JP3401147B2 - 低温焼成磁器組成物 - Google Patents
低温焼成磁器組成物Info
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Description
に関するもので、特に配線パターンの微細化が可能な小
型化された高周波用多層配線基板や半導体素子収納用パ
ッケージ等に好適な低温焼成磁器組成物に関するもので
ある。
混成集積回路装置や半導体素子収納用パッケージ等に用
いられる配線基板材料には、アルミナセラミックスが多
用されている。
っては、情報伝達はより高速化、高周波化が進み、搭載
される半導体素子もより高速化、高集積化され、更に実
装のより高密度化が要求されるようになっており、従来
のアルミナセラミックスでは焼成温度が1500〜16
00℃と極めて高く、同時焼成可能な配線導体としては
導体抵抗の大きなタングステン(W)やモリブデン(M
o)等の高融点金属を使用しなければならず、そのため
に高周波領域においては大きな導体抵抗が信号の伝送損
失を大としてしまい、前記諸要求を満足しないことか
ら、アルミナセラミックス自体が昨今の高周波用の配線
基板材料としては不適当であると言われている。
ラスとセラミックスの混合物を1000℃以下の低温で
焼成したガラスセラミックスを配線基板材料とするもの
が提案されており、例えば、ホウケイ酸ガラスとアルミ
ナフィラーを用い、配線導体として導体抵抗の小さい銅
(Cu)等を使用して1000℃以下の低い温度で同時
焼成したものでは、比誘電率が5〜10程度のものが得
られている。
体素子を多層配線基板や半導体素子収納用パッケージ等
に搭載する際、伝送線路がマイクロストリップラインの
場合には、信号線路と接地線路が同一面内に存在しない
ため、ボンディングワイヤにより接続されており、高周
波用として使用すると前記ボンディングワイヤのインダ
クタンスが大きいと信号の伝送損失も大となる傾向があ
った。
路が同一面内に形成可能なコプレナー線路を用い、該コ
プレナー線路と前記半導体素子をフリップチップ接続法
で表面実装する方法が提案されている。
に、同一面上に信号線路と該信号線路の両側に一定の間
隔で接地導体を設けたコプレナー線路は、前述の如く比
誘電率が5〜10程度のガラスセラミックスの場合、例
えば特性インピーダンスが50Ωのコプレナー線路を得
るために信号線路と接地導体の間隔を50μmとする
と、信号線路の幅は130〜300μmであることが必
要となり、高密度実装の妨げとなっていた。
ると、信号線路の幅を50〜130μmと狭くすること
が可能となり、より高密度実装が可能になるということ
である。
電率が大きく、緻密な焼結体を得るために、Al2 O3
−SiO2 −ZnO−TiO2 −CaO−B2 O3 −M
gO−Na2 O−K2 O系ガラスに、フィラーとしてス
トロンチウム(Sr)とカルシウム(Ca)のチタン酸
塩等を用いたガラスセラミックスが提案されている(特
開平5−270899号公報参照)。
案のガラスセラミックスは、Al2 O3 −SiO2 −Z
nO−TiO2 −CaO−B2 O3 −MgO−Na2 O
−K2 O系ガラスを使用しているため、900〜100
0℃の温度で焼成した場合、ガラスが溶融してフィラー
に濡れ、フィラーの結晶粒子間の間隙を満たして緻密な
焼結体を得るためには、ガラスに対するフィラーの量比
を小さくする必要があり、例えば、前記チタン酸塩では
40重量%以下程度としなければならず、比誘電率を1
0以上とすることは困難であり、また、フィラーの量比
を問題としなければ、比誘電率が10を越えるものが得
られるものの抗折強度が極めて低く、高密度実装用の配
線基板材料として使用するには限界があるという課題が
あった。
されたもので、その目的は、比誘電率が10以上で、か
つ900〜1000℃の低い焼成温度で緻密な焼結体が
得られ、同時焼成でCu、Ag、Auを配線導体とした
多層化が可能な、かつ微細な配線パターンの形成が可能
な小型化された高周波用多層配線基板や半導体素子収納
用パッケージ等の高密度実装用の配線基板材料に好適な
低温焼成磁器組成物を提供することにある。
を鋭意検討した結果、比誘電率が10以上を示す緻密な
ガラスセラミック焼結体を得るには、高誘電率のフィラ
ーを用いてガラスに対する該フィラーの量比を大きくす
れば良く、そのためにはフィラーに対するガラスの濡れ
性を改善すべくガラスの流動性を良好ならしめれば良
く、係るガラスはその軟化点が低い程、低温で流動性と
フィラーに対する濡れ性が優れていることから、フィラ
ーの量比も増加し得ることを知見し、本発明に至った。
00〜1000℃の焼成温度で緻密化する焼結体で、そ
の組成が28〜36重量%のB2 O3 −ZnO−SiO
2 −Na2 O−Al2 O3 系ガラスと、酸化物換算で2
〜8重量%のLiと、総量で60〜70重量%のMgと
Caのチタン酸塩から成り、得られた焼結体が10〜1
5の比誘電率を有することを特徴とするものである。
Na2 O−Al2 O3 系ガラスが31〜35重量%と、
Liが酸化物換算で3〜4重量%と、MgとCaのチタ
ン酸塩が総量で63〜67重量%から成るものがより望
ましい。
ガラスとしては軟化点が約560℃と最も低いB2 O3
−ZnO−SiO2 −Na2 O−Al2 O3 系ガラスを
用いることから、該ガラスはフィラーの粒子中に少量分
散させることにより容易にフィラーの間隙を満たし、ま
たLiは前記ガラスの軟化点を更に低下するように作用
することから、前記ガラスとフィラーとして用いるMg
とCaのチタン酸塩との緻密化に有効に作用する。
タン酸塩は誘電正接が小さいが、他方のCaのチタン酸
塩は、比誘電率が大きいという特性を有しており、その
量比をMgのチタン酸塩が大となるように選択すること
により比誘電率を10以上と大きく、かつ誘電正接を小
さくすることができる。
00〜1000℃の低温度でCu、Ag、Auの配線導
体と同時に焼成できることから、これらの配線導体を具
備した多層配線基板等の微細配線化が容易に達成でき
る。
軟化点が約560℃とかなり低いB2 O3 −ZnO−S
iO2 −Na2 O−Al2 O3 系ガラスと、Li及びM
gとCaのチタン酸塩から成り、900〜1000℃の
焼成温度で緻密化する焼結体であり、、該焼結体の比誘
電率が10〜15を示すものである。
記B2 O3 −ZnO−SiO2 −Na2 O−Al2 O3
系ガラスの量が28重量%未満の場合、他の組成量が所
定範囲内であっても、フィラー粒子間がガラスで充填さ
れないため、焼結不良となり緻密な焼結体が得られず、
一方、36重量%を越えると、過焼結となりボイドが発
生するため、緻密な焼結体が得られない。
量%に特定され、特に焼結性に点からは31〜35重量
%がより望ましい。
塩の量がそれぞれ所定範囲内であっても、Liの量が酸
化物換算で2重量%未満の場合、前述の如きLiの作用
効果が望めず、焼結不良となり、逆に8重量%を越える
と過焼結となる。
8重量%となり、より望ましくは3〜4重量%となる。
0重量%未満の場合、比誘電率が10未満となり、また
ガラス量が多いことから過焼結となる。更に、70重量
%を越えると逆にガラス量が少なくなり、焼結不良とな
り、いずれも誘電正接が大となる。
0重量%に特定され、焼結性の点からは、63〜67重
量%がより好適である。
は、原料の配合量がそれぞれ所定範囲内であっても、焼
結不足となり、それらは比誘電率が小さく、誘電正接が
大となり、所期の目的を達成し得ない。
する反面、過焼結となりボイドを生じて緻密な焼結体が
得られず、かつ比誘電率も小さく、誘電正接が大となる
他、CuやAg、Auの導体を用いて同時焼成すること
ができなくなる。
配線基板を作製する場合には、例えば、原料粉末の混合
物を公知のテープ成形法、即ちドクターブレード法や圧
延法等に従い、絶縁層形成用のグリーンシートを成形し
た後、そのシート表面に配線層用のメタライズとして、
CuやAg、Auの粉末、特にCu粉末を含む金属ペー
ストを用いて配線パターンをスクリーン印刷、グラビア
印刷、オフセット印刷等の手段により形成するととも
に、必要に応じてシートにスルーホールを形成して該ス
ルーホール内に前記ペーストを充填し、次いで複数のシ
ートを積層圧着した後、N2 やArガス等の非酸化性雰
囲気中、前記焼成温度で焼成することにより、配線層と
絶縁層とを同時に焼成することができる。
具体的に詳述する。先ず、平均粒径が5μm以下のB2
O3 −ZnO−SiO2 −Na2 O−Al2 O3 系ガラ
スと、平均粒径が10μm以下のLiの炭酸塩、及び平
均粒径が7μm以下のMgのチタン酸塩と、平均粒径が
7μm以下のCaのチタン酸塩の各粉末を表1に示す組
成に従って混合した。
塑剤、有機溶媒を添加して泥漿を調製し、該泥漿を乾燥
してメッシュパスすることにより、成形用粉末を作製し
た後、該成形用粉末をプレス成形して厚さ6.5mmの
円板状の成形体と、縦45mm、横6mm、厚さ4.5
mmの平板状の成形体を得た。
0℃にて脱バインダー処理した後、表1に示す条件にて
焼成して低温焼成磁器組成物の焼結体を得た。
成るガラスセラミックスとして、平均粒径が5μm以下
のAl2 O3 −SiO2 −ZnO−B2 O3 −MgO系
ガラスに、平均粒径が7μm以下のSrのチタン酸塩を
用いて前記同様にして作製した焼結体を比較例とした。
誘電率、誘電正接、抗折強度をそれぞれ以下の方法で測
定評価した。
の浸透の有無を目視検査し、全く浸透の痕跡の認められ
ないもののみを良と評価した。
体から直径10mm、厚さ5mmの試料を切り出し、1
0〜30GHzにてネットワークアナライザー、シンセ
サイズドスイーパーを用いて円柱共振器法により測定し
た。
に前記評価用の焼結体から成る試料を挟んで測定し、共
振器のTE011モードの共振特性から比誘電率、誘電
正接を算出した。
に準じて前記平板状焼結体から所定の4点曲げ試験片を
作製し、上スパン10mm、下スパン30mmで4点曲
げ試験を行って求めた。
求範囲外である試料番号1、7、8、14、15、2
1、24、31、32、33はいずれも焼結性が悪く、
抗折強度も200MPa未満と低く、比誘電率も10未
満のものもあり、比較例の試料番号34は焼結性は良好
なるも、比誘電率が8.2と低く、抗折強度も200M
Pa未満と低く実用的でない。
に問題はなく、比誘電率も12.0以上を、抗折強度も
200MPa以上を示している。
器組成物は、比誘電率が高く誘電正接が小さい緻密な焼
結体が得られるので、配線パターンの微細化が可能とな
り、更に配線基板材料として高強度化により入出力端子
部でのリードの接合や、高密度実装における基板の信頼
性を向上できる上、900〜1000℃の低温度で焼成
可能なため、Cu、Ag、Au等による配線を同時焼成
により形成することができ、高密度実装が可能な各種高
周波用の小型化された多層配線基板や半導体素子収納用
パッケージの基板材料として好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】ホウケイ酸亜鉛系(B2 O3 −ZnO−S
iO2 −Na2 O−Al2 O3 系)ガラスが28〜36
重量%と、リチウム(Li)が酸化物換算で2〜8重量
%と、マグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)のチ
タン酸塩が総量で60〜70重量%とから成り、900
〜1000℃の焼成温度で緻密化する焼結体であって、
該焼結体の比誘電率が10〜15であることを特徴とす
る低温焼成磁器組成物。 - 【請求項2】前記ホウケイ酸亜鉛系(B2 O3 −ZnO
−SiO2 −Na2O−Al2 O3 系)ガラスが31〜
35重量%と、リチウム(Li)が酸化物換算で3〜4
重量%と、マグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)
のチタン酸塩が総量で63〜67重量%とから成ること
を特徴とする請求項1記載の低温焼成磁器組成物。
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---|---|---|---|
JP21758596A JP3401147B2 (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | 低温焼成磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21758596A JP3401147B2 (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | 低温焼成磁器組成物 |
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CN114988865B (zh) * | 2022-06-10 | 2023-03-21 | 深圳顺络电子股份有限公司 | 一种低温共烧的陶瓷材料及制备方法 |
-
1996
- 1996-08-19 JP JP21758596A patent/JP3401147B2/ja not_active Expired - Fee Related
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