JP3404410B2 - 水性樹脂およびそれを用いた水性印刷インキ組成物 - Google Patents

水性樹脂およびそれを用いた水性印刷インキ組成物

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JP3404410B2
JP3404410B2 JP20248592A JP20248592A JP3404410B2 JP 3404410 B2 JP3404410 B2 JP 3404410B2 JP 20248592 A JP20248592 A JP 20248592A JP 20248592 A JP20248592 A JP 20248592A JP 3404410 B2 JP3404410 B2 JP 3404410B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性印刷インキ組成物
に有用なアルカリ可溶型水性樹脂に関し、より詳しくは
特定の共重合体からなる樹脂を使用することにより、良
好な顔料分散性を有し、撥水ライナー、プラスチックフ
イルムなどに対して、高い光沢、優れたレベリング性を
有する水性印刷インキ組成物を提供しようとするもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より食品や電気製品等の包装容器に
印刷する印刷インキの分野では、高い光沢と、かすれや
ムラづきのない優れたレベリング性を有する印刷インキ
が要望されている。これは、包装容器が単なる内容物の
表示にとどまらず、印刷によって内容物により高級・高
品質なイメージを持たせることを目的としているためで
ある。
【0003】一般に、段ボールや紙袋等の紙を対象とす
る印刷インキは、無機または有機顔料をバインダー樹脂
で混練して得られ、紙印刷では古くから水性印刷インキ
が使用されていた。また最近では、労働安全、火災の危
険性などの面から、プラスチックフイルムを対象とする
印刷においても、一部水性インキが使用されるようにな
ってきている。
【0004】これらの水性印刷インキにおいて、インキ
光沢を高くするためには、顔料を細かく分散させ、また
顔料によく吸着するバインダー樹脂が求められている
が、従来の水性印刷インキ用バインダー樹脂である、シ
ェラック、スチレン−アクリル酸系樹脂、或いはスチレ
ン−無水マレイン酸樹脂などは、有機顔料に対する濡れ
が充分とは言えず、光沢、レベリング性などに問題があ
った。そこで、顔料表面を親水化処理して使用する方
法、顔料分散剤として各種界面活性剤を使用する方法等
が用いられていたが、これらの方法ではインキの発泡や
耐水性の低下などの問題があった。
【0005】他方、樹脂自体に顔料分散性を持たせる方
法として、例えば塗料などの分野では、油脂脂肪酸変性
(メタ)アクリル系単量体、α,β−エチレン性不飽和
含窒素単量体、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸
エステル単量体を共重合して得られる樹脂を顔料分散剤
として使用し、顔料分散性を改良する方法、例えば特開
昭60−188472号公報、C25モノカルボン
酸のビニルエステル及び/又はC24モノアルコー
ルの(メタ)アクリル酸エステル単量体、α,β−エチ
レン性不飽和含窒素単量体、α,β−エチレン性不飽和
カルボン酸を共重合して得られる樹脂を分散剤として使
用し、顔料分散性を改良する方法、例えば特開昭60−
92360号公報が提案されている。
【0006】しかし、これらの共重合体からなる樹脂
は、流動性やレベリング性が充分とは言えず、優れた印
刷物を得る事ができない等の問題があった。従って、こ
れらの樹脂は、塗料の分野では使用できても、印刷イン
キの分野では、上記の問題から使用できないものであっ
た。更に最近の青果物や水産物等の段ボールケースで
は、水漏れによる変形や強度の劣化を防止するために、
撥水ライナーと呼ばれる、水をはじく紙が外材として使
用されているが、水性インキでは撥水ライナー上ではじ
かれて、印刷物が得られないという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的と
するところは、優れた顔料分散性、溶解性を有し、かつ
良好な撥水ライナー適性を有するアルカリ可溶型水性樹
脂を提供する事にある。更に、撥水ライナーやプラスチ
ックフイルムに印刷された際に、高い光沢と優れたレベ
リング性を有する印刷物を可能にする、水性印刷インキ
組成物を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本願出願人ら
は、樹脂の分子構造に着目し、鋭意研究を重ねた結果、
特定のアルカリ可溶性樹脂が、光沢、レベリング性及び
撥水ライナー適性に優れた水性印刷インキ組成物を与え
る事を見いだし、本発明を完成させたものである。即
ち、本発明は、 (a)以下の一般式(1)で表されるラジカル重合性不飽和結合を有するジカ ルボン酸ハーフエステル単量体の少なくとも1種の化合物 5〜55重量%
【化2】 [ここで、Rは炭素数が1〜24の、側鎖を含んでも
よいアルキル基、Xは炭素数が2または3のラジカル重
合性不飽和結合を有する炭化水素基を表す。] (b)スチレン系単量体 3〜94重量% (c)α,β−エチレン性不飽和含窒素単量体 1〜60重量% (d)その他の共重合可能なα,β−エチレン性不飽和基含有単量体 0〜30重量% の各成分を、不活性ガス下溶媒中で、反応開始剤の共存
下、60〜170℃でランダム共重合させて得られる、
分子量5,000〜100,000、融点40〜180
℃を有するアルカリ可溶型水性樹脂およびそれを含有し
た水性印刷インキ組成物に関するものである。
【0009】以下、本発明の水性印刷インキ組成物につ
いてより詳しく説明する。まず、アルカリ可溶型水性樹
脂を得るために使用する単量体成分として、一般式
(1)で示されるジカルボン酸ハーフエステルは、ラジ
カル重合性不飽和結合を有するジカルボン酸またはその
無水物と、炭素数1ないし24のモノアルコールとを反
応させて得られる化合物である。
【化3】 [ここで、Rは炭素数が1〜24の、側鎖を含んでも
よいアルキル基、Xは炭素数が2または3のラジカル重
合性不飽和結合を有する炭化水素基を表す。]
【0010】酸または酸無水物として、具体的には、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無
水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等が挙
げられる。またこれに反応させるモノアルコールとし
て、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノ
ール、ウンデカノール、ヘプタデカノールなどが挙げら
れる。モノアルコールのアルキル基の炭素数が24より
多くなると、樹脂の分離や沈降を起こして好ましくな
い。
【0011】これらのラジカル重合性不飽和結合を有す
るジカルボン酸ハーフエステル単量体は、アルカリ可溶
型水性樹脂中、5〜55重量%の範囲で単独または混合
して使用できる。この単量体の使用量が5重量%未満で
は、本発明の目的とする効果が得られず、また55重量
%を越えると、反応性が低下して、水中での分散安定性
の良好な樹脂が得られなくなる。
【0012】次に、スチレン系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ
る。なお、このスチレン系単量体は、3〜94重量%の
範囲で使用できるが、共重合の際の反応性から、前記の
ジカルボン酸ハーフエステル単量体と同モル以上使用す
る事が好ましい。
【0013】次に、α,β−エチレン性不飽和含窒素単
量体としては、以下の一般式(2)で示されるアミノア
ルキル(メタ)アクリレート、または一般式(3)で示
されるアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミ
ド、及び含窒素複素環を有する不飽和単量体が使用でき
る。
【化4】
【化5】 [上記一般式(2)及び(3)中、RはHまたはメチ
ル基、R炭素数2〜8の、アルキレン基、Rおよび
はHまたは炭素数が1〜6のアルキル基を表す。ま
たRはモノまたはジアルキルアミノアルキル基を表
す。]
【0014】ここで具体的に、一般式(2)で示される
化合物としては、N−エチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N−プロピルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。
【0015】また一般式(3)で示される化合物として
は、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−
プロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリ
ルアミド等が挙げられる。
【0016】更に含窒素複素環を有する不飽和単量体と
しては、ビニルピロリドン類、ビニルピリジン類、ビニ
ルイミダゾール類、ビニルカルバゾール類、ビニルキノ
リン類、ビニルピペリジン類などが挙げられる。これら
のα,β−エチレン性不飽和含窒素単量体は、単独また
は混合して、アルカリ可溶型水性樹脂中、1〜6重量%
の範囲で使用できる。この使用量が1重量%未満では、
本発明の目的とする効果が得られず、また60重量%を
越えるとインキの流動性が不良となり、また耐水性が低
下して好ましくない。
【0017】次に、他の共重合可能なα,β−エチレン
性不飽和基含有単量体としては、ラジカル重合性不飽和
結合を有するカルボン酸類、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル類、ラジカル重合性不飽和結合を有するジカ
ルボン酸ジエステル類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
アルキルエステル類、(メタ)アクリルアミド類、不飽
和二重結合を有するエーテル化合物類が使用できる。
【0018】より具体的には、ラジカル重合性不飽和結
合を有するカルボン酸:(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸
等 (メタ)アクリル酸アルキルエステル:(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチル
ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸ステアリル等
【0019】ラジカル重合性不飽和結合を有するジカル
ボン酸ジエステル:マレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無
水シトラコン酸などの酸成分と、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタ
ノール、デカノール、ウンデカノール、ヘプタデカノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエ
ーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシル
エーテル、プロピレングリコールモノオクチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ
オクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル
等の水酸基含有成分とを反応させて得られるラジカル重
合性不飽和結合を有するジカルボン酸ジエステル類
【0020】(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエ
ステル:2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
ペンチル(メタ)アクリレエート等 (メタ)アクリルアミド単量体:(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘ
キシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アク
リルアミド、等
【0021】不飽和二重結合を有するエーテル化合物:
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビ
ニルエーテル、オクチルビニルエーテル等が挙げられ
る。
【0022】以上の成分からなるアルカリ可溶型水性樹
脂の、水溶化のために必要なカルボキシル基の含有量
は、当該水溶性アルカリ可溶型水性樹脂の酸価を30〜
250の範囲とする量である。なお、ラジカル重合性不
飽和樹脂を有するジカルボン酸ハーフエステル単量体の
みで所望の酸価が得られない場合は、その他の共重合可
能なビニル基含有単量体として、カルボキシル基を有す
る単量体を共重合する事により、樹脂の酸価を調整する
事ができる。
【0023】ここでアルカリ可溶型水性樹脂の酸価が3
0より小さくなると、樹脂が溶解性の低下から分離や沈
降を起こし、また250より大きくなると耐水性が低下
し、好ましい結果が得られなくなる。なお、紙を対象と
する印刷では、耐水性はあまり強く要求されないため、
この分野で使用される水性印刷インキ組成物では、前記
ジカルボン酸ハーフエステルを20〜50重量%を含有
し、更に必要であれば、カルボキシル基を有するα,β
一エチレン性不飽和基含有単量体を含有することによ
り、酸価が160〜230である樹脂が好適に使用され
る。一方、プラスチックフイルムを対象とする印刷で
は、耐水性が強く求められるため、この分野で使用され
る水性印刷インキ組成物では、前記ジカルボン酸ハーフ
エステルを20〜30重量%含有し、更に必要であれ
ば、カルボキシル基を有するα,β一エチレン性不飽和
基含有単量体を含有することにより、酸価が50〜10
である樹脂が好適に使用される。
【0024】本発明のアルカリ可溶型水性樹脂の製造方
法に関しては、窒素などの不活性ガス下、沸点が60〜
200℃の、モノまたはポリアルキレングリコールある
いは、そのエーテルまたはエステル系溶媒、酢酸エステ
ル系溶媒等の水混和性溶剤、芳香族炭化水素系溶媒、ケ
トン系溶媒等の水非混和性溶剤中に前記の各成分の単量
体を添加混合し、ジターシヤリブチルパーオキサイド、
ベンゼンパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル
等の反応開始剤を添加して、60〜170℃で1〜10
時間、好ましくは4〜8時間ランダム共重合させて、分
子量5,000〜100,000、好ましくは10,0
00〜30,000、融点40〜180℃を有するアル
カリ可溶型水性樹脂が、有機溶媒を乾燥させて得る事が
できる。更に、アルカリを添加した水中に当該固体樹脂
を添加し、加熱溶解させて水溶性樹脂ワニスとして使用
する事ができる。
【0025】ここで水溶化のために使用するアルカリと
しては、アンモニア水、アルカリ金属の水酸化物などの
無機アルカリ、有機アミン等の有機アルカリが使用で
き、具体的には、アルカリ金属の水酸化物として、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等、有機アミンとして
は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、モルホリン等が使用できる。
【0026】本発明で特定するアルカリ可溶型水性樹脂
を使用して、水性印刷インキを製造する際に、使用する
顔料としては、一般に水性インキで使用できる無機、有
機あるいは体質顔料が使用できる。また、併用可能なそ
の他の水性バインダー樹脂としては、特に制限はない
が、用途に応じて、例えばシェラック樹脂、アクリル系
樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−アクリル酸系樹
脂、エチレン−アクリル酸系樹脂、ポリエステル樹脂等
の水溶性および水分散性樹脂が使用できる。
【0027】なお、特にプラスチックフイルム用水性印
刷インキ組成物では、プラスチックフイルムに体する接
着性が要求されるため、接着性の良好な水性バインダー
樹脂と併用して使用する事が好ましい。以上の、顔料、
アルカリ可溶型水性樹脂、その他の水性バインダー樹脂
を使用して水性印刷インキ組成物を製造するには、まず
顔料100重量部に対して、アルカリ可溶型水性樹脂を
固形分として、2ないし25重量部を撹拌混練して水性
顔料分散物を得た後、残りのインキ材料の所定量を添加
混合して製造する事ができる。なお、当該水性印刷イン
キ組成物の性能低下をきたさない範囲で水混和性溶剤、
各種添加剤を添加混合する事ができる。
【0028】ここで、水混和性溶剤としては、低級アル
コール類、多価アルコール類及びそのアルキルエーテル
またはアルキルエステル類などが挙げられ、具体的に
は、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、
イソプロパノール等の低級アルコール類、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アル
コール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールアセテート、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルグリコール等が利用できる。
【0029】各種添加剤としては、顔料分散剤、レベリ
ング剤、消泡剤等を添加する事ができる。また、印刷可
能な被印刷体として、紙ではジュート紙、クラフト紙、
撥水ライナー、各種コート紙を挙げる事ができ、またプ
ラスチックフイルムとしては、ポリエチレン、延伸及び
非延伸ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セロ
ファン等を挙げる事ができる。
【0030】この様にして得られた水性印刷インキ組成
物は、良好な顔料分散性と流動性を有し、フレキソ或い
はグラビア印刷方式によって、各種紙やプラスチックフ
イルムに印刷が可能で、光沢、レベリング性に優れた印
刷物を得る事ができる。以下、実施例でもって、本発明
をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。
【0031】
【実施例】<アルカリ可溶性水性樹脂合成例1> 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラス
コに、酢酸エチル350部を仕込み、75〜78℃に加
熱した後、窒素ガスを導入しながら、表1の水性樹脂N
o.1〜5、9〜11、13〜18の組成比率を有する
単量体混合物250部、及び反応開始剤として、ジター
シャリーブチルパーオキサイド2.5倍を混合して、2
時間かけて滴下した。更に、同温度に保ちながら2時間
ランダム共重合させた後、溶剤を減圧下、蒸発させて、
それぞれアルカリ可溶型水性樹脂No.1〜5、9〜1
1、13〜18を得た。
【0032】<アルカリ可溶性水性樹脂合成例2>撹拌
機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコ
に、キシレン350部を仕込み、135〜138℃に加
熱した後、窒素ガスを導入しながら、表1の水性樹脂N
o.6〜8、12の組成比率を有する単量体混合物25
0部、及び反応開始剤として、ジターシャリーブチルパ
ーオキサイド2.5部を混合して、2時間かけて滴下し
た。更に、同温度に保ちながら2時間ランダム共重合さ
せた後、溶剤を減圧下、蒸発させて、それぞれアルカリ
可溶型水性樹脂No.6〜8、12を得た。
【0033】<水性樹脂ワニスの調製> 以上の合成例1、2によって得られたアルカリ可溶型水
性樹脂1〜18それぞれ400部を破砕した後、当量の
アンモニアを溶解させた水600部中に撹拌混合し、8
0℃で加熱溶解させて、固形部40%、粘度10〜20
poise(20℃)の水溶性ワニスを得た。
【0034】(実施例1〜14)及び(比較例1〜6) 顔料とそれぞれ水性樹脂ワニスとを撹拌混合し、ビーズ
ミルを使用して常法に従い混練後、表2のインキ組成に
従って各種インキ材料を添加し、それぞれ水性印刷イン
キ組成実施例1〜14、比較例1〜6を得た。ここで実
施例1〜8及び比較例1〜2の顔料として、ファストゲ
ンブル−TGR、(大日本インキ化学工業)、実施例9
〜14及び比較例3〜6の顔料として、セイカファース
トイエロー2200(大日精化工業)を使用した。ま
た、水性バインダー樹脂Aとして、ジョンクリル74J
(ジョンソンポリマー、固形分45%)、水性バインダ
ー樹脂Bとして、ジョンクリルJ7001(ジョンソン
ポリマー、固形分47%)を使用した。
【0035】実施例1〜8及び比較例1〜2の評価 実施例1〜8及び比較例1〜2で得られた水性印刷イン
キの、流動性、貯蔵安定性の評価試験を行った。また、
当該水性印刷インキを、ハンドプルーファーを使用し
て、コート紙(レンゴーCRC)及び撥水ライナー(本
州製紙、スーパーK)に印刷し、光沢、レベリング性、
及び撥水ライナー適正の評価を行った。その評価結果を
表3に示した。
【0036】実施例9〜14及び比較例3〜6の評価 実施例9〜14及び比較例3〜6で得られた水性印刷イ
ンキの、流動性、貯蔵安定性の評価を行った。また、当
該印刷インキを、グラビア校正機(東谷製作所、版深度
32μ)を使用して、OPフィルム(東京紡績、P−2
161)に印刷し、光沢、レベリング性の評価を行っ
た。その評価結果を表3に示した。
【0037】なお、評価は、以下に示す方法で行った。 インキ流動性 B型粘度計を使用して、30rpmと6
0rpmの回転速度でのインキ粘度比が、1に近いもの
ほど流動性が良好として評価した。 粘度比 30rpmの時の粘度/60rpmの時の粘度 A:粘度比が1.2以下のもの B:粘度比が1.2を越え、1.5以下のもの C:年度比が1.5を越えるもの
【0038】貯蔵安定性 実施例1〜8及び比較例1
〜2 水性印刷インキの初期粘度と、40℃で7日間保存後の
粘度の比率から貯蔵安定性を評価した。 40℃で7日間保存後の粘度/初期粘度(B型粘度計、
30rpm) A:粘度比が1.5以下のもの B:粘度比が1.5を越え、2.0以下のもの C:粘度比が2.0を越え、4.0以下のもの D:粘度比が4.0を越えるもの
【0039】実施例9〜14及び比較例3〜6 40℃で7日間保存後の水性印刷インキの状態の変化か
ら貯蔵安定性を評価した。 A:凝集、沈降物が全くなく、インキ面に色分かれのみ
られないもの B:凝集、沈降物が全くないが、インキ面に色分かれが
みられるもの C:凝集、沈降物が有り、インキ面に色分かれが激しい
もの
【0040】光沢 印刷物の光沢をグロスメー
ターで測定し、その数値より光沢の評価を行った。 実施例1〜8及び比較例1〜2(コート紙印刷物、75
°反射光測度) A:測定値が60以上のもの B:測定値が50以上60未満のもの C:測定値が40以上50未満のもの D:測定値が40未満のもの
【0041】実施例9〜14及び比較例3〜6(OPP
印刷物、60°反射光測度) A:測定値が70以上のもの B:測定値が60以上70未満のもの C:測定値が50以上60未満のもの D:測定値が50未満のもの
【0042】レベリング性 印刷物の色ムラの程度の目
視判断から、レベリング性を評価した。 A:全く色ムラが認められないもの B:僅かに色ムラが認められるもの C:ムラが激しいもの
【0043】撥水ライナー適性 実施例1〜8及び比較
例1〜2(撥水ライナー印刷物) 印刷物の転移性、色ムラの程度の目視判断から、撥水ラ
イナー適性を評価した。 A:印刷面に抜けがなく、全く色ムラが認められないも
の B:印刷面に抜けはないが、全く色ムラが認められない
もの C:印刷面に抜けがあり、色ムラも激しいもの
【0044】
【表1】
【0045】
【0046】
【0047】
【表2】
【0048】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】以上、実施例を用いて具体的に説明した
ように、本発明で特定するアルカリ可溶型水性樹脂を使
用した水性印刷インキ組成物は、優れた流動性、貯蔵安
定性を有し、紙やプラスチックフイルムに印刷された際
に、優れた光沢とレベリング性及び撥水ライナー適性を
有する印刷物が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 11/10 C09D 11/10 (72)発明者 小島 満 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目23番37号 サカタインクス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−134420(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 212/00 - 212/36 C08F 222/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、水性バインダー樹脂、および水か
    ら主として構成される水性印刷インキ組成物において、
    当該水性バインダー樹脂が、下記の成分(a)、成分
    (b)、成分(c)、及び必要に応じて成分(d)を、
    不活性ガス下溶媒中で、反応開始剤の共存下、60〜1
    70℃でランダム共重合させて得られる、分子量5,0
    00〜100,000、融点40〜180℃を有するア
    ルカリ可溶型水性樹脂であり、且つ前記アルカリ可溶型
    水性樹脂を当該水性印刷インキ組成物中に固形分として
    1〜20重量%含有する事を特徴とする水性印刷インキ
    組成物。 (a)以下の一般式(1)で表されるラジカル重合性不飽和結合を有するジカル ボン酸ハーフエステルから選ばれた少なくとも1種の単量体 5〜55重量% 【化1】 [ここで、R1は炭素数が1〜24の、側鎖を含んでも
    よいアルキル基、Xは炭素数が2または3のラジカル重
    合性不飽和結合を有する炭化水素基を表す。] (b)スチレン系単量体 3〜94重量% (c)α,β一エチレン性不飽和含窒素単量体 1〜60重量% (d)その他の共重合可能なα,β一エチレン性不飽和基含有単量体 0〜30重量%
  2. 【請求項2】 紙用水性印刷インキ組成物であって、前
    記アルカリ可溶型水性樹脂が、(a)成分を20〜50
    重量%を含有し、更に必要であればカルボキシル基を有
    する成分(d)を含有することにより、酸価が160〜
    230の範囲であり、且つ該アルカリ可溶型水性樹脂を
    当該水性印刷インキ組成物中に固形分として4〜20重
    量%含有する事を特徴とする、請求項1記載の水性印刷
    インキ組成物
  3. 【請求項3】 プラスチックフイルム用水性印刷インキ
    組成物であって、前記アルカリ可溶型水性樹脂が、
    (a)成分を20〜30重量%含有し、更に必要であれ
    ばカルボキシル基を有する成分(d)を含有することに
    より、酸価が50〜100の範囲であり、且つ該アルカ
    リ可溶型水性樹脂を当該水性印刷インキ組成物中に固形
    分として4〜20重量%含有する事を特徴とする、請求
    項1記載の水性印刷インキ組成物
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