合金
製のスリーブ21a、21b、21c、21dとそれら
の間に挟まれるように挿入されたリング部材22、2
2、22から構成されている点である。この実施例のダ
イCにおいて、その他の構成は先の基本構成例のダイB
と同等である。前記スリーブ21aと21dはそれぞれ
周段部11aを有する部分であり、スリーブ21bと2
1cは刃型11cを有する部分である。前記リング部材
22・・・は、構造用合金鋼などの金属材料からなる。
【0025】前記のような構造であると、繰り返しの加
工により刃型11cの部分のみが損耗したり、損傷した
場合に、スリーブ21bとスリーブ21cのみを取付筒
10から取り外して交換することで、新しい加工筒21
を構成することができる。このような構成にすると、刃
型11cの交換の際に低いコストで交換することができ
る。また、リング部材22は高級鋼を使用せず構造用合
金鋼などの金属材料のために、イニシャルコストも抑え
ることができる。
【0026】(製造例)図1に示す構造であって、直径
20mm、長さ400mm、厚さ20mmの加工筒を製
造した。用いた燒結合金鋼は、C:1.8%、Ti:5
%、N:1.2%、Nb:1%、Ta:2%を含有し、
残りがFeと不可避不純物からなる組成のものである。
このような組成になるように原料粉末を混合した後で、
原料粉末をダイの形状になるように加圧成形し、次いで
HIP法により温度1300℃、圧力1MPaの条件で
燒結してダイを製造した。得られた加工筒を外径170
の構造用合金鋼製の取付筒に焼きバメにより一体化して
ダイを製造した。
【0027】この構成のダイと、従来のJIS規定SK
D11製のダイと、前記のダイと同等の組成の材料を用
いて溶解コスト比較を行った結果を以下の表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示す結果から明らかなように、粉末
ハイスを用いた本願発明に係るダイのイニシャルコスト
は超硬合金からなるダイよりも低コストであることが明
らかである。次に、本発明に係るダイと、SKD11製
のダイを用いて耐久試験を行った。試験は、厚さ0.0
5mmのパルプ材からなる帯状の被加工物を押し抜き加
工する場合の回数で計測するものとし、繰り返し押し抜
き加工時において切り放し不可能となった場合をダイの
寿命とした。この結果、前記例のダイは、従来のSKD
11製のダイに比べて2倍程度の寿命があることが判明
した。
【0030】次に、前記組成の燒結合金鋼の加工筒を備
えたダイにおいて、加工筒の厚さを、5mm、10m
m、20mmにそれぞれ設定したものを作成し、それぞ
れについてパルプ材からなる帯状の被加工物を押し抜き
加工する試験を行った結果、厚さ5mmのものでは50
0万回、厚さ10mmのものでは1000万回、厚さ2
0mmのものでは1050万回、この結果から、加工筒
の厚さを10mm以上に設定することが好ましいことが
判明した。
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ダイの少
なくとも刃型の部分を上述したような特別な組成と組織
を有し、耐摩耗性および靱性に優れた燒結合金工具鋼か
ら構成したので、従来のSKD11製のダイよりも寿命
が2倍程度長く、しかも、超硬合金製のダイの半分程度
のコストで得ることができる優れたものにすることがで
きる。また、ダイを取付筒とスリーブとリングからなる
2重構造としたことにより、用いる燒結合金鋼の割合を
少なくしてより低コスト化することができる。また、刃
型を形成した取付筒の部分あるいはスリーブの部分は損
耗した場合に取付筒から外して交換することができ、ダ
イの交換時のコストをより低くすることができる。
【0031】更に、刃型を形成した取付筒あるいは、ス
リーブを10mm以上の厚さのものにするならば、加工
時の衝撃や負荷に対して取付筒やスリーブを損傷しない
ような充分な強度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロータリーダイカッターに用いら
れるダイの第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係るロータリーダイカッターに用いら
れるダイの第2実施例を示す断面図である。
【図3】従来の一般的なロータリーダイカッターの一例
を示す斜視図である。
【図4】従来の中空構造の大径のダイの一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
B、C ダイ 10 取付筒 11、21 加工筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 38/36 C22C 38/36 (56)参考文献 特開 平4−99157(JP,A) 特開 平4−2500(JP,A) 特開 平6−63898(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 3/10 F22F 5/00 B26D 1/40 504 C22C 38/00 302 C22C 38/30 C22C 38/36 C22C 38/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面に刃型を有する略円柱状のダイとア
    ンビルとが互いの周面を向き合わせて対向配置され、前
    記ダイとアンビルとの間に被加工物を挟み、前記刃型を
    被加工物に押し付けることにより被加工物を加工するロ
    ータリーダイカッターにおいて、前記ダイが、構造用合金鋼、軸受鋼、機械構造用炭素鋼
    のいずれかの金属材料からなる中空の取付筒と、この取
    付筒の外方に一体化された複数のスリーブおよびリング
    とからなる加工筒を具備してなる2重構造とされてお
    り、 前記リングが、構造用合金鋼からなり、 前記スリーブが、 C:1.5〜4.5%(重量%、以下同
    じ)、Cr:2〜6%、W:0.5〜10%、Mo:5
    〜15%、V:3〜10%、Ti:2〜12%、N:
    0.3〜3.5%、NbおよびTaのうちの1種または2
    種:2〜10%を含有し、残りがFeと不可避不純物か
    らなる組成を有し、更に、焼き戻しマルテンサイトを主
    体とした素地に、平均粒径:0.5〜5μmのMC型炭
    化物を主体とする炭化物と窒化チタンが均一に分散した
    組織を有する燒結合金鋼からなり、 前記スリーブが、前記取付筒から取り外して交換可能と
    された ことを特徴とするロータリーダイカッター。
  2. 【請求項2】 周面に刃型を有する略円柱状のダイとア
    ンビルとが互いの周面を向き合わせて対向配置され、前
    記ダイとアンビルとの間に被加工物を挟み、前記刃型を
    被加工物に押し付けることにより被加工物を加工するロ
    ータリーダイカッターにおいて、前記ダイが、構造用合金鋼、軸受鋼、機械構造用炭素鋼
    のいずれかの金属材料からなる中空の取付筒と、この取
    付筒の外方に一体化された複数のスリーブおよびリング
    とからなる加工筒を具備してなる2重構造とされてお
    り、 前記リングが、構造用合金鋼からなり、 前記スリーブが、 C:1.5〜4.5%、Cr:2〜6
    %、W:0.5〜10%、Mo:5〜15%、V:3〜
    10%、Ti:2〜12%、N:0.3〜3.5%、Nb
    およびTaのうちの1種または2種:2〜10%、C
    o:1〜15%を含有し、残りがFeと不可避不純物か
    らなる組成を有し、更に、焼き戻しマルテンサイトを主
    体とした素地に、平均粒径:0.5〜5μmのMC型炭
    化物を主体とする炭化物と窒化チタンが均一に分散した
    組織を有する燒結合金鋼からなり、 前記スリーブが、前記取付筒から取り外して交換可能と
    された ことを特徴とするロータリーダイカッター。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のロータリカッ
    ターにおいて、スリーブの刃型が形成された部分の厚さ
    が、10mm以上にされてなることを特徴とするロータ
    リーダイカッター。
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