JP3408221B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シートを搬送する
シート搬送ユニットを装置本体に引き出し自在に装着し
た画像形成装置に関し、特にシート搬送ユニットに駆動
を伝達するためのカップリング機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、複写機やプリンタ等の画像形成装
置には、給紙部から給紙されたシートを画像形成部に搬
送すると共に、画像形成部にて画像が形成されたシート
を定着部に搬送した後、排紙部に搬送するためのシート
搬送部が設けられている。そして、このような画像形成
装置において、このシート搬送部をユニット化すると共
に、例えばジャム処理等の理由により、ユニット化され
たシート搬送装置（以下、シート搬送ユニットという）
を装置本体に対し引き出し自在に装着したものがある。

【０００３】さらに、このような従来の画像形成装置に
おいては、スペースや電源等の関係によりシート搬送ユ
ニットを駆動するための駆動ユニットを装置本体側に配
し、この駆動ユニットの駆動をカップリング機構を介し
てシート搬送ユニットに伝えるようにしたものがある。

【０００４】ところで、このようなカップリング機構に
おいては、装置本体側とシート搬送ユニット側のカップ
リングの芯ズレ量が大きかったり、或はカップリング係
合面同士が傾きを持っていると、カップリングの爪ピッ
チの回転周期で駆動伝達ムラが発生する場合がある。

【０００５】そして、このように駆動伝達ムラが発生す
ると、シート搬送速度が不安定になり、特に画像形成中
においては転写ズレ等の画像不良の原因となる。なお、
このような問題に対して、例えばカップリングの芯ズレ
量をなくすような調整機構を設け、治具組みするという
構成のものがあるが、このような構成のものは組立ての
手間がかかりコスト高になる。

【０００６】そこで、従来のカップリング機構として
は、例えば図５に示すように駆動ユニットの駆動軸１０
１を挿通するよう装置本体側のカップリング１０２に設
けられた挿通穴１０２ｂの内部に凸部１０２ａを設け、
この凸部１０２ａを介してカップリング１０２を駆動軸
１０１に支持させると共に、凸部１０２ａを支点として
駆動軸１０１に対してカップリング１０２が振れるよう
にしたものがある。

【０００７】そして、このように駆動軸１０１に対して
カップリング１０２が振れるようにする、所謂カップリ
ング１０２が頭振りするようにすることにより、駆動入
力時における不図示のシート搬送ユニット側のカップリ
ングとの間のカップリング回転周期ムラを軽減するよう
に構成している。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなカップリング機構を備えた従来の画像形成装置にお
いては、回転周期の駆動伝達ムラを緩和させることがで
き、際立った画像ブレを発生させないようにすることは
できるが、カップリング１０２と駆動軸１０１との支持
長が短くなるため、装置本体にシート搬送ユニットを装
着する際、シート搬送ユニット側のカップリングにより
装置本体側のカップリング１０２が斜めに押し込まれた
場合、駆動軸外周とカップリング内周面とがかじって正
常なスライド動作ができなくなることがある。

【０００９】そして、このように装置本体側のカップリ
ング１０２が正常にスライドできない場合には、シート
搬送ユニットを装置本体に正常に装着することができな
くなる。

【００１０】そこで、本発明はこのような現状に鑑みて
なされたものであり、シート搬送ユニットを正常に装着
することができると共に、駆動伝達ムラなく駆動するこ
とのできる画像形成装置を提供することを目的とするも
のである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、シートを搬送
するシート搬送ユニットを装置本体に引き出し自在に装
着すると共に、前記シート搬送ユニットを前記装置本体
に設けられた駆動部により駆動するようにした画像形成
装置において、前記シート搬送ユニットに前記駆動部か
らの駆動を伝達すると共に、前記駆動部の駆動軸に対し
て軸方向にスライド可能に支持された本体側カップリン
グと、前記シート搬送ユニットを前記装置本体に装着す
る際、前記本体側カップリングを前記駆動軸方向にスラ
イドさせながら該本体側カップリングと結合するユニッ
ト側カップリングとを備えたカップリング機構を備え、
前記本体側カップリングを、前記駆動軸方向にスライド
しながら前記ユニット側カップリングと結合した際には
前記駆動軸に１ケ所で支持させ、前記ユニット側カップ
リングとの結合が解除された際には前記駆動軸に少なく
とも２ケ所で支持させるように構成したことを特徴とす
るものである。

【００１２】また本発明は、前記本体側カップリングに
前記駆動軸を挿通する挿通穴を設けると共に、前記ユニ
ット側カップリングとの結合が解除された際には少なく
とも前記挿通穴の内部及び前記挿通穴のユニット側カッ
プリング側端部で該本体側カップリングを前記駆動軸に
支持させ、前記ユニット側カップリングと結合された際
には前記挿通穴の内部の１ケ所で該本体側カップリング
を前記駆動軸に支持させるようにしたことを特徴とする
ものである。

【００１３】また本発明のように、シートを搬送すると
共に、装置本体に引き出し自在に装着されたシート搬送
ユニットに対してカップリング機構により装置本体に設
けられた駆動部の駆動を伝達する。そして、このカップ
リング機構を、駆動部の駆動軸に対して軸方向にスライ
ド可能に支持された本体側カップリングと、シート搬送
ユニットを装置本体に装着する際、本体側カップリング
を駆動軸方向にスライドさせながら本体側カップリング
と結合するユニット側カップリングとにより構成する。
さらに、本体側カップリングを、駆動軸方向にスライド
しながらユニット側カップリングと結合した際には駆動
軸に１ケ所で支持させることにより、本体側カップリン
グが駆動軸に対して振れることができるようにし、ユニ
ット側カップリングとの結合が解除された際には駆動軸
に少なくとも２ケ所で支持させることにより、本体側カ
ップリングが駆動軸方向にスライドできるようにする。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。

【００１５】図１は、本発明の実施の形態に係る画像形
成装置の一例である複写機の概略構成を説明する図であ
り、同図において、１０Ａは複写機、１０は複写機本体
（以下、装置本体という）である。そして、この装置本
体１０内には像担持体である円筒状の感光体１が回転自
在に収納されており、この感光体１の周囲には一次帯電
器２、現像装置３、転写分離帯電器４、クリーナ６等の
プロセス機器が配されている。さらに、現像装置３の上
方には、現像剤であるトナーを補給するためのホッパ７
が設置されている。

【００１６】又、装置本体１０の一側部（同図において
右側）には、複数枚のシートである転写材Ｐを積層収容
した給紙カセット１１，１２，１３が上下３段に亘って
設けられており、給紙カセット１１の上方には手差し用
の給紙トレイ１４が設けられている。そして、各給紙カ
セット１１，１２，１３或は手差し用の給紙トレイ１４
から供給される転写材Ｐは装置本体１０内を同図の右方
から左方に向かって搬送されるようになっている。

【００１７】また、装置本体１０内の上部には、装置本
体１０の上面に設けられた原稿載置台２６上にセットさ
れた不図示の原稿を読み取る光学系を構成するランプ２
０、反射ミラー２１〜２４、光学系レンズ２５等が配さ
れている。

【００１８】そして、このように構成された複写機１０
Ａにおいて、原稿載置台２６上にセットされた不図示の
原稿は光学系によって読み取られ、原稿に対応する光像
が図示矢印方向に回転する感光体１上に露光されると、
一次帯電器２によってその表面が帯電された感光体１上
には原稿像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜
像は現像装置５によって現像されてトナー像として顕画
化される。

【００１９】一方、例えば給紙カセット１１からは転写
材Ｐが供給され、この転写材Ｐはレジストローラ１５に
よってタイミングを合わされて感光体１と転写分離帯電
器４との間の転写部に送られ、感光体１上に形成された
トナー像の定着を受け、その後、感光体１から転写材Ｐ
は分離される。

【００２０】そして、感光体１から分離された転写材Ｐ
は、ベルト搬送装置１６によって定着装置１８に送ら
れ、定着装置１８によってトナー像の定着を受けた後、
排出ローラ１９によって装置本体１０外に排出されるよ
うになっている。

【００２１】ところで、同図において、２７はシートの
搬送経路を構成すると共に、装置本体１０に対してスラ
イドして引き出し可能に装着されたシート搬送ユニット
であり、このシート搬送ユニット２７にはレジストロー
ラ１５、ベルト搬送装置１６、定着前ガイド１７、定着
装置１８及び排出ローラ１９等が配されている。

【００２２】そして、このシート搬送ユニット２７上の
レジストローラ１５、ベルト搬送装置１６及び排出ロー
ラ１９等の転写材搬送手段へ、装置本体１０から駆動を
伝達するためのカップリング機構として装置本体（駆
動）側とシート搬送ユニット側にはそれぞれカップリン
グ部が配されている。

【００２３】図２は、このようなカップリング機構の構
造を示す図であり、同図において、２８Ａは装置本体
（駆動）側のカップリング部、２８は装置本体（駆動）
側のカップリング（以下、本体側カップリングという）
であり、この本体側カップリング２８には、ガイド部支
持面２８ａと、首振り支点２８ｂとを備えた挿通穴２８
ｃが設けられている。

【００２４】また、３０は本体側カップリング２８の挿
通穴２８ｃに挿通される駆動軸であり、この駆動軸３０
には、ガイド部３０ａと、首振り受け面３０ｂ及びスラ
スト規制部３０ｃが設けられている。なお、同図におい
て、４０は、装置本体１０に設けられた不図示の駆動部
である駆動モータからの駆動を駆動軸３０に伝達する伝
達ギアである。

【００２５】また、３２は駆動軸３０に対して着脱可能
に設けられると共に欽定３３で位置決めされたストッ
パ、３１は本体側カップリング２８とストッパ３２との
間に配された圧縮バネである。そして、シート搬送ユニ
ット２７が装置本体１０から引き出されると、この圧縮
バネ３１の付勢力により本体側カップリング２８は押圧
され、後述する図３に示すように、駆動軸３０のスラス
ト規制部３０ｃに突き当たるようになっている。

【００２６】一方、２９Ａはシート搬送ユニット２７側
のカップリング部、２９はシート搬送ユニット２７側の
カップリング（以下、ユニット側カップリングという）
であり、このユニット側カップリング２９の一側面に
は、ジャム処理等により引き出されたシート搬送ユニッ
ト２７が装置本体１０に挿入された際、本体側カップリ
ング２８の先端部を受け入れるための凹部２９ａが形成
されている。

【００２７】なお、４１はユニット側カップリング２９
を軸支する駆動伝達軸、４２は駆動伝達軸４１に固定さ
れた第１ギア、４３は第１ギア４２に噛合すると共に、
シート搬送ユニット２７の各転写材搬送手段、例えばレ
ジストローラ１５を駆動するローラ駆動軸４４に固定さ
れた第２ギアである。

【００２８】そして、このようなユニット側カップリン
グ２９を備えたシート搬送ユニット２７を装置本体１０
に挿入すると、本体側カップリング２８はユニット側カ
ップリング２９により圧縮バネ３１の付勢力に抗して駆
動軸３０にガイドされながら押し込まれるようになって
おり、これによりシート搬送ユニット２７が装置本体１
０にロックされる位置で両カップリング２８，２９は結
合する。

【００２９】なお、このようにカップリング２８，２９
が結合することにより、駆動モータからの駆動は駆動軸
３０を介して駆動伝達軸４１に伝達された後、第１ギア
４２、第２ギア４３及びローラ駆動軸４４を介してレジ
ストローラ１５に伝達されるようになっている。

【００３０】一方、図３は本体側カップリング２８のカ
ップリング待避状態にあるときの状態、即ち本体側カッ
プリング２８がユニット側カップリング２９に押し込ま
れる前の状態を示す図である。

【００３１】この状態のとき、本体側カップリング２８
は、圧縮バネ３１の付勢力により駆動軸３０のスラスト
規制部３０ｃに突き当たると共に、同図に示すように駆
動軸３０にガイド部支持面２８ａとガイド部３０ａ及び
首振り支点２８ｂと首振り受け面３０ｂの２ケ所で支持
されており、これにより本体側カップリング２８の首振
り動作が規制されている。

【００３２】そして、このようにカップリング待避状態
のとき本体側カップリング２８の首振り動作を規制する
ことにより、シート搬送ユニット２７を装置本体１０に
挿入する際、本体側カップリング２８の駆動軸３０と、
ユニット側カップリング２９の駆動伝達軸４１（図２参
照）との芯ズレ量が大きかったり、或はカップリング係
合面同士が傾きを持っている場合においても、本体側カ
ップリング２８を駆動軸３０に対して斜めに押し込むこ
となく、駆動軸方向にスライドさせることができる。こ
れにより、確実に駆動軸外周とカップリング内周面との
間のかじりを防止することができ、シート搬送ユニット
２７を正常に装置本体１０に装着することができる。

【００３３】また、図４は本体側カップリング２８が駆
動伝達状態にあるときの状態、即ち本体側カップリング
２８がユニット側カップリング２９により圧縮バネ３１
の付勢力に抗して駆動軸３０にガイドされながら押し込
まれた後の駆動を伝える時の状態を示す図である。

【００３４】ここで、このように本体側カップリング２
８が押し込まれると、本体側カップリング２８は駆動軸
３０に対して首振り支点２８ｂと首振り受け面３０ｂと
の１ケ所のみによって支持されるため、首振り動作を行
なうことができる。そして、このように駆動伝達時、本
体側カップリング２８が首振り動作を行なうことができ
るようにすることにより、駆動伝達ムラを緩和させるこ
とができ、安定した画像を得ることができる。

【００３５】なお、本体側カップリング２８の首振り動
作を規制するガイド部３０ａの形状及び配置は本実施の
形態のものに拘らず、シート搬送ユニット２７を装置本
体１０に挿入する際には、本体側カップリング２８の首
振り動作を規制し、シート搬送ユニット２７を挿入後の
駆動伝達位置では首振り動作が可能な構成であれば、同
様の効果が得られることはいうまでもない。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように本発明のように、ユ
ニット側カップリングと共にカップリング機構を構成す
る本体側カップリングを、ユニット側カップリングと結
合した際には駆動軸に１ケ所で支持させて駆動軸に対し
て振れることができるようにすることにより、駆動伝達
ムラなくシート搬送ユニットを駆動することができる。
また、ユニット側カップリングとの結合が解除された際
には駆動軸に少なくとも２ケ所で支持させて駆動軸方向
にスライドできるようにすることにより、シート搬送ユ
ニットを正常に装置本体に装着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例
である複写機の概略構成を説明する図。

【図２】上記複写機のカップリング機構の構造を説明す
る断面図。

【図３】上記複写機のカップリング機構の本体側カップ
リングの待避状態にあるときの状態を示す図。

【図４】上記本体側カップリングの駆動伝達状態にある
ときの状態を示す図。

【図５】従来の画像形成装置の本体側のカップリング部
の構成を説明する図。

【符号の説明】

１０Ａ 複写機 １０ 装置本体 ２７ シート搬送ユニット ２８Ａ 本体側カップリング部 ２８ 本体側カップリング ２８ａ ガイド部支持面 ２８ｂ 首振り支点 ２８ｃ 挿通穴 ２９Ａ ユニット側カップリング部 ２９ ユニット側カップリング ３０ 駆動軸 ３０ａ ガイド部 ３０ｂ 首振り受け面 ３０ｃ スラスト規制部 ３１ 圧縮バネ ４１ 従動駆動軸 Ｐ 転写材

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートを搬送するシート搬送ユニットを
   装置本体に引き出し自在に装着すると共に、前記シート
   搬送ユニットを前記装置本体に設けられた駆動部により
   駆動するようにした画像形成装置において、 前記シート搬送ユニットに前記駆動部からの駆動を伝達
   すると共に、前記駆動部の駆動軸に対して軸方向にスラ
   イド可能に支持された本体側カップリングと、前記シー
   ト搬送ユニットを前記装置本体に装着する際、前記本体
   側カップリングを前記駆動軸方向にスライドさせながら
   該本体側カップリングと結合するユニット側カップリン
   グとを備えたカップリング機構を備え、 前記本体側カップリングを、前記駆動軸方向にスライド
   しながら前記ユニット側カップリングと結合した際には
   前記駆動軸に１ケ所で支持させ、前記ユニット側カップ
   リングとの結合が解除された際には前記駆動軸に少なく
   とも２ケ所で支持させるように構成したことを特徴とす
   る画像形成装置。
2. 【請求項２】 前記本体側カップリングに前記駆動軸を
   挿通する挿通穴を設けると共に、前記ユニット側カップ
   リングとの結合が解除された際には少なくとも前記挿通
   穴の内部及び前記挿通穴のユニット側カップリング側端
   部で該本体側カップリングを前記駆動軸に支持させ、前
   記ユニット側カップリングと結合された際には前記挿通
   穴の内部の１ケ所で該本体側カップリングを前記駆動軸
   に支持させるようにしたことを特徴とする請求項１記載
   の画像形成装置。