JP3406607B2 - ハイブリッドヒト/動物第viii因子 - Google Patents

ハイブリッドヒト/動物第viii因子

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Description

【発明の詳細な説明】 政府は、本発明において、権利を有し、本発明は本発
明を導く研究に一部資金を提供した国立衛生研究所承認
番号HL40921、HL46215、およびHL36094に基づく。
発明の背景 本発明は、概してヒトおよび動物第VIII因子アミノ酸
配列を有するハイブリッド第VIII因子ならびにその調製
方法および使用方法に関する。
血小板が障害部位で損傷した血管の切断壁に粘着する
と、血液クッロッティングが始まる。続いて、酵素的に
制御された反応のカスケードにおいて、可溶性フィブリ
ノーゲン分子は酵素トロンビンにより、血栓において血
小板を一緒に収容するフィブリンの不溶性の鎖に変換さ
れる。カスケードにおける各ステップで、タンパク質前
駆体は、連続して次のタンパク質前駆体を切断するプロ
テアーゼに変換される。補因子がほとんどのステップで
必要とされる。その活性型において、タンパク質の第VI
II因子は、プロテアーゼ(活性型第IX因子)による第X
因子の活性化に必要とされる補因子である。
第VIII因子または抗血友病因子は、血漿中で認めら
れ、そして1930年代に命名された。1940年代に、第VIII
因子の欠乏症はクッロッティング障害性血友病Aに結び
つけられた。第VIII因子は、X連関であることが見出さ
れ、そしてタンパク質であると仮定された。1980年代に
は、ウシ、ヒト、およびブタの血漿に関連する研究によ
り、第VIII因子がタンパク質であると同定されたが、そ
の決定的な細胞源は依然として不明である。
血液凝固において第VIII因子が正確にどのように機能
するかは知られていない。第VIII因子が、トロンビンま
たは第X a因子によりタンパク質分解的に第VIII a因子
に活性化されることが知られている。カルシウムおよび
リン脂質と組み合わせて、第VIII a因子は、第IX a因子
を未知の機構により第X因子のより有効な活性化因子に
する。
第VIII因子で処置されない、第VIII因子の欠乏したヒ
トまたは第VIII因子に対する抗体を有するヒトは、関節
における炎症反応から早期の死までの範囲の重度の症状
を引き起こし得る未調節の内出血を被る。米国で約10,0
00人の重度の血友病患者は、第VIII因子の注入で処置さ
れ得、この第VIII因子は十分な頻度および濃度で投与さ
れると、血液の正常なクロッティング能を回復する。事
実、第VIII因子の古典的な定義は、血友病Aを有する個
体由来の血漿におけるクッロッティング欠陥を矯正する
正常な血漿中に存在する物質である。
種々の程度の純度のヒト血漿由来第VIII因子のいくつ
かの製剤は、血友病Aの治療用として市販されている。
これらは、ウィルスに対して加熱処理およびデタージェ
ント処理されるが有意なレベルの抗原タンパク質を含有
する多数のドナーのプール血液由来の部分精製した第VI
II因子;より低いレベルの抗原性不純物およびウィルス
汚染物を有するモノクローナル抗体精製第VIII因子;お
よび臨床治験のために進行中の組換えヒト第VIII因子を
包含する。さらに、部分精製したブタ第VIII因子の製剤
は、ヒト第VIII因子に対するインヒビターを有する患
者、すなわち、ヒト第VIII因子を結合し、かつ中和する
循環抗体分子を有する患者を処置するのに有用である。
血友病患者は、再発性出血の数年後、関節に生じる変
形性血友病性関節症を防止するために、連日、第VIII因
子の交代を必要とする。しかし、商業的生産および治療
的使用における問題のため、第VIII因子濃縮物の供給
は、血友病患者を適切に処置するに決して十分に多くは
ない。例えば、一般に使用される血漿由来物は、単離お
よび精製することが困難であり、免疫原性であり、そし
てAIDSおよび肝炎ウィルスからの感染能の危険を除去す
るための処理を必要とする。組換えヒト第VIII因子は、
後者の2つの問題を減らし得る。ブタ第VIII因子もま
た、代替物を提供し得る。なぜなら、ヒト第VIII因子は
生理学的濃度及びpHで不安定であり、極端に低い濃度
(0.2μg/ml血漿)で血液中に存在し、そしてその比ク
ッロッティング活性がブタ第VIII因子と比較して低いか
らである。
多くのヒト第VIII因子のインヒビターが、ブタ第VIII
因子とより強くは反応しないので、ブタ第VIII因子は、
ヒト第VIII因子の注入に応答しない条件下で患者の第VI
II因子欠乏を矯正するために現在使用されている。ブタ
第VIII因子の限界は、1回以上の注入後にブタ第VIII因
子に対する阻害的抗体が発達することである。
一般に使用され、市販されている血漿由来第VIII因子
に関連する問題は、より良い第VIII因子生産の開発に重
大な関心をもたらしている。分子当たりクッロッティン
グ活性のより多いユニットが送達され得るようなより強
力な第VIII因子分子;選択されるpHおよび生理学的濃度
で安定な第VIII因子分子;阻害的抗体を産生しにくい第
VIII因子分子;およびヒト第VIII因子に対する抗体をす
でに獲得している患者における免疫検出を免れる第VIII
因子分子の必要性がある。
米国出願番号07/864,004は、凝固因子活性を有するハ
イブリッドヒト/ブタ第VIII因子分子の発見を記述して
おり、1つの種の第VIII因子の成分で、他の種の第VIII
因子分子の対応する成分を置換する。米国出願番号08/2
12,133は、ハイブリッドヒト/動物第VIII因子分子を記
述しており、この第VIII因子の1種の成分で、他の種の
第VIII因子分子の対応する成分を置換する。
従って、本発明の目的は、第VIII因子の欠損患者の血
友病またはヒト第VIII因子のインヒビターを有する患者
の血有病を矯正する第VIII因子を提供することである。
本発明のさらなる目的は、血友病患者の処置方法を提
供することである。
本発明のさらに別の目的は、選択されるpHおよび生理
学的濃度で安定な第VIII因子を提供することである。
発明の要旨 1つの実施態様において、ヒトおよびブタまたは他の
非ヒト哺乳動物(本明細書中で「動物」という)由来の
第VIII因子アミノ酸配列を含む;または第2の実施態様
において、ヒトまたは動物あるいは両方由来の第VIII因
子アミノ酸配列と好ましくは第VIII因子の抗原性領域内
で置換された第VIII因子に由来しないアミノ酸配列とを
包含する凝固因子活性を有するハイブリッド第VIII因子
が記載される。このハイブリッド第VIII因子分子は、ヒ
トおよび動物第VIII因子サブユニットまたはドメインの
単離および組換えによるか;またはヒトおよび動物第VI
II因子遺伝子の遺伝子操作により産生される。
好適な実施態様において、組換えDNA方法は、動物第V
III因子の成分で、対応するヒト第VIII因子を置換する
ために用いられ、ハイブリッドヒト/動物第VIII因子分
子を生じる。別の実施態様において、組換えDNA方法
は、ヒトまたは動物第VIII因子における、あるいは2つ
の種のハイブリッドにおける1種以上のアミノ酸を、第
VIII因子に同一な配列を有さないアミノ酸、好ましくは
第VIII因子に対して天然に存在する阻害抗体と非免疫反
応性であるアミノ酸の配列で置き換えるために用いられ
る。特に免疫原生エピトープを置き換えるために用いら
れ得るアミノ酸配列の例は、アラニン残基の配列であ
る。
別の実施態様において、第VIII因子のサブユニット
は、ヒト血漿または動物血漿から単離および精製され、
そしてハイブリッドヒト/動物第VIII因子は、動物重鎖
サブユニットとヒト軽鎖サブユニットとの混合物または
ヒト重鎖サブユニットと動物軽鎖サブユニットとの混合
物のいずれかにより産生され、それによってヒト軽鎖/
動物重鎖およびヒト重鎖/動物軽鎖ハイブリッド分子を
産生する。これらのハイブリッド分子はイオン交換クロ
マトグラフィーにより単離される。
あるいは、第VIII因子の1つ以上のドメインまたは部
分的ドメインは、ヒト血漿または動物血漿から単離およ
び精製され、そしてハイブリッドヒト/動物第VIII因子
が、1つの種からのドメインまたは部分的ドメインと第
2の種のドメインまたは部分的ドメインとの混合物によ
り産生される。ハイブリッド分子は、イオン交換クロマ
トグラフィーにより単離され得る。
高度に精製したハイブリッド第VIII因子を調製するた
めの方法は、以下の工程を有すると記載されている:
(a)血漿由来ヒト第VIII因子のサブユニットおよび血
漿由来動物第VIII因子のサブユニットの単離、続いてヒ
トおよび動物サブユニットの混合物による凝固因子活性
の再構成、続いてイオン交換クロマトグラフィーによる
ハイブリッドヒト/動物第VIII因子の単離;(b)血漿
由来ヒト第VIII因子のドメインまたは部分的ドメインお
よび血漿由来動物第VIII因子のドメインまたは部分的ド
メインの単離、続いてヒトドメインおよび動物ドメイン
の混合物による凝固因子活性の再構成、続いてイオン交
換クロマトグラフィーによるハイブリッドヒト/動物第
VIII因子の単離;(c)組換えDNA技術による動物第VII
I因子のドメインまたは部分的ドメインの構築、続いて
凝固因子活性を有するハイブリッドヒト/動物第VIII因
子を生産するための動物およびヒト第VIII因子の交換;
(d)ヒト第VIII因子の特異的アミノ酸残基の、部位特
異的突然変異生成により置き換えられたヒトアミノ酸に
同一な配列を有する動物第VIII因子アミノ酸残基との置
き換えによるハイブリッドヒト/動物第VIII因子の作
製;または(e)ヒトまたは動物アミノ酸配列あるいは
両方を有するハイブリッド第VIII因子分子の作製、ここ
で第VIII因子の特異的アミノ酸残基は、部位特異的突然
変異による第VIII因子と同一の配列を有さないアミノ酸
残基で置き換えられる。
ハイブリッド第VIII因子のある種は、ヒト第VIII因子
より大きく、かつブタ第VIII因子と同等かあるいはわず
かに高い比活性を有する。ハイブリッド第VIII因子のあ
る種は、ヒトまたはブタ第VIII因子と同等かあるいは低
い第VIII因子に対する阻害抗体との免疫反応性を有す
る。
図面の簡単な説明 図1Aおよび1Bは、ヒト、マウス、およびブタ第VIII因
子A2ドメインのアミノ酸配列の並びであり、ここで残基
の番号はヒト第VIII因子の完全長配列(配列番号2)に
関して373位から始まる。
発明の詳細な説明 −定義 別に明細に記述するかまたは指示しなければ、本明細
書中で使用する「ハイブリッド第VIII因子」または「ハ
イブリッドタンパク質」とは、以下を有する任意の機能
性第VIII因子タンパク質分子を示す:(1)ヒトおよび
ブタ(ヒト/ブタ)第VIII因子の両方または他の非ヒト
哺乳動物(ヒト/非ブタ哺乳動物)第VIII因子由来のア
ミノ酸配列;(2)ブタおよびマウスのような2種の異
なる非ヒト哺乳動物種(動物−1/動物−2、ブタ/非ヒ
ト、非ブタ哺乳動物)由来のアミノ酸配列;および
(3)第VIII因子に対する公知の配列同一物を有しない
アミノ酸配列が置換されるハイブリッド、ヒト、または
動物第VIII因子由来のアミノ酸配列。本明細書中で使用
する「哺乳動物第VIII因子」は、別に詳細に記述しなけ
れば、任意の非ヒト哺乳動物由来のアミノ酸配列を有す
る第VIII因子を包含する。本明細書中で使用する「動
物」とは、ブタおよび他の非ヒト哺乳動物をいう。ハイ
ブリッドヒト/ブタ第VIII因子と、ヒト第VIII因子アッ
セイにおいて凝固因子活性を有する。この活性および他
のハイブリッド第VIII因子の活性は、血漿由来第VIII因
子または組換えヒト第VIII因子のいずれかの活性より低
いか、同等であるか、または高くあり得る。ある実施態
様において、このハイブリッド第VIII因子は、全ての天
然に存在する第VIII因子阻害抗体と交叉反応性でない
か、あるいはヒトまたはブタ第VIII因子より交叉反応性
でない。
このハイブリッド第VIII因子は、以下により作製され
得る:(1)単離された血漿由来動物サブユニットまた
はヒトサブユニット(重鎖または軽鎖)の、対応するヒ
トサブユニットまたは動物サブユニットに対する置換;
(2)ヒトドメインまたは動物ドメイン(A1、A2、A3、
B、C1、およびC2)の、対応する動物ドメインまたはヒ
トドメインに対する置換;(3)ヒトドメインまたは動
物ドメインの一部分の、動物ドメインまたはヒトドメイ
ンの一部分に対する置換;(4)1種以上のヒトまたは
動物特異的アミノ酸残基の、対応する動物またはヒト特
異的アミノ酸残基に対する置換;または(5)ヒト、動
物、またはハイブリッド第VIII因子における1種以上の
特異的アミノ酸残基の、第VIII因子に対する公知の配列
同一物を有しないアミノ酸配列での置換。融合タンパク
質は、ハイブリッド遺伝子の産物であり、ここで1種の
タンパク質に対するコード配列は、例えば、融合タンパ
ク質をコードするハイブリッド遺伝子を産生する異なる
遺伝子からの第2のタンパク質に対するコード配列にタ
ンパク質の一部分を融合することにより広範に変更され
る。本明細書中で使用するように、融合タンパク質は、
本出願に記載するハイブリッドタンパク質のサブセット
である。
「対応するアミノ酸」とは、別の第VIII因子分子の部
位と同一の構造および/または機能を有する第VIII因子
分子の部位に存在するアミノ酸であるが、アミノ酸残基
番号は同一でなくてもよい。
本明細書中で使用する「比活性」とは、ヒト第VIII因
子欠損血漿の凝固欠陥を矯正する活性をいう。比活性
は、標準アッセイにおいて総第VIII因子タンパク質1ミ
リグラム当たりのクッロッティング活性のユニットで測
定され、ここでヒト第VIII因子欠損血漿のクッロッティ
ング時間は正常なヒト血漿のクッロッティング時間と比
較される。第VIII因子活性の1ユニットは、正常なヒト
血漿の1ミリリットルに存在する活性である。アッセイ
において、血餅形成の時間が短くなるほど、アッセイさ
れる第VIII因子の活性が大きくなる。
ヒト第VIII因子cDNAヌクレオチド配列を配列番号1に
示す。ヒト第VIII因子予想アミノ酸配列を配列番号2に
示す。第VIII因子分子において、本明細書中で使用する
「ドメイン」とは、内部アミノ酸配列同一物およびトロ
ンビンによるタンパク質分解的切断の部位により定義さ
れるアミノ酸の連続配列である。別に指定しなければ、
第VIII因子ドメインは、配列をヒトアミノ酸配列(配列
番号2)と並べると、以下のアミノ酸残基を包含する:A
1、残基1−372;A2、残基373−740;B、残基741−1648;A
3、残基1690−2032;C1、残基2033−2172;C2、残基2173
−2332。A3−C1−C2配列は、残基1690−2332を包含す
る。残りの配列、残基1649−1689は、通常第VIII因子軽
鎖活性化ペプチドという。本明細書中で使用する「部分
的ドメイン」とは、ドメインの一部分を含むアミノ酸の
連続配列である。
本明細書中で使用する「ハイブリッドヒト/動物第VI
II因子等価物」または「ハイブリッド第VIII因子等価
物」とは、活性第VIII因子分子であり、ここで(1)内
因性第VIII因子阻害抗体と免疫反応性であるエピトープ
を形成するヒト、動物、またはハイブリッド第VIII因子
の1種以上の特異的アミノ酸残基は、ヒトまたは動物第
VIII因子配列に対する公知の同一物を有さず、かつ内因
性第VIII因子阻害抗体と免疫反応性であるエピトープを
形成しない1種以上のアミノ酸残基で置換される;およ
び/または(2)凝固因子活性に重要なヒト、動物、ま
たはハイブリッド第VIII因子の1種以上の特異的アミノ
酸残基は、凝固因子活性をも有するヒトまたは動物第VI
II因子配列に対する公知の同一物を有しない1種以上の
特異的アミノ酸残基で置換される。得られるハイブリッ
ド第VIII因子等価分子は、非置換ヒト第VIII因子よりも
低い第VIII因子阻害的抗体との反応性を有し、そして凝
固因子活性を有する。
本明細書中で使用する「第VIII因子欠損」は、欠損第
VIII因子の産生、第VIII因子の不十分な産生または産生
しないこと、あるいはインヒビターによる第VIII因子の
部分的または完全な阻害により生じるクッロッティング
活性の欠損を包含する。血友病Aは、X連関遺伝子の欠
陥およびそれがコードする第VIII因子タンパク質の非存
在または欠損から生じる第VIII因子欠損のタイプであ
る。
本明細書中で使用するヒトまたは動物第VIII因子の
「サブユニット」とは、タンパク質の重鎖および軽鎖で
ある。第VIII因子の重鎖は、3つの「ドメイン」A1、A
2、およびBを含む。第VIII因子の軽鎖はまた、3つの
「ドメイン」A3、C1、およびC2を含む。
本明細書中で使用する「診断アッセイ」とは、あるい
様式で、医学治療の選択を助けるための試験サンプリン
グに存在する特定の抗体の量を検出および/または定量
するために抗原−抗体相互作用を利用するアッセイを包
含する。当業者に公知の多数のこのようなアッセイがあ
る。しかし、本明細書中で使用するように、ハイブリッ
ドヒト/動物DNAおよびそれから発現されるタンパク質
は、全体または一部が、別の公知のアッセイで対応する
試薬を置換し得、それによって改変アッセイが、第VIII
因子に対する抗体を検出および/または定量するために
用いられ得る。これらの試薬、ハイブリッドヒト/動物
DNAおよびそれから発現されるタンパク質あるいはハイ
ブリッドヒト/動物等価第VIII因子DNAおよびそれから
発現されるタンパク質を使用すれば、ヒトまたは動物第
VIII因子あるいはハイブリッドヒト/動物第VIII因子に
対する抗体の検出のための公知のアッセイの改変が可能
になる。このようなアッセイは、ELISA、免疫拡散アッ
セイ、およびイムノブロットを包含するがこれらに限定
されない。任意のこれらのアッセイを実施するための適
切な方法は、当業者に公知である。本明細書中で使用す
るように、少なくとも1種のタンパク質のエピトープを
含有するハイブリッドヒト/動物または等価第VIII因子
あるいはその一部は、診断試薬として使用され得る。
本明細書中で使用する用語「エピトープ」、「抗原性
部位」、「免疫原性部位」、および「抗原性決定基」
は、同義的に使用され、そして抗体により特異的に認識
されるハイブリッド第VIII因子タンパク質の部分として
定義される。それはアミノ酸残基の任意の数から成り
得、そしてそれはタンパク質の一次、二次または三次構
造に依存し得る。この開示に従い、少なくとも1種のエ
ピトープを含有する第VIII因子タンパク質または等価物
は、診断アッセイにおいて試薬として使用され得る。
−方法の概略 ハイブリッドヒト/動物および等価第VIII因子分子
(これらのいくつかは、高度に精製したヒト第VIII因子
と比較した場合に標準クッロッティングアッセイにおい
てより大きな凝固因子活性を有し、そしてこれらのいく
つかは、ヒトまたはブタ第VIII因子に対する阻害抗体に
対するより低い免疫反応性を有する)は以下のように構
築され得る。
5つのタイプのハイブリッドヒト/ブタまたは等価第
VIII因子分子およびそれらを調製するための方法が、本
明細書に開示される:これらは以下により得られる
(1)ブタサブユニット(すなわち、重鎖または軽鎖)
で、対応するヒトサブユニットを置換すること;(2)
1種以上のブタドメイン(すなわち、A1、A2、A3、B、
C1、およびC2)で、対応するヒトドメインを置換するこ
と;(3)1種以上のブタドメインの一部分で、対応す
る1種以上のヒトドメイン一部分を置換すること;
(4)ヒト第VIII因子における1種以上の特異的アミノ
酸残基を、ブタ配列からの対応する残基で置換するこ
と;および(5)ヒト、ブタ、またはハイブリッドヒト
/ブタ第VIII因子における1種以上の特異的アミノ酸
を、第VIII因子に対する公知の配列同一物を有しない1
つまたは複数のアミノ酸残基で置換すること。ヒト第VI
II因子アミノ酸配列および非ブタ哺乳動物第VIII因子ア
ミノ酸配列を有する5つのタイプのハイブリッド第VIII
因子分子、あるいは第5のカテゴリーにおけるように、
ヒト、非ブタ哺乳動物、またはハイブリッド第VIII因子
がまた、同様の方法により調製され得る。
グループ(1)〜(3)に属する上に挙げたハイブリ
ッドヒト/動物および等価第VIII因子タンパク質は、血
漿由来第VIII因子のサブユニット、ドメイン、またはド
メインの一部分の単離、続いて再構成および精製により
作製される。上記のグループ(3)〜(5)に属する記
載のハイブリッドヒト/動物および等価第VIII因子タン
パク質は、組換えDNA方法により作製される。ハイブリ
ッド分子は、以下により詳細に記述するように、種々の
領域の起源に依存して、動物配列よりも高いかまたは低
いヒト配列のパーセントを含み得る。
ブタ重鎖/ヒト軽鎖からなり、そして上に挙げた第1
のタイプのハイブリッドに対応するハイブリッドヒト/
ブタ第VIII因子が、ヒト第VIII因子と比較して標準クッ
ロッティングアッセイにおいてより大きな比凝固因子活
性を有することが以下に示される。凝固因子活性を有す
るハイブリッドヒト/動物または等価第VIII因子は、そ
の活性がヒト第VIII因子の活性より高いか、同等である
か、または低いかに関わらず、インヒビターを有する患
者の処置に有用であり得る。なぜなら、これらのインヒ
ビターは、ヒトまたはブタ第VIII因子のいずれかとより
もハイブリッドヒト/動物または等価第VIII因子とより
反応し得ないからである。
再構成による単離したヒトおよび動物第VIII因子サブユ
ニットからのハイブリッドヒト/動物第VIII因子分子の
調製: ハイブリッドヒト/動物第VIII因子分子が調製および
単離され、そしてそれらの凝血促進活性が特徴付けられ
る。Fay P.J.ら、265 J.Biol.Chem.6197(1990);およ
びLollar J.S.ら、263 J.Biol.Chem.10451(1988)によ
り報告されている手順から改変した1つの方法は、ヒト
および動物第VIII因子のサブユニット(重鎖および軽
鎖)の単離、続いてヒト重鎖と動物軽鎖との組換えまた
はヒト軽鎖と動物重鎖との組換えを包含する。
ヒトおよび動物の個々のサブユニットの両方の単離
は、カルシウムとエチレンジアミン四酢酸(EDTA)との
キレート化による軽鎖/重鎖二量体の解離と、続くmono
STM HPLC(Pharmacia−LKB、Piscataway、NJ)を包含す
る。ハイブリッドヒト/動物第VIII因子分子は、カルシ
ウム存在下で、単離したサブユニットから再構成され
る。ハイブリッドヒト軽鎖/動物重鎖または動物軽鎖/
ヒト重鎖第VIII因子は、Lollar,J.S.ら、71 Blood 137
−143(1988)により記載されているようなブタ第VIII
因子の単離のための手順により、monoSTM HPLCにより未
反応重鎖から単離される。
以下の実施例に詳細に記述されるこれらの方法は、ヒ
ト第VIII因子の凝血促進活性の6倍よりも大きな凝血促
進活性を有するハイブリッドヒト軽鎖/ブタ重鎖分子を
生じる。他のハイブリッドヒト/非ブタ哺乳動物第VIII
因子分子は、同様の方法により調製、単離、および活性
に関して特徴付けられ得る。
再構成による単離したヒトおよび動物第VIII因子ドメイ
ンからのハイブリッドヒト/動物第VIII因子分子の調
製: ドメイン置換を有するハイブリッドヒト/動物第VIII
因子が、調製および単離され、そしてそれらの凝血促進
活性が特徴付けられる。1つの方法は、Lollar P.ら、2
67(33)J.Biol.Chem.23652−23657(1992年11月25日)
により記載されているように、ヒト第VIII因子の1種以
上のドメインおよび動物第VIII因子の1種以上のドメイ
ンの単離、続いて凝固因子活性を有するハイブリッドヒ
ト/動物第VIII因子を形成するためのヒトおよび動物ド
メインの組換えを包含する。
血漿由来動物およびヒトA1/A3−C1−C2二量体は、NaO
H存在下で第VIII因子aからのA2ドメインの解離により
単離され、この後、混合物は希釈され、そして二量体は
monoSTM HPLC(Pharmacia−LKB、Piscataway、NJ)を用
いて溶出される。A2ドメインは、monoSTM HPLCにおける
副成分として第VIII a因子から単離される。ハイブリッ
ドヒト/動物第VIII因子分子は、等量の1つの種のA2ド
メインと他の種のA1/A3−C1−C2二量体との混合により
再構成される。1種以上のドメイン置換を有するハイブ
リッド第VIII因子は、J.S.Lollarら、71 Blood 137−14
3(1988)により記載されているようなブタ第VIII因子
の単離のための手順により、monoSTM HPLCにより未反応
二量体とA2ドメインとの混合物から単離される。
以下の実施例に詳細に記載されるこれらの方法は、凝
血促進活性を有するハイブリッド第VIII因子分子を生じ
る。
ヒト、動物、およびハイブリッド第VIII因子サブユニッ
ト、ドメイン、またはドメインの一部分をコードする配
列の組換え操作によるハイブリッド第VIII因子分子の調
製: サブユニット、ドメイン、ドメインの一部分の置換: ヒト第VIII因子遺伝子が、Toole,J.J.ら、312 Nature
342−347(1984)(Genetics Institute);Gitschier,
J.ら、312 Nature 326−330(1984)(Genentech);Woo
d,W.I.ら、312 Nature 330−337(1984)(Genentec
h);Vehar,G.A.ら、312 Nature 337−342(1984)(Gen
entech)により報告されているように、哺乳動物細胞中
で単離および発現され、そしてアミノ酸配列がcDNAから
推測された。Caponらの米国特許第4,965,199号は、哺乳
動物宿主細胞での第VIII因子の産生およびヒト第VIII因
子の精製のための組換えDNA方法を開示している。CHO
(チャイニーズハムスターの卵巣)細胞およびBHKC(ベ
ビーハムスター腎臓細胞)における第VIII因子の発現が
報告されている。
ヒト第VIII因子をコードするcDNA配列および予想アミ
ノ酸配列は、それぞれ配列番号1および配列番号2に示
される。
組換えハイブリッド第VIII因子が調製され、これはド
メインA1−A2−A3−C1−C2に対応する第VIII因子配列を
コードするヒトcDNA(Biogen,Inc.)から始まる。このc
DNAによりコードされる第VIII因子は、完全なBドメイ
ンを欠いており、そしてWoodら、312 Nature 330−337
(1984)の番号付けシステムに従って、単鎖ヒト第VIII
因子(配列番号2を参照のこと)のアミノ酸残基1−74
0および1649−2332に対応する。Bドメインは、生物学
的機能のために必要でないようなので、欠失される。
ブタ第VIII因子は、血漿から単離および精製されてい
る(Fass,D.N.ら、59 Blood 594(1982))。Bのアミ
ノ酸配列およびブタ第VIII因子のA2ドメインの一部分
は、Toole,J.J.ら、83 Proc.Nat'l.Acad.Sci.U.S.A.593
9−5942(1986)により報告されている。
ブタおよびヒト第VIII因子の両方とも、2つのサブユ
ニットタンパク質として血漿から単離される。重鎖およ
び軽鎖として知られているサブユニットは、カルシウム
または他の2価金属イオンを必要とする非共有結合によ
り結合される。第VIII因子の重鎖は、3つのドメイン、
A1、A2、およびBを含み、これらは共有的に結合され
る。第VIII因子の軽鎖もまた、3つのドメイン(A3、C
1、およびC2と示される)を含む。Bドメインは、公知
の機能を有さず、そして第VIII因子の任意の測定可能な
パラメーターを有意に変更することなく、分子からタン
パク質分解的に、または組換えDNA技術の方法により除
去され得る。ヒト組換え第VIII因子は、血漿由来第VIII
因子と同様の構造および機能を有するが、哺乳動物細胞
中で発現されない限りグリコシル化されない。
ヒトおよびブタ活性化第VIII因子(第VIII a因子)の
両方とも、A1ドメインとA2ドメインとの間の重鎖の切断
による3つのサブユニットを有する。この構造は、A1/A
2/A3−C1−C2で示される。ヒト第VIII a因子は、ブタ第
VIII a因子を安定化する条件下で安定でない。これは、
ヒト第VIII a因子のA2サブユニットのより弱い会合のた
めである。ヒトおよびブタ第VIII a因子のA2サブユニッ
トの解離は、第VIII a因子分子における活性の損失に関
連する。
成熟ヒト第VIII因子において、配列番号1の残基373
−740に対する配列同一物を有するブタ第VIII因子cDNA
の完全なA2ドメイン(配列番号3)が配列決定された。
予想アミノ酸配列を配列番号4に示す。
ブタ第VIII因子のA2およびBドメインのみが完全に配
列決定されたが、ブタ第VIII因子分子の残りは、完全長
ハイブリッドが構築され得るように、Current Protocol
s in Molecular Biology、F.M.Ausubelら編(1991)中
のWeis J.H.、「組換えDNAライブラリーの構築」に記載
されているような標準クローニング技術により配列決定
され得る。
ブタまたはヒト第VIII因子cDNAの個々のサブユニッ
ト、ドメイン、またはドメインの一部分は、クローン化
され得、そして確立された変異誘発技術により、対応す
るヒトまたはブタサブユニット、ドメイン、あるいはド
メインの一部分を置換し得る。例えば、Lubin,I.M.ら、
269(12)J.Biol.Chem.8639−8641(1994年3月)は、
ブタA2ドメインでヒトドメインを置換するための技術を
記載している。これらのハイブリッド第VIII因子cDNA分
子は、Current Protocols in Molecular Biology、F.M.
Ausubelら編(1991)中のSelden,R.F.ら、「哺乳動物細
胞へのDNAの導入」により記載されているような確立さ
れた技術により、活性ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因
子タンパク質分子の最後の発現のための発現ベクターに
クローン化され得る。
好適な実施態様において、第VIII因子をコードするハ
イブリッドヒト/ブタcDNA(ここでブタ配列は、ドメイ
ンまたは部分ドメイン、このようなA2ドメインまたは部
分ドメインをコードする)は、リポソーム仲介トランス
フェクション(LipofectinTM、Life Technologies、In
c.)のような当該分野でルーチンの方法を用いて、ReNe
oのような哺乳動物発現ベクターに挿入され、ベビーハ
ムスター腎臓細胞のような培養中の細胞を安定にトラン
スフェクトするために使用される構築物を形成する。組
換えハイブリッド第VIII因子タンパク質の発現は、例え
ば、配列決定、ノーザンブロッティングおよびウエスタ
ンブロッティング、あるいはポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)により確認され得る。培養培地中のハイブリッド第V
III因子タンパク質(ここでタンパク質を発現するトラ
ンスフェクトされた細胞は維持される)は、沈澱され、
ペレットにされ、洗浄され、適切な緩衝液中に再懸濁さ
れ得、そして組換えハイブリッド第VIII因子タンパク質
が、免疫アフィニティークロマトグラフィーを包含する
標準技術により精製され得る。1つの実施態様におい
て、第VIII因子は、組換え分子から融合タンパク質とし
て発現され、ここで安定性、分泌、欠失、または単離を
増強するタンパク質をコードする分子は、第VIII因子コ
ード配列に隣接する位置に挿入される。精製したハイブ
リッド第VIII因子は、例えば、無血漿第VIII因子アッセ
イ、1段階クッロッティングアッセイ、および精製した
組換えヒト第VIII因子を標準として用いる酵素結合免疫
吸着測定法を包含する標準的なアッセイにより、免疫反
応性および凝固因子活性についてアッセイされ得る。
プラスミドおよび真核ウィルスベクターの両方を含有
する他のベクターは、当業者の選択および判断に従っ
て、真核細胞中で組換え遺伝子構築物を発現するために
使用され得る(例えば、Sambrookら、16章を参照のこ
と)。細菌、酵母、および昆虫細胞系を包含する他のベ
クターおよび発現系が使用され得るが、グリコシル化に
おける相違またはグリコシル化の欠落のため好ましくな
い。
組換えハイブリッド第VIII因子タンパク質は、培養お
よび組換え哺乳動物タンパク質発現のために一般に使用
される種々の細胞中に発現され得る。アメリカンタイプ
カルチャーコレクション(American Type Culture Coll
ection)、Rockville,MDから入手可能な好適な細胞株
は、ベビーハムスター腎臓細胞であり、これはルーチン
の手順および培地を用いて培養される。
同様の方法が、ヒト/非ブタ哺乳動物のような他の組
換えハイブリッド第VIII因子タンパク質を調製するため
に使用され得る。公知のヒトDNA配列からのプライマー
から始めて、マウスおよびブタ第VIII因子cDNAの一部分
がクローン化されている。ハイブリッドヒト/動物第VI
II因子分子を調製するのに使用するための他の種の第VI
II因子配列は、公知のヒトDNA配列を開始点として用い
て得られ得る。利用され得る他の技術は、動物組織DNA
を用いるPCR増幅方法、および第VIII因子配列をクロー
ン化するための動物からのcDNAライブラリーの使用を包
含する。
例として、ハイブリッドヒト/マウス第VIII因子タン
パク質は、以下のように作製され得る。ヒト第VIII因子
遺伝子のマウス相同体に対応するDNAクローンを、単離
および配列決定し、そしてマウス第VIII因子のアミノ酸
配列を、Elder G.、ら、16(2) Genomics 374−379
(1993年5月)(これはマウス、ヒト、およびブタ第VI
II因子分子の一部分の予想アミノ酸配列の比較も包含す
る)に記載のように予想した。マウス第VIII因子cDNA配
列および予想アミノ酸配列を、それぞれ配列番号5およ
び配列番号8に示す。好適な実施態様において、Sarkar
G.およびS.S.Sommer、244 Science 331−334(1989)
に記載の転写物配列決定方法を用いるRNA増幅法(RNA a
mplification with transcript sequencing(RAWTS))
が使用され得る。簡潔には、工程は(1)オリゴ(dT)
またはmRNA特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用い
るcDNA合成;(2)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、こ
こで一方または両方のオリゴヌクレオチドは、増幅しよ
うとする領域に相補的な配列に結合したファージプロモ
ーターを含む;(3)ファージプロモーターを用いる転
写;および(4)転写物の逆転写酵素仲介ジデオキシ配
列決定(これはネスト(内部)オリゴヌクレオチドでプ
ライム(prime)される)である。配列情報を示すこと
に加えて、この方法は、翻訳開始シグナルを適切なPCR
プライマーに組み込むことによりインビトロでの翻訳産
物を生成し得;そして他の種からの新規mRNA配列情報を
得るために使用され得る。
1つまたは複数のアミノ酸の置換: A2ドメインは、第VIII因子分子の凝血促進活性のため
に必要である。Lollar,P.ら、267 J.Biol.Chem.23652−
23657(1992)に従って、ヒト第VIII因子とブタ第VIII
因子との間の凝固因子活性の相違は、A2ドメインにおけ
る1種以上の残基間のアミノ酸配列の相違に基づくよう
である。さらに、ヒト第VIII因子分子におけるA2および
C2ドメインは、Hoyer L.W.およびD.Scandella、31 Semi
n.Hematol.1−5(1994)に従うと、全てではないとし
ても、ほとんどの阻害抗体が反応するエピトープを有す
ると考えられる。組換えハイブリッド第VIII因子分子
は、動物A2、C2、および/または他のドメインからのア
ミノ酸配列のヒト第VIII因子への置換、あるいはヒトA
2、C2、および/または他のドメインからのアミノ酸配
列の動物第VIII因子への置換により作製され得、動物分
子とヒト分子との間で異なるいずれかの場合のアミノ酸
配列を選択する。ハイブリッド分子も作製され得、ここ
で1より多い動物からのアミノ酸配列がヒト第VIII因子
分子内で置換されるか、もしくはヒトおよび他の動物ア
ミノ酸配列が動物第VIII因子分子に挿入される。ハイブ
リッド等価分子も作製され得、ここでヒト、動物、また
はハイブリッド第VIII因子が、第VIII因子に対する公知
の配列同一物を有しない1種以上のアミノ酸を含む。次
いで、これらのハイブリッド分子は、増強された凝固因
子活性および/または減少した抗体免疫反応性を有する
ハイブリッド第VIII因子分子を同定するために、凝固因
子活性に関して、および第VIII因子に対する阻害抗体と
の反応性に関して、標準的手順によりアッセイされ得
る。ヒトと比較して減少した凝固因子活性を有するが、
まだ減少した抗体反応性を有するハイブリッド分子も同
定され得る。アミノ酸の置換を有するハイブリッドヒト
/ブタ第VIII因子を調製するための本明細書に記載され
る方法は、組換えハイブリッドヒト/非ブタ哺乳動物第
VIII因子タンパク質、およびアミノ酸配列置換を有する
ハイブリッド動物−1/動物−2第VIII因子を調製するた
めに使用され得る。
改変された凝固因子活性を有するハイブリッド第VIII因
子分子 ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子が調製され得、こ
こで、A2ドメインにおける、プロ凝固因子活性を有する
ヒト第VIII因子のアミノ酸配列が、同様にプロ凝固因子
活性を有する対応するブタアミノ酸配列で置換される。
置換される配列は、以下のように選択および調製され
る。ヒトおよびブタのA2ドメインは共に368残基(それ
ぞれ、配列番号2および6)を有する。図1A〜1B(ヒト
およびブタ第VIII因子のA2ドメインのアミノ酸配列(残
基の番号付けはヒト第VIII因子の全長アミノ酸配列(配
列番号2)に対して373位で開始する)の並置を比較す
る)に示されるように、これらの残基の50個は異なって
おり、そして318個は同一である;すなわち、ヒトおよ
びブタ第VIII因子のA2ドメインが並置されるとき、86%
の配列同一性がある。従って、数が大量ではあるが有限
である組み合わせが存在し、この組み合わせは、50の異
なる残基に基づいて、増強した凝固因子活性を有するハ
イブリッドヒト/ブタ第VIII因子分子を生じる。
ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子分子を調製するた
め、変異誘発のための最初の標的候補物(これらは、ヒ
トA2ドメイン内において、ヒトおよびブタのA2アミノ酸
配列(それぞれ、配列番号2および6)の比較により示
された)を表Iに示す。
表Iおよび図1A〜1Bの太字は、このA2ドメインの17%
のみを構成するが、ヒトおよびブタA2ドメインの間で70
%の配列相違を含むヒトおよびブタのA2ドメインアミノ
酸配列(それぞれ、配列番号2および6)の7つの配列
を示す。ハイブリッドは、配列相違に基づいてブタの配
列を選択し、そしてこれをヒトA2ドメインに置換するこ
とにより作成される。
特異的変異誘発技術が、凝固因子活性(この活性は、
ヒト第VIII因子に比べて、高いか、等しいかまたは低い
ものであり得るが、好ましくは高い)を有するハイブリ
ッドタンパク質を同定するために使用される。特定のヒ
ト配列をブタ配列で、好ましくは、Ho,S.N.ら、77 Gene
51−59(1994)ならびに実施例7および8に記載され
ているようにオーバーラップ伸長法によるスプライシン
グ(SOE)を用いて置換する。他の実施態様では、オリ
ゴヌクレオチド特異的変異誘発が、ヒトA2ドメイン部分
のアミノ酸配列をループアウトするために行われたよう
に使用され得る(実施例7を参照)。これらのハイブリ
ッドの機能的分析が凝固因子活性を明らかにすると、そ
の配列はさらに、標準部位特異的変異誘発技術を用いる
点変異分析により、プロ凝固因子配列について詳細に分
析され、そしてマッピングされ得る。A2ドメインにおけ
るアミノ酸配列置換を実施例7および8に記載する。
低下した免疫反応性を有するハイブリッド第VIII因子分
子 先の章に記載されている、第VIII因子分子中のアミノ
酸の置換に関するアプローチが、A2、C2、および/また
は他のドメインの1つまたはそれ以上の、阻害性抗体が
特異的である重要な領域を同定し、そして実施例8に示
されているように、ヒト第VIII因子における1つまたは
それ以上のエピトープを対応するブタアミノ酸配列で置
換することにより、免疫反応性を有しないかまたは免疫
反応性が低下した効果的なプロ凝固因子ハイブリッド分
子を調製するために使用され得る。
通常、ブタ第VIII因子は、阻害性抗体とは限定的に反
応するか、または反応しない。ヒト第VIII因子に対する
阻害性抗体の90%以上は、A2またはC2ドメインのいずれ
かまたはその両方に特異的である。A2ドメインにおける
アミノ酸置換に基づく阻害性抗体との反応性を有しない
かまたは反応性が低下したハイブリッドヒト/ブタ第VI
II因子分子は、以下のように調製される。ブタA2ドメイ
ンを、上記ならびに実施例6、7および8に記載されて
いる標準クローニング技術によりクローン化し、続い
て、通常の手順を用いて切断し、そしてA2ドメイン内に
スプライシングする(例えば、制限部位の使用によるcD
NAの切断またはオーバーラップ伸長によるスプライシン
グ(SOE))。生じた公知のブタアミノ酸配列の構築物
をヒトA2ドメイン中に置換して、ハイブリッド第VIII因
子構築物を形成する。この構築物は、上記のように、哺
乳動物の発現ベクター(好ましくはReNeo)に挿入さ
れ、培養細胞(好ましくは、ベビーハムスター腎臓細
胞)に安定にトランスフェクトされ、そして発現され
る。ハイブリッド第VIII因子は、通常のベセスダアッセ
イにより、または血漿を含有しない染色基質アッセイに
より、例えば、抗A2抗体との免疫反応性についてアッセ
イされる。ベセスダ単位(BU)は、インヒビター力価を
測定するための標準方法である。ハイブリッドにおいて
ベセスダ力価が測定不能である場合(<0.7BU/mg Ig
G)、置換された対応するブタ配列の領域において、ヒ
トA2エピトープは除去されていた。このエピトープは漸
次的に縮小され、このようにして、特異的なA2エピトー
プが決定され得て、できるだけ少ないブタ配列を有する
ハイブリッドヒト/ブタ分子を生成する。
C2または他のドメインにおけるアミノ酸配列の置換に
基づく、阻害性抗体との反応性を有しないかまたは低下
した反応性を有するハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子
分子は、A2ドメインにおいて置換させるかまたは置換せ
ずに調製され得る。これらの手順は、A2ドメインにおけ
るアミノ酸置換について本明細書中に記載されている手
順と同じであり得るかまたは類似し得る。これらの手順
には、例えば、RT−PCRを用いることにより、またはブ
タ肝臓cDNAライブラリーをヒトC2ドメインDNAまたは他
のドメインDNAでプローブすることにより、ブタC2また
は他のドメインをクローニングすること;制限部位技術
および/または連続的なSOEによりC2ドメインまたは他
のドメインにおいてエピトープをマッピングし、そして
同時にエピトープを置換すること;培養細胞での発現;
および免疫反応性についての通常のアッセイが包含され
る。アッセイのために、C2ドメインに特異的な抗体(例
えば、Scandella,Dら、Thromb.Haemostasis 67:665−67
1(1992)およびLubinら、(1994)に記載されている阻
害性自己抗体IgG)が、例えば、Dorothea Scandella博
士,American Red Cross,Rockville,MDから入手し得る。
このC2ドメインは、アミノ酸残基2173−2332(配列番
号2)からなる。この154アミノ酸領域内で、インヒビ
ター活性は、Shima,M.ら、69 Thromb.Haemostas.240−2
46(1993)によれば、残基2248および2312の間の65アミ
ノ酸領域に特異的であるようである。ヒトおよびブタ第
VIII因子のC2配列は、この領域で約85%が同一であれ
ば、第VIII因子の機能的活性領域の他の場所と同様に、
ヒトおよびブタの第VIII因子C2アミノ酸配列間には約10
個の相違があり、これらの相違は、ハイブリッドを置換
C2配列で構築するための最初の標的として使用され得
る。
臨床的に有意な第VIII因子エピトープはA2およびC2ド
メインに制限されると思われる。しかし、第VIII因子の
他の領域(A1、A3、BまたはC1ドメイン)に対する抗体
が同定されれば、これらは、同じアプローチでハイブリ
ッドヒト/ブタ第VIII因子分子を用いることにより、マ
ッピングおよび除去され得る。
ヒトおよび非ブタ哺乳動物の第VIII因子アミノ酸配列
を用いるハイブリッド第VIII因子分子の調製 特定のアミノ酸の置換を有するハイブリッドヒト/ブ
タ第VIII因子を調製するために使用される方法は、組換
えハイブリッドヒト/非ブタ哺乳動物第VIII因子タンパ
ク質を調製するために使用され得る。この組換えハイブ
リッドヒト/非ブタ哺乳動物第VIII因子タンパク質は、
ヒト第VIII因子に比べて、A2、C2、および/または他の
ドメイン内の1つまたはそれ以上のアミノ酸の置換に基
づいて、改変されたまたは同じ凝固因子活性および/ま
たは等しいまたは低下した免疫反応性を有する。
アミノ酸配列同一性の同様の比較が、ヒトおよび他の
非ブタ哺乳動物の第VIII因子タンパク質の間で行われ、
プロ凝固因子活性および抗A2および抗C2免疫反応性また
は他のドメインの免疫反応性が存在するアミノ酸配列を
決定し得る。続いて、類似の方法が、他のハイブリッド
ヒト/動物第VIII因子分子を調製するために使用され得
る。上記のように、各ハイブリッドの機能的な分析は、
阻害性抗体に対する低下した反応性および/または増加
した凝固因子活性を有するものを明らかにし、そしてそ
の配列は点変異分析によりさらに詳細に分析され得る。
例えば、ハイブリッドヒト/マウス第VIII分子は上記
のように調製され得る。ヒトA2ドメイン(配列番号2)
およびマウスA2ドメイン(配列番号6)のアミノ酸配列
並置を図1A〜1Bに示す。Elderらにより報告されている
ように、マウスcDNA(配列番号5)によりコードされる
第VIII因子タンパク質は、2319アミノ酸を有し、そのう
ち、ヒト配列(配列番号2)の全体に対して74%の配列
同一性があり(この比較からBドメインを排除する場合
は、87%が同一である)、そしてヒト第VIII因子よりも
32アミノ酸短い。マウスAおよびCドメイン(配列番号
6)中のアミノ酸配列は、高度に保持され、ヒト配列
(配列番号2)に対して84〜93%の配列同一性を有し、
一方、Bドメインおよび2つ短い酸性ドメインは42〜70
%の配列同一性を有する。特に、A1、A2、およびA3マウ
スアミノ酸配列(配列番号6)は、対応するヒトアミノ
酸配列(配列番号2)とは85%、85%、および90%同一
である。C1およびC2マウスアミノ酸配列は、対応するヒ
トアミノ酸配列と93%および84%同一である。推定マウ
ス第VIII因子のアミノ酸配列(配列番号6)では、A1、
A2、およびA3ドメインは、番号付け目的のためにアミノ
酸配列同一性を用いて、それぞれ、アミノ酸1〜330
位、380〜711位、および1664〜1987位を含む。
トロンビン/第X a因子および1つを除いて全ての活
性化プロテインC切断部位がマウス第VIII因子に保持さ
れている。フォンビルブランド因子結合のためのチロシ
ン残基もまた保持されている。
Elderらによれば、マウス第VIII因子のヌクレオチド
配列(配列番号5)は7519塩基を含有し、そしてヒトヌ
クレオチド配列(配列番号1)とは全体で67%の同一性
を有する。マウスのコード配列の6957塩基対はヒト第VI
II因子中のコード配列の7053塩基対とは82%の配列同一
性を有する。Bドメインがこの比較に含まれない場合、
88%のヌクレオチド配列同一性がある。
Elderらは、ヒトおよびマウス第VIII因子分子が全体
で74%同一であること、および改変される場合に血友病
をもたらすヒト残基の95%がマウスにおいて同一である
ことを報告している。これらのデータは、ブタ第VIII因
子分子における凝固因子活性および/または抗体への免
疫反応性を有するアミノ酸配列を同定するために使用さ
れる同じ技術を、マウスまたは他の動物の第VIII因子に
対し、同様のアミノ酸配列を同定してハイブリッド分子
を調製することに応用できることを裏付ける。
他の実施態様では、ヒト血漿がブタ第VIII因子と反応
する交差反応性は、ハイブリッドブタ/動物第VIII因子
の調製により減少され得る。まず、通常のベセスダアッ
セイおよび標準として特定の哺乳動物血漿を用いて、ヒ
トA2特異的インヒビターが他の哺乳動物由来の第VIII因
子と反応するかどうかを決定する。インヒビター力価は
通常、血漿において測定されるため、精製された動物第
VIII因子は必要ではない。A2インヒビターがその配列が
公知の動物第VIII因子(例えば、マウス第VIII因子)と
反応しない場合、対応する動物の配列は、ヒト/ブタハ
イブリッドを用いることにより同定されるように、ブタ
エピトープ領域中に置換され得る。一旦動物の配列が知
られると、部位特異的変異誘発技術(例えば、Kunkel,
T.A.ら、204 Meth.Enzymol.125〜139(1991)に記載
の、オリゴヌクレオチド介在変異誘発)は、ハイブリッ
ドブタ/動物第VIII因子分子を調製するために使用され
得る。他の動物血漿が、A2インヒビターとの反応性がマ
ウスまたはブタの第VIII因子よりも低い場合、ブタエピ
トープに対応する動物配列は、通常の手順(例えば、RT
−PCR)および部位特異的変異誘発により構築されたハ
イブリッドヒト/動物またはブタ/動物第VIII因子によ
り決定され得る。また、1種またはそれ以上の他の動物
に由来の対応するアミノ酸配列置換を有する、ハイブリ
ッドヒト/動物またはブタ/非ブタ哺乳動物第VIII因子
もまた調製され得る。
臨床的に有意なエピトープを同定した後、組換えハイ
ブリッド第VIII因子分子が発現され、この分子は、イン
ヒビター血漿の広範な調査に対してインビトロで試験さ
れるとき、ヒト第VIII因子より低い交差反応性またはこ
れに等しい交差反応性を有する。好ましくは、これらの
分子は、これらのドメイン内の免疫反応性のアミノ酸配
列がブタまたは他の動物配列で置換される混合A2/C2ハ
イブリッドである。これらの領域のさらなる変異誘発は
交差反応性を低減するために行われ得る。低減された交
差反応性は、好ましいが、存在するブタ第VIII因子濃縮
物以上の利点を有し得る産物を産生するためには必要は
ない。この濃縮物は、汚染ブタタンパク質に起因する副
作用を生じ、そしてブタ第VIII因子配列の免疫原性に起
因する望ましくない効果を生じ得る。ハイブリッドヒト
/動物またはブタ/動物の第VIII因子分子は外来のブタ
タンパク質を含有しない。そして、ブタA2ドメインにお
いて達成された広範なエピトープマッピングは、治療的
ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子配列の95%より多く
がヒトであることを示す。
ハイブリッドヒト/動物またはブタ/動物第VIII因子の
等価物の調製: 上記および実施例に記載の方法はまた、プロ凝固因子
ハイブリッドヒト/動物、非ブタの動物−1/動物−2ま
たはブタ/非ブタ哺乳動物第VIII因子等価分子を調製す
るために使用され得る。ヒトまたは動物第VIII因子ある
いはハイブリッド第VIII因子における、内因性第VIII因
子阻害性抗体と免疫反応性である抗原性部位として機能
する1つまたはそれ以上の特定のアミノ酸残基は、記載
されているようにして同定され得、続いて、ヒトまたは
動物第VIII因子配列に公知の同一性を有さず、かつ内因
性第VIII因子阻害性抗体と免疫反応性の抗原性部位を形
成しない1つまたはそれ以上の特定のアミノ酸残基で置
換され得る。1つまたはそれ以上の抗原性部位は置換さ
れて、活性なハイブリッド第VIII因子等価分子を形成し
得る。得られた活性ハイブリッド第VIII因子等価分子
は、非置換型ヒトまたは動物あるいはハイブリッドヒト
/動物第VIII因子に比べて、第VIII因子阻害性抗体とは
同等またはより低い反応性を有する。
あるいは、またはさらに、活性ハイブリッド第VIII因
子等価分子は、上記および実施例に記載の方法を用いて
調製され得、ここで、ヒトまたは動物第VIII因子あるい
はハイブリッドヒト/動物第VIII因子中の、凝固因子活
性に重要な1つまたはそれ以上の特定のアミノ酸残基は
分子が、記載されているようにして同定され得、続い
て、同様に凝固因子活性を与えるヒトまたは動物第VIII
因子配列に対し公知の同一性を有さない1つまたはそれ
以上のアミノ酸残基で置換され得る。凝固因子活性を有
する1つまたはそれ以上の特定のアミノ酸残基は置換さ
れて、活性なハイブリッド第VIII因子等価分子を形成し
得る。生じたプロ凝固因子ハイブリッド第VIII因子等価
分子は、非置換型の第VIII因子分子の凝固因子活性より
低い、等しい、またはより大きい凝固因子活性を有す
る。好ましくは、このハイブリッド第VIII因子等価分子
は、ヒト第VIII因子の凝固因子活性より優れた凝固因子
活性を有する。
ヒトまたは動物の第VIII因子あるいはハイブリッドヒ
ト/動物第VIII因子において凝固因子活性および/また
は抗原性活性に重要なアミノ酸の配列を置換し得る適切
な特定のアミノ酸残基には、凝固因子活性を有するおよ
び/または内因性阻害性抗体との反応性が第VIII因子よ
り低いまたは等しい動物またはヒト第VIII因子アミノ酸
配列と配列同一性を有さない任意の特定のアミノ酸が包
含される。
ハイブリッド第VIII因子等価分子は、凝固因子活性の
ための1つまたはそれ以上の特定のアミノ酸配列および
/または抗原性部位のための1つまたはそれ以上の特定
のアミノ酸配列の置換を有し得る。本明細書中に記載の
ハイブリッド第VIII因子等価分子はまた、凝固因子活性
または抗原性活性には重要ではないアミノ酸残基が動物
第VIII因子配列と公知の同一性を有さないアミノ酸残基
で置換されている分子を含む。
1実施態様では、ハイブリッド第VIII因子等価分子、
好ましくはハイブリッドヒト/ブタ分子が調製され得、
ここで、インヒビター血漿との交差反応性が以下のよう
に低減される。1つまたはそれ以上のエピトープが上記
のようにして同定され、続いて、例えば、Cunningham,
B.C.およびJ.A.Wells,244 Science 1081−1085(1989)
に記載のアラニンスキャンニング変異誘発方法を用いて
アラニン残基により置換される。ヒトA2エピトープは、
実施例8に記載のように、26またはより少ないアミノ酸
に限定されているため、アラニンスキャンニング変異誘
発は、限定された数のハイブリッドタンパク質において
行われて、A2アミノ酸置換に基づき、どれが活性で、非
交差反応性のハイブリッド第VIII因子であるかを決定し
得る。
−診断アッセイ ハイブリッドヒト/動物または等価の第VIII因子cDNA
および/またはこれらから発現されたタンパク質は、全
体またはその一部で、基質(例えば、第VIII因子欠損ヒ
ト患者からの血清試料および体液を含む)におけるヒト
または動物第VIII因子あるいはハイブリッドヒト/動物
第VIII因子に対する阻害性抗体を検出するための診断試
薬として、アッセイにおいて使用され得る。これらの抗
体アッセイには、例えば、ELISAアッセイ、免疫ブロッ
ト法、放射免疫アッセイ、免疫拡散アッセイ、および第
VIII因子の生物学的活性(例えば、凝固アッセイによ
る)アッセイのようなアッセイが挙げられる。これらの
試薬を調製するための技術およびこれらを使用するため
の方法は当業者に公知である。例えば、患者の血清試料
中の阻害性抗体を検出するための免疫アッセイは、この
試験試料を、充分量の、少なくとも1つの抗原性部位を
含有するハイブリッドヒト/動物第VIII因子と反応させ
る工程を包含し得、ここで、この量は、試料中の阻害性
抗体と共に検出可能な複合体を形成するのに充分な量で
ある。
核酸およびアミノ酸プローブは、ハイブリッドヒト/
動物第VIII因子分子の配列に基づいて調製され得る。こ
れらは、市販されている染料、あるいは酵素標識、蛍光
標識、化学発光標識、または放射性標識を用いて標識さ
れ得る。アミノ酸プローブは、例えば、ヒト、動物、ま
たはハイブリッドヒト/動物第VIII因子に対するインヒ
ビターの存在が疑われる血清または他の体液をスクリー
ンするために使用され得る。インヒビターのレベルは患
者において定量され、健常コントロールと比較され得、
そして例えば、第VIII因子欠損患者がハイブリッドヒト
/動物第VIII因子で処置され得るかどうかを決定するた
めに使用され得る。
−薬学的組成物 ハイブリッドヒト/動物、ブタ/非ブタ哺乳動物、動
物−1/動物−2、またはヒト/動物等価第VIII因子を単
独でまたは適切な薬学的安定化化合物、送達ビヒクル、
および/またはキャリアビヒクルと合わせて含有する薬
学的組成物が、E.W.MartinによるRemington's Pharmace
utical Scienceに記載されているような公知の方法に従
って調製される。
1つの好適な実施態様では、静脈注入用の好ましいキ
ャリアビヒクルまたは送達ビヒクルは、生理食塩水また
はリン酸緩衝生理食塩水である。
他の好適な実施態様では、適切な安定化化合物、送達
ビヒクル、およびキャリアビヒクルには、他のヒトまた
は動物タンパク質(例えば、アルブミン)が包含される
が、これらに限定されない。
リン脂質ビヒクルまたはリポソーム懸濁液もまた、薬
学的に受容可能なキャリアまたは送達ビヒクルとして好
適である。これらは、当業者に公知の方法に従って調製
され得、そして例えば、ホスファチジルセリン/−ホス
ファチジルコリンまたは他のリン脂質または界面活性剤
の組成物(一緒になって表面に負電荷を与える)を含有
し得る。なぜなら、第VIII因子は負に荷電したリン脂質
膜に結合するからである。リポソームは、適切な脂質
(例えば、ステアロイルホスファチジルエタノールアミ
ン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイル
ホスファチジルコリン、およびコレステロール)を無機
溶媒に溶解させることにより調製され得、続いて溶媒を
蒸発させると、後に乾燥脂質の薄膜が容器の表面上に残
る。続いて、ハイブリッド第VIII因子の水溶液をこの容
器に導入する。続いて、容器を手で振とう攪拌し、脂質
物質を容器の側壁から遊離させ、そして脂質凝集体を分
散させ、それにより、リポソーム懸濁液を形成する。
ハイブリッド第VIII因子は、ビタミンK依存性凝血因
子、組織因子、およびフォンビルブランド因子(vWf)
または第VIII因子結合部位を含有するvWfのフラグメン
ト、および多糖類(例えば、スクロース)を含む、他の
適切な安定化化合物、送達ビヒクル、および/またはキ
ャリアビヒクルと組み合わされ得る。
ハイブリッド第VIII因子はまた、ヒト第VIII因子が送
達され得る方法と同じ方法で、レトロウイルスベクター
のような送達手段を用いて、遺伝子治療により送達され
得る。この方法は、第VIII因子cDNAを、第VIII因子欠損
患者に直接移植されるか、あるいは第VIII因子に対し透
過可能であり、細胞に対し透過不可能である、続いて移
植されるインプラント可能なデバイスに置かれるヒト細
胞に取り込むことからなる。好ましい方法は、レトロウ
イルス仲介遺伝子導入である。この方法では、外因性遺
伝子(例えば、第VIII因子cDNA)が、改変されたレトロ
ウイルスのゲノム中にクローン化される。この遺伝子
は、そのゲノムが細胞により発現されるウイルス機構に
より、宿主細胞のゲノムに挿入される。レトロウイルス
ベクターがウイルスを産生しないように改変され、それ
により、宿主のウイルス感染を防ぐ。このタイプの治療
の一般的原則は、当業者に公知であり、文献(例えば、
Kohn,D.B.およびP.W.Kantoff,29 Transfusion 812−82
0,1989)に概説されている。
ハイブリッド第VIII因子は、vWfに結合されて貯蔵さ
れ、ハイブリッド分子の半減期および保存期(shelf−l
ife)を増大させ得る。さらに、第VIII因子の凍結乾燥
は、vWfの存在下の活性分子の収率を向上させ得る。販
売業者により使用されるヒトおよび動物の第VIII因子を
貯蔵する現在の方法は、ハイブリッド第VIII因子を貯蔵
するために利用され得る。これらの方法は、以下を包含
する:(1)部分的に精製した状態で(さらに精製する
ことなく注入される第VIII因子の「濃縮物」として)第
VIII因子の凍結乾燥;(2)チンマーマン方法およびア
ルブミン(これが第VIII因子を安定化させる)の存在下
での凍結乾燥による第VIII因子の免疫アフィニティー精
製;(3)アルブミンの存在下での組換え第VIII因子の
凍結乾燥。
さらに、ハイブリッド第VIII因子は、4℃で、pH6の
0.6M NaCl、20mM MES、および5mM CaCl2中で無限に安定
であり、同様にこれらの緩衝液中で冷凍貯蔵され、そし
て活性の損失を最低限にして融解され得る。
−処置の方法 ハイブリッド第VIII因子は、阻害性抗体を有するかま
たは有しない血友病者、あるいは阻害性抗体の発達に起
因する後天性第VIII因子欠損の患者において、第VIII因
子欠損に起因するコントロールされない出血(例えば、
関節内、頭蓋内、または胃腸出血)を処置するために使
用される。活性物質は、好ましくは、静脈内に投与され
る。
さらに、ハイブリッド第VIII因子は、上記のように、
ハイブリッドを産生するように遺伝子操作された細胞の
移植により、またはこのような細胞を含有するデバイス
のインプラントにより投与され得る。
好ましい実施態様では、ハイブリッド第VIII因子単独
または安定剤、送達ビヒクル、および/またはキャリア
と組み合わせた薬学的組成物は、ヒトまたは動物第VIII
因子の注入のために使用されるのと同じ手順に従って、
患者の静脈内に注入される。
このような処置を必要とする患者に投与されなければ
ならないハイブリッド第VIII因子組成物の処置投与量
は、第VIII因子欠損の重篤度に依存して変化する。一般
に、投与量レベルが、各患者の出血エピソードの重篤度
および期間に合わせた頻度、期間、および単位で調整さ
れる。従って、ハイブリッド第VIII因子は、標準クロッ
ティングアッセイにより測定されるように、患者に止血
するために治療有効量のハイブリッドを送達するのに充
分な量で、薬学的に受容可能なキャリア、送達ビヒク
ル、または安定剤に含まれる。
第VIII因子は、典型的には、正常血漿に存在する、血
友病Aの個体由来の血漿のクロッティング欠陥を矯正す
る物質として定義される。精製および部分的に精製され
た形態の第VIII因子のインビトロでの凝固因子活性は、
ヒト患者への注入の第VIII因子の用量を算定するために
使用され得、そして患者血漿から回収される活性および
インビボ出血欠陥の矯正の信頼性のある指標である。Lu
sher,J.M.ら、328 New.Emgl.J.Med.453−459(1993);P
ittman,D.D.79 Blood 389−397(1992)、およびBrinkh
ousら、82 Proc.Natl.Acad.Sci.8752−8755(1985)に
よれば、新規な第VIII因子分子のインビトロでの標準ア
ッセイとイヌ注入モデルまたはヒト患者におけるそれら
の挙動との間の矛盾は報告されていない。
通常、ハイブリッド第VIII因子の投与によって患者に
おいて達成される所望の血漿第VIII因子レベルは、正常
の30〜100%の範囲内である。ハイブリッド第VIII因子
の投与の好ましい様式では、組成物は約20〜50単位/kg
体重の範囲の好ましい投与量で静脈内投与される;間隔
頻度は約8〜24時間の範囲である(重度の罹患血友病
者);そして処置の期間(日)は1〜10日間の範囲であ
るか、または出血エピソードが解決されるまでである。
例えば、Roberts,H.R.およびM.R.Jones,「血友病および
関連状態−プロトロンビンの先天的欠損(第II因子、第
V因子および第VII因子から第XII因子)」Ch.153,1453
−1474,1460,Hemotology,Williams,W.J.ら、編(1990)
を参照。インヒビターを持つ患者は、より多くのハイブ
リッド第VIII因子を必要し得、または患者は、ハイブリ
ッド第VIII因子のヒト第VIII因子よりも高い比活性また
は低下した抗体反応性のため、ヒト第VIII因子よりも少
ないハイブリッド第VIII因子を必要し得る。ヒトまたは
ブタ第VIII因子を用いる処置のように、注入さるハイブ
リッド第VIII因子の量は、1段階第VIII因子凝固アッセ
イにより規定され、そして選択された例では、インビボ
での回収が、注入後の患者血漿中の第VIII因子を測定す
ることにより決定される。特定の被験体のために、特定
の投与レジメが、個体の必要およびこの組成物の投与を
行う者またはその投与を管理する者の職業的な判断に従
って、時間を通じて調節されるべきであり、そして本明
細書中で記載の濃度範囲は例示に過ぎず、本発明の組成
物の範囲または実施を限定することを意図しないことが
理解されるべきある。
処置は、組成物の単回静脈投与、あるいは必要に応じ
て、長期間にわたる周期的または連続的投与の形態で行
われ得る。あるいは、ハイブリッド第VIII因子は、リポ
ソームと共に、種々の時間間隔にて1回または数回で、
経皮的または経口的に投与され得る。
ハイブリッド第VIII因子はまた、ヒト第VIII因子に対
する抗体を生じた血友病者における第VIII因子欠損に起
因するコントロールできない出血を処置するために使用
され得る。この場合は、ヒトまたは動物第VIII因子単独
での凝固因子活性より優れた凝固因子活性が必要ではな
い。ヒト第VIII因子の凝固因子活性より劣る凝固因子活
性(すなわち、3,000単位/mg未満)は、この活性が患者
血漿中の抗体により中和されないのであれば、有用であ
る。
上述の一般的に記載されているハイブリッド第VIII因
子分子、およびそれを単離、特徴付け、製造および使用
する方法は、以下の非限定的な実施例を参考としてさら
に理解される。
実施例1:ブタ第VIII因子とハイブリッドヒト/ブタ第VI
II因子のアッセイ ブタ第VIII因子はヒト第VIII因子より、分子の比活性
に基づき、より高い凝固因子活性を有する。これらの結
果は、実施例4の表IIIに示される。この結論は適切な
標準曲線の使用に基づき、それによりヒトおよびブタ第
VIII因子の十分な比較が可能である。凝固アッセイは、
血友病A患者由来の血漿のクロッティング時間を短縮さ
せる第VIII因子の能力に基づく。2つのタイプのアッセ
イを用いた:1段階のアッセイおよび2段階のアッセイで
ある。
1段階のアッセイでは、0.1mlの血友病A血漿(Georg
e King Biomedical,Inc.)を、0.1mlの活性化部分トロ
ンボプラスチン試薬(activated partial thromb oplas
tin reagent)(APTT)(Organon Teknika)および0.01
mlの、希釈された、クエン酸塩化された正常ヒト血漿か
らなる試料または標準品とともに、水浴中5分間37℃で
インキュベートした。インキュベーションの後に、0.1m
lの20mM CaCl2を添加し、そしてフィブリンクロットの
展開の時間を目視観察により測定した。
1ユニットの第VIII因子は、1mlのクエン酸塩化され
た正常ヒト血漿中に存在する量として定義される。標準
としてヒト血漿を用いて、ブタおよびヒトの第VIII因子
の活性を直接比較した。血漿の標準品または精製された
タンパク質の希釈を0.15M NaCl、0.02M HEPES、pH7.4中
に作製した。標準曲線を、血漿の3つまたは4つの希釈
(最大希釈は1/50であった)に基づき、そしてlog
10(血漿濃度)に対してプロットしたlog10(クロッテ
ィング時間)に基づいてた。その結果、直線上のプロッ
トが得られる。未知試料中の第VIII因子のユニット数を
この標準曲線からの内挿により決定した。
1段階のアッセイは、血友病A血漿中で形成されるア
クチベータによる第VIII因子の内因性の活性化に依存す
る。一方、2段階のアッセイは、あらかじめ活性化され
た第VIII因子のプロ凝固因子活性を測定する。2段階の
アッセイでは、トロンビンと反応させた第VIII因子を含
む試料を、活性化部分トロンボプラスチンおよびヒト血
友病A血漿の5分間37℃でプレインキュベートした混合
物に添加した。次いで、得られたクロッティング時間
を、上記の同一のヒト標準曲線に基づいてユニット/ml
に変換した。2段階のアッセイにおける相対活性は1段
階のアッセイでの相対活性より高かった。なぜなら、そ
れは、第VIII因子があらかじめ活性化されていたからで
ある。
実施例2:ヒトおよびブタ第VIII因子間の機能的差異の特
徴付け ブタおよびヒト血漿由来の第VIII因子およびヒト組換
え第VIII因子の単離は以下の文献に記載されている。Fu
lcher,C.A.およびT.S.Zimmerman、79 Proc.Nat'l.Acad.
Sci.U.S.A.1648−1652(1982);Toole,J.J.ら、312 Nat
ure 342−347(1984)(Genetics Institute);Gitschi
er,J.ら、312 Nature 326−330(1984)(Genetech);W
ood,W.I.ら、312 Nature 330−337(1984)(Genentec
h);Vehar,G.A.ら、312 Nature 337−342(1984)(Gen
entech);Fass,D.N.ら、59 Blood 594(1982);Toole,
J.J.ら、83 Proc.Nat'l.Acad.Sci.U.S.A.5939−5942(1
986)。これは、幾つかの方法で達成し得る。これらの
調製物のすべてはサブユニット組成において同様である
が、これは、ヒト第VIII因子およびブタ第VIII因子間の
機能的差異に関する最初の記載であり、部分的にはそれ
らを比較するための共通の標準が使用されないために以
前には記されていない。
ヒト組換え第VIII因子およびブタ第VIII因子の比較の
ために、高度に精製されたヒト組換え第VIII因子(Cutt
er Laboratories,Berkeley,CA)およびブタ第VIII因子
(Fass,D.N.ら、59 Blood 594(1982)に記載のように
免疫精製された)の調製物を、Mono QTM(Pharmacia−L
KB,Piscataway,NJ)陰イオン交換カラム(Pharmacia,In
c.)を使用して高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に
供した。Mono QTM HPLC工程の目的は、微量の不純物の
除去および比較目的のための共通の緩衝液へのヒトおよ
びブタ第VIII因子の交換であった。1000〜2000ユニット
の第VIII因子を含むバイアルを、5ml H2Oで再構成し
た。次いで、Hepes(2M、pH7.4)を添加して、最終濃度
を0.02Mとした。第VIII因子を、0.15M NaCl、0.02M Hep
es、5mM CaCl2、pH7.4(緩衝液A+0.15M NaCl)で平衡
化したMono QTM HR 5/5カラムにかけ;10mlの緩衝液A+
0.15M NaClで洗浄し;そして緩衝液A中の0.15Mから0.9
0M NaClの直線勾配20mlを用いて1ml/分の流速で溶出し
た。
ヒト第VIII因子(血漿由来でMono QTM HPLCにより精
製された)およびブタ第VIII因子の比較のために、イム
ノアフィニティー精製された血漿由来のブタ第VIII因子
を、0.04M Hepes、5mM CaCl2、0.01%Tween−80、pH7.4
で1:4に希釈し、そしてヒト第VIII因子についての前段
階に記載されている条件と同じ条件下でMono QTM HPLC
にかけた。ヒトおよびブタ第VIII因子の単離に対するこ
れらの手順は、当業者にとっては標準的である。
カラム画分を、1段階の凝固アッセイにより第VIII因
子活性についてアッセイした。アッセイの平均の結果
(物質のA280当たりの活性のユニット数で表現する)を
表IIに示し、そしてこれは1段階のアッセイを用いる場
合、ブタ第VIII因子が、ヒト第VIII因子より少なくとも
6倍高い活性を有することを示す。
実施例3:ヒトおよびブタ第VIII因子の安定性の比較 第VIII因子の1段階のアッセイの結果は、試料中の第
VIII因子の第VIII a因子への活性化を反映し、そしてお
そらく形成された第VIII a因子活性の喪失を反映する。
ヒトおよびブタの第VIII因子の安定性の直接の比較がな
された。Mono QTM HPLC(Pharmacia,Inc.,Piscataway,
N.J.)からの試料を、同一濃度および同一緩衝液組成に
希釈し、そしてトロンビンと反応させた。種々の時間
で、試料を2段階凝固アッセイのために取り出した。代
表的には、ピーク活性(2分で)はブタ第VIII a因子つ
いてヒト第VIII a因子より10倍高かった。そしてブタお
よびヒトの第VIII a因子の両者の活性はその後減少し
た。その場合、ヒト第VIII a因子の活性はより急速に減
少した。
一般に、安定なヒト第VIII a因子を単離する試みは、
安定なブタ第VIII a因子を生じる条件を用いても、成功
しない。これを示すために、Mono QTM HPLC精製ヒト第V
III因子をトロンビンで活性化し、そしてMono STM陽イ
オン交換(Pharmacia,Inc.)HPLCに、Lollar,J.S.およ
びC.G.Parker、28 Biochemistry 666(1989)に記載さ
れている安定なブタ第VIII a因子を生成する条件で、か
けた。
0.2M NaCl、0.01M Hepes、2.5mM CaCl2、pH7.4中43μ
g/ml(0.2μM)のヒト第VIII因子を、10mlの全容量
で、トロンビン(0.036μM)と10分間反応させた。そ
の時にトロンビンの不可逆的不活性のためにFPR−CH2Cl
D−フェニル−プロリル−アルギニル−クロロメチルケ
トンを0.2μMの濃度になるように添加した。次いで、
この混合物を、40mM 2−(N−モルホリノ)エタンスル
ホン酸(MES)、5mM CaCl2、pH6.0で1:1に希釈し、そし
て5mM MES、5mM CaCl2、pH6.0(緩衝液B)+0.1M NaCl
で平衡化したMono STM HR 5/5 HPLCカラム(Pharmacia,
Inc.)に2ml/分でロードした。第VIII a因子を、カラム
洗浄を行うことなしに、緩衝液B中の0.1M NaClから0.9
M NaClまでの20mlの勾配で1ml/分で溶出した。
2段階のアッセイにおいて凝固因子活性を有する画分
を、これらの条件下で単一のピークとして溶出した。こ
のピーク画分の比活性は、約7,500U/A280であった。こ
のMono STM第VIII a因子ピークのドデシル硫酸ナトリウ
ム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、
およびその後のタンパク質の銀染色により、第VIII因子
由来のヘテロ二量体(A3−C1−C2/A1)誘導体に対応す
る2本のバンドが明らかにされた。濃度が低いためにA2
フラグメントはこれらの条件下での銀染色により同定さ
れなかったが、125I−標識により、微量の構成成分とし
て同定された。
ヒト第VIII因子での結果とは対照的に、同じ条件下で
Mono STM HPLCにより単離したブタ第VIII a因子は、1.6
×106U/A280の比活性を有した。SDS−PAGEによるブタ第
VIII a因子の分析により、A1、A2、およびA3−C1−C2サ
ブユニットに対応する3つのフラグメントが明らかにさ
れ、このことは、ブタ第VIII a因子が3つのサブユニッ
トを有することを表す。
pH6.0でのヒトトロンビン活性化第VIII因子調製物のM
ono STM HPLCの結果は、安定なブタ第VIII a因子が得ら
れる条件下では、ヒト第VIII a因子は不安定であること
を示す。しかし、微量のA2フラグメントがピーク画分に
同定されたが、凝固因子活性が、少量のヘテロ二量体の
第VIII a因子に由来するか、または低い比活性を有する
ヘテロ二量体の第VIII a因子に由来するかどうかの決定
は、この方法単独ではできなかった。
A2サブユニットを失う前にヒト第VIII a因子を単離す
る方法が、この疑問を解決するために所望される。この
ために、Mono STM緩衝液のpHをpH5に低下させることを
含む手順で単離を達成した。Mono QTM精製ヒト第VIII因
子(0.5mg)をH2Oで稀釈して、0.25M NaCl、0.01M Hepe
s、2.5mM CaCl2、0.005%Tween−80、pH7.4中0.25mg/ml
(1μM)の第VIII因子の最終組成物を得た(全容量7.
0ml)。トロンビンを0.072μMの最終濃度になるように
添加し、そして3分間反応させた。次いでトロンビンを
FPR−CH2Cl(0.2μM)で不活性化させた。次いでこの
混合物を、40mM酢酸ナトリウム、5mM CaCl2、0.01%Twe
en−80、pH5.0で1:1に稀釈し、そして2ml/分で、0.01M
酢酸ナトリウム、5mM CaCl2、0.01%Tween−80、pH5.0
+0.1M NaClで平衡化したMono STM HR 5/5 HPLCカラム
にロードした。第VIII a因子を、カラム洗浄を行うこと
なしに、同一の緩衝液中の0.1M NaClから1.0M NaClまで
の20mlの勾配で1ml/分で溶出した。これにより、SDS−P
AGEおよび銀染色によって示される、検出可能な量のA2
フラグメントを含むピーク中に凝固因子活性の回収がも
たらされた。このピーク画分の比活性は、pH6.0で回収
されたピーク画分の比活性より10倍高かった(75,000 U
/A280対7,500 U/A280)。しかし、pH6.0で単離されたブ
タ第VIII a因子とは対照的に(4℃で限りなく安定であ
る)、ヒト第VIII a因子の活性は、Mono STMからの溶出
後、数時間の期間で絶え間なく減少した。さらに、pH5.
0で精製しそして直ちにアッセイした第VIII a因子の比
活性は、ブタ第VIII a因子の比活性のわずか5%であ
り、これは実質的な解離がアッセイ前に起こったことを
示す。
これらの結果は、ヒトおよびブタの第VIII a因子の両
者が3つのサブユニット(A1、A2、およびA3−C1−C2)
からなることを示す。A2サブユニットの解離は、(生理
学的イオン強度、pH、および濃度のような)特定の条件
下で、ヒトおよびブタの第VIII a因子の両者の活性喪失
の原因である。ブタ第VIII a因子の特定の条件下での相
対的安定性は、A2サブユニットのより強い会合に起因す
る。
実施例4:サブユニットを用いた再構成によるハイブリッ
ドヒト/ブタ第VIII因子の調製 ブタ第VIII因子軽鎖およびブタ第VIII因子重鎖を以下
のようにして単離した。pH7.4の0.5M EDTA溶液を、Mono
QTM−精製ブタ第VIII因子に加え、最終濃度を0.05Mと
し、そして室温で18時間〜24時間放置した。等量の10mM
ヒスチジン−Cl、10mM EDTA、0.02%v/v Tween80(pH6.
0)(緩衝液B)を加え、そしてこの溶液を1ml/分で、
0.25M NaClを含む緩衝液A中で前もって平衡化したMono
STMHR5/5カラムにかけた。第VIII因子の重鎖は、SDS−
PAGEによる判断では樹脂と結合しなかった。第VIII因子
の軽鎖を、20ml、1ml/分の緩衝液A中の0.1M〜0.7MのNa
Clの直線グラジエントで溶出し、そしてSDS−PAGEによ
ると均質であった。第VIII因子の重鎖を、Mono QTMHPLC
(Pharmacia、Inc.、Piscataway、N.J.)により以下の
方法で単離した。第VIII因子の重鎖は、第VIII因子の軽
鎖の精製の間にはMono STMに吸着しない。第VIII因子の
重鎖を含有する素通り物質を、0.5M Hepes緩衝液(pH7.
4)を加えることによりpH7.2に調整し、そして0.1M NaC
l、0.02M Hepes、0.01%Tween−80(pH7.4)で平衡化し
たMono QTMHP5/5 HPLCカラム(Pharmacia、Inc.)にか
けた。このカラムを10mlの上記緩衝液で洗浄し、そして
第VIII因子の重鎖を、20mlのこの緩衝液中の0.1M〜1.0M
のNaClのグラジエントで溶出した。ヒト軽鎖および重鎖
を、同様の方法で単離した。
ヒト軽鎖、ヒト重鎖、ブタ軽鎖およびブタ重鎖を、以
下の工程に従って再構成した。10μlのヒトまたはブタ
第VIII因子の軽鎖(100μg/ml)を、1M NaCl、0.02M He
pes、5mM CaCl2、0.01%Tween−80(pH7.4)中で、14時
間室温にて、(1)25μlの上記と同一の緩衝液中の異
種重鎖(60μg/ml);(2)10μlの0.02M Hepes、0.0
1%Tween−80(pH7.4);(3)5μlの0.6M CaCl2
混合した。この混合物を0.02M MES、0.01%Tween−80、
5mM CaCl2(pH6)を用いて1/4に希釈し、そして0.1M Na
Cl、0.02M MES、0.01%Tween−80、5mM CaCl2(pH6.0)
中で平衡化したMono STMHr5/5にかけた。20mlの上記と
同一の緩衝液中の0.1M〜1.0M NaClのグラジエントを行
い、そして0.05mlの画分を集めた。画分の280nmでの吸
光度を読み、そして吸光度を有する画分を、1段階のク
ロッティングアッセイにより第VIII因子活性についてア
ッセイした。重鎖を過剰に存在させた。なぜなら、遊離
軽鎖(重鎖とは会合していない)もまた、Mono STMと結
合し;過剰な重鎖によって、遊離軽鎖が調製物の一部で
はなくなることが確実になるからである。Mono STMHPLC
精製後の再構成の実験は、4つの全ての考えられる鎖の
組み合わせ(ヒト軽鎖/ヒト重鎖、ヒト軽鎖/ブタ重
鎖、ブタ軽鎖/ブタ重鎖、ブタ軽鎖/ヒト重鎖)を用い
て実施した。表IIIは、ヒト軽鎖/ブタ重鎖第VIII因子
が、天然のブタ第VIII因子(表II)に匹敵する活性を有
することを示し、このことはブタ重鎖中の構造要素は、
ヒト第VIII因子と比較してブタ第VIII因子の凝固因子活
性が上昇することの原因となることを示している。
実施例5:ドメインを用いた再構成による活性ハイブリッ
ドヒト/ブタ第VIII因子の調製 ブタA1/A3−C1−C2二量体、ブタA2ドメイン、ヒトA1/
A3−C1−C2二量体、およびヒトA2ドメインを、Lollar、
P.ら、267(33) J.Biol.Chem.23652−23657(1992年11
月25日)に記載された方法に従って、ブタの血液または
ヒトの血液から各々単離した。例えば、ブタA1/A3−C1
−C2二量体、ブタ第VIII a因子(140μg)のpH(6.0)
を、5NのNaOHを加えることにより30分間pH8.0に上昇さ
せ、A2ドメインの解離およびクロッティングアッセイに
より95%の不活性を生じた。この混合物を緩衝液B(20
mM HEPES、5mM CaCl2、0.01%Tween 80(pH7.4))を用
いて1:8に希釈し、そして緩衝液B中で平衡化したMono
Sカラムにかけた。A1/A3−C1−C2二量体は、緩衝液B中
の0.1M〜1.0MのNaClのグラジエントを用い、約0.4M NaC
lで単独の鋭いピークとして溶出した。ブタA2ドメイン
を単離するために、Lollar、P.、およびC/G/Parker、28
Biochem.666−674(1989)の方法に従って、0.64mgの
第VIII因子を用いて開始し、ブタ第VIII a因子を生成し
た。遊離ブタA2ドメインを、Mono STMクロマトグラムに
おいて、0.3M NaClでの少量の成分(50μg)として単
離した。
ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子分子を、二量体お
よびドメインから以下のように再構成した。精製した成
分についての濃度および緩衝液条件は以下の通りであっ
た:ブタA2、緩衝液A(0.3M NaClを含む5mM MES;5mM C
aCl2、0.01%Tween 80(pH6.0))中0.63μM;ブタAl/A3
−C1−C2、0.4M NaClを含む緩衝液B中0.27μM;ヒトA
2、0.3M NaCl、10mMヒスチジン−HCl、5mM CaCl2、0.01
%Tween 20(pH6.0)中、1μM;ヒトA1/A3−C1−C2、0.
5M NaCl、10mMヒスチジン−Cl、2.5mM CaCl2、0.1%Twe
en 20(pH6.0)中0.18μM。再構成実験を、等量のA2ド
メインとA1/A3−C1−C2二量体とを混合することによっ
て行った。ブタA1/A3−C1−C2二量体を用いた混合実験
では、0.5M MES(pH6.0)を70mMまで加えることによりp
Hを6.0に下げた。
4つの全ての考えられるハイブリッド第VIII a因子分
子([pA2/(hA1/A3−C1−C2)]、[hA2/(pA1/A3−C1
−C2)]、[pA2/(pA1/pA3−C1−C2)]、および[hA2
/(hA1/A3−C1−C2)])の凝固活性を、様々な時間で
の2段階のクロッティングアッセイにより得た。
A2ドメインとA1/A3−C1−C2二量体とを混合した後の
活性の生成は、1時間でほぼ完了し、そして少なくとも
24時間、37℃で安定であった。表IVは、1時間でアッセ
イした場合の再構成されたハイブリッド第VIII a因子分
子の活性を示す。2段階のアッセイ(これにより第VIII
a因子分子の特定の活性が得られた)は、1段階のアッ
セイとは異なり、そしてこの値は1段階のアッセイによ
り得られた第VIII因子分子の活性値とは比較し得ない。
表IVは、最も高い活性が、ブタA2ドメイン/ヒトA1/A
3−C1−C2二量体によって示され、ブタA2ドメイン/ブ
タA1/A3−C1−C2がそれに続くことを示す。
このように、ブタ第VIII a因子のA2ドメインと、ヒト
第VIII a因子のA1/A3−C1−C2二量体とを混合した場
合、凝固因子活性が得られた。さらに、ヒト第VIII a因
子のA2ドメインと、ブタ第VIII a因子のA1/A3−C1−C2
二量体とを混合した場合、凝固因子活性が得られた。そ
れら単独では、A2、A1、およびA3−C1−C2領域は、凝固
因子活性を有さない。
実施例6:ブタ第VIII因子のA2ドメインの単離および配列
決定 ブタ第VIII因子のBドメインおよびA2ドメインの一部
をコードするヌクレオチド配列のみが、以前に配列決定
されている(Toole、J.J.ら、83 Proc.Nat'l.Acad.Sci.
U.S.A.5939−5942(1986))。完全なブタ第VIII因子の
A2ドメインについてのcDNA配列および推定アミノ酸配列
(それぞれ配列番号5および6)は、本明細書中で開示
される。
ブタ第VIII因子のA2ドメインを、公知のヒト第VIII因
子cDNA配列に基づく縮重プライマーおよびブタ第VIII因
子の一部に基づく正確なブタプライマーを用いて、ブタ
脾臓全RNAの逆転写およびPCR増幅によってクローン化し
た。1kbのPCR産物が単離され、そしてBluescriptTM(St
ratagene)プラスミドベクターに挿入して増幅した。
ブタA2ドメインを、ジデオキシ配列決定により完全に
配列決定した。このcDNA配列および推定アミノ酸配列
は、それぞれ配列番号5および6に記載される通りであ
る。
実施例7:組換えハイブリッドヒト/動物第VIII因子の調
製 ヒト第VIII因子のヌクレオチド配列および推定アミノ
酸配列(それぞれ配列番号1および2)は、文献(Tool
e、J.J.ら、312 Nature 342−347(1984)(Genetics I
nstitute);Gitschier、J.ら、312 Nature 326−330(1
984)(Genentech);Wood、W.I.ら、312 Nature 330−3
37(1984)(Genetech);Vehar、G.A.ら、312 Nature 3
37−342(1984)(Genentech))に記載されている。
組換えハイブリッドヒト/動物第VIII因子を生成する
ためには、ヒト第VIII因子cDNA(Biogen Corp.)の領域
を除去し、そして配列同一性を有する動物cDNA配列を挿
入することが必要である。その後、ハイブリッドcDNA
を、適切な発現系で発現させる。例としては、ハイブリ
ッド第VIII因子をクローン化し、その中で一部およびす
べてのヒトA2配列で、対応するブタA2ドメインを置換し
た。最初に、ヒト第VIII因子のA2ドメインに対応する全
cDNA配列、そして次いでA2ドメインのより少ない部分
を、当業者に一般に公知の方法であるオリゴヌクレオチ
ド媒介変異誘発によってループアウトした(例えば、Sa
mbrook、J.、E.F.Fritsch、およびT.Maniatis、Molecul
ar Cloning:A Laboratory Manual、第15章、Cold Sprin
g Harbor Press、Cold Spring Harbor,、1989を参照の
こと)。工程は以下の通りであった。
材料 メトキシカルボニル−D−シクロヘキシルグリシル−
グリシル−アルギニン−p−ニトロアニリド(Spectroz
ymeTMX a)および抗第VIII因子モノクローナル抗体ESH4
およびESH8を、American Diagnostica(Greenwich、C
T)から購入した。ユニラメラホスファチジルコリン/
ホスファチジルセリン(75/25、w/w)小胞を、Barenhol
tz、Y.ら、16 Biochemistry 2806−2810(1977)の方法
に従って調製した。組換えデスルファトヒルジン(desu
lfatohirudin)を、Dr.R.B.Wallis、Ciba−Geigy Pharm
aceuticals(Cerritos、CA)から得た。ブタ第IX a、
X、X a因子およびトロンビンを、Lollar、P.ら、63 Bl
ood 1303−1306(1984)、ならびにDuffy、E.J.および
P.Lollar、207 J.Biol.Chem.7621−7827(1992)の方法
に従って単離した。アルブミン非含有純粋組換えヒト第
VIII因子を、Baxter−Biotech(Deerfield、IL)から得
た。
ブタ第VIII因子のA2ドメインのクローニング ブタA2ドメインをコードするcDNAを、Chomczyneki、
P.およびSacohi、N.、162 Anal.Biochem.156−159(198
7)に記載の通りに単離して逆転写したブタ脾臓mRNAのP
CRの後に得た。cDNAを、プライマーとしてランダムヘキ
サマーを用いて一本鎖cDNA合成キット(Pharmacia、Pis
cataway、N.J.)を用いて調製した。公知の限定された
ブタA2アミノ酸配列に基づく5'−末端縮重プライマー5'
AARCAYCCNAARACNTGGG 3'(配列番号11)、およびブタA
2ドメインの公知のブタDNA配列のすぐ3'側に基づく3'−
末端正確プライマー5' GCTCGCACTAGGGGGTCTTGAATTC 3'
(配列番号12)を用いてPCRを実施した。これらのオリ
ゴヌクレオチドは、ヒト配列(配列番号1)におけるヌ
クレオチド1186〜1203および2289〜2313に対応する。Ta
gDNAポリメラーゼ(Promega Corp.、Madison、WI)を用
いて、増幅を35サイクル(1分94℃、2分50℃、2分72
℃)行った。Murchuk、D.ら、19 Nucl.Acids Res.1154
(1991)により記載されたT−ベクター手順を用いて、
1.1キロベースの増幅されたフラグメントをpBluescript
II KS−(Straragene)に、EcoR V部位でクローン化し
た。Escherichia coli XL1−Blue−コンピテントセルを
形質転換し、そしてプラスミドDNAを単離した。Sequena
seTM version 2.0(U.S.Biochemical Corp.、a Divisio
n of Amersham LifeScience、Inc.Arlington Hts、IL)
を用いて、両方向で配列決定を行った。この配列は、同
一のブタ由来の脾臓RNAの独立した逆転写由来のPCR産物
(CircumVentTM、New England Biolabs、Beverly、MA)
を直接配列決定することによって得られた同一の配列に
よって確認された。自己抗体RCについてエピトープを含
有する領域は、ヒト第VIII因子(配列番号2)における
373−536として同定された。
ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子cDNAの構築および発
現 B−ドメインのないヒト第VIII因子(HB−、Biogen,I
nc.Cambridge、MAより)は、アミノ酸残基741〜1648
(配列番号2)をコードする配列を欠き、そしてハイブ
リッドヒト/ブタ第VIII因子の構築のために出発物質と
して用いた。HB−を発現ベクターReNeo中にクローン化
した。操作を促進するため、第VIII因子のcDNAを、ReNe
o由来のXho I/Hpa Iフラグメントとして単離し、そして
Xhol/EcoR V消化したpBlueSsript II KS-中にクローン
化した。オリゴヌクレオチド5' CCTTCCTTTATCCAAATACGT
AGATCAAGAGGAAATTGAC 3'(配列番号7)を、ウラシル含
有ファージDNAを用いる部位特異的変異誘発反応におい
て、Kunkel、T.A.ら、204 Meth.Enzymol.125−139(199
1)に記載のように用い、ヒトA2配列(配列番号1中の
ヌクレオチド1169〜2304)を同時にループアウトしてSn
aB I制限部位を導入した。A2ドメインのない第VIII因子
を含有するプラスミドをSnaB Iで消化し、次いでCla I
リンカーを付加した。次いでリン酸化5'プライマー5' G
TAGCGTTGCCAAGAAGCACCCTAAGACG 3'(配列番号8)およ
び3'プライマー5' GAAGAGTAGTACGAGTTATTTCTCTGGGTTCAA
TGAC 3'(配列番号9)をそれぞれ使用して、ブタA2ド
メインをPCRで増幅した。Cla Iリンカーを、PCR産物に
付加し、次いでヒト第VIII因子含有ベクター内に結合し
た。A1/A2連結部およびA2/A3連結部を補正し、正確なト
ロンビン切断配列および隣接配列を、部位特異的変異誘
発によって、配列番号8に示すオリゴヌクレオチドおよ
びヌクレオチド1〜22(配列番号9中の5'GAA・・・TT
C)(それぞれ5'−および3'−末端連結部を補正するた
め)を用いて回復した。HP1と命名した得られた構築物
において、ヒトA2ドメインはブタA2ドメインで正確に置
換された。予備の産物は所望されないチミンをA1−A2連
結部で、ブタA2ドメインのPCR増幅の結果として含有し
た。この1つの塩基は、変異オリゴヌクレオチド5' CCT
TTATCCAAATACGTAGCGTTTGCCAAGAAG 3'(配列番号10)を
使用してループアウトし得る。
63%のブタNH2末端A2ドメインを含有する領域(推定A
2エピトープを含有する)を、ヒト第VIII因子cDNAを含
有するpBluescriptプラスミドとヒト/ブタA2第VIII因
子cDNAを含有するpBluescriptプラスミドとの間でSpe I
/BamH Iフラグメントを交換することにより、Bドメイ
ンのないcDMAの相同ヒト配列を置換した。この配列を、
A2ドメインおよびスプライス部位を配列決定することに
より確認した。最後に、完全なA2配列を含有するSpe I/
Apa Iフラグメントを、HB−中の対応する配列の位置で
置換し、HP2構築物を生成した。
COS−7細胞におけるHB−およびHP2の予備発現を、Se
ldon、R.F.、Current Protocols in Molecular Biology
(Ausubel、F.M.ら編)、9.21頁〜9.26頁、Wiley Inter
science、N.Y.によって記載されているようにDEAE−デ
キストラン媒介DNAトランスフェクションの後に試験し
た。活性第VIII因子の発現を確認し、そして予備的な抗
体阻害研究を行った後、次いでHB−およびHP2 DNAを、
リポソーム媒介トランスフェクション(Lipofectin
Life Technologies、Inc.、Gaithersburg、MD)を用い
て、ベビーハムスター腎臓細胞に安定にトランスフェク
トした。プラスミド含有クローンを、400μg/mlのG418
を含有するG418耐性について、Dulbecco's改変Eagle's
培地−F12、10%ウシ胎児血清(DMEM−F12/10%ウシ胎
児血清)中で選択し、次いで100μg/mlのG418を含有す
るDMEM−F12/10%ウシ胎児血清中で維持した。HB−およ
びHP2第VIII因子活性の最大の発現を示すコロニーを、
リングクローニング(ring cloning)により選択し、そ
してさらなる特徴付けのために拡大した。
HB−およびHP2第VIII因子発現を、血漿非含有第VIII
因子アッセイ、1段階のクロッティングアッセイ、およ
び精製組換えヒト第VIII因子を標準として用いる酵素結
合免疫吸着剤検定法により比較した。2600および2580単
位/mgの比凝固因子活性が、それぞれHB−およびHP2につ
いて得られた。HB−およびHP2は、それぞれ1.2単位/ml/
48時間/107細胞および1.4単位/ml/48時間/107細胞を産
生した。これは、野生型構築物(2,600±200単位/mg)
の比凝固因子活性と同一である。HB−およびHP2の比活
性は、血漿非含有第VIII因子アッセイと区別し得なかっ
た。
ハイブリッドヒト/非ブタ哺乳動物第VIII因子の構築お
よび発現 他の動物のA1、A3、C1、およびC2ドメインならびに部
分ドメインのクローニングは、ブタA2ドメインをクロー
ニングするために用いたストラテジーと同一のストテラ
ジーを用いて実施可能である。これらのドメインのフラ
グメントを、ループアウト変異誘発技術によってクロー
ン化し得る。ヒト第VIII因子中の対応するドメインおよ
びその任意のフラグメントの切除(1つのアミノ酸の除
去を含む)は、上記のループアウト変異誘発によって実
施可能である。全ての考えられるドメインの置換、ドメ
イン置換のフラグメント、または1つのアミノ酸残基の
置換は、このアプローチにより可能である。
A1、A2、A3、C1、および/またはC2ドメイン置換を有
する組換えハイブリッドヒト/動物第VIII因子の生物学
的活性を、最初にCOS細胞哺乳動物一過性発現系を用い
て評価し得る。ハイブリッドヒト/動物cDNAをCOS細胞
中にトランスフェクトし得、そして上清を上記に記載し
たように1段階および2段階の凝固アッセイを用いて第
VIII因子について分析し得る。さらに、第VIII因子を、
色素原基質アッセイを用いて測定し得る。このアッセイ
はより高感度であり、そしてより多くの数のサンプルの
分析を可能にする。同様のアッセイが、第VIII因子活性
のアッセイにおいて標準的である(Wood、W.I.ら、312
Nature 330−337、1984;Toole、J.J.ら、312 Nature 34
2−347、1984)。COS細胞における組換え第VIII因子の
発現もまた、標準手順である(Toole、J.J.ら、312 Nat
ure 342−347、1984;Pittman、D.D.、およびR.J.Kaufma
n 85 Proc.Nat'l.Acad.Sci.U.S.A. 2429−2433、198
8)。本明細書中で記載される組換え分子のための出発
物質として用いられるヒト第VIII因子cDNAをCOS細胞中
で発現して生物学活性を有する産物を生じた。この物質
は、上記のように、ハイブリッドヒト/動物第VIII因子
分子を比較するための標準として用いられ得る。アッセ
イにおける活性を、ハイブリッド分子を適切に比較する
ために比活性に変換する。このために、この細胞によっ
て産生される第VIII因子の量の測定が必要となり、そし
てそれは精製ヒトおよび/または動物第VIII因子を標準
として用いるイムノアッセイによって測定され得る。第
VIII因子についてのイムノアッセイは、当業者にとって
は通常である(例えば、Lollar、P.ら、71 Blood 137−
143、1988を参照のこと)。
実施例8.ハイブリッドヒト/動物第VIII因子における阻
害活性の測定 エピトープとして(すなわち、第VIII因子と反応する
阻害抗体についての認識部位として)関与していると思
われるヒトおよび動物第VIII因子の配列を、例えば以下
に示すように、部位特異的変異誘発技術(例えば、オー
バーラップ伸長によるスプライシング方法(splicing b
y overlap extension method)(SOE))と組み合わせ
て第VIII因子に対する抗体を用いるアッセイを用いて、
通常の手順を用いて測定し得る。対応する抗原性ヒト配
列と比較して抗原性でない動物第VIII因子の配列を同定
し得、そして標準組換えDNA方法に従って置換を行って
動物配列を挿入し、そしてヒト配列を欠失し得る。ブタ
第VIII因子は、ヒト第VIII因子よりもいくつかの阻害性
抗体と少ししか反応しない;このことにより、インヒビ
ターを用いる患者の現在の治療に対する基礎が提供され
る。組換えハイブリッドを作製後、これらを、通常のア
ッセイ(Bethesdaインヒビターアッセイを含む)を用い
て反応性についてインビトロで試験し得る。天然ヒト第
VIII因子および天然動物第VIII因子よりも反応性が低い
構築物は、置換治療のための候補である。
ヒト第VIII因子に反応性の大部分の(全てでないとし
ても)阻害性抗体に対するエピトープは、2332のアミノ
酸ヒト第VIII因子分子中の2つの領域である、A2ドメイ
ン(アミノ酸残基373〜740)、およびC2ドメイン(アミ
ノ酸残基2173〜2332、両方の配列を配列番号2に示す)
中に存在すると考えられる。A2エピトープは、ヒトA2ド
メインの一部が、置換されるヒトアミノ酸配列と同一の
配列を有するブタの配列によって置換される組換えハイ
ブリッドヒト/ブタ第VIII因子分子を作製することによ
って除去されている。これは、実施例7に記載のよう
に、ブタA2ドメインを、標準分子生物学的技術によりク
ローン化し、そして次いで制限部位を用いてA2ドメイン
内で切断およびスプライシングを行うことによって達成
された。得られた構築物(HP2と称する)中で、ブタ第V
III因子の残基373〜603(配列番号4)をヒトA2ドメイ
ンに置換した。HP2を、以下の方法を用いて抗ヒト第VII
I因子抗体との免疫反応性についてアッセイした。
第VIII因子の酵素結合免疫吸着検定法 マイクロタイタープレートのウェルを、0.15mlの6μ
g/mlのESH4(ヒト第VIII因子軽鎖抗体)でコートし、一
晩インキュベートした。このプレートをH2Oで3回洗浄
した後、ウェルを1時間、0.15M NaCl、10mMリン酸ナト
リウム、0.05%Tween 20、0.05%脱脂粉乳、0.05%アジ
化ナトリウム(pH7.4)で1時間ブロックした。感度を
増加させるため、第VIII因子を含有するサンプルを30nM
のトロンビンで15分間活性化した。次いで、組換えデス
ルファトヒルジンを100Mで加え、トロンビンを阻害し
た。プレートを再度洗浄し、そして0.1mlのサンプルま
たは純粋な組換えヒト第VIII因子(10ng/ml〜600ng/m
l)(これらは標準として用いた)を添加した。2時間
のインキュベーションの後、プレートを洗浄し、そして
0.1mlのビオチン化ESH8(他の第VIII因子軽鎖抗体)を
各々のウェルに加えた。ESH8を、Pierceスルホスクシン
イミジル−6−(ビオチンアミド)ヘキサノエートビオ
チン化キットを用いてビオチン化した。1時間のインキ
ュベーションの後、プレートを洗浄し、そして0.1mlの
ストレプトアビジン(strepavidin)アルカリホスファ
ターゼを各々のウェルに添加した。このプレートをBio
−Radアルカリホスホターゼ基質試薬キットを用いて発
色させ、そして生じた各々のウェルについての405nmで
の吸光度を、Vmaxマイクロタイタープレートリーダー
(Molecular Devices、In.、Sunnyville、CA)を用いる
ことにより測定した。未知の第VIII因子の濃度を、第VI
II因子標準曲線の直線部分から決定した。
第VIII因子アッセイ HB−およびHB2第VIII因子を、1段階のクロッティン
グアッセイで測定した。このアッセイは上記の通り(Bo
wie、E.J.W.、およびC.A.Owen、Disorders of Hemostas
is(RatnoffおよびForbes編)、43−72頁、Grunn & St
ratton、Inc.、Orlando、FL(1984))、または、以下
のような血漿非含有アッセイによって実施した。HB−ま
たはHB2第VIII因子を、10nM第IX a因子、425nM第X因
子、および50μMユニラメラホスファチジルセリン/ホ
スファチジルコリン(25/75、w/w)小胞の存在下、0.15
M NaCl、20nM HEPES、5mM CaCl2、0.01%Tween 80(pH
7.4)中の40nMトロンビンによって活性化した。5分
後、反応を0.05M EDTAおよび100nM組換えデスルファト
ヒルジンを用いて停止させ、そして得られた第X a因子
を、Hill−Eubanks、D.C.、およびP.Lollar、265 J.Bio
l.Chem.17854−17858(1990)の方法に従って、色素原
基質アッセイによって測定した。これらの条件下、形成
された第X a因子の量は、精製組換えヒト第VIII因子(B
axter Biotech、Deerfield、IL)を標準として用いるこ
とによって判断したところ、出発第VIII因子の濃度に直
接的に比例した。
クロッティングアッセイの前に、HB−またはHP2第VII
I因子を、48時間目の馴化培地から10〜15単位/mlに、ヘ
パリン−SepharoseTMクロマトグラフィーにより濃縮し
た。HB−またはHP2第VIII因子を、血友病A血漿(Georg
e King Biomedical)に、最終濃度が1単位/mlになるよ
うに添加した。RC血漿またはMR血漿中もしくはmAb 413
IgG(4μM)のストック溶液中のインヒビター力価
を、Kasper、C.K.ら、34 Thromb.Diath.Haemorrh.869−
872(1975)に記載されたように、Bethesdaアッセイに
より測定した。インヒビターIgGを、Leyte、A.ら、266
J.Biol.Chem.740−746(1991)により記載されたように
調製した。
HP2は、抗A2抗体と反応しない。従って残基373〜603
は、抗A2抗体についてのエピトープを含有しているに違
いない。
ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子の調製およびオーバ
ーラップ伸長によるスプライシング(SOE)によるアッ
セイ ヒトA2領域中にブタアミノ酸置換を有するいくつかの
より多くのハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子を調製
し、A2エピトープをさらに狭めた。制限部位技術に加
え、Ho、S.N.ら、77 Gene 51−59(1989)によって記載
される「オーバーラップ伸長によるスプライシング」方
法(SOE)を用いて、ブタ第VIII因子cDNAの任意の恣意
的な領域で置換した。SOEにおいては、スプライス部位
を、オーバーラップするオリゴヌクレオチドにより規定
し、これをPCRにより増幅して、所望のcDNAを生成し得
る。8個のcDNA構成物(HP4〜HP11と称する)を作製し
た。これらを実施例7に記載のように、ReNeo発現ベク
ターに挿入し、ベビーハムスター腎臓細胞に安定にトラ
ンスフェクションし、そして高レベルまで発現させた。
ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子構造物を、Bethes
daアッセイ(Kasper、C.K.ら、34 Thromb.Diath.Haemor
rh.869−872(1975))を用いて、抗A2インヒビターMab
413との反応性についてアッセイした。Bethesda単位(B
U)は、インヒビター力価を測定するための標準的な方
法である。結果を表Vに示し、そしてそれを組換えヒト
第VIII因子と比較する。
表Vに示したように、Bethesda力価が測定不能(0.7B
U/mg IgG未満)であれば、A2エピトープは置換されたブ
タ配列の領域中に存在する。エピトープを、HP9に対す
るMAb413の非反応性によって例証されるように、わずか
26個の残基からなる残基484〜509(配列番号2)に漸次
狭めた。
484〜509の間の領域は分割され得る。このような分割
が例えば、残基484〜497および残基498〜509のブタ配列
を生成し、これらの配列のいずれもが抗A2阻害性抗体と
反応しない場合、このことにより、エピトープが分断さ
れ、そして479−498のスプライス部位の両側のアミノ酸
が、エピトープの生成に必要であることが示される。
実施例7および8に記載の方法は、ヒトA2ドメイン内
のアミノ酸置換を有する他のハイブリッドヒト/非ブタ
哺乳動物第VIII因子、任意のドメイン内のアミノ酸置換
を有するハイブリッドヒト/動物第VIII因子、または抗
第VIII因子抗体との免疫反応性が減少したか、またはい
らなくなったハイブリッド第VIII因子分子またはこのよ
うなハイブリッド第VIII因子等価物を調製するために用
いられ得る。
配列表 (1)一般的情報: (i)出願人:エモリー ユニバーシティ (ii)発明の名称: (iii)配列数:12 (iv)連絡住所: (A)名称:キルパトリック アンド コーディ (B)番地:1100 ピーチツリー ストリート,ス
イート 2800 (C)市:アトランタ (D)州:ジョージア (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:30309 (v)コンピューター読み出し形態: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC互換用 (C)OS:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:パテントイン リリース #
1.0,バージョン #1.25 (vi)現在の出願データ: (A)出願番号:PCT (B)出願日:1994年11月15日 (C)分類: (viii)代理人/事務所情報: (A)氏名:プラット,ジョン エス. (B)登録番号:29,476 (C)照会/記録番号:EMU106CIP(2) (ix)電話回線情報: (A)電話:404−815−6508 (B)テレファックス:404−815−6555 (2)配列番号1の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:9009塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (vi)起源: (A)生物名:ヒト(Homo sapien) (F)組織の種類:肝臓 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:misc_feature(Domain Stru
cture) (B)存在位置:5125...7053 (D)他の情報:/注=「A3−C1−C2ドメインに相当
する」 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:misc_feature(Domain Stru
cture) (B)存在位置:1...2277 (D)他の情報:/注=「A1−A2ドメインに相当す
る」 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:Domain (B)存在位置:1..2277 (D)他の情報:/注=「ヒト第VIII因子をコードす
るcDNA」 (xi)配列:配列番号1: (2)配列番号2の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:2332アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (C)鎖の数;一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (iii)ハイポセティカル:YES (iv)アンチセンス:NO (v)フラグメント型:N末端フラグメント (vi)起源: (A)生物名:ヒト(Homo sapien) (F)組織の種類:肝臓cDNA配列 (xi)配列:配列番号2: (2)配列番号3の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:1130塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (vi)起源: (A)生物名:ブタ(Porcine) (F)組織の種類:血液 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:Region (B)存在位置:1..1130 (D)他の情報:/注=「ブタ第VIII因子のA2ドメイ
ンをコードするcDNA」 (xi)配列:配列番号3: (2)配列番号4の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:368アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (iii)ハイポセティカル:YES (iv)アンチセンス:NO (v)フラグメント型:N末端フラグメント (vi)起源: (A)生物名:ブタ(Porcine) (F)組織の種類:脾臓 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:Protein (B)存在位置:1..368 (D)他の情報:/注=「ヒト第VIII因子アミノ酸配
列373−740に相同な残基として決定された、ブタ第VIII
因子A2ドメインの予測されたアミノ酸配列。(1−4残
基は既知のブタアミノ酸配列に由来する。」 (xi)配列:配列番号4: (2)配列番号5の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:7493塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA to mRNA (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (vi)起源: (A)生物名:Mus musculus (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:repeat_unit (B)存在位置:1..407 (D)他の情報:/rpt_type=「末端」 /注=「5'UTR」 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:misc_feature (B)存在位置:7471..7476 (D)他の情報:/機能=「PolyA_signal」 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:repeat_unit (B)存在位置:7368..7493 (D)他の情報:/rpt_type=「末端」 /注=「3'UTR」 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:misc_feature (B)存在位置:408..7367 (D)他の情報:/産物=「凝固第VIII因子」 (x)刊行物情報 (A)著者:エルダー,エフ. ラキッチ,ディー. ギッチャー,ジェイ. (B)名称:マウス第VIII因子cDNAの配列 (C)刊行物:ゲノミクス(Genomics) (D)巻:16 (F)頁:374−379 (G)日付:1993 (K)配列番号5中の関連残基:1から7476まで (xi)配列:配列番号5: (2)配列番号6の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:2319アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (iii)ハイポセティカル:YES (iv)アンチセンス:NO (v)フラグメント型:N末端フラグメント (vi)起源: (A)生物名:Mus musculus (x)刊行物情報 (A)著者:エルダー,エフ. ラキッチ,ディー. ギッチャー,ジェイ. (B)名称:マウス第VIII因子cDNAの配列 (C)刊行物:ゲノミクス(Genomics) (D)巻:16 (F)頁:374−379 (G)日付:1993 (K)配列番号6中の関連残基:1から2319まで (xi)配列:配列番号6: (2)配列番号7の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:40塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:他の核酸 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号7: (2)配列番号8の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:29塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:他の核酸 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号8: (2)配列番号9の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:37塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:他の核酸 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号9: (2)配列番号10の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:33塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:他の核酸 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号10: (2)配列番号11の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:19塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:他の核酸 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号11: (2)配列番号12の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:25塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:他の核酸 (iii)ハイポセティカル:NO (iv)アンチセンス:NO (xi)配列:配列番号12:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA //(C12P 21/02 A61K 37/02 C12R 1:91) (56)参考文献 特表 平4−501508(JP,A) 国際公開93/020093(WO,A1) J.Biol.Chem.(1992)V ol.267,No.33,P.23652− 23657 J.Biol.Chem.(1991)V ol.266,No.19,p.12481− 12486 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 A61K 38/00 A61P 7/04 C07K 14/755 C07K 19/00 C12P 21/00 - 21/02 SwissProt/PIR/GeneS eq BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト・非ヒトハイブリッド第VIII因子であ
    って、 下記のアミノ酸配列(a)、(b)又は(c): (a)配列番号:2に示すヒト第VIII因子のアミノ酸配
    列、 (b)配列番号:2に示すヒト第VIII因子のアミノ酸配列
    において、Bドメインが欠失しているアミノ酸配列、又
    は (c)上記アミノ酸配列(a)又は(b)において、1
    〜数個のアミノ酸の置換により修飾されており、且つヒ
    ト第VIII因子の活性を維持しているアミノ酸配列、 の何れかにおいて、配列番号:2のA2ドメイン内で当該A2
    ドメインより短く且つ少なくとも484位のアミノ酸〜509
    位のアミノ酸を含むアミノ酸配列が、ブタ又はマウスの
    第VIII因子の対応するアミノ酸配列により置換されてい
    るアミノ酸配列を有し、インビトロでの凝固アッセイに
    おいて凝血促進活性を有し、そして第VIII因子のA2ドメ
    インに対する阻害抗体に対する免疫反応性が、ヒト第VI
    II因子よりも低い、ことを特徴とするハイブリッド第8
    因子。
  2. 【請求項2】前記置換されるアミノ酸配列が、配列番
    号:2における、373位のアミノ酸〜540位のアミノ酸のア
    ミノ酸配列、373位のアミノ酸〜509位のアミノ酸のアミ
    ノ酸配列、445位のアミノ酸〜509位のアミノ酸のアミノ
    酸配列、又は404位のアミノ酸〜509位のアミノ酸のアミ
    ノ酸配列である、請求項1に記載のハイブリッド第VIII
    因子。
  3. 【請求項3】前記置換するアミノ酸配列がブタの第VIII
    因子由来である、請求項1又は2に記載のハイブリッド
    第VIII因子。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れか1項に記載のハイブ
    リッド第VIII因子を含んでなる第VIII因子欠乏症治療
    剤。
  5. 【請求項5】前記第VIII因子欠乏症が、第VIII因子に対
    する抗体の存在により特徴付けられる、請求項4に記載
    の第VIII因子欠乏症治療剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜3の何れか1項に記載のハイブ
    リッド第VIII因子を含んで凝血促進剤。
  7. 【請求項7】第VIII因子に対する抗体を有する患者に投
    与するための、請求項6に記載の凝血促進剤。
  8. 【請求項8】請求項1〜3の何れか1項に記載のハイブ
    リッド第VIII因子を、ボンウィレブランド因子、ビタミ
    ンK依存性クロッティング因子及び凝固組織因子からな
    る群から選択されるクロッティング因子と組み合わせて
    含んで成る組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜3の何れか1項に記載のハイブ
    リッド第VIII因子を含んでなる融合蛋白質。
  10. 【請求項10】請求項1〜3の何れか1項に記載のハイ
    ブリッド第VIII因子をコードする核酸。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の核酸を含んで成る発現
    ベクター。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の発現ベクターによりト
    ランスフェクトされた宿主細胞。
  13. 【請求項13】請求項1〜3の何れか1項に記載のハイ
    ブリッド第VIII因子の製造方法において、請求項12に記
    載の宿主細胞を培養し、そして培養物からハイブリッド
    第VIII因子を採取することを特徴とする方法。
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