JP3399373B2 - 比較的低分子の化合物を選択的に捕捉する特性を有する高分子材料、これを配合した被覆剤、これを利用した分離方法、分離材、機能性化合物等の検知方法および検知材料 - Google Patents

比較的低分子の化合物を選択的に捕捉する特性を有する高分子材料、これを配合した被覆剤、これを利用した分離方法、分離材、機能性化合物等の検知方法および検知材料

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JP3399373B2 JP28177498A JP28177498A JP3399373B2 JP 3399373 B2 JP3399373 B2 JP 3399373B2 JP 28177498 A JP28177498 A JP 28177498A JP 28177498 A JP28177498 A JP 28177498A JP 3399373 B2 JP3399373 B2 JP 3399373B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業材料として、
特定の用途に使用される化学系材料に混在していては性
能上好ましくなかったり、環境衛生上好ましくない化合
物(以下、これらの化合物を機能性化合物、又は有害性
分子等という。)、具体的にはビスフェノールA、を選
択的に捕捉または除去し得るように設計された高い吸着
率特性を持った高分子材料に関する。具体的には、塗
料、印刷インキ、接着剤等(以後、これらをまとめて被
覆剤ということもある。)に用いる樹脂、樹脂組成物、
またはその他の化学系材料から機能性化合物を選択的に
捕捉、または除去し得るように設計された高分子材料に
関する。更には前記高分子材料を配合した被覆剤、また
はこれを使用した機能性化合物の分離方法または分離
剤、並びに機能性化合物類似の化合物検出方法および検
出材料に関する。
【0002】
【従来技術】ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂等を重合または縮合により
製造するのに使用される原料低分子化合物等及びこれら
の樹脂に配合される可塑剤のあるものには、ステロイド
ホルモン様作用があるのではないかと最近問題になって
来ている(USEPA:Special Report
on environmental endocrine
disruption:Aneffects asse
ssment and analysis(Februa
ry 1997))。そして、前記原料低分子化合物
(あるいは、高分子化合物を製造する際に生成する低分
子量の副生物)が、高分子化合物を製造する際に、製品
としての高分子化合物中に残る場合がある。そしてこれ
らの、残留化合物や配合化合物が、食品容器などから、
また食物連鎖の中で、生体内に取り込まれ、多くの生物
にいろいろな問題、具体的には環境ホルモン等として生
物の生理機能に重大な問題を引き起こしていると考えら
れている。
【0003】生体内には化学物質の認識機構として、特
定の化学物質が細胞に存在する特異的レセプターに結合
することにより、それを化学言語として認識する仕組み
がある。例えば神経伝達物質は、神経細胞をつなぐ細胞
間隙内で一方の神経細胞から放出され、それが受け手で
あるもう一方の神経細胞膜のレセプターと結合すること
により神経細胞同士で情報を伝える役目をしている。ま
た、種々のホルモンは生体内で血液により輸送される臓
器間の情報伝達成分を構成していることは良く知られて
いる。これらは分子言語ともいわれ、ホルモンレセプタ
ーを介して生命機能を調節する役割をしている。また、
化学物質の認識機構として、ある微生物は細胞表層に栄
養物質を認識するレセプターを有し、外部の化学物質
が、該微生物にとって有用であるか否かの認識を該レセ
プターとの親和性(結合性)で感知し、親和性のあるも
のは細胞内へ取り込み栄養源にする機構を有している。
以上のように、生体内におけるレセプターは、外部の化
学物質を認識する役割をし、認識した結果を生体に伝え
て、生物の生理等の生体を制御している。
【0004】化学分野において、任意の分子を識別する
能力のある分子を設計・構築することは、種々の分野で
共通の大きなテーマとなっている。そして、ポリマーに
対して識別させたい分子の形を覚え込ませる、すなわち
インプリンティングし、その結果生じた穴または空隙を
利用して分子識別を行うという、モレキュラーインプリ
ンティングという技術がある。この応用技術が、特表平
6−510474号公報、特開平5−194617号公
報、特表平8−506320号公報、及び米国特許第5
110833号明細書等に記載されている。これらは、
モレキュラーインプリンテイング法(分子刻印法)また
はこれによる高分子化合物を、触媒、酵素、抗体等に使
用する技術である。前記特表平6−510474号公報
及び特表平8−506320号公報には、抗体の特性を
模倣した特異的結合部位を有する重合可能なモノマー及
び架橋モノマーを、プリント(刻印)分子の存在下で重
合させ、重合後前記プリント分子を取り除いて、前記プ
リント分子に相補的な特異的な部位を残すことによっ
て、人工抗体を得る方法及び抗体代替の人工抗体が記載
されている。しかし、これらが教示していることは、生
体における特定の成分を分離又は認識するものにすぎな
い。
【0005】ステロイドホルモンには女性ホルモンと男
性ホルモンがあり、これらは性器形成、発育、情動行
動、精子形成、卵細胞形成といった生命及び生理に関与
している。ところで、近年、種々の工業製品に使われて
いる化学物質中にステロイドホルモン様作用を有しるも
のがあることが、化学物質と生態系の異常の観察から確
認され、米国、EU加盟国、日本等で環境ホルモンなど
として社会問題化されている。また、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニルポリマーの製造に使用される低分子化合
物は変異原生が懸念されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、化学
系材料のlつである樹脂の合成に使用される原料モノマ
ーやこれからの副生物等、又は樹脂への配合物には、そ
れぞれその化学特性に基づく個別の問題点を有している
ことが解明されてきている。従って、樹脂合成後の製品
中に残留する、未反応乃至極めて低い重合又は縮合副生
物、又は反応時に添加される化学成分等を如何にして、
前記問題を発生させない状態にするか、換言すれば、捕
捉、固定して前記問題を発生させる化学的特性を封じ込
めるか、又は取り除くか、換言すれば、分離除去する
か、が大きな問題となってきている。
【0007】本発明者等は、前記先行文献に記載のもの
とは全く異なる工業用途に用いられる樹脂、樹脂組成物
または被覆剤あるいはその他の化学系材料に存在する前
記機能性化合物を選択的に捕捉または除去し得るように
設計された高分子材料がどのようにすれば得ることでき
るかを検討した。特に、塗料、印刷インキ、接着剤用の
樹脂または樹脂組成物として性能上または環境衛生上好
ましくない化合物(機能性化合物)、例えば食品包装材
等の用途に用いる前記樹脂または樹脂組成物に機能性化
合物が混在していた場合、該混在する機能性化合物を認
識し、前記高分子材料内に取り込むこにより機能性化合
物の環境への影響、より具体的には生体への影響を取り
除き(消減させ)乃至低減する作用・効果を有するよう
に設計された高分子材料を得ることを検討した。従っ
て、本発明は、基本的には、工業材料として特定の用途
に使用される化学系材料に混在している機能性化合物又
は有害性分子、具体的にはビスフェノールA、を選択的
に捕捉または除去し得るように設計された高分子材料を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、機
能性化合物の存在下に、捕捉性官能基として塩基性基ま
たは酸性基を有するホストモノマーと捕捉性官能基とし
て水酸基を有するホストモノマーとを含む反応性化合物
を重合反応させて得られたものから該機能性化合物を除
去して得られた、該機能性化合物を含む化学系材料に添
加または該機能性化合物を含む化学系材料と接触させる
ことにより該機能性化合物を選択的に捕捉または分離す
る特性を付与したものであることを特徴とする高分子材
料であり、好ましくは、塩基性基を捕捉性官能基として
有するホストモノマーとして4−ビニルピリジンまたは
1−ビニルイミダゾールを使用し、水酸基を捕捉性官能
基として有するホストモノマーとして2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートを使用することを特徴とする請求項
1に記載の高分子材料である。第2の発明は、機能性化
合物の存在下に、反応性化合物を重合反応させて得られ
たものから該機能性化合物を除去した後、低分子量のア
ルコールまたは水を含む低分子量のアルコールでコンデ
ィショニング処理した、該機能性化合物を含む化学系材
料に添加または該機能性化合物を含む化学系材料と接触
させることにより該機能性化合物を選択的に捕捉または
分離する特性を付与したものであることを特徴とする高
分子材料である。好ましくは、前記反応性化合物として
捕捉性官能基として塩基性基または酸性基を有するホス
トモノマーと捕捉性官能基として水酸基を有するホスト
モノマーとを含むものを用いるたことを特徴とする請求
項3に記載の高分子材料である。 第3の発明は、前記第
1または第2の発明の高分子材料を被覆材原料に添加し
た被覆剤であり、好ましくは、前記被覆剤は前記第1ま
たは第2の発明の高分子材料を添加した塗料、印刷イン
キまたは接着剤である。第4の発明は、前記第1または
第2の発明の高分子材料を、前期機能性化合物を含む化
学系材料に添加または前記機能性化合物を含む化学系材
料と接触させ、該機能性化合物を分離する分離方法であ
る。第5の発明は、前記第1または第2の発明の高分子
材料あるいは該材料を含有または保持してなる担持体
に、前記機能性化合物を含む化学系材料を接触または濾
過して、前記機能性化合物を分離または除去するための
分離材である。第6の発明は、前記第1または第2の発
明の高分子材料を、機能性化合物と構造類似化合物等を
含む対象物に対して使用し、前記化合物を検知する方法
である。第7の発明は、機能性化合物の構造類似化合物
等を含む対象物に対して使用して前記化合物を検知す
る、前記第1または第2の発明の高分子材料を使用した
検知材料である。
【0009】
【発明の実施の態様】本発明において、機能性化合物を
選択的に捕捉または分離する特性を付与したとは、機能
性化合物の形を特徴づけている官能基の種類及び該化合
物の空間的構造を選択的に捕らえる構造部が形成されて
いることを意味する。そして、前記選択的に捕らえる構
造部は、機能性化合物を選択的に捕らえ、すなわち捕捉
することによってそこに固定してしまい、その結果捕ら
えられた機能性化合物の有害性がなくなる乃至減少させ
る特性を有する所である。また別の観点からすると捕ら
えられた化合物は、該化合物が存在した化学系材料の系
から分離され除去されたことになるから、分離する特性
を有する所である。
【0010】モレキュラーインプリンテイング法とは、
特にバイオテクノロジーの分野において応用されてお
り、合成高分子からなるポリマーを用いた系であること
から、人工アフイニテイ材料の創製とも言われ、人工酵
素や人工抗体の製造に検討されている手法である。該方
法は、プリントさせたい分子である機能性化合物の存在
下でホストモノマーを重合させて高分子化合物を得、重
合後に前記プリント分子を高分子化合物から抽出等によ
り除去し、該高分子化合物中にプリント分子に対して相
補性を保持した、選択的にプリント分子に相当する化合
物を捕捉し得る構造の部位を形成せるものである。前記
重合は、またホスト/ゲスト重合やテンプレート重合と
も呼ばれている。前記高分子化合物の製造方法は、前記
プリントされる分子が抽出前の高分子化合物にどのよう
な結合によって保持されていたかによって、共有結合法
と非共有結合法に分類される。共有結合法とは、硼酸エ
ステル、アゾメチン、ジオール、アミド結合などの共有
結合によって高分子化合物に結合するものであり、正確
で分離能が高い捕捉構造部位の構造が形成されるとされ
ている。これに対して、非共有結合法は、イオン結合、
疎水性結合、水素結合などによって高分子化合物に結合
するものであり、種々のプリント化合物を使用できるか
ら、多様性がある。本発明においては、共有結合型のモ
レキュラーインプリンテイング法であっても、非共有結
合型のモレキュラーインプリンテイング法であってもよ
い。
【0011】前記反応性化合物としては、分子刻印法ま
たはモレキュラーインプリンテイング法において、プリ
ントする分子に結合する官能基(本明細書において、捕
捉性官能基という。)および重合性基(本明細書におい
て、構造固定官能基という。)を有する化合物として用
いられるホストモノマーとしては、例えば、(メタ)ア
クリレート類、ビニルベンゼン類およびビニル基を有す
る複素環芳香族化合物等の塩基性基を持つ化合物、また
はカルボキシル基、スルホン酸基からなる酸性基、水酸
基、アミノ基、シアノ基等を基を持つ化合物、例えば、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の化合物を挙げ
ることができる。そして本発明の高分子材料を製造する
には、前記ホストモノマーを1種または2種以上、およ
び2以上のビニル基等の重合性基を有する架橋剤を主剤
として使用する。その他の重合性基を有するモノマーを
使用することができる。2以上のビニル基等の重合性基
を有する架橋剤は、インプリントの骨格の性質を支配す
るもので、前記官能基を有するモノマーとの配合比によ
りインプリントの骨格の特性を変化させる。前記架橋剤
としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコ
ールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、グリセロールジメタクリレート、グリセロ−ルモ
ノマタクリレ−トモノアクリレ−ト、テトラメチレング
リコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラメタクリレート等の二重結合を2つ以上有する化合物
が使用される。3ないし4以上の重合性基を有する化合
物を使用することは安定な構造を形成する意味から好ま
しい。前記官能基を含む重合性基を有するホストモノマ
ーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピリジン、
ビニルイミダゾール、グリシジルメタクリレート、酢酸
ビニル等を挙げることができ、これらを1種または2種
以上を使用しる。好ましくは、ホストモノマーとして、
異なる捕捉性官能基を有する2種以上の重合性化合物、
例えば塩基性基または酸性基を有するホストモノマーと
水酸基基を有するホストモノマーを併用することによっ
て、得られる高分子化合物の吸着特性を種々に変化させ
ることができる。例えば、水酸基を有するホストモノマ
ーである2−ヒドロキシエチルメタクリレートと塩基性
基を有するホストモノマーである4−ビニルピリジンま
たは1−ビニルイミダゾールを併用することによって、
機能性化合物の吸着特性を変えた優れた高分子材料が得
られる。その他のモノマーとしては、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、スチレン等を挙げることができる。
【0012】機能性化合物とは、比較的低分子化合物で
あり、通常使用材料中に存在しないことが望ましい化合
物であり、化学系材料の中に含まれている可能性がある
もの、あるいは、使用中または使用後に生ずる化合物類
である。例えば、化学系材料の性能に悪影響を及ぼす物
質、生体に対して悪影響のある物質、衛生性等の問題が
予測される物質等であり、例えばノニルフェノール、ブ
チルフェノール、ジクロロフェノール、ビスフェノール
A、スチレン、スチレンダイマー、スチレントリマー、
オクタクロロスチレン、フタル酸ブチル、フタル酸プロ
ピル、フタル酸へキシル、フタル酸ペンチル、フタル酸
ジクロロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸
ジエチルヘキシル、ポリ臭化ビフェニル、アジピン酸ジ
エチルヘキシル、酢酸ビニル、塩化ビニル等を挙げるこ
とができる。本発明においては、特に被覆剤で使用され
ているビスフェノールAを問題化合物として、捕捉また
は分離の対象としている。反応性化合物中に配合する機
能性化合物は、前記ホストモノマー1モルに対して、例
えば、0.001〜1モル、好ましくは0.01−0.
7モル、より好ましくは0.02〜0.5モル程度存在
させる。
【0013】反応系には、その他に、重合開始剤、溶
剤、界面活性剤、分散安定剤、膨潤助材等が使用され
る。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)等であり、溶
剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、低級アル
コール、クロロホルム、ヘキサン等である。反応方法と
しては、多段階膨潤重合法、懸濁重合、バルク重合、シ
ード重合、分散重合等であり、重合条件としては、例え
ば40〜120℃で加熱する、または紫外線、電子線等
の活性エネルギー線照射を行う。ここで、多段階膨潤重
合とは、シード重合を効率よく行うため、高沸点有機溶
剤または可塑剤で種ポリマーを予め膨潤させて、次に重
合性化合物を滴下させる重合方法をいう。シード重合
は、粒径の均一な粒子が得られ易いことから、好ましい
重合法である。
【0014】本発明の高分子材料を利用する、カラム型
の機能性化合物の分離材は、必要によりフイルターを底
に置いた前記カラム内に反応性材料を充填し、重合反応
を行い、重合後に前記機能性化合物を抽出除去すること
により、機能性化合物を選択的に捕捉または分離する特
性を付与した高分子材料を得ることによって製造するこ
とができる。得られた高分子材料(重合体)から、機能
性化合物は、これらが非共有結合している場合には、溶
剤等で抽出または洗浄することによって除去することが
できる。共有結合している場合には、化学的方法による
除去を用いることがよい。このようにして得られた高分
子材料を、低分子のアルコールや水を含む低分子のアル
コールでコンディショニング処理することによって、吸
着率の特性を著しく改善できる。必要に応じて、機能性
化合物を除去した高分子化合物(重合体)を粉砕し、使
用目的に従って、粒度を調整する。例えば、50〜30
0μmの粒度にすることもできるが、得られた高分子化
合物の粒度のままで使用することもできる。また、機能
性化合物を高分子化合物から除去する工程を、粉砕した
後とすることができる。好ましくは均一な粒度を有する
重合方法、例えばシード重合法を採用するのが好まし
い。
【0015】本発明において、化学系材料とは、生体材
料と対比されるものであり、主たる成分が人工的化学物
質からなるものであり、主に有機系化学材料を指す。但
し、天然物を一部に含有するものや、天然物および人工
的化学材料の混合物も、当然化学系材料に含まれる。化
学系材料の1例である被覆剤としては、水性塗料、有機
溶剤型塗料、反応硬化型塗料(熱、紫外線、電子線
等)、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソイ
ンキ、スクリーンインキ、水性接着剤、有機溶剤型接着
剤、反応硬化型接着剤、ホットメルト接着剤等であり、
それらの用途の観点からは、包装材用塗料、包装材用印
刷インキ、包装材用接着剤、半導体封止剤等である。本
発明の選択的な捕捉及び分離特性を付与した高分子材料
(化合物)を用いて、樹脂、樹脂組成物または被覆剤あ
るいはその他の化学系材料から機能性化合物を捕捉また
は分離するには、前記高分子材料を、樹脂、樹脂組成物
または被覆剤あるいはその他の化学系材料へそのまま添
加する方法、前記高分子材料を充填したカラムに、前記
溶液伏の樹脂、樹脂組成物または被覆剤あるいはその他
の化学系材料を通す方法、前記高分子材料の固定化膜
に、溶液伏の樹脂、樹脂組成物または被覆剤あるいはそ
の他の化学系材料を通し濾過する方法等を採用すること
ができる。前記選択的な捕捉及び分離に本発明の高分子
材料(化合物)を用いるに際して、該高分子化合物を支
持体、または担持体に保持させて使用することもでき
る。支持体または担持体の材質としては、ポリマー等の
有機材料、ガラス、シリカ等の無機材料を、使用するこ
とができ、それらを粒子、シート等の形状で使用でき
る。
【0016】本発明の高分子材料(化合物)は、前記機
能性化合物に対してだけでなく、該機能性化合物の構造
類似体に対しても適用することが可能であり、これら構
造類似体化合物が含まれている可能性がある対象物また
は未知の対象物に対して、構造類似体化合物が含まれて
いるかどうかを検知する方法または検知材料としても使
用できる。前記機能性化合物から予想される、構造類似
体化合物の潜在的機能性、例えば毒性、衛生性等を評価
したり、その程度を予測することも可能である。 この
ような本発明の化合物の利用は、環境測定・評価法とい
うことができる。本発明を前記用途に使用する際、必要
に応じてサイクロデキストリン等の包接化合物や、その
他の機能性化合物を捕捉または分離できる材料と併用す
ることもできる。
【0017】
【実施例】次に実施例により、本発明を説明する。実施
例は、本発明の1実施態様であり、本発明が実施例のみ
に制限されるものではない。なお、例中「部」、「%」
はそれぞれ重量部、重量%を示す。参考例1 重合方法;ポリスチレンを使用したシード重合。平均粒
度1μmのポリスチレン、膨潤助剤(高沸点有機溶剤) 界面活性剤:ドデシル硫酸ナトリウムおよび水に、ジビ
ニルベンゼン/4−ビニルピリジン/ビスフェノールA
(モル比100/50/1.5)、重合開始剤(BP
O)、ポリビニルアルコール、ドデシル硫酸ナトリウ
ム、トルエン、水を均一に分散したものを添加し、膨潤
を行ない、重合を行なった。反応物をメタノールおよび
テトラヒドロフラン(THF)で洗浄し、ビスフェノー
ルAを除去した。得られた高分子化合物の平均粒径は5
μmであった。
【0018】参考例2 参考例1 において、ジビニルベンゼン/4一ビニルピリ
ジン/ビスフェノールAの配合比(モル比)を100/
24/1.5に変えた以外は、参考例1と同様にして高
分子化合物を得た。
【0019】参考例3 参考例1 において、ジビニルベンゼン/4−ビニルピリ
ジン/ビスフェノールA(モル比100/24/1,
5)の、架橋剤及び4−ビニルピリジンをそれぞれエチ
レングリコールジメタクリレート及び2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートに変え、エチレングリコールジメタ
クリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ビ
スフェノールA(モル比100/48/1.5)とした
以外は、参考例1と同様にして高分子化合物を得た。
【0020】比較例1 ポリスチレン、膨潤助剤、ドデシル硫酸ナトリウムおよ
び水に、重合開始剤(BPO)、ポリビニルアルコー
ル、ドデシル硫酸ナトリウム、トルエン、水を均一に分
散したものを添加し、次にジビニルベンゼン、ポリビニ
ルアルコール、ドデシル硫酸ナトリウム、水を均一に分
散したものを添加し、膨潤を行ない、重合を行なった。
反応物をメタノールおよびTHFで洗浄した。 比較例2 比較例1において、ジビニルベンゼンの代わりにエチレ
ングリコールジメタクリレートを使用した以外は、比較
例1と同様にして、反応物を得、洗浄した。
【0021】参考例1〜3および比較例l〜2で得られ
た高分子化合物を使用して、ビスフェノールAの捕捉ま
たは吸着率を試験した。 〔定量条件〕 カラム: CAPCELL PAK CI8(資生堂株式
会社製) 4.6mm(I,D.)×150mm 流速: 1.0m1/min 温度: 30℃ 検出器: UV270nm 移動相: バッファー:0.1Mクエン酸/クエン酸ト
リナトリウム(pH4.0) メタノール:バッファー=1:1
【0022】(定量方法) 本発明の高分子化合物が、ビスフェノールAを含む組成
の違いにより、吸着特性に違いがあるかどうかを知るた
めに以下のサンプル1及びサンプル2を用いた。サンプ
ル1:アニソール(1.08mg/m1)およびビスフ
ェノールA(0.99mg/m1)を1−オクタノール
に溶解させた。サンプル2:n一ブタノール/キシロー
ル/メチルカルビノール/メチルイソブチルケトン/シ
クロヘキサノン(重量比、1/1.95/0.76/
1.14/0.57)の溶剤に、フェノール樹脂(0.
30mg/m1)およびビスフェノールA(0.02m
g/m1)を溶解させた。吸着率の測定:参考例および
比較例で得られた高分子化合物の粒子1部に対してサン
プル1または2を10部加え、5分間の超音波振とうの
後、2時間撹拌を行った。粒子への吸着率(%)は、市
販ODSカラムを用い調整したサンプルとの面積比より
求めた。結果を表1および表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】このことから、本発明の高分子化合物が、
ビスフェノールAの吸着、除去の資材として有効である
ことが解る。また、機能性官能基を有するホストモノマ
ーである4−ビニルピリジンの組成比が大きい高分子化
合物の方が吸着率が高いことが解った。また、サンプル
1を使用した実験(ここには記載されていない)から、
機能性官能基を有するホストモノマーである4−ビニル
ピリジンの組成比が大きい高分子化合物の方がビスフェ
ノールAの吸着率もアニソールより大きくなることも確
認されている。
【0025】
【表2】
【0026】サンプル1と2との吸着率の違いから、機
能性化合物の存在する環境と吸着とに相関があることが
解る。比較例における吸着量は、吸着物質の選択性はな
いが、吸着性を有することを意味する。
【0027】実施例1 塊状重合法を用いた。エチレングリコールジメタクリレ
ート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ビスフェ
ノールA(モル比100/48/1.5)を、重合開始
剤(BPO)、トルエンと共に、塊伏重合させ、粉砕機
によって、粉砕して粒状とした。反応物をメタノールお
よびTHFで洗浄し、ビスフェノールAを除去した。得
られた高分子化合物の平均粒径は約70μmであった。 〔定量条件〕参考例1〜3の条件と同一 〔定量方法〕 得られた高分子化合物を以下の(1)〜(4)の調整を
行って、ガラスカラムに1g加え、前記サンプル2を注
人、送液を行い、1m1(ミリリットル)採取し、ビス
フェノールAの捕捉または吸着率を求めた。 吸着率の測定:参考例1〜3と同一 (1)ガラスカラムに高分子化合物を加え、そのまま送
液を行う方法。 (2)高分子化合物をメタノールによるコンデイショニ
ングを行い、減圧下でメタノールを除去して、乾燥させ
た。 (3)高分子化合物をメタノールによるコンデイショニ
ングを行い、高分子化合物をメタノールで濡らした状
態。 (4)高分子化合物を90%メタノール水溶液によるコ
ンデイショニングを行い、高分子化合物を90%メタノ
ール水溶液で濡らした伏態。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】表3から明らかなように、コンデイショニ
ングを行うことによって、吸着率にかなりの差が見られ
た。すなわち、コンデイショニングを行うことによっ
て、吸着率が向上することが確認された。特に、水を含
む溶液の処理が最も吸着率が大きな値を示した。実施例
2及び3は、異なる捕捉性官能基を持つホストモノマー
(塩基性基を有するホストモノマーと水酸基を有するホ
ストモノマー)を併用した(ダブルホスト)高分子化合
物の機能性化合物の吸着特性を試験するためのものであ
る。実施例2 ジビニルベンゼン/4−ビニルピリジン/2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート/ビスフェノールA(モル比1
00/12/38/1.5)を実施例1と同様にして重
合させた後、洗浄し、粉砕して高分子化合物を得た。
【0030】実施例3 ジビニルベンゼン/4−ビニルピリジン/2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート/ビスフェノールA(モル比1
00/38/12/1.5)を実施例1と同様にして重
合させた後、洗浄し、粉砕して高分子化合物を得た。
施例2で得られた高分子化合物を使用して、実施例
のコンデイショニング(4)を施し、ビスフェノール
Aの吸着率を求めた。結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】表4から明らかなよう、実施例2
は、異なる捕捉性官能を持つホストモノマーを2種使用
することにより、吸着率が向上したものと思われる。そ
の場合ホストモノマーのモル比も吸着に影響することが
予想される。参考例4 この参考例は、得られた高分子化合物をカラムに詰めて
使用する(連続使用を想定した)場合の供給液滴量と吸
着率との関係を見たものである。ジビニルベンゼン/4
−ビニルピリジン/ビスフェノールA(モル比100/
50/1.5)を実施例1と同様にして重合させた後、
洗浄し、粉砕して高分子化合物を得た。得られた高分子
化合物をガラスカラムに詰め、下記サンプル3を送液
し、得られた液滴ごとのビスフェノールAの吸着率を求
めた。結果を表5に示す。サンプル3:ビスフェノール
Aを1−ブタノールに溶解させた(ビスフェノールAの
濃度2%)。
【0033】
【表5】
【0034】表5から明らかなように、液滴の初留のほ
うでは吸着率が非常に高いことが確認された。初留にお
ける吸着率を有効に活用するために、実用上は、連続的
に初留に近い状態を維持することが好ましく、カラムの
定期的な交換や洗浄工程を含む循環方式を行うこともで
きる。実施例4 実施例3 と同様にして、ジビニルベンゼン/1−ビニル
イミダゾール/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/
ビスフェノールA(モル比100/38/12/1.
5)を、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリ
ルを使用して、トルエンと共に、塊状重合させ、同様に
して、洗浄し、粉砕して高分子化合物を得た。
【0035】実施例5 実施例4 と同様にして、ペンタエリスリトールテトラメ
タクリレート/1−ビニルイミダゾール/2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート/ビスフェノールA(モル比1
00/12/38/1.5)を、同様にして、塊状重合
させ、洗浄し、粉砕して高分子化合物を得た。実施例6 実施例4 と同様にして、ペンタエリスリトールテトラメ
タクリレート/1−ビニルイミダゾール/2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート/ビスフェノールA(モル比1
00/38/12/1.5)を、同様にして、塊状重合
させ、洗浄し、粉砕して高分子化合物を得た。実施例7 実施例4 と同様にして、ペンタエリスリトールテトラメ
タクリレート/4−ビニルピリジン/2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート/ビスフェノールA(モル比100
/38/12/1.5)を、同様にして、塊状重合さ
せ、洗浄し、粉砕して高分子化合物を得た。実施例3
よび実施例5で得られた高分子化合物を使用して、
サンプル1に対する吸着率を測定した。結果を表6に示
す。
【0036】
【表6】
【0037】表6の結果から、異なる捕捉性官能基を有
するホストモノマーを併用した高分子化合物(ダブルホ
スト)において、塩基性官能基を有するホストモノマー
である4−ビニルピリジンまたは1−ビニルイミダゾー
ルのモル比が大きいとき、吸着量が大きくなる傾向が見
られ、実施例5と6の比較から、1−ビニルイミダゾー
ルをホストモノマーとして用いた場合にはモル比が吸着
選択性にも大きく影響することが理解される。実施例
で得られた高分子化合物を使用して、90%メタ
ノール水溶液によるコンディショニングを施した後、サ
ンプル2に対する吸着率を測定した。実施例6の高分子
化合物を使用したものを実施例8、そして実施例7の高
分子化合物を使用したものを実施例9とした。結果を表
7に示す。
【0038】
【表7】
【0039】実施例3、4で得られた高分子化合物を使
用して、ビスフェノールAを溶解している系が水を含ん
でいる場合、吸着が有利に働くかを確認するため、サン
プル3(ビスフェノールAをエタノールに溶解した。濃
度は0.99mg/ml)およびサンプル4(ビスフェ
ノールAを90%エタノール水溶液に溶解した。濃度は
1.01mg/ml)を、実施例3、4で得られた高分
子化合物を詰めたガラスカラムに送液することにより吸
着率の検討を行った。実施例3の高分子化合物を使用し
たものを実施例10、そして実施例4の高分子化合物を
使用したものを実施例11とした。結果を表8に示す。
水を含んだ系が、水を含んでいない系よりも吸着率が高
い値を示した。
【0040】
【表8】
【0041】
【発明の効果】表3ないし表8から明らかなように、機
能性化合物(プリント分子)を使用し、捕捉性官能基と
して塩基性基または酸性基を有するホストモノマーと捕
捉性官能基として水酸基を有するホストモノマーとを併
用することおよび/または機能性化合物の存在下に、反
応性化合物を重合反応させて得られたものから該機能性
化合物を除去した後、低分子量のアルコールまたは水を
含む低分子量のアルコールでコンディショニング処理し
たことて得られた高分子化合物実施例1〜11は、前記
機能性化合物(プリント分子)を用いない参考例1〜
4、比較例1、2と比較して、機能性化合物(プリント
分子)に対する吸着率は高い値を示した。すなわち、吸
着選択性が高いことが示された(特に表6参照)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 11/02 C09D 11/02 133/14 133/14 139/04 139/04 C09J 133/04 C09J 133/04 133/14 133/14 G01N 30/48 G01N 30/48 G M Z // C07B 63/02 C07B 63/02 Z (56)参考文献 特開 平5−194617(JP,A) 特開 昭52−156792(JP,A) 特表 平8−506320(JP,A) 特表 平6−510474(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/00 - 20/34

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能性化合物の存在下に、捕捉性官能基
    として塩基性基または酸性基を有するホストモノマーと
    捕捉性官能基として水酸基を有するホストモノマーとを
    含む反応性化合物を重合反応させて得られたものから該
    機能性化合物を除去して得られた、該機能性化合物を含
    む化学系材料に添加または該機能性化合物を含む化学系
    材料と接触させることにより該機能性化合物を選択的に
    捕捉または分離する特性を付与したものであることを特
    徴とする高分子材料。
  2. 【請求項2】 塩基性基を捕捉性官能基として有するホ
    ストモノマーとして4−ビニルピリジンまたは1−ビニ
    ルイミダゾールを使用し、水酸基を捕捉性官能基として
    有するホストモノマーとして2−ヒドロキシエチルメタ
    クリレートを使用することを特徴とする請求項1に記載
    の高分子材料。
  3. 【請求項3】 機能性化合物の存在下に、反応性化合物
    を重合反応させて得られたものから該機能性化合物を除
    去した後、低分子量のアルコールまたは水を含む低分子
    量のアルコールでコンディショニング処理した、該機能
    性化合物を含む化学系材料に添加または該機能性化合物
    を含む化学系材料と接触させることにより該機能性化合
    物を選択的に捕捉または分離する特性を付与したもので
    あることを特徴とする高分子材料
  4. 【請求項4】 機能性化合物の存在下に、捕捉性官能基
    として塩基性基または酸性基を有するホストモノマーと
    捕捉性官能基として水酸基を有するホストモノマーとを
    含む反応性化合物を重合反応させて得られたものから該
    機能性化合物を除去した後、低分子量のアルコールまた
    は水を含む低分子量のアルコールでコンディショニング
    処理した、該機能性化合物を含む化学系材料に添加また
    は該機能性化合物を含む化学系材料と接触させることに
    より該機能性化合物を選択的に捕捉または分離する特性
    を付与したものであることを特徴とする高分子材料
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4に記載の選択
    的に捕捉または分離する特性を付与した高分子材料を配
    合したことを特徴とする被覆剤。
  6. 【請求項6】 被覆剤が塗料、印刷インキまたは接着剤
    である請求項5記載の被覆剤。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、または4記載の高分
    子材料を機能性化合物を含む化学系材料に添加または機
    能性化合物を含む化学系材料と接触させ前記機能性化合
    物を分離または除去する方法。
  8. 【請求項8】 機能性化合物を含む化学系材料を添加ま
    たは機能性化合物を含む化学系材料と接触させ前記機能
    性化合物を分離または除去するための請求項1、2、
    3、または4記載の高分子材料からなるまたは該材料を
    含有または担持体に保持させてなる機能性化合物の分離
    材。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、または4記載の選択
    的に捕捉または分離する特性を付与した高分子材料を使
    用することを特徴とする機能性化合物の検出方法。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、または4記載の選
    択的に捕捉または分離する特性を付与した高分子材料の
    使用した機能性化合物の検出材料。
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