JP3398613B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化合物半導体電界効
果トランジスタ,例えば化合物半導体中に生成された高
電子移動度の2次元電子ガスを利用する電界効果トラン
ジスタ(HEMT)に関し,とくにゲートリーク電流の
少ない電界効果トランジスタの構造に関する。
果トランジスタ,例えば化合物半導体中に生成された高
電子移動度の2次元電子ガスを利用する電界効果トラン
ジスタ(HEMT)に関し,とくにゲートリーク電流の
少ない電界効果トランジスタの構造に関する。
【0002】携帯用通信機器用の電力増幅器では単一電
源を実現するため,バイアス用の負電源が不要なエンハ
ンスメント型の電界効果トランジスタが使用される。し
かし,エンハンスメント型電界効果トランジスタは,A
B乃至C級で使用すると入力電力の増加とともにゲート
リーク電流が増大する。その結果,増幅器の直線性が劣
化し,また出力効率が低下する。これでは通信機器の漏
話特性又は省電力特性が損なわれる。そこで,AB乃至
C級動作においてもゲートリーク電流が少ないエンハン
スメント型電界効果トランジスタが要望されている。
源を実現するため,バイアス用の負電源が不要なエンハ
ンスメント型の電界効果トランジスタが使用される。し
かし,エンハンスメント型電界効果トランジスタは,A
B乃至C級で使用すると入力電力の増加とともにゲート
リーク電流が増大する。その結果,増幅器の直線性が劣
化し,また出力効率が低下する。これでは通信機器の漏
話特性又は省電力特性が損なわれる。そこで,AB乃至
C級動作においてもゲートリーク電流が少ないエンハン
スメント型電界効果トランジスタが要望されている。
【0003】
【従来の技術】一般に,HEMT等で代表される化合物
半導体のヘテロ接合を利用した電界効果トランジスタで
は,ゲート電極電圧が電子走行層に有効に印加されるよ
うに,ゲート電極と電子供給層との間にi型半導体から
なるショットキ層が設けられる。デプレッション動作の
トランジスタではこのショットキ層を広禁制帯幅の半導
体層とすることで,デプレッション動作におけるゲート
リーク電流を無視し得る程度にまで低減できる。以下,
従来の電界効果トランジスタについて説明する。
半導体のヘテロ接合を利用した電界効果トランジスタで
は,ゲート電極電圧が電子走行層に有効に印加されるよ
うに,ゲート電極と電子供給層との間にi型半導体から
なるショットキ層が設けられる。デプレッション動作の
トランジスタではこのショットキ層を広禁制帯幅の半導
体層とすることで,デプレッション動作におけるゲート
リーク電流を無視し得る程度にまで低減できる。以下,
従来の電界効果トランジスタについて説明する。
【0004】図5は従来例断面図であり,従来のデプレ
ッション型電界効果トランジスタ(HEMT)の断面構
造を表している。図5を参照して,従来のデプレッショ
ン型電界効果トランジスタでは,例えばGaAs基板1
表面にi型AlGaAsバッファ層2が堆積され,その
上にi型InGaAs電子走行層3,n型AlGaAs
電子供給層4,i型AlGaAsショットキ層5が順次
堆積される。ショットキ層5上表面にゲート電極8が設
けられ,さらにこのゲート電極8の外側のショットキ層
5上表面を被覆するi型GaAsキャップ層6が設けら
れる。ソース電極10及びドレイン電極9は,キャップ
層6上のゲート電極8に接触しない位置に配置されたn
型GaAsコンタクト層15上に設けられる。
ッション型電界効果トランジスタ(HEMT)の断面構
造を表している。図5を参照して,従来のデプレッショ
ン型電界効果トランジスタでは,例えばGaAs基板1
表面にi型AlGaAsバッファ層2が堆積され,その
上にi型InGaAs電子走行層3,n型AlGaAs
電子供給層4,i型AlGaAsショットキ層5が順次
堆積される。ショットキ層5上表面にゲート電極8が設
けられ,さらにこのゲート電極8の外側のショットキ層
5上表面を被覆するi型GaAsキャップ層6が設けら
れる。ソース電極10及びドレイン電極9は,キャップ
層6上のゲート電極8に接触しない位置に配置されたn
型GaAsコンタクト層15上に設けられる。
【0005】このように従来のデプレッション型電界効
果トランジスタでは,ショットキ層と電子供給層とを同
一組成とし,さらにAlx Ga1-x Asからなる電子供
給層4及びショットキ層5のAl組成比xを,結晶成長
の際に結晶欠陥を生じさせない組成範囲,例えばx=
0.2〜0.3程度に選定している。かかるAl組成比
のショットキ層5は,禁制帯幅が比較的大きく,デプレ
ッション型電界効果トランジスタに要求される十分な絶
縁性を有する。従って,ショットキ層5を通過してゲー
ト電極8と電子走行層3間を流れるゲートリーク電流は
実用上問題にならない程に抑制される。
果トランジスタでは,ショットキ層と電子供給層とを同
一組成とし,さらにAlx Ga1-x Asからなる電子供
給層4及びショットキ層5のAl組成比xを,結晶成長
の際に結晶欠陥を生じさせない組成範囲,例えばx=
0.2〜0.3程度に選定している。かかるAl組成比
のショットキ層5は,禁制帯幅が比較的大きく,デプレ
ッション型電界効果トランジスタに要求される十分な絶
縁性を有する。従って,ショットキ層5を通過してゲー
ト電極8と電子走行層3間を流れるゲートリーク電流は
実用上問題にならない程に抑制される。
【0006】しかし,エンハンスメント型電界効果トラ
ンジスタでは,スレッショルド電圧を正電位に制御する
ために,ゲート電極と電子走行層との間の距離を短くす
る必要があり,必然的にショットキ層を薄くする必要が
ある。このため,ゲート電極からショットキ層を通り電
子走行層へと流れるゲートリーク電流が大きくなってし
まう。とくに,高周波電力増幅用としてB級又はC級の
動作をさせる場合は,ゲート電位に大きな正電位が印加
されるため,ゲートリーク電流の増加が著しい。このゲ
ートリーク電流の増加は,電力増幅器の歪率を悪化させ
るだけではなく消費電力も増大させる。
ンジスタでは,スレッショルド電圧を正電位に制御する
ために,ゲート電極と電子走行層との間の距離を短くす
る必要があり,必然的にショットキ層を薄くする必要が
ある。このため,ゲート電極からショットキ層を通り電
子走行層へと流れるゲートリーク電流が大きくなってし
まう。とくに,高周波電力増幅用としてB級又はC級の
動作をさせる場合は,ゲート電位に大きな正電位が印加
されるため,ゲートリーク電流の増加が著しい。このゲ
ートリーク電流の増加は,電力増幅器の歪率を悪化させ
るだけではなく消費電力も増大させる。
【0007】ショットキ層の禁制帯幅を広くして,かか
るゲートリーク電流を抑制したpチャネル電界効果トラ
ンジスタの発明が公開特許公報の特開平9─27052
2に開示されている。図6は他の従来例断面図であり,
この公報に開示された広禁制帯幅のショットキ層を備え
た電界効果トランジスタの断面を表している。この発明
に係る電界効果トランジスタは,図6を参照して,Ga
Asチャネル層12上にAl0.8 Ga0.2 Asからなる
バリア層13が堆積され,その上にゲート電極8が形成
される。このバリア層13内の電子走行層近傍にBeデ
ルタドープ層14が設けられ,このBeデルタドープ層
14からチャネル層12に正孔が供給される。
るゲートリーク電流を抑制したpチャネル電界効果トラ
ンジスタの発明が公開特許公報の特開平9─27052
2に開示されている。図6は他の従来例断面図であり,
この公報に開示された広禁制帯幅のショットキ層を備え
た電界効果トランジスタの断面を表している。この発明
に係る電界効果トランジスタは,図6を参照して,Ga
Asチャネル層12上にAl0.8 Ga0.2 Asからなる
バリア層13が堆積され,その上にゲート電極8が形成
される。このバリア層13内の電子走行層近傍にBeデ
ルタドープ層14が設けられ,このBeデルタドープ層
14からチャネル層12に正孔が供給される。
【0008】かかるpチャネル電界効果トランジスタで
は,ショットキ層として機能するバリア層13のAl組
成比がx=0.8と大きく,バリア層13が上述した従
来の電界効果トランジスタのショットキ層より広い禁制
帯幅をもつため,バリア層13を通過して流れるゲート
リーク電流を非常に小さくすることができる。しかし上
記pチャネル電界効果トランジスタでは,チャネル層1
2上にAl組成比の大きなバリア層13を直接堆積する
ため,チャネル層12とバリア層13との界面に結晶性
の乱れに起因する欠陥が生じやすい。この欠陥は電界効
果トランジスタの電気的特性を劣化させる。
は,ショットキ層として機能するバリア層13のAl組
成比がx=0.8と大きく,バリア層13が上述した従
来の電界効果トランジスタのショットキ層より広い禁制
帯幅をもつため,バリア層13を通過して流れるゲート
リーク電流を非常に小さくすることができる。しかし上
記pチャネル電界効果トランジスタでは,チャネル層1
2上にAl組成比の大きなバリア層13を直接堆積する
ため,チャネル層12とバリア層13との界面に結晶性
の乱れに起因する欠陥が生じやすい。この欠陥は電界効
果トランジスタの電気的特性を劣化させる。
【0009】他方,上述したショットキ層を流れるゲー
トリーク電流の他に,図5を参照して,キャップ層6を
流れるゲートリーク電流がある。キャップ層6は,ショ
ットキ層5の上面に設けられた狭禁制帯幅の絶縁性の化
合物半導体,例えばi型GaAs層からなり,Alを含
有するショットキ層5の酸化及び表面準位の生成を防止
する。しかし,このキャップ層6は狭禁制帯幅の半導体
からなるため,リーク電流が流れやすい。従来の電界効
果トランジスタでは,キャップ層6の一端はゲート電極
8に接触し,かつキャップ層6の他端はソース又はドレ
イン電極10,9に直接又はコンタクト層15を介して
接触している。このため,キャップ層6を通るゲートリ
ーク電流が大きくなりやすい。
トリーク電流の他に,図5を参照して,キャップ層6を
流れるゲートリーク電流がある。キャップ層6は,ショ
ットキ層5の上面に設けられた狭禁制帯幅の絶縁性の化
合物半導体,例えばi型GaAs層からなり,Alを含
有するショットキ層5の酸化及び表面準位の生成を防止
する。しかし,このキャップ層6は狭禁制帯幅の半導体
からなるため,リーク電流が流れやすい。従来の電界効
果トランジスタでは,キャップ層6の一端はゲート電極
8に接触し,かつキャップ層6の他端はソース又はドレ
イン電極10,9に直接又はコンタクト層15を介して
接触している。このため,キャップ層6を通るゲートリ
ーク電流が大きくなりやすい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように,電子
供給層及びショットキ層のAl組成比を同一とする従来
の電界効果トランジスタでは,電子供給層及びショット
キ層を結晶性よく堆積する見地から,電子供給層及びシ
ョットキ層のAl組成比をあまり大きくすることができ
ず,ショットキ層の禁制帯幅が狭く制限される。このた
め,従来の構造によりエンハンスメント型電界効果トラ
ンジスタを形成したのでは,ゲートリーク電流が大きく
なるという欠点がある。また,電子走行層上に直接Al
組成比の大きな電子供給層乃至ショットキ層を堆積する
構造では,電子走行層と電子供給層の界面の結晶性が悪
いため,電界効果トランジスタの電気的特性が劣化する
という問題がある。
供給層及びショットキ層のAl組成比を同一とする従来
の電界効果トランジスタでは,電子供給層及びショット
キ層を結晶性よく堆積する見地から,電子供給層及びシ
ョットキ層のAl組成比をあまり大きくすることができ
ず,ショットキ層の禁制帯幅が狭く制限される。このた
め,従来の構造によりエンハンスメント型電界効果トラ
ンジスタを形成したのでは,ゲートリーク電流が大きく
なるという欠点がある。また,電子走行層上に直接Al
組成比の大きな電子供給層乃至ショットキ層を堆積する
構造では,電子走行層と電子供給層の界面の結晶性が悪
いため,電界効果トランジスタの電気的特性が劣化する
という問題がある。
【0011】さらに,キャップ層にゲート電極及びソー
ス・ドレイン電極が接触する構造の従来の電界効果トラ
ンジスタでは,キャップ層を流れるゲートリーク電流が
大きいという欠点がある。
ス・ドレイン電極が接触する構造の従来の電界効果トラ
ンジスタでは,キャップ層を流れるゲートリーク電流が
大きいという欠点がある。
【0012】本発明は,Al組成比が0.5を超える広
禁制帯幅のショットキ層を用いてゲートリーク電流を低
減すると同時に,電気的特性に大きな影響を及ぼす電子
走行層と電子供給層との界面の結晶性を良好にして電気
特性の劣化を防止することを目的としている。
禁制帯幅のショットキ層を用いてゲートリーク電流を低
減すると同時に,電気的特性に大きな影響を及ぼす電子
走行層と電子供給層との界面の結晶性を良好にして電気
特性の劣化を防止することを目的としている。
【0013】また,キャップ層をソース・ドレイン電極
から分離することで,ゲートリーク電流の一層の低減を
図ることを目的としている。
から分離することで,ゲートリーク電流の一層の低減を
図ることを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】図1及び図3はそれぞれ
本発明の第一及び第二実施形態例の断面図であり,エン
ハンスメント型電界効果トランジスタの断面を表してい
る。
本発明の第一及び第二実施形態例の断面図であり,エン
ハンスメント型電界効果トランジスタの断面を表してい
る。
【0015】上記課題を解決するために,図1を参照し
て,本発明の第一の構成は,InGaAs又はGaAs
からなる電子走行層3と,該電子走行層3上に順次堆積
されたn型AlGaAsからなる電子供給層4及びAl
GaAsからなるショットキ層5と,該ショットキ層5
上に設けられたゲート電極8とを有する電界効果トラン
ジスタであって,該電子供給層4のAl組成比が0.5
モル比未満であり,該ショットキ層5のAl組成比が
0.5モル比以上であることを特徴として構成する。
て,本発明の第一の構成は,InGaAs又はGaAs
からなる電子走行層3と,該電子走行層3上に順次堆積
されたn型AlGaAsからなる電子供給層4及びAl
GaAsからなるショットキ層5と,該ショットキ層5
上に設けられたゲート電極8とを有する電界効果トラン
ジスタであって,該電子供給層4のAl組成比が0.5
モル比未満であり,該ショットキ層5のAl組成比が
0.5モル比以上であることを特徴として構成する。
【0016】本発明の第二の構成は,図3を参照して,
該ショットキ層5に開設された開口と,該開口の底面に
表出する該電子供給層4上に設けられたソース電極10
及びドレイン電極9と,該ショットキ層5上に設けら
れ,該ゲート電極8の外側に該ゲート電極8に接して延
在するキャップ層6と,該キャップ層6及び該ショット
キ層5を貫通し,該キャップ層6及び該ショットキ層5
と該ソース電極10及び該ドレイン電極9とを分離する
溝15とを備えたことを特徴とする第一の構成の電界効
果トランジスタとして構成する。
該ショットキ層5に開設された開口と,該開口の底面に
表出する該電子供給層4上に設けられたソース電極10
及びドレイン電極9と,該ショットキ層5上に設けら
れ,該ゲート電極8の外側に該ゲート電極8に接して延
在するキャップ層6と,該キャップ層6及び該ショット
キ層5を貫通し,該キャップ層6及び該ショットキ層5
と該ソース電極10及び該ドレイン電極9とを分離する
溝15とを備えたことを特徴とする第一の構成の電界効
果トランジスタとして構成する。
【0017】本発明の第一の構成では,図1を参照し
て,電子走行層3上にAl組成比が0.5モル比未満の
n型Al含有化合物半導体からなる電子供給層4が形成
される。さらに,この電子供給層4上にAl組成比が
0.5モル比以上のAl含有化合物半導体からなるショ
ットキ層5が形成される。この電子走行層3は,InG
aAs又はGaAsからなり,また電子供給層4及びシ
ョットキ層5は,AlGaAsからなる。このように,
電子供給層4及びショットキ層5の組成を同一にするこ
とは,連続成長により結晶性の劣化を防止するために好
ましい。
て,電子走行層3上にAl組成比が0.5モル比未満の
n型Al含有化合物半導体からなる電子供給層4が形成
される。さらに,この電子供給層4上にAl組成比が
0.5モル比以上のAl含有化合物半導体からなるショ
ットキ層5が形成される。この電子走行層3は,InG
aAs又はGaAsからなり,また電子供給層4及びシ
ョットキ層5は,AlGaAsからなる。このように,
電子供給層4及びショットキ層5の組成を同一にするこ
とは,連続成長により結晶性の劣化を防止するために好
ましい。
【0018】また,本第一の構成では,電子供給層4の
Al組成比が0.5モル未満であるため,電子走行層3
と電子供給層4との界面の結晶性を良好に保持してショ
ットキ層5を堆積することができる。このため,電子走
行層3と電子供給層4との界面準位が少なく,良好な電
気的特性を有する電界効果トランジスタを製造すること
ができる。
Al組成比が0.5モル未満であるため,電子走行層3
と電子供給層4との界面の結晶性を良好に保持してショ
ットキ層5を堆積することができる。このため,電子走
行層3と電子供給層4との界面準位が少なく,良好な電
気的特性を有する電界効果トランジスタを製造すること
ができる。
【0019】さらに,本第一の構成の電界効果トランジ
スタでは,ショットキ層5の禁制帯幅が広く,ショット
キ層5の絶縁性が良いため,ゲート電極8からショット
キ層5を通り電子供給層4及び電子走行層3に流れ込む
ゲートリーク電流は著しく抑制される。このため,ショ
ットキ層5が薄いエンハンスメント型電界効果トランジ
スタであっても,ゲートリーク電流を実用的な範囲に抑
制することができる。
スタでは,ショットキ層5の禁制帯幅が広く,ショット
キ層5の絶縁性が良いため,ゲート電極8からショット
キ層5を通り電子供給層4及び電子走行層3に流れ込む
ゲートリーク電流は著しく抑制される。このため,ショ
ットキ層5が薄いエンハンスメント型電界効果トランジ
スタであっても,ゲートリーク電流を実用的な範囲に抑
制することができる。
【0020】他方,Al組成比が大きなショットキ層5
の堆積により生ずる結晶性の劣化は,電子供給層4とシ
ョットキ層5との界面に制限され,電子走行層3と電子
供給層4との界面の結晶性は良好に保持される。このた
め,ショットキ層5のAl組成比を大くしても,電界効
果トランジスタの特性劣化を生ずることがない。従っ
て,本第一の構成のエンハンスメント型電界効果トラン
ジスタはリーク電流が小さく,同時に電気的特性が優れ
る。
の堆積により生ずる結晶性の劣化は,電子供給層4とシ
ョットキ層5との界面に制限され,電子走行層3と電子
供給層4との界面の結晶性は良好に保持される。このた
め,ショットキ層5のAl組成比を大くしても,電界効
果トランジスタの特性劣化を生ずることがない。従っ
て,本第一の構成のエンハンスメント型電界効果トラン
ジスタはリーク電流が小さく,同時に電気的特性が優れ
る。
【0021】また,本発明の第二の構成では,図3を参
照して,ショットキ層5及びキャップ層6は溝15によ
りソース電極10及びドレイン電極9から分離される。
このため,ゲート電極8からキャプ層6を通してソース
及びドレイン電極10,9へ流れるゲートリーク電流は
著しく小さい。従って,ゲート電位が大きくなるエンハ
ンスメント動作においても,実用上十分な値にゲートリ
ーク電流を抑えることができる。
照して,ショットキ層5及びキャップ層6は溝15によ
りソース電極10及びドレイン電極9から分離される。
このため,ゲート電極8からキャプ層6を通してソース
及びドレイン電極10,9へ流れるゲートリーク電流は
著しく小さい。従って,ゲート電位が大きくなるエンハ
ンスメント動作においても,実用上十分な値にゲートリ
ーク電流を抑えることができる。
【0022】本発明の第二の構成におけるソース電極1
0及びドレイン電極9は,図3を参照して,ショットキ
層5及びキャップ層6に形成された開口(図4(b)中
に5aで示す。)底面に表出する電子供給層4上に直接
形成される。従って,電子走行層3とソース及びドレイ
ン電極10,9間に電気抵抗の大きなショットキ層5が
介在しないから,本構成の電界効果トランジスタはドレ
イン抵抗が小さい。なお,本第二の構成における溝15
は,電子走行層3上に延在するショットキ層5及びキャ
ップ層6をゲート電極8とソース電極10及びドレイン
電極9との間で分断する溝であればよく,ゲート電極8
とソース及びドレイン電極10,9の中間領域に設けら
れてもよく,また,図4(b)及び図3を参照して,ソ
ース及びドレイン電極10,9が設けられる開口5aに
接して形成されその開口5aの一部をなすものであって
もよい。
0及びドレイン電極9は,図3を参照して,ショットキ
層5及びキャップ層6に形成された開口(図4(b)中
に5aで示す。)底面に表出する電子供給層4上に直接
形成される。従って,電子走行層3とソース及びドレイ
ン電極10,9間に電気抵抗の大きなショットキ層5が
介在しないから,本構成の電界効果トランジスタはドレ
イン抵抗が小さい。なお,本第二の構成における溝15
は,電子走行層3上に延在するショットキ層5及びキャ
ップ層6をゲート電極8とソース電極10及びドレイン
電極9との間で分断する溝であればよく,ゲート電極8
とソース及びドレイン電極10,9の中間領域に設けら
れてもよく,また,図4(b)及び図3を参照して,ソ
ース及びドレイン電極10,9が設けられる開口5aに
接して形成されその開口5aの一部をなすものであって
もよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施形態例に係る
エンハンスメント型電界効果トランジスタの製造工程を
参照して本発明を説明する。なお,図2及び図4は,そ
れぞれ本発明の第一及び第二実施形態例の工程断面図で
あり,エンハンスメント型電界効果トランジスタ形成領
域の断面を表している。
エンハンスメント型電界効果トランジスタの製造工程を
参照して本発明を説明する。なお,図2及び図4は,そ
れぞれ本発明の第一及び第二実施形態例の工程断面図で
あり,エンハンスメント型電界効果トランジスタ形成領
域の断面を表している。
【0024】本発明の第一実施形態例では,図2(a)
を参照して,半絶縁性GaAs基板1上に,厚さ1μm
のi型AlGaAsバッファ層2,厚さ15nmのi型I
nGaAs電子走行層3,厚さ25nmのドーピング濃度
が2.0×1018cm-3のn型Al0.2 Ga0.8 As電子
供給層4,厚さ5nmのi型Al0.5 Ga0.5 Asショッ
トキ層5,及び厚さ30nmのi型GaAsキャップ層6
を例えばMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epita
xy) 法により順次堆積する。
を参照して,半絶縁性GaAs基板1上に,厚さ1μm
のi型AlGaAsバッファ層2,厚さ15nmのi型I
nGaAs電子走行層3,厚さ25nmのドーピング濃度
が2.0×1018cm-3のn型Al0.2 Ga0.8 As電子
供給層4,厚さ5nmのi型Al0.5 Ga0.5 Asショッ
トキ層5,及び厚さ30nmのi型GaAsキャップ層6
を例えばMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epita
xy) 法により順次堆積する。
【0025】次いで,基板上1全面にSiO2 からなる
エッチングマスク7を塗布し,ゲート電極8を画定する
開口をエッチングマスク7に開設する。次いで,エッチ
ングマスク7をマスクとしてキャップ層6をエッチング
し,ショットキ層5のゲート電極8形成領域を表出する
開口をキャップ層6に開設する。
エッチングマスク7を塗布し,ゲート電極8を画定する
開口をエッチングマスク7に開設する。次いで,エッチ
ングマスク7をマスクとしてキャップ層6をエッチング
し,ショットキ層5のゲート電極8形成領域を表出する
開口をキャップ層6に開設する。
【0026】次いで,図2(b)を参照して,WSi,
Tiをスパッタした後Auをメッキし,エッチングマス
ク7を除去することでWSi,Ti及びAuの3層から
なるゲート電極8をショットキ層5上に形成する。次い
で,Siイオン注入によりSiがドープされたソース・
ドレイン領域11を形成する。なお,この工程は必要に
よりゲート電極8の形成前とすることもできる。
Tiをスパッタした後Auをメッキし,エッチングマス
ク7を除去することでWSi,Ti及びAuの3層から
なるゲート電極8をショットキ層5上に形成する。次い
で,Siイオン注入によりSiがドープされたソース・
ドレイン領域11を形成する。なお,この工程は必要に
よりゲート電極8の形成前とすることもできる。
【0027】次いで,ソース・ドレイン領域11表面に
AuGe,Ni及びAuの3層からなるソース電極10
及びドレイン電極9を形成し,図1を参照して,電界効
果トランジスタが製造される。
AuGe,Ni及びAuの3層からなるソース電極10
及びドレイン電極9を形成し,図1を参照して,電界効
果トランジスタが製造される。
【0028】本第一実施形態例では,エンハンス型電界
効果トランジスタとするために,電子供給層4の厚さを
25nmとし,ショットキ層5の厚さを5nmと薄くした。
このエンハンス型電界効果トランジスタのB級及びC級
動作時のゲートリーク電流は,電子供給層4の厚さ18
nm,ショットキ層5の厚さ300nmの従来のデプレッシ
ョン型電界効果トランジスタと比較して十分に小さかっ
た。
効果トランジスタとするために,電子供給層4の厚さを
25nmとし,ショットキ層5の厚さを5nmと薄くした。
このエンハンス型電界効果トランジスタのB級及びC級
動作時のゲートリーク電流は,電子供給層4の厚さ18
nm,ショットキ層5の厚さ300nmの従来のデプレッシ
ョン型電界効果トランジスタと比較して十分に小さかっ
た。
【0029】本発明の第二実施形態例は,第一実施形態
例の電界効果トランジスタにリーク電流を防止するため
の溝を加えたものである。本実施形態例は,図2を参照
して,バッファ層2〜キャップ層の堆積工程,及びエッ
チングマスク7を用いたゲート電極の製造工程までは第
一実施形態例と同様である。この工程により,図4
(a)を参照して,広禁制帯幅のショットキ層5上に接
触し,両側に狭禁制帯幅のキャップ層と接するゲート電
極8が形成される。
例の電界効果トランジスタにリーク電流を防止するため
の溝を加えたものである。本実施形態例は,図2を参照
して,バッファ層2〜キャップ層の堆積工程,及びエッ
チングマスク7を用いたゲート電極の製造工程までは第
一実施形態例と同様である。この工程により,図4
(a)を参照して,広禁制帯幅のショットキ層5上に接
触し,両側に狭禁制帯幅のキャップ層と接するゲート電
極8が形成される。
【0030】次いで,図4(b)を参照して,キャップ
層6及びショットキ層5を順次エッチングして,ソース
及びドレイン電極10,9形成領域を表出する開口5a
を開設する。この開口5a底面には,電子供給層4が表
出する。 次いで,図3を参照して,開口5a底面に表
出する電子供給層4上に,AuGe,Ni及びAuの3
層からなるソース電極10及びドレイン電極9を形成す
る。これらのソース及びドレイン電極10,9は,開口
5aの内部にキャップ層6及びショットキ層5と接触し
ない位置に配置される。即ち,キャップ層6及びショッ
トキ層5とソース及びドレイン電極10,9との間に溝
15が形成され,この溝15により,キャップ層6及び
ショットキ層5はソース及びドレイン電極10,9から
分離され,電気的に絶縁される。
層6及びショットキ層5を順次エッチングして,ソース
及びドレイン電極10,9形成領域を表出する開口5a
を開設する。この開口5a底面には,電子供給層4が表
出する。 次いで,図3を参照して,開口5a底面に表
出する電子供給層4上に,AuGe,Ni及びAuの3
層からなるソース電極10及びドレイン電極9を形成す
る。これらのソース及びドレイン電極10,9は,開口
5aの内部にキャップ層6及びショットキ層5と接触し
ない位置に配置される。即ち,キャップ層6及びショッ
トキ層5とソース及びドレイン電極10,9との間に溝
15が形成され,この溝15により,キャップ層6及び
ショットキ層5はソース及びドレイン電極10,9から
分離され,電気的に絶縁される。
【0031】本第二実施形態例では,エンハンス型電界
効果トランジスタとするために,電子供給層4の厚さを
25nmとし,ショットキ層5の厚さを5nmと薄くした。
このエンハンス型電界効果トランジスタのB級及びC級
動作時のゲートリーク電流は,第一実施形態例にかかる
デプレッション型電界効果トランジスタよりも小さく,
なんら実用上の問題を生じない程度であった。
効果トランジスタとするために,電子供給層4の厚さを
25nmとし,ショットキ層5の厚さを5nmと薄くした。
このエンハンス型電界効果トランジスタのB級及びC級
動作時のゲートリーク電流は,第一実施形態例にかかる
デプレッション型電界効果トランジスタよりも小さく,
なんら実用上の問題を生じない程度であった。
【0032】
【発明の効果】上述したように,本発明によれば電子走
行層と電子供給層との間の界面の結晶性を良好に維持し
たままAl含有量の高い広禁制帯幅のショットキ層を形
成することができるので,電気的特性が優れかつゲート
リーク電流が小さな電界効果トランジスタを提供するこ
とができ,半導体装置の性能向上に寄与するところが大
きい。
行層と電子供給層との間の界面の結晶性を良好に維持し
たままAl含有量の高い広禁制帯幅のショットキ層を形
成することができるので,電気的特性が優れかつゲート
リーク電流が小さな電界効果トランジスタを提供するこ
とができ,半導体装置の性能向上に寄与するところが大
きい。
【図1】 本発明の第一実施形態例の断面工程図
【図2】 本発明の第一実施形態例の工程断面図
【図3】 本発明の第二実施形態例の断面工程図
【図4】 本発明の第二実施形態例の工程断面図
【図5】 従来例の断面図
【図6】 他の従来例の断面図
1 基板
2 バッファ層
3 電子走行層
4 電子供給層
5 ショットキ層
6 キャップ層
7 エッチングマスク
8 ゲート電極
9 ドレイン電極
10 ソース電極
11 ソース・ドレイン領域
12 チャネル層
13 バリア層
14 Beデルタドープ層
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01L 21/338
H01L 27/095
H01L 29/778
H01L 29/80 - 29/812
Claims (2)
- 【請求項1】 InGaAs又はGaAsからなる電子
走行層と,該電子走行層上に順次堆積されたn型AlG
aAsからなる電子供給層及びAlGaAsからなるシ
ョットキ層と,該ショットキ層上に設けられたゲート電
極とを有する電界効果トランジスタであって, 該電子供給層のAl組成比が0.5モル比未満であり, 該ショットキ層のAl組成比が0.5モル比以上である
ことを特徴とする電界効果トランジスタ。 - 【請求項2】 該ショットキ層に開設された開口と, 該開口の底面に表出する該電子供給層上に設けられたソ
ース電極及びドレイン電極と, 該ショットキ層上に設けられ,該ゲート電極の外側に該
ゲート電極に接して延在するキャップ層と, 該キャップ層及び該ショットキ層を貫通し,該キャップ
層及び該ショットキ層と該ソース電極及び該ドレイン電
極とを分離する溝とを備えたことを特徴とする請求項1
記載の電界効果トランジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06801399A JP3398613B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 電界効果トランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06801399A JP3398613B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 電界効果トランジスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000269480A JP2000269480A (ja) | 2000-09-29 |
JP3398613B2 true JP3398613B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=13361540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06801399A Expired - Fee Related JP3398613B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 電界効果トランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3398613B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100438895B1 (ko) | 2001-12-28 | 2004-07-02 | 한국전자통신연구원 | 고전자 이동도 트랜지스터 전력 소자 및 그 제조 방법 |
US7432142B2 (en) * | 2004-05-20 | 2008-10-07 | Cree, Inc. | Methods of fabricating nitride-based transistors having regrown ohmic contact regions |
-
1999
- 1999-03-15 JP JP06801399A patent/JP3398613B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000269480A (ja) | 2000-09-29 |
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