JP3400535B2 - 電着転写用原版およびその製造方法 - Google Patents

電着転写用原版およびその製造方法

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JP3400535B2 JP11015494A JP11015494A JP3400535B2 JP 3400535 B2 JP3400535 B2 JP 3400535B2 JP 11015494 A JP11015494 A JP 11015494A JP 11015494 A JP11015494 A JP 11015494A JP 3400535 B2 JP3400535 B2 JP 3400535B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電着転写用原版およびそ
の製造方法に係り、特に半導体プロセス等の微細加工工
程において被転写体に高い精度で効率よく微細パターン
を形成することができる、耐久性に優れた電着転写用原
版およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷配線や回路パターンの形成あ
るいは金属板のエッチング用レジストパターンの形成な
どにおいては、スクリーン印刷法やオフセット印刷法等
の印刷手段が広く採用されている。しかし、これら印刷
法によって形成されるパターンは画線幅が50μm程度
のものが限度であり、画線幅がそれ以下の微細パターン
を形成することは困難である。
【0003】他方、高精細なパターンを形成する方法と
してはフォトリソグラフィー法が主流であり、特にEB
描画、i線描画等においては画線幅1μm以下の細線加
工が可能となっており、この高精細化の方向は今後さら
に進むものと予想される。しかし、これは8インチサイ
ズ程度の基板に加工する場合のことであって、大面積の
基板、例えばプリント配線板等における微細パターン形
成は、最小画線幅20μm程度が限度である。
【0004】画線幅10〜100μm程度の微細パター
ン形成については、フォトリソグラフィー法と印刷法の
両者が用いられている。しかし、フォトリソグラフィー
法では、上記画線幅の微細パターンの形成自体は容易で
あるが、被転写体の大型化に伴って大型露光装置を含む
専用装置が必要となり、装置に要する費用が莫大なもの
となり、製作コストが高くなるという問題がある。一
方、印刷法では、上記画線幅の微細パターンは形成し得
る限界領域のものであるため、近年、印刷法の高精度化
によってより微細なパターン形成へのアプローチが盛ん
である。特に、電着法によって版上に微細パターンを形
成し、これを被転写体へ転写して高精細な印刷パターン
を得ようとする試みがあり、有効な手段とされている。
【0005】かかる方式に用いられる電着転写用原版
は、例えば図6に示されるように、導電面を有する基板
41(図6(a))の面上に微細な絶縁パターン42が
形成された構造をなす(図6(b))。そして、この基
板41の導電面裸出部分(絶縁パターン非形成部分)4
3上に電着物質を析出させて電着インキ層44を形成し
(図6(c))、粘着性接着材層45を介して被転写体
46に電着インキ層44を転写させる(図6(d))こ
とによって被転写体46上に微細パターンを形成する
(図6(e))。
【0006】このような転写原理および版構造上、転写
時、粘着性接着材層45による電着インキ層44引き抜
きのため、絶縁パターン42の表面が粘着性接着材層4
5からの接触剥離力を受け、絶縁パターン42のエッジ
部の欠けや表面部の剥離、さらには基板からの剥離等、
種々のダメージを引き起こしやすい。転写用原版の耐久
性は絶縁パターン42と基板41との密着力ならびに粘
着性接着材層45との剥離力のバランスにより決定さ
れ、絶縁パターン42と基板41との密着力が高いほ
ど、また絶縁パターン42と粘着性接着材層45との密
着性が低いほど版の耐久性が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電着転写用原版においては、絶縁パターンとしてPV
A、ポリイミド、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の
有機物に感光現像性を持たせたもの、あるいはSiO
2 、SiN等の無機系絶縁パターンをエッチング法によ
りパターン化したもの等が用いられており、これらは粘
着性接着材層との密着力が高いため、絶縁パターンが基
板から剥離しやすい。絶縁パターンにアンカー剤を混入
する等の処理によって基板との密着性を高めようとして
も、パターン樹脂層の中間部から構造破壊を起こしやす
く、特に無機系絶縁パターンにおいてはクラックなどを
起こしやすいという問題がある。
【0008】また従来例では、絶縁パターンが平滑な基
板導電面上に設けられているため、絶縁パターンがその
底面以外では基板と接触しないことからそれだけ基板と
の密着力が低く、また、アンカー効果などによる基板と
の密着力の向上を図ることができない。
【0009】さらに、電着インキ層が底面全面を基板導
電面裸出部分(絶縁パターン非形成部分)に接触させて
形成されるという版構造のため、電着インキ層と基板と
の接触面積が最大となり、それだけ密着力が高くなる。
【0010】以上のようなことから、転写時、絶縁パタ
ーンが電着インキ層引き抜きによる粘着性接着材層から
の接触剥離力を受け、変形や損傷を起こしやすい。この
接触剥離力を低減するために、例えば絶縁パターンを高
離型性材料で形成することが考えられるが、高離型性材
料は導電面との離型効果もあるため、基板導電面との密
着性を高め且つ粘着性接着材層との高離型性をもたせる
ことの両立は困難である。
【0011】このような状況から、基板導電面との密着
力が強くしかも粘着性接着材層との接着性が弱い絶縁パ
ターンを有する繰り返し転写に耐え得る電着転写用原版
が要望されていた。
【0012】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、線幅が精細な微細パターンを高い精度で
効率よく形成することができる、高い耐久性を備えた電
着転写用原版を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、少なくとも表面が導電性の基板と、該基板
にエッチングにより形成された凹部に設けた絶縁性物質
からなる絶縁パターンとを備え、該絶縁パターン表面が
基板表面より突出するように形成されており隣り合う
絶縁パターンによって凹版状に電着インキ層形成部が構
成され、該電着インキ層形成部の底面の一部が導電面裸
出部であるような構成とした。
【0014】また本発明は、少なくとも表面が導電性の
基板に所定パターンのマスキング層を設け、次に該基板
のマスキング層非形成部分をエッチングしてサイドエッ
チング部が形成されるように凹部を形成し、該凹部に絶
縁性物質を電着させて表面が前記マスキング層の表面と
略同一の高さとなる絶縁パターンを形成し、その後前記
マスキング層を除去するような構成とした。
【0015】
【作用】導電性基板にエッチングにより設けた凹部に絶
縁性物質からなる絶縁パターンを形成したことにより、
エッチングにより粗面化されアンカー効果を有する凹部
内に全面離型性の樹脂が電着析出されて絶縁パターンが
形成されるので、絶縁パターンと導電性基板との密着性
が向上される一方、絶縁パターンと粘着性接着材層との
密着性が低減化される。
【0016】また、基板のマスキング層非形成部分への
凹部エッチングによって、該マスキング層縁辺の基板部
分に入り込んでサイドエッチング部が形成されるため、
このサイドエッチング部相当分だけ凹部上面の面積が拡
大される。そして、この上面が拡大された椀状の凹部内
に電着物質が電着析出されて絶縁パターンが形成される
ため、版構造上、導電面裸出部面積がそれだけ小さくな
る。したがって、この狭められた導電面裸出部を出発電
極として電着インキ層が形成されるため、電着インキ層
底面と導電面裸出部との接触面積が小さくなり、電着イ
ンキ層と導電面との密着力が低減化される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1乃至図5
を参照して説明する。
【0018】図1は本発明に係る電着転写用原版の一態
様である凹版タイプ電着転写用原版の概略構成図であ
る。図1において、電着転写用原版1は少なくとも表面
が導電性を示す基板2と、該基板にエッチングにより形
成された凹部7と、この凹部7内に設けられた絶縁性物
質からなる絶縁パターン9とを備えている。絶縁パター
ン9はその表面が基板2の表面より所定の高さだけ突出
して形成されている。隣り合う絶縁パターン9により囲
まれた凹版部分は電着インキ層形成部10をなす。ここ
で、凹部7はエッチング時のサイドエッチング効果によ
り上面が広い椀状をなしているため、電着インキ層形成
部10はその底面中央部が導電面裸出部14から成り、
辺縁部が絶縁パターン9から成る。そして、この底面中
央部の導電面裸出部14が出発電極となって電着インキ
層形成部10内に電着物が析出され、後述するように電
着インキ層が形成される。
【0019】図3は、図1に示す凹版タイプ電着転写用
原版の製造方法の説明図である。図3において、まず公
知の方法によって導電性基板2上にフォトレジスト層を
形成し、所定パターンのフォトマスクを介して該フォト
レジスト層に紫外線を照射後、露光・除去(現像)して
所定パターンのマスキング層5を形成する(図3
(a))。次に、このマスキング層5をエッチング用マ
スクとして導電性基板2のマスキング層非形成部分6を
エッチングして凹部7を形成するが、ここでマスキング
層5縁辺下部の基板部分に入り込んでサイドエッチング
部8が形成され、このサイドエッチング部8を含む凹部
7の上面面積はマスキング層非形成部分6の面積よりも
大きく形成され、凹部7は椀状をなす(図3(b))。
【0020】次に、このように椀状に形成された凹部7
内に絶縁性物質を電着させることによって絶縁パターン
9を形成する(図3(c))。絶縁パターン9の表面は
マスキング層5の表面と略同一の高さに形成される。そ
の後、このマスキング層5を除去して基板2の導電面を
裸出して凹版状の電着インキ層形成部10とし、絶縁性
物質からなる絶縁パターン9を備えた凹版タイプの電着
転写用原版1を得る(図3(d))。
【0021】そして、この電着転写用原版1の電着イン
キ層形成部10に電着インキ層11を形成(図3
(e))した後、粘着性接着材層12を備えた被転写体
13と電着インキ層11とを密着させ(図3(f))、
電着インキ層11を被転写体13上に転写して微細パタ
ーンを形成する(図3(g))。このように微細パター
ンが形成された被転写体13は、公知のエッチング等の
処理により加工される。
【0022】ここで、絶縁パターン9はサイドエッチン
グ部8を含む椀状の凹部7に電着されるため、図5
(a)に示すように、隣り合う絶縁パターン9によって
凹版状の電着インキ層形成部10底面の導電面裸出部1
4は、絶縁パターン9のサイドエッチングによる幅広部
分によって狭められている。そのため、図5(b)に示
すように、この狭められた導電面裸出部14を出発電極
として、電着物質が電着インキ層形成部10内に水平並
びに垂直方向に等方的に成長するため、電着インキ層1
1は表面が略均一な平面となって形成される。すなわ
ち、電着インキ層11は、底部の一部が導電面裸出部1
4と接触しているにすぎず、その分電着インキ層11と
基板2との密着性が低減できるため、転写時の電着イン
キ層11の引き抜きが容易に行われ、絶縁パターン9に
接触剥離力の影響を与えない。また、電着インキ層11
は、マスキング層5除去跡の電着インキ層形成部10内
に形成されることから、最終電着パターンの面積は初期
エッチングレジストパターンであるマスキング層5のパ
ターンと同一面積となり、マスキング層5を印刷微細パ
ターンにて形成しておけば、このパターン通りに電着イ
ンキ層11を形成することができるので、寸法調整の必
要のない高い寸法精度で微細パターンを得ることができ
る。
【0023】図2は本発明に係る電着転写用原版の他の
態様である平版タイプ電着転写用原版の概略構成図であ
る。図2において、原版21は少なくとも表面が導電性
を示す基板22と、該基板にエッチングにより上面面積
が広く椀状に形成された凹部27と、この凹部27内に
設けられた絶縁性物質からなる絶縁パターン29とを備
えている。絶縁パターン29はその表面が基板22の表
面と略同一の高さに形成されている。隣り合う絶縁パタ
ーン29により囲まれた導電面裸出部分34は電着イン
キ層形成部30をなす。ここで、凹部27はエッチング
時のサイドエッチング効果により上面が広い椀状をなし
ているため、電着インキ層形成部30はその底面中央部
が導電面裸出部をなし、辺縁部が絶縁パターン29をな
す。そして、この底面中央部の狭められた導電面裸出部
が出発電極となって電着物が析出され、電着インキ層形
成部30上に、後述するように電着インキ層が水平並び
に垂直方向に等方的に形成される。
【0024】図4は、図2に示す平版タイプ電着転写用
原版の製造方法の説明図である。図4において、図3の
場合と同様にして導電性基板22上にフォトレジスト層
を形成し、所定パターンのフォトマスクを介して該フォ
トレジスト層に紫外線を照射し後、露光・除去(現像)
して所定パターンのマスキング層25を形成する(図4
(a))。次に、このマスキング層25をエッチング用
マスクとして導電性基板22のマスキング層非形成部分
26をエッチングして凹部27を形成するが、図3の場
合と同様にマスキング層25の縁辺の基板部分に入り込
んでサイドエッチング部28が形成され、このサイドエ
ッチング部28を含む凹部27の上面面積はマスキング
層非形成部分26の面積よりも大きく形成され、凹部2
7は椀状をなす(図4(b))。
【0025】次に、このように椀状に形成された凹部2
7内に絶縁性物質を電着させることによって絶縁パター
ン29を形成する(図4(c))が、平版タイプの原版
においては絶縁パターン29は導電性基板22の表面と
略同一の高さに形成される。その後、マスキング層25
を除去して基板22の導電面を裸出して電着インキ層形
成部30とし、絶縁性物質からなる絶縁パターン29を
備えた平版型の電着転写用原版21を得る(図4
(d))。
【0026】そして、この電着転写用原版21の電着イ
ンキ層形成部30上に電着インキ層31を形成(図4
(e))した後、粘着性接着材層32を備えた被転写体
33と電着インキ層31とを密着させ(図4(f))、
電着インキ層31を被転写体33上に転写して微細パタ
ーンを形成する(図4(g))。このように微細パター
ンが形成された被転写体33は、公知のエッチング等の
処理により加工される。
【0027】ここで、絶縁パターン29はサイドエッチ
ング部28を含む椀状の凹部27に電着されるため、図
1および図3の凹版型転写原版の場合と同様に、電着イ
ンキ層形成部30の導電面裸出部34は、絶縁パターン
29のサイドエッチング部による幅広部分によって狭め
られており、この狭められた導電面裸出部34を出発電
極として、電着物質が基板上に水平並びに垂直方向に等
方的に成長するため、電着インキ層31は表面が略均一
な平面となって形成される。すなわち、電着インキ層3
1は、底部の一部が導電面裸出部34と接触しているに
すぎず、その分電着インキ層31と基板22との密着性
が低減できるため、転写時の電着インキ層31の引き抜
きが容易に行われ、絶縁パターン29に接触剥離力の影
響を与えない。また、版の構造上、転写時に粘着性接着
材層32と電着インキ層31が優先的且つ選択的に加圧
密着されるため、絶縁パターン29は粘着性接着材層3
2による接触剥離力を受けず、絶縁パターン29が変形
したり損傷を受けることがない。
【0028】本発明において、基板2、22としては、
少なくとも表面が導電性を有するものであればよく、ア
ルミニウム、銅、ステンレス、チタン等の導電性の金属
板、あるいはガラス板、ポリエチレン、アクリル等の樹
脂フィルム等の絶縁性基板の表面に導電性薄膜を形成し
たものを使用することができる。このような基板2、2
2の厚さは0.05〜1.0mm程度が好ましい。ま
た、原版としての耐刷性を高めるために、基板2、22
の表面に、クロム(Cr)、セラミックカニゼン(Ka
nigen社製 Ni+P+SiC)等の薄膜を形成し
てもよい。この薄膜の厚さは0.1〜1.0μm程度が
好ましい。
【0029】マスキング層5、25は、例えばイオンプ
レーティング法、真空蒸着法、スパッタリング法、化学
的気相蒸着法(CVD法)等の各種の薄膜形成法によ
り、基板2上にシリカ(SiO2 )薄膜、チッ化シリコ
ン(SiNx )薄膜、96%アルミナ薄膜、ベリリヤ薄
膜、フォルステライト薄膜等の電気絶縁性の高い薄膜を
形成し、次に、この薄膜上にフォトレジストを塗布して
から所定形状のマスクを介して露光・現像することによ
り形成することができる。あるいは薄膜を形成すること
なく基板2、22上にフォトレジストを塗布してマスキ
ング層を形成してもよい。これらマスキング層5、25
の形成に使用するフォトレジストとしては、ゼラチン、
カゼイン、ポリビニルアルコール等に重クロム酸塩等の
感光剤を添加したものを挙げることができる。このよう
に形成されるマスキング層5、25の厚さは0.5〜1
0.0μm程度が好ましい。
【0030】そしてこのマスキング層5、25をエッチ
ング用マスクとして、導電性基板2、22のマスキング
層非形成部分6、26をエッチングして凹部7、27を
形成する。ここでエッチングの方法は、ディップ、スプ
レー等のウエットエッチングや、ドライエッチング等の
公知の慣用的手段で行うことができるが、例えば基板が
SUS板の場合は塩化第二鉄液に接触(浸漬など)させ
ることによって、基板がTi板の場合にはHF−H2
2 −H2 O液に接触させること等によって、好適に行わ
れる。なお、Ti基板の場合、エッチング後にさらにH
F−NH4 F液、HF液等に数十秒間程度浸漬させるこ
とによって、凹部表面をより粗面化させるようにしても
よい。このようにすることにより、凹部7、27内に電
着形成される絶縁性物質の凹部内への定着性のさらなる
向上を図ることができる。
【0031】絶縁パターン9、29は絶縁性物質からな
る電着材料である。絶縁パターンの電着材料は、一般に
有機材料(高分子材料)からなり、その原形は電着塗装
法としてよく知られている。電着塗装では、電気化学的
な主電極との反応によりカチオン電着とアニオン電着と
がある。これは、電着材料がカチオンとして存在する
か、アニオンとして挙動するかで分類される。電着に用
いられる有機高分子物質としては、天然油脂系、合成油
脂系、アルキッド樹脂系、ポリエステル樹脂系、アクリ
ル樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリイミド樹脂系等の種々
の有機高分子物質が挙げられる。アニオン型では、古く
からマレイン化油やポリブタジエン系樹脂が知られてお
り、電着物質の硬化は酸化重合反応による。カチオン型
はエポキシ樹脂系が多く、単独あるいは変性されて使用
できる。その他に、メラミン樹脂系、アクリル樹脂系等
のいわゆるポリアミノ系樹脂が多く用いられ、熱硬化や
光硬化等により強固な絶縁パターン層を形成できる。
【0032】特に離型性を良好にするために、上記樹脂
にフッ素を導入したものや、フッ素系ポリマー粒子を分
散させたもの等が好適に用いられる。これらフッ素系樹
脂としては、四フッ化エチレン分散型電着樹脂やアクリ
ル主鎖あるいは側鎖へのフッ素結合型電着樹脂などが特
に好適に用いられ、四フッ化エチレン分散型電着樹脂と
してはフッ素アクリル樹脂(PAFC)等が例示的に挙
げられ、アクリル主鎖へのフッ素結合型電着樹脂として
は主鎖にフッ素を含むフルオロオレフィン−ビニルエー
テル共重合体等が例示的に挙げられる。また、塗膜の強
度を高めるために、熱硬化性メラミン樹脂を共析させ、
熱処理を行うとよい。
【0033】このように絶縁パターンに上記絶縁性物質
を用いることにより、絶縁パターンが粘着性接着材層か
らの離型性が良好となり、転写時の接触剥離力の影響を
低減することができる。
【0034】次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。
【0035】(実験例1)表面が十分鏡面に近いSUS
430基板(厚さ0.15mm)をアルカリ脱脂液にて
表面洗浄を行い、25℃、10%塩酸にて中和処理を
し、さらに純水流水中にて洗浄乾燥後、エッチング用レ
ジストとして20cpのOFPR(東京応化(株)製ポ
ジ型レジスト)をスピンコート法(回転数1200rp
m)、40secで塗布し、最小線幅5μmの所定形状
のマスクを用いて露光処理、現像処理を行って所定パタ
ーンを有するマスキング層(膜厚2.0μm)を形成し
た。
【0036】次に、このマスキング層を電着用マスクと
して、基板表面を塩化鉄系エッチング液(純正化学
(株)製;塩化第二鉄溶液)にて深さ約2μmの凹部を
形成して凹版構造とした。
【0037】洗浄後、該マスキング層を維持したまま、
本基板表面全面に四フッ化エチレン分散型電着樹脂
((株)シミズ製;エレコートナイスロン)を25mA
/dm2にて下地電着後、20V定電圧で約3分間の電
着を行い、エッチングにより形成された上記凹部内に、
マスキング層と同一面になるまで電着膜を成長させて絶
縁パターンを形成した。
【0038】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、マスキ
ング層剥離後、電着樹脂層のみ180℃×30minで
クリーンオーブンにて焼き付けを行い、段差2μmの凹
版構造の電着転写用原版を作製した。
【0039】このようにして作製した電着転写用原版の
SUS基板を室温にて10%塩酸で洗浄後、基板の導電
面裸出部に下記のメッキ条件にしたがってピロリン酸系
Cuメッキ液にて銅メッキを行い、金属銅パターン(厚
さ約2.2μm)を形成した。メッキ条件 ・メッキ浴組成: Cu227 ・3H2 O 94g/l K427 340g/l NH4 OH(28%) 3ml/l ・pH : 8.8 ・液 温 : 55℃ ・電流密度 : 5A/dm2 ・時間 : 2.2min この時、銅メッキの成長過程は、エッチング工程により
生じたサイドエッチング部により両サイドで合計4μm
縮小したSUS基板の導電面裸出部を出発電極として、
前記段差2μmの凹部内に水平および垂直方向に等方的
に成長した。また、この銅パターンの形成は、設計線幅
すなわちマスキング層パターン幅に正確にパターン形成
することができ、寸法精度の高いパーン形成ができた。
【0040】その後、被転写体としてアクリル系粘着性
接着剤(日本カーバイド工業(株)製;PE−118)
をガラス基板(100mm×100mm×1.1mm)
上にスピンコート法(回転数3000rpm、30se
c)で塗布したものを用い、これを電着転写用原版に密
着後、版表面を裏面から加圧ロールを速度50cm/分
にて転動させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥離し
て被転写体に転写した。これにより最小5μm幅の銅メ
ッキパターンが被転写体に転写された。このとき従来方
式にみられるような版絶縁パターンの破壊、粘着性接着
材層の剥離等のダメージは全く観察されなかった。
【0041】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を50回繰り返し行った
が、50回の連続転写に対しても絶縁パターンのダメー
ジは全く観察されず、本発明の電着転写用原版が優れた
耐久性をもち、高精度の微細パターン形成が可能である
ことが確認された。
【0042】(実験例2)表面が十分鏡面に近いSUS
430基板(厚さ0.25mm)をアルカリ脱脂液にて
表面洗浄を行い、25℃、10%塩酸にて中和処理を
し、さらに純水流水中にて洗浄乾燥後、エッチング用レ
ジストとして20cpのOFPR(東京応化(株)製ポ
ジ型レジスト)をスピンコート法(回転数1500rp
m)、40secで塗布し、最小線幅10μmの所定形
状のマスクを用いて露光処理、現像処理を行って所定パ
ターンを有するマスキング層(膜厚1.2μm)を形成
した。
【0043】次に、このマスキング層を電着用マスクと
して、基板表面を塩化鉄系エッチング液(純正化学
(株)製;塩化第二鉄溶液)にて深さ約4μmの凹部を
形成した。
【0044】洗浄後、該マスキング層を維持したまま、
本基板表面全面に四フッ化エチレン分散型電着樹脂
((株)シミズ製;エレコートナイスロン)を25mA
/dm2にて下地電着後、20V定電圧で約3分間の電
着を行い、エッチングにより形成された上記凹部内に、
SUS基板表面と同一面になるまで電着膜を成長させて
絶縁パターンを形成した。
【0045】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、マスキ
ング層剥離後、180℃×30minにて電着パターン
層の焼き付けを行った。
【0046】このようにして作製した平板構造の電着転
写用原版のSUS基板を室温にて10%塩酸で洗浄後、
基板の導電面裸出部に下記のメッキ条件にしたがってピ
ロリン酸系Cuメッキ液にて銅メッキを行い、金属銅パ
ターン(厚さ1.0μm)を形成した。メッキ条件 ・メッキ浴組成: Cu227 ・3H2 O 94g/l K427 340g/l NH4 OH(28%) 3ml/l ・pH : 8.8 ・液 温 : 55℃ ・電流密度 : 5A/dm2 ・時間 : 1.0min この時、銅メッキの成長過程は、エッチング工程により
生じたサイドエッチング部により両サイドで合計4μm
縮小したSUS基板の導電面裸出部を出発電極として、
基板上に該導電面裸出部表面幅よりも左右各サイドでそ
れぞれ2μm幅広の銅パターンが形成された。このと
き、銅パターンは水平および垂直方向に等方的に成長し
た。
【0047】その後、被転写体としてアクリル系粘着性
接着剤(日本カーバイド工業(株)製;PE−118)
をガラス基板(100mm×100mm×1.1mm)
上にスピンコート法(回転数4000rpm、30se
c)で塗布したものを用い、これを電着転写用原版に密
着後、版表面を裏面から加圧ロールを速度50cm/分
にて転動させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥離し
て被転写体に転写した。これにより最小10μm幅の銅
メッキパターンが被転写体に転写された。このとき、銅
電着インキ層が基板表面よりも突出して形成されている
ため、転写時において銅パターンが優先的かつ選択的に
粘着性接着剤に圧着される。そのため、従来方式にみら
れるような版絶縁パターンの破壊、粘着性接着材層の剥
離等のダメージは全く観察されなかった。
【0048】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を100回繰り返し行った
が、100回の連続転写に対しても絶縁パターンのダメ
ージは全く観察されず、本発明の電着転写用原版が優れ
た耐久性をもち、高精度の微細パターン形成が可能であ
ることが確認された。
【0049】(比較例1)四フッ化エチレン分散型電着
樹脂の代わりにゴム系感光性レジスト(東京応化(株)
製;OMR−85)を使用し、これを導電基板表面上に
形成して絶縁パターン(膜厚1.2μm)とした。そし
て、実験例1と同様にして銅電着インキ層形成および被
転写体への銅電着インキ層転写を繰り返し行ったとこ
ろ、3回目の繰り返し転写後、絶縁パターンの破壊が認
められた。
【0050】(実験例3)チタン(Ti)製の基板(厚
さ0.4mm)の表面にスピンコート法(回転数150
0rpm、40sec)によりフォトレジスト(東京応
化(株)製;OFPR800)を塗布し、最小線幅5μ
mの所定形状のマスクを用いて露光処理、現像処理を行
って所定パターンを有するマスキング層(膜厚1.0μ
m)を形成した。これをHF(2.5wt%)−H2
2 (15wt%)−H2 O(残部)液中でTi基板の露
出部をエッチング(2min、エッチング深さ2μm)
し、凹部を形成した。その後、電着物質の基板密着性を
より向上させることを目的にHF−NH4 液中で凹部表
面を粗面化した(30sec)。
【0051】次に、上記マスキング層を電着用マスクと
して、上記凹部内に四フッ化エチレン分散型電着樹脂
((株)シミズ製;エレコートナイスロン)を25mA
/dm2 にて下地電着後、20V定電圧で約90秒間の
電着を行うことによって、その表面がTi基板表面と同
一面になるまで電着膜を成長させて絶縁パターンを形成
した。
【0052】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、電着樹
脂層(絶縁性物質)のみ180℃×30minでクリー
ンオーブンにて焼き付けを行い、平版構造の電着転写用
原版を作製した。
【0053】このようにして作製した電着転写用原版の
基板の導電面裸出部に下記のメッキ条件にしたがってピ
ロリン酸系Cuメッキ液にて銅メッキを行い、金属銅パ
ターン(厚さ約1.5μm)を形成した。メッキ条件 ・メッキ浴組成: Cu227 ・3H2 O 94g/l K427 340g/l P比 7.0 ・pH : 8.8 ・液 温 : 55℃ ・電流密度 : 5A/dm2 ・時間 : 1.5min その後、被転写体としてアクリル系粘着性接着剤(日本
カーバイド工業(株)(製);PE−118)をガラス
基板(100mm×100mm×1.1mm)上にスピ
ンコート法(回転数3000rpm、30sec)で塗
布したものを用い、これを電着転写用原版に密着後、版
表面を裏面から加圧ロールを速度50cm/分にて転動
させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥離して被転写
体に転写した。このようにして転写して形成された銅メ
ッキ層からなる微細パターンの解像度は5μmであっ
た。この時、従来方式でみられたような原版の絶縁パタ
ーンの破壊はまったく観察されなかった。
【0054】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を100回繰り返し行った
が、100回の連続転写に対しても絶縁パターンの変形
は全く観察されず、また、解像度を測定したところ1回
目の転写微細パターンと同じであり、本発明の電着転写
用原版が優れた耐久性をもち、高精度の微細パターン形
成が可能であることが確認された。
【0055】(実験例4)Ti製の基板(厚さ0.4m
m)の表面にスピンコート法(回転数1500rpm、
40sec)によりフォトレジスト(東京応化(株)
製;OFPR800)を塗布し、最小線幅5μmの所定
形状のマスクを用いて露光処理、現像処理を行って所定
パターンを有するマスキング層(膜厚1.0μm)を形
成した。これをHF(2.5wt%)−H22 (15
wt%)−H2 O(残部)液中でTi基板の露出部をエ
ッチング(2min、エッチング深さ2μm)し、凹部
を形成した。その後、電着物質の基板密着性をより向上
させることを目的にHF−NH4 F液中で凹部表面を粗
面化した(30sec)。
【0056】次に、上記マスキング層を電着用マスクと
して、上記凹部内にエポキシ型電着樹脂((株)シミズ
製;エレコートCM)を70V定電圧で約15秒間の電
着を行うことによって、その表面がTi基板表面と同一
面になるまで電着膜を成長させて絶縁パターンを形成し
た。
【0057】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、電着樹
脂層(絶縁性物質)のみ180℃×30minでクリー
ンオーブンにて焼き付けを行い、凸版構造の電着転写用
原版を作製した。
【0058】このようにして作製した電着転写用原版の
基板の導電面裸出部に上記実験例3で用いたメッキ条件
にしたがってピロリン酸系Cuメッキ液にて銅メッキを
行い、金属銅パターン(厚さ約1.5μm)を形成し
た。
【0059】その後、被転写体としてアクリル系粘着性
接着剤(日本カーバイド工業(株)(製);PE−11
8)をガラス基板(100mm×100mm×1.1m
m)上にスピンコート法(回転数3000rpm、30
sec)で塗布したものを用い、これを電着転写用原版
に密着後、版表面を裏面から加圧ロールを速度50cm
/分にて転動させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥
離して被転写体に転写した。このようにして転写して形
成された銅メッキ層からなる微細パターンの解像度は5
μmであった。この時、従来方式でみられたような原版
の絶縁パターンの破壊はまったく観察されなかった。
【0060】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を100回繰り返し行った
が、100回の連続転写に対しても絶縁パターンのダメ
ージは全く観察されず、また、解像度を測定したところ
1回目の転写微細パターンと同じであり、本発明の電着
転写用原版が優れた耐久性をもち、高精度の微細パター
ン形成が可能であることが確認された。
【0061】(実験例5)Ti製の基板(厚さ0.4m
m)の表面にスピンコート法(回転数1500rpm、
40sec)によりフォトレジスト(東京応化(株)
製;OFPR800)を塗布し、最小線幅5μmの所定
形状のマスクを用いて露光処理、現像処理を行って所定
パターンを有するマスキング層(膜厚1.0μm)を形
成した。これをHF(2.5wt%)−H22 (15
wt%)−H2 O(残部)液中でTi基板の露出部をエ
ッチング(2min、エッチング深さ2μm)し、凹部
を形成した。その後、電着物質の基板密着性をより向上
させることを目的にHF−NH4 F液中で凹部表面を粗
面化した(30sec)。
【0062】次に、上記マスキング層を電着用マスクと
して、上記凹部内にポリアミック酸の薄膜を50V定電
圧で約15秒間の電着を行うことによって、その表面が
Ti基板表面と同一面になるまで電着膜を成長させて絶
縁パターンを形成した。
【0063】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、続いて
基板をポリジン、無水酢酸、ベンゼンを体積比1:1:
3の割合で混合した溶液中に室温で12時間浸漬して、
ポリイミド皮膜からなる絶縁パターンを有する凸版構造
の電着転写用原版を作製した。なお、電着液は以下の手
順で作成した。すなわち、p−フェニレンジアミン3.
3重量部をN,N−ジメチルホルムアルデヒド90重量
部に溶解し、ピロメリット酸二無水物6.7重量部を加
えて室温で1時間反応させて、ポリアミック酸塩溶液と
した。この溶液60重量部にメタノール40重量部を加
えて電着液とした。
【0064】このようにして作製した電着転写用原版の
基板の導電面裸出部に上記実験例3で用いたメッキ条件
にしたがってピロリン酸系Cuメッキ液にて銅メッキを
行い、金属銅パターン(厚さ約1.5μm)を形成し
た。
【0065】その後、被転写体としてアクリル系粘着性
接着剤(日本カーバイド工業(株)(製);PE−11
8)をガラス基板(100mm×100mm×1.1m
m)上にスピンコート法(回転数3000rpm、30
sec)で塗布したものを用い、これを電着転写用原版
に密着後、版表面を裏面から加圧ロールを速度50cm
/分にて転動させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥
離して被転写体に転写した。このようにして転写して形
成された銅メッキ層からなる微細パターンの解像度は5
μmであった。この時、従来方式でみられたような原版
の絶縁パターンの破壊はまったく観察されなかった。
【0066】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を100回繰り返し行った
が、100回の連続転写に対しても絶縁パターンのダメ
ージは全く観察されず、また、解像度を測定したところ
1回目の転写微細パターンと同じであり、本発明の電着
転写用原版が優れた耐久性をもち、高精度の微細パター
ン形成が可能であることが確認された。
【0067】(実験例6)Ti製の基板(厚さ0.4m
m)の表面にスピンコート法(回転数1500rpm、
40sec)によりフォトレジスト(東京応化(株)
製;OFPR800)を塗布し、最小線幅5μmの所定
形状のマスクを用いて露光処理、現像処理を行って所定
パターンを有するマスキング層(膜厚1.0μm)を形
成した。これをHF(2.5wt%)−H22 (15
wt%)−H2 O(残部)液中でTi基板の露出部をエ
ッチング(2min、エッチング深さ2μm)し、凹部
を形成した。その後、電着物質の基板密着性をより向上
させることを目的にHF−NH 4 F液中で凹部表面を粗
面化した(30sec)。
【0068】次に、上記マスキング層を電着用マスクと
して、上記凹部内にポリエステル系電着樹脂を20V定
電圧で約45秒間の電着を行うことによって、その表面
がTi基板表面と同一面になるまで電着膜を成長させて
絶縁パターンを形成した。
【0069】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、電着樹
脂層(絶縁性物質)のみ175℃×30minでクリー
ンオーブンにて焼き付けを行い、凸版構造の電着転写用
原版を作製した。なお、電着液は以下の手順で作成し
た。すなわち、ポリエステル樹脂(神東塗料(株)製)
60重量部、メラミン樹脂(三和ケミカル(株)製;ニ
カラックMX−40)15重量部、ブチルセルソルブ4
5重量部、n−ブタノール5重量部、トリエチルアミン
4重量部を主成分とするワニスにイオン交換水800重
量部を加えて電着液とした。
【0070】このようにして作製した電着転写用原版の
基板の導電面裸出部に上記実験例3で用いたメッキ条件
にしたがってピロリン酸系Cuメッキ液にて銅メッキを
行い、金属銅パターン(厚さ約1.5μm)を形成し
た。
【0071】その後、被転写体としてアクリル系粘着性
接着剤(日本カーバイド工業(株)(製);PE−11
8)をガラス基板(100mm×100mm×1.1m
m)上にスピンコート法(回転数3000rpm、30
sec)で塗布したものを用い、これを電着転写用原版
に密着後、版表面を裏面から加圧ロールを速度50cm
/分にて転動させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥
離して被転写体に転写した。このようにして転写して形
成された銅メッキ層からなる微細パターンの解像度は5
μmであった。この時、従来方式でみられたような原版
の絶縁パターンの破壊はまったく観察されなかった。
【0072】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を100回繰り返し行った
が、100回の連続転写に対しても絶縁パターンのダメ
ージは全く観察されず、また、解像度を測定したところ
1回目の転写微細パターンと同じであり、本発明の電着
転写用原版が優れた耐久性をもち、高精度の微細パター
ン形成が可能であることが確認された。
【0073】(比較例2)電着転写用原版に凹部を設け
ることなく、該基板上に絶縁パターンを形成した以外は
上記実験例3と同様にして微細パターン形成用原版を作
成した。そして、実験例3と同様にして銅電着インキ層
形成および被転写体への銅電着インキ層転写を繰り返し
行ったところ、10回目の繰り返し転写後、絶縁パター
ンの変形が認められた。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、導
電性基板のエッチングにより形成された、アンカー効果
を有する凹部内に全面離型性の樹脂が電着析出されて絶
縁パターンが形成されるため、絶縁パターンと導電性基
板との密着性が向上する一方、絶縁パターンと粘着性接
着材層との密着性が低減される。
【0075】また、エッチングにより上面が拡大された
凹部内に絶縁パターンが形成されるため、本発明の電着
転写用原版では電着インキ層形成用パターン部をなす導
電面露出部面積がそれだけ小さくなる。したがって、形
成される電着インキ層底面とこの導電面露出部との接触
面積が小さくなるため、電着インキ層と導電面との密着
力が低減化される。
【0076】これにより、基板の絶縁パターン非形成部
(導電部パターン)に析出させた電着物質を被転写体に
転写する際の絶縁パターンの破壊は極めて少ないものと
なるので、膜厚が均一で線幅も一定な寸法精度の高い微
細パターンを多数回に亘って被転写体に転写することの
できる優れた耐久性を備える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着転写用原版の一態様である凹版タ
イプの原版の概略構成図である。
【図2】本発明の電着転写用原版の他の態様である平版
タイプの原版の概略構成図である。
【図3】図1の電着転写用原版凹版タイプの原版の製造
工程の説明図である。
【図4】図2の電着転写用原版平版タイプの原版製造工
程の説明図である。
【図5】図1の電着転写用原版における凹部への電着物
質析出の様子を示す説明図である。
【図6】従来の電着転写用原版を説明するための概略構
成図である。
【符号の説明】
1,21…電着転写用原版 2,22…基板 5,25…マスキング層 7,27…凹部 9,29…絶縁パターン 11,31…電着インキ層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面が導電性の基板と、該基
    板にエッチングにより形成された凹部に設けた絶縁性物
    質からなる絶縁パターンとを備え、該絶縁パターン表面
    が基板表面より突出するように形成されており隣り合
    う絶縁パターンによって凹版状に電着インキ層形成部が
    構成され、該電着インキ層形成部の底面の一部が導電面
    裸出部であることを特徴とする電着転写用原版。
  2. 【請求項2】 絶縁性物質が、アクリル系樹脂、アルキ
    ッド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ
    エステル系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、エポキシ系樹
    脂から選択されるいずれか1種以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の電着転写用原版。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の絶縁性物質にさらにフ
    ッ素が導入され、あるいはフッ素系ポリマー粒子が分散
    されてなることを特徴とする請求項2に記載の電着転写
    用原版。
  4. 【請求項4】 少なくとも表面が導電性の基板に所定パ
    ターンのマスキング層を設け、次に該基板のマスキング
    層非形成部分をエッチングしてサイドエッチング部が形
    成されるように凹部を形成し、該凹部に絶縁性物質を電
    着させて表面が前記マスキング層の表面と略同一の高さ
    となる絶縁パターンを形成し、その後前記マスキング層
    を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の電着転写用原版を製造するための製造方法。
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