JP3405564B2 - イオン伝導性薄膜の製造方法 - Google Patents
イオン伝導性薄膜の製造方法Info
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Description
造方法に関するものである。さらに詳しくは、基体上に
設けた化学吸着膜が、特定の結合若しくは官能基とイオ
ンを含み、かつイオン伝導性を有するイオン伝導性薄膜
の製造方法に関するものである。
なって大きな電気伝導度をもつことをいう。特に一般的
には、食塩水や希硫酸と同程度以上の導電率を有する場
合を指す。
質を液体に溶かした溶液であり、電気化学反応を利用し
た素子、例えば電池、電解コンデンサ等に広く利用され
ている。電荷担体の種類により、陽イオン伝導体と陰イ
オン伝導体とに分けられ、前者は、アルカリ、銀、銅の
各イオンおよびプロトン伝導体が、また後者はフッ化物
および酸化物イオン伝導体が主である。
質は、大きく分けて二つに分類できる。一つは、無機の
固体電解質と呼ばれる一群で、例えばNa−β−Al2
O3やNa1+nZr2P3-nSinO12(0≦n≦3)等が
良好なイオン伝導性を有することをジャーナル オブ
ケミカル フィジックス第54巻414ページ(M. S.
Whttingham et. al., J. Chem. Phys., 54, 414 (197
1))に報告されている。また、上記の伝導体が特開平3
−297068号公報にある全固体二次電池や特開昭5
5−123920号公報にある燃焼表示装置等に既に応
用されている。
分散させたもので、例えばポリエチレンオキサイド(以
下PEOと略記)やポリプロピレンオキサイド(以下P
POと略記)のようなポリエーテルと種種のアルカリ金
属塩とからなる錯体がファスト イオン トランスポー
ト イン ソリッドの131ページ(P. Vashista eta
l., Fast Ion Transport in Solids, 131, North-Holla
nd, New York (1979))に、またポリアクリロニトリル
とLiClO4 およびエチレンカルボネートとの複合膜
がジャーナル オブ ポリマー サイエンス(J. Poly
m. Sci., A2, 21, 939 (1983))等に報告されている。
これらの系では、有機高分子特有の粘弾性、柔軟性を有
しており、そのため電極とのイオン電子交換過程で生じ
る体積変化に適応できることが確認されている。また、
加工性も良好であり、さらに保存安定性も良好であるの
で、現在既に様々に応用されている。しかし例えば、特
開平3−231229号公報にある電気化学発色素子等
に応用されているが、実用素子に至るにはイオン伝導度
が小さく、特開平3−129603号公報にある固体電
解質のように、無機の固体電解質と複合させたり、特開
昭63−164176号公報にある有機二次電池のよう
に、電解質溶液を架橋高分子フィルムに含浸させてイオ
ン伝導度を向上させている。
も、薄膜化できれば抵抗値を下げることは容易に判断で
きる。従来、キャスティング法により薄膜化を行なって
いたのが一般的であったが、最近特開平2−26226
7号公報にある薄膜イオン伝導性被膜のようにRFスパ
ッタリング法によって薄膜を形成するものや、プラズマ
重合により薄膜を形成する方法(Z. Ogumi et al., Che
m. Lett., 1988, 1811(1988))が試みられている。しか
し、これらの方法によって形成された薄膜の厚さは、μ
mオーダーが限界であり、それ以上薄くするとピンホー
ルが発生する。なおこの点は、無機の固体電解質では合
成温度が高く、薄膜形成中にアルカリ金属酸化物が蒸発
し組成制御が困難であること等から、やはり薄膜化は困
難であった。
有するオングストロームオーダーの厚さの薄膜は報告例
がない。
水若しくは有機溶媒に電解質を溶解させた溶液であり、
そのため液体状であるがための問題が多かった。
め、小型化、簡素化が困難であった。また、その容器に
収容しても漏液防止の対策が必要であった。さらに、腐
食性が高く、耐久性にも問題があった。
いる従来の固体電解質においては、特殊な結晶構造が必
要であり、加工が困難であるという点と、機械的強度が
著しく弱いという点が致命的問題であった。
散させたものでは、前記欠点は全てと言ってよい位解消
されたが、イオン伝導度が現在のレベルでは小さいとい
う最大の欠点があった。特に、この系のイオン伝導度
は、温度依存性が高く、例えばPEOに金属イオンを分
散させた系では、80℃において約10-3S/mという
良好なイオン伝導性を示すものの、室温付近では著しく
低下してしまっていた。そのため広い温度範囲でも使用
可能な汎用性のある機器に組み込むことは困難であっ
た。
さな物質でも薄膜化できれば抵抗値を下げることができ
るので、薄膜化が盛んに検討されている。現在の手法に
よればμmオーダーが限界であり、それ以上薄くすると
ピンホールが発生してしまいイオン伝導が得られなくな
る。
め、オングストロームオーダーの厚さの成膜および膜厚
制御が可能で、そのため透明性が良好でかつピンホール
フリー、しかも強固に基体と結合しているイオン伝導性
薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
め、本発明のイオン伝導性薄膜の製造方法は、表面に活
性な水素若しくはアルカリ金属を有するかまたは付与し
た基体表面に、下記一般式(化9)で示される官能基、
下記一般式(化10)で示される官能基、下記一般式
(化11)で示されるハロゲン化スルフオニル基、下記
一般式(化12)で示されるハロゲン化スルフイニル
基、水酸基から選ばれる少なくとも1つの官能基、及び
エ−テル結合、スルフイド結合、エステル結合、アミノ
基、リン酸基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル
基、スルホン酸基、第4級アンモニウム基、ホスフオニ
ル基(−PO2−)、ホスフイニル基(−PO−)、ス
ルフオニル基(−SO2−)、スルフイニル基(−SO
−)から選ばれる少なくとも1つの結合若しくは官能基
を含む化学吸着分子を、前記基体に接触させ、縮合反応
させることにより、前記化学吸着分子を前記基体上に共
有結合し固定させ、次いで下記一般式(化13)若しく
は下記一般式(化14)で示されるイオンを前記化学吸
着膜中に導入することを特徴とする。
が、下記一般式(化15)若しくは下記一般式(化1
6)で示されるイオンをイオン注入法により行うことが
好ましい。
単分子累積膜であると、膜厚が均一なものとすることが
できる。
オン伝導性を有する薄膜を効率良く合理的に製造するこ
とが可能となる。
ームオーダーの厚さの成膜および膜厚制御が可能で、そ
のため透明性が良好でかつピンホールフリー、しかも強
固に基体と結合しているイオン伝導性薄膜とすることが
できる。すなわち、本発明によれば、イオン伝導性を有
するエーテル結合、スルフィド結合、エステル結合、ア
ミノ基、リン酸基、水酸基、メルカプト基、カルボキシ
ル基、スルホン酸基、第4級アンモニウム基、ホスフォ
ニル基(−PO2−)、ホスフィニル基(−PO−)、
スルフォニル基(−SO2−)、スルフィニル基(−S
O−)から選ばれる少なくとも1つの結合若しくは官能
基を有する分子が、基体と直接若しくは、内層膜を介し
て間接的にSi、Ge、Sn、Ti、Zr、S、Cから
選ばれる少なくとも1つの原子を介して共有結合してい
るために、極薄でかつイオン伝導性に優れたものとな
る。さらに、透明性、耐久性の保持は勿論、基体に損傷
を与えることなく優れたイオン伝導性を付与できる。
単分子累積膜であると、膜厚を均一なものとすることが
できる。
に説明する。
若しくは内層膜を介して間接的に共有結合により強固に
固定されており、また原理的にオングストロームオーダ
ーの成膜および膜厚制御が可能で、そのため透明性が良
好でかつピンホールフリーなイオン伝導性薄膜になる。
膜および膜厚制御が可能である薄膜としては、現在ラン
グミュア・ブロジェット(LB)法および化学吸着法の
2方法から作成される膜が有力である。但し、イオン伝
導に関する本発明の基本的考えは、膜構成分子自身は動
かずに膜構成分子のセグメント運動によりイオンが動
き、電荷が運ばれるというものであるため、膜が強固に
基体に固定されていることが必要になってくる。そのた
めには、基体と共有結合により固定されているという化
学吸着法によって作成された膜の方が適当であると言え
る。
ナル オブ アメリカン ケミカルソサイアティー第1
02巻92ページ(J. Sagiv, J. Am. Chm. Soc., 102,
92 (1980))およびラングミュアー第6巻851ページ
(K. Ogawa et al., Langmuir, 6, 851 (1990))等に掲
載されている。この化学吸着法は、クロロシリル基を有
する化学吸着剤と呼ばれる分子を、その表面に水酸基を
有する基体上に脱塩化水素反応を経て固定させる方法で
ある。
される官能基、前記式(化2)で示される官能基、前記
式(化3)で示されるハロゲン化スルフォニル基、前記
式(化4)で示されるハロゲン化スルフィニル基、シア
ノ基(−CN)から選ばれる少なくとも1つの官能基を
有する分子がなり得るが、これらに限定されないこと勿
論である。但し、ここで言うハロゲンはCl、Br若し
くはIが挙げられるが、反応性の点ではClが好ましい
が、BrやIであっても同様の化学吸着膜を得られる。
ては、その表面に、水酸基、カルボキシル基、スルフィ
ン酸基、スルフォン酸基、リン酸基、亜リン酸基、第四
級アンモニウム基、第四級ホスフォニウム基、チオール
基、アミノ基から選ばれる少なくとも1つの官能基およ
び/若しくは水酸基、カルボキシル基、スルフィン酸
基、スルフォン酸基、リン酸基、亜リン酸基、第四級ア
ンモニウム基、第四級ホスフォニウム基、チオール基、
アミノ基から選ばれる少なくとも1つの官能基のHがア
ルカリ金属若しくはアルカリ土類金属で置換された官能
基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するもの、
および前記した官能基を有する基体上に既に固定され、
かつ前記した官能基を膜上に有している化学吸着膜が挙
げられるが、これらに限定されないことは勿論である。
くは少ない場合にはUV/オゾン処理、酸素プラズマ処
理、過マンガン酸カリウム液等の化合物酸化剤処理等を
行って表面改質を施し、前記官能基を作り出すか若しく
は増加させると効果的である。また、前記化学吸着膜を
前記基体に固定させる方法として、液体状および/また
は気体状の前記化学吸着剤若しくは前記化学吸着剤を溶
解させた溶液に基体を接触させる方法が挙げられるが、
これらに限定されないことは勿論である。
としては、活性な水素が含まれていない分子から成るの
が適当である。例えば、化学吸着剤が長鎖のアルキル基
を有する場合には、炭化水素類とハロゲン化炭素類等の
混合溶媒を、カルボニル基を有する場合には、ハロゲン
化炭化水素類や芳香族類等を用いるのが適当であるが、
これらに限定されないことは勿論である。
未反応の分子を除去するという工程を加える方が単分子
膜および単分子累積膜を作成し易いので好ましい。その
洗浄除去の際用いる溶媒としては、非プロトン系溶媒が
好ましい。例えば、ハロゲン化炭素類、エーテル類、ラ
クトン類、エステル類、ニトリル類、アミド類等が挙げ
られるが、これらに限定されないことは勿論である。
る前までの製造工程の種類としては、基本的に3つの方
法がある。
しくは官能基、つまりエーテル結合、スルフィド結合、
エステル結合、アミノ基、リン酸基、水酸基、メルカプ
ト基、カルボキシル基、スルホン酸基、第4級アンモニ
ウム基、ホスフォニル基(−PO2−)、ホスフィニル
基(−PO−)、スルフォニル基(−SO2−)、スル
フィニル基(−SO−)から選ばれる少なくとも1つの
結合若しくは官能基を有する化学吸着剤をはじめから用
いて化学吸着膜を形成する方法で、次の1つの方法は、
まず化学吸着膜を形成し、その化学吸着膜表面上に化学
反応によりイオン伝導性を有する結合若しくは官能基を
有する分子を固定するという方法で、もう1つの方法
は、まず化学吸着膜を形成し、その化学吸着膜上で化学
反応を起こし、イオン伝導性を有する結合若しくは官能
基を作り出すという方法である。
に導入するイオンとしては、前記式(化3)若しくは前
記式(化4)で示されるイオンが挙げられるが、これら
に限られないことは勿論である。
化学吸着膜を有する基体を前記イオンを含む溶液に浸漬
させる方法、若しくはイオン注入法が適当であるが、こ
れらに限られないことは勿論である。
膜を有する基体を前記イオンを含む溶液に浸漬させる方
法を用いた場合には、前記イオンはLiI、CF3SO3
Li、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiSC
N、LiAsF6、AgI、CF3SO3Ag、AgCl
O4、AgBF4、AgPF6、AgSCN、AgAsF6
等の塩を水等に溶解させることにより導入するのが適当
であるが、利用できる塩はこれらに限られないことは勿
論である。
極性溶媒を含有させることにより、伝導率を向上させる
ことも可能である。
その製造方法について、より詳細に説明する。但し、本
発明は以下の具体的実施例に限定されない。
返し、極力水分を除いたトルエンに、化学吸着剤である
カルボメトキシエチルトリクロロシランを約1vol.
%の濃度で溶解し、これを吸着溶液Aとした。
有機溶媒で洗浄した後、10分間UV/オゾン処理を
し、表面にごく薄い酸化層を形成したものを基板とし
た。
の処理により、アルミニウム表面の酸化層の−OH基
と、カルボメトキシエチルトリクロロシランのシリル基
とが脱塩化水素反応し、共有結合が形成される。続い
て、10分間のトルエン洗浄を行い、未反応の化学吸着
剤を除去した。次いで水分と反応させた。この処理によ
り、図1に示すような化学吸着単分子膜1が形成でき
た。
フーリエ変換赤外吸収(FTIR)スペクトル測定によ
り、2920、2860(帰属:−CH2−)、174
0(帰属:C=O)、1080(帰属:Si−O)cm
-1にこの構造に特徴的なシグナルを得たことで確認でき
た。
板を平均分子量350のポリエチレングリコールモノメ
チルエーテル(略:PEO350)にごく少量の硫酸を
加えたものに、100℃で5時間浸漬させた。続いて1
0分間の水洗を行い、未反応のPEO350を除去し
た。この処理により、図2に示すようなポリ(アルキレ
ンエーテル)基を有する化学吸着単分子累積膜2が形成
された。図2においてnは重合度を示す。
は、FTIRスペクトル測定により、2920、286
0(帰属:−CH2−)cm-1のシグナルが増加し、ま
た新たに1140(帰属:C−O−C)cm-1にこの構
造に特徴的なシグナルを得たことで確認できた。
をLiClO4の1wt%アセトン溶液に数分間浸した
後、溶液から引き上げ、乾燥させた。この処理により、
LiClO4が化学吸着単分子累積膜2中に、Li/エ
チレンオキシド繰り返し単位=0.1の割合で導入され
た。
Rスペクトル測定により、新たに1150(帰属:Cl
−O)cm-1にこの構造に特徴的なシグナルを得たこと
で確認できた。
子累積膜2を有する基板に10-5Torrの真空下で1mm
×1mmのアルミニウム上部電極を蒸着した。この上部
電極と基板のアルミニウムにリード線を取り付け、LC
Rメータで等価並列容量及び等価並列抵抗を測定した。
その結果、1MHzにおける容量は1.8×10-8F、
抵抗値は20Ωであった。エリプソメトリーより求めた
化学吸着単分子累積膜2の膜厚が2×10-9mであるの
で、抵抗値20Ωは1×10-6Scm-1に相当する。
し、続いて化学吸着単分子膜1を形成した。
やはりFTIRスペクトル測定によりこの構造に特徴的
なシグナルを得たことで確認できた。
板を平均分子量750のポリエチレングリコールモノメ
チルエーテル(略:PEO750)にごく少量の硫酸を
加えたものに、100℃で5時間浸漬させた。続いて1
0分間の水洗を行い、未反応のPEO750を除去し
た。この処理により、図3に示すようなポリ(アルキレ
ンエーテル)基を有する化学吸着単分子累積膜3が形成
された。図3においてmは重合度を示す。
は、FTIRスペクトル測定により、2920、286
0(帰属:−CH2−)cm-1のシグナルが増加し、ま
た新たに1140(帰属:C−O−C)cm-1にこの構
造に特徴的なシグナルを得たことで確認できた。
をLiClO4の1wt%アセトン溶液に数分間浸した
後、溶液から引き上げ、乾燥させた。この処理により、
LiClO4が化学吸着単分子累積膜3中に、Li/エ
チレンオキシド繰り返し単位=0.1の割合で導入され
た。
Rスペクトル測定により、新たに1150(帰属:Cl
−O)cm-1にこの構造に特徴的なシグナルを得たこと
で確認できた。
子累積膜3を有する基板に10-5Torrの真空下で1
mm×1mmのアルミニウム上部電極を蒸着した。この
上部電極と基板のアルミニウムにリード線を取り付け、
LCRメータで等価並列容量及び等価並列抵抗を測定し
た。その結果、1MHzにおける容量は2.2×10-8
F、抵抗値は24Ωであった。エリプソメトリーより求
めた化学吸着単分子累積膜3の膜厚が3.2×10-9m
であるので、抵抗値24Ωは7.5×10-7Scm-1に
相当する。
形成した。
は、やはりFTIRスペクトル測定によりこの構造に特
徴的なシグナルを得たことで確認できた。
をCF3SO3Liの1wt%アセトン溶液に数分間浸し
た後、溶液から引き上げ、乾燥させた。この処理によ
り、CF3SO3Liが化学吸着単分子累積膜3中に、L
i/エチレンオキシド繰り返し単位=0.2の割合で導
入された。
IRスペクトル測定により、新たに1350(帰属:O
=S=O)、1320(帰属:CF3)cm-1にこの構
造に特徴的なシグナルを得たことで確認できた。
分子累積膜3を有する基板に、10-5Torrの真空下
で1mm×1mmのアルミニウム上部電極を蒸着した。
この上部電極と基板のアルミニウムにリード線を取り付
け、LCRメータで等価並列容量及び等価並列抵抗を測
定した。その結果、1MHzにおける容量は2.6×1
0-8F、抵抗値は29Ωであった。エリプソメトリーよ
り求めた化学吸着単分子累積膜3の膜厚が3.2×10
-9mであるので、抵抗値29Ωは9.1×10-7Scm
-1に相当する。
件において、請求項1に挙げたイオンや官能基、結合お
よび請求項2に挙げた官能基を用いて、同様のイオン伝
導性薄膜を製造できた。
膜は実用に供するに充分なイオン伝導性を有しており、
そのため本発明のイオン伝導性薄膜の実用性は極めて高
い。例えば、超小型軽量の一次電池、二次電池、電解コ
ンデンサ、センサ、エレクトロクロミック表示素子等に
利用できる。
素、アルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属がその
基体の表面にありさえすれば形成できるので、従来イオ
ン伝導性が望まれていたにも関わらず、化学的に、また
諸々の事情によってそれが困難であった用途へも本発明
のイオン伝導性薄膜は使用できる。特に例えば、小型
化、軽量化等を目指した用途に十分利用可能である。
ーテル結合、スルフィド結合、エステル結合、アミノ
基、リン酸基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル
基、スルホン酸基、第4級アンモニウム基、ホスフォニ
ル基(−PO2−)、ホスフィニル基(−PO−)、ス
ルフォニル基(−SO2−)、及びスルフィニル基(−
SO−)から選ばれる少なくとも1つの結合若しくは官
能基を含み、かつ一般式(化1)及び一般式(化2)か
ら選ばれる少なくとも一つのイオンを含み、かつイオン
伝導性を有する化学吸着膜としたことにより、オングス
トロームオーダーの厚さの成膜および膜厚制御が可能
で、そのため透明性が良好でかつピンホールフリー、し
かも強固に基体と結合しているイオン伝導性薄膜とする
ことができる。
トロームオーダーの成膜および膜厚制御が可能で、ピン
ホールフリー、かつ強固に基体と結合しているイオン伝
導性薄膜を効率良く合理的に製造することが可能とな
る。
拡大図
要部拡大図
膜の要部拡大図
分子累積膜 3 ポリ(アルキレンエーテル)基を有する化学吸着単
分子累積膜
Claims (2)
- 【請求項1】 表面に活性な水素若しくはアルカリ金属
を有するかまたは付与した基体表面に、下記一般式(化
1)で示される官能基、下記一般式(化2)で示される
官能基、下記一般式(化3)で示されるハロゲン化スル
フオニル基、下記一般式(化4)で示されるハロゲン化
スルフイニル基、水酸基から選ばれる少なくとも1つの
官能基、及びエ−テル結合、スルフイド結合、エステル
結合、アミノ基、リン酸基、水酸基、メルカプト基、カ
ルボキシル基、スルホン酸基、第4級アンモニウム基、
ホスフオニル基(−PO2−)、ホスフイニル基(−P
O−)、スルフオニル基(−SO2−)、スルフイニル
基(−SO−)から選ばれる少なくとも1つの結合若し
くは官能基を含む化学吸着分子を、前記基体に接触さ
せ、縮合反応させることにより、前記化学吸着分子を前
記基体上に共有結合し固定させ、次いで下記一般式(化
5)若しくは下記一般式(化6)で示されるイオンを前
記化学吸着膜中に導入することを特徴とするイオン伝導
性薄膜の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 - 【請求項2】 化学吸着膜中にイオンを導入する方法
が、下記一般式(化7)若しくは下記一般式(化8)で
示されるイオンをイオン注入法により行う請求項1に記
載のイオン伝導性薄膜の製造方法。 【化7】 【化8】
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