JP3229061B2 - 水性樹脂およびそれを用いた水性印刷インキ組成物 - Google Patents
水性樹脂およびそれを用いた水性印刷インキ組成物Info
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Description
な水性樹脂、及びそれを用いた水性印刷インキ組成物に
関し、より詳しくは、特定の単量体を共重合させた水性
樹脂を使用することにより、インキ組成物として、貯蔵
安定性、流動性に優れ、更に各種印刷用紙、プラスチッ
クフィルム等に印刷された時に、高い光沢、優れたレベ
リング性を有する印刷物を与える水性印刷インキ組成物
を提供しようとするものである。
印刷する印刷インキの分野では、高い光沢と、かすれや
ムラづきのない優れたレベリング性を有する印刷インキ
が要望されている。これは、包装容器が単なる内容物の
表示にとどまらず、高品位印刷を施す事により、内容物
により高級・高品質なイメージを持たせるためである。
る印刷インキは、古くから水性印刷インキが使用されて
おり、また、最近では、労働衛生、防災の面から、プラ
スチックフィルムを対象とする印刷においても、一部水
性インキが使用されるようになってきている。
機顔料を水性バインダー樹脂で混練して得られるが、イ
ンキの光沢を高くするためには、顔料を細かく分散さ
せ、また顔料によく吸着する水性バインダー樹脂が必要
となる。しかし、従来から水性印刷インキで使用されて
いる、シェラック、スチレン−アクリル酸系樹脂、或い
はスチレン−無水マレイン酸樹脂等の水性バインダー樹
脂は、有機顔料に対する濡れが充分とは言えず、光沢、
レベリング性などに問題があった。
る方法、顔料分散剤として各種界面活性剤を使用する方
法等が用いられていたが、これらの方法ではインキの発
泡や耐水性の低下などの問題があった。他方、樹脂自体
に顔料分散性を持たせる方法として、例えば塗料などの
分野では、特開昭60−188472号公報、特開昭6
0−92360号公報等で、水溶性アクリル系樹脂とし
て、長鎖アルキル基を有する単量体、含窒素基を有する
単量体、カルボキシル基を有する単量体を共重合して得
られる樹脂を顔料分散剤として使用し、顔料分散性を改
良する方法が提案されている。
は、溶解性が充分とは言えず、インキ化した場合に、イ
ンキの貯蔵安定性、流動性が低下し、またレベリング性
の優れた印刷物を得る事ができない等の問題があった。
従って、これらの樹脂は、塗料の分野では使用できて
も、印刷インキの分野では使用できないものであった。
一方、特開平4−139271号公報には、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸モノア
ルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ジアル
キルエステル共重合体を水性印刷インキのビヒクル成分
として使用する事により、処理ポリオレフィンフィルム
に対する濡れが向上する事が記載されている。
顔料に対する濡れが充分でなく、インキの貯蔵安定性、
流動性が低いレベルとなり、また高い光沢を有する印刷
物が得られない等の問題があった。更に青果物や水産物
等の容器は、水濡れによる変形や強度の劣化を防止する
ために、ほとんどが撥水処理された段ボールケースとな
っている。この撥水処理された段ボール面では、水性イ
ンキがはじかれて、きれいな印刷物が得られないという
問題もあった。
ころは、優れた顔料分散性、溶解性を有する水性樹脂を
開発し、それを用いる事により、印刷インキの貯蔵安定
性、流動性が良好で、更に各種印刷用紙やプラスチック
フィルムに印刷された時に、高い光沢と優れたレベリン
グ性を有する印刷物を得る事ができる水性印刷インキ組
成物を提供する事にある。
ランダム共重合させた、分子量5,000〜100,0
00、酸価30〜250の範囲にある水性樹脂におい
て、前記水性樹脂中、成分(a)として、以下の一般式
(1)で表されるジカルボン酸ハーフエステル単量体、
及び/または一般式(2)で表されるジカルボン酸ハー
フアミド単量体を5重量%以上含有する事を特徴とする
水性樹脂。
びR3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1〜4
のアルキル基、R5は炭素数1〜4のアルキル基または
炭素数の合計が3〜12のジアルキルアミノアルキル基
を表す。またXは炭素数が2または3のラジカル重合性
不飽和結合を有する炭化水素基を表す。)及び該水性樹
脂を1〜20重量%含有した水性印刷インキ組成物,特
に紙用とプラスチックフイルム用には、それぞれ4〜2
0重量%と1〜5重量%含有した好適な水性印刷インキ
組成物に関するものである。以下、本発明の水性樹脂及
び水性印刷インキ組成物についてより詳しく説明する。
カル重合性不飽和結合を有するジカルボン酸ハーフエス
テル単量体として、以下の一般式(1)で示されるジカ
ルボン酸ハーフエステルは、ラジカル重合性不飽和結合
を有するジカルボン酸またはその無水物と、ジアルキル
モノアルカノールアミン化合物とを反応させて得られる
化合物である。 (ここで、R1は炭素数2〜8のアルキレン基、R2およ
びR3は炭素数1〜4のアルキル基、またXは炭素数が
2または3のラジカル重合性不飽和結合を有する炭化水
素基を表す。)ここで、ジカルボン酸またはその酸無水
物として、具体的にはマレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、
無水シトラコン酸等が挙げられる。なお、不飽和結合を
開裂させずに反応させるためには、酸無水物を使用する
事が好ましい。一方、ジアルキルモノアルカノールアミ
ン化合物としては、N,N−ジメチルアミノエタノー
ル、N,N−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジメ
チルアミノプロパノール、N,N−ジエチルアミノブタ
ノール等が挙げられる。
ルボン酸ハーフエステルは、ラジカル重合性不飽和結合
を有するジカルボン酸またはその無水物と、ジアルキル
アミン化合物、またはジアルキルアミノアルキル(アル
キル)アミン化合物とを反応させて得られる化合物であ
る。 (ここで、R4は炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素
数1〜4のアルキル基または炭素数の合計が3〜12の
ジアルキルアミノアルキル基、またXは前記の定義を表
す。)◎ここで、ジカルボン酸またはその酸無水物とし
ては、前記の酸または酸無水物を挙げる事ができる。
N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、
N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、
N,N−メチルエチルアミン、N,N−エチルプロピル
アミン、N,N−エチルブチルアミン等が挙げられる。
ル)アミン化合物としては、N,−ジメチルアミノメチ
ルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,
N−ジエチルアミノメチルアミン、N,N−ジエチルア
ミノエチルアミン、N,N−ジプロピルアミノプロピル
アミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N
−メチルエチルアミノプロピルアミン、N,N−エチル
プロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノ
エチルアミン等が挙げられる。
るジカルボン酸ハーフエステル単量体は、1種でも複数
種でも使用する事ができ、またその使用量の総和は5〜
55重量%である。このジカルボン酸ハーフエステル単
量体の使用量が5重量%未満では、良好な顔料分散性を
有する水性樹脂が得られなくなり、また、使用量の総和
が55重量%を越えると、水性樹脂の合成時の反応性が
低下して好ましくない。
ル単量体としては、一般式(3)で示されるジカルボン
酸アルキルハーフエステル (ここで、 R6は炭素数が1〜24のアルキル基、Xは
炭素数が2または3のラジカル重合性不飽和結合を有す
る炭化水素基を表す。)一般式(3)で示されるは、ラ
ジカル重合性不飽和結合を有するジカルボン酸またはそ
の無水物と、炭素数1ないし24のモノアルコール化合
物とを反応させて得られる化合物である。ここで、酸ま
たは酸無水物としては、前記の酸または酸無水物を挙げ
る事ができる。
的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ウン
デカノール、ヘプタデカノールなどが挙げられ、中でも
プロパノール、ブタノール、ヘキサノールが好適であ
る。モノアルコールのアルキル基の炭素数が24より多
くなると、樹脂の溶解性が低下し、分離や沈降を起こし
て好ましくない。
酸ハーフエステル単量体は、1種でも複数種でも使用す
る事ができ、またその併用量は、一般式(1)〜(3)
で表されるジカルボン酸ハーフエステル単量体の使用量
の総和を10〜55重量%とする量である。この使用量
の総和が55重量%を越えると、水性樹脂の合成時の反
応性が低下して好ましくない。
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ
る。なお、このスチレン系単量体は、3〜94重量%の
範囲で使用できるが、水性樹脂の合成時の反応性から、
前記のジカルボン酸ハーフエステル単量体と同モル以上
使用する事が好ましい。
飽和基含有単量体としては、二塩基酸のハーフエステル
またはハーフアミドを除くラジカル重合性不飽和含窒素
単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類、ラジカ
ル重合性不飽和結合を有するカルボン酸またはジカルボ
ン酸類、ラジカル重合性不飽和結合を有するジカルボン
酸ジエステル類、ビニル基含有エ−テル化合物類が使用
できる。
ルまたはハーフアミドを除くラジカル重合性不飽和含窒
素単量体:N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)
アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート類
クリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチ
ル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキルアミ
ノアルキル(メタ)アクリルアミド類 ビニルピロリドン類、ビニルピリジン類、ビニルイミダ
ゾール類、ビニルカルバゾール類、ビニルキノリン類、
ビニルピペリジン類等の含窒素複素環化合物類
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル等 (メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル:2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メ
タ)アクリレート等 ラジカル重合性不飽和結合を有するカルボン酸:(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、
シトラコン酸、イタコン酸等
ボン酸ジエステル:マレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無
水シトラコン酸などの酸成分と、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、オクタノール、ウンデ
カノール、ヘプタデカノール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールモノオクチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノオクチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
オクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル
等の水酸基含有成分とを反応させて得られるラジカル重
合性不飽和結合を有するジカルボン酸ジエステル類
ルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテ
ル、オクチルビニルエーテル等 が挙げられる。中でも、更に顔料分散性を良好とするた
めに、二塩基酸のハーフエステルまたはハーフアミドを
除くラジカル重合性不飽和含窒素単量体がより好適に使
用できる。
ために必要なカルボキシル基の含有量は、当該水性樹脂
の酸価を30〜250の範囲とする量である。なお、ラ
ジカル重合性不飽和結合を有するジカルボン酸ハーフエ
ステル単量体のみで所望の酸価が得られない場合は、そ
の他の共重合可能なラジカル重合性不飽和基を有するカ
ルボン酸を共重合する事により、樹脂の酸価を調整する
事ができる。
ると、樹脂が溶解性の低下から分離沈降を起こし、また
250より大きくなると耐水性が低下し、好ましい結果
がられなくなる。なお、上記の酸価の範囲の中でも、酸
価が高くなるほど、樹脂の溶解性が高くなり、印刷適性
が高くなる反面、耐水性は低下する。
水に濡れると弱くなる事から、印刷物が水に濡れる用途
に使用される事が少ない。従って、この分野で使用され
る印刷インキでは、印刷適性を重視して、酸価が160
〜230の樹脂が好適に使用される。一方、プラスチッ
クフィルムを対象とする印刷の分野では、内容物が水物
であったり、ボイル用途であるなど、印刷物が水に濡れ
る用途に使用される場合も多い。従ってこの分野で使用
される印刷インキでは、耐水性を重視して、酸価が50
〜100の樹脂が好適に使用される。
ては、窒素などの不活性ガス下、沸点が60〜200℃
の、モノまたはポリアルキレングリコールあるいは、そ
のエーテルまたはエステル系溶媒、酢酸エステル系溶媒
などの水混和性溶剤、芳香族炭化水素系溶媒、ケトン系
溶媒などの水非混和性溶剤中に、前記の各成分の単量体
を添加混合し、ジターシャリブチルパーオキサイド、ベ
ンゼンパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等
の反応開始剤を添加して、60〜170℃で1〜10時
間、好ましくは4〜8時間共重合させて、分子量5,0
00〜100,000、好ましくは10,000〜3
0,000、融点40〜2200℃を有する水性樹脂
が、有機溶媒を乾燥させて得る事ができる。更に、アル
カリを添加した水中に当該固体樹脂を添加し、加熱溶解
させて水溶性樹脂ワニスとして使用する事ができる。
しては、アンモニア水、アルカリ金属の水酸化物などの
無機アルカリ、有機アミン等の有機アルカリが使用で
き、具体的には、アルカリ金属の水酸化物として、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等、有機アミンとして
は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、モルホリン等が使用できる。本発明
で特定する水性樹脂を使用して、水性印刷インキを製造
する際に、使用する顔料としては、一般に水性インキで
使用できる無機、有機あるいは体質顔料が使用できる。
樹脂としては、特に制限はないが、用途に応じて、例え
ばシェラック樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン樹
脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、エチレン−アクリル
酸系樹脂、ポリエステル樹脂等の水溶性及び水分散性樹
脂が使用できる。なお、特にプラスチックフィルム用水
性印刷インキ組成物では、プラスチックフィルムに対す
る接着性が要求されるため、接着性の良好な水性バイン
ダー樹脂と併用して使用する事が望ましい。
ンダー樹脂を使用して水性印刷インキ組成物を製造する
には、まず顔料100重量部に対して、水性樹脂を固形
分として、2ないし25重量部を撹拌混練して水性顔料
分散物を得た後、残りのインキ材料の所定量を添加混合
して製造する事ができる。なお、当該水性印刷インキ組
成物の性能低下をきたさない範囲で、水混和性溶剤、各
種添加剤を添加混合する事ができる。
コール類、多価アルコール類及びそのアルキルエーテル
またはアルキルエステル類などが挙げられ、具体的に
は、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、
イソプロパノール等の低級アルコール類、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アル
コール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールアセテート、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルグリコール等が利用できる。
ング剤、消泡剤等を添加する事ができる。また、印刷可
能な被印刷体として、紙ではジュート紙、クラフト紙、
撥水ライナー、各種コート紙を挙げる事ができ、プラス
チックフィルムとしては、ポリエチレン、延伸及び非延
伸ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セロファ
ン等を挙げる事ができる。
物は、良好な顔料分散性と流動性を有し、フレキソ或い
はグラビア印刷方式によって、各種紙に印刷が可能で、
光沢、レベリング性に優れた印刷物を得る事ができる。
以下、実施例でもって、本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
つ口フラスコに、酢酸エチル350部を仕込み、75〜
78℃に加熱した後、窒素ガスを導入しながら、表1の
実施例1〜10及び比較例1〜6の単量体組成からなる混
合物250部、及び反応開始剤として、ジターシャリー
ブチルパーオキサイド2.5部を混合して、2時間かけ
て滴下した。更に同温度に保ちながら2時間ランダム共
重合させた後、溶剤を減圧下、蒸発させて、実施例1〜
10及び比較例1〜6の水性樹脂を得た。
よって得られた実施例1〜10及び比較例1〜6の水性樹
脂それぞれ400部を破砕した後、当量のアンモニアを
溶解させた水600部中に撹拌混合し、80℃で加熱溶
解させて、固形分40%、粘度10〜20poise(2
0)の水溶性樹脂ワニスを得た。
施例1〜10及び比較例1〜6の水性樹脂からなる水性樹
脂ワニスとを撹拌混合し、ビーズミルを使用して常法に
従い混練後、表2のインキ組成に従って各種インキ材料
を添加し、それぞれ水性印刷インキ組成物を得た。◎こ
こで実施例1〜8及び比較例1〜4の顔料として、ファ
ストゲンブルーTGR、(大日本インキ化学工業)、実
施例9、10及び比較例5、6の顔料として、セイカファ
ーストイエロー2200(大日精化工業)を使用した。
また、水性バインダー樹脂Aとして、ジョンクリル74
J(ジョンソンポリマー、固形分45%)、水性バイン
ダー樹脂Bとして、ジョンクリルJ7001(ジョンソ
ンポリマー、固形分47%)を使用した。
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた水性印刷イン
キの、流動性、貯蔵安定性の評価試験を行った。また、
当該水性印刷インキを、ハンドプルーファーを使用し
て、コート紙(レンゴーCRC)及び撥水ライナー(本
州製紙、スーパーK)に印刷し、光沢、レベリング性、
及び撥水ライナー適性の評価を行った。その評価結果を
表2に示した。
実施例9、10及び比較例5、6で得られた水性印刷イン
キの、流動性、貯蔵安定性の評価を行った。また、当該
印刷インキを、グラビア校正機(東谷製作所、版深度3
2μ)を使用して、OPPフィルム(東洋紡、P−21
61)に印刷し、光沢、レベリング性の評価を行った。
その評価結果を表2に示した。なお、評価は、以下に示
す方法で行った。
30rpmと60rpmの回転速度でのインキ粘度比
が、1に近いものほど流動性が良好とし評価した。 粘度比 30rpmの時の粘度/60rpmの時の粘度 A:粘度比が1.2以下のもの B:粘度比が1.2を越え、1.5以下のもの C:粘度比が1.5を越えるもの
1〜4 水性印刷インキの初期粘度と、40℃で7日間保存後の
粘度の比率から貯蔵安定性を評価した。 40℃で7日間保存後の粘度/初期粘度(B型粘度計、30
rpm) A:粘度比が1.5以下のもの B:粘度比が1.5を越え、2.0以下のもの C:粘度比が2.0を越え、4.0以下のもの D:粘度比が4.0を越えるもの
ら、貯蔵安定性を評価した。 A:凝集、沈降物が全くなく、インキ面に色分かれのみ
られないもの B:凝集、沈降物が全くないが、インキ面に色分かれが
みられるもの C:凝集、沈降物が有り、インキ面の色分かれが激しい
もの
ーターで測定し、その数値より光沢の評価を行った。 実施例1〜8及び比較例1〜4(コート紙印刷物、75
゜反射光測定) A:測定値が60以上のもの B:測定値が50以上60未満のもの C:測定値が40以上50未満のもの D:測定値が40未満のもの 実施例9、10及び比較例5、6(OPP印刷物、60゜
反射光測定) A:測定値が70以上のもの B:測定値が60以上70未満のもの C:測定値が50以上60未満のもの D:測定値が50未満のもの
目視判断から、レベリング性を評価した。 A:全く色ムラが認められないもの B:僅かに色ムラが認められるもの C:色ムラが激しいもの
例1〜4(撥水ライナー印刷物) 印刷物の転移性、色ムラの程度の目視判断から、撥水ラ
イナー適性を評価した。 A:印刷面に抜けがなく、全く色ムラが認められないも
の B:印刷面に抜けはないが、僅かに色ムラが認められる
もの C:印刷面に抜けが有り、色ムラも激しいもの
ように、本発明で特定する水性樹脂を使用した水性印刷
インキ組成物は、優れた流動性、貯蔵安定性を有し、紙
やプラスチックフィルムに印刷された際に、優れた光沢
とレベリング性及び撥水ライナー適性を有する印刷物が
得られる。
Claims (7)
- 【請求項1】 (a) ラジカル重合性不飽和結合を有するジカルボン酸誘 導体 5〜55重量% (b) スチレン系単量体 3〜94重量% (c) その他の共重合可能なラジカル重合性不飽和基含有単量体 0〜60重量% からなる単量体混合物を、溶媒中で、60〜170℃で
ランダム共重合させた、分子量5,000〜100,0
00、酸価30〜250の範囲にある水性樹脂におい
て、前記水性樹脂中、成分(a)として、以下の一般式
(1)で表されるジカルボン酸ハーフエステル単量体、
及び/または一般式(2)で表されるジカルボン酸ハー
フアミド単量体を5重量%以上含有する事を特徴とする
水性樹脂。 (ここで、R1は炭素数2〜8のアルキレン基、R2およ
びR3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1〜4
のアルキル基、R5は炭素数1〜4のアルキル基または
炭素数の合計が3〜12のジアルキルアミノアルキル基
を表す。またXは炭素数が2または3のラジカル重合性
不飽和結合を有する炭化水素基を表す。) - 【請求項2】 請求項1記載の水性樹脂中、成分(a)
として、一般式(1)及び/または(2)の他に、以下
の一般式(3)で表されるジカルボン酸ハーフエステル
単量体を、一般式(1)及び/または(2)と、一般式
(3)の総和で10〜55重量%含有する事を特徴とす
る水性樹脂。 (ここで、 R6は炭素数が1〜24のアルキル基、Xは
炭素数が2または3のラジカル重合性不飽和結合を有す
る炭化水素基を表す。) - 【請求項3】 請求項1または2記載の水性樹脂におい
て、酸価が160〜230の範囲にある水性樹脂。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の水性樹脂におい
て、酸価が50〜100の範囲にある水性樹脂。 - 【請求項5】 顔料、水性樹脂、および水から主として
構成される水性印刷インキ組成物において、当該水性印
刷インキ組成物中、請求項1、2、3、または4記載の
水性樹脂を1〜20重量%含有する事を特徴とする水性
印刷インキ組成物。 - 【請求項6】 顔料、水性樹脂、および水から主として
構成される水性印刷インキ組成物において、当該水性印
刷インキ組成物中、請求項3記載の水性樹脂を4〜20
重量%含有する事を特徴とする紙用水性印刷インキ組成
物。 - 【請求項7】 顔料、水性樹脂、および水混和性溶剤か
ら主として構成されるプラスチックフィルム用水性印刷
インキ組成物において、当該水性印刷インキ組成物中、
請求項4記載の水性樹脂を1〜5重量%含有する事を特
徴とするプラスチックフィルム用水性印刷インキ組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4949893A JP3229061B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 水性樹脂およびそれを用いた水性印刷インキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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1993
- 1993-03-10 JP JP4949893A patent/JP3229061B2/ja not_active Expired - Lifetime
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