JP3403748B2 - 位置決め装置及びこれを用いたテーブル装置 - Google Patents

位置決め装置及びこれを用いたテーブル装置

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JP3403748B2 JP06119993A JP6119993A JP3403748B2 JP 3403748 B2 JP3403748 B2 JP 3403748B2 JP 06119993 A JP06119993 A JP 06119993A JP 6119993 A JP6119993 A JP 6119993A JP 3403748 B2 JP3403748 B2 JP 3403748B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces

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  • Machine Tool Units (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Details Of Measuring And Other Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定方向に変位可能な
可動部とそれを支持する固定部とから構成される可動装
置及びその製造方法、並びに、可動装置の可動部を所定
方向に駆動するための位置決め装置と、半導体装置の製
造に使用するマスクやレチクル等の検査装置、露光装
置、あるいは微小な位置決めを必要とする顕微鏡や各種
工作機械等に用いられるテーブル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ここでは、主に、半導体装置の製造に使
用するマスクやレチクルなどの検査装置、露光装置等に
用いられるテーブル装置の公知技術について説明する。
【0003】LSI等の半導体装置の製造は、一般的に
はマスクやレチクル等に描画されたパターンをシリコン
ウエハー等に転写して、エッチング等のプロセスを用い
てパターンを作成することにより行う。
【0004】このとき使用するマスクやレチクル、ある
いはウエハー等の基板(以下単に「基板」という)は5
インチ、6インチ、7インチ等数種類の大きさがあり、
またその形状も円形や方形等がある。したがって、それ
ぞれの種類の基板の保持にはそれぞれ適した保持方法が
あり、すべての種類の基板に共通な保持部を実現するの
は困難である。
【0005】そこで、露光装置等では対応する基板の形
状や大きさを限定して対応しているものが多い。これに
対して、基板の欠陥等を検査する装置では対象となる基
板が多品種少量であるため、検査装置の利用効率等を考
慮すると、対応する基板を限定することは生産性を低下
させることとなり好ましくない。したがって、検査装置
ではステージ上に複数種類の基板を共通に保持できるテ
ーブルを持つことが望ましい。
【0006】しかし、共通のテーブルをステージ上に構
成しようとすると、その構造が複雑となり装置全体が大
形化してしまう。また、構造が複雑になると精度を維持
するのが容易でなくなるので精度維持のために大幅なコ
ストアップが必要になるといった問題点があった。
【0007】そこで、複数種類の基板に対してそれぞれ
の形状に適した数種類のテーブルを準備し、基板の種類
が変わるごとに専用のテーブルと交換して基板種類の変
更に対応するといったことが行われるようになった。こ
れにより、ステージ上のテーブルを複雑化することなく
複数種類の基板に対応でき、基板の位置精度維持も容易
となった。
【0008】一方、基板の検査装置等では、検査しよう
とする基板の検査面に光学系の焦点位置をほぼ合わせて
おくことが必要である。ただし、基板の検査装置等では
検査能力が高いために焦点深度が浅く、また、基板のた
わみや寸法精度等の関係から、常に合焦状態にしておく
には基板と光学系の距離を測定し、一定の距離となるよ
うに基板側あるいは光学系側を変位させるいわゆるオー
トフォーカスを行う必要がある。
【0009】そこで、具体的には光学系である対物レン
ズ系全体を圧電素子等のアクチュエータを用いて駆動
し、基板の位置検出装置の出力あるいは光学系のフォー
カス信号に応じて光軸方向に変位させてオートフォーカ
スを行う方法と、光学系は固定しておいてテーブルが載
っているステージをやはり圧電素子等を利用して光軸方
向に変位させ、フォーカス信号に応じてオートフォーカ
スを行うという方法が考えられる。しかし、現状では機
構の複雑さ等から、複数の基板種類に対応する場合には
光学系の方でオートフォーカスを行うのが一般的であ
る。
【0010】ところが近年、LSIの集積度が大幅に増
大するにともない基板上のパターンも微細化し、より一
層高い検査分解能が要求されるようになった。検査分解
能を向上させるには、光学系のレンズの開口数を大きく
することや使用する光の波長を短くすること等が考えら
れる。しかし、光の短波長化はガラスの材質等の面で問
題点が多く、一般的に開口数を大きくすることで分解能
向上を図ることが多い。ところが、開口数を大きくする
とさらに焦点深度が浅くなる。したがって、基板上のた
わみやステージの微小変位に敏感になり、オートフォー
カス機構の変位分解能、応答特性の向上が必要となる。
ところが、従来のように光学系の対物レンズ系全体を変
位させる場合には、可動部の重量が大きく応答特性の向
上は困難である。さらに、開口数が大きくなるとレンズ
重量が増大するので、なお一層応答特性の向上は望めな
い。
【0011】そこで、基板側にオートフォーカスを可能
とするような微小変位機構を設ける必要がある。基板側
を変位させる場合は、テーブルを搭載しているステージ
に変位機構を組み込みテーブル全体を変位させることが
考えられる。しかし、これでもやはり可動部分の重量を
小さくすることは困難であり、オートフォーカス機構の
応答特性の向上は望めず、さらにステージが大形化して
しまうといった問題点がある。
【0012】以上のような要請から、テーブル自体に微
小変位機構を設けた装置の提供が望まれる。
【0013】なお、上記したような問題は、大きさある
いは形状等の異なる試料を所定方向に微小変位させるこ
とが必要な顕微鏡や各種工作機械等の分野でも同様にい
えることである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
複数種類の試料に対応するテーブル装置において、試料
側でオートフォーカス等の微小変位を行わせる場合に、
試料保持テーブルを搭載しているステージを変位させて
いたのでは、可動部分の重量を小さくすることはできな
いので、変位の応答特性を向上することは困難であり、
さらにステージ全体が大形化するといった問題点があっ
た。
【0015】そこで、本発明では、微小変位時の可動重
量を小さくすることによりオートフォーカス等における
変位の応答特性を向上させることが可能であると同時
に、コンパクトな微小変位機構を有する可動装置及びそ
の製造方法、並びに、その可動装置を駆動するための位
置決め装置と、これらを用いたテーブル装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、以下に示すような手段を提供する。
【0017】第1に、所定方向に変位可能な可動部と、
この可動部を弾性的に支持するため、この可動部の変位
方向と略一致する向きに対向して設けられる薄肉部より
なる支持機構と、この支持機構を介して前記可動部を支
持する固定部とから構成され、前記可動部、前記支持機
構及び前記固定部が単一部材から一体成形されているこ
とを特徴とする可動装置、及び前記可動部と前記固定部
とが対向する間隙に固体微細粒子を分散させたゲル状体
を充填し、硬化させてなるダンピング部材を有すること
を特徴とする上記可動装置。
【0018】第2に、単一部材内に対向する薄肉部を形
成するように凹部を設ける薄肉部形成工程と、前記単一
部材を前記薄肉部が対向する向きと略一致する方向に変
位可能な可動部とこの可動部を前記薄肉部により弾性的
に支持する固定部とに分離させる分離工程とからなるこ
とを特徴とする上記可動装置の製造方法。
【0019】第3に、試料を保持しつつ所定方向に変位
可能な試料保持部と、この試料保持部を弾性的に支持す
るため、この試料保持部の変位方向と略一致する向きに
対向して設けられる薄肉部よりなる支持機構と、この支
持機構を介して前記試料保持部を支持する固定部と、前
記試料保持部を所定方向に変位させるための駆動手段と
を有することを特徴とするテーブル装置、及び前記試料
保持部と前記試料保持部を支持する前記固定部とが対向
する間隙に固体微細粒子を分散させたゲル状体を充填
し、硬化させてなるダンピング部材を有することを特徴
とする上記テーブル装置。
【0020】第4に、所定方向に変位可能な可動部材
と、この可動部材の変位方向に対して略垂直方向に変位
可能な少なくとも一対の変位発生部材と、この変位発生
部材の変位を前記可動部材に伝達する少なくとも一対の
てこ部材と、前記変位可能部材を保持するとともに、前
記可動部材及び前記てこ部材を一体に支持する固定部材
とから構成されることを特徴とする位置決め装置、及び
前記てこ部材は、前記変位発生手段の変位量を拡大もし
くは縮小して前記可動部材に伝達することを特徴とする
上記位置決め装置。
【0021】第5に、試料を保持する試料保持部と、こ
の試料保持部を所定方向に変位可能に保持する可動部分
及びこの可動部分を、支持機構を介して弾性的に支持す
る固定部分とからなる可動手段と、この可動手段の前記
可動部分に上記位置決め装置の前記可動部材を接続し、
該可動手段の前記固定部分に該位置決め装置の前記固定
部材を接続してなることを特徴とするテーブル装置及び
試料を保持する試料保持部と、この試料保持部を所定方
向に変位可能に保持する可動部分及びこの可動部分を、
支持機構を介して弾性的に支持する固定部分とからなる
複数の可動手段と、この複数の可動手段のそれぞれにつ
いて、前記可動部分に上記位置決め装置の前記可動部材
を接続し、前記各固定部分に該位置決め装置の前記固定
部材を接続してなるテーブル装置であって、前記位置決
め装置の前記可動部材の変位量をそれぞれ独立に調節可
能な制御手段を有することを特徴とするテーブル装置。
【0022】
【作用】本発明に係る可動装置によれば、所定方向に変
位可能な可動部と、この可動部を弾性的に支持する支持
機構と、この支持機構を介して前記可動部を支持する固
定部とが単一部材より一体成形されているので、機械的
締結による組み立てを必要とせず、可動部の微小変位を
高精度に維持することが容易な可動装置を構成すること
ができる。また、支持機構等の機械的締結部分に由来す
る機械系の共振点、ヒステリシス、がた等が非常に少な
いので、機械系の非線形性がほとんどなく、可動部の変
位の応答特性が向上する。
【0023】また、本発明に係る可動装置を用いること
により、微小変位機構を有するテーブル装置を構成で
き、試料を含めた可動部の重量をステージに変位機構を
設ける場合よりも大幅に小さくできるので、試料の変位
の応答特性が格段に向上する。さらに、ステージに変位
機構を設けた場合よりも変位機構の大きさを小さくでき
るので、コンパクトなテーブル装置とすることができ
る。
【0024】さらに、本願発明に係る可動装置におい
て、可動部と固定部とが対向する間隙に固体微細粒子を
分散させたゲル状体を充填し硬化させることにより、可
動部が変位する際にゲル状体が変形し、その中に含まれ
る固体微細粒子が互いに接触し摩擦することにより、可
動部の振動エネルギが減衰され、その結果、可動部の運
動に十分なダンピングが与えられる。固体の摩擦により
エネルギが吸収されるため摩擦時の速度が大きいほど吸
収されるエネルギ量が大きくなる。すなわち運動の周波
数が高いほどダンピングの効果が大きくなるので、変位
量が大きい低周波の運動に対してはダンピングの効果が
小さくなる。したがって全体のストローク減少を抑えな
がら高周波域にある機械的共振点のピークを大幅に低減
することができる。
【0025】また、固体微細粒子を分散させたゲル状体
を充填し硬化させた可動装置を用いて構成されたテーブ
ル装置においては、可動部の位置を閉ル−プで制御する
ときも、共振周波数のピ−クが小さいため制御系に入れ
る積分器の時定数を小さくできるので、高い周波数域で
のゲインを低下が小さい。したがって、オ−トフォ−カ
ス等における変位の応答周波数を高くすることができ
る。
【0026】一方、本願発明に係る位置決め装置によれ
ば、変位発生手段の変位方向と、可動部材の所定変位方
向が異なるので、大変位を実現するために変位発生手段
の長さを長くする場合でも、位置決め装置の所定変位方
向の寸法が大きくなくことがない。したがって、可動部
材の所定変位方向について、コンパクトな位置決め装置
とすることができる。
【0027】また、変位発生手段及びてこ部材を少なく
とも一対設けることにより、変位発生手段の変位力を可
動部材に伝達する際に、変位発生手段の変位量を拡大も
しくは縮小することが可能となるとともに、プッシュ・
プル駆動を行うことができる。これにより、変位の応答
性を向上させることができると同時に、変位の非線形性
を改善することができる。
【0028】さらに、本発明に係る位置決め装置用いる
ことにより、高速応答が可能で、変位の非線形性が改善
されたテーブル装置を構成することができる。また、複
数の位置決め装置を用いるテーブル装置においては、各
々の位置決め装置の可動部の変位量を独立に変化させる
ような制御方法をとることにより、テーブル装置の変位
部分の所定方向変位だけでなく、その姿勢についても制
御することができる。
【0029】
【実施例】本発明の実施例について、図面を参照しつつ
詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明に係る可動装置並びにテー
ブル装置を、例えばLSI等の半導体装置を製造する際
に使用するマスクやレチクル等の基板を検査する光学機
器に応用した場合の実施例の概略を示す分解斜視図であ
る。
【0031】本実施例は、基板5を光学系10の光軸9
の方向17(Z方向)に変位可能に保持する基板保持部
3と、この基板保持部3を変位可能となるように弾性的
に支持するために設けられる支持機構11と、この支持
機構11を介して前記基板保持部3を支持する固定部1
5とからなる可動装置2に、前記基板保持部3をZ方向
に変位させるための位置決め装置4a,4bを接続して
なるテーブル装置が真空チャック6を介して着脱交換自
在な状態でステージ1上に搭載されている。ここで、ス
テージ1には、テーブル装置を搭載しつつ、光学系10
の光軸9に垂直な方向18(X方向)及び方向19(Y
方向)に2次元的に移動可能なように、図示しない案内
及び駆動系が構成されており、基板5の検査面をくまな
く検査することができるようになっている。また、光学
系10として透過型のものを用いる場合には、ステージ
1に中穴7を設ける。なお、テーブル装置とステージ1
との接続には、真空チャック6の他、機械式クランプ機
構、電磁石等を用いてもよい。また、位置検出装置とし
ては、光学的なフォーカスセンサ13a,13bの他、
静電容量式のギャップセンサ等を用いてもよい。
【0032】基板5のZ方向の位置決めは、基板5に対
する光学系10のフォーカス状態を観察してその位置を
検出する光学的なフォーカスセンサ13a,13bの信
号をもとに制御装置51を介して位置決め装置4a,4
bの駆動制御することにより行われる。即ち、フォーカ
スセンサ13a,13bにより基板5の観察面位置を検
出し、その出力信号52を基に光学系10の焦点位置に
基板5の観察面を略一致させるような駆動指令値を制御
装置51で算出し、位置決め装置4a,4bのアクチュ
エータ12a,12bを導線53a,53bを介して駆
動して、可動装置2の基板保持部3をZ方向に変位させ
る。ここで、基板保持部3を変位させる位置決め装置4
a,4bが可動装置2の両側面に取り付けられている。
この位置決め装置4a,4bのアクチュエータ12a,
12bは、可動装置2の可動部である基板保持部3に接
続されている。したがって、この2つのアクチュエータ
12a,12bが制御装置51の駆動指令にそれぞれ同
期して変位することにより、基板保持部3上に保持され
た基板5が光軸9に対してほぼ垂直な状態を保ってZ方
向に変位する。
【0033】上述した可動装置2は、複数種類の基板5
に対応できるように、それぞれの基板5に専用のものを
複数種類用意しておき、検査する基板5の種類を変更す
る場合には、この可動装置2を適切なものに交換するよ
うにしても良い。
【0034】以上の説明は、光学機器として主に基板の
検査装置等を例に上げて行ったが、顕微鏡、露光装置、
描画装置等においても同様である。また、ここでは光学
系として、ガラスレンズ等を用いた一般的な光学系を前
提としているが、電子レンズ等を用いた電子光学系につ
いても適用が可能である。さらに結像を必要としないX
線光学系についても同様に適用が可能である。これらの
ことは、以下の説明についても同様であり、本発明のテ
ーブル装置は、その光学系の種類による制限を受けるも
のではないことを明記しておく。
【0035】図2は、図1に示した本発明にかかる可動
装置の詳細を示した斜視図である。ここで、図2は、可
動装置2がステージ1に固定された状態を示している。
基板5は真空チャック等の複数の基板固定装置16で基
板保持部3(斜線部分)に固定されている。基板保持部
3は支持機構11により、可動装置2の固定部15に弾
性的に支持されている。固定部15はステージ1に設け
られた図示していない接続部においてステージ1上に固
定されている。支持機構11は基板保持部3が姿勢を変
化させずに特定方向17に変位するような平行リンク構
造になっている。このような構造にすることにより、基
板5がステージ1に対して方向17に変位して、図示し
ていない光学系の焦点深度内に基板5の観察面を保持す
ることができるようになっている。ここで、可動装置2
の固定部15、基板保持部3及び支持機構11は単一部
材から一体成形されている。
【0036】支持機構11は、可動装置2の側面に凹部
20を設けることによりリンク21、22、弾性ヒンジ
23、24、25、26よりなる平行リンク機構で構成
されている。この平行リンク機構は機械的締結手段を用
いることなしに、基板保持部3及び固定部15に接続さ
れているので、機械的締結手段に由来するがた、ヒステ
リシスが発生しない。また可動装置2等が単一部材で構
成されているので組み立ての必要がない。したがって、
製作時の精度が低下することなく維持されるので、可動
装置2等の製作精度及び位置決め精度を容易に高く保つ
ことができる。
【0037】図3は、図1に示した本発明に係る可動装
置の支持機構の変形例の詳細を示した斜視図である。こ
の支持機構30は、薄板状の板ばね31、32よりなる
平行板ばね機構となっている。この場合も、支持機構3
0は基板保持部3及び可動装置の固定部15と一体構造
となっている。その他の構造、動作、特徴等は先に説明
した図2に示した可動装置と同様である。
【0038】図4は、図2及び図3に示した可動装置を
示す平面図である。ここでは、この可動装置2の製造方
法について説明する。まず、基板5を搭載するための中
穴14をワイヤカット放電加工により加工する。なお、
本実施例では、基板5は方形を前提としているが、円形
の場合でも基板保持部3の中穴14を円形にすれば容易
に対応できる。また、試料が基板状のものでなく、基板
保持部3上に載置されるだけでよいものの場合には、特
に中穴14を設ける必要はなく、基板保持部3を試料保
持台として用いれば良い。次に、平行リンク機構や板ば
ね機構等の支持機構41を構成する薄肉部を形成するた
め、図2及び図3に示すような凹部20,33を切削加
工により加工する。最後に、基板保持部3と固定部15
とを分離する溝45をワイヤカット放電加工により加工
することにより前記可動装置2が製作される。以上のよ
うな方法により、基板保持部3と支持機構41と固定部
15とからなる可動装置2が、単一部材から一体成形さ
れる。
【0039】図5は、図1に示した本発明に係るテーブ
ル装置の詳細を示した分解斜視図である。位置決め装置
4aは、その両端付近にある接続部83aと可動装置2
の一方の固定部15の側面82aとを接続することによ
り可動装置2に取付けられる。もう一方の位置決め装置
4bも同様に可動装置2の固定部15の位置決め装置4
aとは反対の側面82bと位置決め装置4bの接続部8
3bとを接続することにより取付けられる。
【0040】位置決め装置4a、4bはそれぞれ中央部
にアクチュエータ12a、12bが設けられている。な
お、このアクチュエータ12a、12bの詳細は後述す
る。ここで、位置決め装置4aのアクチュエータ12a
は基板保持部3の一方の側面81aに接続されている。
同様に、位置決め装置4bのアクチュエータ12bは基
板保持部3のもう一方の側面81bに接続されている。
このような構成とすることにより、位置決め装置4a,
4bが可動装置2の側面に取り付けられるので、可動装
置2の高さが増加することがなくコンパクトなテーブル
装置を提供することができるとともに、基板保持部3の
駆動特性をそれぞれの可動装置2ごとに調整できる。し
たがって、それぞれの可動装置2の基板保持部3の駆動
特性を同様に調整しておけば、可動装置2を交換した場
合にも共通の駆動方法で駆動できる。これにより、駆動
回路や制御装置等は共通として導線のみを切り替えるこ
とにより容易に異なる種類の可動装置2を制御できる。
【0041】次に、位置決め装置の動作について説明す
る。なお、簡単のため装置の各部を示す符号の添字は省
略するものとする。位置決め装置4のアクチュエータ1
2は図示していない制御装置により導線85、86を介
して駆動され、位置決め装置4の接続部83に対して方
向17に変位する。この時、アクチュエータ12は基板
保持部3に接続され、接続部83は可動装置2の固定部
15に接続されているので、結局基板保持部3は可動装
置2の固定部15に対して方向17に変位する。ここで
アクチュエータ12a、12bの変位を同期させること
により、基板5を搭載した基板保持部3を、姿勢を変化
させることなく、方向17に変位させることができる。
【0042】図6は、図5に示したテーブル装置の位置
決め装置のアクチュエータの詳細を示した図である。位
置決め装置の中間部分に可動部93が一体成形され、板
ばね97によって位置決め装置の固定部92に接続され
ている。同時に、圧電素子91の一端が可動部93に、
もう一端が位置決め装置の固定部92に接続されてい
る。ここで圧電素子91を導線95、96を介して駆動
することにより、可動部93が固定部92に対して方向
99に変位する。可動部93は接続部98によって図示
していない基板保持部に接続されている。このアクチュ
エータは機械的締結手段を用いることなく一体成形され
ているので動作にがた、ヒステリシスがほとんど生じず
高精度な変位が可能である。
【0043】なお、この例では、積層型圧電素子を用い
ることを前提としているが、変位量が満足できればバル
クの圧電素子を用いても良い。また、圧電素子のかわり
に磁歪素子等の他の固体変形素子を用いても良い。この
ことは、以下の説明でも同様である。
【0044】図7は、他の位置決め装置を設けたテーブ
ル装置を示す斜視図である。図7に示した可動装置2
は、図3に示した可動装置2の一部を薄肉化したものに
基板保持部3を駆動する位置決め装置50a,50bを
取り付けた構成になっている。なお、可動装置2の一部
を薄肉化しているのは、位置決め装置50a及び50b
を取り付けたことによる可動装置2の厚さが増加するの
を避けるためである。このような構成において、位置決
め装置50a,50bを同期して駆動することにより、
基板保持部3の姿勢を変化させることなく方向17に変
位させることができる。その他の特徴については図5に
示した可動装置と同様である。
【0045】図8は、図7に示したテーブル装置の位置
決め装置の詳細を示した図である。位置決め装置60に
は圧電素子61が用いられており、この圧電素子61は
導線65,66に電圧を加えることにより長手方向に伸
縮する。この圧電素子61の一端を可動装置2の固定部
15に接続された固定部62に接続し、もう一端を可動
てこ部64に接続する。可動てこ部64は弾性ヒンジ6
3を支点として動作し、基板保持部3に接続された接続
部67を変位させて基板保持部3を方向69に駆動す
る。このようなてこ機構を用いることにより、圧電素子
61の変位量が少ない場合にも、所望の変位量を確保す
るように変位を拡大して伝達することができる。
【0046】また、この位置決め装置60は機械的締結
手段を用いず単一部材により構成されているため、動作
にがたやヒステリシスが発生することがない高精度な変
位が可能である。
【0047】図9は、図7に示したテーブル装置の位置
決め装置の異なる例の詳細を示した図である。この位置
決め装置70では圧電素子71の変位方向と基板保持部
3の変位方向79が同一となるような構造となってい
る。また、このような構成では位置決め装置70を可動
装置2の固定部15に埋め込むことが容易であるので、
駆動手段70の取り付けによる厚さの増加を少なくする
ことができる。この駆動手段70の動作、特徴について
はここで記した事項以外は図8に示した位置決め装置と
ほぼ同様である。
【0048】図10は、位置決め装置をステージ上に設
けたテーブル装置を示す斜視図である。
【0049】可動装置2は、単体でステージ1に設けら
れた接続部である真空チャック6によりステージ1上に
固定される。可動装置2の基板保持部3の側面に変位伝
達部102a、102bが取付けられており、ステージ
1上にはこの変位伝達部102a、102bに接続可能
な位置に位置決め装置101a、101bが設けられて
いる。変位伝達部102a、102bは、可動装置2が
ステージ1上にセットされる際に位置決め装置101
a、101bの図示していない支持部に接触し、位置決
め装置の変位を基板保持部3に伝達する。ここで、位置
決め装置101a、101bを同期させて方向109に
駆動することにより、基板保持部3を、姿勢を変化させ
ることなく、方向109に変位させることができる。
【0050】図11は、図10に示した位置決め装置の
詳細を示す図である。位置決め装置110(斜線部以外
の構造体)は固定部111がステージ1に接続されてい
る。また、圧電素子113の一端は固定部111に接続
されており、もう一方が可動てこ部114に接続されて
いる。可動てこ部114の先端には支持部115が設け
られており、可動装置2がステージ1に接続される際に
基板保持部3の側面に設けられた変位伝達部112をク
ランプする。なお基板保持部の変位伝達部112は11
8のような経路でセットされる。可動てこ部114は圧
電素子113を導線117、118を介して駆動するこ
とにより、弾性ヒンジ116を支点として動作し、圧電
素子113の変位を拡大して可動てこ部114の支持部
115を方向119に変位させる。そして変位伝達部1
12を介して基板保持部3を方向119に変位させる。
【0051】図12は、非接触方式の位置決め装置で駆
動されるテーブル装置を示す斜視図である。可動装置2
は位置決め装置を有しない状態でステージ1に設けられ
た接続部である真空チャック6によってステージ1上に
固定される。ステージ1には磁極面が基板保持部3の底
面に対向するような位置に電磁石121a、121b設
置されている。この時、基板保持部3を強磁性体で製作
しておけば電磁石121a、121bの励磁電流を変化
させることにより、基板保持部3を非接触に駆動でき
る。こうすると可動部分に接触する部分がないので発塵
がほとんどなく、がたの少ない動作が可能となる。
【0052】図13は、図12に示したテーブル装置の
位置決め装置の詳細を示す図である。ステージ1には磁
極面133が基板保持部3の底面132に対向するよう
に継鉄131、巻線135よりなる電磁石が埋め込まれ
ている。可動装置の基板保持部3はセットされた状態で
底面132と磁極面133との間に空隙134が存在す
るようになっており、板ばね136によって支持されて
いる。ここで引きだし線137、138に通電し、巻線
135を励磁することにより、基板保持部3と継鉄13
1に磁束130が形成され、基板保持部3の底面132
と磁極面133の間に磁気吸引力が生じる。そして板ば
ね137によるバイアス力と電磁石の吸引力が釣り合う
位置まで基板保持部3が方向129に変位する。したが
って、励磁電流を変化させることにより基板保持部3の
変位量を制御することができる。
【0053】以上、本発明に係る可動装置及びその製造
方法とこれを応用したテーブル装置について説明した。
【0054】次に、本発明に係るテーブル装置の位置決
め装置について、さらに詳細に検討する。
【0055】本発明に係るテーブル装置においては、図
6で説明したような圧電素子と板ばね等の弾性支持機構
を利用したアクチュエータを有する位置決め装置を主に
採用している。しかし、圧電素子は変位特性が非線形で
あること、発生できる力の方向が単一であるため常に圧
電素子自体に予圧が必要であること等の問題がある。ま
た、可動部である基板保持部の変位量は、圧電素子の長
さによって制限されるので、比較的大きな変位量を必要
とする際には、圧電素子の長手方向の寸法を大きくしな
ければならず、装置が大型化するおそれもある。そこ
で、本発明では、さらに改良を加え、高速応答性並びに
変位の線形性を向上させることができ、変位量の増大も
可能で、さらに装置の小型化に適したコンパクトな位置
決め装置を提供する。
【0056】図14は本発明の位置決め装置の第1の実
施例を示す平面図である。
【0057】この位置決め装置141では、板状の固定
部142にワイヤカット放電加工などによって、溝部1
40a,140bを加工することにより、可動部14
3、一組のてこ部144a,144b、及び一組の圧電
素子部(図1において圧電素子145a、145bが配
置されている部分)を形成している。
【0058】2つのてこ部144a,144bは、それ
ぞれ弾性ヒンジ147a,147bによって固定部14
2に接続されている。また、てこ部144a,144b
のそれぞれ一端(力点)には、弾性ヒンジ146a,1
46bを介して圧電素子接続部149a,149bが形
成されている。なお、この圧電素子接続部149a,1
49bは、動作時に圧電素子145a,145bにせん
断力や曲げモーメントを加えないために設けられている
ものであり、たとえば圧電素子145a,145bの先
端に球面を設け、その球面とてこ部を接触させて、てこ
部を駆動する構成でも同様の効果を得ることができる。
【0059】一方、てこ部144a,144bは、それ
ぞれ他方の一端(作用点)がやはり弾性ヒンジ148
a,148bを介して可動部143に接続されており、
この可動部143は図示していない被駆動体(例えば基
板保持部)に接続され、その被駆動体の位置決めを行
う。
【0060】また、てこ部144a,144bは、支点
である弾性ヒンジ147a,147bの部分で90゜折
曲がったL字型構造になっている。これにより、圧電素
子145a,145bの変位方向を90゜変換させてい
る。なお、図14では、てこ部144a,144bがL
字型となっているが、機能的に同じならば、このてこ部
の形状は任意としてよい。
【0061】圧電素子145a,145bは積層型の圧
電素子(電歪素子)を前提としているが、バルクの圧電
素子、あるいは磁歪素子など他の固体変形素子でも同様
の効果が得られる。
【0062】次に、この位置決め装置の動作を模式図を
用いて詳細に説明する。図15は、図14に示した位置
決め装置の機構を模式的に表した図である。なお、図中
で、図14に示した部分と同一機能を有する部分に関し
ては同一番号付すことにより重複説明を省略することと
する。図16は、図15に示した模式図で微小な変位が
生じた場合の各部材の変位を拡大して示した図である。
【0063】図15中で、146a,146b,147
a,147b,148a,148bはそれぞれ弾性ヒン
ジを用いた回転軸受を表しており、この部分で紙面に垂
直な軸まわりに回転が自在となっている。
【0064】圧電素子145aの変位(方向152)
は、弾性ヒンジ146aを介しててこ部144aに伝達
される。この場合、弾性ヒンジ146aがてこ部144
aの力点となる。てこ部144aは弾性ヒンジ147a
を介して固定部142に接続され、この弾性ヒンジ14
7aがてこ部144aの支点となる。てこ部144aは
弾性ヒンジ148aを介して可動部143に接続されて
おり、この弾性ヒンジ148aが作用点となり、可動部
143を方向153に変位させる。
【0065】ここで、てこ部144aの変位拡大率は、
てこ部の力点−支点間の距離l1、作用点−支点間の距
離l2を用いてl2/l1で表され、l2を変化させる
ことにより位置決め装置141の方向153の寸法を変
化させることなく可動部143の21方向の最大変位量
を変化させることができる。つまり、l1、l2を適切
に選択することにより、使用する圧電素子145aの長
さが固定の場合でも、位置決め装置141の可動部14
3の所定変位方向の寸法を大きくすることなく圧電素子
145aの最大変位量を上回る変位量を可動部143に
発生させることができるので、非常にコンパクトな位置
決め装置を実現することができる。
【0066】もう一方の圧電素子145bは、圧電素子
145aに対して可動部143の中心151に関して点
対称な位置に設置されている。この圧電素子145bに
接続されるてこ部144bも、てこ部144aに対して
可動部143の中心151に関して点対称な位置に形成
され、可動部143のてこ部144aとの接続部である
弾性ヒンジ148aと、可動部の中心151に関して点
対称な位置にある弾性ヒンジ148bで可動部143と
接続されている。このような構成にすることにより可動
部143に加わる駆動力が必ず可動部143の中心15
1を通るので、可動部143に回転モーメントが作用し
て可動部143の回転を最小限にとどめることができ
る。
【0067】一組の圧電素子145a,145bは図1
5に示した初期状態では、共に最大変位量の半分程度の
変位をするように電圧を印加されており、互いに押し合
うような状態にある。
【0068】次に、実際の動作を図16を用いて説明す
る。ここでは、可動部143が方向162に変位する場
合を説明する。
【0069】まず、圧電素子145bが方向161に一
定量伸びる。これは、図2に示した初期状態から印加電
圧を上げることにより行われる。この変位が弾性ヒンジ
146bを介して、てこ部144bに伝達される。これ
により、てこ部144bは弾性ヒンジ147bを支点と
して回転し、弾性ヒンジ148bの位置が圧電素子14
5bの変位量のてこ比(l2/l1)倍だけ方向162
に変位し、可動部143を方向162に変位させる。こ
れと同時に圧電素子145aが圧電素子145bの伸び
とほぼ同量だけ縮む。これは、図2に示した初期状態か
ら印加電圧を下げることにより行われる。これにより、
弾性ヒンジ146aが方向160に変位してこ部144
aに変位が伝達される。そして、てこ部144aが弾性
ヒンジ147aを支点として回転し、弾性ヒンジ148
aが方向162に圧電素子145aの変位量のてこ比
(l2/l1)倍だけ変位し、可動部143の変位が圧
電素子145bによる変位とほぼ同じとなるように変位
する。
【0070】このように駆動することにより、可動部1
43が方向162に変位する場合には、圧電素子145
bが伸びて駆動力を発生し、可動部143が方向162
とは逆の方向に変位するときは、圧電素子145aが伸
びて駆動力を発生するというプッシュ・プル駆動とな
り、可動部143の変位周波数が高い場合でも追従不可
能となることがなく、同時に一組の圧電素子が互いの変
位の非線形性をある程度打ち消すので可動部143の変
位特性の非線形性が改善される。
【0071】以上の実施例においては、圧電素子145
a,145bは直接固定部142に固定しているが、圧
電素子145a,145bに圧縮力を加えて予圧を掛け
た状態で駆動するために、予圧調整手段を固定部142
と圧電素子145a,145bの間に設けた構成でもよ
い。このとき各々の予圧調整手段を独立に調整可能とす
ることにより、初期状態の可動部3の位置を微調整する
こともできる。なお予圧調整手段としては、ここでは図
示しないが、偏心軸を用いて圧電素子と固定部の間隔を
調整するもの、押しネジを用いて圧電素子と固定部の間
隔を調整するものなどが考えられる。
【0072】図17は、図14に示した位置決め装置に
おいて、可動部の変位が最大に近い場合の各部材の変位
の様子を示した模式図である。
【0073】この状態では、てこ部144a,144b
の回転量が大きいので、可動部143との接続部である
弾性ヒンジ148a,148bの方向152の変位が無
視できない程度の大きさになり、可動部143に回転方
向170の変位が生じてしまう。これをなるべく防ぐた
め、図18に示した本発明の位置決め装置の第2の実施
例では、可動部143を平行板ばね180a,180
b,181a,181bで支持することにより、可動部
143の回転を最小限に押さえている。なお、この板ば
ね180a,180b,181a,181bは、その他
の部材と同様に固定部142に溝部を構成することによ
り容易に形成することができる。また、図18に示した
位置決め装置141の動作は、図14に示した第1の実
施例と全く同様である。
【0074】図19は、本発明の位置決め装置の第3の
実施例を示した分解斜視図である。
【0075】この位置決め装置は、図14に示した位置
決め装置141を2つ接続して構成した位置決め装置で
ある。先に説明したように、図14に示した位置決め装
置では、大きな変位を行った場合、可動部143の回転
変位が無視できない程度になる。そこで、もう一つの同
じ構造の位置決め装置191を用い、各々の位置決め装
置の可動部143,193の回転変位の方向が逆となる
ように、2つの位置決め装置141,191を接続して
いる。
【0076】位置決め装置191は、位置決め装置14
1と全く同じ構造であるが、位置決め装置141をちょ
うど裏返した状態に設定されている。ここで、固定部1
42と固定部192を接続し、可動部143と可動部1
93を接続し、この可動部143,193が同方向に同
量変位させることにより、可動部143,193が所定
変位方向に変位する。
【0077】ここで、この位置決め装置が方向199に
大変位する時、位置決め装置141の可動部143は方
向197に回転変位するが、同時に位置決め装置191
の可動部193は方向198に回転変位する。したがっ
て、可動部143と可動部193の回転変位が互いに相
殺され、接続後の可動部の回転変位はほとんど生じなく
なる。
【0078】なお、図19では、位置決め装置191に
も圧電素子195a,195bが組み込まれているが、
可動部の回転変位を相殺する目的を重視するなら、圧電
素子145a,145bを組み込まず、てこ部144
a,144bと可動部143のみでも同様の効果を得る
ことができる。
【0079】以降では、これまで説明してきた本発明に
係る位置決め装置を用いたテーブル装置について説明す
る。ここで説明するテーブル装置は、LSIなどの半導
体装置の製造、検査などに用いられる装置のオートフォ
ーカステーブルなどに主に用いられるものである。
【0080】図20は、本発明に係る位置決め装置を用
いたテーブル装置の第1の実施例を示す分解斜視図であ
る。このテーブル装置は位置決め装置141、可動装置
201、及び試料台205より構成される。可動装置2
01には、弾性ヒンジを用いた平行リンク機構204
a,204bが一体形成されており、これらを介して固
定部分202a,202bと変位部分203とが接続さ
れている。固定部202a,202bは図示していない
ベース部分に固定され、変位部分203は平行リンク機
構204a,204bにガイドされ、ベース部分に対し
て方向209に平行移動自在となっている。試料台20
5は変位部分203に固定され、図示していない試料を
方向209に変位させる。
【0081】位置決め装置141は、先に説明した図1
4に示す位置決め装置を応用したものである。この位置
決め装置141は、その固定部142を可動装置201
の固定部202a、202bの側面にに固定し、可動部
143を可動装置201の変位部分203に固定してい
る。なお、図中で、図14に示した位置決め装置の各部
と同一部分に関しては、同一番号を付すことにより重複
説明を省略する。
【0082】このような構成にすることにより、位置決
め装置141の可動部143の変位が可動装置201の
変位部分203に伝達され、試料台205が方向209
に高精度・高速応答可能でかつ線形性良く変位可能とな
る。また位置決め装置141が可動装置201の側面に
固定され、かつ位置決め装置141が所定変位方向20
9について非常にコンパクトであるので、テーブル装置
の所定変位方向209の寸法が小さくコンパクトなテー
ブル装置の構築が可能となる。したがって、このテーブ
ル装置をオートフォーカス機構などのテーブル装置とし
て用いることにより、非常にコンパクトでかつ高精度・
高速応答可能なオートフォーカス機構の構築が可能とな
る。
【0083】図21は、本発明に係る位置決め装置を用
いたテーブル装置の第2の実施例を示す分解斜視図であ
る。
【0084】このテーブル装置は、図20に示した第1
の実施例のテーブル装置を2つ組み合わせた構成にした
ものである。
【0085】可動装置210,211は、図19に示し
た可動装置201と同じ構造であり、それぞれの固定部
212a,212b,215a,215bが図示してい
ないステージ上に固定されており、その側面に位置決め
装置141がそれぞれ固定されている。それぞれの位置
決め装置141は、各部材が他方の位置決め装置と全く
同じ状態となるように設定されている。そして、可動装
置210の変位部分213と可動装置211の変位部分
218に試料台219及び位置決め装置の可動部分14
3が固定されている。
【0086】このような構成によれば、2つの位置決め
装置141の可動部143の変位量を同一とすることに
より、試料台219を方向209に移動させることがで
きる。
【0087】このようなテーブル装置では、図20に示
したテーブル装置に比べ、試料台219の姿勢を一定に
保つのが容易であり、より面積の大きな試料を高精度に
変位させることができる。そのほかの効果及び動作につ
いては、図20に示したテーブル装置と全く同様であ
る。
【0088】図22は、本発明に係る位置決め装置を用
いたテーブル装置の第3の実施例を示す分解斜視図であ
る。
【0089】このテーブル装置は、図20に示した第1
の実施例のテーブル装置を3つ組み合わせた構成にした
ものである。
【0090】可動装置221,226及び231は、図
20に示した可動装置201と同じ構造であり、それぞ
れの固定部222a,222b,227a,227b,
232a,232bが図示していないステージ上に固定
されており、その各側面に位置決め装置141がそれぞ
れ固定されている。そして、可動装置221の変位部分
223、可動装置226の変位部分228、及び可動装
置231の変位部分233に試料台160及び各位置決
め装置141の可動部143が固定されている。
【0091】このような構成において、3つの位置決め
装置141の可動部143の変位量を同一とすることに
より、試料台220を方向209に移動させることがで
きる。
【0092】このようなテーブル装置では、図20や図
21に示したテーブル装置に比べ、試料台を3点で支持
しているので、試料台の姿勢を一定に保つのがより一層
容易であり、かつ安定に支持することができる。したが
って、より面積の大きな試料を高精度に変位させること
ができる。そのほかの効果及び動作については、図20
に示したテーブル装置と全く同様である。
【0093】図23は、上記した本発明に係る可動装置
と、本発明に係る位置決め装置を適用したテーブル装置
の実施例を示す分解斜視図である。
【0094】可動装置2の固定部15aの側面に2つの
位置決め装置141を固定し、各位置決め装置141の
可動部分143を可動装置2の変位部分である基板保持
部3の側面に固定している。
【0095】本発明による可動装置2を用いることによ
り、テーブル装置の部品点数が減少すると共に、組み立
て必要とする機械的部分がないため可動装置の精度管理
が容易で、さらに部材の締結などによる剛性の低下、ヒ
ステリシスの発生などを防ぐことができる。また、可動
装置が一体構造となっていることから、テーブル装置の
ステージ上での着脱が容易に行える。その他の効果及び
動作については、図20に示したテーブル装置と同様で
ある。
【0096】図24は、図23で示したテーブル装置の
変形例を示す分解斜視図である。
【0097】このテーブル装置では、可動装置2は図2
3に示したテーブル装置のものと全く同じ構造である
が、位置決め装置141、241の取付け状態が異なっ
ている。
【0098】位置決め装置141と位置決め装置241
は基本的な構造は全く同じであるが、圧電素子145
a,145b及び245a,245b、てこ部144
a,144b及び244a,244bと、可動部14
3,243との取付け状態が2つの位置決め装置141
及び241で異なっている。簡単に言えば、位置決め装
置141を裏返して取付けるように配置したものが位置
決め装置241である。この場合でも、テーブル装置の
動作は図23に示したテーブル装置とほぼ同様であり、
2つの位置決め装置141,241の可動部143,2
43を同じ方向に同量だけ変位するように4つの圧電素
子145a,145b,245a,245bに電圧を加
えれば良い。
【0099】このような構成にすることにより、図19
に示した位置決め装置の説明の中で述べたように、可動
部に発生するわずかな回転運動を、2つの位置決め装置
の可動部143,243の回転運動方向を方向248と
方向249とし、互いに反対方向とすることで相殺し、
変位部分である基板保持部3の回転変位を最小限とする
ことができる。
【0100】以上説明した、本発明に係る位置決め装置
を用いたテーブル装置の実施例においては、図14に示
した位置決め装置を用いているが、図18あるいは図1
9に示した位置決め装置を用いても同様の効果が得られ
ることは言うまでもない。
【0101】次に、これまで説明した位置決め装置及び
テーブル装置の制御方法を、主として図24に示したテ
ーブル装置について説明する。
【0102】図25は、本発明のテーブル装置の制御系
の構成を示すブロック図である。
【0103】図25中で破線で示した部分141,24
1が図24に示したテーブル装置の2つの位置決め装置
141,241を示している。圧電素子についても同様
に、図9中の同一番号の圧電素子に対応している。
【0104】この制御装置では、変位指令250がまず
プッシュ・プル信号発生手段251に入力される。プッ
シュ・プル信号発生手段251では入力信号254と同
相の電圧指令255と入力信号254とは逆相の電圧指
令256を発生する。この2つの電圧指令255,25
6はそれぞれ電圧増幅手段252に入力され、各々独立
に電圧が増幅される。このとき、初期状態において圧電
素子の最大変位の半分程度の変位を発生させておくため
に、バイアス発生手段253によって、電圧増幅手段2
52の入力255,256に同程度のバイアス電圧25
9を加えておく。そして、バイアス電圧259を加えた
上で、増幅された圧電素子駆動電圧257,258を出
力し、2組の圧電素子145a,145b及び245
a,245bを駆動する。この場合、2つの位置決め装
置141,241で圧電素子の変位量はほぼ同じとな
り、テーブル装置の試料台が平行移動する。なお、バイ
アス発生手段253を電圧増幅手段252の内部に含ん
だ構成でも全く同様な効果が得られる。
【0105】図26は、本発明のテーブル装置の異なる
制御系の構成を示すブロック図である。
【0106】この制御系では、2つの位置決め装置14
1,241の可動部の変位量は、それぞれ異なる値を取
ることができる。この場合、テーブル装置の試料台の所
定変位方向の位置決めだけでなく、試料台の特定方向の
傾きも制御することができる。
【0107】この制御系の指令入力として、所定方向変
位量(平行移動量)254、試料台の傾き情報261が
指令配分決定手段260に入力される。指令配分決定手
段260では所定方向変位量254と傾き情報261を
もとに、2つの位置決め装置1,91の変位量の配分を
決定し、各々の位置決め装置の変位指令262a,26
2bをプッシュ・プル信号発生手段251a,251b
に出力する。これ以降は、図25に示した制御系の場合
と同様である。
【0108】なお、ここでは、図24に示したような2
つの位置決め装置を用いたテーブル装置を前提としてい
るが、図22に示したような3つの位置決め装置を用い
たテーブル装置でも、同様に制御系を構成すれば、試料
台の所定変位方向だけでなく、2軸まわりの傾きも制御
できる。
【0109】以上、本発明に係る位置決め装置及びこれ
を用いたテーブル装置について説明した。
【0110】次に、本発明に係るテーブル装置において
生じる振動の問題を解決するための手段について説明す
る。
【0111】例えば、図2に示した本発明に係る可動装
置2を用いたテーブル装置においては、基板保持部3と
固定部分15は弾性ヒンジなどの弾性体でのみ接続され
ているので、この系は単純なバネ−マス系となり基板保
持部3の動きに減衰を与える要素はほとんどない。した
がって、この基板保持部3を駆動したときの周波数応答
は図27に示した実線270のように大きなピ−ク27
1が生じる。このピ−ク271は基板保持部3の質量と
変位機構11のばね定数によって定まる共振周波数を示
しており、この大きさが減衰の程度を表している。この
様な減衰の少ない系では共振周波数のピ−ク271が非
常に大きくなり、基板保持部3の動きに共振周波数の振
動が生じ易くなる。また基板位置検出手段を用いて基板
5の位置を検出し、その情報をもとに基板保持部3の駆
動量を調節する閉ル−プ制御を行った場合には、系が発
振して不安定になりやすい。したがって、安定に駆動す
るには時定数の大きな積分器を制御系に入れて図28の
実線280のような特性にして、ピ−ク281のゲイン
を下げることが行われる。ところが、この様な特性で
は、かなり低い周波数からゲインが低下するため系の応
答性が大幅に損なわれてしまうおそれがある。これを避
けるために各種の制御補償要素を制御系に入れるなどの
対策もとられているが、その効果には限界があると同時
に最適な制御系を設計するのは容易なことではない。そ
こで、機械系の構造を工夫することにより共振点のピー
クを小さくする改良を行う。
【0112】図29は、図2に示した本発明に係る可動
装置の主な振動モードを示した模式図である。この図で
は、基板保持部3に相当する可動部290が固定部29
1とZ方向295のみに伸縮することができ、ほぼ同じ
バネ定数を有するバネ292a,292b,292c,
292dによって支持されている。このバネ292a,
292b,292c,292dが図2の可動装置2の支
持機構11に相当する。
【0113】ここで、バネ292a,292b,292
c,292dはZ方向295のみに伸縮できるので、可
動部290は所定変位方向であるZ方向295以外の方
向に並進運動することはできない。ただし、X軸29
3、Y軸294まわりに回転運動することは可能であ
る。この可動部290を駆動した時に生ずる振動モード
は、おもに図29に示した3つのモードである。この中
でもっとも振動の振幅が大きくなるのは図29(a)に
示したモードである。このモードは4つのバネ292
a,292b,292c,292dが全て同一方向にほ
ぼ同量だけ変位し、可動部290がZ方向295に並進
運動するモードである。図29(b)は4つのバネのう
ち292a,292dの2つのバネがほぼ同量変位し、
残りのバネ292b,292cがやはり同量変位するこ
とによりX軸293まわりに回転運動するモードであ
る。図29(c)は4つのバネのうち292a,292
bが同量変位し、292c,292dがやはり同量変位
してY軸294まわりに回転運動するモードである。
【0114】可動部290が変位する時はこれらの3つ
のモードが重ね合わされた振動が生じる。この時、図2
9(b)、図29(c)の振動モードの振幅は図29
(a)のモードよりも小さいことが多いが、この振動に
より可動部290の一部にZ方向295以外の変位が生
じる部分が生ずるのでこの可動部290に被検査対象を
載せて検査などを行う場合に誤差が生じてしまうおそれ
がある。したがって、所定変位方向の振動のみでなく、
その他の回転振動についても何らかの方法で減少させる
ことが必要となる。この対策としては可動部の所定変位
方向のダンピングを増加させ、それによって同時に回転
方向の振動も低減することが考えられるが、ダンピング
を与える部分によっては回転方向の振動低減効果があま
り得られず、いたずらに可動部の所定変位方向のストロ
ークを減少させてしまうといった問題もある。
【0115】図30は、本発明に係る可動装置に改良を
加えた実施例を示す平面図である。ここで、基板保持部
3と固定部15との間隙45には、固体微細粒子を分散
させたゲル状体300が流し込まれ、硬化されている。
この固体微細粒子を分散させたゲル状体300を流し込
む範囲は特に限定はしないが、振動抑制効果を考える
と、基板保持部3と固定部15の相対変位量が大きい溝
部分に充填することが好ましい。ただし、例えば、図中
のY軸294に平行な基板保持部3の対象軸に関して、
充填範囲が非対称になっていると、ダンピング量のバラ
ンスが崩れるので、基板保持部3の運動が純粋な並進運
動からはずれてY軸294まわり回転運動成分が生じる
ことがある。その場合には、基板保持部3上に部分的に
Y軸294方向の変位を生じる部分ができて基板保持部
3の運動精度が低下する。したがって、充填範囲は基板
保持部3のY軸294に平行な方向の対象軸に関して対
称に存在することが望ましい。
【0116】また、充填する量は、振動を抑制する度合
いと、全体の変位量の減少量を考慮して定める。なぜな
らこの固体微細粒子を分散させたゲル状体300は、低
周波数域における減衰能力は低いとはいうものの、低周
波数域においても全体の変位量が若干減少する。したが
って、全体の変位量を仕様値内に管理したうえで、固体
微細粒子を分散させたゲル状体300を充填していく。
さらに、図30の場合のように複数の場所に充填する場
合には、基本的には各々の場所に充填する量をほぼ一致
させる。これにより、それぞれの場所でのダンピング量
が一致し、基板保持部3の変位に図中のX軸293まわ
りの回転運動が発生するのを防ぐことができる。ただ
し、支持機構11の弾性ヒンジ部の特性にばらつきがあ
り、固体微細粒子を分散させたゲル状体300を充填し
ない状態で基板保持部3の運動精度に誤差が生じている
場合には充填量を変化させることにより、この運動精度
の誤差を修正することもできる。
【0117】図31は図30に示した可動装置のA−A
断面を示した断面図である。この図は固体微細粒子を分
散させたゲル状体300が基板保持部3と固定部15の
間隙に充填されている様子を詳細に示したものである。
ここでは、可動装置2の固定部15はステ−ジ1上に固
定されている。基板保持部3は図示していない変位機構
によりZ方向310に変位する。このとき固定部15と
基板保持部3との間隙に固微細粒子のゲル状体300が
充填されており、両者に密着している。これにより、基
板保持部3が変位したときに、固体微細粒子を分散させ
たゲル状体300が全体的に変形し、その際のエネルギ
損失により、その制振周波数域にある振動成分が減衰さ
れる。したがって、共振周波数が制振周波数域にあれば
そのピ−クを小さくすることができる。
【0118】なお、ここでは基板保持部3の所定変位方
向(Z方向310)の運動のダンピング増加効果につい
ておもに説明しているが、この固体微細粒子を分散させ
たゲル状体のエネルギ吸収効果は変位方向によらず全体
の変形により得られる。このため基板保持部3の所定変
位方向以外の微少振動を減衰させる効果も同時に発生し
ているので、基板保持部3がZ方向310に変位すると
きに発生する振動のZ方向310以外の成分についても
若干ではあるがその振幅が低減され、基板保持部3の運
動精度向上に役立つ。
【0119】次に、エネルギ損失の原理を図面を用いて
説明する。図32は固体微細粒子を分散させたゲル状体
の内部構造を模式的に示した図である。固体微細粒子を
分散させたゲル状体300は粘度の低い媒質320の中
に微細な固体粒子321がゲル状に含まれた状態のもの
である。図では、固体粒子の存在密度を小さく表してい
るが、実際には粒子の大きさが非常に小さく、存在密度
も非常に高い。一般的には、ゲル状体の体積の約80%
以上が固体微細粒子で占められている。このような構成
にすることにより、固体微細粒子を分散させたゲル状体
300が変形した際に、含まれている固体微細粒子32
1が各々接触したまま移動し粒子表面で摩擦が生じる。
そのため運動エネルギが摩擦により熱エネルギなどに変
換されて減少し、ダンピング効果が生ずる。したがっ
て、ダンピング効果に寄与するのはおもに固体微細粒子
321であり媒質320の粘性体自体のダンピング効果
はわずかである。
【0120】ここで、媒質320としては、流動性があ
り、硬化後にもある程度粘性があるものが用いられる。
また、充填後の密着性を考慮して接着性があることが好
ましい。ただし硬化後の粘度あるいは硬度が大きいとス
トロークの減少が大きくなるので、硬化後も粘度あるい
は硬度が低い方が好ましい。具体的な材料としてはおも
にシリコンゴムやウレタンゴムなどが用いられるが、こ
れらと同様の特性を持つ材料であれば他の材料でも利用
可能である。
【0121】一方、固体微細粒子321としては固体
で、ゲル状体にすることができる程度に粒径小さいもの
なら特に種類は問わない。実際にはセラミックや樹脂の
粉体などがおもに用いられる。
【0122】この他、固体微細粒子321として鉄系金
属強磁性体の粉体を用いることも考えられる。この場
合、外部から磁界を加えることにより微細粒子同士の接
触の度合いを変化させることができるのでダンピング量
を変化させることができる。また、固体微細粒子321
としてイオン交換樹脂、媒質320として絶縁性の高い
油脂を用い、このゲル状体に電界を印可し、ウインズロ
効果によりゲル状体の粘度を変化させ、ダンピング量を
調節するということも考えられる。
【0123】次に、この固体微細粒子を分散させたゲル
状体300によるダンピング増加の効果について説明す
る。
【0124】上記した図27に示した本発明に係る可動
装置2の基板保持部3を開ル−プ駆動した場合の周波数
特性を示した図について再説する。実線270は何も充
填しない場合の特性であり、共振周波数のところで大き
なピ−ク271を生じている。これに対して、まず、シ
リコンゴムなどの粘弾性材料を基板保持部3と固定部1
5との間隙45に充填すると、破線272に示したよう
な特性となる。この特性では、全域にわたりゲインが低
下し、かつ、共振周波数が若干高くなっている。即ち、
シリコンゴムなどのような粘弾性体では、その弾性によ
り等価的にバネ定数が増加した状態となっており、低周
波域においてもゲインが減少し、全体のストロークも大
幅に減少している。一方、本発明により固体微細粒子を
分散させたゲル状体300を間隙45に充填すれば、図
27の一点鎖線274で示したようなゲイン特性とな
る。この特性では低周波数域ではゲインの減少が少なく
高周波数域においてはゲインが大幅に減少し、シリコン
ゴムなどの粘性体を充填した場合に比べてダンピングの
効果も大幅に大きくなっている。したがって、全体のス
トローク減少を抑えながら非常に大きなダンピング効果
が得られる。なお、同時に共振点275の周波数が大幅
に高くなっているが、この場合は、バネ定数の増加によ
るものではないので、定常状態におけるゲインの低下は
小さくなっている。
【0125】さらに、上記した図28に示した本発明に
係る可動装置2の基板保持部3を積分要素を用いて開ル
−プ駆動した場合の周波数特性を示した図について再説
する。図27の実線270のような周波数特性を持つ可
動部を閉ル−プ制御する場合、補償要素を用いずに駆動
すると発振してしまうので、時定数の大きな積分器を用
いて高周波数域のゲインを低下させることにより、図2
8の実線280の様な特性にして駆動しなければならな
い。この場合、大きな共振周波数のピ−ク281がある
と、図に示すように、かなり低い周波数からゲインが低
下してしまうので、基板保持部3の応答周波数が低下し
て高速応答性が著しく悪化するが、本発明により、ピ−
クのゲインが大幅に小さくなるとともに、周波数も高く
なる(ピーク283)。したがって積分器の時定数を大
幅に小さくできるので、図中の破線282のようにかな
り高い周波数までゲインを保つことができるようにな
る。したがって、基板保持部3の応答周波数が高まり、
高速応答が可能となる。
【0126】次に、上記した振動防止手段を他の可動装
置を有するテーブル装置に応用した際の実施例について
説明する。
【0127】図33は、本発明に係る振動防止手段を用
いたテーブル装置の実施例を示した斜視図である。この
テーブル装置330はステージ331の上面に2つの可
動装置332が固定され、この2つの可動装置332の
可動部333に基板保持部334が接続されている。
【0128】またステージ331上には基板保持部33
4の側面に相対する面を有する2個の接続部材335が
基板保持部334の両側面と一定の間隙を保つように固
定され、その基板保持部334に相対する面と接続部材
335の側面との間に、固体微細粒子を分散させたゲル
状体300を充填している。
【0129】本実施例におけるダンピング作用及びその
効果は上記した実施例の場合と同様であるが、固体微細
粒子を分散させたゲル状体300の充填方法が異なる。
【0130】図30に示した本発明に係る可動装置2で
は、組立終了時には、間隙45はすでに設定されてお
り、組立後に流動性の高い固体微細粒子を分散させたゲ
ル状体300を流し込み硬化させる方法がとられるが、
充填する間隙45が小さい場合には、充填が容易でなか
ったり、充填した状態が均一にならないことがある。
【0131】これに対して、図33に示したテーブル装
置330では、ステージ331上に可動装置332を固
定し、さらに基板保持部334を可動装置332の可動
部333に接続した後、基板保持部334の両側面に相
対する面に、固体微細粒子を分散させたゲル状体300
を塗布した接続部材335を、ステージ331上に設置
し、基板保持部334の両側面との間に固体微細粒子を
分散させたゲル状体300が充填された状態で所定の間
隙を保つように位置決めして固定する。
【0132】こうすることにより、固体微細粒子を分散
させたゲル状体300の充填が容易となり、充填状態の
均一化も容易となる。また、接続部材335は取り外し
が可能であるので、充填状態の修正も容易である。
【0133】次に、接続部335と基板保持部334と
の間隙の調整について説明する。
【0134】固体微細粒子を分散させたゲル状体300
の硬化前は所定間隙を設定するため、充填した状態で接
続部材335を変位させて間隙の調整を行うが、硬化後
においても間隙の調整を行うことは可能である。固体微
細粒子を分散させたゲル状体300は硬化後もある程度
の粘性を有しているので、硬化後でも接続部材335の
位置を若干変更することができる。
【0135】固体微細粒子を分散させたゲル状体300
のダンピング効果は間隙の大きさに影響され、間隙が小
さくなるとダンピング効果が高まり、間隙を大きくする
とダンピング効果が減少する。したがって、接続部材3
35をステージ331に対して変位自在としておくこと
により、硬化後の固体微細粒子を分散させたゲル状体3
00のダンピング効果を調整することができる。つま
り、このような構成によれば、テーブル装置330の基
板保持部334のダンピング効果を組立終了後に、充填
量を変更することなく調整することが可能となる。
【0136】図34は、本発明に係る振動防止手段を施
したテーブル装置の他の実施例を示す斜視図である。
【0137】このテーブル装置340ではステージ34
1上に3つの可動装置342が固定され、その各々に可
動部343が設けられている。そして、これらの可動部
343に試料保持台344が接続されている。また、ス
テージ341上には3つの接続部材345が各可動装置
342の試料保持台344の側面に相対するように設置
されている。各々の接続部材345と試料保持台344
の側面の間隙には固体微細粒子を分散させたゲル状体3
00が充填されている。
【0138】なお、このテーブル装置340において
も、固体微細粒子を分散させたゲル状体300の充填方
法、調整方法、ダンピングの作用及びその効果は上記し
た実施例で説明したものと同様である。
【0139】ただし、このテーブル装置340では試料
保持台344が3つの可動装置342で支持されている
ので、図中のZ軸348方向の並進運動、X軸346ま
わりの回転運動、Y軸347まわりの回転運動の3自由
度を制御可能なテーブル装置となっている。つまり、各
可動装置332に図示しない位置決め装置を取り付ける
ことにより、先に図22において説明した3自由度を制
御できるテーブル装置とすることができる。
【0140】この場合、3つの接続部材345と試料保
持台344の間隙に固体微細粒子を分散させたゲル状体
300を充填することにより、Z軸348方向の並進運
動のダンピングを増加させられるだけでなく、X軸34
6まわりの回転運動、Y軸347まわりの回転運動のダ
ンピングも同時に増加させられるので、並進運動だけで
なく、回転運動についても安定で高精度な運動が可能な
テーブル装置とすることができる。
【0141】以下では固体微細粒子を分散させたゲル状
体の充填場所について、図30に示した本発明に係る可
動装置を用いたテーブル装置の実施例を用いて説明す
る。なお、以下の効果は図33に示した実施例について
も同様に当てはまり、さらに図34に示した実施例で
も、振動モードに若干の変更はあるものの、ほぼ同様の
ことがいえる。
【0142】図35は本発明に係る可動装置を用いたテ
ーブル装置の実施例を示した平面図である。ここで、固
体微細粒子を分散させたゲル状体350は基板保持部3
と固定部15とが相対する間隙45のうち4カ所に分割
して充填されている。この場所は基板保持部3の所定変
位方向(紙面に垂直な方向)の振動モード以外で最大の
振動振幅を有する振動モードの最大振幅部分351の近
傍となっている。この場合、所定変位方向の振動モード
以外の振動モードとしてはX軸293まわりの回転振
動、Y軸294まわりの回転振動が主なものである。そ
の振動振幅は基板保持部3の形状、支持機構11の位置
などにより変化するので一概には決めることができない
が、図35に示した可動装置2の場合には基板保持部3
の四隅部分がどちらの回転振動モードの場合にも最大振
幅部分となる。したがってこの近傍の間隙に固体微細粒
子を分散させたゲル状体350を充填することにより、
X軸293まわりの回転振動あるいはY軸294まわり
の回転振動が生じた時には、固体微細粒子を分散させた
ゲル状体350の変形量が他の部分に固体微細粒子を分
散させたゲル状体350を充填する場合に比べ大きくな
るので、固体微細粒子を分散させたゲル状体350のダ
ンピングがより効果的に回転振動低減を図ることができ
る。つまり、固体微細粒子を分散させたゲル状体350
の充填総量が同一でも、他の場所に充填した場合に比
べ、回転振動効果を大きくすることができる。
【0143】なお、充填する固体微細粒子を分散させた
ゲル状体350の量は、基板保持部3の所定変位方向の
ダンピング量とストローク減少量を考慮して適切な値と
する。この時、固体微細粒子を分散させたゲル状体35
0が充填されていない状態での回転振動の様子をあらか
じめ把握した上で、基板保持部3の運動精度が最も良好
になるように4箇所の充填量を調整することにより、基
板保持部3が所定変位方向に運動したときに回転運動成
分が生じて基板保持部3の運動精度が低下するのを防止
することができる。
【0144】以上、本発明に係るテーブル装置において
生じる振動の問題を解決するための手段について説明し
た。
【0145】次に、図2に示した本発明に係る可動装置
を有するテーブル装置において、基板5を固定する真空
チャック16への真空の供給方法について検討する。従
来の様に基板保持部が可動でない時には固定部内部に真
空を通す穴を設けて真空チャックまで導くことにより、
テーブル装置の外部に真空系の配管を露出させることな
く真空を真空チャックまで導くことができたが、図2に
示した様な可動装置2を有するテーブル装置では基板保
持部3と固定部15が分離されているので、固定部15
より基板保持部3へ真空を伝達するのに、基板保持部3
の内部に設けた穴を用いるのは容易ではない。そこで、
図36に示す様に可動装置2の外部に柔軟な配管360
を設置して、その一方を固定部15に固定し、もう一方
を基板保持部3に固定して基板保持部3内の真空チャッ
ク16に至る真空用穴に接続し、真空チャック16まで
真空を導くといった方法が考えられる。こうすることに
より基板保持部3の真空系と固定部15の真空系が柔軟
な配管で接続されるので、基板保持部3の動作が損なわ
れることなく真空を基板保持部3に導くことができる。
ただし、この場合には、図36より明らかなように、柔
軟な配管90及びその配管固定部361、362を可動
装置2の外部に設置することが必要になり、可動装置2
の高さが大きくなり、テーブル装置のコンパクト性が損
なわれる。とりわけ、このテーブル装置が基板検査装置
のテーブル装置として用いられる場合には、このテーブ
ル装置の上部には光学系が近接して存在する。また、そ
の光学系とテーブル装置の間隙を利用して、検査対象の
基板などを搬入するといった作業もあるのでテーブル装
置の高さはなるべく低い方が好ましい。
【0146】高さを抑える方法としては、固定部15及
び基板保持部3に外部から加工を施して、真空用の柔軟
な配管、配管固定部を埋め込むことが考えられるが、こ
の場合には外部から大幅に固定部15及び基板保持部3
を削り込む必要があり、固定部15及び基板保持部3の
剛性が大幅に低下し、検査精度に悪影響を及ぼすといっ
た問題点がある。また、高さ方向の増加を抑えるため、
可動装置2の側面を利用して、同様の配管、配管固定部
を設置するという方法も考えられるが、図5に示した様
に、この側面には、基板保持部3を変位させるための位
置決め装置が取り付けられるので、この面に真空系の配
管を配置することは容易でない。さらに側面を利用した
場合、基板保持部3に真空を接続した後に真空チャック
16まで導く穴を加工するのが困難となるといった問題
がある。
【0147】そこで、以下に、基板を固定するための真
空チャックに真空を供給するための手段について説明す
る。
【0148】図37は、図30に示した本発明の可動装
置についての実施例を示す平面図である。まず、基板保
持部3に真空を真空チャック16に導く穴部370を加
工する。この加工は基板保持部3の側面方向から穴加工
した後にその穴の一端(図中の斜線部371)を塞ぐこ
とによってなされる。真空チャック16は基板保持部3
の底面に取り付けられており、その内部には先に示した
基板保持部3の穴部370に接続される穴部372が形
成されており、チャック面には、開口部373が設けら
れている。この真空チャック16に基板5を載せ、真空
チャック16の開口部373より吸引することにより基
板5を基板保持部3に固定する。固定部15には側面か
ら開けられた真空用の穴部374が開けられているが、
この穴部374は加工時に基板保持部3まで間隙45を
貫通して開けられ、先に加工してあった基板保持部の穴
部370と接続される。その後、この穴部374にちょ
うどはめあうような棒状体を挿入して、基板保持部3の
穴部340まで差し込む。その後、棒状体の近傍の間隙
45に、図30に示したような固体微細粒子を分散させ
たゲル状体を流し込み、硬化させて、接続部375を形
成する。その際、棒状体により、固体微細粒子を分散さ
せたゲル状体が穴部374に流れ込み、穴部374が塞
がれることを防ぐとともに、接続部375に穴部376
を確実に確保できるようにしている。また、こうするこ
とにより、間隙45に固体微細粒子を分散させたゲル状
体を流し込む際に、基板保持部3が変位して基板保持部
3の初期位置が狂うことを防止することもできる。そし
て、接続部375が硬化した後に棒状体を引き抜き、固
定部15の穴部374と基板保持部の穴部370を接続
する。固定部15の穴部374の外部に面した一端には
真空系接続部377が設けられており、ステージ1上に
設けられた真空系接続手段378により真空源に接続さ
れている。したがって、真空源を動作させることによ
り、基板保持部3の真空チャック16の開口部27まで
真空が導かれる。
【0149】図38は、図37に示した可動装置のA−
A断面を示す断面図である。この断面は基板保持部3と
固定部15との間隙45の様子を示したもので、固体微
細粒子を分散させたゲル状体からなる接続部375が構
成されており、その内部に固定部15の穴部374と基
板保持部3の穴部370を接続する穴部376が形成さ
れている。
【0150】図39は、図36に示した可動装置のB−
B断面を示す断面図である。固定部15はステージ1上
に固定され、基板保持部3は接続部375によって固定
部15に変位可能な状態で接続されている。固定部15
の穴部374は接続部375の穴部376を介して基板
保持部3の穴部370につながっており、真空チャック
16内部の穴部372を通して開口部373まで真空を
伝えられるようになっている。なお、真空源にはステー
ジ1上の真空系接続手段378と真空系接続部377に
よって接続されている。
【0151】図40は、図36に示した可動装置の変形
例を示した平面図である。この場合、基板保持部3に供
給される真空系は1系統のみである。したがって固定部
15の穴部374も1つだけで、基板保持部3における
真空の供給は、基板保持部3の内部の穴部370と外部
の配管400によって行う。このとき配管400は可動
装置の外部に設置されるが、基板保持部3の端部付近で
あるのでコンパクト性を損なうことは少ない。これによ
り、真空系接続部377及び真空系接続手段378を1
箇所のみに設ければ良く、真空系装置を簡略化すること
が可能となる。
【0152】以上、本発明に係る可動装置を有するテー
ブル装置において、基板を固定する真空チャックへの真
空の供給方法について説明した。
【0153】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
微小変位時の可動重量を小さくするとによりオートフォ
ーカス等における変位の応答特性を向上させることが可
能であると同時に、コンパクトな微小変位機構を実現で
きる可動装置及びその製造方法並びに位置決め装置と、
これらを用いたテーブル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す分解斜視図。
【図2】図1に示した本発明の可動装置の詳細を示した
斜視図。
【図3】図1に示した本発明の可動装置の変形例を示し
た斜視図。
【図4】図2及び図3に示した可動装置を示した平面
図。
【図5】図1に示した本発明の可動装置の位置決め装置
の詳細を示す斜視図。
【図6】図5に示した可動装置の位置決め装置の詳細を
示した図。
【図7】位置決め装置を設けた可動装置を示す斜視図。
【図8】図7に示した位置決め装置の詳細を示した図。
【図9】図7に示した位置決め装置の変形例の詳細を示
した図。
【図10】位置決め装置をステージ上に設けた可動装置
を示す斜視図。
【図11】図10に示した位置決め装置の詳細を示す
図。
【図12】非接触式の位置決め装置で駆動される可動装
置を示す斜視図。
【図13】図12に示した位置決め装置の詳細を示す
図。
【図14】本発明の位置決め装置の第1の実施例を示す
平面図。
【図15】図14に示した位置決め装置の機構を模式的
に表した図。
【図16】図15に示した模式図で微小な変位が生じた
場合の各部材の変位を拡大して示した図。
【図17】図14に示した位置決め装置において、可動
部の変位が最大に近い場合の各部材の変位の様子を示し
た模式図。
【図18】本発明の位置決め装置の第2の実施例を示す
平面図。
【図19】本発明の位置決め装置の第3の実施例を示し
た分解斜視図
【図20】本発明に係る位置決め装置を用いたテーブル
装置の第1の実施例を示す分解斜視図。
【図21】本発明に係る位置決め装置を用いたテーブル
装置の第2の実施例を示す分解斜視図。
【図22】本発明に係る位置決め装置を用いたテーブル
装置の第3の実施例を示す分解斜視図。
【図23】本発明に係る可動装置と、本発明に係る位置
決め装置を適用したテーブル装置の実施例を示す分解斜
視図。
【図24】図23で示したテーブル装置の変形例を示す
分解斜視図。
【図25】本発明のテーブル装置の制御系の構成を示す
ブロック図。
【図26】本発明のテーブル装置の異なる制御系の構成
を示すブロック図
【図27】本発明に係る可動装置の基板保持部を開ル−
プ駆動した場合の周波数特性を示した図。
【図28】本発明に係る可動装置の基板保持部を積分要
素を用いて開ル−プ駆動した場合の周波数特性を示した
図。
【図29】本発明に係る可動装置の主な振動モードを示
した模式図。
【図30】本発明に係る可動装置に改良を加えた実施例
を示す平面図。
【図31】図30に示した可動装置のA−A断面を示し
た断面図。
【図32】固体微細粒子を分散させたゲル状体の内部構
造を模式的に示した図
【図33】本発明に係る振動防止手段を用いたテーブル
装置の実施例を示した斜視図。
【図34】本発明に係る振動防止手段を施したテーブル
装置の他の実施例を示す斜視図。
【図35】本発明に係る可動装置を用いたテーブル装置
の実施例を示した平面図。
【図36】本発明の可動装置についての実施例を示す斜
視図。
【図37】本発明の可動装置についての実施例を示す平
面図。
【図38】図37に示した可動装置のA−A断面を示す
断面図。
【図39】図36に示した可動装置のB−B断面を示す
断面図。
【図40】図36に示した可動装置の変形例を示した平
面図
【符号の説明】
1 ステージ 2 可動装置 3 基板保持部 4a,4b 位置決め装置 5 基板 10 光学系 11 支持機構 12a,12b アクチュエータ 13a,13b 位置検出装置 15 固定部 16 真空チャック 300,350 固体微細粒子を分散させたゲル状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G12B 5/00 H01L 21/027 H01L 21/68

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定方向に変位可能な可動部材と、この可
    動部材の変位方向に対して略垂直方向に変位を発生させ
    る少なくとも一対の圧電素子と、この圧電素子で発生し
    た変位を前記可動部材に伝達する少なくとも一対のてこ
    部材と、前記一対の圧電素子を保持するとともに、前記
    可動部材及び前記てこ部材を一体に支持する固定部材と
    から構成されることを特徴とする位置決め装置。
  2. 【請求項2】前記てこ部材は、前記圧電素子の変位量を
    拡大もしくは縮小して前記可動部材に伝達することを特
    徴とする請求項1記載の位置決め装置。
  3. 【請求項3】試料を保持する試料保持部と、この試料保
    持部を所定方向に変位可能に保持する可動部分及びこの
    可動部分を、支持機構を介して弾性的に支持する固定部
    分とからなる可動手段と、この可動手段の前記可動部分
    に請求項1記載の位置決め装置の前記可動部材を接続
    し、該可動手段の前記固定部分に該位置決め装置の前記
    固定部材を接続してなることを特徴とするテーブル装
    置。
  4. 【請求項4】試料を保持する試料保持部と、この試料保
    持部を所定方向に変位可能に保持する可動部分及びこの
    可動部分支持機構を介して弾性的に支持する固定部分
    とからなる複数の可動手段と、この複数の可動手段のそ
    れぞれについて、前記可動部分に請求項1記載の位置決
    め装置の前記可動部材を接続し、前記各固定部分に該位
    置決め装置の前記固定部材を接続してなるテーブル装置
    であって、前記位置決め装置の前記可動部材の変位量を
    それぞれ独立に調節可能な制御手段を有することを特徴
    とするテーブル装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、前記試料保持部の傾き情
    報及び所定方向変位量が入力され、前記傾き情報及び前
    所定方向変位量をもとに、前記複数の可動手段のそれ
    ぞれに接続された可動部材の変位量の配分を決定し、前
    可動部材に変位指令を出力する指令配分決定手段を備
    えることを特徴とする請求項4記載のテーブル装置。
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