JP3403403B2 - 顆粒球コロニー刺激因子レセプターをコードするdna - Google Patents

顆粒球コロニー刺激因子レセプターをコードするdna

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重一 長田
理己郎 福永
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、顆粒球コロニー刺激因子レセプターをコー
ドするDNAに関し、さらに詳しくは、顆粒球コロニー刺
激因子(以下、G−CSFと称する)と特異的に結合し得
るレセプターペプチドをコードするDNA、該DNAを含有す
る発現ベクター、該ベクターを含有する形質転換体、並
びに該形質転換体を培養することにより、該レセプター
を製造する方法に関するものである。さらにまた本発明
は、このようにして製造された組換えG−CSFレセプタ
ーに関するものである。
背景技術 血液細胞の増殖と分化はコロニー刺激因子(CSF)と
称するホルモン様の増殖および分化因子によって制御さ
れている[メトカルフ(Metcalf,D.)、ネイチャー(Na
ture)、339、27〜30(1989)]。CSFは、その作用する
状況または段階に応じて顆粒球コロニー刺激因子(G−
CSF)、顆粒球−マクロファージのコロニー刺激因子(G
M−CSF)、マクロファージのコロニー刺激因子(M−CS
F)およびインターロイキン3(IL−3)に大別され
る。それらの内、G−CSFは好中性顆粒球の増殖および
分化に重要な役割を担っており、血液中の好中球濃度の
制御、並びに成熟好中球の賦活化に深く関与しているこ
とが分かっている[ナガタ(Nagata,S.)、ハンドブッ
ク・オブ・エクスペリメンタル・ファルマコロジー(Ha
ndbook of Experimental Pharmacology)、「ペプチド
・グロウス・ファクター・アンド・デア・レセプターズ
(Peptide Growth Factors and Their Receptors)」、
スポーン(Sporn,M.B.)およびロバーツ(Roberts,A.
B.)編、スプリンガー−バーラグ、ハイデルベルク(Sp
ringer−Verlag,Heidelberg)、Vol.95/I、699〜722頁
(1990);ニコラ(Nicola,N.A.)、Annu.Rev.Bioche
m.、58、45〜77(1989)]。即ち、G−CSFは好中球の
前駆細胞に存在するレセプター(G−CSFレセプター)
を介して該細胞に作用し、その増殖、あるいは分化を刺
激して主に好中性顆粒球を与える[ニコラ(Nicola,N.
A.)およびメトカルフ(Metcalf,D.)、プロシィーディ
ングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシィーズ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、81、3765〜37
69(1984)]。
G−CSFにはその他、様々な作用があり、例えば、組
換えDNA技術で得られたG−CSCFを用いたインビボの動
物実験により、該G−CSFが好中球の調節因子であるこ
とが示唆された(ツチヤら、EMBO J.、611−616(198
7);ニコラら、Annu.Rev.Biochem.58、45−77(198
9))。また、がん患者へのG−CSF投与が化学療法およ
び骨髄移植療法に有利であることを示す臨床報告もある
(モースチンら、Trends Pharmacol.Sci.10、154−159
(1989))。その一方で骨髄性白血病細胞などのがん細
胞の増殖がG−CSFによって刺激される場合のあること
も知られている。
このように、G−CSFは臨床上極めて重要な生理活性
物質であるにもかかわらず、作用機構には不明な点が残
されており、より有効な治療および診断を構成する上
で、作用機構の解明が待たれている。そのためには細胞
表面に存在するヒトG−CSFレセプターを生化学的に特
性化し、該レセプターとG−CSFとの相互作用を研究す
る必要がある。
ところで、G−CSFの作用する細胞は好中球の前駆体
および成熟した好中球、および種々の骨髄性白血病細胞
に限定されている(ニコラおよびメトカーフ、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 81、3765−3769(1984)、ベグレー
ら、Leukemia 、1−8(1987)、パークら、Blood 7
4、56−65(1989))。ヒトG−CSFは174アミノ酸、ネ
ズミG−CSFは178アミノ酸からなるポリペプチドであ
り、ヒトG−CSFとネズミG−CSFの相同性はアミノ酸配
列レベルで72.6%と高く、種特異性は殆んど認められな
いことも明らかである(ニコラら、Nature 314、625−6
28(1985))。他方、G−CSFレセプターは非血液細
胞、例えばヒト内皮細胞(ブッソリノら、Nature 337
471−473(1989))および胎盤(ウズマキら、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 86、9323−9326(1989))にも存在し
ていることが最近、報告され、G−CSFの作用は一層興
味深いものがある。
以上のように、G−CSFとG−CSFレセプターとの相互
作用の解明は学問的な見地からも価値があるが、臨床面
においても、造血性疾患または他の疾患の予防および治
療におけるG−CSFの投与方法の確立、ひいてはより正
確で有効な処置を達成するために重要である。他方、レ
セプター自身の用途として、可溶化型G−CSFレセプタ
ーが、ある種のG−CSF依存性ヒト白血病細胞(サント
リら、J.Immunol 139、3348−3354(1987))の増殖阻
害に臨床上有用である可能性も存在する。さらに、骨髄
性白血病細胞などのがん細胞がG−CSFにより増殖する
可能性もあり、該細胞におけるG−CSFレセプターの発
現を検討し、G−CSFの臨床応用をより有効に行うこと
ができる。このように、研究および実用化の両面でG−
CSFレセプターには様々な有用性が指摘されており、G
−CSFレセプター遺伝子およびそのタンパク質の安定的
な供給が望まれる。
近年、多くの生理活性物質の製造に遺伝子工学の技術
が利用されている。遺伝子工学による物質生産において
は、通常、目的とするポリペプチドをコードするDNAの
クローニングを行い、該DNAを適当な発現ベクターに組
み込み、得られた組換えDNAを用いて微生物や動物細胞
等を形質転換し、目的物質を発現させる。
G−CSFレセプターを遺伝子工学の技術により生産す
るには、まず目的物質であるG−CSFレセプターをコー
ドするDNAのクローニングを行う必要があるが、G−CSF
レセプターは細胞表面における存在が極めて少数(細胞
あたり、数百〜2000個)であるためにそのcDNAのクロー
ニングが容易でなかった。
発明の開示 本発明者らは、ヒトG−CSFとネズミG−CSFとのアミ
ノ酸レベルでの相同性が72.6%と高く、種特異性は殆ん
ど認められないことから、それぞれのG−CSFとG−CSF
レセプターとの間に交差反応が予測される、ということ
に着目し、まず、研究ならびに診断分析に適用し得るG
−CSFレセプターを得ることを目的として、ネズミ(マ
ウス)骨髄性白血病NFS−60細胞から、そのレセプター
を可溶化し、分子量100,000から130,000のタンパク質と
して精製した。精製方法としては、例えば、細胞膜懸濁
液をCHAPS{3−[(3−コラミドプロピル)ジメチル
アンモニオ]−1−プロパンスルホン酸}で抽出した
後、その抽出液をG−CSFアフィニティークロマト(組
換えヒトG−CSFをゲル樹脂に結合したアフィニティー
クロマト)で処理し、次いでゲル濾過で精製することが
できる。
一方、NFS−60細胞から得たmRNAを逆転写し、ネズミ
のG−CSFレセプターをコードするcDNA(以下、G−CSF
レセプターcDNAという)を単離、クローニングすること
に初めて成功した。次いで、このcDNAの塩基配列を決定
し、アミノ酸配列を推定した。ネズミG−CSFレセプタ
ーcDNAの塩基配列および推定のアミノ酸配列を第1図に
示す。
ネズミG−CSFレセプターcDNAを含有する発現クロー
ニングベクターでCOS細胞を形質転換すると、該細胞はN
FS−60細胞上に存在する天然のネズミG−CSFレセプタ
ーと同様の性質を有するレセプターを発現した。ネズミ
G−CSFレセプターcDNAの塩基配列に基づいてG−CSFレ
セプターのアミノ酸配列を類推し、他の増殖因子レセプ
ターファミリーのそれと比較した結果、このネズミG−
CSFレセプターは、それらと共通する特徴を有すること
が明らかになった(第7図参照)。また、このようにし
て得たネズミG−CSFレセプターをコードするDNAから調
製したプローブは、ヒトG−CSFレセプターとハイブリ
ダイズした。これはG−CSFレセプターには種特異性が
なく、ヒトG−CSFレセプターはマウスG−CSFレセプタ
ーと非常に相似していることを示すものであり、従って
ネズミG−CSFレセプターDNAは、ヒトG−CSFレセプタ
ーを製造する為のいわば中間体として極めて有用であ
る。
次に本発明者らはヒトG−CSFレセプターを十分な
量、供給することを目的として、ネズミG−CSFレセプ
ターをコードするDNAから調製したプローブを用い、ヒ
ト胎盤およびU937細胞由来の全(total)mRNAから作成
したcDNAライブラリーをスクリーニングし、ヒトG−CS
FレセプターをコードするcDNAをクローニングすること
に成功した。
本発明のヒトG−CSFレセプターをコードするプラス
ミドで形質転換されたサルCOS細胞は天然のヒトG−CSF
レセプターと同様のG−CSFとの特異的な結合特性を有
するヒトG−CSFレセプターを産生した。
即ち、本発明はG−CSFレセプターをコードするDNAを
提供するものである。また本発明はG−CSFレセプター
をコードしている発現ベクターを提供するものである。
さらに本発明は、該発現ベクターで培養細胞を形質転換
し、形質転換体を培地に培養し、培養物からG−CSFレ
セプターを回収することからなるG−CSFレセプターの
製造方法を提供するものである。
なお、本明細書中、G−CSFレセプターペプチドなる
語句は、成熟G−CSFレセプターのみならず、該レセプ
ター分子の一部であって、G−CSFとの特異的結合活性
を有するペプチド分子の全てを指すものとする。
本発明により、従来、単離が困難であったヒトG−CS
Fレセプターを遺伝子組換え法により容易に得ることが
可能となったので、そのようにして得られた組換えG−
CSFレセプターを用いてG−CSF、およびG−CSFレセプ
ターの作用機構および臨床(診断および治療)適用のた
めの研究、並びに実用化を推進することができる。ま
た、G−CSFを白血病などの癌患者に臨床応用する際
に、当該癌細胞がG−CSFレセプターを発現しているか
否かを、G−CSFレセプターcDNAをプローブとして用い
て容易に検討することができる。従って、そのようなcD
NAはG−CSFの有効な臨床応用に役立つと考えられる。
さらに、可溶化型G−CSFを遺伝子組換え法により大量
に生産し、その三次構造を解析する、等により、G−CS
Fレセプターに、効率よく結合するタンパク質や化合物
を開発することも可能である。
ネズミG−CSFレセプターをコードするDNAのクローニ
ングは、次記の方法により行われた。即ち、G−CSFレ
セプターの発現率が高いマウス骨髄性白血病細胞NFS−6
0からG−CSFレセプターを精製し、その分子量が100,00
0−130,000ダルトンであることを確認した。さらに、該
細胞から、グアニジンチオイソシアネート/CsCl法で全R
NAを調製し、poly(A)RNAを選択した。次いで、逆転
写酵素、DNAポリメラーゼなどを用いて2本鎖cDNAを合
成し、哺乳類発現ベクターCDM8(シード、Nature 329
840−842(1987))をベクターとするcDNAライブラリー
を構築した(60−80クローンの884プール)。各プール
からプラスミドDNAを調製してCOS−7細胞に導入し、放
射性ヨウ素でラベルしたG−CSFを用いて結合活性を示
す2つのプールI62およびJ17を選択した。これらのプー
ルから、G−CSFとの結合活性が高い2個の独立のクロ
ーン、プラスミドpI62およびpJ17を同定した。これらの
プラスミドで形質転換されたCOS細胞は、G−CSFと結合
活性を有するレセプターを発現した。
次いで、プラスミドpJ17およびpI62の塩基配列を決定
した結果、これらはいずれもネズミG−CSFレセプター
の完全なコーディング領域を含有しているが、poly
(A)配列もpoly(A)付加シグナルも含有していない
ことが分かった。そこで、pJ17の2.5kb Hind III−Xba
Iをプローブとするコロニーハイブリザイゼーションに
よって、上記cDNAライブラリーを再度スクリーニング
し、陽性クローンの1つ(pF1)を選択した。これは603
bpの3'非コーディング領域と、2個の重複するpoly
(A)付加シグナルを含有していた、これら3個のクロ
ーン化cDNA(pI62、pJ17およびpF1)の塩基配列および
それより類推されるアミノ酸配列を第1図に示す。ま
た、その模式図および制限酵素切断点地図、並びにハイ
ドロパシープロットを第2図に示す。
本発明によりクローニングされたネズミG−CSFレセ
プターcDNAは以下の特徴を有する。
ヌクレオチド180−162の開始コドンATGとヌクレオチ
ド2691−2693の終止コドンTAGとの間に長いオープン・
リーディング・フレーム(2,511ヌクレオチド)を有す
る。その5'上流側には3個の開始コドンとなり得るコド
ンが、73、105および126位に存在しているが、いずれの
下流にも短いオープン・リーディング・フレームしか存
在しない。プラスミドpI62をHind III消化してcDNAから
これらATGコドンを欠失させてもCOS細胞内での組換えG
−CSFレセプターの発現は増減しないということが分か
った。
さらに、ロング・オープン・リーディング・フレーム
のN−末端配列には疎水性アミノ酸からなる配列が存在
し、これはシグナル配列と思われる。そして、代表的な
シグナルペプチド開裂部位の配列との比較によりN−末
端25アミノ酸がシグナル配列と類推された。
以上から、成熟ネズミG−CSFレセプターは、812アミ
ノ酸から成り、理論分子量90,814であると結論された。
この値は125Iヨウ素放射G−CSFとの結合実験の値(実
施例2(2)参照、第5図)や精製ネズミG−CSFレセ
プターの分子量(95,000−125,000)と比較して5,000−
35,000ダルトン少ない。この差異はおそらくG−CSFレ
セプターの細胞外領域に認められる11個の推定N−グリ
コシル化部位(Asn−X−Thr/Ser)の幾つかに糖鎖が結
合していることによるものであろう(第1図)。
成熟G−CSFレセプターのアミノ酸配列のヒドロパシ
ープロット(第2図、B)(カイトおよびドゥーライ
ト、J.Mol.Biol.157、105−132(1982))によると、Le
u−602からCys−625に至る24個のアミノ酸は非荷電アミ
ノ酸であり、3個の塩基性アミノ酸がこれに続く。これ
らの特徴は多くの膜タンパク質における膜貫通領域に認
められる特徴と一致している。
このように、成熟G−CSFレセプターは601アミノ酸の
細胞外ドメイン、24アミノ酸の膜貫通領域(単一のトラ
ンスメンブラン領域)、および187アミノ酸の細胞質ド
メインからなる。細胞外ドメインのNH2末端373コのアミ
ノ酸はシステイン残基に富んでおり(17/373アミノ
酸)、これは多くのレセプターのリガンド結合領域に共
通する性質である(マクドナルトら、British Medical
Bulltein 455、54−569(1989))。エリスロポエチレ
ンレセプター(ドアンドレらCell 57、277−285(198
9))と同様、G−CSFレセプターもプロリンに富み(80
残基、9.9%)、また、ネズミG−CSFレセプターはトリ
プトファン残基をかなり高含有率で含有する(26残基、
3.2%)。
以上から明らかな様に、本発明により決定されたネズ
ミG−CSFレセプターは、増殖および分化因子のレセプ
ターに共通する特徴である、N末端のシグナル配列、単
一のトランスメンブラン領域、N末端部分における細胞
外ドメイン、C末端部分における細胞ドレインから成
る。
さらに、ネズミG−CSFレセプターのアミノ酸配列と
他の増殖因子のレセプターのアミノ酸配列とを比較して
以下の結果を得た(第7図)。比較に用いたのは、成長
ホルモン、プロラクチン、エリスロポエチン、IL−6、
IL−2、IL−4、IL−3、GM−GSFのレセプターであっ
て、これらはすべて増殖因子レセプター群に属する。7A
図に示されているように増殖因子レセプター群で共通に
見い出されるシステインとトリプトファン残基はG−CS
Fレセプターにおいても保存されており、“WSXWS"モチ
ーフ(ギアリング、EMBO J.83、667−3676(1989)、イ
トウら、Science 247、324−326(1990))もアミノ酸
残基294−298に認められ、該G−CSFが同群に属するこ
とを示唆している。このG−CSFレセプターと他の血液
細胞増殖因子レセプター群の比較により、G−CSFとIL
−6の相同性は44.6%であるが、そのレセプター間の相
同性はG−CSFレセプターとプロラクチンレセプターと
の相同性に比較して低い。また、第7B図に示されている
ようにG−CSFレセプターの細胞外領域のアミノ酸配列
(376−601)とニワトリコンタクチン(ランシト、J.Ce
ll.Biol.107、1561−1573(1988))の細胞外領域の一
部とに有意な相同性が認められる。コンタクチンは神経
細胞表面糖タンパク質(130KD)であって神経系の細胞
間情報伝達に関連しているとされている。コンタチンの
アミノ酸残基737−818は細胞、ヘペリンおよびDNAとの
結合に関連するフィブロネクチンIII型セグメントと相
同性を保持しており、この領域は細胞同士の付着に重要
な役割を担っていると思われる。骨髄では常に顆粒球が
形成されており、好中球の前駆細胞と骨髄質細胞との直
接相互作用の存在が示されている(ロバートら、Nature
332、376−378(1988))。上記のネズミG−CSFレセ
プターとコンタクチンの細胞外領域の類似性はこの領域
が好中球の前駆細胞と骨髄質細胞との相互作用に関与し
ていることを示唆するものである。
G−CSFの細胞質ドメインは、他の増殖因子レセプタ
ーと同様、セリン(12.8%)およびプロリン(12.3%)
に富む。そして、G−CSFレセプターのトランスメンブ
ランおよび細胞質領域の配列はIL−4レセプターと有意
に類似する。
第7(c)図に示すように、G−CSFレセプターのト
ランスメンブラン領域および細胞質領域の最初の46アミ
ノ酸はネズミIL−4の対応する領域と相同である(50.0
%)。さらに、G−CSFレセプターのアミノ酸残基672−
808はIL−4レセプターのアミノ酸残基557−694と有意
な類似性を持つ(45.4%)。このことは、G−CSFによ
る細胞への情報伝達とIL−4による情報伝達が同様の機
構で起こっていることを示唆するものである。
本発明においては、ネズミ白血病細胞NFS−60細胞か
ら得たmRNAの逆転写によりcDNAを得たが、このcDNAは同
一動物の他の細胞(例えば、WEHI−3BD+細胞やマウス骨
髄細胞)のmRNAからも得ることができる(第6図参
照)。また、それは他の動物種(例えばヒト)のゲノム
とも相同である。
G−CSFレセプターの3.7kb mRNAはNFS−60細胞のみな
らずWEHI−3BD+にも検出された(同図)。このことはG
−CSFによるNFS−60細胞の増殖とWEHI−3BD+細胞の分化
が同一G−CSFレセプターに関連していることを示唆す
るものである。NFS−60およびWEHI−3BD+細胞に対する
G−CSF作用が増殖と分化という異なる結果をもたらす
のは、レセプターより下流のシグナル伝達機構が異なる
ことに起因すると思われる。例えば、骨髄細胞の分化に
関与すると思われるc−mybおよびevi−1部位がNFS−6
0細胞内では再編成されているが、WEHI−3BD+細胞内で
は再編成されていないという相違点が報告されている
(モリシタら、Cell 54、831−840(1989))。
本発明のネズミG−CSFレセプターをコードするDNAは
第1図記載の塩基配列に従って得ることができる。これ
は、受託番号、微工研菌寄第11353号(FERM P−1135
3)の下で通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所
に寄託され(寄託日:平成2年3月9日)、その後ブダ
ペスト条約の下で国際寄託に移管されたEscherichia co
li.pI62から常法通り単離することができる(国際寄託
における受託番号:微工研条寄第3312号(FERM BP−33
12;移管日:平成3年3月16日)。あるいは化学合成す
ることも可能であり、さらには該配列に基づいて、通
常、約30ヌクレオチドのプローブを合成し、これをゲノ
ムライブラリーまたはcDNAライブラリーのハイブリザイ
ゼーションプローブとして用いることにより、得ること
もできる。そのようなライブラリーは、上記のごとく、
G−CSFレセプターを発現する任意の種、例えばヒト、
マウス、ラット、その他の動物から調製することができ
る。プローブとして用いるDNAの合成およびハイブリザ
イゼーション法は当業者に既知である。ゲノムライブラ
リーおよびcDNAライブラリーの調製も当業者既知であ
る。
また本発明のヒトG−CSFレセプターをコードするcDN
Aのクローニングは、次記の方法により行われた。即
ち、G−CSFレセプターの発現率が高いヒト胎盤およびU
937細胞(human histiocytic lymphoma,ATCC CRL1593)
から全RNAを調製し、poly(A)RNAを選択した。次い
で、逆転写酵素、DNAポリメラーゼなどを用いて2本鎖c
DNAを合成し、哺乳類発現ベクターpEF−BOS(第14図参
照)を用いてcDNAライブラリーを構築した。一方、前述
のネズミG−CSFをコードするDNAからハイブリダイゼー
ションプローブを調製し、該プローブを用いるコロニー
ハイブリダイゼーションあるいはプラークハイブリダイ
ゼーションによって上記cDNAライブラリーをスクリーニ
ングし、陽性クローンを選択した。
U937細胞から調製したcDNAライブラーから5個の陽性
クローンが単離された(pHQ1〜pHQ5)。他方、ヒト胎盤
から調製したcDNAライブラリーから100個以上の陽性ク
ローンが得られ、その内6個の陽性クローンを単離して
EcoR I消化し、得られたEcoR I断片をpBluescript SK
(+)でサブクローニングした。次いで、単離したcDNA
を制限酵素マッピングおよびDNA配列決定により分析し
た。その結果、クローンは以下の3クラスに分類される
ことが分かった。胎盤およびU937細胞から得られたcDNA
の大部分がクラス1に属していた。
クラス1:プラスミドpHQ3(U937細胞)およびpHG12(胎
盤) このクラスのクローンは836アミノ酸のタンパク質を
コードする大きいオープン・リーディング・フレームを
有する。その塩基配列および推定のアミノ酸配列を第8
図Aに示す。推定のアミノ酸配列のヒドロパシー分析に
より、このクラスのcDNAによってコードされているG−
CSFレセプターは、N末端から23アミノ酸残基のシグナ
ル配列、604残基の細胞外ドメイン、26残基からなる膜
貫通領域(トランスメンブラン・ドメイン)、および18
3残基の細胞質ドメインを含有することが示された。プ
ラスミドpHQ3(pHG12と同一)の制限酵素切断点は第9
図に記載されている。
このプラスミドにコードされているヒトG−CSFレセ
プター(813アミノ酸)の推定の分子量は従来のヒトG
−CSFレセプターの分子量と30,000〜60,000ダルトン相
違している。これは細胞外領域に存在する9個の潜在的
N−グリコシル化部位がグリコシル化されていることに
よるものと考えられる。
本発明によりクローニングされたヒトG−CSFレセプ
ターとネズミG−CSFレセプターとの相同性はヌクレオ
チド配列レベルで72%、アミノ酸配列レベルで62.5%で
あり、アミノ酸配列における相同性は分子の全領域を通
して均一であった。このヒトG−CSFレセプターの細胞
外ドメインには17個のシステイン残基があり、その14個
はヒトおよびネズミで保存されている。さらに該細胞外
ドメインには、サイトカインレセプターに共通する保存
的な“WSXWS"モチーフも存在しており、ヒトG−CSFレ
セプターがサイトカインレセプター群に属することが示
された。
クラス2:プラスミドpHQ2(U937細胞) プラスミドpHQ2の塩基配列は、pHQ3の配列から、ヌク
レオチド番号2,034−2,121の88ヌクレオチドが欠失して
いることを除いてpHQ3のそれと同一である。この88ヌク
レオチド領域には膜貫通領域が含まれている。該プラス
ミドの欠失開始部位から下流のヌクレオチド配列を第8
図Bに示す。
図から明らかに、pHQ2においては、欠失部位から下流
の150アミノ酸をコードする翻訳リーディングフレーム
の配列がpHQ3の配列と異なっており、分泌、可溶化型の
G−CSFレセプターをコードしていると考えられる。こ
のレセプターは748アミノ酸からなり、分子量の計算値
は82,707である。
クラス3:プラスミドpHQ11およびpHQ5(胎盤) これらのプラスミドはpHQ3の配列において、ヌクレオ
チド番号2,210位に81bpの挿入を含有するものである。
挿入位置はG−CSFレセプターの細胞質ドメインであり
翻訳オープンリーディングフレームは変化していない。
挿入部分のヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配列
を第8図Cに示す。プラスミドpHQ2によってコードされ
ているレセプターのアミノ酸数はクラス1のG−CSFレ
セプターよりも27個多く、分子量は2,957大きい。この
挿入部を有するcDNAの制限地図を第9図に示す。
上記3種のヒトG−CSFレセプターcDNAのG−CSFとの
結合活性を調べたところ、クラス1のプラスミドpHQ3で
形質転換されたサルCOS細胞はネズミ125I−G−CSFと高
い親和性を有していた(結合における解離定数は550pM
であり、レセプター数は3.4×104個/細胞)。この結合
における親和性は、COS細胞によって発現されたネズミ
G−CSFレセプターに対するネズミG−SCFの結合におけ
る親和性とほぼ同一であった。天然にU937細胞表面に存
在するレセプターに対するヒトG−CSFの結合親和性は
解離定数424pMである[パーク(Park,L.S.)、ワールド
ロン(Waldron,P.E.)、フレンド(Friend,D.)、サッ
センフェルド(Sassenfeld,H.M.)、プライス(Price,
V.)、アンダーソン(Anderson,D)、コスマン(Cosma
n,D.)、アンドリュー(Andrews,R.G.)、バーンステイ
ン(Bernstein,I.D.)およびアーダル(Urdal,D.L.)、
ブラッド(Blood)、74、56〜65(1989)]ことから、p
HQ3によってコードされているポリペプチドはG−CSFと
十分に高い親和性を有するレセプターである。
他方、クラス2のpHQ2によりコードされたポリペプチ
ドは一部を欠失していることから、pHQ2cDNAで形質転換
されたCOS細胞とネズミ125I−G−CSFとの結合は極めて
低レベルであった。解離定数は440pMであって結合部位
は6×103/細胞であった。このことからも膜貫通領域を
欠くpHQ2によりコードされているレセプターは細胞から
分泌された可溶化型であると考えられる。
クラス3のcDNAの結合特性を調べるために、pHQ3cDNA
の5'側の配列とpHG11の3'側の配列とを哺乳類発現ベク
ターpEF−BOSに挿入して発現プラスミドpQW11を構築し
た。このプラスミドを用いてCOS細胞を形質転換し、得
られた形質転換とネズミ125I−G−CSFとの結合分析を
行った結果、細胞質ドメインにおける27アミノ酸挿入体
は、G−CSFとの結合活性に殆んど影響していないこと
が分かった。
本発明のヒトG−CSFレセプターをコードするDNAの塩
基配列は第8図に記載されている。このDNAは、受託番
号、微工研菌寄第11566号、第11567号および第11568号
の下で通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に寄
託され(寄託日:平成2年6月28日)、その後ブダペス
ト条約の下、平成3年3月16日付けで国際寄託に移管さ
れたEscherichia coli.pHQ2、Escherichia coli.pHQ3お
よびEscherichia coli.pHG11から常法通り単離すること
ができる。これらの国際寄託における受託番号および移
管日は下記の通りである。Escherichia coli.pHQ2;受託
番号:微工研条寄第3313号(FERM BP−3313);Escheri
chia coli.pHQ3:微工研条寄第3314号(FERM BP−331
4);Escherichia coli.pHG11:微工研条寄第3315号(FER
M BP−3315)。
本発明者らはまた、これらのヒトG−CSFレセプターc
DNAから調製したプローブを用い、ノーザンハイブリダ
イゼーションにより、種々のヒト組織細胞をG−CSFレ
セプターRNAの存在に関して分析した。U937細胞、胎盤
およびKG−1細胞が3.7kbの単一バンドを与え、中で
も、胎盤がG−CSFレセプターのmRNAを大量に発現して
いることが確認された。
さらに、PCR法により、細胞により発現されるレセプ
ターの種類を検討し、クラス1G−CSFレセプターは、U93
7および胎盤細胞の両者、クラス2の可溶化型レセプタ
ーはU937細胞、挿入体を有するクラス3レセプターは胎
盤細胞により発現されることを確認した。
また、サザーンハイブリダイゼーションにより、G−
CSFレセプターをコードする遺伝子の数を検討した結
果、ヒトハプロイドゲノムあたり、単一の遺伝子が存在
することを見いだした。
本発明により、ヒトG−CSFレセプターをコードするD
NAのヌクレオチド配列が明らかになったので、このDNA
を用いて適当な宿主系で機能する発現ベクターを構築
し、その発現ベクターで宿主細胞を形質転換し、得られ
た形質転換体を培養することにより、組換えヒトG−CS
Fレセプターを製造することができる。このようにして
得られた組換えヒトG−CSFレセプターは、白血病の診
断やヒトG−CSFの作用機構の解明等、様々な目的に有
用である。
本発明のG−CSFレセプターをコードするcDNAのヌク
レオチド配列はマウスについては第1(a)図、第1
(b)図、第1(c)図およびヒトについては第8
(a)図、第8(b)図、第8(c)図に記載されてい
るが、当業者ならば、これらのDNAから、ヌクレオチド
の挿入、置換または欠失により、容易に同様の活性を有
する誘導体を導くことができるということを理解するで
あろう。従って、そのようにして導かれるDNAも本発明
の範囲に包含されるものである。
本発明の目的を達成するために用いるG−CSFと結合
するポリペプチドは、必ずしも成熟G−CSFレセプター
であることを必要としない。むしろ、G−CSFとの結合
活性を有する断片であることが好ましい場合もある。同
様に、成熟G−CSFレセプターをコードするDNAの全配列
および、G−CSFをコードするDNAとの結合活性を有す
る、成熟G−CSFレセプターの一部をコードするDNA断片
もまた有用である。
従って本発明は、G−CSFと結合し得るレセプターペ
プチド、並びに該ペプチドをコードするDNAを提供する
ものである。
このように、本発明のG−CSFレセプターペプチドを
コードするDNAは、成熟G−CSFレセプター、並びに該成
熟G−CSFレセプターのG−CSFとの結合活性を有するペ
プチド断片をコードするDNAを包含する。
本発明のDNAを用いて他の動物種のG−CSFレセプター
をコードするDNAを得、G−CSFレセプターの発現ベクタ
ーを構築し、適当な培養細胞に導入して、G−CSFレセ
プターを発現させることができる。
本発明のG−CSFレセプターをコードするDNAを含有す
る発現ベクターは種々の方法で構築することができるの
で、当業者は適宜選択すればよい。G−CSFレセプター
遺伝子の発現に適したベクターは、G−CSFレセプターD
NA配列の挿入部位の直ぐ上流に転写開始のためのプロモ
ーターを有するものが好ましい。適当なプロモーターも
当該技術分野で既知であり、宿主細胞内での機能特性に
応じて選択することができる。例えば、マウスメタロチ
オナインプロモーターおよびSV−40スモールTプロモー
ターを、それぞれ、ネズミおよびサル細胞に用いること
ができる。細菌プロモーターを、細菌内でG−CSFを発
現させるのに用いることもできる。G−CSFレセプター
配列の挿入部位下流にpoly−Aシグナルがあることが望
ましい。ベクター中には薬物耐性マーカーのような選択
可能マーカーが存在することが望ましい。特に望ましい
マーカーとしてネオマイシン耐性遺伝子を挙げることが
できる。
発現ベクターはG−CSFレセプターをコードするDNAを
適当なベクターに挿入することにより構築することがで
きる。適当なベクターは、プロモーター、polyAシグナ
ル、選択マーカーその他の条件を考慮し、当該技術分野
で既知のものから選択する。本発明のcDNAを挿入し、培
養細胞に導入してこのcDNAを発現する目的に用いること
ができるDNAベクターとして、例えばpSV2、ウシパピロ
ーマウィルスDNAを挙げることができる。
本発明のG−CSFレセプターの発現に用い得る培養細
胞は複製可能で第1図もしくは第8図記載のDNAを発現
し得るものであればよい。例えば、大腸菌のような原核
性微生物、S.セレビシエのような真核性微生物、さらに
は哺乳類細胞が用いられる。組織培養細胞にはトリ、ま
たは哺乳類細胞、例えばネズミ、ラットおよびサル細胞
が含まれる。適当な宿主細胞−ベクターシステムの選択
および使用方法等は、当業者に既知であり、それらの内
から本発明のG−CSFレセプターをコードするcDNAの発
現に適した系を任意に選択することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する
が、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
実施例 実施例1 ネズミG−CSFレセプターDNAのクローニング 1)細胞 ネズミ骨髄性白血病細胞NFS−60(ワインシュタイン
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83、5010−5014(198
6);セント・ジュード・チャイルドレンズ・リサーチ
・ホスピタルのJ.Ihle氏から寄贈)を、10%ウシ胎児血
清(FCS)および10〜20単位/mlの組換えマウスIL−3を
加えたRPMI1640培地で培養した。
COS−7細胞は常法通り10%FCS含有ダルベッコの改良
イーグル培地(DMEM)で維持した。
2)組換えG−CSFなどの増殖、分化因子 ヒトG−CSFcDNA(ツチヤら、1987、前掲)を担持す
るウシパピローマウイルス発現ベクター(フクナガら、
Proc.Natl.Acad.Sci,USA 81、5086−5090(1984))で
形質転換したマウスC127I細胞の培養液より、ヒト組換
えG−CSFを精製した。
マウスG−CSFを、同様の発現システムを用い、均一
タンパク質として精製した。チャイニーズハムスターの
卵巣細胞によって産生されたヒト組換えG−CSFおよび
M−CSFは中外製薬(日本)から得た。
E.coliによって産生されるヒト組換えG−CSFはアマ
ーシャム(Amersham)から購入した。
マウス組換えIL−3およびGM−CSFはミヤジマおよび
アライ氏(DNAXインスティチュート)から得た。
マウス組換えIL−6およびマウス組換えLIFは、それ
ぞれ、ヒラノ氏(大阪大学)およびニコラ氏(ウオルタ
ー・エリザ・ホール・インスティチュート)から得た。
ラットプロラクチンはケミコンインターナショナル、
インコーポレーテッドから購入した。
放射性ヨウ素でラベルしたネズミ組換えG−CSFは、
改良IODO−GEN法(フレイカーおよびスペック、Bioche
m.Biophys.Res.Commun.80、849−857(1978))により
作成した[比活性:6−8×104cpm/ngタンパク質(1,200
〜1,600cpm/fmole)]。以下、これを125I−G−CSFと
表記する。
3)CDM8cDNAライブラリー 対数増殖期のNFS−60細胞からグアニジンイソチオシ
アネート/CsCl法で全RNAを調製し、オリゴ(dT)−セル
ロースカラムクロマトグラフィーでpoly(A)RNAを選
択した。逆転写酵素(生化学工業から購入)とアマーシ
ャム社のキットを用い、文献記載(ナガタら、Nature 3
19、415−418(1986))に従って2本鎖cDNAを合成し
た。
得られた平滑末端cDNAにBstX Iアダプターを付加し、
1%アガロースゲルで電気泳動した。1.8kb以上のcDNA
をゲルから回収し、BstX I−消化哺乳類発現ベクターCD
M8(シード、1987、前掲)に結合(ライゲーション)さ
せ、得られたDNAでE.coli MC1061/p3細胞を形質転換し
た(電気穿孔法、ダウエルら、Nucleic Acids Res.16
6127−6145(1988))。
4)DNAの調製 6×104個の細菌コロニーを24ウエルのマイクロタイ
タープレートに、ウエルあたり60〜80コロニーの密度で
プレートした。コロニーの各プールごとにグリセリン培
養を調製した。各グリセリン培養の一部をLBブロスに接
種し、煮沸法(ボイリング法)で各プールからプラスミ
ドDNAを調製し(マニアティスら、Molecular Clonign:A
Laboratory Manual 1982)、フェノール抽出およびエ
タノール沈澱に付した。
5)COS−7細胞のトランスフェクション 6ウエルのマイクロタイタープレートでCOS−7細胞
の単層培養を得、この細胞を改良DEAEデキストラン法
(ソンパイラックおよびダンナ、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 787、575−7578(1981))により上記4)で調製し
たプラスミドDNAを用いてトンランスフェクションし
た。
即ち、約50%の全面成長した細胞を血清不含DMEMで3
回洗浄し、37℃で8時間、50mM Tris−HCl(pH7.3)、
0.3mg/ml DEAE−デキストランおよびプラスミドDNA1μ
gを含有するDMEM0.6ml中でインキュベートした。20%
グリセリン含有Tris−HCl緩衝化食塩水を用い、室温で
2分間グリセリンショックに付した後、細胞をDMEMで2
回洗浄し、10%FCS含有DMEM中でインキュベートした。
6)G−CSFレセプターを発現しているCOS−7細胞(形
質転換体)のスクリーニング トランスフェクションから72時間後、COS−7細胞
を、10%FCSおよび20mM HEPES含有DMEM(pH7.3)(結合
培地)で洗浄し、結合培地0.6ml中の125I−G−CSF(1.
7×105cpm(200pM))と共に37℃で2時間インキュベー
トした。結合しなかった放射活性G−CSFを除去し、細
胞を0.7mM CaCl2と0.5mM MgCl2を補充したりん酸緩衝化
食塩水(PBS)で3回、PBSで1回洗浄した。次いで、細
胞をトリプシン処理して回収し、細胞と結合した放射活
性をAUTO−GAMMA 5000 MINAXI ガンマカウンター(Pac
kard)で計数した。125IでラベルしたG−CSFとCDM8ベ
クターでトランスフェクトされたCOS細胞とのバックグ
ラウンド結合は308±38(SD)cpmであった。一方、cDNA
を含むプラスミドDNAのプールで形質転換したCOS細胞の
うち、2つのプール(I62とJ17)のプラスミドDNAを導
入したCOS細胞が125I−G−CSFと有意な結合を示した
(それぞれ500cpm、912cpm)。
各陽性プール(I62とJ17)から得た144の独立のクロ
ーンを24ウエルのマイクロタイタープレート(6プレー
ト)で培養し、12×12クローンを用いてsib選択に付し
た(マニアティスら、前述、1982)。プラスミドのミニ
プレパレーション、およびCOS−7細胞のトランスフェ
クションの後、125I−G−CSFとの結合反応を行い、各
陽性プールから単一のクローンを選択した。
すなわち、プールI62およびJ17の細菌クローンを各12
クローンの12サブグループに分けた。幾つかのサブグル
ープはCOS細胞への125I−G−CSFの結合反応が3710およ
び4010cpmであった。そして各陽性サブグループの単一
のクローンを分析して2個の独立のクローンpI62および
pJ17を同定した。pI62およびpJ17のプラスミドDNAでCOS
−7細胞をトランスフェクトしたときの125I−G−CSF
結合値はそれぞれ30300cpmおよび31600cpmであった。次
いで、プラスミドpJ17およびpI62の塩基配列を決定した
ところ、これらはいずれもG−CSFレセプターの完全な
コーディング領域を含有しているが、poly(A)配列も
poly(A)付加シナルも含有していないことが分かっ
た。そこで、pJ17の2.5kb Hind III−Xba Iをプローブ
とするコロニーハイブリザイゼーションによって、上記
cDNAライブラリーを再度スクリーニングし、陽性クロー
ンの1つ(pF1)を選択した。これら603bpの3'非コーデ
ィング領域を含み、その領域には、2個の重複するpoly
(A)付加シグナルが存在していた。これら3個のクロ
ーン化cDNA(pI62、pJ17およびpF1)の塩基配列および
それより類推されるアミノ酸配列を第1図に示す。ま
た、その模式図および制限酵素切断点地図、並びにハイ
ドロパシープロットを第2図に示す。
実施例2 クローニングしたネズミG−CSFレセプターD
NAの特性化 1)クローン化G−CSFレセプターの結合活性 125I−G−CSFとCOS細胞およびNSF−60細胞との結合
を調べた。
15cmのプレート上で培養したCOS細胞を、20μgのpI6
2またはpJ17でトランスフェクションした。グリセリン
ショック後、12時間後に6ウエルのマイクロタイタープ
レートに分割して入れ、10%FCS含有DMEM中、60時間培
養した。細胞を結合培地で洗浄し、種々の量の125I−G
−CSF(10pM−1.2nMの範囲)と一緒に4℃で4時間イン
キュベートした。125I−G−CSFと細胞の非特異結合を
測定するために大過剰の非標識G−CSF(800nM)の存在
下で結合反応を行い、全結合活性から非特異的に結合し
た放射活性を差し引くことにより特異的結合活性を求め
た。
一方、5.2×106個のNFS−60細胞を、種々の濃度の125
I−G−CSFを含有する10%FCSと20mM HEPES(pH7.3)
からなるRPMI−1640培地0.3ml中で4℃で4時間インキ
ュベートすることにより、該細胞とG−CSFとを結合さ
せた。第3図に結果を示す。Aは125I−G−CSFとCOS細
胞との飽和結合を示す。上記のごとく、プラスミドpJ17
で1×106COS細胞をトランスフェクションした後、種々
の量の125I−G−CSFの存在下、過剰量の非標識G−CSF
の存在下または非存在下でインキュベートした。○は全
結合、△は非特異結合、●は特異結合を表し、特異結合
は全結合と非特異結合の差として求めた値である。Bは
COS細胞へのG−CSF結合データのスキャッチャードプロ
ットを示すグラフである。Cは125I−G−CSFのNFS−60
細胞への飽和結合を示すグラフであって、○は全結合、
△は非特異結合、●は特異結合を表し、特異結合は全結
合と非特異結合の差として求めた値である。DはNFS−6
0細胞へのG−CSF結合データのスキャッチャードプロッ
トを示すグラフである。該グラフから、COS細胞で発現
されたG−CSFレセプターの平衡解離定数は290pMであっ
て、細胞あたり3.0×104コのレセプターが存在すること
が分かる。COS細胞のトランスフェクション効率を10−2
0%とする(ソンパイラックおよびドナ、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 78、7575−7578(1981))と、トランスフェ
クション陽性のCOS細胞は組換えG−CSFレセプターを1.
5〜3.0×105コ/細胞の頻度で発現していると予測され
る。NFS−60細胞上の固有のG−CSFレセプターの平衡解
離定数は180pM(第3D図)であるので、これらの結果は
プラスミドpJ17にコードされているcDNAがネズミG−CS
Fに高い親和性を有するレセプターを発現するのに充分
であることを示唆している。
次いで、COS細胞で発現された組換えG−CSFレセプタ
ーのG−CSFとの結合特異性を調べた。上記と同様にG
−CSFレセプターのcDNA(pJ17)でトランスフェクショ
ンされたCOS細胞を1μgの非標識ネズミG−CSF、ヒト
G−CSF、ネズミGM−CSF、ネズミIL−6、ネズミLIF、
ラットプロラクチンまたはヒトM−CSFの存在下または
非存在下で2ngの125I−G−CSFと一緒にインキュベート
した。ヒトG−CSFとしては、ネズミC127細胞、チャイ
ニーズハムスターの卵巣細胞または大腸菌によって産生
された組換えヒトG−CSFを用いた。各実験でCOS細胞と
結合した125I−G−CSFの放射活性を競合物質不在の場
合の値に対する%で表した。結果を第4図に示す。
ヒトG−CSFはネズミG−CSFとネズミWEHI−3B D+
胞との結合に競合する(ニコラら、1985、前掲)。哺乳
類細胞または大腸菌のいずれかによって産生された非標
識組換えヒトG−CSFは、標識したネズミG−CSFと、プ
ラスミドpJ17でトランスフェクションされたCOS細胞の
結合反応において充分競合した(第4図)。これに対
し、非標識組換えネズミGM−CSF、ネズミIL−3、ネズ
ミIL−6、ネズミ白血病阻害因子(LIF)、ラットプロ
ラクチンまたはヒトM−CSFによっては125I−G−CSFの
COS細胞への結合は全く、阻害されなかった。
2)クロスリンキング反応 G−CSF125I−G−CSFとCOS細胞によって発現された
レセプターとのクロスリンキング反応を以下のようにし
て行った。
上記のごとく、プラスミドpI62でトランスフェクショ
ンした8×105のCOS細胞(3.5cmプレート)を1.2nMの
125I−G−CSFと一緒に、1.5μMの非標識G−CSFの存
在または非存在下、結合培地0.6ml中、4℃で2.5時間イ
ンキュベートした。セルリフターを用いてプレートから
細胞をかきとり、PBS1mlで3回洗浄した。クロスリンキ
ング反応は、150μMスベリン酸ジスクシンイミジル(D
SS)および150μM酒石酸ジスクシンイミジル(DST)を
含有するPBS1ml中で20分間、氷上で行った。1MTris−HC
l(pH7.4)50μを加えて反応を止め、遠心して細胞を
収集し、プロテアーゼインヒビター混合物(2mM EDTA、
2mM(p−アミノフェニル)メタンスルホニルフルオリ
ド塩酸塩、2mM O−フェナンスロリン、0.1mMロイペプチ
ン、1μg/mlペプスタチンAおよび100単位/mlアプロチ
ニン)を含有する1%Triton X−100 15μで細胞を
溶解した。遠心して上清を得、この澄明なライゼート
(10μ)をSDSの存在下4〜20%ポリアクリルアミド
ゲルグラディエント電気泳動にかけて分析した(レム
リ、Nature 227、680−685(1970))。強化スクリーン
を用い、−80℃で2日間X−線フィルムに感光した。サ
イズマーカーとして14Cラベル分子標準(レインボウマ
ーカー、アマーシャム)を並行して電気泳動させた。結
果を第5図に示す。レーン2は過剰量の非標識ネズミG
−CSFの存在下、レーン3および4は非存在下のクロス
リンキング反応の結果を表す。ただし、レーン3ではDS
SおよびDSTを含まない反応の結果である。レーン5はネ
ズミNFS−60細胞(3×106細胞/レーン)を同様に125I
−G−CSFと一緒に、過剰量の非標識G−CSFの存在下、
レーン6は非存在下でインキュベートし、DSSおよびDST
によりクロスリンキングさせた実験の結果を表す。レー
ン1および7はそれぞれサイズマーカーとして用いた14
Cラベル分子量標準(レインボウマーカー、アマーシャ
ム)である。タンパク質標準の分子量をkdで示す。
NFS−60細胞上のG−CSFレセプターと標識化ネズミG
−CSF(分子量25,000)とのクロスリンキング反応で見
掛けの分子量125,000−155,000(レーン6)が得られ、
これはNFS−60上のネズミG−CSFレセプターの分子量が
100,000−130,000であることを示唆している。同様に、
ネズミ125I−G−CSFとCOS細胞上で発現したレセプター
とのクロスリンキング反応で分子量120,000−150,000
(レーン4)に主バンドを得、これはNFS−60細胞に検
出した値とやや異なっている。これらのバンドはクロス
リンキング反応を非標識G−CSFの存在下(レーン2お
よび5)、または結合試薬が存在しないとき(レーン
3)には認められなかった。COS細胞とNFS−60細胞の分
子量に僅かな相違はこれらの細胞系でのレセプターのグ
リコシル化が相違することで説明することができる。
3)ハイブリダイゼーション コロニーハイブリダイゼーションとノーザンハイブリ
ダイゼーションを文献記載の方法(マニアティス、Cold
Spring Harbor、New York:Cold Spring Harbor Labora
tory(1982))に従って行った。プローブとして、クロ
ーンpJ17の2.5kb Hind III−Xba I断片をランダムプラ
イマーラベリング法(ファインバーグおよびボーゲルシ
ュタイン、Anal.Biochem.13、26−13(1983))により
32Pで標識したものを用いた。ノーザンハイブリダイゼ
ーションの結果を第6図に示す。
ネズミの種々の組織から調製した全RNAまたはpoly
(A)RNAを用いた。それらは、L929(レーン1)、NFS
−60(レーン2および3)、FDC−P1(レーン4)、WHE
I−3BD+(レーン5)またはマウス組織、脳(レーン
6)、肺(レーン7)、脾臓(レーン8)、骨髄(レー
ン9)、肝臓(レーン10)、および腎臓(レーン11)で
ある。全RNA30μg(レーン1、および3〜11)またはp
oly(A)RNA2μg(レーン2)を6.6%ホルムアルデヒ
ド含有1.3%アガロースゲル電気泳動にかけ、上記の文
献記載の方法に従い、ノーザンハイブリザイゼーション
で分析した。
実施例3 クローニングしたネズミG−CSFレセプターD
NAの塩基配列および該DNAにコードされているポリペプ
チドのアミノ酸配列 1)ヌクレオチド配列決定 DNA配列決定はT7−DNAポリメラーゼ(ファルマシア)
およびα−32S dATPαS(アマーシャム)を用いるジデ
オキシヌクレオチド鎖決定法で行った。結果を第1図お
よび第2図に示す。
第1図はネズミG−CSFレセプターcDNA(pI62、pJ17
およびpF1)のヌクレオチド配列およびそれより類推さ
れるアミノ酸配列を示す。各ラインの上下の数字はそれ
ぞれ、ヌクレオチド位置およびアミノ酸位置を表し、ア
ミノ酸は成熟G−CSFレセプターのCys−1から始まって
いる。アミノ酸配列でシグナル配列および膜貫通領域に
は下線を引いた。2つのオーバーラップしたpoly(A)
付加シグナル(AATAAA)にも下線を引いて示した。潜在
的なN−グリコシル化部位(Asn−X−Ser/Thr)(細胞
外領域の11および細胞質領域の2)は箱で囲まれてい
る。
第2図はネズミG−CSFレセプターcDNAであって、A
は3つの独立したcDNA(pI62,pJ17,pF1)の模式図およ
び制限地図である。長方形で囲んだ部分はオープンリー
ディングフレームである。点描および塗り潰した部分は
それぞれ、シグナル配列および膜貫通領域を表す。制限
酵素切断部位も示されている。BはネズミG−CSFレセ
プターのアミノ酸配列のヒドロパシープロットであっ
て、これは10残基のウインドウを用いるカイトおよびド
ゥーライトの方法(1982)によって得られた。図の下の
番号は前駆体タンパク質のアミノ酸残基の位置を表す。
2)G−CSFレセプターのアミノ酸配列と他の成長因子
レセプターアミノ酸配列との比較(第7図)。
第7(a)図にG−CSFレセプターとプロラクチンお
よび成長ホルモンレセプターを並列に示す。ネズミG−
CSFレセプターの96−317アミノ酸配列とラットプロラク
チンおよびヒト成長ホルモンレセプターとを比較し、幾
つかのギャップ(−)を導入して得られる最大ホモロジ
ーを示す。2配列における同一残基は実線で囲み、好ま
しい(favored)置換と見なされる残基は破線で囲まれ
ている。好ましいアミノ酸置換は以下のグループのいず
れか1つに属する対のアミノ酸間における置換と定義さ
れる:S,T,P,AおよびG;N,D,EおよびQ;H,RおよびK;M,I,L
およびV;F,YおよびW。増殖因子レセプター類(ファミ
リー)の9メンバー(G−CSF、プロラクチン、成長ホ
ルモン、エレイスロポエチン、GM−CSF、IL−2β、IL
−3、IL−4およびIL−6)の間で保存されているアミ
ノ酸は、各ラインの下に括弧を付けて、また括弧なしに
記載されている。括弧のない残基は8以上のメンバーに
保存されていたが、括弧をした残基はファミリーの5〜
7メンバーに保存されていた。
第7(b)図は第7(a)図と同様に、ネズミG−CS
Fレセプターの376−601アミノ酸配列とニワトリコンタ
クチンのアミノ酸配列とを並行に示した図である。
第7(c)図はネズミG−CSFレセプターの602−808
アミノ酸配列を上記のようにネズミIL−4レセプターと
並列に記載した図である。
第7(d)図はネズミG−CSFレセプターの模式図で
あって、箱で囲んだ範囲は成熟G−CSFレセプターを表
す。“TM"はトランスメンブラン領域、領域“A"は他の
成長因子レセプター(プロラクチンおよび成長ホルモン
レセプター)と同様のドメイン(222アミノ酸)を表
し、“WSXWS"モチーフが見られる。ネズミG−CSFレセ
プターの領域“B"(226アミノ酸)とニワトリコンタク
チンとは類似する。領域“C"(211アミノ酸)はトラン
スメンブランドメイン(下線)およびG−CSFレセプタ
ーの細胞質ドメインを含み、ネズミIL−4レセプターの
2個の領域と類似している。
実施例4 ヒトG−CSFレセプターcDNAのクローニング (1)ヒトG−CSFレセプターcDNAクローンの単離 U937細胞からpoly(A)RNAを調製し、逆転写酵素
(生化学工業から購入)とアマーシャム社のcDNA合成キ
ットを用い、文献記載(ナガタら、Nature、319、415〜
418(1986))の方法に従って2本鎖cDNAを合成した。
得られた平滑末端cDNAにBstX1アダプターを付加し、1
%アガロースゲルで電気永動した。2.5kb以上のcDNAを
ゲルから回収し、哺乳類発現ベクターpEF−BOS(第14
図)に結合させ、得られたDNAでE.coli DH1細胞を電気
穿孔法(ダウエルら、Nucleic Acids Res.、16、6127−
6145(1988))を用いて形質転換した。
次いで、得られたライブラリーの合計3.4×104個のク
ローンをコロニーハイブリダイゼーションでスクリーニ
ングした。
ハイブリダイゼーションプローブはネズミG−CSFレ
セプターcDNAの2.5kbHind III−Xba I断片をランダムオ
リゴヌクレオチドプライマー標識法[サンブルック(Sa
mbrook,J.)、フリッツ(Fritsch,E.F.)およびマニア
ティス(Maniatis,T.)、モレキュラー・クローニング
(Molecular Cloning)(1989):ア・ラボラトリー・
マニュアル(A Laboratory Manual)、第2版、コール
ド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(Cold Sprin
g Harbor,New York):コールド・スプリング・ハーバ
ー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laborator
y)]により32Pでラベルしたものを用いた。ここで用い
たプローブはネズミG−CSFレセプターcDNA(pI62)で
ある。そのヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配列
を添付の第1図に示す。なお、この第1図においてシグ
ナル配列および膜貫通領域には下線が付されている。ま
た、潜在的なN−グリフシル部位は四角で囲まれてい
る。
ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション
温度を28℃に下げ、フィルターを37℃において150mM Na
Cl/15mMクエン酸ナトリウム、pH7.0/0.1%NaDodSo4で洗
浄する他は文献[フクナガ(Fukunaga,R.)、マツヤマ
(Matsuyama,M.)、オカムラ(Okamura,H.)、ナガタ
(Nagata,K.)、ナガタ(Nagata,S.)およびソカワ(So
kawa,Y.)、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucl.
Acids Res.)、14、4421〜4436(1986)]に従って行っ
た。即ち、コロニーのレプリカフィルターを作製し、各
ニトロセルロースフィルターと95℃で5分間加熱後急冷
したプローブとを28℃で12時間ハイブリダイゼーション
させた。次いで、上記記載の方法でフィルターを洗浄
後、オートラジオグラフィーにより目的のクローンを探
索した。
他方、λgt11を用いて構築されたヒト胎盤cDNAライブ
ラリーをクローンティック(Clonetech)社より購入
し、ネズミG−CSFレセプターcDNAを用いるプラークハ
イブリダイゼーションによりスクリーニングした。
即ち、約1.5×106個のクローンのファージDNAをベン
トンおよびディビスによって記載された方法(Benton,
W.D.& Davis,R.W.,Science,196,180−182(1977))に
よってニトロセルロースフィルターに移した後、プラー
クハイブリダイゼーションによりスクリーニングした。
用いたプローブDNAおよびハイブリダイゼーション条件
は、上記に記載したU983 cDNAライブラリーのスクリー
ニングに用いたプローブおよび条件と同一である。
U937細胞から調製したcDNAライブラリーから5個の陽
性クローンを単離した(pHQ1〜pHQ5)。
他方、ヒト胎盤cDNAライブラリー(1.5×106個)とネ
ズミG−CSFレセプターcDNAとのプラークハイブリダイ
ゼーションにおいて100個以上の陽性シグナルを示すク
ローンが得られ、その6個の陽性クローン(λHG4、
5、11、12、14および18)のEcoR I断片をpBluescript
SK(+)ベクターにサブクローンし、pHQ4、5、11、1
2、14あるいは18と命名した。
DNAの塩基配列決定のために、エキソヌクレアーゼIII
およびmung beanヌクレアーゼ(サンブルックら、前
掲)を用いて約300bpづつ欠失した一連のプラスミドを
調製した。そして、配列決定はT7DNAポリメラーゼ、dea
za dGTPおよびα−35SdATPα−Sを用い、ジデオキシ鎖
ターミネーション法で行なった。
配列決定の結果、U937および胎盤cDNAライブラリーか
ら単離されたcDNAは以下の3クラスに分類されることが
分かった。
クラス1:プラスミドpHQ3(U937)およびpHG12(胎盤) U937および胎盤cDNAライブラリーから単離された大部
分のcDNAがこのクラスに属する。これらプラスミドの塩
基配列および推定のアミノ酸配列を第8図Aに示す。ま
た、その制限酵素切断部位を示す地図を第9図に示す。
これらのクラス1のプラスミドは836アミノ酸からな
るタンパク質をコードする大きいオープンリーディング
フレームを有している。推定のアミノ酸配列のヒドロパ
シー分析の結果、図面から明らかなように、N−末端23
アミノ酸残基がシグナル配列に相当し、604残基の細胞
外ドメイン、26残基の、膜貫通領域、および183残基の
細胞質ドメインが続く。この細胞外領域には9個の潜在
的N−グリコシル化部位が存在する。
また、このcDNAによってコードされているペプチドの
細胞外ドメインには17個のシステイン残基が存在し、内
14個はヒトおよびネズミで保存されている。また、該ド
メインにはサイトカインレセプターで保存されている
“WSXWS"モチーフも存在しており、ヒトG−CSFレセプ
ターがサイトカインレセプターに属することが示され
た。
このクラス1のプラスミドでコードされているヒトG
−CSFレセプター(813アミノ酸)とネズミG−CSFレセ
プターの相同性はヌクレオチド配列レベルで72%、アミ
ノ酸配列レベルで62.5%であった。また、アミノ酸配列
における相同性は分子の全領域を通して均一であった。
クラス2:プラスミドpHQ2(U937細胞) プラスミドpHQ2の塩基配列は、pHQ3の配列から、ヌク
レオチド番号2,034−2,121の88ヌクレオチドが欠失して
いることを除いてpHQ3のそれと同一である。欠失配列の
末端は、第8図A記載の配列の黒い矢頭で示されてい
る。
図から明らかなように、この88ヌクレオチドの欠失領
域には膜貫通領域が含まれている。欠失部分から下流の
ヌクレオチド配列を第8図Bに示す。
pHQ2においては、欠失部位から下流の150アミノ酸を
コードする翻訳リーディングフレームがこの欠失により
変化しており(第9図参照)、分泌、可溶化型のG−CS
Fレセプターをコードしていると考えられる。この可溶
化型レセプターは748アミノ酸からなり、分子量計算値
は82,707である。
クラス3:プラスミドpHG11およびpHG5(胎盤) これらプラスミドのヌクレオチド配列はpHQ3のヌクレ
オチド番号2,210位に81bpDNA断片が挿入されたものであ
る。挿入位置はG−CSFレセプターの細胞質ドメイン内
にあり、第8図Aにおいて太い矢印で表示した部位であ
る。翻訳オープンリーディングフレームは変化していな
い。挿入体のヌクレオチド配列および推定の塩基配列を
第8図Cに示す。従ってプラスミドpHQ2にコードされて
いるレセプターは第1クラスのG−CSFレセプターより
もアミノ酸数で27、分子量で2,957大きいことになる。
これら3クラスのプラスミドのヌクレオチド配列およ
び推定のアミノ酸配列は第8図に記載されている。この
図において、AにおけるpHQ2の配列における種々の記号
等は以下の意味を有する。アミノ酸配列の番号はアミノ
酸Gluを番号1とするものである。シグナル配列および
膜貫通領域は太い下線、N−グリコシル化部位(Asn−
X−Thr/Ser)は四角で示されている。サイトカインレ
セプターファミリーに保存されている“WSXWS"モチーフ
部分は2重下線で示されている。黒の矢頭はpHQ2におい
て欠失されている配列の末端、太い矢印はpHG11におけ
る挿入体の挿入部位を表す。細い矢印は後述のPCR法に
用いたオリゴヌクレオチドプライマー部分を示す。Bに
おいて、Δから下流の配列は、pHQ2における、pHQ3の欠
失されたヌクレオチド2,034から下流の配列に相当する
ヌクレオチド配列、および推定のアミノ酸配列を示す。
CはpHG11に含有されている、pHQ3のアミノ酸657位への
挿入体のヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配列で
ある。挿入された配列は括弧で囲まれている。
上記3クラスのプラスミドの制限地図は第9図に示さ
れている。図中、四角で囲んだ部分はオープンリーディ
ングフレーム、陰影を付けた部分はシグナル配列、塗り
つぶした部分は膜貫通領域を表す。pHQ2における斜線部
分は他のcDNAのオープンリーディングフレームから変化
した部分であって、異なるアミノ酸をコードする配列を
表す。pHG11における斜線部分は27アミノ酸をコードす
る挿入体配列部分を表す。
(2)ヒト細胞におけるG−CSFレセプターmRNAの検出 上記cDNAから調製したプライマーを用い、ポリメラー
ゼ鎖反応(PCR)法によってヒトG−CSFレセプターmRNA
を検出した。
1本鎖cDNAの合成およびPCRは実質上カワサキ[カワ
サキ(Kawasaki,E.S.)、ピーシーアール・プロトコー
ルズ(PCR Protocols)、「ア・ガイド・トゥー・メソ
ッズ・アンド・アプリケーション(A guide to methods
and application)」、アイニス(Innis,M.A.)、ゲル
ファンド(Gelfand,D.H.)、シャインスキー(Shinsky,
J.J.)およびホワイト(White,T.J.)ら編、(アカデミ
ック・プレス、サン・ディエゴ、カリフォルニア(Acad
emic Press,San Diego,CA))、21頁〜27頁(1990)]
の方法に従って行い、結果を第12図に示した。
即ち、ヒト胎盤またはU937細胞から得た全RNA(レー
ン2および5)またはpoly(A)RNA(レーン21および
4)、あるいはヒト胎盤(レーン3および6)2μgを
反応混合物50μ中、ランダム6量体(ヘキサマー)0.
5μgとAMV逆転写酵素80単位の存在下、既述(カワサキ
ら、前掲)の如くし、cDNA合成に付した(カワサキら、
前掲)。
反応混合物5μをとり、下記の順(フォワード)お
よび逆(リバース)プライマー各50nmolを含有するPCR
バッファー100μで希釈し、80℃に予備加熱したDNAサ
ーマルサイクラー(パーキン−エルマー−セタス)中に
置いた。
次いで、Tagポリメラーゼ2.5単位を加えて反応を開始
した。PCRの条件は以下の通りである。95℃で1.5分、70
℃で1.5分、72℃で1.5分、のサイクルを30回行う。
最後に、生成物(反応混合物の10%)をTBEバッファ
ー中、1.5%アガロースゲル電気泳動にかけ臭化エチジ
ウム蛍光で観察した。サイズマーカーとして、BamH Iお
よびMva I消化pBR322を同時に電気泳動しDNA断片のサイ
ズを塩基対で示した。単離したDNAに対応する増幅したD
NA断片(A1、A2、B1およびB2)を矢印で示した。
第12図において、レーン1〜3の試料はヌクレオチド
番号1,790−1,810の順プライマーと2,179−2,156の逆プ
ライマーの組を用いて増幅したものである。レーン4〜
6は、第2のオリゴヌクレオチド(ヌクレオチド番号2,
086〜2,105および2,322〜2,303)を特異的プライマーと
して増幅した試料である。
図から明らかなように、U937および胎盤細胞のいずれ
もクラスIG−CSFレセプターを発現し、U937細胞は可溶
性G−CSFレセプターを発現し、さらに、胎盤細胞は細
胞質領域に挿入体を有するG−CSFレセプターを発現す
ることが確認された。
実施例5 クローニングしたG−CSFレセプターcDNAに
よるCOS細胞の形質転換および形質転換体の結合活性 ネズミ125I−G−CSFと実施例4で得たcDNAで形質転
換されたCOS細胞との結合を調べた。
ネズミ組換えG−CSFの標識化、ヒトG−CSFレセプタ
ーcDNAを含有する発現ベクターによるCOS細胞の形質転
換、および125I−G−CSFのCOS細胞への結合アッセイは
前述のネズミの実施例で開示した方法に従って行った。
プラスミドpHG11を用いて、細胞質領域に挿入体を有
する完全長さのcDNAを構築した。即ち、プラスミドpHG1
1を制限酵素(Nhe I、宝酒造により購入)完全消化、Bs
tX I(1,425)(宝酒造より購入)部分消化した。制限
酵素の反応条件は、宝酒造からの酵素に添付されている
反応条件に従った。
次いで、1.38kb BstX I−Nhe I断片とpHQ3の6.9kb Bs
tX I−Nhe I断片とをT4−DNAリガーゼ(宝酒造より購
入)を用いて結合させてpQW11を構築した。そして、こ
れらのcDNAを含有する発現プラスミド(pHQ2、pHQ3およ
びpQW11)でCOS細胞を形質転換し、125I−G−CSFに対
する結合を検討した。
即ち、15cmのプレート上で培養したCOS細胞と、20μ
gのpHQ2、pHQ3またはpQW11でトランスフェクションし
た。グリセリンショク後、12時間後に6ウエルのマイク
ロタイタープレートに分割して入れ、10%FCS含有DMEM
中、60時間培養した。細胞を結合培地(10%FCSFおよび
20mM HEPES(pH7.3)含有DMEM)で洗浄し、種々の量の
125I−G−CSF(10pM〜1.2nMの範囲)と一緒に4℃で4
時間インキュベートした。125I−G−CSFと細胞の非特
異的結合を測定するために、大過剰の非標識G−CSF(8
00nM)の存在下で結合反応を行い、全結合活性から非特
異的に結合した放射活性を差し引くことにより特異的結
合活性を求めた。第10図Aは、125I−G−CSFのCOS細胞
への飽和結合活性、第10図Bはそのスキャッチャード解
析の結果を示す。この際、ネズミG−CSFレセプターcDN
Aも同様にCOS細胞へ導入し、G−CSFの結合活性を検討
した。
第10図において、▲はネズミG−CSFレセプターcDNA
で形質転換されたCOS細胞を示す。そしてヒトG−CSFレ
セプターcDNAで形質転換されたCOS細胞の内、pHQ3によ
る形質転換体は○、pHQ2による形質転換体は●、pQW11
による形質転換体は△で示されている。
第10図から、pHQ3あるいはpHQ11で形質転換されたサ
ルCOS細胞はネズミ125I−G−CSFと高い親和性を有し、
結合における解離定数は550pM、レセプター数は3.4×10
4個/細胞であることが分かる。また、pHQ2cDNAで形質
転換されたCOS細胞とネズミ125I−G−CSFとの結合は、
プラスミドpHQ2が一部を欠失したペプチドをコードして
いることから、極めて低レベルであった(解離定数440p
M、結合部位6×103/細胞)。このことは膜貫通領域を
欠くpHQ2によりコードされたレセプターは細胞から分泌
され、培地中に蓄積されている可能性を強く示唆してい
る。
また、プラスミドpQW11による形質転換体とpHQ3によ
る形質転換体がほぼ同等のネズミ125I−G−CSFに対す
る結合活性を示すことは、細胞質ドメインにおける27ア
ミノ酸挿入体がG−CSFの結合に殆ど影響していないこ
とを示している。
なお、形質転換体の発現により取得されるヒトG−CS
Fレセプターの精製については、前述の天然のマウスG
−CSFレセプターの精製方法を使用することができる。
実施例6 ヒトG−CSFレセプターをコードするDNAおよ
びmRNAの分析 ノーザンハイブリダイゼーションおよびサザーンハイ
ブリダイゼーションにより、ヒトG−CSFレセプターを
コードするDNAまたはRNAを分析した。
全RNAは種々の細胞系統および新鮮なヒト臨月胎盤か
ら既述(サンブルック、前掲)のごとくグアニジンイソ
チオシアネート/CsCl法を用いて調製した。
他方、細胞DNAはヒトTリンパ球から、文献(フクナ
ガら、Nucleic,Acids Res.、14、4421−4436(1986))
に記載された方法に従い調製した。
サザーンおよびノーザンブロットハイブリダイゼーシ
ョンはヒトG−CSFレセプターcDNAを含有するプラスミ
ドpHQ3のXho I DNAフラグメント(3kb)をプローブとし
て、文献記載の方法(マニアティスら、Molecular Clon
ing、Cold Spiring Harbor Laboratory(1982))に従
って行なった。
1)G−CSFレセプター転写物およびゲノムDNAの分析 種々の細胞からのmRNAをヒトG−CSFレセプターcDNA
をプローブとするノーザンハイブリダイゼーションによ
り試験した。
結果を第11図に示す。用いた細胞は以下の通りであ
る。ヒトU937細胞(レーン1および2)、ヒトKG−1
(レーン3)、ヒトHL−60(レーン4)、ヒトFL(レー
ン6)、ヒトCHU−2(レーン7)、およびヒト胎盤
(レーン5および8)。
U937:human histiocytic lymphoma,ATCC CRL1593 KG−1:human acute myelogenous leukemia,ATCC CCL2
46 HL−60:human promyelocytec leukemia,ATCC CCL240 FL:human amnion,ATCC CCL62 また、レーン2〜6および8は全RNA(20μg)、レ
ーン1および7はpoly(A)RNA(1μg)を表す。
第11図Aは、ヒトG−CSFレセプターcDNAをDNAプロー
ブとし、ハイブリダイゼーション後フィルターをX−線
フィルムに40時間、感光させて得た像の模写図である
(ただし、レーン8は2時間)。
U937、胎盤およびKG−1から得たRNAでは3.7kbに単一
のバンドが観察される。しかも、胎盤由来のRNAに検出
されたシグナルはU937由来RNAにおけるそれの20倍以上
である。
Bは、ブロットを再度、32P標識ヒト延長因子(エロ
ンゲーションファクター)1αcDNA[ウエツキ(Uetsuk
i,T.)、ナイトウ(Naito,A.)、ナガタ(Nagata,S.)
およびカジロ(Kaziro,Y.)、ジャーナル・オブ・バイ
シオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、264、5
791〜5798(1990)]によるハイブリダイゼーションに
付し、フィルターをX線フィルムに1時間感光させて得
た像の模写図である。この場合には、どの細胞から調製
したRNAも殆んど同様のシグナルが得られた。これらの
結果は胎盤がG−CSFレセプターのmRNAを非常に大量に
発現していることを示しており、G−CSFの胎盤成長促
進作用を示唆するものである。
2)サザーンハイブリダイゼーション サザーンハイブリダイゼーション法によりヒトG−CS
Fレセプターをコードする遺伝子の数を検討した。
ヒトゲノムDNA10μgをEcoR I、Hind III、BamH I、B
gl II、Xba I、Pst I、Sac IおよびApa Iで消化し、0.8
%アガロースゲル電気泳動にかけた。DNAをニトロセル
ロースフィルターに移し、32P標識ヒトG−CSFレセプタ
ーcDNAとハイブリダイズした。この際、DNAサイズマー
カーを同時に泳動した。
結果を第13図に示す。図はEcoR I(レーン1)、Hind
III(レーン2)、BamH I(レーン3)、Bgl II(レー
ン4)、Xba I(レーン5)、Pst I(レーン6)、Sac
I(レーン7)およびApa I(レーン8)の各消化断片に
関する分析結果を示すものである。制限酵素EcoR I、Hi
nd III、Bgl II、およびXba Iで消化したDNAには1〜2
個のバンドしか認められないが、BamH I、Pst I、Sac
I、およびApa Iで消化したDNAはそれぞれ4〜5個のバ
ンドが認められる。第9図記載のごとく、ヒトG−CSF
レセプターcDNAは3BamH I、6Pst I、2Sac I、および3Ap
a I制限酵素切断部位を有するので、この結果よりヒト
ハプロイドゲノムあたり1個のG−CSFレセプター遺伝
子が存在すると推定される。
図面の簡単な説明 第1図はネズミG−CSFレセプターのヌクレオチド配
列およびそれより類推されるアミノ酸配列の模式図、第
2図はネズミG−CSFレセプターcDNA(pI62、pJ17およ
びpF1)の模式図、制限地図およびヒドロパシープロッ
トを示すグラフ、第3図は組換えネズミG−CSFを発現
するCOS細胞およびNFS−60細胞とネズミ125I−G−CSF
との結合を示すグラフであって、Aはネズミ125I−G−
CSFとCOS細胞との飽和結合、BはCOS細胞へのネズミG
−CSF結合データのスキャッチャードプロットを示すグ
ラフ、Cはネズミ125I−G−CSFのNFS−60細胞への飽和
結合を示すグラフ、DはNFS−60細胞へのネズミG−CSF
結合データのスキャッチャードプロットを示すグラフ、
第4図はCOS細胞で発現された組換えネズミG−CSFレセ
プターとネズミG−CSFとの結合特異性を表すグラフ、
第5図はCOS細胞およびNF−60細胞で発現されたネズミ
G−CSFレセプターのクロスリンキング反応の結果を表
すグラフ、第6図はネズミG−CSFレセプターmRNAのノ
ーザンハイブリダイゼーション分析の結果を表す写真の
模写図、第7図はネズミG−CSFレセプターのアミノ酸
配列と他の成長因子レセプターアミノ酸配列とを対比さ
せて示した配列図およびネズミG−CSFレセプターの模
式図である。
第8図はヒトG−CSFレセプターをコードするcDNAの
ヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配列であって、
AはプラスミドpHQ3およびpHG12のヌクレオチド配列お
よび推定のアミノ酸配列、BはpHQ2の配列の内、pHQ3の
配列と異なる配列部分であって、pHQ3のヌクレオチド番
号2,034から下流に相当する配列のヌクレオチド配列お
よび推定のアミノ酸配列、CはpHG11の配列の内、pHQ3
に挿入されている挿入体のヌクレオチド配列および推定
のアミノ酸配列の模式図である。第9図は第8図記載の
pHQ3およびpHG12、pHQ2、並びにpHG11の制限酵素地図の
模式図である。第10図はCOS細胞により発現された組換
えヒトG−CSFレセプターのネズミG−CSFとの結合特性
を示すグラフであり、Aは125I−G−CSFのCOS細胞への
飽和結合を示すグラフ、BはG−CSF結合データのスキ
ャッチャード解析の結果を示すグラフである。第11図は
ヒトG−CSFレセプターmRNAのノーザンハイブリダイゼ
ーション分析の結果を示す写真の模写図である。第12図
はヒトG−CSFレセプターmRNAのPCRにおける結果を示す
写真の模写図である。第13図はヒトG−CSFレセプター
のサザーンハイブリダイゼーション分析の結果を示す写
真の模写図、第14図は発現ベクターpEF−BOSの模式図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:91) (56)参考文献 特表 平5−500614(JP,A) Cell,Vol.61,No.2 (1990.Apr.)p.341−350 Blood,Vol.74,No.1 (1989)p.56−65 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のいずれかのアミノ酸配列を含み、顆
    粒球コロニー刺激因子との結合活性を有するタンパク質
    をコードするDNA。 (1)下記の式(a)〜(c)に記載のアミノ酸配列に
    おいて、アミノ酸番号1−812で表されるアミノ酸配
    列、および (2)下記の式(a)〜(b)に記載のアミノ酸配列に
    おいて、アミノ酸番号1−601で表されるアミノ酸配
    列。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】以下のいずれかのアミノ酸配列からなるタ
    ンパク質をコードするDNA。 (1)下記の式(a)〜(c)に記載のアミノ酸配列に
    おいて、アミノ酸番号1−812で表されるアミノ酸配
    列、および (2)下記の式(a)〜(b)に記載のアミノ酸配列に
    おいて、アミノ酸番号1−601で表されるアミノ酸配
    列。 【化4】 【化5】 【化6】
  3. 【請求項3】以下のいずれかの塩基配列からなるDNA。 (1)下記の式(a)〜(c)に記載の塩基配列におい
    て、ヌクレオチド番号255−2690で表される塩基配列、
    および (2)下記の式(a)〜(b)に記載の塩基配列におい
    て、ヌクレオチド番号255−2057で表される塩基配列。 【化7】 【化8】 【化9】
  4. 【請求項4】以下のいずれかのアミノ酸配列を含み、顆
    粒球コロニー刺激因子との結合活性を有するタンパク質
    をコードするDNA。 (1)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列において、アミノ酸番号1−813で表されるアミ
    ノ酸配列、 (2)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列におけるアミノ酸番号1−595で表されるアミノ
    酸配列と、式Bに記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸
    番号596−748で表されるアミノ酸配列からなるアミノ酸
    配列、および (3)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列におけるアミノ酸番号1−813で表されるアミノ
    酸配列のアミノ酸番号657位Gluおよび658位Aspの間に、
    下記の式Cに記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号
    658−684で表されるアミノ酸配列が挿入されてなるアミ
    ノ酸配列。 【化10】 【化11】 【化12】
  5. 【請求項5】以下のいずれかのアミノ酸配列からなるタ
    ンパク質をコードするDNA。 (1)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列において、アミノ酸番号1−813で表されるアミ
    ノ酸配列、 (2)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列におけるアミノ酸番号1−595で表されるアミノ
    酸配列と、式Bに記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸
    番号596−748で表されるアミノ酸配列からなるアミノ酸
    配列、および (3)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列におけるアミノ酸番号1−813で表されるアミノ
    酸配列のアミノ酸番号657位Gluおよび658位Aspの間に、
    下記の式Cに記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号
    658−684で表されるアミノ酸配列が挿入されてなるアミ
    ノ酸配列。 【化13】 【化14】 【化15】
  6. 【請求項6】以下のいずれかの塩基配列からなるDNA。 (1)下記の式A(a)およびA(b)に記載の塩基配
    列において、ヌクレオチド番号239−2677で表される塩
    基配列、 (2)下記の式A(a)およびA(b)に記載の塩基配
    列におけるヌクレオチド番号239−2033で表される塩基
    配列と、式Bに記載の塩基配列におけるヌクレオチド番
    号2034−2482で表される塩基配列からなる塩基配列、お
    よび (3)下記の式A(a)およびA(b)に記載の塩基配
    列におけるヌクレオチド番号239−2677で表される塩基
    配列のヌクレオチド番号2,209位Gと2,210位Gとの間
    に、下記の式Cに記載の塩基配列おけるヌクレオチド番
    号2,210−2,290で表される塩基配列が挿入されてなる塩
    基配列。 【化16】 【化17】 【化18】
  7. 【請求項7】以下のいずれかのアミノ酸配列を含み、顆
    粒球コロニー刺激因子との結合活性を有するタンパク
    質。 (1)下記の式(a)〜(c)に記載のアミノ酸配列に
    おいて、アミノ酸番号1−812で表されるアミノ酸配
    列、および (2)下記の式(a)〜(b)に記載のアミノ酸配列に
    おいて、アミノ酸番号1−601で表されるアミノ酸配
    列。 【化19】 【化20】 【化21】
  8. 【請求項8】以下のいずれかのアミノ酸配列からなるタ
    ンパク質。 (1)下記の式(a)〜(c)に記載のアミノ酸配列に
    おいて、アミノ酸番号1−812で表されるアミノ酸配
    列、および (2)下記の式(a)〜(b)に記載のアミノ酸配列に
    おいて、アミノ酸番号1−601で表されるアミノ酸配
    列。 【化22】 【化23】 【化24】
  9. 【請求項9】以下のいずれかのアミノ酸配列を含み、顆
    粒球コロニー刺激因子との結合活性を有するタンパク
    質。 (1)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列において、アミノ酸番号1−813で表されるアミ
    ノ酸配列、 (2)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列におけるアミノ酸番号1−595で表されるアミノ
    酸配列と、式Bに記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸
    番号596−748で表されるアミノ酸配列からなるアミノ酸
    配列、および (3)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列におけるアミノ酸番号1−813で表されるアミノ
    酸配列のアミノ酸番号657位Gluおよび658位Aspの間に、
    下記の式Cに記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号
    658−684で表されるアミノ酸配列が挿入されてなるアミ
    ノ酸配列。 【化25】 【化26】 【化27】
  10. 【請求項10】以下のいずれかのアミノ酸配列からなる
    タンパク質。 (1)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列において、アミノ酸番号1−813で表されるアミ
    ノ酸配列、 (2)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列におけるアミノ酸番号1−595で表されるアミノ
    酸配列と、式Bに記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸
    番号596−748で表されるアミノ酸配列からなるアミノ酸
    配列、および (3)下記の式A(a)およびA(b)に記載のアミノ
    酸配列におけるアミノ酸番号1−813で表されるアミノ
    酸配列のアミノ酸番号657位Gluおよび658位Aspの間に、
    下記の式Cに記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号
    658−684で表されるアミノ酸配列が挿入されてなるアミ
    ノ酸配列。 【化28】 【化29】 【化30】
  11. 【請求項11】請求項1〜6のいずれかに記載のDNAを
    含有する発現ベクター。
  12. 【請求項12】請求項11記載の発現ベクターを含有する
    形質転換体。
  13. 【請求項13】請求項12記載の形質転換体を培地に培養
    し、得られた培養物から顆粒球コロニー刺激因子と結合
    し得る生成物を回収することからなる顆粒球コロニー刺
    激因子レセプターの製造方法。
  14. 【請求項14】請求項13記載の方法で製造された顆粒球
    コロニー刺激因子レセプター。
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