JP3404194B2 - スポンジケーキ用乳化油脂組成物 - Google Patents
スポンジケーキ用乳化油脂組成物Info
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- JP3404194B2 JP3404194B2 JP24632595A JP24632595A JP3404194B2 JP 3404194 B2 JP3404194 B2 JP 3404194B2 JP 24632595 A JP24632595 A JP 24632595A JP 24632595 A JP24632595 A JP 24632595A JP 3404194 B2 JP3404194 B2 JP 3404194B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポンジケーキ用
乳化油脂組成物に関する。
乳化油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スポンジケーキの製造の際に
は、風味を濃厚にしたり、しっとりした食感を出すため
に油脂の添加が行われている。その際、油脂の添加量が
多くなるとスポンジケーキの表面への油のにじみが起こ
り、また、十分なボリュームが得られないという問題が
あった。
は、風味を濃厚にしたり、しっとりした食感を出すため
に油脂の添加が行われている。その際、油脂の添加量が
多くなるとスポンジケーキの表面への油のにじみが起こ
り、また、十分なボリュームが得られないという問題が
あった。
【0003】そこで、従来より、特開昭64−1655
54号や特開平5−30890号に開示されているよう
に、合成乳化剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル)、レ
シチン、蛋白質などで乳化した乳化油脂組成物を用いる
ことが開発されている。
54号や特開平5−30890号に開示されているよう
に、合成乳化剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル)、レ
シチン、蛋白質などで乳化した乳化油脂組成物を用いる
ことが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな乳化油脂組成物を用いても、やはりスポンジケーキ
の表面への油のにじみは抑えられないという傾向があっ
た。したがって、本発明の目的はスポンジケーキに添加
しても表面への油のにじみがない製品を得ることができ
る、スポンジケーキ用乳化油脂組成物を提供することで
ある。
うな乳化油脂組成物を用いても、やはりスポンジケーキ
の表面への油のにじみは抑えられないという傾向があっ
た。したがって、本発明の目的はスポンジケーキに添加
しても表面への油のにじみがない製品を得ることができ
る、スポンジケーキ用乳化油脂組成物を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために種々検討した結果本発明に到達した。す
なわち、本発明のスポンジケーキ用乳化油脂組成物は、
油脂を蛋白複合体で乳化してなるものである。
達成するために種々検討した結果本発明に到達した。す
なわち、本発明のスポンジケーキ用乳化油脂組成物は、
油脂を蛋白複合体で乳化してなるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。なお、本発明において「部」はすべて「重
量部」を、また、「%」はすべて「重量%」をそれぞれ
意味する。本発明において油脂とは、脂肪酸のグリセリ
ンエステルで食用に適したものをいう。例えば、コーン
油、菜種油、大豆油、パーム油、サフラワー油、ヤシ
油、綿実油、ラード、マーガリン、バターなどがあげら
れ、これらを一種又は二種以上用いるとよい。
に説明する。なお、本発明において「部」はすべて「重
量部」を、また、「%」はすべて「重量%」をそれぞれ
意味する。本発明において油脂とは、脂肪酸のグリセリ
ンエステルで食用に適したものをいう。例えば、コーン
油、菜種油、大豆油、パーム油、サフラワー油、ヤシ
油、綿実油、ラード、マーガリン、バターなどがあげら
れ、これらを一種又は二種以上用いるとよい。
【0007】また、蛋白複合体とは、リン脂質と蛋白質
が結合しているものをいう。リン脂質とは、複合脂質の
一種で、卵黄、大豆、牛乳、魚油などに由来するものが
ある。例えばレシチン(ホスファチジルコリン)、ホス
ファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロ
ール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシト
ール、ホスファチジン酸などや、それらのグリセロール
の1位または2位の脂肪酸がとれた(リゾ化した)も
の、また、スフィンゴミエリンなどがあげられ、これら
を一種又は二種以上用いるとよい。好ましくは、乳化力
のより高いリゾ化したリン脂質を一種又は二種以上用い
るとよい。
が結合しているものをいう。リン脂質とは、複合脂質の
一種で、卵黄、大豆、牛乳、魚油などに由来するものが
ある。例えばレシチン(ホスファチジルコリン)、ホス
ファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロ
ール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシト
ール、ホスファチジン酸などや、それらのグリセロール
の1位または2位の脂肪酸がとれた(リゾ化した)も
の、また、スフィンゴミエリンなどがあげられ、これら
を一種又は二種以上用いるとよい。好ましくは、乳化力
のより高いリゾ化したリン脂質を一種又は二種以上用い
るとよい。
【0008】本発明において蛋白質は、食用に適し、乳
化作用を有しているものであればその種類は特に限定し
ない。例えば、卵白アルブミン、ラクトアルブミン、カ
ゼイン、大豆蛋白質、小麦蛋白質、ゼラチンなどがあげ
られ、これらを一種又は二種以上用いるとよい。尚、蛋
白質は部分的に変性したものであっても、乳化作用を有
していればさしつかえない。
化作用を有しているものであればその種類は特に限定し
ない。例えば、卵白アルブミン、ラクトアルブミン、カ
ゼイン、大豆蛋白質、小麦蛋白質、ゼラチンなどがあげ
られ、これらを一種又は二種以上用いるとよい。尚、蛋
白質は部分的に変性したものであっても、乳化作用を有
していればさしつかえない。
【0009】蛋白複合体中のリン脂質と蛋白質との割合
は、蛋白質1モルに対しリン脂質5〜60モル程度とす
るとよい。これは、リン脂質の割合が少ないと蛋白質の
乳化力向上効果が期待し難く、また多すぎても蛋白質と
結合しないリン脂質が残るだけであるからである。
は、蛋白質1モルに対しリン脂質5〜60モル程度とす
るとよい。これは、リン脂質の割合が少ないと蛋白質の
乳化力向上効果が期待し難く、また多すぎても蛋白質と
結合しないリン脂質が残るだけであるからである。
【0010】ここで結合とは、蛋白複合体に蛋白質沈澱
剤(例えば4〜6%トリクロル酢酸溶液)を添加した際
に、リン脂質が蛋白質とともに沈澱するのが認められる
程度の結合であり、ポリアクリルアミド使用の電気泳動
にかけた際にも、未結合の蛋白質とは違う挙動を示す状
態のことをいう。
剤(例えば4〜6%トリクロル酢酸溶液)を添加した際
に、リン脂質が蛋白質とともに沈澱するのが認められる
程度の結合であり、ポリアクリルアミド使用の電気泳動
にかけた際にも、未結合の蛋白質とは違う挙動を示す状
態のことをいう。
【0011】尚、蛋白複合体には、本発明の効果を損な
わない限り、他の任意の原料、成分を含有してもさしつ
かえない。例えば、蛋白質と未反応のリン脂質、リン脂
質中に本来含まれている中性脂質、コレステロール、遊
離脂肪酸、蛋白複合体の安定のための糖類などがあげら
れる。
わない限り、他の任意の原料、成分を含有してもさしつ
かえない。例えば、蛋白質と未反応のリン脂質、リン脂
質中に本来含まれている中性脂質、コレステロール、遊
離脂肪酸、蛋白複合体の安定のための糖類などがあげら
れる。
【0012】油脂と蛋白複合体の配合割合は、油脂10
0部に対し0.1部以上、好ましくは1.0部以上の割
合で用いるとよい。これは、0.1部未満であると本発
明の目的である油のにじみを抑え難いからである。ただ
し、10部を越えても油のにじみを抑える効果はそれほ
ど向上しないため、経済的観点から0.1〜10.0部
程度の割合で十分である。
0部に対し0.1部以上、好ましくは1.0部以上の割
合で用いるとよい。これは、0.1部未満であると本発
明の目的である油のにじみを抑え難いからである。ただ
し、10部を越えても油のにじみを抑える効果はそれほ
ど向上しないため、経済的観点から0.1〜10.0部
程度の割合で十分である。
【0013】尚、本発明の効果を損なわない限り、他の
任意の原料、成分を含有してもさしつかえない。例え
ば、保湿性を高めるためのソルビトール、コーンシロッ
プ、デキストリン、澱粉類などの糖類や、生クリーム、
植物性クリームなどのクリーム類、ビタミン類、塩類、
香料などがあげられる。
任意の原料、成分を含有してもさしつかえない。例え
ば、保湿性を高めるためのソルビトール、コーンシロッ
プ、デキストリン、澱粉類などの糖類や、生クリーム、
植物性クリームなどのクリーム類、ビタミン類、塩類、
香料などがあげられる。
【0014】次に、本発明のスポンジケーキ用乳化油脂
組成物の代表的な製造方法について説明する。蛋白複合
体を用意する。蛋白複合体は市販のものがあればそれを
用いればよいが、蛋白複合体を自ら製造する場合は、例
えば次のようにすればよい。まずリン脂質水溶液を調製
する。この際、リン脂質の濃度は1〜200mM程度と
するとよい。また、リン脂質の溶解や分散を向上させる
ために、超音波ホモゲナイザーなどにより処理しておい
てもよい。一方、蛋白質水溶液を調製する。この際、蛋
白質の濃度は0.1〜5mM程度とするとよい。
組成物の代表的な製造方法について説明する。蛋白複合
体を用意する。蛋白複合体は市販のものがあればそれを
用いればよいが、蛋白複合体を自ら製造する場合は、例
えば次のようにすればよい。まずリン脂質水溶液を調製
する。この際、リン脂質の濃度は1〜200mM程度と
するとよい。また、リン脂質の溶解や分散を向上させる
ために、超音波ホモゲナイザーなどにより処理しておい
てもよい。一方、蛋白質水溶液を調製する。この際、蛋
白質の濃度は0.1〜5mM程度とするとよい。
【0015】このように調製したリン脂質水溶液と蛋白
質水溶液を混合、攪拌する。リン脂質と蛋白質との結合
効率の観点から、両水溶液は等容量で用いるのが好まし
い。また、リン脂質水溶液あるいは混合溶液のpHを塩
酸やリン酸などにより2〜5程度に調製するとよい。こ
れは、蛋白質の等電点以下のpHにすると、好ましく
は、等電点以下のpHより1位程低くすると、混合状態
であるリン脂質と蛋白質が結合し易くなるからである。
両水溶液の攪拌は、超音波ホモゲナイザーなどにより、
20〜60℃で2〜30分間程度処理するとよい。
質水溶液を混合、攪拌する。リン脂質と蛋白質との結合
効率の観点から、両水溶液は等容量で用いるのが好まし
い。また、リン脂質水溶液あるいは混合溶液のpHを塩
酸やリン酸などにより2〜5程度に調製するとよい。こ
れは、蛋白質の等電点以下のpHにすると、好ましく
は、等電点以下のpHより1位程低くすると、混合状態
であるリン脂質と蛋白質が結合し易くなるからである。
両水溶液の攪拌は、超音波ホモゲナイザーなどにより、
20〜60℃で2〜30分間程度処理するとよい。
【0016】このようにして得られた蛋白複合体は液状
のまま用いてもよいが、凍結乾燥、噴霧乾燥などにより
乾燥状とすることが一般的である。本発明では、以下、
乾燥状の蛋白複合体を用いた例を示す。
のまま用いてもよいが、凍結乾燥、噴霧乾燥などにより
乾燥状とすることが一般的である。本発明では、以下、
乾燥状の蛋白複合体を用いた例を示す。
【0017】まず、所定量の水に蛋白複合体や、ソルビ
トールなど水溶性の原料を添加し、ミキサーなどで均一
になるまで混合、攪拌する。次いで攪拌しながら油脂な
ど油溶性の原料を少量ずつ投入し、乳化させる。その
際、乳化を完全に行うために、予備乳化後高圧ホモゲナ
イザーや超音波ホモゲナイザーなどの均質機を用いても
よい。
トールなど水溶性の原料を添加し、ミキサーなどで均一
になるまで混合、攪拌する。次いで攪拌しながら油脂な
ど油溶性の原料を少量ずつ投入し、乳化させる。その
際、乳化を完全に行うために、予備乳化後高圧ホモゲナ
イザーや超音波ホモゲナイザーなどの均質機を用いても
よい。
【0018】尚、この乳化物を殺菌する場合は、常法に
従って行えばよい。例えば、乳化前にプレート式殺菌装
置などを用いて加熱殺菌したり、乳化後に加熱殺菌する
とよい。また、使用する油脂が高融点の場合には、水相
および油相を70℃程度に加温してから乳化してもよ
い。
従って行えばよい。例えば、乳化前にプレート式殺菌装
置などを用いて加熱殺菌したり、乳化後に加熱殺菌する
とよい。また、使用する油脂が高融点の場合には、水相
および油相を70℃程度に加温してから乳化してもよ
い。
【0019】本発明のスポンジケーキ用乳化油脂組成物
を用いてスポンジケーキを製造する場合には、小麦粉に
対して5〜80%程度添加するとよい。また、オールイ
ンミックス法、共立て法、別立て法のいずれの製法でも
製造できる。本発明のスポンジケーキ用乳化油脂組成物
は、油脂を蛋白複合体で乳化してなるため、スポンジケ
ーキの表面への油のにじみを抑えることができる。これ
は、蛋白複合体の乳化力が非常に強く、スポンジケーキ
生地を焼成してもその乳化状態を保持(油脂を離さな
い)できるためではないかと考えられる。
を用いてスポンジケーキを製造する場合には、小麦粉に
対して5〜80%程度添加するとよい。また、オールイ
ンミックス法、共立て法、別立て法のいずれの製法でも
製造できる。本発明のスポンジケーキ用乳化油脂組成物
は、油脂を蛋白複合体で乳化してなるため、スポンジケ
ーキの表面への油のにじみを抑えることができる。これ
は、蛋白複合体の乳化力が非常に強く、スポンジケーキ
生地を焼成してもその乳化状態を保持(油脂を離さな
い)できるためではないかと考えられる。
【0020】
実施例1
まず蛋白複合体を用意する。卵黄レシチン(キユーピー
(株)製「PC−98N」(ホスファチジルコリン純度
98%))の66mM水溶液およびカゼインカルシウム
の1mM水溶液をそれぞれ調製し、両者を等量で混合し
た。この混合液を塩酸によりpH3に調製した後、超音
波ホモゲナイザー(500W)を用いて25℃で5分間
超音波処理した。この処理液を次いで凍結乾燥し、蛋白
複合体とした。
(株)製「PC−98N」(ホスファチジルコリン純度
98%))の66mM水溶液およびカゼインカルシウム
の1mM水溶液をそれぞれ調製し、両者を等量で混合し
た。この混合液を塩酸によりpH3に調製した後、超音
波ホモゲナイザー(500W)を用いて25℃で5分間
超音波処理した。この処理液を次いで凍結乾燥し、蛋白
複合体とした。
【0021】次いで、乳化油脂を製造する。ミキサーに
清水20kg、ソルビトール10kg、蛋白複合体5kgを入
れ、均一になるまで攪拌混合する。次いで攪拌しながら
油脂100kgを少量ずつゆっくりと添加し、十分に乳化
し、本発明のスポンジケーキ用乳化油脂組成物とした。
清水20kg、ソルビトール10kg、蛋白複合体5kgを入
れ、均一になるまで攪拌混合する。次いで攪拌しながら
油脂100kgを少量ずつゆっくりと添加し、十分に乳化
し、本発明のスポンジケーキ用乳化油脂組成物とした。
【0022】実施例2
実施例1の蛋白複合体に用いたレシチンの代わりに卵黄
リゾレシチン(キユーピー(株)製「LPL−20」
(リゾレシチン純度20%))を用いたほかは、実施例
1と同様にした、スポンジケーキ用乳化油脂組成物を製
造した。
リゾレシチン(キユーピー(株)製「LPL−20」
(リゾレシチン純度20%))を用いたほかは、実施例
1と同様にした、スポンジケーキ用乳化油脂組成物を製
造した。
【0023】
試験例1
試験方法
実施例1および実施例2と同様の方法で得られたスポン
ジケーキ用乳化油脂組成物を用意した(本発明品1、
2)。
ジケーキ用乳化油脂組成物を用意した(本発明品1、
2)。
【0024】一方、実施例1の蛋白複合体に代えて表1
に示す添加物を用いた乳化油脂(対照品1〜6)をそれ
ぞれ用意した。また、直径18cmの金属製の丸型ケーキ
型の底と内側面に敷紙(洋白紙)を敷いた。下記の配合
(小麦粉100%に対して乳化油脂60%を含有)と製
造方法(オールインミックス法)でスポンジケーキを製
造し、油のにじみと、一般にスポンジケーキの品質の指
標となる、きめ、口溶け、やわらかさを調べた。
に示す添加物を用いた乳化油脂(対照品1〜6)をそれ
ぞれ用意した。また、直径18cmの金属製の丸型ケーキ
型の底と内側面に敷紙(洋白紙)を敷いた。下記の配合
(小麦粉100%に対して乳化油脂60%を含有)と製
造方法(オールインミックス法)でスポンジケーキを製
造し、油のにじみと、一般にスポンジケーキの品質の指
標となる、きめ、口溶け、やわらかさを調べた。
【0025】<スポンジケーキの配合>
全卵液 130%
上白糖 100%
小麦粉 100%
ベーキングパウダー 3%
水 20%
起泡性乳化脂 10%
乳化油脂組成物 60%
<スポンジケーキの製造方法>上記原料を全て10コー
トミキサー(HOBART社製)に入れ、比重0.50
kg/mlまでホイップした後、上記の型に300gずつ充
填し、170℃で30分間焼成した。
トミキサー(HOBART社製)に入れ、比重0.50
kg/mlまでホイップした後、上記の型に300gずつ充
填し、170℃で30分間焼成した。
【0026】試験結果
表1に示すとおりである。すなわち、表より、油脂を蛋
白複合体で乳化してなる本発明のスポンジケーキ用乳化
油脂を用いると、油のにじみがなく、しかも、きめ、口
溶け、やわらかさも良好なスポンジケーキが得られるこ
とが理解できる。
白複合体で乳化してなる本発明のスポンジケーキ用乳化
油脂を用いると、油のにじみがなく、しかも、きめ、口
溶け、やわらかさも良好なスポンジケーキが得られるこ
とが理解できる。
【0027】
【表1】
【0028】注1)対照品1は、乳化物とすることでき
なかったため、乳化油脂60%に該当する清水15%、
ソルビトール6%、油脂39%をスポンジケーキを作る
際に各々添加した。 注2)対照品2〜6で用いたレシチン、リゾレシチン、
カゼインカルシウムは実施例1と同様のものを用いた。 注3)オールインミックス法とは、卵、砂糖、小麦粉、
油脂などに起泡性乳化脂を加えて一度に泡立てる方法で
あり、大量生産に適している。
なかったため、乳化油脂60%に該当する清水15%、
ソルビトール6%、油脂39%をスポンジケーキを作る
際に各々添加した。 注2)対照品2〜6で用いたレシチン、リゾレシチン、
カゼインカルシウムは実施例1と同様のものを用いた。 注3)オールインミックス法とは、卵、砂糖、小麦粉、
油脂などに起泡性乳化脂を加えて一度に泡立てる方法で
あり、大量生産に適している。
【0029】注4)起泡性乳化脂としては、日清製油
(株)製「ジセル70」を用いた。 注6)油のにじみ スポンジケーキ型に敷いておいた敷紙への油のにじみを
観察した。 ◎:油のにじみなし △:油のにじみややあり ×:油のにじみあり
(株)製「ジセル70」を用いた。 注6)油のにじみ スポンジケーキ型に敷いておいた敷紙への油のにじみを
観察した。 ◎:油のにじみなし △:油のにじみややあり ×:油のにじみあり
【0030】注7)きめ
スポンジケーキを縦半分に切り、その断面を観察した。
◎:きめが大きく均一で、内層がしっかりしている
○:きめが大きく均一で、内層がややもろい
△:きめがやや細かく、内層がもろい
×:きめが細かく、内層がもろい
注8)口溶け
よく訓練されたパネル10名による5点満点評価の平均
値である。数値が小さいほどネチャつくことを表す。
値である。数値が小さいほどネチャつくことを表す。
【0031】注9)やわらかさ
スポンジケーキの中央部を5cm×5cm×5cm切りとり、
レオメーター(不動工業(株)製「HUDOH REOMETOR」)
で応力(g)を測定した。数値が小さいほどやわらかい
ことを表す。 <レオメーター設定条件> スケール:200g 上昇スピード:6cm/min プランジャー:直径1cm、円柱プランジャー 注10)総合評価 よく訓練されたパネル10名による5点満点評価の平均
値である。数値が大きいほど、きめ、口溶け、やわらか
さのバランスがよいことを表す。
レオメーター(不動工業(株)製「HUDOH REOMETOR」)
で応力(g)を測定した。数値が小さいほどやわらかい
ことを表す。 <レオメーター設定条件> スケール:200g 上昇スピード:6cm/min プランジャー:直径1cm、円柱プランジャー 注10)総合評価 よく訓練されたパネル10名による5点満点評価の平均
値である。数値が大きいほど、きめ、口溶け、やわらか
さのバランスがよいことを表す。
【0032】試験例2
試験方法
実施例1における、油脂100部に対する蛋白複合体の
添加量を、表2に示すようにしたほかは、実施例1と同
様にして製造したスポンジケーキ用乳化油脂組成物を用
意した(本発明品1〜6)。
添加量を、表2に示すようにしたほかは、実施例1と同
様にして製造したスポンジケーキ用乳化油脂組成物を用
意した(本発明品1〜6)。
【0033】一方、試験例1で用いた対照品1を用意し
た。(対照品1) それぞれを用いて、試験例1と同様の方法でスポンジケ
ーキを製造し、油のにじみ、きめ、口溶け、やわらかさ
を調べた。
た。(対照品1) それぞれを用いて、試験例1と同様の方法でスポンジケ
ーキを製造し、油のにじみ、きめ、口溶け、やわらかさ
を調べた。
【0034】試験結果
表2に示すとおりである。すなわち表より、油脂をレシ
チンと蛋白質からなる蛋白複合体で乳化してなる本発明
のスポンジケーキ用乳化油脂を用いると、油のにじみが
なく、しかも、きめ、口溶け、やわらかさも良好なスポ
ンジケーキが得られることが理解できる。
チンと蛋白質からなる蛋白複合体で乳化してなる本発明
のスポンジケーキ用乳化油脂を用いると、油のにじみが
なく、しかも、きめ、口溶け、やわらかさも良好なスポ
ンジケーキが得られることが理解できる。
【0035】
【表2】
【0036】試験例3
試験方法
実施例2における、油脂100部に対する蛋白複合体の
添加量を、表3に示すようにした他は実施例2と同様に
して製造したスポンジケーキ用乳化油脂組成物を用意し
た(本発明品1〜6)。
添加量を、表3に示すようにした他は実施例2と同様に
して製造したスポンジケーキ用乳化油脂組成物を用意し
た(本発明品1〜6)。
【0037】一方、試験例1で用いた対照品1を用意し
た。(対照品1) それぞれを用いて、試験例1と同様の方法でスポンジケ
ーキを製造し、油のにじみ、きめ、口溶け、やわらかさ
を調べた。
た。(対照品1) それぞれを用いて、試験例1と同様の方法でスポンジケ
ーキを製造し、油のにじみ、きめ、口溶け、やわらかさ
を調べた。
【0038】試験結果
表2に示すとおりである。すなわち、表より、油脂をリ
ゾレシチンと蛋白質からなる蛋白複合体で乳化してなる
本発明のスポンジケーキ用乳化油脂を用いると、油のに
じみがなく、しかも、きめ、口溶け、やわらかさも良好
なスポンジケーキが得られることが理解できる。
ゾレシチンと蛋白質からなる蛋白複合体で乳化してなる
本発明のスポンジケーキ用乳化油脂を用いると、油のに
じみがなく、しかも、きめ、口溶け、やわらかさも良好
なスポンジケーキが得られることが理解できる。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のスポンジケ
ーキ用乳化油脂組成物は、スポンジケーキに添加しても
表面への油のにじみがない製品を得ることができる。さ
らに、きめが細かくなりやすく、口溶けがネチャつきや
すいといわれているオールインミックス法によりスポン
ジケーキを製造しても、きめや口溶けの良好な製品を得
ることができる。
ーキ用乳化油脂組成物は、スポンジケーキに添加しても
表面への油のにじみがない製品を得ることができる。さ
らに、きめが細かくなりやすく、口溶けがネチャつきや
すいといわれているオールインミックス法によりスポン
ジケーキを製造しても、きめや口溶けの良好な製品を得
ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 油脂を蛋白複合体で乳化してなるスポン
ジケーキ用乳化油脂組成物。 - 【請求項2】 蛋白複合体が、リン脂質と蛋白質からな
る請求項1記載のスポンジケーキ用乳化油脂組成物。 - 【請求項3】 蛋白複合体を構成するリン脂質がリゾ化
したリン脂質であり、またその蛋白質が卵白アルブミ
ン、ラクトアルブミン、カゼイン、大豆蛋白質、小麦蛋
白質、ゼラチンの一種又は二種以上である請求項2記載
のスポンジケーキ用乳化油脂組成物。 - 【請求項4】 油脂100重量部に対し、蛋白複合体
0.1重量部以上を含有する請求項1又は請求項2記載
のスポンジケーキ用乳化油脂組成物。
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JP24632595A JP3404194B2 (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | スポンジケーキ用乳化油脂組成物 |
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JP24632595A JP3404194B2 (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | スポンジケーキ用乳化油脂組成物 |
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JP24632595A Expired - Lifetime JP3404194B2 (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | スポンジケーキ用乳化油脂組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 1995-09-25 JP JP24632595A patent/JP3404194B2/ja not_active Expired - Lifetime
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