JP3400624B2 - 格子材の結合装置 - Google Patents

格子材の結合装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、格子材の結合装置
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】フェンス等の建造物に使用される格子体
において、従来、実開昭60−97893号公報に開示
されるように、前後に当接する格子材を交差状に備え、
この格子材の交差部を結合装置により前後に結合したも
のがある。この従来の格子材の結合装置は、前後の2本
の格子材の各当接面に、その交点を中心とした孔を穿孔
し、小径部の両端に一体に形成された截頭円錐状の頭部
と、小径部から両頭部に跨がって軸方向に形成された貫
通スリットとを一体に備えたジョイントを用い、このジ
ョイントの各頭部を両格子材の孔に夫々押し込み、この
ジョイントを介して2本の格子材を連結している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の結合装置では、
先ず各格子材の上下両端部を、格子枠を構成する上枠材
及び下枠材等の各枠材にネジ等で固定し、その後、ジョ
イントの各頭部を前後の2本の格子材の孔に挿入して連
結するようにしている。このため組み立て精度が悪けれ
ば、各格子材の孔同士がずれて合致しない場合があり、
孔のずれ具合によっては、各格子材を弾性変形させてジ
ョイントの頭部を各格子材の孔に無理に挿入しても、格
子材が弾性力によって復元した時に、ジョイントの頭部
が格子材の孔から抜けて脱落することがある。 【0004】従って、従来の結合装置では、組み立て時
において、各格子材の孔が完全に合致し得るように、十
分に精度の高い組み立てが要求されるという問題があ
る。本発明は、かかる従来の課題に鑑み、格別の組み立
て精度を必要とせず、当接する両格子材を確実に結合で
き、且つ結合強度を高くできる格子の結合装置を提供す
ることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、一方の格子材
7,41と、この一方の格子材7,41に対して長手方向の複数
箇所で前後に当接して交差する複数本の他方の格子材6,
40とを備え、その複数箇所の交差部32で一方の格子材7,
41と他方の格子材6,40とを結合した格子材の結合装置に
おいて、一方の格子材7,41の交差部32側に、その幅方向
中心a よりもずらした位置で且つ長手方向に千鳥状とな
るように孔35を穿孔し、複数本の他方の格子材6,40の交
差部32側の略中心に孔34を穿孔し、一方の格子材7,41と
他方の格子材6,40との何れか一方に、係止頭部36を有す
る固定具33を孔35を介して固定し、この固定具33の係止
頭部36を他方の孔34に挿入して周縁部に係止させたもの
である。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図8は本発明の第1の実
施形態を例示し、斜め格子材を備えたフェンス用の格子
体に採用したものである。図1乃至図5において、1 は
格子枠で、上下左右の格子枠材2 〜5 により縦長の矩形
状に構成されている。格子枠1 内には、その各斜め格子
材6,7 が互いにX状に交差するように、第1格子ユニッ
ト8 と第2格子ユニット9 とが前後に重ね合わされた状
態で組み込まれている。 【0007】各格子ユニット8,9 は、左右方向に一定の
間隔をおいて斜め方向に配置された複数本の斜め格子材
6,7 と 、この斜め格子材6,7 の上下両端側に左右方向
に配置された突条体10,11 、12,13 と、斜め格子材6,7
の左右両端側に上下方向に配置された縦連結材14,15 、
16,17 とにより構成されている。 【0008】斜め格子材6,7 は、図7に示すように、前
後両側の前後壁部18,19 と左右両側の側壁部20,21 とを
備え、左右の寸法が前後の寸法に比較して大きくなった
矩形筒状の中空筒材が使用されている。上下及び左右の
各格子枠材2 〜5 は図5に示すように角筒状であって、
その上下の格子枠材2,3 の内側には、第1格子ユニット
8 の突条体10,12 と第2格子ユニット9 に対応する嵌合
溝22,23 とが夫々一体に形成されると共に、その嵌合溝
22,23 に第2格子ユニット9 の突条体11,13 が長手方向
から挿入されている。 【0009】上下の格子枠材2,3 は、図2及び図3に示
すように、この格子枠材2,3 の両端部間に上下方向に介
在された左右の格子枠材4,5 を介して上下に連結されて
いる。左右の格子枠材4,5 は前後両側に保護リブ24,25
を備え、外側から挿入され且つ突条体10,11 に螺合する
ネジ26,27 によって、左右の格子枠材4,5 の突条体10,1
1 側に固定されている。 【0010】各格子ユニット8,9 の上下の突条体10,11
、12,13 には、図2に示す如く各格子ユニット8,9 の
斜め格子材6,7 の端部に夫々対応する位置に、各斜め格
子材6,7 の側壁部20,21 を嵌合させるための一対の係合
溝28,29 が斜め方向に形成され、この各一対の係合溝2
8,29 間が、各斜め格子材6,7 の端部に嵌入し係合する
係合部となっている。 【0011】即ち、第1格子ユニット8 に対応する突条
体10,12 の係合溝28は右上がりとなり、第2格子ユニッ
ト9 に対応する突条体11,13 の係合溝29は左上がりとな
るように夫々形成されている。そして、各突条体10,11
、12,13 の一対の係合溝28,29 間の係合部が各斜め格
子材6,7 の端部の前後壁部18,19 間に嵌入し係合されて
いる。 【0012】各格子ユニット8,9 の左右両端には、図2
及び図3に示すように、その両端側に延びる斜め格子材
6,7 の端部側を上下に連結する縦連結材14,15 、16,17
が設けられ、その各縦連結材14,15 、16,17 は左右の格
子枠材4,5 の前後両端の一対の保護リブ24,25 間に着脱
自在に介在されている。各縦連結材14,15 、16,17 は断
面L字状であって、この各縦連結材14,15 、16,17 に各
斜め格子材6,7 が側面からリベット30,31 により固定さ
れている。 【0013】各格子ユニット8,9 は、図3、図6及び図
7に示すように、その上下の格子枠材2,3 にわたる斜め
格子材6,7 では、長手方向の9か所の交差部32で互いに
相手側の格子ユニット8,9 の斜め格子材6,7 と互いに交
差するように構成されており、その上下各3番目の交差
部32で両斜め格子材6,7 が固定具33によって前後に結合
されている。 【0014】即ち、第1格子ユニット8 の各斜め格子材
6 には、図8の(A)に示す如く前記3番目の交差部32
の略中心に位置するように、この斜め格子材6 の幅方向
の中央部に大きめの挿入孔34が2個穿孔されている。一
方、第2格子ユニット9 の各斜め格子材7 には、図8の
(B)〜(D)に示す如く前記3番目の交差部32に対応
する位置に、この斜め格子材7 の幅方向中心a よりもず
らした位置で且つ長手方向に千鳥状となるように2個の
取り付け孔35が穿孔されている。この隣り合う一対の取
り付け孔35は、図6に示す如く斜め格子材7 の幅方向中
心a に対して互いに反対側に一定寸法b だけ偏位するよ
うに配置されている。 【0015】そして、この第2格子ユニット9 の各斜め
格子材7 には、図3、図6及び図7に示すように、係止
頭部36を有する固定具33が取り付け孔35を介して固定さ
れている。固定具33には、係止頭部36が偏平な球面状に
なるように、偏平頭部を有するリベット等が使用されて
おり、第2格子ユニット9 の斜め格子材7 に座金37を介
して固定されている。各固定具33の係止頭部36は、第1
格子ユニット8 の斜め格子材6 の挿入孔34に挿入されて
周縁部に係止されている。 【0016】この格子体を製作する場合には、先ず第1
格子ユニット8 を格子枠1 と一体に組み立てると共に、
この格子枠1 とは別に第2格子ユニット9 を組み立て
る。そして、第1格子ユニット8 と一体の格子枠1 の上
下の嵌合溝22,23 に、第2格子ユニット9 の上下の突条
体11,13 を一端側から挿入して、各斜め格子材6,7 がX
状に交差するように、両格子ユニット8,9 を前後に重ね
合わせた状態で格子枠1内に組み込む。 【0017】この第2格子ユニット9 の組み込み時に
は、既にその斜め格子材7 に各固定具33を固定してお
り、この各固定具33の係止頭部36が斜め格子材7 から第
1格子ユニット8 の斜め格子材6 側に突出しているが、
その係止頭部36が偏平な球面状であり、また係止頭部36
が上下の突条体10,11 、12,13 から離れた第3番目の交
差部32にあるため、両格子ユニット8,9 の斜め格子材6,
7 間に間隔ができるように、斜め格子材6,7 の両方又は
一方を前後方向に若干湾曲させる程度で、第1格子ユニ
ット8 側の斜め格子材6 を損傷することなく、格子枠1
内に第2格子ユニット9 を容易に挿入することができ
る。 【0018】格子枠1 に第2格子ユニット9 を挿入した
後、格子枠1 の上下の格子枠材2,3の一端側に格子枠材4
をネジ26,27 で固定する。両格子ユニット8,9 を格子
枠1 内に組み込んだ状態では、第2格子ユニット9の斜
め格子材7 側の固定具33が第1格子ユニット8 の斜め格
子材6 に後側から当接している。そこで、次に各固定具
33の係止頭部36が第1格子ユニット8 の斜め格子材6 側
の挿入孔34に入るように、両斜め格子材6,7 を互いに反
対方向に弓形に弾性変形させながら、各固定具33の係止
頭部36を挿入孔34に挿入する。 【0019】そして、各固定具33の係止頭部36が挿入孔
34に入れば、その後、各斜め格子材6,7 を弾性力により
復元させる。すると各固定具33の係止頭部36及び座金37
の一部が挿入孔34のずれ方向と反対側に当接して、各固
定具33の係止頭部36によって斜め格子材6,7 を係止でき
る。 【0020】従って、第2格子ユニット9 の斜め格子材
7 側に固定具33を固定し、この固定具33の係止頭部36を
第1格子ユニット8 の斜め格子材6 側の挿入孔34に挿入
して係止する構造であるため、固定具33の係止頭部36を
挿入孔34に挿入し得るならば、組み立て精度に多少のバ
ラツキがあっても、この固定具33によって両格子ユニッ
ト8,9 の斜め格子材6,7 を容易且つ確実に結合すること
ができる。 【0021】しかも、第2格子ユニット9 の斜め格子材
7 側に取り付け孔35を穿孔し、その取り付け孔35を介し
て斜め格子材7 に固定具33を固定しているので、斜め格
子材7 に固定具33を容易に固定でき、固定具33の取り付
け作業が容易である。また固定具33は座金37を介して斜
め格子材7 に固定しているので、その固定具33にリベッ
ト、ビス等を使用することが可能であり、またリベット
等を使用しても、斜め格子材7 と係止頭部36との間に斜
め格子材6 の肉厚分の間隔を確実に確保できる。 【0022】更に、斜め格子材7 側の固定具33は、幅方
向中心a からずらした位置で長手方向に千鳥状に配置し
ているため、各固定具33を第1格子ユニット8 の斜め格
子材6 側の挿入孔34に挿入した状態では、1本の斜め格
子材7 上にある各固定具33は、その係止頭部36の反対側
が挿入孔34の周縁部に当接して係止するため、この固定
具33によって両格子ユニット8,9 の斜め格子材6,7 を強
固に結合でき、十分な結合強度を確保できる。しかも固
定具33には座金37が付いており、この座金37が斜め格子
材6 の挿入孔34の周縁部に当接するので、係止頭部36の
倒れを防止できる。 【0023】図9乃至図12は本発明の第2の実施形態
を例示し、縦格子材40と横格子材41とを備えたフェンス
用の格子体に採用したものである。図9乃至図11に示
すように、第1格子ユニット8 には多数の縦格子材40
が、第2格子ユニット9 には4本の横格子材41が夫々備
えられており、その縦格子材40と横格子材41とが略直角
方向に交差するように、両格子ユニット8,9 が格子枠1
内に前後に重ね合わせた状態が組み込まれている。第1
格子ユニット8 の各縦格子材40には、第2格子ユニット
9 の4本の横格子材41の内、その上下両側の横格子材41
と交差する交差部32の略中心に大きめの挿入孔34が形成
されている。 【0024】一方、第2格子ユニット9 の上下の横格子
材41には、図12に示すように、第1格子ユニット8 の
各偶数番目の縦格子材40との交差部32に対応する位置
に、この横格子材41の幅方向中心a よりもずらした位置
で且つ長手方向に千鳥状となるように取り付け孔35が穿
孔されている。各取り付け孔35は、その隣り合う一対の
取り付け孔35同士が横格子材41の幅方向中心a に対して
夫々反対側に一定寸法bだけ偏位するように配置されて
いる。 【0025】そして、この第2格子ユニット9 の各横格
子材41には、第1の実施形態と同様に、係止頭部36を有
する固定具33が取り付け孔35を介して固定され、その各
固定具33の係止頭部36が第1格子ユニット8 の縦格子材
40の挿入孔34に係止されている。従って、この第2の実
施形態においても、第1の実施形態と同様に組み立て可
能であり、同様の効果を奏することができる。以上、本
発明の二つの実施形態について説明したが、本発明はこ
の実施形態に限定されるものではない。 【0026】例えば、実施形態では、固定具33を取り付
けるための取り付け孔35を斜め格子材7 、横格子材41
に、その幅方向の中心よりも若干ずらした位置に穿孔
し、固定具33を挿入するための挿入孔34を斜め格子材6
、縦格子材40の幅方向の中心に穿孔しているが、逆に
設けても良い。 【0027】その他、第1の実施形態では、上下方向の
中央の交差部32にも固定具33を設けても良い。また第2
の実施形態では、第2格子ユニット9 の4個の横格子材
41の内、一番上の横格子材41と3番目の横格子材41と
を、第1格子ユニット8 の奇数番目又は偶数番目の縦格
子材40に固定具33が結合するようにしても良い。各格子
材6,7,40,41 は、角筒状の他、長円筒状、板状等であっ
ても良いが、筒状に構成すれば、固定具33の露出を防止
できる利点がある。実施形態では、フェンス用の格子体
について例示したが、フェンス用の他、門扉用等の格子
体にも同様に実施可能であることは言うまでもない。 【0028】 【発明の効果】本発明によれば、一方の格子材7,41と、
この一方の格子材7,41に対して長手方向の複数箇所で前
後に当接して交差する複数本の他方の格子材6,40とを備
え、その複数箇所の交差部32で一方の格子材7,41と他方
の格子材6,40とを結合した格子材の結合装置において、
一方の格子材7,41の交差部32側に、その幅方向中心a よ
りもずらした位置で且つ長手方向に千鳥状となるように
孔35を穿孔し、複数本の他方の格子材6,40の交差部32側
の略中心に孔34を穿孔し、一方の格子材7,41と他方の格
子材6,40との何れか一方に、係止頭部36を有する固定具
33を孔35を介して固定し、この固定具33の係止頭部36を
他方の孔34に挿入して周縁部に係止させているので、次
のような顕著な効果を奏する。 【0029】 格子材7,41に固定具33を固定し、この
固定具33の係止頭部36を格子材6,40の孔34に挿入して係
止する構造であるため、固定具33の係止頭部36を孔34に
挿入し得るならば、組み立て精度に多少のバラツキがあ
っても、固定具33で両格子材6,7,40,41 を容易且つ確実
に結合することができる。 格子材7,41に孔35を穿孔し、この孔35を介して格子
材7,40に固定具33を固定しているので、格子材7,41に固
定具33を容易に固定でき、固定具33の取り付け作業が容
易である。 格子材7,41の孔35は、その幅方向中心a からずらし
た位置で長手方向に千鳥状に穿孔し、各固定具33の係止
頭部36を他方の孔34に挿入して周縁部に係止させる構造
を採っているので、各固定具33の係止頭部36の反対側が
孔34の周縁部に当接することになり、前後の格子材6,7,
40,41 を強固に結合でき、十分な結合強度を確保でき
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施形態を示す格子体の正面図
である。 【図2】本発明の第1の実施形態を示す格子体の一部破
断拡大正面図である。 【図3】本発明の第1の実施形態を示す格子体の横断面
図である。 【図4】本発明の第1の実施形態を示す格子体の側面図
である。 【図5】本発明の第1の実施形態を示す格子体の縦断面
図である。 【図6】本発明の第1の実施形態を示す格子体の結合部
の断面図である。 【図7】図6のX−X線断面図である。 【図8】(A)は第1格子ユニットの斜め格子材の背面
図、(B)は第2格子ユニットの斜め格子材の正面図、
(C)は(B)のY−Y線断面図、(D)は(B)のZ
−Z線断面図である。 【図9】本発明の第2の実施形態を示す格子体の正面図
である。 【図10】本発明の第2の実施形態を示す格子体の横断
面図である。 【図11】本発明の第2の実施形態を示す格子体の縦断
面図である。 【図12】本発明の第2の実施形態を示す横格子材の拡
大面図である。 【符号の説明】 1 格子枠 2 〜5 格子枠材 6,7 斜め格子材 8 第1格子ユニット 9 第2格子ユニット 32 交差部 33 固定具 34 挿入孔 35 取り付け孔 36 係止頭部 40 縦格子材 41 横格子材

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一方の格子材(7)(41) と、この一方の格
    子材(7)(41) に対して長手方向の複数箇所で前後に当接
    して交差する複数本の他方の格子材(6)(40)とを備え、
    その複数箇所の交差部(32)で一方の格子材(7)(41) と他
    方の格子材(6)(40) とを結合した格子材の結合装置にお
    いて、一方の格子材(7)(41) の交差部(32)側に、その幅
    方向中心(a) よりもずらした位置で且つ長手方向に千鳥
    状となるように孔(35)を穿孔し、複数本の他方の格子材
    (6)(40) の交差部(32)側の略中心に孔(34)を穿孔し、一
    方の格子材(7)(41) と他方の格子材(6)(40) との何れか
    一方に、係止頭部(36)を有する固定具(33)を孔(35)を介
    して固定し、この固定具(33)の係止頭部(36)を他方の孔
    (34)に挿入して周縁部に係止させたことを特徴とする格
    子材の結合装置。
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