JP3407350B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP3407350B2 JP23122293A JP23122293A JP3407350B2 JP 3407350 B2 JP3407350 B2 JP 3407350B2 JP 23122293 A JP23122293 A JP 23122293A JP 23122293 A JP23122293 A JP 23122293A JP 3407350 B2 JP3407350 B2 JP 3407350B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物に係
り、特に、ポリアミド樹脂に、エチレン・プロピレン・
非共役ジエン共重合体ゴムにスチレンとアクリロニトリ
ルとをグラフト共重合させて得られるグラフト共重合体
(以下、「AES樹脂」と略称する。)を配合してな
る、耐衝撃性が大幅に改善され、かつ剛性等の機械物性
や離型性、寸法安定性等の成形加工性のバランスに優れ
た熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は耐薬品性、耐熱性、耐
摩耗性に優れており、エンジニアリングプラスチックと
して広く利用されているが、耐衝撃性及び寸法安定性、
吸湿性に劣るという欠点があり、この改良のため過去に
多くの研究がなされている。
【0003】例えば、ポリアミド樹脂にABS(アクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂を配合する方
法(特公昭38−23476号)、或いはα,β−不飽
和カルボン酸無水物を共重合成分として含有するゴム強
化スチレン系樹脂を配合する方法(特開昭56−112
957号,特開平4−255756号)、更にはポリア
ミド樹脂に非ジエン系ゴムをベースとするグラフト共重
合体を配合する方法(特公昭60−17354号,特公
昭62−61060号等)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の組成物は、
ポリアミド樹脂の衝撃強度及び成形加工性を大きく改良
するが、特に衝撃強度の大きなものを得ようとするとグ
ラフト共重合体の配合量が多く必要であり、グラフト共
重合体の配合量が50重量部以下では効果の小さいもの
が多く、とりわけその配合量が30重量部未満ではいず
れも効果が小さい。しかして、グラフト共重合体の多量
配合は、ポリアミド樹脂本来の特性が損われ、好ましい
ことではない。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決し、ポリ
アミド樹脂に対して少量のグラフト共重合体の配合で高
い衝撃強度を得ることができる熱可塑性樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】請求項1の熱可
塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体5〜40重量部及
びポリアミド樹脂95〜60重量部を含む熱可塑性樹脂
組成物において、該グラフト共重合体が、エチレン・プ
ロピレン・非共役ジエン共重合体100重量部のゴムラ
テックス粒子に酸変性低分子量α−オレフィン共重合体
1〜40重量部を均一に分散させたエチレン・プロピレ
ン・非共役ジエン共重合体含有架橋ラテックス40〜9
0重量部(固形分として)に、芳香族ビニル系単量体5
5〜80重量%及びシアン化ビニル系単量体45〜20
重量%を含む単量体混合物60〜10重量部を、レドッ
クス系開始剤の存在下、乳化グラフト重合させるに当
り、該レドックス系開始剤及び単量体混合物を1時間以
上にわたって連続的に前記エチレン・プロピレン・非共
役ジエン共重合体含有架橋ラテックスに加えることによ
って得られたグラフト共重合体であることを特徴とす
る。
【0007】請求項2の熱可塑性樹脂組成物は、請求項
1の熱可塑性樹脂組成物において、エチレン・プロピレ
ン・非共役ジエン共重合体含有架橋ラテックスのゲル含
量が30〜90重量%であり、粒子径が0.2〜1μで
あることを特徴とする。
【0008】請求項3の熱可塑性樹脂組成物は、請求項
1又は2の熱可塑性樹脂組成物において、レドックス系
開始剤はクメンハイドロパーオキサイド、硫酸第一鉄、
ピロリン酸ナトリウム及びデキストローズからなること
を特徴とする。
【0009】即ち、本発明者らは、上記従来の問題点を
解消すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリアミド樹脂に特
定の製造方法により得られたAESグラフト共重合体を
配合することにより、特に少量のAESグラフト共重合
体の配合で高い衝撃強度が得られることを見出し、本発
明を完成させた。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】まず、本発明におけるグラフト共重合体に
ついて説明する。本発明に係るグラフト共重合体におけ
るゴム成分であるエチレン・プロピレン・非共役ジエン
共重合体(以下、「EPDM」と略称する。)は、エチ
レン、プロピレン、非共役ジエンのゴム状共重合体であ
るが、含有されるエチレンの濃度は40〜90mol%
で、ジエン成分としては、1,4−ヘキサジエン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニルノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン等を含むものが好ましい。
【0012】酸変性低分子量α−オレフィン共重合体と
しては、α−オレフィン99.8〜80重量%及び不飽
和カルボン酸系化合物0.2〜20重量%を含む酸変性
ポリエチレン等が挙げられる。ここで、α−オレフィン
としては、エチレン等が、不飽和カルボン酸としては、
アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノアミド等が挙げら
れる。
【0013】このような、酸変性低分子量α−オレフィ
ン共重合体を、前記EPDM 100重量部に対して、
1重量部以上配合することにより、最終的に得られる熱
可塑性樹脂組成物の衝撃強度を高めることができる。し
かし、酸変性低分子量α−オレフィン共重合体の配合量
が40重量部を超えても、衝撃強度はそれ以上改良され
ず、逆に引張り強度等の剛性や耐熱性が悪化してゆくた
め、本発明において、EPDM含有架橋ラテックスは、
EPDM 100重量部に対して酸変性低分子量α−オ
レフィン共重合体1〜40重量部を配合したものとす
る。
【0014】このEPDM含有架橋ラテックスは、その
ゲル含有量が30〜90重量%であり、粒子径が0.2
〜1μのものが物性バランス上好ましい。このゲル含有
量が30重量%よりも少ないと、最終的に得られる熱可
塑性樹脂組成物の耐衝撃性と表面外観が悪化し、ゲル含
有量が90重量%よりも多いと、得られる熱可塑性樹脂
組成物の耐衝撃性が著しく悪化する。一方、粒子径が
0.2μ未満であると、得られる熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃性が著しく悪化し、1μを超えると、得られる熱
可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が著しく悪化する。
【0015】EPDM含有架橋ラテックスにグラフト重
合させる単量体は、芳香族ビニル系単量体及びシアン化
ビニル系単量体の混合物である。これらの単量体のう
ち、芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン等が挙げられる。シ
アン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等が挙げられる。
【0016】本発明において、単量体混合物は、芳香族
ビニル系単量体55〜80重量%及びシアン化ビニル系
単量体45〜20重量%を含有してなるものである。
【0017】本発明に係るグラフト共重合体は、前記E
PDM 100重量部に対して、酸変性低分子量α−オ
レフィン共重合体1〜40重量部を含有するEPDM架
橋ラテックス40〜90重量部(固形分として)に、上
記単量体混合物60〜10重量部を乳化グラフト重合し
て得られるものである。グラフト共重合体中のEPDM
含有架橋ラテックスが40重量部未満で単量体混合物が
60重量部を超える場合には、最終組成物の衝撃強度は
改善されず、また、EPDM含有架橋ラテックスが90
重量部を超え、単量体混合物が10重量部未満である場
合には、最終組成物の引張強度等の剛性が悪化する。
【0018】本発明に係るグラフト共重合体は、例え
ば、次のようにして製造するのが好ましい。即ち、ま
ず、EPDMに酸変性低分子量α−オレフィン共重合体
を均一に分散させたEPDM含有架橋ラテックスを製造
する。例えば、EPDM及び酸変性低分子量α−オレフ
ィン共重合体の所定量を適当な溶剤に溶解して、これに
乳化剤を添加して乳化させる。この場合、溶剤として
は、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環
族炭化水素溶剤を用いることができる。乳化剤としては
特に制限はないが、例えばオレイン酸カリウム、不均化
ロジン酸カリウム等のアニオン系界面活性剤が用いられ
る。乳化剤の添加量は、EPDMに対して1〜10重量
部とするのが好ましい。なお、乳化剤は、例えばオレイ
ン酸をEPDMと酸変性低分子量α−オレフィン共重合
体溶液に混合しておき、これに水酸化カリウム水溶液を
添加して、オレイン酸カリウムを生成させることにより
添加することもできる。
【0019】酸変性低分子量α−オレフィン共重合体の
配合量は、EPDMに対して1〜40重量部とするが、
このような割合で、酸変性低分子量α−オレフィン共重
合体を添加することにより、安定なグラフト重合を行う
ことが可能とされ、また最終樹脂組成物に良好な衝撃強
度を与えることができる。
【0020】EPDMと酸変性低分子量α−オレフィン
共重合体の溶液を乳化剤により乳化させた後、これを十
分に撹拌し、溶剤を留去することにより、粒径0.2〜
1μ程度のラテックスを得る。
【0021】ついで、このラテックスのEPDM 10
0重量部に対して、ジビニルベンゼン等の多官能性化合
物を0.1〜5.0重量部及びジ−t−ブチル−オキシ
トリメチルシクロヘキサン等の有機過酸化物を0.1〜
5.0重量部添加して、60〜140℃で、0.5〜
5.0時間程度反応させることにより架橋ラテックスを
調整する。
【0022】本発明において、このようにして調整され
るEPDM含有架橋ラテックスのゲル含量は、前述の如
く、30〜90重量%程度であることが好ましい。な
お、EPDM含有架橋ラテックスのゲル含量はこのラテ
ックスを希硫酸にて水洗、乾燥した後、これを1g採取
し、200mlのトルエン中に100℃で5時間浸漬
し、次いで200メッシュのステンレス金網にて濾過
し、残渣を乾燥することによって求めることができる。
【0023】次いで、このようにして調整したEPDM
含有架橋ラテックス40〜90重量部(固形分として)
と、前記単量体混合物60〜10重量部を、適当な重合
温度に加温してグラフト重合させる。
【0024】本発明においては、単量体混合物にレドッ
クス系開始剤を混合し1時間以上にわたって連続的に重
合系内に添加する必要がある。この添加時間が、1時間
未満の場合、最終製品の衝撃強度は低下する。なお、添
加時間は50〜20重量部程度の単量体混合物を添加す
る場合において2〜3時間程度とするのが好ましい。
【0025】なお、ここで使用されるレドックス系開始
剤としては、有機過酸化物が好ましく、通常の場合、硫
酸第一鉄−キレート剤−還元剤の組合せで使用される。
油性開始剤としては、キュメンハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
ターシャルブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸
化物が好ましい。最も好ましいレドックス系開始剤は、
クメンハイドロパーオキサイド、硫酸第一鉄、ピロリン
酸ナトリウム及びデキストローズからなるものである。
このようなレドックス系開始剤は、単量体混合物100
重量部に対して0.5〜5.0重量%程度用いるのが好
ましい。
【0026】重合終了後は、必要に応じて酸化防止剤を
添加した後、得られたグラフト共重合体ラテックスか
ら、樹脂固形分を析出させる。この場合、析出剤として
は、例えば硫酸、酢酸、塩化カルシウム、硫酸マグネシ
ウム等の水溶液を単独、又は併用して用いることができ
る。析出剤を添加したグラフト共重合体ラテックスは、
加熱、撹拌した後、析出物を分離し、これを水洗、脱
水、乾燥することによりグラフト共重合体を得ることが
できる。
【0027】一方、本発明におけるポリアミド樹脂と
は、エチレンジアミン、ジアミノブタン、ヘキサメチレ
ンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジ
アミン、2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、1,3−及び1,4−ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘ
キシル)メタン、メタキシリレンジアミン、パラキシリ
レンジアミンなどの脂肪族、脂環族、芳香族ジアミンと
アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族ジカルボン酸とから導かれるポリア
ミド、ξ−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムなどの
ラクタム類の開環重合によって得られるポリアミド、6
−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などから導かれるポリアミド及びこ
れらの共重合ポリアミド、混合ポリアミド、さらにはポ
リアミドをハードセグメントとし、かつポリエーテルを
ソフトセグメントとするポリアミドエラストマーなどが
挙げられる。
【0028】これらのうち、工業的に安価かつ大量に製
造されているという意味でポリカプロアミド(ナイロン
6)、ポロドデカアミド(ナイロン12)、ポリテトラ
メチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチ
レンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレン
セバカミド(ナイロン610)、及びこれらの共重合
体、例えばナイロン6/66(”/”印は共重合体であ
ることを意味する)、ナイロン6/610、ナイロン6
/12、ナイロン66/12、ナイロン6/66/61
0/12、及びこれらの混合体などが有用である。ま
た、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン/テレフ
タル酸/イソフタル酸系のポリアミドも有用である。
【0029】なお、使用するポリアミド樹脂の重合度に
は特に制限はない。また、ポリアミド樹脂の分子構造に
ついても制限はなく、線状ポリアミド、分岐ポリアミド
などいずれを用いても構わない。ポリアミドの重合方法
としては、溶融重合、界面重合、溶液重合、塊状重合、
固相重合及びこれらの方法を組み合わせた方法が利用さ
れ、一般的には溶融重合が最も適当である。また、特に
ポリアミド原料がラクタム類である場合にはアニオン重
合によって重合体を得ても良い。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述した
グラフト共重合体5〜40重量部及びポリアミド樹脂9
5〜60重量部を含み、グラフト共重合体とポリアミド
樹脂との合計が100重量部となるものである。本発明
の熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体が5重量部
未満でポリアミド樹脂が95重量部を超える場合には、
目的とする衝撃強度が得られず、グラフト共重合体が4
0重量部を超え、ポリアミド樹脂が60重量部未満であ
る場合には、最終成形品の耐熱性に劣る。
【0031】このような本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、前記グラフト共重合体及びポリアミド樹脂の所定量
を、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、加工助剤、顔料、
充填剤等と共に混合し、例えば、押出機、バンバリーミ
キサー、混練ロール等にて混練してペレット化すること
により、容易に製造することができる。
【0032】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて本
発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超
えないかぎり、以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、以下において、「部」は「重量部」を示す。
【0033】製造例1EPDM含有架橋ラテックスの製造 三井石油化学(株)製EPDM(商品名:EPT301
2P)100部をn−ヘキサン566部に溶解した後、
三井石油化学(株)製変性ポリエチレン(商品名:ハイ
ワックス2203A)をそれぞれ表1に示す量添加し、
更に、オレイン酸を加え、完全に溶解した。別に、水7
00部にKOH 0.9部を溶解した水溶液を60℃に
保ち、これに調製した上記重合体溶液を徐々に加えて乳
化した後、ホモミキサーで撹拌した。次いで、溶剤と水
の一部を留去して粒径0.37〜0.60μのラテック
スを得た。このラテックスにゴム成分であるEPDM
100部に対してジビニルベンゼン1.5部、ジ−t−
ブチルパーオキシトリメチルシクロヘキサンをそれぞれ
表1に示す量を添加して、120℃で1時間反応させ
て、EPDM含有架橋ラテックスNo.1−1〜1−5
を調製した。
【0034】EPDM含有架橋ラテックスNo.1−
6,1−7は、酸変性ポリエチレンをそれぞれ0部及び
50部添加し、1−8,1−9は、ジ−t−ブチルパー
オキシトリメチルシクロヘキサンをそれぞれ0.2部,
3.0部添加したこと以外は、上記方法と同様に製造し
た。
【0035】また、EPDM含有架橋ラテックスNo.
1−10,1−11は、オレイン酸をそれぞれ7.0
部,2.0部、KOHをそれぞれ1.4部,0.4部添
加したこと以外は、上記方法と同様に製造した。
【0036】なお、それぞれのEPDM含有架橋ラテッ
クスを希硫酸にて凝固させ、水洗乾燥した後、これを1
g採取して200mlのトルエン中に100℃、5時間
浸漬し、次いで200メッシュのステンレス金網にて濾
過し、残渣を乾燥することにより、各ラテックスのゲル
含量を求めたところ、表1に示す結果が得られた。
【0037】グラフト共重合体の製造 撹拌機付きステンレス重合槽に、表2,3のNo.2−
1〜2−18に示す処方で原料を仕込み重合を行った。
重合温度は80℃で一定温度とした。なお、成分(II)の
添加時間150分、成分(III) の添加時間は180分と
した。
【0038】重合後、酸化防止剤を添加し、硫酸にて固
形分の析出を行い、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て、グ
ラフト共重合体の粉末No.2−1〜2−18を得た。
【0039】なお、グラフト共重合体No.2−1〜2
−18の製造における各々の単量体転化率を表2,3に
示す。単量体転化率は、ラテックスの一部を採取してガ
スクロマトグラフィーを用いて求めた残存単量体から算
出した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】実施例1〜11及び比較例1〜13 製造例1で得たグラフト共重合体と宇部興産(株)製ポ
リアミド樹脂(商品名UBE 1022B)とを、表4
及び表5に示す配合で二軸押出機(東洋精器社製ラボプ
ラストミル モデル15R300)にて混練りし、26
0℃にて成形を行った。得られた樹脂組成物No.3−
1〜3−24について以下の条件及び方法で諸特性を試
験し、結果を表4、表5に示した。
【0044】ノッチ付きアイゾット衝撃値:試験片厚み
1/4インチ,1/8インチ ASTM D 256に準拠 引張強度:ASTM D 638に準拠 離型性:一定の射出サイクル(30秒)と金型温度(5
0℃)で成形した成形品について、離型の難易度を次の
3段階で評価した。 ○……突き出しピンで容易に離脱する。 △……一部金型に残るため、手作業による取り出しが必
要である。 ×……ほとんど金型に残るため、手作業による取り出し
が必要であり、かつ当作業によって成形品が変形する。 熱変形温度:4.6kg/cm2 ASTM D 64
8に準拠 表3及び表4より、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐
衝撃性、耐熱性、剛性成形加工性のバランスが良好で、
極めて優れた特性を有することが明らかである。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の熱可塑性樹
脂組成物によれば、耐衝撃性、耐熱性、剛性等の特性が
著しく高く、また離型性等の成形加工性とのバランスが
良好な、極めて優れた高性能熱可塑性樹脂組成物が提供
される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−291943(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/06 C08L 77/00 - 77/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラフト共重合体5〜40重量部及びポ
    リアミド樹脂95〜60重量部を含む熱可塑性樹脂組成
    物において、該グラフト共重合体が、 エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体100重
    量部のゴムラテックス粒子に酸変性低分子量α−オレフ
    ィン共重合体1〜40重量部を均一に分散させたエチレ
    ン・プロピレン・非共役ジエン共重合体含有架橋ラテッ
    クス40〜90重量部(固形分として)に、芳香族ビニ
    ル系単量体55〜80重量%及びシアン化ビニル系単量
    体45〜20重量%を含む単量体混合物60〜10重量
    部を、レドックス系開始剤の存在下、乳化グラフト重合
    させるに当り、該レドックス系開始剤及び単量体混合物
    を1時間以上にわたって連続的に前記エチレン・プロピ
    レン・非共役ジエン共重合体含有架橋ラテックスに加え
    ることによって得られたグラフト共重合体であることを
    特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の熱可塑性樹脂組成物におい
    て、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体含有
    架橋ラテックスのゲル含量が30〜90重量%であり、
    粒子径が0.2〜1μであることを特徴とする熱可塑性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の熱可塑性樹脂組成物に
    おいて、レドックス系開始剤はクメンハイドロパーオキ
    サイド、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム及びデキス
    トローズからなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成
    物。
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