JP3404624B2 - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ

Info

Publication number
JP3404624B2
JP3404624B2 JP11338999A JP11338999A JP3404624B2 JP 3404624 B2 JP3404624 B2 JP 3404624B2 JP 11338999 A JP11338999 A JP 11338999A JP 11338999 A JP11338999 A JP 11338999A JP 3404624 B2 JP3404624 B2 JP 3404624B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection
piston
magnetic
output
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11338999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000088506A (ja
Inventor
建治 上田
健次 松井
隆史 大塚
知史 元氏
克明 萩原
正明 東海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp filed Critical Omron Corp
Priority to JP11338999A priority Critical patent/JP3404624B2/ja
Publication of JP2000088506A publication Critical patent/JP2000088506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3404624B2 publication Critical patent/JP3404624B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Actuator (AREA)
  • Switches That Are Operated By Magnetic Or Electric Fields (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器内における被
検出体の位置を、容器外から検出する磁気センサに関
し、さらに詳しくは、シリンダおけるピストンの位置の
検出などに好適な磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、工場における製造ラインなどに
おいては、油圧あるいは空圧の流体圧シリンダのピスト
ンロッドが正規の位置まで作動してワーク等を正常に加
工しているか否かを把握するために、シリンダ内のピス
トンに磁石を組み込み、シリンダの外部からピストンが
所定の位置にきたことを、リードスイッチ、磁気抵抗素
子あるいはホール素子などを用いて検出する、いわゆる
シリンダスイッチが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来例のシ
リンダスイッチでは、上述のように、シリンダの外部で
リードスイッチ、磁気抵抗素子あるいはホール素子など
を用いて磁石の磁束を検出するのであるが、これらのセ
ンサは、感度が低く、シリンダチューブの材料が鉄など
の磁性体材料である場合には、シリンダ外部へ漏洩する
磁束密度が小さくなって検出できず、このため、シリン
ダチューブの材料としてステンレスやアルミニウムなど
を使用せざるを得ず、コストが高くつくという難点があ
る。
【0004】そこで、シリンダ外部に漏洩する僅かな磁
束密度を検出できる高感度な磁気センサが望まれるので
あるが、このような高感度の磁気センサでは、シリンダ
表面の残留磁気や地磁気の影響を受けるという難点があ
る。
【0005】本発明は、上述の技術的課題に鑑みてなさ
れたものであって、シリンダ等の容器が磁性体材料であ
っても、被検出体の位置を検出できる磁気センサを提供
し、さらには、地磁気の影響などを除去して精度高く検
出できる磁気センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0007】すなわち、請求項1に係る本発明は、磁石
が組み込まれたピストンの、磁性体材料からなるシリン
内における位置を検出する磁気センサであって、前記
シリンダ外のロッドエンド側とヘッドエンド側とのそれ
ぞれにおいて、高透磁率の軟磁性体からなる芯材にコイ
ルを巻き付けてなる検出コイルを、少なくとも2個それ
ぞれ設け、この少なくとも2個の検出コイルを、前記ピ
ストンの移動方向に位置をずらして第1の検出コイル、
第2の検出コイルとして配置し、前記検出コイルを励磁
して、前記ピストンの位置に応じて変化する前記芯材の
磁気飽和特性曲線の高透磁率領域における透磁率を利用
して、前記第1の検出コイルの検出出力から第2の検出
コイルの検出出力を差し引いた差分に基づいて前記ピス
トン位置を検出するか、前記第2の検出コイルの検出出
力から前記第1の検出コイルの検出出力を差し引いた差
分に基づいて前記ピストン位置を検出するかを、切り替
え可能としたものである。
【0008】ここで、容器とは、密閉あるいは開放に拘
わらず、内部に被検出体を収納するものであればよく、
シリンダ、タンク、ケースなどの各種の容器をいう。
【0009】請求項2に係る本発明は、磁石が組み込ま
れたピストンの、磁性体材料からなるシリンダ内におけ
る位置を検出する磁気センサであって、前記シリンダ外
のロッドエンド側とヘッドエンド側とのそれぞれにおい
て、高透磁率の軟磁性体からなる芯材にコイルを巻き付
けてなる検出コイルを、少なくとも2個それぞれ設け、
この少なくとも2個の検出コイルを、前記ピストンの移
動方向に第1の検出コイル、第2の検出コイルとして前
記シリンダ内の所定位置にある前記ピストンの磁石の磁
力を検出する位置と、前記所定位置にある前記ピストン
の磁石の磁力の影響を受けることなく前記シリンダの残
留磁力を検出する位置とに離隔配置し、前記第1の検出
コイルと前記第2の検出コイルを励磁して、前記ピスト
ンの位置に応じて変化する前記芯材の磁気飽和特性曲線
の高透磁率を利用することにより前記ピストンの位置を
検出するものである。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】(作用) 請求項1に係る本発明によれば、第1の検出コイルの検
出出力から第2の検出コイルの検出出力を差し引いた差
分に基づいて被検出体を検出するか、前記第2の検出コ
イルの検出出力から前記第1の検出コイルの検出出力を
差し引いた差分に基づいて前記被検出体を検出するか
を、切り替え可能としているので、当該磁気センサを、
例えば、シリンダのヘッドエンド側、あるいは、ロッド
エンド側に配置する際に、シリンダの両端から漏洩する
磁束の影響を受けにくい方の差分にも基づいて被検出体
検出できる。
【0015】請求項2に係る本発明によれば、所定位置
にある被検出体の磁石の磁力を検出する第1の検出コイ
ルと、所定位置にある前記被検出体の磁石の磁力の影響
を受けないように前記第1の検出コイルから離されて配
置されて残留磁力を検出する第2の検出コイルとを備え
ているので、二つの検出コイルで共に磁石の磁力を検出
して、磁石の磁束密度分布の山形あるいは谷形の傾斜を
利用して被検出体を検出する構成に比べて、例えば、磁
石の厚みが薄い場合や被検出体の移動速度が速い場合で
も被検出体を検出できる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気センサの
実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】(実施の形態1) 図1は、本発明の磁気センサを用いて、容器としてのシ
リンダ内のピストンの位置を検出するための前提となる
第1の基本構成を説明する概略構成図である。
【0022】この実施の形態の磁気センサAは、円筒状
のシリンダ1内のピストン2が所定の位置にきたことを
シリンダ1の外部から検出するものであって、被検出体
としてのピストン2には、環状の磁石3が組み込まれて
いる。ここで、磁石3は、棒状、球状、円柱状またはコ
イル状でもよい。
【0023】シリンダ1は、圧油または圧縮空気などの
流体が、出入り口8,9から流入あるいは排出されるこ
とによって、ピストン2がシリンダ1の軸方向(図の左
右方向)に移動してピストンロッド10の他端側で、例
えば、ワークに加工処理などを施すものである。
【0024】この実施の形態の磁気センサAは、アモル
ファス合金等の高透磁率の軟磁性体材料からなる芯材4
にコイル5を巻回してなる検出コイル6を一つ備えてお
り、この検出コイル6が収納された検出ユニット7がシ
リンダ1の外周に配設される。
【0025】この磁気センサAでは、アモルファス合金
等の高透磁率の軟磁性体材料からなる芯材4の磁気飽和
特性曲線の高透磁率領域における透磁率の変化を利用し
ており、これによって、コイル5のインダクタンス変化
を大きくして高感度で検出できるようにしている。
【0026】なお、芯材4の形状は、棒状に限らず、U
字状やその他の形状であってもよく、また、芯材4もア
モルファス合金に限らず、パーマロイ、ケイ素鋼、鉄コ
バルト合金などのような他の高透磁率の軟磁性体材料を
用いてもよい。
【0027】図2は、図1の実施の形態の磁気センサA
の構成を示すブロック図である。この実施の形態の磁気
センサAは、上述の検出コイル6の一端に、電流制限抵
抗R1およびドライバ回路11を介してパルス発振回路
12からの矩形の励磁パルスが与えられ、検出用抵抗R
2を介して接地された検出コイル6の他端からの検出出
力をピークホールド回路13でピークホールドし、その
出力を、コンパレータ回路14で予め定めた閾値と比較
して閾値を越えたときに、ピストンが所定の位置にある
ことを示す出力を与えるものである。
【0028】次に、この実施の形態の磁気センサAの動
作を、図3および図4の信号波形図に基づいて説明す
る。
【0029】ここで、図3は、検出コイル6に外部磁界
が作用していない場合を、図4は、検出コイル6に外部
磁界が作用している場合をそれぞれ示し、各図(a)は
検出コイル6の一端側に印加される励磁パルス、各図
(b)は検出コイル6の他端側の検出電流、各図(c)
はピークホールド回路13の出力をそれぞれ示してい
る。
【0030】検出コイル6の一端に、パルス発振回路1
2から図3(a)あるいは図4(a)に示されるパルス
状の電圧を印加すると、コイル5のインダクタンスによ
って電流が制限されて図3(b)に示されるように、徐
々に増加する検出電流が流れ、この電流が、飽和磁束密
度(飽和限界)L1を越えなければコイルのインダクタ
ンスは変化せず、ピークホールド回路13の出力は、図
3(c)に示されるようにほぼ一定値となる。
【0031】しかし、磁石3が組み込まれたピストン2
が検出コイル6に近接して外部から磁界がかかり、検出
コイル6を構成する芯材4であるアモルファス合金が予
め磁化されていると、コイル電流はより小さい所で飽和
磁束密度L2を越えて、すなわち、アモルファス合金が
磁気飽和してコイルのインダクタンスが小さくなり、図
4(b)に示されるように電流が多く流れるようにな
り、ピークホールド回路13の出力は、図4(c)に示
されるように、図3(c)に比べて大きくなる。
【0032】したがって、ピークホールド回路13の出
力と検出すべきピストン2の所定の位置に対応する閾値
とをコンパレータ回路14で比較することにより、ピス
トン2が所定の位置にあることを判定できることにな
る。
【0033】具体的には、閾値を予め設定しておき、検
出すべき所定の位置にピストン2を停止させ、その状態
で検出コイル6をシリンダ1の軸方向に沿って移動させ
て磁気センサAの出力が得られるシリンダ1の外周位置
に検出コイル6を設置するものである。
【0034】これによって、上述の図1において、ピス
トン2が、例えば、左方向から所定の位置に到達したと
きに磁気センサAから検出出力が得られることになる。
【0035】このように高透磁率の軟磁性体材料からな
る芯材4にコイル5を巻回してなる検出コイル6を励磁
してその検出出力に基づいて磁石3が組み込まれたピス
トン2の位置を検出するので、リードスイッチ、磁気抵
抗素子あるいはホール素子などを用いる従来例に比べて
高感度で検出できることになり、シリンダチューブの材
料を、従来例のようにステンレスやアルミニウムなどで
構成する必要がなく、鉄などの磁性体材料で構成できる
ことになり、コストの低減を図ることができ、特に、大
型のシリンダに適用する場合には、コスト低減の効果が
顕著となる。
【0036】5は、本発明の前提となる第2の基本構
成を説明するための図1に対応する概略構成図であり、
対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0037】上述の実施の形態では、検出コイル6を一
つ設けたけれども、この実施の形態では、同一構造およ
びサイズの検出コイルを二つ設け、各検出コイル61
2の位置を、図5および図6の平面図に示されるよう
に、シリンダ1の軸方向にずらして配置し、後述のよう
に、各検出コイル61,62の検出出力の差分に基づいて
ピストン2の位置を検出するようにしている。
【0038】この実施の形態においては、シリンダ1の
表面に漏洩する磁束は、約1ガウス程度であり、検出す
る磁束密度の大きさは、例えば0.5ガウスとしてい
る。しかも、これらの値は、磁石3の強さやシリンダ1
の磁気的特性によってバラツキを有しており、さらに、
地磁気の影響もある。したがって、検出コイル6を一つ
用いて磁束密度の絶対値を検出する上述の実施の形態1
の構成では、検出位置が不安定になる可能性がある。
【0039】そこで、この実施の形態では、上述のよう
に検出コイルを二つ設けてその検出位置をずらせて両者
の磁束密度の差を取ってその差が予め定めた閾値を越え
たときに、ピストンが所定の位置にあることを示す出力
を与えるように構成している。
【0040】図7は、この実施の形態のブロック図であ
り、図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0041】この実施の形態では、各検出コイル61
2に上述の実施の形態1と同様に、矩形の励磁パルス
を印加し、各検出コイル61,62の出力を、各ピークホ
ールド回路131,132でそれぞれピークホールドし、
そのピークホールド回路131,132の出力を差動増幅
回路15で差動増幅し、その差動増幅回路15の出力と
予め定めた閾値とをコンパレータ回路14で比較して出
力を与えるように構成している。
【0042】図8および図9は、動作説明に供する信号
波形図であり、上述の実施の形態の図3および図4に対
応する信号波形図である。なお、図9においては、第1
の検出コイル61に対応する出力を実線で、第2の検出
コイル62に対応する出力を破線でそれぞれ示してい
る。
【0043】各検出コイル61,62の各一端に、図8
(a)あるいは図9(a)に示されるパルス状の電圧を
印加すると、外部から磁界がかかっていない場合には、
図8(b)に示される検出電流がそれぞれ流れ、各ピー
クホールド回路131,132の出力は、図8(c)に示
されるようにほぼ一定値となって等しくなる。
【0044】しかし、磁石3が組み込まれたピストン2
が検出コイル61,62に近接して外部から磁界がかかる
と、コイル電流はより小さい所で飽和磁束密度を越えて
コイルのインダクタンスが小さくなり、図9(b)に示
されるように電流が多く流れるようになり、ピークホー
ルド回路131,132の出力値は、図9(c)に示され
るように、大きくなる。
【0045】しかも、二つの検出コイル61,62は、シ
リンダ1の軸方向に位置をずらせて配置されているの
で、各検出コイル61,62にはたらく磁束密度の大きさ
が異なり、図9(b)に示される検出電流、したがっ
て、ピークホールド回路131,132の出力値も図9
(c)に示されるように差Δが生じることになる。
【0046】この実施の形態では、第1の検出コイル6
1に対応するピークホールド回路131の出力から第2の
検出コイル62に対応するピークホールド回路62の出力
を差し引いた図9(d)に示される差分が、予め定めた
閾値を越えたときに、ピストン2が所定の位置にあると
してコンパレータ回路14から出力を与えるように構成
している。
【0047】図10は、ピストン2に組み込まれた磁石
3の位置とシリンダ1の表面における磁束密度との関係
を示す図であり、各検出コイル61,62の位置を併せて
示している。
【0048】ピストン2に組み込まれた磁石3は、シリ
ンダ表面に図示のような磁束密度分布(軸方向成分)を
示す。なお、磁束密度分布の−は、図中右から左方向の
磁束を示し、+は、矢符Bで示される図中左から右方向
の磁束を示す。
【0049】図10(a)に示される磁束密度分布は、
図10(b)の磁石3の移動に伴って移動するのである
が、二つの検出コイル61,62は、それぞれの設置位置
で磁束密度を検出し、その差が予め定めた閾値以上にな
ったときに、所定の位置にピストン2があるとして出力
を与えるのである。
【0050】すなわち、この実施の形態では、図10
(a)に示される山形の曲線の磁束密度分布における左
側の傾斜において、検出コイル61,62で検出される磁
束密度の差分Dが閾値以上になったときに、ピストンが
所定の位置にきたとして出力を与えるのである。
【0051】このようにピストン2の移動方向に沿って
位置をずらせて配置した二つの検出コイル61,62の差
動出力が、予め定めた閾値を越えたときに、ピストン2
が所定の位置にあるとして出力を与えるので、シリンダ
1の残留磁気や地磁気を相殺して除去することができ、
精度の高い検出を行うことができる。
【0052】なお、二つの検出コイル61,62の軸方向
におけるずれ量は、例えば、計測された磁束分布のデー
タなどに基づいて適宜設定され、両検出コイル61,62
のシリンダ1における取り付け位置は、上述の実施の形
態1と同様に、ピストン2を検出すべき所定の位置に停
止させた状態で、両検出コイル61,62をシリンダ1に
沿って移動させて磁気センサA’の出力が得られるシリ
ンダ1の外周位置に設置するものである。従って、設置
された磁気センサA’の位置までピストンが来れば、磁
気センサA’はピストン位置を検出することになる。
【0053】11は、本発明の第1の実施の形態を説
明する概略構成図であり、対応する部分には、同一の参
照符号を付す。
【0054】先ず、この実施の形態の説明に先立っ
て、上述の基本構成の問題点について説明する。
【0055】上述の第2の基本構成では、磁気センサA
´の取り付け方向や取り付け位置などについては、詳し
くは説明しなかったけれども、磁気センサA´をシリン
ダ1のロッドエンド側あるいはヘッドエンド側に取り付
ける場合には、以下のような不具合が生じる場合があ
る。
【0056】すなわち、図12〜図14は、筒状のシリ
ンダ1の材質を磁性体材料にした場合のシリンダ表面の
軸方向の磁束密度分布(a)とピストン2の位置(b)
との関係を示す図である。
【0057】図12は、ピストン2がシリンダ1の中央
に位置する場合の磁束密度分布を測定したものであり、
この図から明らかなように、シリンダ1の中央部分で磁
束密度分布は、一つのピークを示す。これは、ピストン
2に埋め込まれた磁石3によるものである。しかしなが
ら、このような磁束密度分布のピークは、シリンダ1の
中央部分以外にもシリンダ1の両端付近で生じているこ
とが分かる。
【0058】これは、図15に示されるように、筒状の
シリンダ1の内部を通過した磁束が、シリンダ1のエッ
ジ部分に集中して漏洩することが原因である。このた
め、シリンダ1の両端部分では、ピストン2が存在しな
いにも拘わらず、磁束密度分布のピークが発生する。
【0059】図13および図14は、ピストン2がシリ
ンダ1のそれぞれの端、すなわち、ロッドエンド側およ
びヘッドエンド側にある場合の磁束密度分布を示してお
り、これらの図から明らかなように、ピストン2に埋め
込まれた磁石3による磁束密度分布のピークとシリンダ
1の端から漏洩する磁束密度分布のピークとが重なるた
めに、磁石3によって発生する磁束密度分布のピークの
シリンダ端側の傾斜が埋もれてしまうことが分かる。す
なわち、図13に示されるように、ピストン2がロッド
エンド側にあるときには、磁石3による磁束密度分布の
ピークのロッドエンド側の傾斜が埋もれることになり、
図14に示されるように、ピストン2がヘッドエンド側
にあるときには、磁石3による磁石密度分布のピークの
ヘッドエンド側が埋もれることになる。
【0060】ここで、シリンダ1に対する磁気センサの
取り付けについて説明する。通常、磁気センサA’は、
図16に示されるように、シリンダ1の両端に一対で取
り付けられる。これは、ピストン2が正常に動作してい
ることを確認するために、ピストン2のストロークの上
死点、下死点、すなわち、シリンダ1の両端でピストン
2をそれぞれ検出するためである。また、磁気センサ
A’の取り付け方向は、ケーブル20の処理の関係上、
ロッドエンド側の磁気センサA’は、ケーブル20をヘ
ッドエンド側へ引き出し、ヘッドエンド側の磁気センサ
A’は、ケーブル20をロッドエンド側に引き出せるよ
うに、逆向きに取り付けられる。なお、図16において
は、説明の便宜上、第1の検出コイル61を磁気センサ
A’の先端側に、第2の検出コイル62を磁気センサ
A’のケーブル20引き出し側に、間隔をあけて配置し
ている。
【0061】さらに、ここで、磁気センサの向きと該磁
気センサの検出コイルの検出出力との関係を、図17お
よび図18にイメージ的に示す。これらの図は、磁気セ
ンサA’をシリンダ1の中央位置に向きを逆に配置した
場合を示しており、(a)は第1,第2の検出コイル6
1,62の検出出力1,2を、(b)は磁気センサの向き
を示しており、検出出力は、実際にはシリンダ1からの
漏洩磁束などの影響によって図示のようにきれいなピー
クではないが、これらの図では、説明の便宜上イメージ
的に示している。
【0062】これらの図に示されるように、磁気センサ
A’の向きによって検出出力のピークの向きが谷形ある
いは山形に反転することになる。これは、図19および
図20に示されるように、磁気センサの向きによって検
出コイル61,62に流れる電流によって発生するコイル
の磁束の向きと、ピストン2に埋め込まれた磁石3の磁
束の向きが同一方向であるか逆方向であるかによって検
出出力の変化の方向が変わるためである。なお、図19
および図20において、(a)は磁気センサを、(b)
はピストンを、(c)は検出出力をそれぞれ示してお
り、矢符Bは電流の向きを、矢符Cは検出コイル61
2に発生する磁束の向きを、矢符Dは磁石3の磁束の
向きを、矢符Eはピストン2の動作方向をそれぞれ示し
ている。
【0063】上述の第2の基本構成では、一方の検出コ
イルから他方の検出コイルの検出出力を差し引いた差動
出力が、予め定めた閾値を越えたときに、磁気センサの
検出出力を与えるものであり、例えば、図21または図
22の各検出コイルの検出出力(a)および磁気センサ
の検出出力(b)に示されるように、実線で示される第
1の検出コイル61の検出出力1から破線で示される第
2の検出コイル61の検出出力2を差し引いた差動出力
を用いてピストン2を検出する場合には、磁気センサ
を、いずれの向きに配置しても、各図(b)の磁気セン
サの検出出力に示されるように、検出コイル61,62
検出出力のピークのヘッドエンド寄り、図の右寄りの傾
斜を利用して検出することになる。つまり、第1の検出
コイル61の検出出力1が第2の検出コイル62の検出出
力2を上回っていて、その差分が正となる領域を利用し
て検出することになる。なお、この図21,22は、磁
気センサをシリンダ1の中央位置に配置した場合に、中
央位置のピストン2を検出した状態を示している。
【0064】つまり、上述の第2の基本構成において、
第1の検出コイル61を第2の検出コイル62よりも磁気
センサの先端寄りに配置して第1の検出コイル61から
第2の検出コイル62の検出出力を差し引いた差動出力
が、予め定めた閾値を越えたときに、磁気センサの検出
出力を与える構成では、検出出力のピークのヘッドエン
ド寄りの傾斜を利用してピストン2の検出が行われるこ
とになる。
【0065】ところが、上述の図13および図14にお
いて説明したように、シリンダ1の内部を通過した磁束
が、シリンダ1の両端部分に集中して漏洩するため、シ
リンダ1の両端部分では、磁束密度分布のピークが発生
する。
【0066】したがって、上述の第2の基本構成では、
磁気センサA’をロッドエンド側に配置してピストン2
を検出する場合には、図23および図24に示されるよ
うに、検出出力のピークのヘッドエンド寄り、すなわ
ち、図の右寄りの傾斜を利用して検出するので、第1の
検出コイル61の検出出力が第2の検出コイル62の検出
出力を上回って正しく検出できるけれども、磁気センサ
A’をヘッドエンド側に配置してピストン2を検出する
場合には、図25および図26に示されるように、検出
出力のピークのヘッドエンド寄り、すなわち、図の右寄
りの傾斜が、シリンダ1のヘッドエンドから漏洩する磁
束密度分布のピークに埋もれることになり、検出出力が
得られないことになる。
【0067】同様に、第2の検出コイル62の検出出力
から第1の検出コイル61の検出出力を差し引いた差動
出力を用いてピストン2を検出する場合には、磁束密度
分布のピークのロッドエンド寄りの傾斜を利用して検出
することになるので、磁気センサA’をヘッドエンド側
に配置してピストン2を検出する場合には、第2の検出
コイル62の検出出力が第1の検出コイル61の検出出力
を上回って正しく検出できるけれども、磁気センサA’
をロッドエンド側に配置してピストン2を検出する場合
には、検出出力のピークのロッドエンド寄りの傾斜が、
シリンダ1のロッドエンドから漏洩する磁束密度分布の
ピークに埋もれることになり、検出出力が得られないこ
とになる。
【0068】そこで、この実施の形態では、磁気セン
サを、シリンダ1のロッドエンドあるいはヘッドエンド
のいずれかの側に配置してもピストン2を正しく検出で
きるようにするために、次のように構成している。
【0069】すなわち、この実施の形態の磁気センサ
A’’は、図11に示されるように、第1,第2のピー
クホールド回路131,132と差動増幅回路15との間
に、各ピークホールド回路131,132の出力を、差動
増幅回路15の非反転入力あるいは反転入力にそれぞれ
切り替え選択して出力する第1,第2の信号切替回路2
1,212と、これら信号切替回路211,212に対し
て、いずれのピークホールド回路131,132の出力を
選択するかの第1,第2の切替信号を出力する切替信号
出力回路22を備えており、この切替信号出力回路22
は、後述の切替スイッチの切替操作に応じて対応する切
替信号を出力するものである。
【0070】この実施の形態では、切り替え操作によっ
て、切替信号出力回路22は、ハイレベルまたはローレ
ベルの第1の切替信号を第1の信号切替回路211に出
力するとともに、第1の切替信号を反転したローレベル
またはハイレベルの第2の切替信号を第2の信号切替回
路212に出力する。各信号切替回路211,212は、
例えばハイレベルの切替信号が与えられると、第1のピ
ークホールド回路131の出力を選択出力し、ローレベ
ルの切替信号が与えられると、第2のピークホールド回
路132の出力を選択出力するものである。
【0071】この実施の形態では、磁気センサA’’
を、図16の左方に示されるロッドエンド側に配置して
ピストン2を検出する場合には、切替スイッチは、ロッ
ドエンドに対応する操作位置が選択され、この状態で
は、切替信号出力回路22は、ハイレベルの第1の切替
信号を第1の信号切替回路211に出力する一方、ロー
レベルの第2の切替信号を第2の信号切替回路212
出力し、これによって、第1の信号切替回路211は、
第1のピークホールド回路131の出力を差動増幅回路
15の非反転入力に与える一方、第2の信号切替回路1
2は、第2のピークホールド回路132の出力を差動増
幅回路15の反転入力に与え、第1の検出コイル61
検出出力から第2の検出コイル62の検出出力を差し引
いた差動出力を、コンパレータ14で比較することにな
る。
【0072】この場合、すなわち、ロッドエンド側に配
置した場合には、検出出力のピークのヘッドエンド寄り
の傾斜、すなわち、シリンダ1のロッドエンドから漏洩
する磁束密度分布に埋もれない側の傾斜を利用して検出
するので正しく検出できることになる。
【0073】次に、磁気センサA’’を、図16の右方
に示されるヘッドエンド側に配置してピストン2を検出
する場合には、切替スイッチは、ヘッドエンドに対応す
る操作位置に切替選択され、この状態では、切替信号出
力回路22は、ローレベルの第1の切替信号を第1の信
号切替回路211に出力する一方、ハイレベルの第2の
切替信号を第2の信号切替回路212に出力し、これに
よって、第1の信号切替回路211は、第2のピークホ
ールド回路132の出力を差動増幅回路15の非反転入
力に与える一方、第2の信号切替回路212は、第1の
ピークホールド回路132の出力を差動増幅回路15の
反転入力に与え、第2の検出コイル62の検出出力から
第1の検出コイル61の検出出力を差し引いた差動出力
を、コンパレータ14で比較することになる。
【0074】この場合、すなわち、ヘッドエンド側に配
置した場合は、検出出力のピークのロッドエンド寄りの
傾斜を利用して検出するので、ヘッドエンド寄りの傾斜
を利用する場合のように、シリンダ1のヘッドエンドか
ら漏洩する磁束密度分布のピークに埋もれて検出できな
いといったことがなく、正しく検出できることになる。
【0075】このように、磁気センサA’’をロッドエ
ンド側に配置してピストン2を検出する場合には、シリ
ンダ1のロッドエンドから漏洩する磁束密度分布のピー
クに、ピストン2の磁石3の磁束密度分布のピークが埋
もれないヘッドエンド寄りの傾斜を用いて検出し、磁気
センサA’’をヘッドエンド側に配置してピストン2を
検出する場合には、シリンダ1のヘッドエンドから漏洩
する磁束密度分布のピークに、ピストン2の磁石3の磁
束密度分布のピークが埋もれないロッドエンド寄りの傾
斜を用いて検出するので、いずれの位置に配置する場合
にも、シリンダ1の両エンドから漏洩する磁束密度分布
の影響を受けることなく、正しく検出できることにな
る。
【0076】図27は、図11の具体的構成の一例を示
すブロック図であり、対応する部分には、同一の参照符
号を付す。
【0077】各信号切替回路211,212は、ハイレベ
ルの切替信号によって導通するそれぞれ二つのアナログ
スイッチ231,232;233,234で構成され、切替
信号出力回路22は、切り替え操作される上述の切替ス
イッチ24と、インバータ25と、抵抗R3とを備えて
おり、切替スイッチ24がオフしているときには、ロー
レベルの切替信号が、各信号切替回路211,212の第
1,第4のアナログスイッチ231,234に与えられる
一方、インバータ25を介してハイレベルの切替信号
が、各信号切替回路211,212の第2,第3のアナロ
グスイッチ232,233に与えられてアナログスイッチ
232,233がオンし、これによって、第1のピークホ
ールド回路131の出力が、第2の信号切替回路212
介して差動増幅回路15の反転入力に与えられる一方、
第2のピークホールド回路132の出力が、第1の信号
切替回路211を介して差動増幅回路15の非反転入力
に与えられ、これによって、第2の検出コイル62の検
出出力から第1の検出コイル61の検出出力を差し引い
た差動出力を、コンパレータ14で比較することにな
る。
【0078】また、切替スイッチ24を、オンすると、
ハイレベルの切替信号が、各信号切替回路211,212
の第1,第4のアナログスイッチ231,234に与えら
れてアナログスイッチ231,234がオンする一方、イ
ンバータ25を介してローレベルの切替信号が、各信号
切替回路211,212の第2,第3のアナログスイッチ
232,233に与えられ、これによって、第1のピーク
ホールド回路131の出力が、第1の信号切替回路211
を介して差動増幅回路15の非反転入力に与えられる一
方、第2のピークホールド回路132の出力が、第2の
信号切替回路212を介して差動増幅回路15の反転入
力に与えられ、これによって、第1の検出コイル61
検出出力から第2の検出コイル62の検出出力を差し引
いた差動出力を、コンパレータ14で比較することにな
る。
【0079】なお、切替信号出力回路22は、図28に
示されるように、トランジスタTR、排他的論理和回路
26,27、インバータ28,29、および抵抗R4〜
R7で構成してもよい。その他の構成は、図27と同様
であり、トランジスタTRのベースに、切替操作に対応
してハイレベルまたはローレベルの操作信号を与えれば
よい。
【0080】また、図29に示されるように、差動増幅
回路151,152を二つ設け、一方の差動増幅回路15
1の非反転入力には、第1のピークホールド回路131
出力を、反転入力には、第2のピークホールド回路13
2の出力をそれぞれ与え、他方の差動増幅回路152の非
反転入力には、第2のピークホールド回路132の出力
を、反転入力には、第1のピークホールド回路131
出力をそれぞれ与え、切替操作に対応する切替信号出力
回路30からの切替信号によって、信号切替回路31で
いずれかの差動増幅回路151,152の出力を選択して
コンパレータ14で比較するようにしてもよい。
【0081】すなわち、信号切替回路31で一方の差動
増幅回路151の出力を選択した場合には、第1の検出
コイル61の検出出力から第2の検出コイル62の検出出
力を差し引いた差動出力を、コンパレータ14で比較す
ることになり、他方の差動増幅回路152の出力を選択
した場合には、第2の検出コイル62の検出出力から第
1の検出コイル61の検出出力を差し引いた差動出力
を、コンパレータ14で比較することになる。
【0082】(実施の形態) 図30は、本発明のさらに他の実施の形態の動作原理を
説明するための図であり、同図(a)はこの実施の形態
の検出コイル61,62の配置を示すものであり、同図
(b)はピストン2がロッドエンドの検出位置にあると
きの磁束密度分布を示す図である。
【0083】上述の実施の形態では、図10に示され
るように、各検出コイル61,62で磁石3の磁力を検出
してその差分を用いてピストン2を検出したが、例え
ば、ピストン2の軸方向の厚みを薄くしてストロークを
確保する場合には、ピストン2に埋め込む磁石3の厚み
も薄くせざるを得ず、かかる場合には、磁石3の山形の
磁束密度分布の幅が狭くなるので、上述の図10のよう
に山形の傾斜を利用して検出するのは困難となる。
【0084】そこで、この実施の形態では、かかる場合
にも正確に検出できるようにするために、磁気センサの
第1の検出コイル61は、所定の検出位置にあるピスト
ン2の磁石3の磁力を検出し、第2の検出コイル6
2は、前記検出位置にあるピストン2の磁石3の磁力の
影響を直接受けることなく、シリンダ1の残留磁力を検
出できるように離れた位置に配置している。その他の構
成は、上述の実施の形態2と同様であり、第1の検出コ
イル61の検出出力から第2の検出コイル62の検出出力
を差し引いた差分が予め定めた閾値を越えたときに、磁
気センサの検出出力を与えるものである。
【0085】この図30に示されるように、磁気センサ
をロッドエンド側に配置し、ピストン2がロッドエンド
側の検出位置にきたときには、第1の検出コイル61
ピストン2の磁石3の磁力が検出される一方、第2の検
出コイル62では、磁石2の磁力の影響を受けることな
く、シリンダ1の残留磁力および地磁気を検出すること
になる。したがって、第1の検出コイル61の検出出力
から第2の検出コイル62の検出出力を差し引くと、そ
の差分ΔHが正の大きな値となって閾値を越えて磁気セ
ンサの検出出力が得られることになる。
【0086】また、磁気センサを、図31に示されるよ
うに、ヘッドエンド側に配置した場合も、第1の検出コ
イル61は、ヘッドエンド側の検出位置にあるピストン
2の磁石3の磁力を検出し、第2の検出コイル62は、
検出位置にあるピストン2の磁石3の磁力の影響を受け
ることなく、残留磁力および地磁気を検出することにな
る。したがって、第1の検出コイル61の検出出力から
第2の検出コイル62の検出出力を差し引くと、その差
分ΔHが正の大きな値となって閾値を越えて磁気センサ
の検出出力が得られることになる。
【0087】一方、図32に示されるように、例えば、
磁気センサをロッドエンド側に配置し、ピストン2が所
定の検出位置にないとき、例えば、第2の検出コイル6
2の位置にあるときには、第1の検出コイル61では、ピ
ストン2が所定の検出位置にないために磁石3の磁力を
検出しておらず、第2の検出コイル62は、ピストン2
の磁石3の影響を直接受けてその磁力を検出しているた
めに、第1の検出コイル61の出力から第2の検出コイ
ル62の出力を差し引くと、その差分ΔHが負となって
磁気センサの検出出力が得られないことになる。
【0088】このように、第1の検出コイル61を所定
の検出位置にあるピストン2の磁石3の磁力を検出する
ように配置し、第2の検出コイル62を所定の検出位置
にあるピストン2の磁石3の磁力の影響を直接受けるこ
となく、シリンダ1の残留磁力を検出できるように配置
することにより、第1の検出コイル61の検出出力から
第2の検出コイル62の検出出力を差し引いた差分が、
予め定めた閾値を越えることによって、検出位置にある
ピストン2を検出できることになる。
【0089】なお、閾値や第1の検出コイル61と第2
の検出コイル62との配置間隔などは、実験的に定めら
れる。
【0090】この実施の形態では、ピストン2の磁石3
の磁力と残留磁力との差分を用いて検出するので、上述
第2の基本構成のように、磁石3による山形の磁束密
度分布の傾斜を利用して検出する場合に比べて、磁石3
の厚みが薄くなったり、ピストン2の移動速度が速くな
っても正確な検出が可能となる。
【0091】なお、第1の検出コイル61の検出出力か
ら第2の検出コイル62の検出出力を差し引くので、上
述の実施の形態2と同様に、残留磁力や地磁気の影響を
除くことができる。
【0092】また、シリンダ1の残留磁力や地磁気の影
響を除くだけであれば、本発明の検出コイルに代えて、
リードスイッチ、磁気抵抗素子あるいはホール素子など
を用いて検出するようにしてもよい。
【0093】この実施の形態では、一つの筺体に、第
1,第2の検出コイル61,62を内蔵したけれども、第
1,第2の検出コイル61,62は、離れて配置されるの
で、個別の筺体に内蔵させて配置してもよい。
【0094】(その他の実施の形態)上述の実施の形態
では、各検出コイル61,62は、シリンダ1に平行に配
置したれども、本発明の他の実施の形態として、図33
に示されるようにシリンダ1に対して傾斜させて配置し
てもよい。
【0095】上述の実施の形態では、直流パルスを検出
コイルに印加して励磁したけれども、本発明の他の実施
の形態として、交流電流で励磁してもよい。
【0096】上述の実施の形態では、シリンダ内のピス
トンの位置を検出するシリンダスイッチに適用したれど
も、本発明は、これに限ることなく、容器内を移動する
被検出体を容器の外部から検出する場合に適用できるも
のである。
【0097】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、次のよう
な効果が奏される。
【0098】請求項1に係る本発明によれば、第1の検
出コイルの検出出力から第2の検出コイルの検出出力を
差し引いた差分に基づいて被検出体を検出するか、前記
第2の検出コイルの検出出力から前記第1の検出コイル
の検出出力を差し引いた差分に基づいて前記被検出体を
検出するかを、切り替え可能としているので、当該磁気
センサを、例えば、シリンダのヘッドエンド側、あるい
は、ロッドエンド側に配置する際に、シリンダの両端か
ら漏洩する磁束の影響を受けにくい方の差分にも基づい
て被検出体を検出できる。
【0099】請求項2に係る本発明によれば、所定位置
にある被検出体の磁石の磁力を検出する第1の検出コイ
ルと、所定位置にある前記被検出体の磁石の磁力の影響
を受けないように前記第1の検出コイルから離されて配
置されて残留磁力を検出する第2の検出コイルとを備え
ているので、二つの検出コイルで共に磁石の磁力を検出
して、磁石の磁束密度分布の山形あるいは谷形の傾斜を
利用して被検出体を検出する構成に比べて、例えば、磁
石の厚みが薄い場合や被検出体の移動速度が速い場合で
も被検出体を検出できる。
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる第1の基本構成を説明する
ための概略構成図である。
【図2】図1の磁気センサの構成を示すブロック図であ
る。
【図3】外部磁界がない場合の信号波形図である。
【図4】外部磁界がある場合の信号波形図である。
【図5】本発明の前提となる第2の基本構成を説明する
ための概略構成図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図5の磁気センサの構成を示すブロック図であ
る。
【図8】外部磁界がない場合の信号波形図である。
【図9】外部磁界がある場合の信号波形図である。
【図10】磁石の位置と磁束密度分布とを示す図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態のブロック図である。
【図12】中央位置にあるピストンと磁束密度分布との
関係を示す図である。
【図13】ロッドエンド側にあるピストンと磁束密度分
布との関係を示す図である。
【図14】ヘッドエンド側にあるピストンと磁束密度分
布との関係を示す図である。
【図15】シリンダからの漏洩磁束を示す図である。
【図16】磁気センサの取り付け状態を示す図である。
【図17】磁気センサの向きと検出出力との関係をイメ
ージ的に示す図である。
【図18】磁気センサの向きと検出出力との関係をイメ
ージ的に示す図である。
【図19】検出コイルに発生する磁束の向き、ピストン
の磁石の磁束の向きおよび検出出力の関係を示す図であ
る。
【図20】検出コイルに発生する磁束の向き、ピストン
の磁石の磁束の向きおよび検出出力の関係を示す図であ
る。
【図21】各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出
出力との関係を示す図である。
【図22】各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出
出力との関係を示す図である。
【図23】磁気センサをロッドエンド側に配置したとき
の各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出出力との
関係を示す図である。
【図24】磁気センサをロッドエンド側に配置したとき
の各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出出力との
関係を示す図である。
【図25】磁気センサをヘッドエンド側に配置したとき
の各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出出力との
関係を示す図である。
【図26】磁気センサをヘッドエンド側に配置したとき
の各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出出力との
関係を示す図である。
【図27】図11の具体的構成の一例を示すブロック図
である。
【図28】図11の具体的構成の他の例を示すブロック
図である。
【図29】本発明の実施の形態の他の例のブロック図
である。
【図30】本発明の実施の形態の動作原理を説明する
ための図である。
【図31】本発明の実施の形態の動作原理を説明する
ための図である。
【図32】本発明の実施の形態の動作原理を説明する
ための図である。
【図33】検出コイルの配置の他の例を示す平面図であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 松井 健次 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オムロン株式会社内 (72)発明者 大塚 隆史 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オムロン株式会社内 (72)発明者 元氏 知史 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オムロン株式会社内 (72)発明者 萩原 克明 大阪府大阪市東淀川区北江口1丁目1番 1号 太陽鉄工株式会社内 (72)発明者 東海 正明 大阪府大阪市東淀川区北江口1丁目1番 1号 太陽鉄工株式会社内 (56)参考文献 実開 平6−43305(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/00 F15B 15/28 G01D 5/20 H01H 36/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石が組み込まれたピストンの、磁性体
    材料からなるシリンダ内における位置を検出する磁気セ
    ンサであって、前記シリンダ外のロッドエンド側とヘッドエンド側との
    それぞれにおいて、高透磁率の軟磁性体からなる芯材に
    コイルを巻き付けてなる検出コイルを、少なくとも2個
    それぞれ設け、この少なくとも2個の検出コイルを、前
    記ピストンの移動方向に位置をずらして第1の検出コイ
    ル、第2の検出コイルとして配置し、前記検出コイルを
    励磁して、前記ピストンの位置に応じて変化する前記芯
    材の磁気飽和特性曲線の高透磁率領域における透磁率を
    利用して、前記第1の検出コイルの検出出力から第2の
    検出コイルの検出出力を差し引いた差分に基づいて前記
    ピストン位置を検出するか、前記第2の検出コイルの検
    出出力から前記第1の検出コイルの検出出力を差し引い
    た差分に基づいて前記ピストン位置を検出するかを、切
    り替え可能とした ことを特徴とする磁気センサ。
  2. 【請求項2】 磁石が組み込まれたピストンの、磁性体
    材料からなるシリンダ内における位置を検出する磁気セ
    ンサであって、 前記シリンダ外のロッドエンド側とヘッドエンド側との
    それぞれにおいて、高透磁率の軟磁性体からなる芯材に
    コイルを巻き付けてなる検出コイルを、少なくとも2個
    それぞれ設け、この少なくとも2個の検出コイルを、前
    記ピストンの移動方向に第1の検出コイル、第2の検出
    コイルとして前記シリンダ内の所定位置にある前記ピス
    トンの磁石の磁力を検出する位置と、前記所定位置にあ
    る前記ピストンの磁石の磁力の影響を受けることなく前
    記シリンダの残留磁力を検出する位置とに離隔配置し、
    前記第1の検出コイルと前記第2の検出コイルを励磁し
    て、前記ピストンの位置に応じて変化する前記芯材の磁
    気飽和特性曲線の高透磁率を利用することにより前記ピ
    ストンの位置を検出する 磁気センサ。
JP11338999A 1998-07-10 1999-04-21 磁気センサ Expired - Fee Related JP3404624B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11338999A JP3404624B2 (ja) 1998-07-10 1999-04-21 磁気センサ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19624898 1998-07-10
JP10-196248 1998-07-10
JP11338999A JP3404624B2 (ja) 1998-07-10 1999-04-21 磁気センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000088506A JP2000088506A (ja) 2000-03-31
JP3404624B2 true JP3404624B2 (ja) 2003-05-12

Family

ID=26452377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11338999A Expired - Fee Related JP3404624B2 (ja) 1998-07-10 1999-04-21 磁気センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3404624B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105805089A (zh) * 2016-06-03 2016-07-27 南通纺都置业有限公司 一种油缸不同油压下伸出速度测试装置

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10313676A1 (de) 2003-03-26 2004-10-07 Imi Norgren-Herion Fluidtronic Gmbh & Co. Kg Positionsmeßvorrichtung für fluidische Zylinder-Kolben-Anordnungen
FR2881823B1 (fr) * 2005-02-08 2007-03-16 Siemens Vdo Automotive Sas Utilisation de la magneto-impedance sur un capteur de position sans contact et capteur correspondant
JP2006242341A (ja) 2005-03-04 2006-09-14 Smc Corp 位置検出機構付きアクチュエータ
US8207729B2 (en) 2009-02-17 2012-06-26 Goodrich Corporation Non-contact sensor system and method for displacement determination
US8405386B2 (en) 2009-02-17 2013-03-26 Goodrich Corporation Non-contact sensor system and method for position determination
US8203331B2 (en) 2009-02-17 2012-06-19 Goodrich Corporation Non-contact sensor system and method for selection determination
JP2014122862A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械の角度検出装置
JP6155715B2 (ja) * 2013-03-12 2017-07-05 アイシン精機株式会社 変位センサ
CN104690738A (zh) * 2014-11-18 2015-06-10 上海新朋联众汽车零部件有限公司 用于机械手的气压式电磁力吸盘装置及其控制方法
KR101759918B1 (ko) * 2016-06-23 2017-07-20 주식회사 청림엔지니어링 허브너트 코킹툴
US10837802B2 (en) 2016-07-22 2020-11-17 Regents Of The University Of Minnesota Position sensing system with an electromagnet
US10914566B2 (en) 2016-07-22 2021-02-09 Regents Of The University Of Minnesota Position sensing system with an electromagnet
AU2018308199B2 (en) * 2017-07-25 2023-08-31 Adherium (Nz) Limited Adherence monitoring method and device
WO2024201899A1 (ja) * 2023-03-30 2024-10-03 エヌエスディ株式会社 変位検出センサ及びセンサ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105805089A (zh) * 2016-06-03 2016-07-27 南通纺都置业有限公司 一种油缸不同油压下伸出速度测试装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000088506A (ja) 2000-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3404624B2 (ja) 磁気センサ
KR910001839B1 (ko) 유체압력 실린더의 피스턴 위치 검출장치
US5493216A (en) Magnetic position detector
KR101551514B1 (ko) 자기 센서 장치
TWI586985B (zh) 用於測量磁場的裝置與方法
CZ97595A3 (en) Measuring apparatus with magnetic field sensor for contactless determination of distance
JPH09231889A (ja) 位置検出センサ
JP2001281308A (ja) 磁気センサ及び位置検出装置
US20100090692A1 (en) Magnetic sensor module and piston position detector
US6693425B2 (en) Sensor having an electric coil and giant magnetoresistor for detecting defects in a component
JP3645116B2 (ja) 磁気インピーダンス効果マイクロ磁気センサ
US20040046624A1 (en) Magneto-resistive layer arrangement and gradiometer with said layer arrangement
JP2635714B2 (ja) 変圧器鉄心の直流偏磁検出方法
KR20180035701A (ko) 박막 자기 센서
JP2000055998A (ja) 磁気センサ装置および電流センサ装置
WO2016170887A1 (ja) 磁気センサ装置
JP4870226B2 (ja) 位置検出装置
JP4541136B2 (ja) 磁性体検出センサ及び磁性体検出ラインセンサ
JP3651268B2 (ja) 磁気測定方法及び装置
JP2000056000A (ja) 磁気センサ装置および電流センサ装置
JP2000266619A (ja) トルクセンサ及びステアリングシャフトのトルク検出装置
JP2008232894A (ja) ヘルムホルツ・コイルを用いた変位センサ
JPH1114301A (ja) 検知装置及びそれを用いたシリンダ装置
EP0595915B1 (en) Method and device for measuring the distance between two mutually opposing surfaces by means of the reluctance method
JPH02280007A (ja) 位置センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030204

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080307

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080307

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090307

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100307

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100307

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees