JP3404006B2 - 車両用収容ボックスの取付構造及び取付方法 - Google Patents

車両用収容ボックスの取付構造及び取付方法

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幸夫 滝野瀬
康浩 栗原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カーオーディオ
等の車内電装品のための収容ボックスを車両に取り付け
る構造及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のインストルメントパネル
には、カーオーディオ等の電装品が装着されている。電
装品はボックスに収容され、このボックスが、ボディ
(車両本体)に設けられた専用のブラケットによって支
持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来構造では、
専用ブラケットが必要で、部品点数が多く、材料コスト
が高かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る取付構造は、電装品のための収容ボッ
クスのフロント側の端部が、ステアリングビームの支柱
に固定され、上記収容ボックスの車室側の端部が、イン
ストルメントパネルの装着穴に固定されていることを特
徴とする。ここで、上記装着穴に上記電装品の操作パネ
ルが嵌め込まれており、この操作パネルに上記収容ボッ
クスの車室側開口の周縁が固定されていることが望まし
い。さらに、上記収容ボックスの車室側開口の周縁に、
第1〜第3の3つの位置決め孔が周方向に離れて形成さ
れ、第1位置決め孔は、真円形状をなし、第2位置決め
孔は、水平方向に長い長円形状をなし、第3位置決め孔
は、垂直方向に長い長円形状をなしており、上記操作パ
ネルに、上記第1〜第3位置決め孔にそれぞれ挿入され
る真円断面の円柱形状をなす3つの位置決めピンが設け
られていることが望ましい。
【0005】本発明に係る取付方法は、電装品のための
収容ボックスのフロント側の端部をステアリングビーム
の支柱に固定し、次に、上記収容ボックスの車室側の端
部を、インストルメントパネルの装着穴に固定すること
を特徴とする。ここで、上記装着穴に上記電装品の操作
パネルを嵌め込むとともに、この操作パネルに上記収容
ボックスの車室側開口の周縁を固定することによって、
上記装着穴への収容ボックスの固定がなされることが望
ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
面を参照して説明する。図4は、車両を示したものであ
る。車両は、車室に面したインストルメントパネル20
と、このインストルメントパネル20よりフロント側に
配されたステアリングビーム30とを備えている。ステ
アリングビーム30は、車両の左右方向に延び、その両
端がボディ10の側板11に突き当てられ、固定されて
いる。ステアリングビーム30の中間部は、ボディ10
の底部12に立設された一対のH形断面の支柱31によ
って支持されている(図1及び図2参照)。このステア
リングビーム30の主な機能は、ステアリングシャフト
(図示せず)を支持したり、ボディ10(車両本体)の
ねじれ剛性を補強したりすることである。
【0007】図1に示すように、インストルメントパネ
ル20には、オーディオ装着穴20aが形成されてい
る。装着穴20aの周縁には、フロント方向に突出する
鍔21が設けられている。この装着穴20aに対応する
ようにして、インストルメントパネル20とステアリン
グビーム30の支柱31との間に、オーディオボックス
40(収容ボックス)が配されている。図3に示すよう
に、オーディオボックス40は、例えばポリプロピレン
等のオレフィン系樹脂によって射出成形されており、肉
厚が約2mm、一辺の長さが20cm弱程度のほぼ直方
体をなしている。このオーディオボックス40の内部
に、図示しないカーオーディオ(電装品)が収容され、
ボックス40の側板に設けられたねじ孔40aを介して
ねじ止めされている。
【0008】オーディオボックス40のフロント側の面
と車室側の面は、それぞれ開放されている。フロント側
の端部の左右の縁には、一対の連結部41が設けられて
いる。図1及び図2に示すように、これら連結部41
が、上記一対の支柱31にそれぞれねじ止めされてい
る。
【0009】図1及び図3に示すように、オーディオボ
ックス40の車室側端部の上下の縁には、一対の鍔42
が設けられている。これら鍔42には、4つのフック係
合孔42aと3つのピン孔42b〜42dが形成されて
いる。ピン孔42b〜42dは、上側の鍔42に左右に
離れて2つ配され、下側の鍔42の中央に1つ配されて
いる。上側の鍔42の左のピン孔42b(第1位置決め
孔)は、真円形状をなし、右のピン孔42c(第2位置
決め孔)は、左右に長い長円形状をなしている。下側の
鍔42のピン孔42d(第3位置決め孔)は、上下に長
い長円形状をなしている。
【0010】オーディオボックス40の車室側の開口
は、上記カーオーディオ用の操作パネル50で覆われて
いる。詳細な図示は省略するが、操作パネル50には、
4つのフック51が設けられ、これらフック51が鍔4
2の係合孔42aにそれぞれ嵌め込まれている。また、
操作パネル50には、3つの位置決めピン52が設けら
れている。これらピン52は、真円断面の円柱形状をな
し、鍔42のピン孔42b〜42dにそれぞれ嵌め込ま
れている。この操作パネル50は、上記インストルメン
トパネル20の装着穴20aにぴったりと嵌め込まれて
いる。
【0011】オーディオボックス40の底板には、車室
側の縁の近くに雌ねじ付きのボス43が下方に突出する
ように設けられている。このボス43が、装着穴20a
の下端縁の鍔21に、ねじ22にて固定されている。鍔
21のねじ孔21aは、ねじ22より大径の所謂バカ孔
になっている。
【0012】上記オーディオボックス40を車両に取り
付ける方法について説明する。先ず、オーディオボック
ス40内にカーオーディオを収容する。次に、オーディ
オボックス40の連結部41をステアリングビーム30
の支柱31に固定する。これによって、カーオーディオ
及びオーディオボックス30の荷重を支柱31で受ける
ことができる。
【0013】次に、上記カーオーディオのリード線をイ
ンストルメントパネル20の装着穴20aから引き出
し、これに操作パネル50を接続する。そして、操作パ
ネル50の装着穴20aへの嵌め込みを行う。
【0014】この時、インストルメントパネル20又は
支柱31の車両への組立誤差があると、オーディオボッ
クス40の車室側の端部が、装着穴20aに対して例え
ば1mm程度ずれることになり、オーディオボックス4
0の孔42a〜42dが操作パネル50のフック51及
びピン52と一致しない。そこで、この場合は、オーデ
ィオボックス40に力を加えて微小変形させることによ
って、孔42a〜42dの位置をフック51及びピン5
2に一致させながら、操作パネル50を装着穴20aに
嵌め込む。これによって、フック51及びピン52を孔
42a〜42dに挿し込むことができる。しかも、ピン
孔42c,42dは長円形状になっているので、これら
孔42c,42dのピン52に対する位置は、若干のぶ
れが許容される。したがって、真円形状のピン孔42b
の位置さえ、正確であればよく、位置合わせを容易に行
うことができる。さらに、ピン孔42cが左右に長く、
ピン孔42dが上下に長いので、オーディオボックス4
0と操作パネル50どうしが上下、左右の何れの方向に
も互いにガタつくことがない。
【0015】操作パネル50は、装着穴20aにぴった
りと嵌め込まれ、インストルメントパネル20に対して
移動不能になる。したがって、上記の位置合わせ時の変
形力を解除しても、オーディオボックス40の微小変形
状態を維持することができる。
【0016】なお、操作パネル50と上記カーオーディ
オとをリード線で接続するのに代えて、両者にコネクタ
端子を設けておき、フック51及びピン52の孔42
a,42bへの係合と同時に、操作パネル50とカーオ
ーディオのコネクタ端子どうしが接続されるようにして
もよい。
【0017】次に、オーディオボックス40のボス43
を下側の鍔21にねじ止めする。この際、鍔21のねじ
孔21aが所謂バカ孔になっているので、オーディオボ
ックス40が微小変形していても、確実にねじ止めする
ことができる。このねじ止めによって、オーディオボッ
クス40の微小変形状態をより確実に維持することがで
きる。オーディオボックス40はポリプロピレン等のオ
レフィン系樹脂で形成されているので、上記の変形によ
る内部応力は、時間の経過とともに減衰させ、消滅させ
ることができる。
【0018】このオーディオボックス40は、ステアリ
ングビーム30を支持するための支柱31に支持されて
いるので、専用のブラケットが不要である。したがっ
て、部品点数を削減でき、材料コストを低減できる。
【0019】本発明は、カーオーディオだけでなく、ナ
ビゲーションシステム等の他の車内電装品の収容ボック
スの取り付けにも、適用される。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、収容
ボックスをステアリングビームの支柱に支持させること
によって、部品点数を削減でき、材料コストを低減でき
る。また、操作パネルを位置決め手段として用いること
によって、収容ボックスの車室側端部をインストルメン
トパネルの装着穴に取り付けることができる。さらに、
第1〜第3位置決め孔によって、収容ボックスと操作パ
ネルとの位置合わせを容易に行うことができ、しかも、
収容ボックスと操作パネルどうしが互いにガタつくのを
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るオーディオボックス
の車両への取付構造を示す側面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】上記オーディオボックスの斜視図である。
【図4】(a)上記車両の平面図である。 (b)上記車両の側面図である。
【符号の説明】
20 インストルメントパネル 20a 装着穴 30 ステアリングビーム 31 支柱 40 オーディオボックス(収容ボックス) 42b ピン孔(第1位置決め孔) 42c ピン孔(第2位置決め孔) 42d ピン孔(第3位置決め孔) 50 操作パネル 52 位置決めピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 7/06 B60R 11/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電装品のための収容ボックスを車両に
    取り付ける構造において、上記収容ボックスのフロント
    側の端部が、ステアリングビームの支柱に固定され、上
    記収容ボックスの車室側の端部が、インストルメントパ
    ネルの装着穴に対応するようにして開口されており、 上記電装品の操作パネルが、上記電装品を収容した収容
    ボックスの車室側開口を、上記支柱への固定時には開放
    し、固定後に覆うようにして、インストルメントパネル
    の装着穴に嵌め込まれ、上記収容ボックスの車室側開口
    の周縁と固定されている ことを特徴とする車両用収容ボ
    ックスの取付構造。
  2. 【請求項2】 上記収容ボックスの車室側開口の周縁
    に、第1〜第3の3つの位置決め孔が周方向に離れて形
    成され、第1位置決め孔は、真円形状をなし、第2位置
    決め孔は、水平方向に長い長円形状をなし、第3位置決
    め孔は、垂直方向に長い長円形状をなしており、上記操
    作パネルに、上記第1〜第3位置決め孔にそれぞれ挿入
    される真円断面の円柱形状をなす3つの位置決めピンが
    設けられていることを特徴とする請求項に記載の車両
    用収容ボックスの取付構造。
  3. 【請求項3】 電装品のための収容ボックスを車両に取
    り付ける方法において、上記電装品を収容後の収容ボッ
    クスのフロント側の端部をステアリングビームの支柱に
    固定し、次に、上記電装品の操作パネルを、上記収容ボ
    ックスの車室側開口を覆うようにしてインストルメント
    パネルの上記開口と対応する装着穴に嵌め込むととも
    に、上記収容ボックスの車室側開口の周縁と固定するこ
    とを特徴とする車両用収容ボックスの取付方法。
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