JP3404624B2 - 磁気センサ - Google Patents
磁気センサInfo
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Description
検出体の位置を、容器外から検出する磁気センサに関
し、さらに詳しくは、シリンダおけるピストンの位置の
検出などに好適な磁気センサに関する。
おいては、油圧あるいは空圧の流体圧シリンダのピスト
ンロッドが正規の位置まで作動してワーク等を正常に加
工しているか否かを把握するために、シリンダ内のピス
トンに磁石を組み込み、シリンダの外部からピストンが
所定の位置にきたことを、リードスイッチ、磁気抵抗素
子あるいはホール素子などを用いて検出する、いわゆる
シリンダスイッチが用いられる。
リンダスイッチでは、上述のように、シリンダの外部で
リードスイッチ、磁気抵抗素子あるいはホール素子など
を用いて磁石の磁束を検出するのであるが、これらのセ
ンサは、感度が低く、シリンダチューブの材料が鉄など
の磁性体材料である場合には、シリンダ外部へ漏洩する
磁束密度が小さくなって検出できず、このため、シリン
ダチューブの材料としてステンレスやアルミニウムなど
を使用せざるを得ず、コストが高くつくという難点があ
る。
束密度を検出できる高感度な磁気センサが望まれるので
あるが、このような高感度の磁気センサでは、シリンダ
表面の残留磁気や地磁気の影響を受けるという難点があ
る。
れたものであって、シリンダ等の容器が磁性体材料であ
っても、被検出体の位置を検出できる磁気センサを提供
し、さらには、地磁気の影響などを除去して精度高く検
出できる磁気センサを提供することを目的とする。
を達成するために、次のように構成している。
が組み込まれたピストンの、磁性体材料からなるシリン
ダ内における位置を検出する磁気センサであって、前記
シリンダ外のロッドエンド側とヘッドエンド側とのそれ
ぞれにおいて、高透磁率の軟磁性体からなる芯材にコイ
ルを巻き付けてなる検出コイルを、少なくとも2個それ
ぞれ設け、この少なくとも2個の検出コイルを、前記ピ
ストンの移動方向に位置をずらして第1の検出コイル、
第2の検出コイルとして配置し、前記検出コイルを励磁
して、前記ピストンの位置に応じて変化する前記芯材の
磁気飽和特性曲線の高透磁率領域における透磁率を利用
して、前記第1の検出コイルの検出出力から第2の検出
コイルの検出出力を差し引いた差分に基づいて前記ピス
トン位置を検出するか、前記第2の検出コイルの検出出
力から前記第1の検出コイルの検出出力を差し引いた差
分に基づいて前記ピストン位置を検出するかを、切り替
え可能としたものである。
わらず、内部に被検出体を収納するものであればよく、
シリンダ、タンク、ケースなどの各種の容器をいう。
れたピストンの、磁性体材料からなるシリンダ内におけ
る位置を検出する磁気センサであって、前記シリンダ外
のロッドエンド側とヘッドエンド側とのそれぞれにおい
て、高透磁率の軟磁性体からなる芯材にコイルを巻き付
けてなる検出コイルを、少なくとも2個それぞれ設け、
この少なくとも2個の検出コイルを、前記ピストンの移
動方向に第1の検出コイル、第2の検出コイルとして前
記シリンダ内の所定位置にある前記ピストンの磁石の磁
力を検出する位置と、前記所定位置にある前記ピストン
の磁石の磁力の影響を受けることなく前記シリンダの残
留磁力を検出する位置とに離隔配置し、前記第1の検出
コイルと前記第2の検出コイルを励磁して、前記ピスト
ンの位置に応じて変化する前記芯材の磁気飽和特性曲線
の高透磁率を利用することにより前記ピストンの位置を
検出するものである。
出出力から第2の検出コイルの検出出力を差し引いた差
分に基づいて被検出体を検出するか、前記第2の検出コ
イルの検出出力から前記第1の検出コイルの検出出力を
差し引いた差分に基づいて前記被検出体を検出するか
を、切り替え可能としているので、当該磁気センサを、
例えば、シリンダのヘッドエンド側、あるいは、ロッド
エンド側に配置する際に、シリンダの両端から漏洩する
磁束の影響を受けにくい方の差分にも基づいて被検出体
を検出できる。
にある被検出体の磁石の磁力を検出する第1の検出コイ
ルと、所定位置にある前記被検出体の磁石の磁力の影響
を受けないように前記第1の検出コイルから離されて配
置されて残留磁力を検出する第2の検出コイルとを備え
ているので、二つの検出コイルで共に磁石の磁力を検出
して、磁石の磁束密度分布の山形あるいは谷形の傾斜を
利用して被検出体を検出する構成に比べて、例えば、磁
石の厚みが薄い場合や被検出体の移動速度が速い場合で
も被検出体を検出できる。
実施形態を図面に基づいて説明する。
リンダ内のピストンの位置を検出するための前提となる
第1の基本構成を説明する概略構成図である。
のシリンダ1内のピストン2が所定の位置にきたことを
シリンダ1の外部から検出するものであって、被検出体
としてのピストン2には、環状の磁石3が組み込まれて
いる。ここで、磁石3は、棒状、球状、円柱状またはコ
イル状でもよい。
流体が、出入り口8,9から流入あるいは排出されるこ
とによって、ピストン2がシリンダ1の軸方向(図の左
右方向)に移動してピストンロッド10の他端側で、例
えば、ワークに加工処理などを施すものである。
ファス合金等の高透磁率の軟磁性体材料からなる芯材4
にコイル5を巻回してなる検出コイル6を一つ備えてお
り、この検出コイル6が収納された検出ユニット7がシ
リンダ1の外周に配設される。
等の高透磁率の軟磁性体材料からなる芯材4の磁気飽和
特性曲線の高透磁率領域における透磁率の変化を利用し
ており、これによって、コイル5のインダクタンス変化
を大きくして高感度で検出できるようにしている。
字状やその他の形状であってもよく、また、芯材4もア
モルファス合金に限らず、パーマロイ、ケイ素鋼、鉄コ
バルト合金などのような他の高透磁率の軟磁性体材料を
用いてもよい。
の構成を示すブロック図である。この実施の形態の磁気
センサAは、上述の検出コイル6の一端に、電流制限抵
抗R1およびドライバ回路11を介してパルス発振回路
12からの矩形の励磁パルスが与えられ、検出用抵抗R
2を介して接地された検出コイル6の他端からの検出出
力をピークホールド回路13でピークホールドし、その
出力を、コンパレータ回路14で予め定めた閾値と比較
して閾値を越えたときに、ピストンが所定の位置にある
ことを示す出力を与えるものである。
作を、図3および図4の信号波形図に基づいて説明す
る。
が作用していない場合を、図4は、検出コイル6に外部
磁界が作用している場合をそれぞれ示し、各図(a)は
検出コイル6の一端側に印加される励磁パルス、各図
(b)は検出コイル6の他端側の検出電流、各図(c)
はピークホールド回路13の出力をそれぞれ示してい
る。
2から図3(a)あるいは図4(a)に示されるパルス
状の電圧を印加すると、コイル5のインダクタンスによ
って電流が制限されて図3(b)に示されるように、徐
々に増加する検出電流が流れ、この電流が、飽和磁束密
度(飽和限界)L1を越えなければコイルのインダクタ
ンスは変化せず、ピークホールド回路13の出力は、図
3(c)に示されるようにほぼ一定値となる。
が検出コイル6に近接して外部から磁界がかかり、検出
コイル6を構成する芯材4であるアモルファス合金が予
め磁化されていると、コイル電流はより小さい所で飽和
磁束密度L2を越えて、すなわち、アモルファス合金が
磁気飽和してコイルのインダクタンスが小さくなり、図
4(b)に示されるように電流が多く流れるようにな
り、ピークホールド回路13の出力は、図4(c)に示
されるように、図3(c)に比べて大きくなる。
力と検出すべきピストン2の所定の位置に対応する閾値
とをコンパレータ回路14で比較することにより、ピス
トン2が所定の位置にあることを判定できることにな
る。
出すべき所定の位置にピストン2を停止させ、その状態
で検出コイル6をシリンダ1の軸方向に沿って移動させ
て磁気センサAの出力が得られるシリンダ1の外周位置
に検出コイル6を設置するものである。
トン2が、例えば、左方向から所定の位置に到達したと
きに磁気センサAから検出出力が得られることになる。
る芯材4にコイル5を巻回してなる検出コイル6を励磁
してその検出出力に基づいて磁石3が組み込まれたピス
トン2の位置を検出するので、リードスイッチ、磁気抵
抗素子あるいはホール素子などを用いる従来例に比べて
高感度で検出できることになり、シリンダチューブの材
料を、従来例のようにステンレスやアルミニウムなどで
構成する必要がなく、鉄などの磁性体材料で構成できる
ことになり、コストの低減を図ることができ、特に、大
型のシリンダに適用する場合には、コスト低減の効果が
顕著となる。
成を説明するための図1に対応する概略構成図であり、
対応する部分には、同一の参照符号を付す。
つ設けたけれども、この実施の形態では、同一構造およ
びサイズの検出コイルを二つ設け、各検出コイル61,
62の位置を、図5および図6の平面図に示されるよう
に、シリンダ1の軸方向にずらして配置し、後述のよう
に、各検出コイル61,62の検出出力の差分に基づいて
ピストン2の位置を検出するようにしている。
表面に漏洩する磁束は、約1ガウス程度であり、検出す
る磁束密度の大きさは、例えば0.5ガウスとしてい
る。しかも、これらの値は、磁石3の強さやシリンダ1
の磁気的特性によってバラツキを有しており、さらに、
地磁気の影響もある。したがって、検出コイル6を一つ
用いて磁束密度の絶対値を検出する上述の実施の形態1
の構成では、検出位置が不安定になる可能性がある。
に検出コイルを二つ設けてその検出位置をずらせて両者
の磁束密度の差を取ってその差が予め定めた閾値を越え
たときに、ピストンが所定の位置にあることを示す出力
を与えるように構成している。
り、図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
62に上述の実施の形態1と同様に、矩形の励磁パルス
を印加し、各検出コイル61,62の出力を、各ピークホ
ールド回路131,132でそれぞれピークホールドし、
そのピークホールド回路131,132の出力を差動増幅
回路15で差動増幅し、その差動増幅回路15の出力と
予め定めた閾値とをコンパレータ回路14で比較して出
力を与えるように構成している。
波形図であり、上述の実施の形態の図3および図4に対
応する信号波形図である。なお、図9においては、第1
の検出コイル61に対応する出力を実線で、第2の検出
コイル62に対応する出力を破線でそれぞれ示してい
る。
(a)あるいは図9(a)に示されるパルス状の電圧を
印加すると、外部から磁界がかかっていない場合には、
図8(b)に示される検出電流がそれぞれ流れ、各ピー
クホールド回路131,132の出力は、図8(c)に示
されるようにほぼ一定値となって等しくなる。
が検出コイル61,62に近接して外部から磁界がかかる
と、コイル電流はより小さい所で飽和磁束密度を越えて
コイルのインダクタンスが小さくなり、図9(b)に示
されるように電流が多く流れるようになり、ピークホー
ルド回路131,132の出力値は、図9(c)に示され
るように、大きくなる。
リンダ1の軸方向に位置をずらせて配置されているの
で、各検出コイル61,62にはたらく磁束密度の大きさ
が異なり、図9(b)に示される検出電流、したがっ
て、ピークホールド回路131,132の出力値も図9
(c)に示されるように差Δが生じることになる。
1に対応するピークホールド回路131の出力から第2の
検出コイル62に対応するピークホールド回路62の出力
を差し引いた図9(d)に示される差分が、予め定めた
閾値を越えたときに、ピストン2が所定の位置にあると
してコンパレータ回路14から出力を与えるように構成
している。
3の位置とシリンダ1の表面における磁束密度との関係
を示す図であり、各検出コイル61,62の位置を併せて
示している。
ンダ表面に図示のような磁束密度分布(軸方向成分)を
示す。なお、磁束密度分布の−は、図中右から左方向の
磁束を示し、+は、矢符Bで示される図中左から右方向
の磁束を示す。
図10(b)の磁石3の移動に伴って移動するのである
が、二つの検出コイル61,62は、それぞれの設置位置
で磁束密度を検出し、その差が予め定めた閾値以上にな
ったときに、所定の位置にピストン2があるとして出力
を与えるのである。
(a)に示される山形の曲線の磁束密度分布における左
側の傾斜において、検出コイル61,62で検出される磁
束密度の差分Dが閾値以上になったときに、ピストンが
所定の位置にきたとして出力を与えるのである。
位置をずらせて配置した二つの検出コイル61,62の差
動出力が、予め定めた閾値を越えたときに、ピストン2
が所定の位置にあるとして出力を与えるので、シリンダ
1の残留磁気や地磁気を相殺して除去することができ、
精度の高い検出を行うことができる。
におけるずれ量は、例えば、計測された磁束分布のデー
タなどに基づいて適宜設定され、両検出コイル61,62
のシリンダ1における取り付け位置は、上述の実施の形
態1と同様に、ピストン2を検出すべき所定の位置に停
止させた状態で、両検出コイル61,62をシリンダ1に
沿って移動させて磁気センサA’の出力が得られるシリ
ンダ1の外周位置に設置するものである。従って、設置
された磁気センサA’の位置までピストンが来れば、磁
気センサA’はピストン位置を検出することになる。
明する概略構成図であり、対応する部分には、同一の参
照符号を付す。
て、上述の基本構成の問題点について説明する。
´の取り付け方向や取り付け位置などについては、詳し
くは説明しなかったけれども、磁気センサA´をシリン
ダ1のロッドエンド側あるいはヘッドエンド側に取り付
ける場合には、以下のような不具合が生じる場合があ
る。
ンダ1の材質を磁性体材料にした場合のシリンダ表面の
軸方向の磁束密度分布(a)とピストン2の位置(b)
との関係を示す図である。
に位置する場合の磁束密度分布を測定したものであり、
この図から明らかなように、シリンダ1の中央部分で磁
束密度分布は、一つのピークを示す。これは、ピストン
2に埋め込まれた磁石3によるものである。しかしなが
ら、このような磁束密度分布のピークは、シリンダ1の
中央部分以外にもシリンダ1の両端付近で生じているこ
とが分かる。
シリンダ1の内部を通過した磁束が、シリンダ1のエッ
ジ部分に集中して漏洩することが原因である。このた
め、シリンダ1の両端部分では、ピストン2が存在しな
いにも拘わらず、磁束密度分布のピークが発生する。
ンダ1のそれぞれの端、すなわち、ロッドエンド側およ
びヘッドエンド側にある場合の磁束密度分布を示してお
り、これらの図から明らかなように、ピストン2に埋め
込まれた磁石3による磁束密度分布のピークとシリンダ
1の端から漏洩する磁束密度分布のピークとが重なるた
めに、磁石3によって発生する磁束密度分布のピークの
シリンダ端側の傾斜が埋もれてしまうことが分かる。す
なわち、図13に示されるように、ピストン2がロッド
エンド側にあるときには、磁石3による磁束密度分布の
ピークのロッドエンド側の傾斜が埋もれることになり、
図14に示されるように、ピストン2がヘッドエンド側
にあるときには、磁石3による磁石密度分布のピークの
ヘッドエンド側が埋もれることになる。
取り付けについて説明する。通常、磁気センサA’は、
図16に示されるように、シリンダ1の両端に一対で取
り付けられる。これは、ピストン2が正常に動作してい
ることを確認するために、ピストン2のストロークの上
死点、下死点、すなわち、シリンダ1の両端でピストン
2をそれぞれ検出するためである。また、磁気センサ
A’の取り付け方向は、ケーブル20の処理の関係上、
ロッドエンド側の磁気センサA’は、ケーブル20をヘ
ッドエンド側へ引き出し、ヘッドエンド側の磁気センサ
A’は、ケーブル20をロッドエンド側に引き出せるよ
うに、逆向きに取り付けられる。なお、図16において
は、説明の便宜上、第1の検出コイル61を磁気センサ
A’の先端側に、第2の検出コイル62を磁気センサ
A’のケーブル20引き出し側に、間隔をあけて配置し
ている。
気センサの検出コイルの検出出力との関係を、図17お
よび図18にイメージ的に示す。これらの図は、磁気セ
ンサA’をシリンダ1の中央位置に向きを逆に配置した
場合を示しており、(a)は第1,第2の検出コイル6
1,62の検出出力1,2を、(b)は磁気センサの向き
を示しており、検出出力は、実際にはシリンダ1からの
漏洩磁束などの影響によって図示のようにきれいなピー
クではないが、これらの図では、説明の便宜上イメージ
的に示している。
A’の向きによって検出出力のピークの向きが谷形ある
いは山形に反転することになる。これは、図19および
図20に示されるように、磁気センサの向きによって検
出コイル61,62に流れる電流によって発生するコイル
の磁束の向きと、ピストン2に埋め込まれた磁石3の磁
束の向きが同一方向であるか逆方向であるかによって検
出出力の変化の方向が変わるためである。なお、図19
および図20において、(a)は磁気センサを、(b)
はピストンを、(c)は検出出力をそれぞれ示してお
り、矢符Bは電流の向きを、矢符Cは検出コイル61,
62に発生する磁束の向きを、矢符Dは磁石3の磁束の
向きを、矢符Eはピストン2の動作方向をそれぞれ示し
ている。
イルから他方の検出コイルの検出出力を差し引いた差動
出力が、予め定めた閾値を越えたときに、磁気センサの
検出出力を与えるものであり、例えば、図21または図
22の各検出コイルの検出出力(a)および磁気センサ
の検出出力(b)に示されるように、実線で示される第
1の検出コイル61の検出出力1から破線で示される第
2の検出コイル61の検出出力2を差し引いた差動出力
を用いてピストン2を検出する場合には、磁気センサ
を、いずれの向きに配置しても、各図(b)の磁気セン
サの検出出力に示されるように、検出コイル61,62の
検出出力のピークのヘッドエンド寄り、図の右寄りの傾
斜を利用して検出することになる。つまり、第1の検出
コイル61の検出出力1が第2の検出コイル62の検出出
力2を上回っていて、その差分が正となる領域を利用し
て検出することになる。なお、この図21,22は、磁
気センサをシリンダ1の中央位置に配置した場合に、中
央位置のピストン2を検出した状態を示している。
第1の検出コイル61を第2の検出コイル62よりも磁気
センサの先端寄りに配置して第1の検出コイル61から
第2の検出コイル62の検出出力を差し引いた差動出力
が、予め定めた閾値を越えたときに、磁気センサの検出
出力を与える構成では、検出出力のピークのヘッドエン
ド寄りの傾斜を利用してピストン2の検出が行われるこ
とになる。
いて説明したように、シリンダ1の内部を通過した磁束
が、シリンダ1の両端部分に集中して漏洩するため、シ
リンダ1の両端部分では、磁束密度分布のピークが発生
する。
磁気センサA’をロッドエンド側に配置してピストン2
を検出する場合には、図23および図24に示されるよ
うに、検出出力のピークのヘッドエンド寄り、すなわ
ち、図の右寄りの傾斜を利用して検出するので、第1の
検出コイル61の検出出力が第2の検出コイル62の検出
出力を上回って正しく検出できるけれども、磁気センサ
A’をヘッドエンド側に配置してピストン2を検出する
場合には、図25および図26に示されるように、検出
出力のピークのヘッドエンド寄り、すなわち、図の右寄
りの傾斜が、シリンダ1のヘッドエンドから漏洩する磁
束密度分布のピークに埋もれることになり、検出出力が
得られないことになる。
から第1の検出コイル61の検出出力を差し引いた差動
出力を用いてピストン2を検出する場合には、磁束密度
分布のピークのロッドエンド寄りの傾斜を利用して検出
することになるので、磁気センサA’をヘッドエンド側
に配置してピストン2を検出する場合には、第2の検出
コイル62の検出出力が第1の検出コイル61の検出出力
を上回って正しく検出できるけれども、磁気センサA’
をロッドエンド側に配置してピストン2を検出する場合
には、検出出力のピークのロッドエンド寄りの傾斜が、
シリンダ1のロッドエンドから漏洩する磁束密度分布の
ピークに埋もれることになり、検出出力が得られないこ
とになる。
サを、シリンダ1のロッドエンドあるいはヘッドエンド
のいずれかの側に配置してもピストン2を正しく検出で
きるようにするために、次のように構成している。
A’’は、図11に示されるように、第1,第2のピー
クホールド回路131,132と差動増幅回路15との間
に、各ピークホールド回路131,132の出力を、差動
増幅回路15の非反転入力あるいは反転入力にそれぞれ
切り替え選択して出力する第1,第2の信号切替回路2
11,212と、これら信号切替回路211,212に対し
て、いずれのピークホールド回路131,132の出力を
選択するかの第1,第2の切替信号を出力する切替信号
出力回路22を備えており、この切替信号出力回路22
は、後述の切替スイッチの切替操作に応じて対応する切
替信号を出力するものである。
て、切替信号出力回路22は、ハイレベルまたはローレ
ベルの第1の切替信号を第1の信号切替回路211に出
力するとともに、第1の切替信号を反転したローレベル
またはハイレベルの第2の切替信号を第2の信号切替回
路212に出力する。各信号切替回路211,212は、
例えばハイレベルの切替信号が与えられると、第1のピ
ークホールド回路131の出力を選択出力し、ローレベ
ルの切替信号が与えられると、第2のピークホールド回
路132の出力を選択出力するものである。
を、図16の左方に示されるロッドエンド側に配置して
ピストン2を検出する場合には、切替スイッチは、ロッ
ドエンドに対応する操作位置が選択され、この状態で
は、切替信号出力回路22は、ハイレベルの第1の切替
信号を第1の信号切替回路211に出力する一方、ロー
レベルの第2の切替信号を第2の信号切替回路212に
出力し、これによって、第1の信号切替回路211は、
第1のピークホールド回路131の出力を差動増幅回路
15の非反転入力に与える一方、第2の信号切替回路1
32は、第2のピークホールド回路132の出力を差動増
幅回路15の反転入力に与え、第1の検出コイル61の
検出出力から第2の検出コイル62の検出出力を差し引
いた差動出力を、コンパレータ14で比較することにな
る。
置した場合には、検出出力のピークのヘッドエンド寄り
の傾斜、すなわち、シリンダ1のロッドエンドから漏洩
する磁束密度分布に埋もれない側の傾斜を利用して検出
するので正しく検出できることになる。
に示されるヘッドエンド側に配置してピストン2を検出
する場合には、切替スイッチは、ヘッドエンドに対応す
る操作位置に切替選択され、この状態では、切替信号出
力回路22は、ローレベルの第1の切替信号を第1の信
号切替回路211に出力する一方、ハイレベルの第2の
切替信号を第2の信号切替回路212に出力し、これに
よって、第1の信号切替回路211は、第2のピークホ
ールド回路132の出力を差動増幅回路15の非反転入
力に与える一方、第2の信号切替回路212は、第1の
ピークホールド回路132の出力を差動増幅回路15の
反転入力に与え、第2の検出コイル62の検出出力から
第1の検出コイル61の検出出力を差し引いた差動出力
を、コンパレータ14で比較することになる。
置した場合は、検出出力のピークのロッドエンド寄りの
傾斜を利用して検出するので、ヘッドエンド寄りの傾斜
を利用する場合のように、シリンダ1のヘッドエンドか
ら漏洩する磁束密度分布のピークに埋もれて検出できな
いといったことがなく、正しく検出できることになる。
ンド側に配置してピストン2を検出する場合には、シリ
ンダ1のロッドエンドから漏洩する磁束密度分布のピー
クに、ピストン2の磁石3の磁束密度分布のピークが埋
もれないヘッドエンド寄りの傾斜を用いて検出し、磁気
センサA’’をヘッドエンド側に配置してピストン2を
検出する場合には、シリンダ1のヘッドエンドから漏洩
する磁束密度分布のピークに、ピストン2の磁石3の磁
束密度分布のピークが埋もれないロッドエンド寄りの傾
斜を用いて検出するので、いずれの位置に配置する場合
にも、シリンダ1の両エンドから漏洩する磁束密度分布
の影響を受けることなく、正しく検出できることにな
る。
すブロック図であり、対応する部分には、同一の参照符
号を付す。
ルの切替信号によって導通するそれぞれ二つのアナログ
スイッチ231,232;233,234で構成され、切替
信号出力回路22は、切り替え操作される上述の切替ス
イッチ24と、インバータ25と、抵抗R3とを備えて
おり、切替スイッチ24がオフしているときには、ロー
レベルの切替信号が、各信号切替回路211,212の第
1,第4のアナログスイッチ231,234に与えられる
一方、インバータ25を介してハイレベルの切替信号
が、各信号切替回路211,212の第2,第3のアナロ
グスイッチ232,233に与えられてアナログスイッチ
232,233がオンし、これによって、第1のピークホ
ールド回路131の出力が、第2の信号切替回路212を
介して差動増幅回路15の反転入力に与えられる一方、
第2のピークホールド回路132の出力が、第1の信号
切替回路211を介して差動増幅回路15の非反転入力
に与えられ、これによって、第2の検出コイル62の検
出出力から第1の検出コイル61の検出出力を差し引い
た差動出力を、コンパレータ14で比較することにな
る。
ハイレベルの切替信号が、各信号切替回路211,212
の第1,第4のアナログスイッチ231,234に与えら
れてアナログスイッチ231,234がオンする一方、イ
ンバータ25を介してローレベルの切替信号が、各信号
切替回路211,212の第2,第3のアナログスイッチ
232,233に与えられ、これによって、第1のピーク
ホールド回路131の出力が、第1の信号切替回路211
を介して差動増幅回路15の非反転入力に与えられる一
方、第2のピークホールド回路132の出力が、第2の
信号切替回路212を介して差動増幅回路15の反転入
力に与えられ、これによって、第1の検出コイル61の
検出出力から第2の検出コイル62の検出出力を差し引
いた差動出力を、コンパレータ14で比較することにな
る。
示されるように、トランジスタTR、排他的論理和回路
26,27、インバータ28,29、および抵抗R4〜
R7で構成してもよい。その他の構成は、図27と同様
であり、トランジスタTRのベースに、切替操作に対応
してハイレベルまたはローレベルの操作信号を与えれば
よい。
回路151,152を二つ設け、一方の差動増幅回路15
1の非反転入力には、第1のピークホールド回路131の
出力を、反転入力には、第2のピークホールド回路13
2の出力をそれぞれ与え、他方の差動増幅回路152の非
反転入力には、第2のピークホールド回路132の出力
を、反転入力には、第1のピークホールド回路131の
出力をそれぞれ与え、切替操作に対応する切替信号出力
回路30からの切替信号によって、信号切替回路31で
いずれかの差動増幅回路151,152の出力を選択して
コンパレータ14で比較するようにしてもよい。
増幅回路151の出力を選択した場合には、第1の検出
コイル61の検出出力から第2の検出コイル62の検出出
力を差し引いた差動出力を、コンパレータ14で比較す
ることになり、他方の差動増幅回路152の出力を選択
した場合には、第2の検出コイル62の検出出力から第
1の検出コイル61の検出出力を差し引いた差動出力
を、コンパレータ14で比較することになる。
説明するための図であり、同図(a)はこの実施の形態
の検出コイル61,62の配置を示すものであり、同図
(b)はピストン2がロッドエンドの検出位置にあると
きの磁束密度分布を示す図である。
るように、各検出コイル61,62で磁石3の磁力を検出
してその差分を用いてピストン2を検出したが、例え
ば、ピストン2の軸方向の厚みを薄くしてストロークを
確保する場合には、ピストン2に埋め込む磁石3の厚み
も薄くせざるを得ず、かかる場合には、磁石3の山形の
磁束密度分布の幅が狭くなるので、上述の図10のよう
に山形の傾斜を利用して検出するのは困難となる。
にも正確に検出できるようにするために、磁気センサの
第1の検出コイル61は、所定の検出位置にあるピスト
ン2の磁石3の磁力を検出し、第2の検出コイル6
2は、前記検出位置にあるピストン2の磁石3の磁力の
影響を直接受けることなく、シリンダ1の残留磁力を検
出できるように離れた位置に配置している。その他の構
成は、上述の実施の形態2と同様であり、第1の検出コ
イル61の検出出力から第2の検出コイル62の検出出力
を差し引いた差分が予め定めた閾値を越えたときに、磁
気センサの検出出力を与えるものである。
をロッドエンド側に配置し、ピストン2がロッドエンド
側の検出位置にきたときには、第1の検出コイル61で
ピストン2の磁石3の磁力が検出される一方、第2の検
出コイル62では、磁石2の磁力の影響を受けることな
く、シリンダ1の残留磁力および地磁気を検出すること
になる。したがって、第1の検出コイル61の検出出力
から第2の検出コイル62の検出出力を差し引くと、そ
の差分ΔHが正の大きな値となって閾値を越えて磁気セ
ンサの検出出力が得られることになる。
うに、ヘッドエンド側に配置した場合も、第1の検出コ
イル61は、ヘッドエンド側の検出位置にあるピストン
2の磁石3の磁力を検出し、第2の検出コイル62は、
検出位置にあるピストン2の磁石3の磁力の影響を受け
ることなく、残留磁力および地磁気を検出することにな
る。したがって、第1の検出コイル61の検出出力から
第2の検出コイル62の検出出力を差し引くと、その差
分ΔHが正の大きな値となって閾値を越えて磁気センサ
の検出出力が得られることになる。
磁気センサをロッドエンド側に配置し、ピストン2が所
定の検出位置にないとき、例えば、第2の検出コイル6
2の位置にあるときには、第1の検出コイル61では、ピ
ストン2が所定の検出位置にないために磁石3の磁力を
検出しておらず、第2の検出コイル62は、ピストン2
の磁石3の影響を直接受けてその磁力を検出しているた
めに、第1の検出コイル61の出力から第2の検出コイ
ル62の出力を差し引くと、その差分ΔHが負となって
磁気センサの検出出力が得られないことになる。
の検出位置にあるピストン2の磁石3の磁力を検出する
ように配置し、第2の検出コイル62を所定の検出位置
にあるピストン2の磁石3の磁力の影響を直接受けるこ
となく、シリンダ1の残留磁力を検出できるように配置
することにより、第1の検出コイル61の検出出力から
第2の検出コイル62の検出出力を差し引いた差分が、
予め定めた閾値を越えることによって、検出位置にある
ピストン2を検出できることになる。
の検出コイル62との配置間隔などは、実験的に定めら
れる。
の磁力と残留磁力との差分を用いて検出するので、上述
の第2の基本構成のように、磁石3による山形の磁束密
度分布の傾斜を利用して検出する場合に比べて、磁石3
の厚みが薄くなったり、ピストン2の移動速度が速くな
っても正確な検出が可能となる。
ら第2の検出コイル62の検出出力を差し引くので、上
述の実施の形態2と同様に、残留磁力や地磁気の影響を
除くことができる。
響を除くだけであれば、本発明の検出コイルに代えて、
リードスイッチ、磁気抵抗素子あるいはホール素子など
を用いて検出するようにしてもよい。
1,第2の検出コイル61,62を内蔵したけれども、第
1,第2の検出コイル61,62は、離れて配置されるの
で、個別の筺体に内蔵させて配置してもよい。
では、各検出コイル61,62は、シリンダ1に平行に配
置したれども、本発明の他の実施の形態として、図33
に示されるようにシリンダ1に対して傾斜させて配置し
てもよい。
コイルに印加して励磁したけれども、本発明の他の実施
の形態として、交流電流で励磁してもよい。
トンの位置を検出するシリンダスイッチに適用したれど
も、本発明は、これに限ることなく、容器内を移動する
被検出体を容器の外部から検出する場合に適用できるも
のである。
な効果が奏される。
出コイルの検出出力から第2の検出コイルの検出出力を
差し引いた差分に基づいて被検出体を検出するか、前記
第2の検出コイルの検出出力から前記第1の検出コイル
の検出出力を差し引いた差分に基づいて前記被検出体を
検出するかを、切り替え可能としているので、当該磁気
センサを、例えば、シリンダのヘッドエンド側、あるい
は、ロッドエンド側に配置する際に、シリンダの両端か
ら漏洩する磁束の影響を受けにくい方の差分にも基づい
て被検出体を検出できる。
にある被検出体の磁石の磁力を検出する第1の検出コイ
ルと、所定位置にある前記被検出体の磁石の磁力の影響
を受けないように前記第1の検出コイルから離されて配
置されて残留磁力を検出する第2の検出コイルとを備え
ているので、二つの検出コイルで共に磁石の磁力を検出
して、磁石の磁束密度分布の山形あるいは谷形の傾斜を
利用して被検出体を検出する構成に比べて、例えば、磁
石の厚みが薄い場合や被検出体の移動速度が速い場合で
も被検出体を検出できる。
ための概略構成図である。
る。
ための概略構成図である。
る。
る。
関係を示す図である。
布との関係を示す図である。
布との関係を示す図である。
ージ的に示す図である。
ージ的に示す図である。
の磁石の磁束の向きおよび検出出力の関係を示す図であ
る。
の磁石の磁束の向きおよび検出出力の関係を示す図であ
る。
出力との関係を示す図である。
出力との関係を示す図である。
の各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出出力との
関係を示す図である。
の各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出出力との
関係を示す図である。
の各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出出力との
関係を示す図である。
の各検出コイルの検出出力と磁気センサの検出出力との
関係を示す図である。
である。
図である。
である。
ための図である。
ための図である。
ための図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 磁石が組み込まれたピストンの、磁性体
材料からなるシリンダ内における位置を検出する磁気セ
ンサであって、前記シリンダ外のロッドエンド側とヘッドエンド側との
それぞれにおいて、高透磁率の軟磁性体からなる芯材に
コイルを巻き付けてなる検出コイルを、少なくとも2個
それぞれ設け、この少なくとも2個の検出コイルを、前
記ピストンの移動方向に位置をずらして第1の検出コイ
ル、第2の検出コイルとして配置し、前記検出コイルを
励磁して、前記ピストンの位置に応じて変化する前記芯
材の磁気飽和特性曲線の高透磁率領域における透磁率を
利用して、前記第1の検出コイルの検出出力から第2の
検出コイルの検出出力を差し引いた差分に基づいて前記
ピストン位置を検出するか、前記第2の検出コイルの検
出出力から前記第1の検出コイルの検出出力を差し引い
た差分に基づいて前記ピストン位置を検出するかを、切
り替え可能とした ことを特徴とする磁気センサ。 - 【請求項2】 磁石が組み込まれたピストンの、磁性体
材料からなるシリンダ内における位置を検出する磁気セ
ンサであって、 前記シリンダ外のロッドエンド側とヘッドエンド側との
それぞれにおいて、高透磁率の軟磁性体からなる芯材に
コイルを巻き付けてなる検出コイルを、少なくとも2個
それぞれ設け、この少なくとも2個の検出コイルを、前
記ピストンの移動方向に第1の検出コイル、第2の検出
コイルとして前記シリンダ内の所定位置にある前記ピス
トンの磁石の磁力を検出する位置と、前記所定位置にあ
る前記ピストンの磁石の磁力の影響を受けることなく前
記シリンダの残留磁力を検出する位置とに離隔配置し、
前記第1の検出コイルと前記第2の検出コイルを励磁し
て、前記ピストンの位置に応じて変化する前記芯材の磁
気飽和特性曲線の高透磁率を利用することにより前記ピ
ストンの位置を検出する 磁気センサ。
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1999
- 1999-04-21 JP JP11338999A patent/JP3404624B2/ja not_active Expired - Fee Related
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