JP3406454B2 - 車両用磁粉式電磁クラッチの制御装置 - Google Patents

車両用磁粉式電磁クラッチの制御装置

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JP3406454B2
JP3406454B2 JP11096396A JP11096396A JP3406454B2 JP 3406454 B2 JP3406454 B2 JP 3406454B2 JP 11096396 A JP11096396 A JP 11096396A JP 11096396 A JP11096396 A JP 11096396A JP 3406454 B2 JP3406454 B2 JP 3406454B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用磁粉式電磁ク
ラッチの制御装置に関し、特に電磁クラッチが過負荷状
態で使用され寿命劣化を伴うような高温に曝されないよ
うに、電磁クラッチを保護する制御技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】車両のエンジンに作動的に連結された駆
動側回転体と、その車両の車輪に作動的に連結された従
動側回転体と、その駆動側回転体及び従動側回転体の間
に形成される空隙に収容された磁粉と、その磁粉を磁気
力により該空隙内にて結合させる励磁コイルとを備えた
磁粉式電磁クラッチが知られている。この電磁クラッチ
は、駆動側回転体の回転力をその励磁コイルに供給され
る励磁電流の大きさに応じて従動側回転体に伝達する特
性があるため、励磁電流によってエンジンの回転速度は
制御されている。電磁クラッチを円滑に係合させるため
に、先ずエンジンの回転速度を必要な回転力が得られる
まで増加させ、次にそのエンジンの回転速度を電磁クラ
ッチが接合するまで安定して維持させている。
【0003】電磁クラッチが過負荷状態で使用されたと
き、電磁クラッチの焼損を防止するための従来の制御技
術として、例えば特開昭63ー6226によれば、クラ
ッチの温度が高温になると、発進時のエンジン回転速度
と励磁電流特性とを変更して、エンジン回転速度をより
低いクラッチ同期回転速度(クラッチ入力回転速度=ク
ラッチ出力回転速度)に対応させることを開示してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような低
いエンジン回転速度は車速に無関係に設定してあるた
め、クラッチを直結してもエンジンが不調になりにく
い、アイドル回転速度よりかなり高い回転速度に設定せ
ざるを得なかった。
【0005】また、クラッチの高温時に、エンジン回転
速度を低下させることでクラッチのスリップ量を減少さ
せているが、発熱量に直接関与するスリップ量を制御し
ていないため、精度の悪い保護制御となり、電磁クラッ
チの本来の性能を充分発揮できないという問題点があっ
た。
【0006】また、電磁クラッチの温度推定は、従来電
磁クラッチのコイルの温度のみを推定しているが、全開
ストール(スロットル開度が全開でクラッチ出力側回転
速度=0の場合)のような大きなスリップ工率では発熱
部位からの距離により温度上昇速度の差が大きく、コイ
ル温度は保護しなくてよい低い温度でも、発熱部である
動作面は保護の必要な高温となり、クラッチ特性劣化を
有効に防止できないという問題点もあった。
【0007】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、電磁クラッ
チの過負荷状態での使用時に、劣化が予測される部位の
温度を予測し、的確に発熱量を制限することでクラッチ
の特性劣化や焼損を防止できる車両用磁粉式電磁クラッ
チの制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
車両用磁粉式電磁クラッチの制御装置は、車両のエンジ
ンに作動的に連結された駆動側回転体と、前記車両の車
輪に作動的に連結された従動側回転体と、前記駆動側回
転体及び従動側回転体の間に形成される空隙に収容され
た磁粉と、その磁粉を磁気力により前記空隙内にて結合
させる励磁コイルとを備え、前記駆動側回転体の回転力
を前記励磁コイルに供給される励磁電流の大きさに応じ
て前記従動側回転体に伝達する車両用磁粉式電磁クラッ
チにおいて、前記電磁クラッチの係合に際して、該電磁
クラッチの伝達力を制御する制御装置であって、前記エ
ンジンの実際の回転速度を検出する第1回転速度検出手
段と、前記従動側回転体の回転速度を検出する第2回転
速度検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記
エンジンに要求される実際の要求負荷量を検出する要求
負荷検出手段と、前記電磁クラッチの伝達する実際のト
ルクを推定するクラッチトルク推定手段と、予め求めら
れた関係から、前記エンジンの実際の回転速度上昇に伴
って前記励磁電流を増加させる励磁電流制御手段と、少
なくとも車速と前記要求負荷量の関数としての目標スリ
ップ量を決定する目標スリップ量決定手段と、前記目標
スリップ量と前記従動側回転速度の和としての目標エン
ジン回転速度を決定する目標エンジン回転速度決定手段
と、前記実際のエンジン回転速度が前記目標エンジン回
転速度と一致するように、前記励磁電流制御手段におけ
る予め求められた関係を修正する修正手段と、前記エン
ジン及び電磁クラッチの運転状態を検出する運転状態検
出手段と、前記運転状態検出手段の検出値に基づいて電
磁クラッチの温度を推定する温度推定手段と、前記温度
推定手段の推定温度の関数として許容スリップ工率を決
定する許容スリップ工率決定手段と、前記許容スリップ
工率決定手段の許容スリップ工率を前記クラッチトルク
で除したスリップ量を上限として、前記目標スリップ量
を修正をする目標スリップ制限手段とを備え 前記温度
推定手段の推定する温度は、前記磁粉の作動する部位の
温度(動作面温度)と励磁巻線付近の温度(コイル温
度)とを含むものである。
【0009】本発明の請求項2に係る車両用磁粉式電磁
クラッチの制御装置は、前記温度推定手段が、前記電磁
クラッチのスリップ量と伝達トルクの積に比例する発熱
量を使用するとともに、前記発熱量の概ね1/2がそれ
ぞれ、前記駆動側回転体と従動側回転体に作用するとし
て温度を推定するものである。
【0010】本発明の請求項3に係る車両用磁粉式電磁
クラッチの制御装置は、前記許容スリップ工率決定手段
が、前記動作面温度から決まる許容スリップ工率と前記
コイル温度から決まる許容スリップ工率のうち小さい方
を前記許容スリップ工率とするものである。
【0011】本発明の請求項4に係る車両用磁粉式電磁
クラッチの制御装置は、車両のエンジンに作動的に連結
された駆動側回転体と、前記車両の車輪に作動的に連結
された従動側回転体と、前記駆動側回転体及び従動側回
転体の間に形成される空隙に収容された磁粉と、その磁
粉を磁気力により前記空隙内にて結合させる励磁コイル
とを備え、前記駆動側回転体の回転力を前記励磁コイル
に供給される励磁電流の大きさに応じて前記従動側回転
体に伝達する車両用磁粉式電磁クラッチにおいて、前記
電磁クラッチの係合に際して、該電磁クラッチの伝達力
を制御する制御装置であって、 前記エンジンの実際の回
転速度を検出する第1回転速度検出手段と、 前記従動側
回転体の回転速度を検出する第2回転速度検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、 前記エンジンに要求さ
れる実際の要求負荷量を検出する要求負荷検出手段と、
前記電磁クラッチの伝達する実際のトルクを推定するク
ラッチトルク推定手段と、 予め求められた関係から、前
記エンジンの実際の回転速度上昇に伴って前記励磁電流
を増加させる励磁電流制御手段と、 少なくとも車速と前
記要求負荷量の関数としての目標スリップ量を決定する
目標スリップ量決定手段と、 前記目標スリップ量と前記
従動側回転速度の和としての目標エンジン回転速度を決
定する目標エンジン回転速度決定手段と、 前記実際のエ
ンジン回転速度が前記目標エンジン回転速度と一致する
ように、前記励磁電流制御手段における予め求められた
関係を修正する修正手段と、 前記エンジン及び電磁クラ
ッチの運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記運
転状態検出手段の検出値に基づいて電磁クラッチの温度
を推定する温度推定手段と、 前記温度推定手段の推定温
度の関数として許容スリップ工率を決定する許容スリッ
プ工率決定手段と、 前記許容スリップ工率決定手段の許
容スリップ工率を前記クラッチトルクで除 したスリップ
量を上限として、前記目標スリップ量を修正をする目標
スリップ制限手段とを備え、 前記目標スリップ量決定手
段において、車速と目標スリップ量との関係は、車速に
対して前記目標エンジン回転速度が増加関数となるよ
う、すなわち前記クラッチ出力回転速度の前記車速に対
する比である変速比が所定値より小さくなると、車速増
加に対してより大きな割合で目標スリップ量を減少させ
るように設定されたものである。
【0012】本発明の請求項5に係る車両用磁粉式電磁
クラッチの制御装置は、車両のエンジンに作動的に連結
された駆動側回転体と、前記車両の車輪に作動的に連結
された従動側回転体と、前記駆動側回転体及び従動側回
転体の間に形成される空隙に収容された磁粉と、その磁
粉を磁気力により前記空隙内にて結合させる励磁コイル
とを備え、前記駆動側回転体の回転力を前記励磁コイル
に供給される励磁電流の大きさに応じて前記従動側回転
体に伝達する車両用磁粉式電磁クラッチにおいて、前記
電磁クラッチの係合に際して、該電磁クラッチの伝達力
を制御する制御装置であって、 前記エンジンの実際の回
転速度を検出する第1回転速度検出手段と、 前記従動側
回転体の回転速度を検出する第2回転速度検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、 前記エンジンに要求さ
れる実際の要求負荷量を検出する要求負荷検出手段と、
前記電磁クラッチの伝達する実際のトルクを推定するク
ラッチトルク推定手段と、 予め求められた関係から、前
記エンジンの実際の回転速度上昇に伴って前記励磁電流
を増加させる励磁電流制御手段と、 少なくとも車速と前
記要求負荷量の関数としての目標スリップ量を決定する
目標スリップ量決定手段と、 前記目標スリップ量と前記
従動側回転速度の和としての目標エンジン回転速度を決
定する目標エンジン回転速度決定手段と、 前記実際のエ
ンジン回転速度が前記目標エンジン回転速度と一致する
ように、前記励磁電流制御手段における予め求められた
関係を修正する修正手段と、 前記エンジン及び電磁クラ
ッチの運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記運
転状態検出手段の検出値に基づいて電磁クラッチの温度
を推定する温度推定手段と、 前記温度推定手段の推定温
度の関数として許容スリップ工率を決定する許容スリッ
プ工率決定手段と、 前記許容スリップ工率決定手段の許
容スリップ工率を前記クラッチトルクで除 したスリップ
量を上限として、前記目標スリップ量を修正をする目標
スリップ制限手段とを備え、前記目標スリップ量決定手
段において、車速の加速度が所定値より小さい場合、車
速に対する目標スリップの減少の割合をより大きくした
ものである。
【0013】本発明の請求項6に係る車両用磁粉式電磁
クラッチの制御装置は、車両のエンジンに作動的に連結
された駆動側回転体と、前記車両の車輪に作動的に連結
された従動側回転体と、前記駆動側回転体及び従動側回
転体の間に形成される空隙に収容された磁粉と、その磁
粉を磁気力により前記空隙内にて結合させる励磁コイル
とを備え、前記駆動側回転体の回転力を前記励磁コイル
に供給される励磁電流の大きさに応じて前記従動側回転
体に伝達する車両用磁粉式電磁クラッチにおいて、前記
電磁クラッチの係合に際して、該電磁クラッチの伝達力
を制御する制御装置であって、 前記エンジンの実際の回
転速度を検出する第1回転速度検出手段と、 前記従動側
回転体の回転速度を検出する第2回転速度検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、 前記エンジンに要求さ
れる実際の要求負荷量を検出する要求負荷検出手段と、
前記電磁クラッチの伝達する実際のトルクを推定するク
ラッチトルク推定手段と、 予め求められた関係から、前
記エンジンの実際の回転速度上昇に伴って前記励磁電流
を増加させる励磁電流制御手段と、 少なくとも車速と前
記要求負荷量の関数としての目標スリップ量を決定する
目標スリップ量決定手段と、 前記目標スリップ量と前記
従動側回転速度の和としての目標エンジン回転速度を決
定する目標エンジン回転速度決定手段と、 前記実際のエ
ンジン回転速度が前記目標エンジン回転速度と一致する
ように、前記励磁電流制御手段における予め求められた
関係を修正する修正手段と、 前記エンジン及び電磁クラ
ッチの運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記運
転状態検出手段の検出値に基づいて電磁クラッチの温度
を推定する温度推定手段と、 前記温度推定手段の推定温
度の関数として許容スリップ工率を決定する許容スリッ
プ工率決定手段と、 前記許容スリップ工率決定手段の許
容スリップ工率を前記クラッチトルクで除 したスリップ
量を上限として、前記目標スリップ量を修正をする目標
スリップ制限手段とを備え、 前記クラッチトルク推定手
段は、前記要求負荷と前記エンジン回転速度よりエンジ
ントルクを演算するエンジントルク演算手段を有し、該
エンジントルクから実際のクラッチトルクを推定し、
記エンジントルク演算手段は、通常の点火時期における
第1エンジントルク関数と、通常より遅角した点火時期
での第2エンジントルク関数とを有し、前記目標エンジ
ン回転速度が所定値以下となる場合、エンジン点火時期
制御手段に遅角要求するとともに、前記第2エンジント
ルク関数でエンジントルクを演算するものである。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明がベルト式無段変速
機を備えた車両に適用された場合について添付図面に基
づいて詳細に説明する。
【0019】実施の形態1.図1において、車両のエン
ジン10の回転力は、電磁クラッチ12、ベルト式無段
変速機14及び差動歯車装置16を介して車両の車輪と
しての駆動輪18、20に伝達されるようになってい
る。
【0020】電磁クラッチ12は、エンジン10に連結
された駆動側回転体としてのヨーク22と、ベルト式無
段変速機14の入力側可変プーリ24に連結された従動
側回転体としてのロータ26と、ヨーク22の内周面及
びロータ26の外周面の間に形成される空隙内に収容さ
れた図示しない磁粉と、磁粉を磁気力により上記空隙内
にて結合させる励磁コイル28とを備えており、図3に
示す励磁コイル28に供給される励磁電流の大きさに応
じて、ヨーク(駆動側回転体)22からロータ(従動側
回転体)26に伝達される伝達トルクが増大する特性を
備えている。
【0021】ベルト式無段変速機14は、入力側回転軸
30を介してロータ26に連結された前記入力側可変プ
ーリ24と、その入力側可変プーリ24とともに対を成
し、出力側回転軸32を介して差動歯車装置16に連結
された出力側可変プーリ34と、それら入力側可変プー
リ24及び出力側可変プーリ34との間に掛け渡された
伝動ベルト36とを備えている。
【0022】入力側可変プーリ24及び出力側可変プー
リ34は、それぞれ入力側回転軸及び出力側回転軸に固
定された固定回転体38、40と、それら固定回転体3
8、40に対向して溝巾が可変のV溝を形成し、入力側
回転軸30及び出力側回転軸32に軸方向に移動可能な
状態でそれら入力側回転軸30及び出力側回転軸32と
ともに回転する可動回転体42、44とを備えている。
それら可動回転体42及び44は、図示しない液圧アク
チュエータによって駆動されることによって可変プーリ
24、34の有効径を連続的に変更するようになってい
る。
【0023】その液圧アクチュエータは、ベルト式無段
変速機14に備えられた、図示しない油圧制御回路によ
って作動されるようになっており、その油圧制御回路に
は、エンジン10の回転速度及び後述のスロットル弁4
6の開度に応じて昇圧するライン油圧を発生する油圧発
生装置が設けられており、その油圧発生装置は、ベルト
式無段変速機14の許容伝達力以下の範囲の回転力を滑
りなく伝達するために、エンジン10の回転速度及びス
ロットル弁46の開度に応じて必要且つ十分なライン油
圧を発生させるようになっている。
【0024】エンジン10の点火装置48及びエンジン
10の吸気配管に設けられたスロットル弁46には、エ
ンジン10の回転速度及びエンジン10に要求される実
際の要求負荷量を検出するために、点火時期を検出する
点火信号センサ50及びスロットル開度を検出するスロ
ットル位置センサ52がそれぞれ設けられており、これ
ら点火信号センサ50及びスロットル位置センサ52か
ら点火信号SI及びスロットル開度信号STがI/F回
路54及びA/Dコンバータ56に供給されるようにな
っている。点火信号センサ50は、例えばエンジン10
が4気筒である場合には、エンジンすなわちクランク軸
の1回転につき2個のパルスを発生するものであり、I
/F回路54では、点火信号SIの周期に対応したエン
ジン回転速度信号に変換してI/Oポート58に供給す
る。エンジン回転速度Neは電磁クラッチ12のヨーク
(駆動側回転体)22の回転速度(クラッチ入力回転速
度Ni)に対応するものである。スロットル開度信号S
Tは一般に電圧信号であり、これがA/Dコンバータ5
6によりデジタル値に変換されてI/Oポート58に供
給される。すなわち、スロットル弁46の開度を表す信
号が入力されるのである。
【0025】一方、ベルト式無段変速機(CVT)14
には、入力側可変プーリ24の回転数を検出するための
第1回転センサ60が設けられている。第1回転センサ
60は、固定回転体38の外周にnヶ所突設された図示
しない突起(歯)の通過を検出して入力側可変プーリ2
4の回転に対応した周期パルス信号である回転信号SR
をI/F回路54に供給し、I/F回路54は回転信号
SRの周期に対応したコード信号をI/Oポート58に
供給する。回転信号SRは電磁クラッチ12のロータ
(従動側回転体)26の回転速度(クラッチ出力回転速
度No)に対応するものである。
【0026】また、ベルト式無段変速機14の出力側可
変プーリ34の回転数を検出するために、第2回転セン
サ61が設けられている。第2回転センサ61は固定回
転体40の外周にmヶ所突設された図示しない突起
(歯)の通過を検出して入力側可変プーリ24の回転に
対応した周期パルス信号である回転信号SSをI/F回
路54に供給し、I/F回路54は回転信号SSの周期
に対応したコード信号をI/Oポート58に供給する。
回転信号SSは車速に対応するものである。また、ベル
ト式無段変速機(CVT)14の変速比は回転信号SR
とSSの比として求められる。
【0027】I/Oポート58には、バスラインを介し
てCPU62、ROM64、RAM66が接続されてい
る。記憶手段としてのROM64には、後述するプログ
ラムや、そのプログラムの実行に必要なデータが予め記
憶されており、CPU62はROM64に記憶されたプ
ログラムに従ってRAM66の一時記憶機能を利用しつ
つデータ処理を実行し、電磁クラッチ12に供給すべき
励磁電流を決定するとともに、その励磁電流を表す制御
信号SCをI/Oポート58からD/Aコンバータ68
に供給する。
【0028】すなわち、CPU62は、車速を検出する
車速検出手段、エンジンに要求される実際の要求負荷量
を検出する要求負荷検出手段、電磁クラッチの伝達する
実際のトルクを推定するクラッチトルク推定手段、予め
求められた関係から、エンジンの実際の回転速度上昇に
伴って前記励磁電流を増加させる励磁電流制御手段、少
なくとも車速と前記要求負荷量の関数としての目標スリ
ップ量を決定する目標スリップ量決定手段、前記目標ス
リップ量と前記従動側回転速度の和としての目標エンジ
ン回転速度を決定する目標エンジン回転速度決定手段、
前記実際のエンジン回転速度が前記目標エンジン回転速
度と一致するように、前記励磁電流制御手段における予
め求められた関係を修正する修正手段、前記エンジン及
び電磁クラッチの運転状態を検出する運転状態検出手
段、前記運転状態検出手段の検出値に基づいて電磁クラ
ッチの温度を推定する温度推定手段、前記温度推定手段
の推定温度の関数として許容スリップ工率を決定する許
容スリップ工率決定手段、前記許容スリップ工率決定手
段の許容スリップ工率を前記クラッチトルクで除したス
リップ量を上限として、前記目標スリップ量を修正をす
る目標スリップ制限手段等の上記各手段の機能を、後述
するようにソフトウエア的に実行するものである。
【0029】D/Aコンバータ68は制御信号SCをそ
れに対応した電圧信号SVに変換して、V/I(電圧/
電流)コンバータ70に供給する。V/Iコンバータ7
0はD/Aコンバータ68から供給された電圧信号SV
に対応した励磁電流を励磁コイル28に供給する。V/
Iコンバータ70は電流フィードバックを行うものであ
り、励磁コイル28の温度変化に起因する巻線抵抗の変
化に拘わらず、電圧信号SVに正確に対応した励磁電流
が励磁コイル28に供給されるようになっている。
【0030】図4は従来の発進時の励磁電流制御の制御
ブロック図を示している。エンジン回転速度Neからベ
ース回転速度Neb(略アイドル回転に等しく選ばれ
る)を差し引いた値を位相補償で処理してNef演算し
て、このNefに推定コイル温度の関数である修正係数
Ket掛けたNetを引数として発進電流マップから励
磁電流Icが決定される。前記位相補償は主に、励磁電
流に対する電磁クラッチの伝達トルクの遅れを補償する
ためのもので、位相進み補償が使用される。
【0031】図6は励磁電流制御手段によってエンジン
回転速度が制御される説明図で、エンジンの回転速度−
トルク特性上に、回転速度Nの関数である励磁電流関数
Ic=f(N)と、図2に示すような電磁クラッチの励
磁電流ートルク特性Mc=g(Ic)の合成関数Mc=
g(f(N))=h(N)とを重ねたものである。その
ときのスロットル開度に対応するエンジントルクとクラ
ッチ伝達トルクが一致した点の回転速度で安定すること
になる。例えば、スロットル開度が100%で、修正係
数Ktcが通常値の場合は、点aで安定する。また、ス
ロットル開度が100%で、コイル温度が高温になり修
正係数が大きくなった場合には、点bで安定する。
【0032】図7に、この2通りの場合で、車両の発進
操作をした場合の時間経過例を示す。アクセル操作でエ
ンジン回転速度Neは、アイドル回転速度より上昇し
て、上記それぞれの安定点に対応する回転速度で一定に
保たれる。車速の上昇とともにクラッチ出力回転速度N
oも上昇する。やがて、クラッチ入力回転速度Niであ
るエンジン回転速度Neとクラッチ出力回転速度Noと
が等しくなり(同期して)、クラッチは直結され、発進
制御は終了する。
【0033】最もクラッチの損失Q(=発熱量)が大き
くなる例として、全開ストール状態(クラッチ出力回転
速度No=0、スロットル開度θ=100%)で考える
と、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeは点b
に対応した値であるから、クラッチの発熱量Qは図6の
斜線部面積(=Ne×Te)に比例した量となる。クラ
ッチの発熱量Qを少なくするためには、更に低いエンジ
ン回転速度にする必要があるが、低いエンジン回転速度
のままでクラッチのスリップが略無くなった状態では、
急なアクセル操作をされた時のエンジンのアクセル操作
に対する応答性が悪く、運転操作性が著しく低下する、
また、急ブレーキがあった場合、エンジン回転速度が低
いため、クラッチの開放遅れでエンジン停止または停止
寸前の不調状態になり易い。このため、従来例では、ア
イドル回転速度の2倍程度の回転速度が下限(図6の点
b)であった。
【0034】図5は本発明の発進時の励磁電流制御の制
御ブロック図を示している。コイル温度Tcの関数であ
る許容スリップ工率マップA(図13参照)と、動作面
温度Tpの関数である許容スリップ工率マップB(図1
3参照)とから、そのときのTc、Tpに対応するスリ
ップ工率の内の小さい方を、そのときの許容スリップ工
率Qsとする。電磁クラッチのスリップ工率=発熱量Q
は、クラッチスリップ回転速度NsとクラッチトルクM
cの積である。クラッチトルクMcは略エンジントルク
Meに等しいので、ここではクラッチトルクMcをエン
ジントルクMeで代用する。クラッチトルク推定手段
は、エンジントルクMeを、スロットル開度とエンジン
回転速度の関数としてのエンジントルクマップと、その
ときのスロットル開度θと、目標エンジン回転速度Ns
pとから求める。エンジントルクマップは通常点火時期
に対応するエンジントルクマップAとトルク低減時用の
遅角点火時期に対応するエンジントルクマップBの2種
類がある。上限スリップNsuはNsu=Qs/Meで
求める。
【0035】図9は車速とスロットル開度との関数であ
る目標スリップマップを表している。そのときの車速V
sとスロットル開度θとに基づいて目標スリップマップ
から求めたスリップ量と前記上限スリップNsuとの内
の小さい方を目標スリップNssとする。目標Nssと
そのときのクラッチ出力回転速度Noとを加算したもの
をローパスフィルタLPFに入力し、その出力を目標エ
ンジン回転速度Nesとする。前記目標スリップマップ
は、車速の増加と共に減少する特性となるが、その車速
に対する傾きを適当に選ぶ(目標スリップ特性Aと称
す)ことで、図7に示すような、エンジン回転速度が車
速に対して略一定となるような従来と同様な特性を持た
せることもできる。
【0036】また、目標スリップの車速に対する傾きを
より小さくし、車速が零のときの目標スリップをより小
さく選択すれば(目標スリップ特性Bと称す)、図11
の点線で示すような特性、すなわちエンジン回転速度が
車速と共に増加する特性となる。目標スリップ特性Bの
特徴は、車速と共にエンジン回転速度が上昇するためエ
ンジントルクも漸増することで、聴覚的にも実質的にも
加速感が体感できる。また、ストール(車速0)された
場合、エンジン回転速度が低い分、電磁クラッチの発熱
量が従来より少なくなるため、電磁クラッチの使用上有
利となる。
【0037】目標エンジン回転速度Nesと実エンジン
回転速度Neの差に対し通常の比例・積分制御演算を行
った出力値を修正係数Kfに代入する。励磁電流決定過
程は従来例と同様で、エンジン回転速度Neからベース
回転速度(略アイドル回転に等しく選ばれる)Nebを
差し引いた値を位相補償で処理しNef演算して、この
Nefに修正係数Kfを掛けたNetを引数として発進
電流マップから励磁電流Icが決定される。
【0038】エンジン特性上での動きを、図7で説明す
る。この図7は従来例の説明で使用した図3に対応する
ものである。本発明では、修正係数Kfが最大になる
と、従来の修正係数Ketの最大値に対応する点bより
更に低い略アイドル回転速度付近の点aになるよう設定
できる。但し、従来例では、スロットル開度が100%
のままであれば、車速が増加しても点bに留まるのに対
して、本発明では、点cから始まって点aに向かって車
速の増加に対応して移動することになる。この動きを車
両の発進操作をした場合の時間経過例で示したのが図1
0で、従来例の図7に対比される図である。
【0039】図10では、目標スリップ量Nssが制限
されない通常時において、従来例と同様の動きとなる
が、クラッチ温度が高温になり目標スリップ量Nssが
制限を受ける場合は、スリップ量Ns=|Ni−No|
=|Ne−No|が制御されることになり、図10の点
線に示すような動きとなる。本発明では、クラッチが高
温時でも、クラッチスリップNsを零とする時期(クラ
ッチ同期タイミング)は通常時に近いエンジン回転速度
を選択できるので、前記従来例より車両運転操作性の優
れたものが提供できる。一方、発熱量の大きい車速が零
付近のエンジン回転速度Neをより低く設定できるので
(図8の点cに対応)、全開ストール時の発熱量は図8
の斜線部面積(=Ne×Te)に対応する大きさとな
り、従来例(図6や図8の点b)に比べて大幅に減少さ
せることができる。
【0040】図5において、動作面温度Tpや、コイル
温度Tcのどちらかが許容上限近くまで温度上昇した場
合、更に発熱量を低下させるため、エンジンの点火時期
制御手段に対して点火時期を所定量だけ遅角させるとと
もに、前記エンジントルクマップBを使用して、エンジ
ントルクを推定する。
【0041】図3は、クラッチ温度を推定するための簡
略化したクラッチの熱モデルである。この図において、
C2はクラッチのドライブメンバ側熱容量、R2はドラ
イブメンバから周囲への放熱抵抗、C1はクラッチのド
リブンメンバ側の熱容量、R1はドライブメンバから周
囲への放熱抵抗、R3はドライブメンバとドリブンメン
バ間の熱抵抗を表しており、発熱は、鉄粉とドライブメ
ンバ側が接触する面(ドライブ側動作面)、鉄粉とドリ
ブンメンバ側が接触する面(ドリブン側動作面)で発生
するものとして、その量は等量=Q/2としている。周
囲の温度Taは、近接しているエンジンの温度で決定さ
れ、エンジンの冷却水温に対応した温度となる。エンジ
ン冷却水温が検知できない場合は、エンジン冷却水温の
最高値に対応する周囲温度を予め測定して、その値をT
aとして以下の推定演算に使用してもよい。T1はドリ
ブン側動作面温度、T2はドライブ側動作面温度であ
る。図1のように、ドライブ側に励磁コイルがある場合
には、以下の説明では、T2はコイル温度Tcと同じ、
T1は動作面温度Tpと同じである。
【0042】図12は、上記クラッチ温度T1、T2の
推定演算例を示すフローチャートである。この図におい
て、ステップ100では、エンジン回転速度Neとスロ
ットル開度θとを引数としてエンジン特性マップMAP
1より、エンジントルクTeを求める。次に、エンジン
回転速度Neとクラッチ出力回転速度Noの差の絶対値
であるクラッチスリップ回転速度Nsを求める。次に、
前記TeとNsの積として発熱量Qを求める。次に、エ
ンジン水温Twに定数Tdを加算して周囲温度Taを求
める。
【0043】ステップ101では、T1とT2を、図3
の熱モデルの差分方程式から求める。
【0044】実施の形態2.別の実施の形態として、発
進時の車速の加速度が所定値より小さい場合は、車速に
対する目標スリップの傾きを大きくすることで、同期す
るエンジン回転速度を低くできるので、車両の発進時に
おけるクラッチ発熱量の総量を低減でき、クラッチの寿
命を長くすることができる。登り坂での発進や、積載荷
重が大きい場合のクラッチ発熱量の軽減に有効である。
【0045】実施の形態3.さらに別の実施の形態とし
て、クラッチが発進制御にある場合で、変速比が所定値
より小さくなった場合(クラッチ係合開始時に車速が零
でないようなクラッチ再係合のような場合)、車速に対
する目標スリップの傾きを大きくすることで、同期する
エンジン回転速度を低くできるので、車両の発進時にお
けるクラッチ発熱量の総量を低減でき、クラッチの寿命
を長くすることができる。
【0046】実施の形態4.図14は、クラッチトルク
推定手段が図5におけるエンジントルク演算をクラッチ
トルク演算に変えた実施の形態を示すものであり、その
他の部分は、図5と同じであり、同じ符号を付してあ
る。この場合にも、上記実施の形態1と同様の作用効果
が得られるものである。
【0047】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、発進
クラッチである電磁クラッチの発熱量を制御すること
で、電磁クラッチの焼損を防止すると共に、ドライバビ
リティを損なうことなく、高温に晒されて電磁クラッチ
特性が劣化することを防止できる。また、様々な運転条
件下においても、電磁クラッチを過負荷から保護するこ
とができると共に、高温時でも電磁クラッチが耐えられ
る限界能力下で、最大の車両の駆動機能を提供すること
ができるものである。さらに、本発明の方式によれば、
従来使用しているハードはそのままで、ソフトウェアの
変更のみで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシステム構成図である。
【図2】 電磁クラッチの電流ートルク特性を示すグラ
フである。
【図3】 本発明のクラッチの熱モデルを示す図であ
る。
【図4】 従来のクラッチ制御の制御ブロック図であ
る。
【図5】 本発明のクラッチ制御例の制御ブロック図で
ある。
【図6】 エンジン特性と従来のクラッチ制御特性とを
示すグラフである。
【図7】 従来の発進時のエンジン回転速度の挙動を示
すグラフである。
【図8】 エンジン特性と本発明によるクラッチ制御特
性とを示すグラフである。
【図9】 本発明による目標スリップ量を示すグラフで
ある。
【図10】 本発明による発進時のエンジン回転速度の
挙動を示すグラフである。
【図11】 本発明による発進時のエンジン回転速度の
挙動を示すグラフである。
【図12】 本発明によるクラッチ温度推定のフローチ
ャートである。
【図13】 本発明の許容スリップ工率を示すグラフで
ある。
【図14】 本発明のクラッチ制御例の制御ブロック図
である。
【符号の説明】
10 エンジン、12 電磁クラッチ、14 ベルト式
無段変速機、16 差動歯車装置、18,20 駆動輪
(車輪)、22 ヨーク(駆動側回転体)、24 入力
側可変プーリ、26 ロータ(従動側回転体)、28
励磁コイル、30 入力側回転軸、32 出力側回転
軸、34 出力側可変プーリ、36 伝動ベルト、3
8,40 固定回転体、42,44 可動回転体、46
スロットル弁、48 点火装置、50 点火信号セン
サ、52 スロットル位置センサ(要求負荷検出手
段)、54 I/F回路(車速検出手段)、60 第1
回転センサ(第1回転速度検出手段)、61 第2回転
センサ(第2回転速度検出手段)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−34825(JP,A) 特開 昭59−190522(JP,A) 特開 昭59−187117(JP,A) 特開 昭61−261134(JP,A) 特開 昭48−87238(JP,A) 特開 平5−195931(JP,A) 特開 平8−219190(JP,A) 特開 昭63−6226(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 48/06 F16D 37/02 B60K 41/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のエンジンに作動的に連結された駆
    動側回転体と、前記車両の車輪に作動的に連結された従
    動側回転体と、前記駆動側回転体及び従動側回転体の間
    に形成される空隙に収容された磁粉と、その磁粉を磁気
    力により前記空隙内にて結合させる励磁コイルとを備
    え、前記駆動側回転体の回転力を前記励磁コイルに供給
    される励磁電流の大きさに応じて前記従動側回転体に伝
    達する車両用磁粉式電磁クラッチにおいて、前記電磁ク
    ラッチの係合に際して、該電磁クラッチの伝達力を制御
    する制御装置であって、 前記エンジンの実際の回転速度を検出する第1回転速度
    検出手段と、 前記従動側回転体の回転速度を検出する第2回転速度検
    出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記エンジンに要求される実際の要求負荷量を検出する
    要求負荷検出手段と、 前記電磁クラッチの伝達する実際のトルクを推定するク
    ラッチトルク推定手段と、 予め求められた関係から、前記エンジンの実際の回転速
    度上昇に伴って前記励磁電流を増加させる励磁電流制御
    手段と、 少なくとも車速と前記要求負荷量の関数としての目標ス
    リップ量を決定する目標スリップ量決定手段と、 前記目標スリップ量と前記従動側回転速度の和としての
    目標エンジン回転速度を決定する目標エンジン回転速度
    決定手段と、 前記実際のエンジン回転速度が前記目標エンジン回転速
    度と一致するように、前記励磁電流制御手段における予
    め求められた関係を修正する修正手段と、 前記エンジン及び電磁クラッチの運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段の検出値に基づいて電磁クラッチ
    の温度を推定する温度推定手段と、 前記温度推定手段の推定温度の関数として許容スリップ
    工率を決定する許容スリップ工率決定手段と、 前記許容スリップ工率決定手段の許容スリップ工率を前
    記クラッチトルクで除したスリップ量を上限として、前
    記目標スリップ量を修正をする目標スリップ制限手段
    を備え、 前記温度推定手段の推定する温度は、前記磁粉の作動す
    る部位の温度(動作面温度)と励磁巻線付近の温度(コ
    イル温度)とを含む ことを特徴とする車両用磁粉式電磁
    クラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記温度推定手段は、前記電磁クラッチ
    のスリップ量と伝達トルクの積に比例する発熱量を使用
    するとともに、前記発熱量の概ね1/2がそれぞれ、前
    記駆動側回転体と従動側回転体に作用するとして温度を
    推定することを特徴とする請求項1記載の車両用磁粉式
    電磁クラッチの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記許容スリップ工率決定手段は、前記
    動作面温度から決まる許容スリップ工率と前記コイル温
    度から決まる許容スリップ工率のうち小さい方を前記許
    容スリップ工率とすることを特徴とする請求項記載の
    車両用磁粉式電磁クラッチの制御装置。
  4. 【請求項4】 車両のエンジンに作動的に連結された駆
    動側回転体と、前記車両の車輪に作動的に連結された従
    動側回転体と、前記駆動側回転体及び従動側回転体の間
    に形成される空隙に収容された磁粉と、その磁粉を磁気
    力により前記空隙内にて結合させる励磁コイルとを備
    え、前記駆動側回転体の回転力を前記励磁コイルに供給
    される励磁電流の大きさに応じて前記従動側回転体に伝
    達する車両用磁粉式電磁クラッチにおいて、前記電磁ク
    ラッチの係合に際して、該電磁クラッチの伝達力を制御
    する制御装置であって、 前記エンジンの実際の回転速度を検出する第1回転速度
    検出手段と、 前記従動側回転体の回転速度を検出する第2回転速度検
    出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記エンジンに要求される実際の要求負荷量を検出する
    要求負荷検出手段と、 前記電磁クラッチの伝達する実際のトルクを推定するク
    ラッチトルク推定手段と、 予め求められた関係から、前記エンジンの実際の回転速
    度上昇に伴って前記励磁電流を増加させる励磁電流制御
    手段と、 少なくとも車速と前記要求負荷量の関数としての目標ス
    リップ量を決定する目標スリップ量決定手段と、 前記目標スリップ量と前記従動側回転速度の和としての
    目標エンジン回転速度を決定する目標エンジン回転速度
    決定手段と、 前記実際のエンジン回転速度が前記目標エンジン回転速
    度と一致するように、前記励磁電流制御手段における予
    め求められた関係を修正する修正手段と、 前記エンジン及び電磁クラッチの運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段の検出値に基づいて電磁クラッチ
    の温度を推定する温度推定手段と、 前記温度推定手段の推定温度の関数として許容スリップ
    工率を決定する許容スリップ工率決定手段と、 前記許容スリップ工率決定手段の許容スリップ工率を前
    記クラッチトルクで除したスリップ量を上限として、前
    記目標スリップ量を修正をする目標スリップ制限手段と
    を備え、 前記目標スリップ量決定手段において、車速と目標スリ
    ップ量との関係は、車速に対して前記目標エンジン回転
    速度が増加関数となるよう、すなわち前記クラッチ出力
    回転速度の前記車速に対する比である変速比が所定値よ
    り小さくなると、車速増加に対してより大きな割合で目
    標スリップ量を減少させるように設定された ことを特徴
    とする車両用磁粉式電磁クラッチの制御装置。
  5. 【請求項5】 車両のエンジンに作動的に連結された駆
    動側回転体と、前記車両の車輪に作動的に連結された従
    動側回転体と、前記駆動側回転体及び従動側回転体の間
    に形成される空隙に収容された磁粉と、その磁粉を磁気
    力により前記空隙内にて結合させる励磁コイルとを備
    え、前記駆動側回転体の回転力を前記励磁コイルに供給
    される励磁電流の大きさに応じて前記従動側回転体に伝
    達する車両用磁粉式電磁クラッチにおいて、前記電磁ク
    ラッチの係合に際して、該電磁クラッチの伝達力を制御
    する制御装置であって、 前記エンジンの実際の回転速度を検出する第1回転速度
    検出手段と、 前記従動側回転体の回転速度を検出する第2回転速度検
    出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記エンジンに要求される実際の要求負荷量を検出する
    要求負荷検出手段と、 前記電磁クラッチの伝達する実際のトルクを推定するク
    ラッチトルク推定手段と、 予め求められた関係から、前記エンジンの実際の回転速
    度上昇に伴って前記励磁電流を増加させる励磁電流制御
    手段と、 少なくとも車速と前記要求負荷量の関数としての目標ス
    リップ量を決定する目標スリップ量決定手段と、 前記目標スリップ量と前記従動側回転速度の和としての
    目標エンジン回転速度を決定する目標エンジン回転速度
    決定手段と、 前記実際のエンジン回転速度が前記目標エンジン回転速
    度と一致するように、前記励磁電流制御手段における予
    め求められた関係を修正する修正手段と、 前記エンジン及び電磁クラッチの運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段の検出値に基づいて電磁クラッチ
    の温度を推定する温度推定手段と、 前記温度推定手段の推定温度の関数として許容スリップ
    工率を決定する許容スリップ工率決定手段と、 前記許容スリップ工率決定手段の許容スリップ工率を前
    記クラッチトルクで除したスリップ量を上限として、前
    記目標スリップ量を修正をする目標スリップ制限手段と
    を備え、 前記目標スリップ量決定手段において、車速の加速度が
    所定値より小さい場合、車速に対する目標スリップの減
    少の割合をより大きくしたことを特徴とする車両用磁粉
    式電磁クラッチの制御装置。
  6. 【請求項6】 車両のエンジンに作動的に連結された駆
    動側回転体と、前記車両の車輪に作動的に連結された従
    動側回転体と、前記駆動側回転体及び従動側回転体の間
    に形成される空隙に収容された磁粉と、その磁粉を磁気
    力により前記空隙内にて結合させる励磁コイルとを備
    え、前記駆動側回転体の回転力を前記励磁コイルに供給
    される励磁電流の大きさに応じて前記従動側回転体に伝
    達する車両用磁粉式電磁クラッチにおいて、前記電磁ク
    ラッチの係合に際して、該電磁クラッチの伝達力を制御
    する制御装置であって、 前記エンジンの実際の回転速度を検出する第1回転速度
    検出手段と、 前記従動側回転体の回転速度を検出する第2回転速度検
    出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記エンジンに要求される実際の要求負荷量を検出する
    要求負荷検出手段と、 前記電磁クラッチの伝達する実際のトルクを推定するク
    ラッチトルク推定手段と、 予め求められた関係から、前記エンジンの実際の回転速
    度上昇に伴って前記励磁電流を増加させる励磁電流制御
    手段と、 少なくとも車速と前記要求負荷量の関数としての目標ス
    リップ量を決定する目標スリップ量決定手段と、 前記目標スリップ量と前記従動側回転速度の和としての
    目標エンジン回転速度を決定する目標エンジン回転速度
    決定手段と、 前記実際のエンジン回転速度が前記目標エンジン回転速
    度と一致するように、前記励磁電流制御手段における予
    め求められた関係を修正する修正手段と、 前記エンジン及び電磁クラッチの運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段の検出値に基づいて電磁クラッチ
    の温度を推定する温度推定手段と、 前記温度推定手段の推定温度の関数として許容スリップ
    工率を決定する許容スリップ工率決定手段と、 前記許容スリップ工率決定手段の許容スリップ工率を前
    記クラッチトルクで除したスリップ量を上限として、前
    記目標スリップ量を修正をする目標スリップ制限手段と
    を備え、 前記クラッチトルク推定手段は、前記要求負荷と前記エ
    ンジン回転速度よりエンジントルクを演算するエンジン
    トルク演算手段を有し、該エンジントルクから実際のク
    ラッチトルクを推定し、 前記エンジントルク演算手段は、通常の点火時期におけ
    る第1エンジントルク関数と、通常より遅角した点火時
    期での第2エンジントルク関数とを有し、前記目標エン
    ジン回転速度が所定値以下となる場合、エンジン点火時
    期制御手段に遅角要求するとともに、前記第2エンジン
    トルク関数でエンジントルクを演算する ことを特徴とす
    る車両用磁粉式電磁クラッチの制御装置。
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