JP3403038B2 - プラズマcvd法による薄膜半導体の作製装置及び作製方法 - Google Patents
プラズマcvd法による薄膜半導体の作製装置及び作製方法Info
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Description
よる薄膜半導体の作製装置に係り、より詳細には、分解
効率の異なる複数の材料ガスを長大な放電空間に流し組
成制御された薄膜半導体の作製装置に関し、特に、太陽
電池等の光起電力素子をロール・ツー・ロール(Rol
l to Roll)方式により大量生産するのに好適
な装置及び方法に関するものである。
成要素たる半導体層は、いわゆるpn接合、pin接合
等の半導体接合がなされている。a−Si等の薄膜半導
体を用いる場合、ホスフィン(PH3),ジボラン(B2
H6)等のドーパントとなる元素を含む原料ガスを主原
料ガスであるシラン等に混合してグロー放電分解するこ
とにより所望の導電型を有する半導体膜が得られ、所望
の基板上にこれらの半導体膜を順次積層作製することに
よって容易に前述の半導体接合が達成できることが知ら
れている。そして、このようなa−Si系の光起電力素
子を作製する場合、各半導体層を作製するための独立し
た成膜室を設け、成膜室ごとに各半導体層を作製する方
法が提案されている。
素子特性の観点からその層厚が高々数百オングストロー
ムと非常に薄く設定される場合が多い。したがって、光
起電力素子、とりわけ積層型光起電力素子の形成時に
は、その層厚の均一性、膜の密着性、ドーパントのドー
ピング効率、特性の均一性、再現性が素子の特性に影響
するだけでなく、素子の歩留にも大きく影響する。ゆえ
に、空間的にも時間的にも均一でかつ再現性よく半導体
薄膜を得るためには、長時間にわたってなお一層の放電
安定性を向上させ、再現性を向上させ、均一性を向上さ
せた形成方法および装置が要求される。さらに装置のス
ループットを向上させ、コストダウンを図ろうとする場
合、半導体薄膜の品質を維持したまま、堆積速度を大き
くすることが可能である形成方法および装置が要求され
る。
400,409号明細書には、ロール・ツー・ロール
(Roll to Roll)方式を採用した連続プラ
ズマCVD装置が開示されている。この装置によれば、
複数のグロー放電領域を設け、所望の幅の十分に長い可
撓性の基板を、該基板が前記各グロー放電領域を順次貫
通する経路に沿って配置し、前記各グロー放電領域にお
いて必要とされる導電型の半導体層を堆積しつつ、前記
基板をその長手方向に連続的に搬送せしめることによっ
て、半導体接合を有する素子を連続作製することができ
るとされている。なお、該明細書においては、各半導体
層作製時に用いるドーパントガスが他のグロー放電領域
へ拡散、混入するのを防止するにはガスゲートが用いら
れている。具体的には、前記各グロー放電領域同志を、
スリット状の分離通路によって相互に分離し、さらに該
分離通路に例えばAr、H2等の掃気用ガスの流れを作
製させる手段が採用されている。
導体薄膜を形成する従来のものにおいて、長大なプラズ
マ成膜空間の中で均一な膜質のものを大面積にわたって
作製するにはいくつかの問題点がある。特に、SiH4
流量に対し、高H2希釈率、高RF電力密度が必要とさ
れるマイクロクリスタル作製条件では、このような長大
な成膜空間全体にわたって均質なものを得るのは困難で
あり、さらに、ドーピングについても、効率的かつ大面
積にわたって均一なものを実現する手段が必要である。
長大な成膜空間にこの空間の端から複数種のガスを流し
プラズマ分解した場合、ガスの流れの方向に対し、各ガ
ス種は、分解効率の高い順に分解量のピークが生じ、ガ
ス流下流に向けて裾を引くようにガスの枯渇領域が形成
される(図2参照)。良質のマイクロクリスタルの作製
条件は、ガス下流域で(1)水素処理領域があること
(これは、結晶形成に先立っての核形成に重要とされ
る。)、(2)結晶成長の条件では、SiH4/H2の流
量比で高いH2希釈率が必要とされていることが挙げら
れる。しかしながら、このようにSiH4とH2の分解効
率の差からSiH4の分解ピークはガス吹き出し近傍に
分布してしまい、この領域では結晶作製条件から逸脱し
てしまう。この結果、作製されるp層の最表面はアモル
ファス化し、所望の特性が得にくいのが実状であった。
これを避けるために、この領域(マイクロクリスタルに
ならない成膜領域)の薄膜の堆積分を帯状部材に堆積し
ないように覆うなどの対策手段も考案されている。しか
しながら、このような対策では、ガス、およびプラズマ
の有効利用とはいえず、製造コスト低減を図るために
は、ガス種の分解効率にあわせた装置設計が必要とな
る。そして、この上さらに分解効率の異なるBF3など
のドーパントガスを導入し、均一膜を得るにはさらに困
難なものとなるのは言うまでもないことである。
おける課題を解決し、良質なマイクロクリスタルp層を
作製する装置を提供するだけでなく、特性の均一性に優
れ、欠陥の少ない、大量生産することが可能な光起電力
素子等のプラズマCVD法による薄膜半導体の作製装置
及び作製方法を提供することを目的としている。
決するため、プラズマCVD法による薄膜半導体の作製
装置及び作製方法をつぎのように構成したことを特徴と
するものである。すなわち、本発明の薄膜半導体の作製
装置は、高周波電力を印加して材料ガスをプラズマ放電
によって分解し、帯状部材上に薄膜半導体を形成する薄
膜半導体の作製装置において、前記高周波電力の印加電
極であるカソード電極の一部に、前記帯状部材と平行に
配された平板電極上にしきり状電極を形成することによ
って、該カソード電極のプラズマに接する電極面積の総
和を、プラズマに接する接地電位にある前記帯状部材お
よびアノード電極の表面積の総和よりも大きくなるよう
に構成し、該しきり状電極を該平板電極上に等間隔に配
置すると共に、該しきり状電極の先端部と前記帯状部材
との最近接距離を、材料ガスの流れの方向に段階的、あ
るいは、連続的に変化するように高さを変化させて構成
したことを特徴としている。また、本発明の薄膜半導体
の作製装置は、前記しきり状電極は、前記帯状部材と平
行に配置されている平板電極上の複数のフィン状もしく
はブロック状の部材で構成されていることを特徴として
いる。また、本発明の薄膜半導体の作製装置は、前記し
きり状電極の先端部と前記帯状部材との最近接距離が、
前記材料ガスの流れの方向の上流側である材料供給律速
領域において小さく、下流側である材料枯渇領域におい
て大きく構成されていることを特徴としている。また、
本発明の薄膜半導体の作製装置は、帯状部材を、複数の
連結してなるプラズマCVD装置を連続的に通過させ、
プラズマCVD法により該帯状部材上に複数の異なる薄
膜半導体を積層形成する薄膜半導体の作製装置におい
て、前記複数のプラズマCVD装置の一部または全部
が、上記した本発明のいずれかの薄膜半導体の作製装置
で構成されていることを特徴としている。また、本発明
の薄膜半導体の作製装置は、帯状部材を、複数の連結し
てなるプラズマCVD装置を連続的に通過させ、プラズ
マCVD法により該帯状部材上に少なくとも1組以上の
n型、i型、p型薄膜半導体層をこの順で積層形成する
薄膜半導体の作製装置において、少なくとも、前記p型
薄膜半導体層の作製装置が上記した本発明のいずれかの
薄膜半導体の作製装置で構成されていることを特徴とし
ている。そして、そのp型薄膜半導体層は、その主成分
がSi、またはSiであると共にマイクロクリスタルで
あることを特徴としている。また、本発明の薄膜半導体
の作製方法は、帯状部材を、複数の連結してなるプラズ
マCVD装置を連続的に通過させ、プラズマCVD法に
より該帯状部材上に少なくとも1組以上のn型、i型、
p型薄膜半導体層をこの順で積層形成する薄膜半導体の
作製方法において、少なくとも、前記p型薄膜半導体層
の形成に上記した本発明のいずれかの薄膜半導体の作製
装置を用い、該p型薄膜半導体層をSiH4、CH4、B
F3、および、H2の中から一部または全部から選ばれた
材料ガスによって、主成分がSi、またはSiであると
ともにマイクロクリスタルであるp型薄膜半導体層を形
成することを特徴としている。そして、そのp型薄膜半
導体層は、13.56MHzの正弦波の供給電力によっ
て作成されることを特徴としている。
特性の均一性に優れ、欠陥の少ない薄膜半導体を作製す
るようにしたものであるが、それは、概ねつぎのような
原理に基づくものである。長大なプラズマ成膜空間の中
で、材料ガスに対し充分分解できる程度に高い高周波電
力密度条件下で、比較的プラズマ分解しやすいSiH4
などの材料ガスを流した場合、堆積膜の分布はガスの流
れ方向に2つの領域に分かれる。それは、(A)ガス上
流域の「材料供給律速領域」、および、(B)ガス下流
域の「材料枯渇領域」であり、この二つの領域について
述べると以下のようになる。 (A)ガス上流域の「材料供給律速領域」 この領域では、SiH4ガスはプラズマのエネルギーで
そのほとんどを分解していて堆積膜の分布はピークをも
つ。ここでは、高周波電力を上下させてもこのピークは
変わらず、材料ガスの供給量でピークの高さは決定され
る。ここで堆積に寄与するのは主にSiH3、SiH2な
どの中性ラジカルといわれている。 (B)ガス下流域の「材料枯渇領域」 この領域では、材料となる未分解のSiH4はほとんど
消費されてしまっていて、堆積に寄与するイオン、ラジ
カルの量は少量である。その一方でSiH4などから分
解生成されたH(水素)の濃度は高い傾向にある。
に、BF3を導入すると、Bの濃度はSiのピーク位置
よりも下流にピークをもって堆積(イオン打ち込みも含
む)する。また、このBの濃度ピークはBF3のプラズ
マ分解で発生するBF2+のイオン種で決定されている
と考えられている。このような成膜空間内でのガス種の
違いによる各濃度ピーク位置のずれは、堆積膜の特性均
一性を阻害し、光起電力素子などのデバイス特性への影
響も大きい。本発明において、前記複数のフィン状もし
くはブロック状のしきり状電極の電極数の密度はここで
発生するプラズマのガス分解に大きな影響をもってい
る。密度が高くなるほどプラズマ強度が高まり、カソー
ド電極のセルフバイアスの正電位も大きくなる。これに
より正電荷のイオン種を接地電位にある帯状部材上に堆
積、あるいは、イオン打ち込みさせることが可能であ
り、先の中性ラジカルのSiH3、SiH2などとは独立
にBF2+イオンおよび、H+イオンを帯状部材上に導
入することが可能となる。この結果、長大な成膜空間内
においても堆積膜の組成均一性を確保できる。よって、
この(A)の領域においては、BとSiとの濃度分布の
差を縮めることが可能であり、また、H+イオンの効果
により、この領域でもマイクロクリスタル作製条件を実
現することが可能である。また、(B)ガス下流域で
は、前記複数のフィン状もしくはブロック状のしきり状
電極の電極密度を比較的低くすることで、予め帯状部材
上に堆積してある半導体層への水素イオンのダメージの
低減を可能にし、マイクロクリスタル形成のための最適
核形成条件を実現することが可能である。本発明によれ
ば、このようなしきり状電極により、一つの長大なプラ
ズマ成膜空間を用いて、複雑な組成の薄膜半導体を高品
質にかつ、均一に作製することができる。
膜空間で各種ガスをプラズマ分解して静止保持された帯
状部材上に形成される堆積膜の、各濃度分布を示すこと
によって説明する。 (1)実験装置は、後述の実施例のもので、予め、基板
となる帯状部材にはアモルファスシリコンi層を100
0Å程度堆積させてある。この帯状部材は搬送せず停止
させた状態で所定の温度に保持した。その他のp層作製
条件は表1−1のp型層欄に記載の条件とした。p層の
作製時間は5分で、p層の電極構造は図4(a)(全域
で中距離)で従来技術のしきり状電極が平板電極上に等
間隔で配置するものである。このようにして得られる堆
積膜のガス流方向の組成分析をSIMSでおこなった。
この結果、図2に示すようなSi、B、Hの各濃度プロ
ファイルとなった。先にも述べたように、分解効率の比
較的低いBF3のせいで膜中のB濃度はSiのピークの
位置に対し下流に分布しているのがわかる。このガス流
上流域の薄膜半導体の結晶性評価をRHEEDで観測し
たところ、微結晶にならずアモルファスであった。 (2)次に、p層の電極構造を図4(b)(上流域で小
距離)とし、その他の作製条件は(1)と同一としてプ
ロファイルを比較したものを図3に示す。この結果から
複数のフィン状もしくはブロック状のしきり状電極の電
極密度をガス流上流部で高くすることでBF3分解を助
長しSi膜へのBのドーピングの均一性を高めているこ
とがわかる。さらに、このガス流上流域の堆積膜の結晶
性評価をRHEEDで観測したところ、微結晶(マイク
ロクリスタル)になっていることが確認できた。このこ
とから、この領域ではH2とSiH4の分解比率および、
プラズマの電力密度がマイクロクリスタル作製条件に変
化しているものと考えられる。 (3)さらに、p層の電極構造を図4(c)(上流域で
小距離、下流域で大距離)とし、p層作製条件の中で希
釈H2をD2(重水素)に置き換え、その流量は同一とし
た。このようにして得られる堆積膜のガス下流域でのS
IMS分析の結果、D原子はほとんど観測されない。p
層の電極構造が図4(a)(全域で中距離)および、図
4(b)(上流域で小距離)では、このようなD原子の
堆積膜への取り込みは若干認められたことと比較する
と、堆積膜へのD原子のイオン衝撃はかなり低減されて
いると考えられる。
行平板型のプラズマ装置とは異なり、欠点であったとこ
ろのカソード電極近傍というある限られた部分のみにお
いて材料ガスの励起、分解反応が促進されることなく、
放電空間全体、どちらかといえば帯状部材を含むアノー
ド電極側において上述の材料ガスの励起、分解反応を促
進し、比較的高い堆積速度をもってして、該帯状部材上
へ効率よく薄膜を堆積させ得ることを特徴とする半導体
薄膜形成装置である。すなわち、カソードヘ投入される
高周波電力量をうまく調整し、投入される高周波電力よ
り有効に利用して放電空間内に導入される材料ガスを効
率的に励起、分解し、しかも高品位な非単結晶薄膜半導
体を該帯状部材上へ均一で再現性よく比較的高い堆積速
度で形成することが可能である。本発明の装置において
複数のフィン状もしくはブロック状のしきり状電極の密
度はガス流方向に対し分解効率の比較的低いガス種の発
生する分解量ピーク位置と分解効率の比較的高いガス種
の分解量ピーク位置が重なるように適宜その密度を成膜
空間の中で最適化させる必要がある。
料としては、ステンレスおよびその合金、アルミニウム
およびその合金等が考えられるが、その他に、導電性性
質をもった材質であれば特にこれらに限った材質である
必要はない。アノード電極材料に関しても同様である。
本発明の装置においては、グロー放電空間に設置された
高周波電力印加カソード電極の放電に接する空間におけ
る表面積が、帯状部材を含む接地された電極全体(アノ
ード電極)の放電空間における表面積よりも大きくする
ことを特徴とし、さらにグロー放電を生起し薄膜半導体
形成時のカソード電極の電位(自己バイアス)を、投入
する高周波電力を調整することを併用することによっ
て、正電位、より好ましくは+5V以上に維持した状態
にて、薄膜半導体を堆積することを特徴とする装置であ
る。
極を前記帯状部材の搬送方向に複数設置し、前記しきり
状電極各々の間隔は隣り合う前記しきり状電極の間にお
ける放電が生起維持するに充分な間隔を有することによ
り、カソード電極には比較的大きな正電位をセルフバイ
アスにて生起維持することが可能である。このことは、
別途設けた直流(DC)電源等を用いたバイアス印加方
法等とは異なり、スパーク等による異常放電の発生を抑
制することができる結果、放電を安定して生起維持する
ことが可能となり、なおかつ、正の自己バイアスが生起
されたカソード電極の一部、すなわちしきり状電極の先
端部が前記帯状部材に対して比較的近接していることか
ら、生起された比較的大きな正電位を前記帯状部材状の
堆積膜に対して、放電空間を介して効率良く安定してバ
イアス印加することが可能となる。これは、従来型の典
型であるカソード電極面積がアノード(接地)電極面積
に対して小さい平行平板型のカソード電極構造におい
て、例えば単にカソード/基板間距離を短くする方法や
直流電源を併用して直流電圧をカソードヘ印加する方法
等とは明らかに異なるセルフバイアス電位であり、直流
バイアス印加効果である。
説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。 (装置例)図1は、本発明の放電容器内の特徴を示した
模式的断面図である。同図においてカソード電極100
2が、接地(アノード)電極1004上に絶縁ガイシ1
009によって電気的に絶縁されて設置され、該カソー
ド電極上を導電性帯状部材1000が不図示の複数のマ
グネットローラで支えられ、下に位置するカソード電極
および上に位置するランプヒーター1005に物理的に
接することなく矢印で示される方向へ移動するような構
造である。材料ガスはガス導入管1007から導入さ
れ、帯状部材とカソード電極の間を通り排気口1006
から不図示の真空ポンプによって排気される。カソード
電極およびアノード電極材料としては、SUS316を
用いた。高周波電力で生起されるグロー放電の放電領域
は、カソード電極の一部であるところの複数接地された
しきり状電極1003どうしのすきまおよび帯状部材と
カソード電極との間の空間であり、上部の該導電性帯状
部材で閉じ込められた領域となる。このような構造の放
電容器を用いた場合、カソード電極の面積の帯状部材を
含む接地されたアノード電極の面積に対する比率は、明
らかに1よりも大きなものとなる。さらに、帯状部材1
000とカソード電極の一部であるフィン状もしくはブ
ロック状形状をしたしきり状電極1003との最近接距
離(図中L1)が5cm以下の範囲内とするのが効果的
である。さらに、複数設置されたしきり状電極1003
どうしの間隔は放電が生起維持するに充分な間隔を有
し、その適度な間隔(図中L3)が、3cm以上10c
m以下の範囲内とするのが効果的である。そして、ガス
流上流域においては下流域の間隔L1に対し、しきり状
電極との距離が半分倍から1/3倍の範囲になるように
間隔L1を設定するのが好ましい。
定されるものではなく、他の例をいくつか示す。図4
(b)、図4(c)、図5(b)、図5(c)にカソー
ド電極形状の模式図の例を示す。いずれの場合において
も、カソード電極材料としては、SUS316を用い
た。図4(a)から(c)は、帯状部材の搬送方向に対
して直角方向にしきり状電極を底部の平板電極面に垂直
に立てた構造の一例で、これらのしきり状電極上には材
料ガスが通過できるような複数の通気孔110を設けた
構造である。この通気孔は、材料ガスが通過できる大き
さを有し、かつカソード電極としての機能を損なわない
構造であればよい。図4(b)は、ガス上流域でしきり
状電極と帯状部材との距離がその他の領域の半分になる
ように配置した構造である。図4(c)は、図4(b)
でさらに、ガス下流域でしきり状電極と帯状部材との距
離がガス流中間域の領域の2倍になるように配置した構
造である。図5(a)から(c)は、帯状部材の搬送方
向に対して平行方向にしきり状電極を底部の平板電極面
に垂直に立てた構造の一例。この両端のしきり状電極間
は材料ガスが通過できるような構造である。図5(b)
は、ガス上流域でしきり状電極と帯状部材との距離がそ
の他の領域の半分になるように配置した構造である。図
5(c)は、図5(b)でさらに、ガス下流域でしきり
状電極の密度がガス流中間域の領域の2倍になるように
配置した構造である。これらの例では直線的な辺で構成
された矩形型を示した例であるが、不図示ではあるが曲
線的な辺で構成された形状であっても構わない。要はカ
ソード電極の表面積がアノード電極の表面積よりも大き
くなるような形状で、且つ、ガスの流れを妨げない構造
であれば良い。上述した本発明の作製装置を用いて、光
起電力素子を作製することにより、前述の諸問題を解決
するとともに前述の諸要求を満たし、連続して移動する
帯状部材上に、高品質で優れた均一性を有し、欠陥の少
ない光起電力素子を作製することができる。
の構成を示す模式図である。同図に示す例は、バンドギ
ャップ及び/又は層厚の異なる2種の半導体層をi型層
として用いた光起電力素子を2素子積層して構成され
た、いわゆるダブル型光起電力素子であり、帯状部材4
001(104)、Ag薄膜4002、ZnO薄膜40
03、第1のn型層4004、第1のi型層4005、
第1のp型層4006、ITO4007、集電電極40
08から構成されている。図8に示す例は、バンドギャ
ップ及び/又は層厚の異なる3種の半導体層をi型層と
して用いた光起電力素子を3素子積層して構成された、
いわゆるトリプル型光起電力素子であり、帯状部材50
01(104)、下部電極5003、第1のn型層50
04、第1のi型層5005、第1のp型層5006、
第2のn型層5007、第2のi型層5008、第2の
p型層5009、第3のn型層5010、第3のi型層
5011、第3のp型層5012、上部電極5013、
集電電極5014から構成されている。以下、これらの
光起電力素子の構成について説明する。
いられる材料としては、周期律表第V族の原子を1種ま
たは複数種から成る、非単結晶半導体が適す。また更
に、光照射側の導電型層は、微結晶化した半導体が最適
である。該微結晶の粒径は、好ましくは3nm〜20n
mで有り、最適には3nm〜10nmである。p型層に
含有される添加物としては、周期律表第III族元素が適
し、その中で特にホウ素(B)、アルミニウム(A
l)、ガリウム(Ga)が最適である。更に、光照射側
の導電型層での光吸収をより少なくするためには、i型
層を構成する半導体のバンドギャップより大きなバンド
ギャップを有する半導体層を用いることが好ましい。例
えば、i型層がアモルファスシリコンの場合に光照射側
の導電型層に非単結晶炭化シリコンを用いることも可能
である。
ること、すなわち、長大なプラズマ成膜空間に分解効率
の異なる複数の材料ガスを導入し、プラズマ分解にて堆
積膜を形成する際に、プラズマCVD装置のカソード電
極を カソード電極面積の総和が、接地電位にある堆積膜形
成用の帯状部材及び、アノード電極の表面積の総和より
も大きく、この結果、グロー放電生起時の前記カソード
電極の電位(セルフバイアス)が接地電位にある前記帯
状部材及び、アノード電極の電位に対し正電位を維持す
る電極構造であること。および、 前記カソード電極が、前記帯状部材と平行に配置され
る「平板電極」および、該「平板電極」上に配置される
材料ガスの流れを妨げない複数のフィン状もしくはブロ
ック状の「しきり状電極」の組み合わせの構造であるこ
と。および、 プラズマ空間中の堆積膜の分布において、材料ガスの
流れ方向にこの順で形成される、「材料供給律速領域」
および、「材料枯渇領域」において、各々の該領域に対
応する前記カソード電極の「しきり状電極」と前記帯状
部材の距離を、前記「材料供給律速領域」に相当するカ
ソード電極の領域において、小さくし、かつ、前記「材
料枯渇領域」に相当するカソード電極の領域において、
大きくして、それぞれ「平板電極」上に配置する構造で
あること。となるカソード電極構造とすることで、帯状
部材に堆積する膜を高度に組成制御された薄膜半導体と
することが可能となる。特に、光起電力素子で、良質な
p型マイクロクリスタルシリコン薄膜を実現する際にも
有効であり、長時間にわたって放電安定性を向上させ、
再現性を向上させ、均一性を向上させ、再現性よく高品
質な半導体素子の実現が可能となる。さらに本発明の装
置を用いることは、特に積層型光起電力素子において、
極めて良好なpn接合界面を実現することも可能とな
る。上述した本発明のプラズマCVD装置を用いて、光
起電力素子を作製することにより、前述の諸問題を解決
するとともに連続移動する帯状部材の搬送により高品質
で優れた均一性を有する光起電力素子を作製することが
できる。以下の実施例では、本発明に係る薄膜半導体及
び光起電力素子の作製装置を用い、光起電力素子を形成
し、得られた光起電力素子の諸特性を評価した。
ル・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を
採用した連続プラズマCVD装置を用い、図7に示した
シングルセル型の光起電力素子を作製した。その際、p
型層を作製する真空容器のカソード電極の形状は、図4
(b)に示したしきり状とした。このカソード電極構造
では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に
対するカソード電極の表面積の比率を2.9倍とした。
なお、n型層形成容器およびi型層形成容器としては、
平行平板型のRF電極を有する形成容器を用いた。図6
の製造装置は、帯状部材101の送り出し及び巻き取り
用の真空容器301及び302、n型層作製用真空容器
601、i型層作製用真空容器100、p型層作製用真
空容器602をガスゲートを介して接続した構成からな
る。真空容器601内のカソード電極603および真空
容器602内のカソード電極604の各構造は、上述し
たカソード電極構造とした。図6に示す製造装置を用
い、表1に示す作製条件で、下部電極上に、n型層、i
型層およびp型層を、以下に示すような作製手順により
連続的に形成し、シングル型光起電力素子(素子−実1
と呼ぶ)を作製した。 (1)まず、基板送り出し機構を有する真空容器301
に、帯状部材101が巻きつけられたボビン303をセ
ットした。帯状部材101としては、充分に脱脂、洗浄
を行い、下部電極として、スパッタリング法により、銀
薄膜を100nm、ZnO薄膜を1μm蒸着してあるS
US430BA製の帯状部材(幅120mm×長さ20
0m×厚さ0.13mm)を用いた。 (2)帯状部材101をガスゲート、各真空容器を介し
て、帯状部材巻き取り機構を有する真空容器302まで
通し、たるみのない程度に張力調整を行った。 (3)各真空容器301、601、100、602、3
02を不図示の真空ポンプで真空引きした。 (4)各ガスゲートに、ゲートガス導入管131n、1
31、132、131pから、ゲートガスとしてH2を
各々700sccm流し、ランプヒータ124n、12
4、124pにより、帯状部材101を、各々350
℃、350℃、250℃に加熱した。 (5)ガス導入管605より、SiH4ガスを40sc
cm、PH3ガス(2%H2希釈品)を50sccm、H
2ガスを200sccm、ガス導入管104a、104
b、104cより、SiH4ガスを各100sccm、
H2ガスを各500sccm、ガス導入管606より、
SiH4ガスを10sccm、BF3ガス(2%H2希釈
品)を100sccm、H2ガスを700sccm導入
した。 (6)真空容器301内の圧力が、圧力計314で1.
0Torrになるようにコンダクタンスバルブ307で
調整した。真空容器601内の圧力が、不図示の圧力計
で1.5Torrになるように不図示のコンダクタンス
バルブで調整した。真空容器100内の圧力が、不図示
の圧力計で1.8Torrになるように不図示のコンダ
クタンスバルブで調整した。真空容器602内の圧力
が、不図示の圧力計で1.6Torrになるように不図
示のコンダクタンスバルブで調整した。真空容器302
内の圧力が、圧力計315で1.0Torrになるよう
にコンダクタンスバルブ308で調整した。 (7)工程(6)に示した圧力調整の後、カソード電極
603には500WのRF電力を、カソード電極107
には200WのRF電力を、カソード電極604には3
40WのRF電力を、それぞれ導入した。 (8)帯状部材101を図中の矢印の方向に搬送させ、
帯状部材上にn型層、i型層およびp型層を、順次作製
した。 (9)工程(8)で作製したp型層の上に、透明電極と
して、ITO(In2O3+SnO2)を真空蒸着にて8
0nm蒸着した後、さらに集電電極として、Alを真空
蒸着にて2μm蒸着し、光起電力素子(素子−実1と呼
ぶ)の作製を終えた。 表1−1には、本例に係る光起電力素子の作製条件を示
した。
ソード電極の形状をフィン型の構造とし、図4(a)に
示したカソード電極構造とした点が実施例1と異なる。
このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノー
ド電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比
率を2.8倍とした。この比率は(実施例1)の2.9
倍に対し若干低いが、セルフバイアス値の変化はなくプ
ラズマ自体への大きな変化はないものとみなせる。但
し、光起電力素子の作製条件は、実施例1と同じ条件
(表1−1)とした。他の点は実施例1と同様として、
シングルセル型光起電力素子(素子−比1と呼ぶ)を作
製した。以下では、実施例1及び比較例1で作製した光
起電力素子、すなわち(素子−実1)と(素子−比1)
に対して、特性均一性、欠陥密度及び光劣化の評価を行
なった結果について述べる。特性均一性とは、実施例1
及び比較例1で作製した帯状部材上の光起電力素子、す
なわち(素子−実1)と(素子−比1)を、10mおき
に5cm角の面積で切出し、AM−1.5(100mW
/cm2)光照射下に設置し、光電変換効率を測定し、
その光電変換効率のバラツキを評価した結果である。比
較例1の光起電力素子(素子−比1)のバラツキを基準
1.00として、実施例1の光起電力素子(素子−実
1)のバラツキを示した。また、それぞれの開放電圧に
ついて(素子−比1)を基準1.00として(素子−実
1)の値を示した。欠陥密度とは、実施例1及び比較例
1で作製した帯状部材上の光起電力素子、すなわち(素
子−実1)と(素子−比1)、の中央部5mの範囲を、
5cm角の面積100個切出し、逆方向電流を測定する
ことにより、各光起電力素子の欠陥の有無を検出して、
欠陥密度を評価した結果である。比較例1の光起電力素
子(素子−比1)の欠陥密度を基準1.00として、実
施例1の光起電力素子(素子−実1)の欠陥密度を示し
た。光劣化特性とは、実施例1及び比較例1で作製した
帯状部材上の光起電力素子、すなわち(素子−実1)と
(素子−比1)、の中央部5mの範囲を、5cm角の面
積100個切出し、AM−1.5(100mW/c
m2)光照射下に設置し、10000時間放置し、光電
変換効率を測定して、その光電変換効率の低下率を評価
した結果である。比較例1の光起電力素子(素子−比
1)の低下率を基準1.00として、実施例1の光起電
力素子(素子−実1)の低下率を示した。表1−2は、
実施例1及び比較例1で作製した光起電力素子、すなわ
ち(素子−実1)と(素子−比1)に対して、上述した
光電変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び光劣化率を調
べた結果である。
に対して、実施例1の光起電力素子(素子−実1)は、
変換効率のバラツキ、欠陥密度、光劣化率、開放電圧に
おいて優れており、本発明の作製方法により形成した光
起電力素子は、優れた特性を有することが分かった。
真空容器のカソード電極の形状を、図4(c)に示した
仕切り板形状とした点が実施例1と異なる。このカソー
ド電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表
面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.9
倍とした。また、光起電力素子の作製条件は、表1−1
とした。なお、n型層形成容器およびi型層形成容器と
しては、平行平板型のRF電極を有する形成容器を用い
た。他の点は実施例1と同様として、シングル型光起電
力素子(素子−実2と呼ぶ)を作製した。実施例2及び
比較例1で作製した光起電力素子、すなわち(素子−実
2)と(素子−比1)に対して、実施例1と同様に、特
性均一性、欠陥密度及び光劣化、開放電圧の評価を行な
った。その結果を、表2に示した。
して、実施例2の光起電力素子(素子−実2)は、変換
効率のバラツキ、欠陥密度、及び、光劣化率、開放電圧
のいずれも優れていることが分かった。
真空容器のカソード電極の形状を、図5(b)に示した
仕切り板形状とした点が実施例1と異なる。このカソー
ド電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表
面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.9
倍とした。また、光起電力素子の作製条件は、表3−1
とした。なお、n型層形成容器およびi型層形成容器と
しては、平行平板型のRF電極を有する形成容器を用い
た。他の点は実施例1と同様として、シングル型光起電
力素子(素子−実3と呼ぶ)を作製した。
ソード電極の形状をフィン型の構造とし、図5(a)に
示したカソード電極構造とした点が実施例1と異なる。
このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノー
ド電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比
率を2.8倍とした。の比率は(実施例1)の2.9倍
に対し若干低いが、セルフバイアス値の変化はなくプラ
ズマ自体への大きな変化はないものとみなせる。但し、
光起電力素子の作製条件は、実施例3と同じ条件(表3
−1)とした。他の点は実施例3と同様として、シング
ルセル型光起電力素子(素子−比2と呼ぶ)を作製し
た。実施例3及び比較例2で作製した光起電力素子、す
なわち(素子−実3)と(素子−比2)に対して、実施
例1と同様に、特性均一性、欠陥密度及び光劣化率、開
放電圧の評価を行った。その結果を、表3−2に示し
た。
に対して、実施例3の光起電力素子(素子−実3)は、
変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び、光劣化率、開放
電圧のいずれも優れていることが分かった。
真空容器のカソード電極の形状を、図5(c)に示した
仕切り板形状とした点が実施例3と異なる。このカソー
ド電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表
面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.9
倍とした。また、光起電力素子の作製条件は、表3−1
とした。なお、第1の導電型層形成容器および第2の導
電型層形成容器としては、平行平板型のRF電極を有す
る形成容器を用いた。他の点は実施例1と同様として、
シングル型光起電力素子(素子−実4と呼ぶ)を作製し
た。実施例4及び比較例2で作製した光起電力素子、す
なわち(素子−実4)と(素子−比2)に対して、実施
例3と同様に、特性均一性、欠陥密度及び光劣化率、開
放電圧の評価を行なった。その結果を、表4に示した。
して、実施例4の光起電力素子(素子−実4)は、変換
効率のバラツキ、欠陥密度、光劣化率、及び、開放電圧
のいずれも優れていることが分かった。
ル・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を
採用した連続プラズマCVD装置において、各作製用真
空容器を増設した装置を用い、図7に示したトリプルセ
ル型の光起電力素子を作製した。その際、各p型層を作
製する真空容器のカソード電極の形状は、図4(b)に
示した仕切り板形状とした。このカソード電極構造で
は、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対
するカソード電極の表面積の比率は2.9倍である。な
お、n型層形成容器およびi型層形成容器としては、平
行平板型のRF電極を有する形成容器を用いた。図6の
製造装置において、不図示ではあるが、n型層作製用真
空容器601、i型層作製用真空容器100及びp型層
作製用真空容器602をガスゲートを介して接続した装
置をワンセットとして、これをさらに2セット増設し、
計3セット繰り返して直列に配置した構成の装置を用い
た。しかもその中で、全てのp型層形成容器に、上述し
た仕切り板型とした形成容器を設置し、トリプル型光起
電力素子を製作した。このような装置(不図示)を用
い、表5に示す作製条件で、下部電極上に、第1のn型
層、第1のi型層、第1のp型層、第2のn型層、第2
のi型層、第2のp型層、第3のn型層、第3のi型
層、第3のp型層を順次積み重ねて堆積し、実施例1と
同様の作製手順によって、トリプル型光起電力素子(素
子−実5)を連続的に作製した。表5−1には、本例に
係る光起電力素子の作製条件を示した。
カソード電極の形状を図4(a)に示したカソード電極
構造とした点が実施例5と異なる。このカソード電極構
造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和
に対するカソード電極の表面積の比率は2.8倍であ
る。但し、光起電力素子の作製条件は、実施例5と同じ
条件(表5−1)とした。他の点は実施例5と同様とし
て、トリプルセル型光起電力素子(素子−比3と呼ぶ)
を作製した。実施例5及び比較例3で作製した光起電力
素子、すなわち(素子−実5)と(素子−比3)に対し
て、実施例1と同様に、特性均一性、欠陥密度及び光劣
化率、開放電圧の評価を行なった。その結果を、表5−
2に示した。
に対して、実施例5の光起電力素子(素子−実5)は、
変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び、光劣化率、開放
電圧のいずれも優れており、本発明の作製方法により、
優れた特性を有するトリプル型光起電力素子がえられる
ことが分かった。
電極の一部に、前記帯状部材と平行に配された平板電極
上にしきり状電極を形成することによって、該カソード
電極のプラズマに接する電極面積の総和を、プラズマに
接する接地電位にある前記帯状部材およびアノード電極
の表面積の総和よりも大きくなるように構成し、該しき
り状電極を該平板電極上に等間隔に配置すると共に、該
しきり状電極の先端部と前記帯状部材との最近接距離
を、材料ガスの流れの方向に段階的、あるいは、連続的
に変化するように高さを変化させた構成により、大面積
にわたって、高品質で優れた均一性を有し、欠陥が少な
く、高いスループットで大量に再現良く生産することが
可能な、光起電力素子等の薄膜半導体の作製装置及び作
製方法を実現することができる。
の作製装置の模式的な断面図であり、作製装置における
放電空間の一例を説明するために用いた概念的模式図で
ある。
膜の組成プロファイルである。
る堆積膜の組成プロファイルである。
ある。
ある。
光起電力素子の作製装置の模式的な断面図である。
概念的な断面図である。
概念的な断面図である。
管 301、302:真空容器 303、304:ボビン 305、306:アイドリングローラ 307、308:コンダクタンスバルブ 310、311:排気管 314、315:圧力計 513:排気管 601、602:真空容器 603、604:カソード電極 605、606:ガス導入管 607、608:排気管 1000:導電性帯状部材 1001:真空容器 1002:カソード電極 1003:しきり状電極 1004:アノード電極 1005:ランプヒーター 1006:排気口 1007:ガス導入管 1008:ガスゲート 1009:絶縁ガイシ 1010:高周波発振器 4001:SUS基板 4002:Ag薄膜 4003:ZnO薄膜 4004:n型層 4005:i型層 4006:p型層 4007:ITO 4008:集電電極 5001:SUS基板 5002:Ag薄膜 5003:下部電極 5004:第1のn型層 5005:第1のi型層 5006:第1のp型層 5007:第2のn型層 5008:第2のi型層 5009:第2のp型層 5010:第3のn型層 5011:第3のi型層 5012:第3のp型層 5013:上部電極 5014:集電電極
Claims (8)
- 【請求項1】高周波電力を印加して材料ガスをプラズマ
放電によって分解し、帯状部材上に薄膜半導体を形成す
る薄膜半導体の作製装置において、前記高周波電力の印
加電極であるカソード電極の一部に、前記帯状部材と平
行に配された平板電極上にしきり状電極を形成すること
によって、該カソード電極のプラズマに接する電極面積
の総和を、プラズマに接する接地電位にある前記帯状部
材およびアノード電極の表面積の総和よりも大きくなる
ように構成し、該しきり状電極を該平板電極上に等間隔
に配置すると共に、該しきり状電極の先端部と前記帯状
部材との最近接距離を、材料ガスの流れの方向に段階
的、あるいは、連続的に変化するように高さを変化させ
て構成したことを特徴とする薄膜半導体の作製装置。 - 【請求項2】前記しきり状電極は、前記帯状部材と平行
に配置されている平板電極上の複数のフィン状もしくは
ブロック状の部材で構成されていることを特徴とする請
求項1に記載の薄膜半導体の作製装置。 - 【請求項3】前記しきり状電極の先端部と前記帯状部材
との最近接距離は、前記材料ガスの流れの方向の上流側
である材料供給律速領域において小さく、下流側である
材料枯渇領域において大きく構成されていることを特徴
とする請求項1または請求項2に記載の薄膜半導体の作
製装置。 - 【請求項4】帯状部材を、複数の連結してなるプラズマ
CVD装置を連続的に通過させ、プラズマCVD法によ
り該帯状部材上に複数の異なる薄膜半導体を積層形成す
る薄膜半導体の作製装置において、前記複数のプラズマ
CVD装置の一部または全部が、請求項1〜請求項3の
いずれか1項に記載の薄膜半導体の作製装置で構成され
ていることを特徴とする薄膜半導体の作製装置。 - 【請求項5】帯状部材を、複数の連結してなるプラズマ
CVD装置を連続的に通過させ、プラズマCVD法によ
り該帯状部材上に少なくとも1組以上のn型、i型、p
型薄膜半導体層をこの順で積層形成する薄膜半導体の作
製装置において、少なくとも、前記p型薄膜半導体層の
作製装置が請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の
薄膜半導体の作製装置で構成されていることを特徴とす
る薄膜半導体の作製装置。 - 【請求項6】前記p型薄膜半導体層は、その主成分がS
i、またはSiであると共にマイクロクリスタルである
ことを特徴とする請求項5に記載の薄膜半導体の作製装
置。 - 【請求項7】帯状部材を、複数の連結してなるプラズマ
CVD装置を連続的に通過させ、プラズマCVD法によ
り該帯状部材上に少なくとも1組以上のn型、i型、p
型薄膜半導体層をこの順で積層形成する薄膜半導体の作
製方法において、少なくとも、前記p型薄膜半導体層の
形成に請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の薄膜
半導体の作製装置を用い、該p型薄膜半導体層をSiH
4、CH4、BF3、および、H2の中から一部または全部
から選ばれた材料ガスによって、主成分がSi、または
Siであるとともにマイクロクリスタルであるp型薄膜
半導体層を形成することを特徴とする薄膜半導体の作製
方法。 - 【請求項8】前記p型薄膜半導体層は、13.56MH
zの正弦波の供給電力によって作成されることを特徴と
する請求項7に記載の薄膜半導体の作製方法。
Priority Applications (1)
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JP31634697A JP3403038B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | プラズマcvd法による薄膜半導体の作製装置及び作製方法 |
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JP31634697A JP3403038B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | プラズマcvd法による薄膜半導体の作製装置及び作製方法 |
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JPH11135440A JPH11135440A (ja) | 1999-05-21 |
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