JP3399612B2 - 天然配合ワックスを用いた耐透湿性の可食性複合フィルム - Google Patents

天然配合ワックスを用いた耐透湿性の可食性複合フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は可食性多糖フィルム等の
フィルムないしはシートに天然配合ワックスを塗付する
ことで、疎水層を形成し耐透湿性を向上させる方法、こ
れに使用する天然配合ワックスおよびこれにより得られ
る複合フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の疎水層は、天然ワックスとしてカ
ルナウバ蝋、キャンデリラ蝋、米ヌカ蝋、蜜蝋、鯨蝋
等、石油ワックスとしてパラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス等、またラック樹脂等の天然樹脂
から選び1種ないし2種以上で構成されている。疎水層
は 0.1ミクロン〜10ミクロンの範囲で形成し、水溶性多
糖類層上に分子鎖内に親水部と疎水部を有する中間層を
介して、ワックスおよび天然樹脂を多くても2種類を主
成分とする疎水層を形成することで、耐透湿性を有する
と共に、温水溶解性を有し、食品包材等に利用されてい
る(特開平5-132570号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術によるフィ
ルムの疎水層の構成では密着性が不十分であり、疎水層
にムラが生じる。高融点のワックスはホットメルトによ
り塗付可能であるが、折り曲げにより疎水層にヒビ割れ
が生ずる。しかも伸展性・柔軟性が劣る。フィルム自体
が水分を有しているため75℃以上の融点を持つワックス
で塗付すると、ホットメルト時にフィルムの水分が失わ
れ、加えて強度が低下する。樹脂等、低融点のものは、
疎水層の形成は可能であるが、また、保存時の経時変化
により疎水層と疎水層のブロッキングおよび疎水層とフ
ィルムとのブロックキングが発生してしまう。従って本
発明の目的は、配合ワックスで疎水層を形成することに
より、上記の問題点を解決し、耐透湿性を高めかつ温水
溶解性を有し、食品包材等に幅広く利用されることを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は米ヌカ蝋、キャ
ンデリラ蝋および蜜蝋を主体とした天然配合ワックスを
可食性多糖フィルム等のフィルムないしはシートに適用
することにより、フィルムないしシートに対する密着性
に優れ、耐透湿性を向上しかつ温湯に対し易溶の疎水層
を提供するものである。
【0005】本発明の天然配合ワックスよりなる疎水層
を可食性多糖フィルムに適用する場合、分子鎖内に親水
部と疎水部を有する物質を中間層として用いる必要がな
しに、天然配合ワックスよりなる疎水層を可食性多糖フ
ィルムに何らの前処理を必要とせずに直接塗付して所期
の目的を達することができる。
【0006】本発明配合ワックス中のワックス単品での
疎水層の形成では、フィルムから疎水層の脱離・ハジキ
及びブロッキングを生じ、塗付したフィルムにも柔軟性
が保たれない。しかし米ヌカ蝋、キャンデリラ蝋および
蜜蝋という3種類を主体とした天然ワックスを配合する
ことで、均一な疎水層が形成されフィルムの柔軟性を損
なうことなく、疎水層の構造が維持可能となる。例えば
米ヌカ蝋の融点は78〜82℃であり、キャンデリラ蝋は融
点68〜72℃で30%前後の樹脂(レジン)を含有している
ため、フィルムとの密着性および保水性を高める。蜜蝋
は融点60〜67℃を有し、常温でも柔軟性を持つため、フ
ィルムとの柔軟性・密着性を保つ。配合ワックスの主成
分はC40〜C58のワックスエステルである。
【0007】そこで本発明の天然配合ワックスの配合組
成としては以下の配合範囲のものが望ましい。 米ヌカ蝋 2〜10重量部 キャンデリラ蝋 25〜35重量部 蜜蝋 60〜70重量部
【0008】上記配合範囲の天然配合ワックスは以下の
特性を示す。 酸 価 ケン化価 ヨウ素価 融点(℃) 14〜23 67〜90 6〜18 66〜75
【0009】上記において米ヌカ蝋は伸延性および早期
の固化密着性を与えるが、これが2部未満の場合には添
加効果が十分でない。またキャンデリラ蝋は密着性を向
上させるが25部未満ではその添加効果が十分でない。蜜
蝋は柔軟性、密着性を与えるが60部以下の場合はその添
加効果がない。
【0010】他方米ヌカ蝋が10部を超えた場合やキャン
デリラ蝋が35部を超えた場合はいずれも天然配合ワック
スの融点が高くなり過ぎこれを可食性フィルムに適用し
た場合フィルムの水分が逃失しフィルム変性による強度
の低下を引き起こし好ましくない。また蜜蝋が70部を超
えるとコート性が低下しかつ相互の貼り付きが生じ好ま
しくない。
【0011】以下に本発明の天然配合ワックス、その中
の単品ワックスおよび比較ワックス品についての物性比
較データを表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】本発明を実施するにあたり、米ヌカ蝋、キ
ャンデリラ蝋、蜜蝋を配合し、DSC(示差走査熱量
計)30〜75℃、融点66〜75℃を有し、粘度10〜20cps
(100 ℃)の値をもつ天然配合ワックスがフィルムの疎
水層を安定に、形成するために上記の配合範囲に規定さ
れる。
【0014】本発明の天然配合ワックスは可食性多糖フ
ィルムその他任意のフィルムないしシートに適用可能で
あるが、その可食性多糖フィルムとしてはアルギン酸お
よびそのナトリウム塩等の塩類、ファーセレラン、カラ
ギーナン、寒天、ペクチン、タマリンドガム、キサンタ
ンガム、グアガム、タラガム、ローカストビーンガム、
アラビノガラクタン、アラビアガム、ジェランガム、カ
ードランガム、プルラン、キトサン、スターチ、デキス
トリン、カルボキシルメチルセルロース等の可食水溶性
セルロース誘導体等が挙げられる。特に好ましい水溶性
多糖類としては、フィルムの成形性やフィルムの物性等
の点から、アルギン酸およびそのナトリウム塩等の塩
類、ファーセレラン、カラギーナン、寒天から選ばれる
1種以上を主成分とするものおよびそれらの2種以上の
組合せが挙げられる。
【0015】上記本発明の天然配合ワックスは硬化油、
半水添ないし極度水添牛脂及びパーム油、食用油等の他
成分が15重量%以下程度配合しても差支えない。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れによって特に制約されるものではない。
【0017】(実施例1)ホットメルトによる塗付方法
1は次の通りである。一定寸法のフィルム(三菱レーヨ
ン製多糖フィルム)をホットプレート(66〜75℃)に設
定し、その上にフィルムをのせ、66〜75℃に融解した天
然配合ワックス(米ヌカ蝋6部、キャンデリラ蝋30部、
蜜蝋65部よりなる)を滴下し、ローラにより 0.1〜10ミ
クロンの厚さで塗付をした。その後ホットプレートから
フィルムをはがし、常温または冷風にてフィルムを冷却
し、フィルム上の配合ワックスを固化させ疎水層を形成
させた。
【0018】(実施例2)ホットメルトによる塗付方法
2は次の通りである。一定寸法のフィルム(多糖フィル
ム)を連続的にホットプレート(66〜75℃)上を移動さ
せながら、配合ワックス(66〜75℃に融解したもの)を
フィルム上に一定量滴下し、ホットプレート上にてロー
ラを用い 0.1〜10ミクロンの厚さで塗付をした。フィル
ムがホットプレート上から離れた後、常温または冷風に
てフィルムを冷却させ、フィルム上の配合ワックスを固
化させ疎水層を形成させた。
【0019】(実施例3)一定寸法のフィルムを連続式
に、天然配合ワックス(66〜75℃に融解したもの)液中
に通過させ、液中からフィルムが出てきた時に、ローラ
によりフィルムの両面に天然配合ワックスを 0.1〜10ミ
クロンの厚さで塗付を行い、常温または冷風にてフィル
ムを冷却させフィルムの両面に天然配合ワックスを固化
させ疎水層を両面に形成させた。
【0020】
【発明の効果】フィルムの表面にホットメルトにより、
天然配合ワックスを塗付し、疎水層を形成させる。天然
配合ワックスは塗付時にムラやヒビ割れを起こさず塗布
することができる。天然配合ワックス自体に伸展性があ
るため、容易に塗付を可能にした。さらに、フィルムの
柔軟性を損なうことなく天然配合ワックスにより疎水層
の形成を可能にした。フィルムを天然配合ワックスで塗
付したものは、耐透湿性に優れており、フィルムへの密
着性を向上させた天然配合ワックスである。
【0021】本発明の天然配合ワックスの適用される可
食性多糖フィルムは温水溶解性、酸素遮断性等の特性に
より食品包装材料として利用されている。しかし可食性
多糖フィルムは一般に耐透湿性に乏しいことから、包装
される内容物が水分を発散する場合安定的な長期保存が
困難であるが、これを本発明の可食性複合フィルムとす
ることによりその問題が解消される。
フロントページの続き (56)参考文献 特表 昭63−501921(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/00 A23L 1/36 - 1/48 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可食性多糖フィルムの片面または両面に
    米ヌカ蝋2〜10重量部、キャンデリラ蝋25〜35重量部お
    よび蜜蝋60〜70重量部を主体とした天然配合ワックスか
    らなる疎水層を形成したことを特徴とする耐透湿性の可
    食性多糖フィルム。
  2. 【請求項2】 天然配合ワックスの塗布厚さが0.1〜10
    μmである請求項1記載の耐透湿性の可食性多糖フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 米ヌカ蝋2〜10重量部、キャンデリラ蝋2
    5〜35重量部および蜜蝋60〜70重量部を主体とした天然
    配合ワックスを可食性多糖フィルムの片面または両面に
    ホットメルトにより塗布し、ローラによって疎水層の厚
    さを 0.1〜10μmに調整することを特徴とする耐透湿性
    の可食性多糖フィルムの製造方法。
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CN109610094A (zh) * 2018-12-17 2019-04-12 浙江大学 多层静电纺丝食品包装膜及其制备方法

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