JP3400309B2 - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタ及びその製造方法

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JP3400309B2
JP3400309B2 JP24004797A JP24004797A JP3400309B2 JP 3400309 B2 JP3400309 B2 JP 3400309B2 JP 24004797 A JP24004797 A JP 24004797A JP 24004797 A JP24004797 A JP 24004797A JP 3400309 B2 JP3400309 B2 JP 3400309B2
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film
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低雑音で高利得の
高周波特性を持つ微細ゲート長の電界効果トランジスタ
(MOSFET)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体通信機器のフロントエンドには、
低雑音で高利得の高周波特性を有する素子が要求され
る。これらの分野では、従来からGaAsIC及びバイ
ポーラLSIが広く使用されてきた。しかしながら、通
信機器の小型化、低価格化を視野に入れた1チップのア
ナログ/ディジタル混載LSIの実現を考えたとき、シ
リコンMOSFETは新しい候補となってきている。
【0003】シリコンMOSFETの微細化が進むにつ
れ、CMOSデバイスのスイッチング速度が速くなると
共に、単一のMOSFETの高周波特性もGaAsデバ
イス及びバイポーラデバイスに匹敵するほどになってき
ている。ただし、シリコンMOSFETでは、ゲート抵
抗、ソース抵抗、ドレイン抵抗、ソース接合容量及びド
レイン接合容量等の大きな寄生抵抗及び寄生容量が存在
し、これらの寄生成分が高周波特性、特に最大発振周波
数(fmax )の劣化に影響を与える。
【0004】これを解決するための指針が、T.Yamamoto
et al.,Symp.on VLSI Tech. Dig.,(1996)p.136 〜137
に記載されている。
【0005】上記文献によれば、シリコンMOSFET
の寄生成分の中で最大発振周波数fmax の劣化に大きく
影響をあたえる成分として、ドレイン接合容量とゲート
・ソース間容量との比(Cdb/Cgs)とゲート抵抗(R
g )の2つがあることを示している。いずれの寄生成分
に関しても、より小さい方が最大発振周波数fmax と遮
断周波数fT との比fmax /fT が大きくなる。ここ
で、遮断周波数fT は次式で与えられる。
【0006】[数1] fT =gm/2π(Cgs+Cgd) (1) (1)式より、遮断周波数fT は相互コンダクタンス
(gm)、ゲート・ソ一ス間容量(Cgs)、ゲート・
ドレイン間容量(Cgd)にのみ依存することが判る。
遮断周波数fT はゲート抵抗Rg 及びドレイン接合容量
とゲート・ソース間容量との比Cdb/Cgsには依存しな
いため、gm、Cgs、Cgdが一定ならば、最大発振
周波数fmax はゲート抵抗Rg 及びドレイン接合容量と
ゲート・ソース間容量との比Cdb/Cgsを低減させるこ
と、すなわちゲート・ソース間容量Cgsが一定であるた
めドレイン接合容量Cdbを低減させることにより増加す
ることが判る。
【0007】寄生成分を低減する方法の一つとして、ゲ
ート抵抗Rg を低減させる方法が上記文献において報告
されている。図12はその説明のための図であり、MO
SFETの断面図及び上面図を以って概略的に示してい
る。
【0008】図12(A)はMOSFETの断面図の一
例である。図12(A)において、MOSFETはシリ
コン基板10、素子分離領域を形成するフィールド酸化
膜12、ゲート酸化膜14、ポリシリコン膜16とタン
グステンシリサイド(WSi2 )膜18からなるゲート
電極20、サイドウォール22、ソース24、ドレイン
26から構成されており、この場合4つに分割されたM
OSFETが並列に形成されており、図示してないが各
ソース24、ドレイン26及びゲート電極20はそれぞ
れ、共通接続され全体として1つのMOSFETを構成
している。図12(A)上、両端以外のソース24、ド
レイン26は隣接する両側のMOSFETで共通となっ
ている。
【0009】図12(B)は図12(A)のMOSFE
Tの平面図である。ここで、複数に分割された各MOS
FETのゲート幅をフィンガー長(Wf)とすると、こ
の分割されたMOSFET全体のゲート幅(W)は次式
で表せる。
【0010】[数2] W=Wf×ゲート数(n) (2) 上記文献に記載された従来技術では、ゲート幅Wを一定
としておき、フィンガー長Wfを短くすることによりゲ
ート抵抗の低減を図っている。フィンガー長を用いてゲ
ート抵抗(Rg )を表すと次式のようになる。
【0011】[数3] Rg =ρsWf/Lg (3) ここでρsはゲート電極の面積抵抗、Lg はゲート長で
ある。式(3)からフィンガー長Wfを短くすることに
より、ゲート抵抗を低減することができることが判る。
【0012】上記文献では、分割されたMOSFET全
体のゲート幅をW=20μmにして、フィンガー長Wf
が20μmと5μmの場合を比較している。因に、フィ
ンガー長Wfが5μmの場合、ゲート数は4本となって
いる。
【0013】ゲート長Lg が0.2μmのNMOSFE
Tでは、最大発振周波数fmax は、フィンガー長が5μ
mでは40GHz、フィンガー長が20μmでは15G
Hzとなっており、フィンガー長が5μmになると、2
0μmの場合の3倍以上まで最大発振周波数fmax は増
加する。
【0014】さらに、上記文献ではゲート抵抗を低減す
るためにタングステンシリサイド(WSi2 )の代わり
に、チタンシリサイド(TiSi2 )を使用することを
提案している。そうすることにより、最大発振周波数f
max と遮断周波数fT との比fmax /fT がより大きく
なることを示している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上に
説明した従来技術においては、ゲート抵抗Rg を低下す
ることはできるが、ドレイン接合容量とゲート・ソース
間容量の比(Cdb/Cgs)の低減を行うことができない
ために、fmax /fT の値を十分、大きくすることがで
きず、高周波領域でのMOSFETの動作を十分、改善
することができないという問題があった。
【0016】さらに、上述した従来技術のように分割さ
れたMOSFETのゲート電極のフィンガー長を短くす
ることでゲート抵抗をより低減するようにした場合、ソ
ース及びドレインの周辺領域が増えるため、寄生容量が
増大してしまい、高周波領域でのMOSFETの動作を
十分、改善することができないという問題があった。
【0017】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、高周波特性の改善を図った電界効果トラン
ジスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、半導体基板に形成されたソ
ース領域とドレイン領域との間の前記半導体基板上にゲ
ート電極を前記ソース領域とドレイン領域との間で折り
返しながら、かつ前記ドレイン領域を包囲するように形
成し、 前記半導体基板に形成されたソース領域とドレイ
ン領域との間の前記半導体基板上に形成された折り返し
のあるゲート電極の少なくとも上部全面に接すると共
に、前記ソース領域及び前記ドレイン領域上の一部にオ
ーバーラップするように低抵抗の金属膜を形成したこと
を特徴とする
【0019】上記構成の電界効果トランジスタでは、半
導体基板に形成されたソース領域とドレイン領域との間
の前記半導体基板上にゲート電極を前記ソース領域とド
レイン領域との間で折り返しながら、かつ前記ドレイン
領域を包囲するように形成することにより、ゲート電極
のフィンガー長内におけるゲート幅Wを大きくすること
ができ、ドレイン面積を小さくすることができるので、
単位ゲート幅におけるドレイン接合容量を低減すること
ができる。すなわちドレイン接合容量とゲート・ソース
間容量の比(Cdb/Cgs)を小さくすることができ、最
大発振周波数fmax と遮断周波数f T との比fmax /f
T を増大させることができるので、より高周波領域での
MOSFET動作が可能になる。さらに、半導体基板に
形成されたソース領域とドレイン領域との間の前記半導
体基板上に形成された折り返しのあるゲート電極の少な
くとも上部全面に接すると共に、前記ソース領域及び前
記ドレイン領域上の一部にオーバーラップするようにタ
ングステン(W)等の低抵抗の金属膜を形成したので、
ゲート抵抗を非常に小さくすることができる。
【0020】また請求項に記載の発明は、半導体基板
におけるソースが形成される領域とドレインが形成され
る領域との間の前記半導体基板上に第1の絶縁膜を介し
て前記ソースが形成される領域とドレインが形成される
領域との間で折り返すようにゲート電極となる導電性膜
を形成し、かつ該導電性膜の上面に前記第1の絶縁膜に
比してエッチングレートが高い材料で形成された第2の
絶縁膜を形成する第1の工程と、前記半導体基板に浅接
合のソース領域及びドレイン領域を形成するためのイオ
ン注入を行う第2の工程と、前記導電性膜及び第2の絶
縁膜が積層された部分を含む半導体基板上に前記第1の
絶縁膜と同一材料の第3の絶縁膜を形成した後、エッチ
バックを行ない、前記導電性膜及び第2の絶縁膜が積層
された部分を支持するサイドウォールを形成する第3の
工程と、前記半導体基板に形成される浅接合のソース領
域及びドレイン領域を深接合とするためのイオン注入を
行ない、その後に深接合のソース領域及びドレイン領域
を電気的に活性化するための熱処理を行う第4の工程
と、前記サイドウォールを有する導電性膜及び第2の絶
縁膜が積層された部分を含む半導体基板上に第1、第3
の絶縁膜と同一材料の第4の絶縁膜を形成する第5の工
程と、前記第4の絶縁膜とエッチングレートが略、等し
い有機ガラスを前記第4の絶縁膜上に塗布した後、熱処
理を行うことにより前記第4の絶縁膜表面を平坦化する
第6の工程と、第6の工程で平坦化された前記第4の絶
縁膜に対してエッチバックを行ない、前記第2の絶縁膜
の表面を前記第4の絶縁膜から露出させる第7の工程
と、第7の工程で表面が露出した前記第2の絶縁膜及び
第4の絶縁膜に対してウエットエッチングを行ない、前
記第2の絶縁膜を除去する第8の工程と、第8の工程で
前記第2の絶縁膜が除去されることにより前記第4の絶
縁膜に形成される凹部の底面において表面が露出した前
記導電性膜表面及び前記第4の絶縁膜表面に低抵抗金属
膜を形成し、パターニングを行うことにより前記導電性
膜と電気的に接続され、該導電性膜の上部に接すると共
に、前記ソース領域及び前記ドレイン領域上の一部にオ
ーバーラップするように低抵抗金属膜を形成する第9の
工程を含む。
【0021】上記構成の電界効果トランジスタの製造方
法では、半導体基板に形成されたソース領域とドレイン
領域との間の前記半導体基板上にゲート電極を折り返す
ように形成し、かつ該ゲート電極の上面に接すると共
に、前記ソース領域及び前記ドレイン領域上の一部にオ
ーバーラップするようにゲート電極の周辺領域にも接し
タングステン(W)等の低抵抗金属膜を形成する。
のように、ゲート電極上に形成された低抵抗金属膜のゲ
ート電極上面からのオーバサイズ部(ゲート電極上部か
らのはみ出し部分)においてドレイン領域が形成された
半導体基板表面との距離を長くするようにしたので、ゲ
ート電極のゲート抵抗及びドレイン接合容量を低減する
ことができ、また低抵抗金属膜とソース領域あるいはド
レイン領域との間に発生する寄生容量であるゲート・ソ
ース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdを
低減することができる。このため、最大発振周波数fma
x と遮断周波数fT との比fmax /fT を増大させるこ
とができるので、より高周波領域でのMOSFET動作
が可能な電界効果トランジスタが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。図1には電界効果トランジスタ(MO
SFET)の一例の平面構成が概略的に示されている。
【0023】図1(A)に示すMOSFETは、ゲート
電極30、ソース領域32、ドレイン領域34から構成
されており、ゲート電極30は半導体基板に形成された
ソース領域32とドレイン領域34との間で矩形の折り
返し部31で複数回(図1(A)の例では9回)折り返
されてジグザグ状に形成されている。
【0024】ゲート電極30にはサイドウォールが実際
には形成されるが、説明の便宜上、図面上では省略して
ある。このように、ソース領域32とドレイン領域34
との間でゲート電極30を複数回、折り返すように半導
体基板上に形成することにより、ゲート電極30のフィ
ンガー長Wf 内におけるゲート幅Wを大きくすることが
でき、同一のゲート幅Wで比較すると、図1(A)に示
す形状のゲート電極を有するMOSFETでは通常の直
線状のゲート電極を有するMOSFET(図2(C)参
照)よりも半導体基板におけるソース領域及びドレイン
領域の占有面積を小さくすることができるので、ソース
接合容量及びドレイン接合容量を大幅に低減することが
できる。
【0025】また、図1(A)に示すMOSFETのゲ
ート電極30の形状は矩形の折り返し部31で折り返し
ているが、この形状のゲート電極30をフォトリソグラ
フィ等のリソグラフィ技術で形成する場合に線幅の細い
直角のパターンを形成するのが難しいため、図1(B)
に示すようにゲート電極30の折り返し部31を多角形
状に形成するか、図1(C)に示すようにゲート電極3
0の折り返し部31を円形状に形成することが望まし
い。
【0026】ソース接合容量及びドレイン接合容量はそ
れぞれ、半導体基板におけるソース領域及びドレイン領
域の占有面積に比例するので、図1に示す折り返し形状
のゲート電極を有するMOSFETのドレイン領域の面
積を求め、ゲート電極の形状を折り返し形状にした場合
の優位性について説明する。尚、ソース領域の面積の計
算についてはドレイン領域の計算と同様であるので以
下、ドレイン領域の計算についてのみ説明する。簡単の
ため、図1(A)に示すゲート電極30を有するMOS
FETについてドレイン領域34の面積の計算を行う。
【0027】図2(A)に、図1(A)に示すMOSF
ETの各部のディメンションの一例を示す。図2(A)
においてゲート電極30のフィンガー長Wfを10μ
m、ゲート長Lgを0.2μm、折り返し長Lzを2.
0μm、折り返し幅Wzを0.8μmとした。またゲー
ト電極30とフィールドエッジとの距離Liを2.0μ
mとする。
【0028】図2(A)に示すMOSFETの実質的な
ゲート幅Wは24μmである(コーナーの部分(図2
(B)に示すゲート電極30の直角に折れ曲がる角の部
分30C)は計算に入れていない)。
【0029】また通常の直線状で、かつ等価なゲート幅
のゲート電極を有するMOSFETの平面構成を図2
(C)に示す。図2(A)及び図2(C)に示すそれぞ
れのMOSFETのドレイン領域34の面積は、図2
(A)に示すMOSFETでは27.2μm2 、図2
(C)に示すMOSFETでは48μm2 であり、図2
(A)に示す折り返し形状のゲート電極にすることによ
り通常の直線状のゲート電極を有するMOSFETに比
してドレイン領域の面積をほぼ半分にすることができ
る。このため、ゲート電極の形状を折り返し形状にする
ことにより通常の直線状のゲート電極を有するMOSF
ETに比してドレイン接合容量Cdbを約半分に低減する
ことが可能であることが判る。ソース接合容量について
も同様にゲート電極の形状を折り返し形状にすることに
より通常の直線状のゲート電極を有するMOSFETに
比して約半分に低減することが可能である。
【0030】また、上記の説明の際の数値は一例に過き
ず、ゲート電極30の折り返し長Lzをさらに長くする
か、あるいはゲート電極30の折り返し幅Wzをさらに
短くすることにより、単位ゲート幅Wあたりのドレイン
接合容量を低減することが可能である。
【0031】図1に示す電界効果トランジスタ(MOS
FET)によれば、半導体基板に形成されたソース領域
とドレイン領域との間の前記半導体基板上にゲート電極
を前記ソース領域とドレイン領域との間で折り返すよう
に形成することにより、ゲート電極のフィンガー長内に
おけるゲート幅Wを大きくすることができ、ドレイン面
積(半導体基板におけるドレイン領域が占有する面積)
を小さくすることができる。したがって単位ゲート幅に
おけるドレイン接合容量を低減することができ、すなわ
ちドレイン接合容量とゲート・ソース間容量の比(Cdb
/Cgs)を小さくすることができ、最大発振周波数fma
x と遮断周波数fT との比fmax /fTを増大させるこ
とができるので、より高周波領域でのMOSFET動作
が可能になる。
【0032】次に電界効果トランジスタ(MOSFE
T)の一例の概略的な平面構成を図3に示す。
【0033】図3に示すMOSFETは、ゲート電極3
0、ソース領域32及びドレイン領域34から構成され
ており、ゲート電極30がソース領域32とドレイン領
域34との間で矩形の折り返し部31で複数回、ジグザ
グ状に折り返され、かつドレイン領域34の周囲を包囲
するように形成されている。ゲート電極30にはサイド
ウォールが実際には形成されるが、説明の便宜上、図面
上では省略してある。
【0034】図3に示すMOSFETのゲート電極30
の形状はソース領域32とドレイン領域34との間で矩
形の折り返し部31で折り返しているが、フォトリソグ
ラフィ等のリソグラフィ技術で線幅の細いの直角形状の
パターンを形成するのは難しいため、図1に示す電界効
果トランジスタのようにゲート電極30の折り返し部3
1を多角形状に形成するか、ゲート電極30の折り返し
部31を円形状に形成することが望ましい。
【0035】このように、ゲート電極30をソース領域
32とドレイン領域34との間で折り返すように形成
し、かつドレイン領域34の周囲を包囲するように半導
体基板上に形成することにより、ゲート電極30のフィ
ンガー長Wf 内におけるゲート幅Wを大きくすることが
でき、同一のゲート幅Wで比較すると、図3に示す形状
のゲート電極を有するMOSFETでは通常の直線状の
ゲート電極を有するMOSFETよりも半導体基板にお
けるドレイン領域の占有面積を小さくすることができる
ので、ドレイン接合容量を大幅に低減することができ
る。
【0036】ドレイン接合容量は半導体基板におけるド
レイン領域の占有面積に比例するので、図3に示す折り
返し形状のゲート電極を有するMOSFETのドレイン
領域の面積を求め、ゲート電極30を図3に示す形状に
した場合の優位性について説明する。
【0037】図3に示すMOSFETは図1に示すMO
SFETとはゲート電極の形状が異なるが、図4にMO
SFETの各部の名称は同一にして各部のディメンジョ
ンの一例を示す。図4においてゲート電極30のフィン
ガー長Wfを5.6μm、ゲート長Lgを0.2μm、
折り返し長Lzを2.0μm、折り返し幅Wzを0.8
μmとし、またゲートとフィールドエッジとの間の距離
Liを2.0μmとする。
【0038】図4に示すMOSFETの実質的なゲート
幅Wは24μmである(コーナーの部分(ゲート電極3
0の直角に折れ曲がる角の部分)は計算に入れていな
い)。この値は、図1に示すMOSFETのゲート電極
のゲート幅と同一である。この場合にドレイン領域の半
導体基板上で占有する面積、すなわちドレイン面積は1
3.4μm2 であり、図2(A)に示すMOSFETの
場合のドレイン面積27.2μm2 の半分以下の面積と
なっている。同一のゲート幅で正方形のゲート形状にし
た場合、1辺の長さは6μmとなる。その正方形のゲー
ト電極で包囲された内側の領域にドレイン領域を形成し
た場合には、ドレイン面積は36μm2 となり、ゲート
電極を折り返した場合の3倍以上の面積となってしま
う。
【0039】以上に説明したように、ゲート電極30を
ソース領域32とドレイン領域34との間で矩形の折り
返し部31で複数回、ジグザグ状に折り返しながら、か
つドレイン領域を包囲するように形成することにより、
実効的なゲート幅Wが増加し、かつ、ドレイン領域の面
積を小さくすることができるので、単位ゲート幅当たり
のドレイン接合容量Cdbを低減することが可能となる。
【0040】また、上記の説明の際の数値は一例に過き
ず、ゲート電極の折り返し長Lz、折り返し幅Wzを最
適化することにより、単位ゲート幅当たりのドレイン接
合容量を低減することが可能である。
【0041】図3に示す電界効果トランジスタ(MOS
FET)によれば、半導体基板に形成されたソース領域
とドレイン領域との間の前記半導体基板上にゲート電極
を前記ソース領域とドレイン領域との間で折り返しなが
ら、かつ前記ドレイン領域を包囲するように形成するこ
とにより、図1に示す電界効果トランジスタと同様にゲ
ート電極のフィンガー長内におけるゲート幅Wを大きく
することができ、ドレイン面積を小さくすることができ
るので、単位ゲート幅におけるドレイン接合容量を低減
することができ、すなわちドレイン接合容量とゲート・
ソース間容量の比(Cdb/Cgs)を小さくすることがで
き、最大発振周波数fmax と遮断周波数fT との比fma
x /fT を増大させることができるので、より高周波領
域でのMOSFET動作が可能になる。
【0042】次に、図5に電界効果トランジスタ(MO
SFET)の一例、図9に本発明の第1の実施の形態に
係る電界効果トランジスタ(MOSFET)概略的な
平面構成を示す。図5(A)〜(C)に示すMOSFE
Tは、図1(A)〜(C)に示すMOSFETと同一構
造で、ゲート電極30、ソース領域32及びドレイン領
域34から構成されており、更にソース領域32とドレ
イン領域34との間で折り返すように形成されたゲート
電極30の上面と共に、ソース領域32及びドレイン領
域34の一部(以下、ゲート電極30の周辺領域という
ことがある)を覆うようにタングステン(W)等の低抵
抗金属膜40が形成された構造となっている。ゲート電
極30にはサイドウォールが実際には形成されるが、説
明の便宜上、図面上では省略してある。また、この低抵
抗金属膜40とゲート電極30は直接、接触している。
【0043】このように、実際にMOSFET動作をす
るためのゲート電極30の上面にゲート抵抗Rgを低減
するための低抵抗金属膜をゲート電極30の上面及びそ
の周辺領域まで全面に形成することにより、ゲート電極
30の抵抗値を非常に小さくすることができる。また、
MOSFETの動作はあくまでゲート電極30によって
行なわれるため、ゲート電極30の上部に形成される金
属膜の形状はどのように形成されていても問題ない。
【0044】一方、図9に示すMOSFETは、図3に
示すMOSFETと同一構造で、ゲート電極30、ソー
ス領域32及びドレイン領域34から構成されており、
更にソース領域32とドレイン領域34との間で折り返
すように形成されたゲート電極30の上面と共に、ソー
ス領域32及びドレイン領域34の一部(以下、ゲート
電極30の周辺領域ということがある)を覆うようにタ
ングステン(W)等の低抵抗金属膜50が形成された構
造となっている。この場合も、図5に示すMOSFET
と同様にゲート電極30の抵抗値を非常に小さくするこ
とができる。
【0045】次に、図5及び図9に示す構造のNチャン
ネルMOSFET(以下、NMOSFETと記す。)の
製造方法を図6及び図7を参照して説明する。図6及び
図7は、図5(A)のA−A’切断線による断面図によ
りNMOSFETの製造工程を概略的に示した工程図で
ある。但し、図5(A)は概略的にMOSFETの平面
構造を示したものであるので図5(A)と、図6および
図7とでは各部の参照番号は一致させていない。
【0046】まず、既知の技術で不純物濃度が1×10
17cm-3程度のウエルを形成したシリコン基板60に、
素子分離領域62を600nmの厚さに形成する。次い
で、イオン注入領域を限定するためのマスクになるレジ
ストパターン(図示せず)が形成される。このレジスト
パターンをマスクとしゲートの下になる領域64にの
み、ショートチャネル効果を抑えるためのパンチスルー
ストップインプラ、及び閾値電圧VT を制御するための
T コントロールインプラをイオン注入法により行な
う。パンチスルーストップインプラは、例えば、Bを加
速電圧45KeVで4×1012cm-2導入し、VT コン
トロールインプラは、例えば、フッ化ボロン(BF2
を加速電圧90KeVで4×1012cm-2導入すること
により行う(図6(A))。
【0047】次に、酸化炉において800℃でゲート酸
化膜(SiO2 膜)66を膜厚が4nmとなるように形
成する。この上に、LPCVD法により導電性膜である
ポリシリコン膜68を膜厚が200nmになるように形
成した後、ゲート電極をパターニングするためのマスク
になるレジストパターン(図示せず)を形成する。この
レジストパターンをマスクとしポリシリコン膜68の不
要部分がエッチングされ、0.2μm程度のゲート長の
ゲート電極68が形成される(図6(B))。
【0048】この後、イオン注入法によりAsを加速電
圧10KeVで1×1015cm-2導入し、浅い接合のソ
ース領域70及びドレイン領域72(浅接合のソース領
域及びドレイン領域)が形成される(図6(C))。
【0049】次いで、TEOS(Tetra Ethyl OrthoSil
icate:Si(OC2 3 3 )を用いCVD法によって
膜厚200nmのSiO2 膜を形成した後、反応性イオ
ンエッチング(RIE)によりエッチバックを行ない、
ゲート電極68を支持するサイドウォール74を形成す
る(図6(D))。
【0050】この後、イオン注入法によりAsを加速電
圧40KeVで5×1015cm-2導入し、深い接合のソ
ース領域76及びドレイン領域78(深接合のソース領
域及びドレイン領域)を形成する。また、この時にゲー
ト電極68にも不純物(As)が導入されて、ゲート電
極68はN型のポリシリコンになる。この後、急速加熱
装置(RTA)を用い1000℃で10秒間のドライブ
インを行い、深接合のソース領域76及びドレイン領域
78を電気的に活性化する(図6(E))。
【0051】次いでCVD法、例えば、常圧CVD法に
より絶縁膜であるSiO2 膜80を膜厚400nm程度
に形成し、その上に有機ガラス膜82をスピンオン法に
より膜厚300nm程度に塗布し、熱処理等により塗布
膜を硬化させ、SiO2 膜80の表面を平坦化する(図
6(F))。
【0052】その後、エッチバックを行い、ポリシリコ
ン膜で形成されたゲート電極68の表面をSiO2 膜8
0から露出させる(図6(G))。
【0053】次いで、スパッタ法によりタングステン
(W)膜31を膜厚100nm程度に形成した後、タン
グステン(W)膜84をパターニングするためのマスク
になるレジストパターン(図示せず)を形成する。この
レジストパターンをマスクとしタングステン(W)膜8
4の不要部分がエッチングされ、ゲート電極68上面及
びその周辺領域に低抵抗金属膜であるタングステン
(W)膜84が形成される(図6(H))。このためゲ
ート電極68のゲート抵抗Rg を非常に小さくすること
ができる。
【0054】このように、ゲート電極68は基本的には
T型ゲートと呼ばれる構造のゲート形状になるが、ゲー
ト電極68上部に形成されたタングステン(W)膜84
は折り返し幅分の長さがあるため、通常のT型ゲート形
状に比ベてゲート抵抗Rg を非常に低くすることができ
る。
【0055】次にMOSFETを図5及び図9に示す構
造にした場合のゲート抵抗Rg の低減効果について説明
する。図5に示すゲート形状のMOSFETについて、
タングステン(W)膜が有る場合と無い場合のMOSF
ETのゲート抵抗Rg を計算する。
【0056】図2(A)に示す折り返しの有る形状のゲ
ート電極30に片側0.4μmの幅のはみ出し部分(オ
ーバーサイズ部)を設けるようにタングステン(W)膜
を形成すると図8(A)に示す形状になる。図8(A)
におけるタングステン(W)膜40の代わりにWSi2
膜により膜厚150nmのタングステンポリサイド膜を
形成したときのMOSFETのゲート電極30のゲート
抵抗Rg は約2.2kΩ、図8(A)に示すディメンシ
ョンでタングステン(W)膜40をゲート電極30上に
形成したときのゲート抵抗Rg は約3.6Ωとなる。こ
のことから、ゲート電極30上にタングステン(W)膜
40が形成されている場合のゲート電極30のゲート抵
抗Rg の抵抗値はゲート電極上にタングステン(W)膜
40が形成されていない場合のゲート電極のゲート抵抗
Rg の抵抗値の600分の1に低減されることが判る。
【0057】一方、ゲート幅Wが等価(W=24μm)
で図2(B)に示す通常のゲート形状のゲート電極30
に片側0.4μmの幅のはみ出し部分(オーバーサイズ
部)を設けるようにタングステン(W)膜40を形成す
ると、図8(B)に示す形状になる。この場合ゲート電
極30のゲート抵抗Rg は24Ωとなる。これは、図8
(A)に示すMOSFETにおける折り返し形状のゲー
ト電極30のゲート抵抗Rg の抵抗値の6倍以上にな
る。
【0058】このように、折り返し形状のゲート電極上
に形成されるタングステン(W)膜をゲート電極からの
はみ出し部分(オーバーサイズ部)を設けるように形成
した場合にゲート電極を形成する隣接する折り返し部分
上のタングステン(W)膜のオーバーサイズ部が隙間な
く連続して形成されるので、単純にゲート電極上にタン
グステン(W)膜のオーバーサイズ部を設けた場合、す
なわちタングステン(W)膜のオーバーサイズ部をゲー
ト電極のゲート長Lg方向に多少、大きくなるように設
けた場合のゲート抵抗Rg の抵抗値に比してゲート抵抗
の抵抗値を大幅に低減することができる。ただし、ソー
ス領域またはドレイン領域とタングステン(W)膜との
オーバーラップ領域はゲート・ソース間容量Cgs及びゲ
ート・ドレイン間容量Cgdとなり、このオーバーラップ
領域は図8(A)に示すMOSFETでは図8(B)に
示すMOSFETよりも若干面積が大きくなってしま
う。このため、図8(A)に示すMOSFETにおい
て、オーバーラップ領域の両側の部分のオーバーラップ
量を片側0.2μm程度の幅にすれば、ゲート・ソース
間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdを図8
(B)に示すMOSFETと同等の容量とすることがで
きる。この場合のゲート電極30のゲート抵抗Rg は
4.2Ωであり、これでも図8(B)に示すMOSFE
Tのゲート電極30のゲート抵抗の抵抗値の5分の1以
下に低減することが可能である。
【0059】図9に示す構造のMOSFETについての
ゲート抵抗の低減効果についての説明は省略するが、図
5に示す構造のMOSFETと同様にゲート抵抗Rg を
十分に低減することができる。
【0060】本発明の第1の実施の形態に係る電界効果
トランジスタ(MOSFET)及びその製造方法によれ
ば、半導体基板に形成されたソース領域とドレイン領域
との間の前記半導体基板上に形成された折り返しのある
ゲート電極の少なくとも上部全面に接するようにタング
ステン(W)等の低抵抗の金属膜を形成したので、ゲー
ト抵抗を非常に小さくすることができる。また図1及び
図3に示した実施の形態に係る電界効果トランジスタと
同様にゲート電極を折り返した構造にしたので、ドレイ
ン面積を小さくすることができ、単位ゲート幅における
ドレイン接合容量を低減することができる。したがっ
て、最大発振周波数fmax と遮断周波数fT との比fma
x /fT を増大させることができるので、より高周波領
域でのMOSFET動作が可能になる。
【0061】次に、本発明の第2の実施の形態として図
5及び図9に示す構造のNMOSFETの製造方法を図
10及び図11を参照して説明する。図6及び図7は、
図5(A)のA−A’切断線による断面図によりNMO
SFETの製造工程を概略的に示した工程図である。但
し、図5(A)は概略的にMOSFETの平面構造を示
したものであるので図5(A)と、図10及び図11と
では各部の参照番号は一致させていない。
【0062】まず、既知の技術で不純物濃度が1×10
17cm-3程度のウエルを形成したシリコン基板90に、
素子分離領域92を600nmの厚さに形成する。次い
で、イオン注入領域を限定するためのマスクになるレジ
ストパターン(図示せず)が形成される。このレジスト
パターンをマスクとしゲートの下になる領域94にの
み、ショートチャネル効果を抑えるためのパンチスルー
ストップインプラ、及び閾値電圧VT を制御するための
T コントロールインプラをイオン注入法により行な
う。パンチスルーストップインプラは、例えばそれぞれ
Bを加速電圧45KeVで4×1012cm-2導入し、V
T コントロールインプラは、例えば、フッ化ボロン(B
2 )を加速電圧90KeVで4×1012cm-2導入す
る(図10(A))。
【0063】次に、酸化炉において800℃でゲート酸
化膜(SiO2 膜)96を膜厚が4nmとなるように形
成する。この上に、LPCVD法により導電性膜である
ポリシリコン膜98を膜厚200nmに形成する。その
後、イオン注入法によりPを加速電圧30keVで5×
1015cm-2導入し、N型のポリシリコン膜98にす
る。ポリシリコン膜98の上に、CVD法によって高濃
度(20wt%P2 5以上)のリン(P)を含有する
PSG(Phospho−silicate glas
s)膜100を膜厚250nmに形成する。その後、不
要部分のPSG膜100を除去するため、フォトリソグ
ラフィ工程を経てレジストパターン(図示せず)が形成
された後、このレジストパターンをマスクとして、PS
G膜100を反応性イオンエッチング(RIE)により
除去する。レジストパターンを除去した後、PSG膜1
00をマスクとして開口部のポリシリコン膜98を塩素
系ガスを用い反応性イオンエッチング(RIE)により
除去する(図10(B))。
【0064】この後、イオン注入法によりAsを加速電
圧10KeVで1×1015cm-2導入し、浅い接合のソ
ース領域102及びドレイン領域104(浅接合のソー
ス領域及びドレイン領域)が形成される(図10
(C))。
【0065】次いで、TEOSを用いCVD法によって
膜厚200nmのSiO2 膜106が形成された後、反
応性イオンエッチング(RIE)によりエッチバックを
行ない、ポリシリコン膜98を支持するサイドウォール
106が形成される(図10(D))。
【0066】この後、イオン注入法によりAsを加速電
圧40keVで5×1015cm-2導入し、深い接合のソ
ース領域108及びドレイン領域110(深接合のソー
ス領域及びドレイン領域)を形成する。この後、急速加
熱装置(RTA)を用い1000℃で10秒間のドライ
ブインを行ない、深接合のソース領域108及びドレイ
ン領域110を電気的に活性化する(図11(E))。
【0067】次いで、TEOSを用いCVD法によりS
iO2 膜112を膜厚600nm程度に形成し、その上
に有機ガラス膜14をスピンオン法により膜厚400n
m程度に塗布し、熱処理等により塗布膜を硬化させ、S
iO2 膜112の表面を平坦化する(図11(F))。
【0068】その後、エッチバックを行いポリシリコン
膜98上のPSG膜100の表面をSiO2 膜112か
ら露出させる。次に、ポリシリコン膜98上の膜厚25
0nmに形成されたPSG膜100を、フッ酸溶液を用
いたウエットエッチングにより除去する。PSG膜10
0中のリン濃度が高い場合エッチングレートはSiO2
膜112の約7倍になる。このため、PSG膜100が
エッチングされる時間で、SiO2 膜112は40nm
程度の厚さしかエッチングされず、シリコン基板90か
らSiO2 膜112表面までの厚みは400nm程度と
なる。このようにSiO2 膜112とPSG膜100と
のエッチングレートの相違によりエッチングによりPS
G膜100が除去され、ポリシリコン膜(ゲート電極)
98上に凹部116が形成される(図11(G))。
【0069】次いで、スパッタ法によりタングステン
(W)膜118を膜厚100nm程度に形成した後、タ
ングステン(W)膜118をパターニングするためのマ
スクになるレジストパタ一ン(図示せず)が形成され
る。このレジストパターンをマスクとしタングステン
(W)膜118の不要部分がエッチングされ、ゲート抵
抗の非常に小さいゲート電極98が形成される(図11
(H))。
【0070】第の実施の形態に係る電界効果トランジ
スタの製造方法では、ゲート電極となるポリシリコン膜
上にPSG膜を形成しておくことにより、ゲート電極上
部に形成されるタングステン(W)膜とソース領域ある
いはドレイン領域までの距離を長くして、寄生容量であ
るゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間
容量Cgdを第3の実施形態に係る電界効果トランジス
タの製造方法により得られる電界効果トランジスタの半
分程度まで低減することができる。
【0071】第の実施の形態に係るMOSFETで
は、ソース領域あるいはドレイン領域の上方にタングス
テン(W)膜が存在するため、ゲート・ソース間容量C
gs及びゲート・ドレイン容量(Cgd)が図1及び図
3に示すMOSFETに比して大きくなってしまう。但
し、タングステン(W)膜とシリコン基板の距離は約2
00nmあるため、タングステン(W)膜のゲート電極
からのはみ出し部分の幅が片側0.4μmでは、ゲート
酸化膜(SiO2 膜)の膜厚が4nmの時のゲート電極
とドレイン領域のオーバーラップ量に換算すると、片側
約0.008μmになる。式(3)に示したように、ゲ
ート・ソース間容量Cgs、ゲート・ドレイン間容量C
gdは直接、遮断周波数fT に影響を与えるため極力小
さいほうが良い。
【0072】第の実施の形態の製造方法を用いること
により、タングステン(W)膜とシリコン基板との距離
は約400nmとなり、第1の実施形態の半分にまでゲ
ート・ソース間容量Cgs、ゲート・ドレイン間容量C
gdを低減させることが可能である。
【0073】第の実施の形態に係る電界効果トランジ
スタ(MOSFET)の製造方法によれば、折り返しの
ゲート電極上に形成したタングステン(W)等の低抵抗
の金属膜のゲート電極からのはみ出し部分において上記
金属膜とシリコン基板との間の距離を長くすることがで
きるため、低抵抗金属膜とソース領域あるいはドレイン
領域との間に発生する寄生容量であるゲート・ソース間
容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdを第
実施形態に係るMOSFETの半分程度まで小さくする
ことができる。このため、遮断周波数fT を増大させる
ことができる。また第の実施の形態と同様にゲート電
極をソース領域とドレイン電極との間で折り返すように
形成し、かつゲート電極上部にタングステン(W)等の
低抵抗金属膜を形成するようにしたので、第の実施の
形態と同様にゲート電極のゲート抵抗及びドレイン接合
容量を低減することができる。
【0074】したがって、最大発振周波数fmax と遮断
周波数fT との比fmax /fT を増大させることができ
るので、より高周波領域でのMOSFET動作が可能な
電界効果トランジスタが得られる。
【0075】
【発明の効果】以上に説明したように請求項1に記載の
発明によれば、半導体基板に形成されたソース領域とド
レイン領域との間の前記半導体基板上にゲート電極を前
記ソース領域とドレイン領域との間で折り返しながら、
かつ前記ドレイン領域を包囲するように形成することに
より、ゲート電極のフィンガー長内におけるゲート幅W
を大きくすることができ、ドレイン面積を小さくするこ
とができるので、単位ゲート幅におけるドレイン接合容
量を低減することができ、すなわちドレイン接合容量と
ゲート・ソース間容量の比(Cdb/Cgs)を小さくする
ことができ、最大発振周波数fmax と遮断周波数f T
の比fmax /f T を増大させることができるので、より
高周波領域でのMOSFET動作が可能になる。 さら
に、半導体基板に形成されたソース領域とドレイン領域
との間の前記半導体基板上に形成された折り返しのある
ゲート電極の少なくとも上部全面に接すると共に、前記
ソース領域及び前記ドレイン領域上の一部にオーバーラ
ップするようにタングステン(W)等の低抵抗の金属膜
を形成したので、ゲート抵抗を非常に小さくすることが
できる。
【0076】また請求項2に記載の発明によれば、半導
体基板に形成されたソース領域とドレイン領域との間の
前記半導体基板上にゲート電極を折り返すように形成
し、かつ該ゲート電極の上面に接すると共に、前記ソー
ス領域及び前記ドレイン領域上の一部にオーバーラップ
するようにゲート電極の周辺領域にも接してタングステ
ン(W)等の低抵抗金属膜を形成し、ゲート電極上に形
成された低抵抗金属膜のゲート電極上面からのオーバサ
イズ部(ゲート電極上部からのはみ出し部分)において
ドレイン領域が形成された半導体基板表面との距離を長
くするようにしたので、ゲート電極のゲート抵抗及びド
レイン接合容量を低減することができ、また低抵抗金属
膜とソース領域あるいはドレイン領域との間に発生する
寄生容量であるゲート・ソース間容量Cgs及びゲート
・ドレイン間容量Cgdを低減することができる。この
ため、最大発振周波数fmax と遮断周波数fT との比f
max/fT を増大させることができるので、より高周波
領域でのMOSFET動作が可能な電界効果トランジス
タが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電界効果トランジスタの一例の平面構成を概略
的に示す平面図。
【図2】図1(A)に示すMOSFETの各部のディメ
ンションの一例を示す説明図。
【図3】電界効果トランジスタの一例の概略的な平面構
成を示す平面図。
【図4】図3に示すMOSFETの各部のディメンショ
ンの一例を示す説明図。
【図5】電界効果トランジスタの一例の概略的な平面構
成の一例を示す平面図。
【図6】NMOSFETの製造工程の一例を示す工程
図。
【図7】NMOSFETの製造工程の一例を示す工程
図。
【図8】図2に示すMOSFETのゲート電極上に金属
膜をはみ出し部分を設けて形成した場合における各部の
ディメンションを示す説明図。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トラ
ンジスタの概略的な平面構成の他の例を示す平面図。
【図10】NMOSFETの製造工程の他の例を示す工
程図。
【図11】NMOSFETの製造工程の他の例を示す工
程図。
【図12】従来のMOSFETの構成を示す断面図及び
平面図。
【符号の説明】
30 ゲート電極 32 ソース領域 34 ドレイン領域 40 低抵抗金属膜 60 シリコン基板 62 素子分離領域 66 ゲート酸化膜 68 ゲート電極 70 浅接合のソース領域 72 浅接合のドレイン領域 74 サイドウォール 76 深接合のソース領域 78 深接合のドレイン領域 80 SiO2 膜 82 有機ガラス膜 84 タングステン膜 100 PSG膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に形成されたソース領域とド
    レイン領域との間の前記半導体基板上にゲート電極を前
    記ソース領域とドレイン領域との間で折り返しながら、
    かつ前記ドレイン領域を包囲するように形成し、 前記半導体基板に形成されたソース領域とドレイン領域
    との間の前記半導体基板上に形成された折り返しのある
    ゲート電極の少なくとも上部全面に接すると共に、前記
    ソース領域及び前記ドレイン領域上の一部にオーバーラ
    ップするように低抵抗の金属膜を形成したことを 特徴と
    する電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 半導体基板におけるソースが形成される
    領域とドレインが形成される領域との間の前記半導体基
    板上に第1の絶縁膜を介して前記ソースが形成される領
    域とドレインが形成される領域との間で折り返すように
    ゲート電極となる導電性膜を形成し、かつ該導電性膜の
    上面に前記第1の絶縁膜に比してエッチングレートが高
    い材料で形成された第2の絶縁膜を形成する第1の工程
    と、 前記半導体基板に浅接合のソース領域及びドレイン領域
    を形成するためのイオン注入を行う第2の工程と、 前記導電性膜及び第2の絶縁膜が積層された部分を含む
    半導体基板上に前記第1の絶縁膜と同一材料の第3の絶
    縁膜を形成した後、エッチバックを行ない、前記導電性
    膜及び第2の絶縁膜が積層された部分を支持するサイド
    ウォールを形成する第3の工程と、 前記半導体基板に形成される浅接合のソース領域及びド
    レイン領域を深接合とするためのイオン注入を行ない、
    その後に深接合のソース領域及びドレイン領域を電気的
    に活性化するための熱処理を行う第4の工程と、 前記サイドウォールを有する導電性膜及び第2の絶縁膜
    が積層された部分を含む半導体基板上に第1、第3の絶
    縁膜と同一材料の第4の絶縁膜を形成する第5の工程
    と、 前記第4の絶縁膜とエッチングレートが略等しい有機ガ
    ラスを前記第4の絶縁膜上に塗布した後、熱処理を行う
    ことにより前記第4の絶縁膜表面を平坦化する第6の工
    程と、 第6の工程で平坦化された前記第4の絶縁膜に対してエ
    ッチバックを行ない、前記第2の絶縁膜の表面を前記第
    4の絶縁膜から露出させる第7の工程と、 第7の工程で表面が露出した前記第2の絶縁膜及び第4
    の絶縁膜に対してウエットエッチングを行ない、前記第
    2の絶縁膜を除去する第8の工程と、 第8の工程で前記第2の絶縁膜が除去されることにより
    前記第4の絶縁膜に形成される凹部の底面において表面
    が露出した前記導電性膜表面及び前記第4の絶縁膜表面
    に低抵抗金属膜を形成し、パターニングを行うことによ
    り前記導電性膜と電気的に接続され、該導電性膜の上部
    に接すると共に、前記ソース領域及び前記ドレイン領域
    上の一部にオーバーラップするように低抵抗金属膜を形
    成する第9の工程を含む電界効果トランジスタの製造方
    法。
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