JP3398093B2 - 連続鋳造設備 - Google Patents

連続鋳造設備

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳片を連続的に引
き抜いて溶融金属の鋳造を行う連続鋳造設備に関するも
のである。尚以下、代表としてスラブ型鋳片を例に挙げ
て説明する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法によって鋳片を製造する場合
において、上記鋳片の厚み方向中心部分に偏析が生じる
という問題が指摘されている。
【0003】この様な中心部分の偏析を改善する方法と
して、凝固前期/中期で生じる偏析に対しては、電磁撹
拌技術の適用や、低温による鋳造、或いは連続鋳造機内
におけるロールピッチを短くする(これによりバルジン
グが防止できる)等の対策が採られており、かなりの成
果が上がっている。
【0004】また凝固末期においては、配置されるロー
ル間隔を狭め、且つ未凝固鋳片部を軽圧下するという対
策が提案されている(従来例:例えば特公昭59−1
6862号公報,特公平3−6855号公報,特公平3
−8863号公報,特公平3−8864号公報,特公平
4−22664号公報,特公平5−30548号公
報)。凝固末期では、凝固収縮に伴って溶鋼流動が生
じ、この溶鋼流動により偏析が引き起こされているが、
上記の様に圧下を行って凝固収縮を補償することによ
り、偏析がかなり改善される。
【0005】図9はこの様な凝固末期の部分に設置され
る圧下ロール装置を示す断面図であり、(b)はスラブ型
鋳片10の進行方向(引き抜き方向)Hに切った断面を
示し、(a)はスラブ型鋳片10の進行方向と直交する方
向に切った断面を示す。尚鋳型から下方に引き抜かれた
鋳片は湾曲されて水平方向に進行し、この様に水平に進
む箇所で凝固末期となるから、上記圧下ロール装置は鋳
片10を水平方向に通す様になっている。
【0006】鋳片10を挟む様に相対向する一対の圧下
ロール(上ロール11,下ロール12)は、軸受け1
3,14により支持されており、これら軸受け13,1
4はそれぞれ上フレーム15,下フレーム16に取付け
られている。該上フレーム15と下フレーム16はスペ
ーサ17を介して接続され、またコラム19によって支
持されている。上フレーム15には押付シリンダ18が
取付けられており、該押付シリンダ18で上フレーム1
5を押し付けることにより上ロール11を下ロールに押
し付けて鋳片の圧下を行う様になっている。
【0007】上下ロール11,12はそれぞれロール軸
方向に分割されており、即ち分割小ロール11a,11
b,11c,12a,12b,12cより構成されてい
る。この様な上下ロール11,12からなる圧下ロール
は鋳片引き抜き方向Hに複数設けられている。
【0008】図10は鋳片引き抜き方向に列ぶそれぞれ
の圧下ロールを示す図であり、引き抜き方向を切断する
方向に見た図である。図10の(a)は引き抜き方向の上
下流側に隣接して列ぶ圧下ロールのうち上流側の圧下ロ
ール(n本目の圧下ロール)を示し、(b)は下流側の圧
下ロール(n+1本目の圧下ロール)を示す。尚図10
において、10aは鋳片の未凝固部であり、図9と同じ
構成部分については同一の符号を付して重複説明を避け
る。
【0009】上記圧下ロールが設置される引抜き方向の
位置としては、鋳片の厚み中心部位における固相率が0.
1〜0.3となる位置から、鋳片中心部が流動限界に至る位
置までの間、即ち凝固完了位置近傍が有効であり、また
圧下程度としては、凝固収縮によって溶鋼流動が発生す
るのを防止する程度に圧下することが有効である。
【0010】また図に示す様に、圧下ロールはロール軸
方向に2〜4分割(図9,10では3分割)されたもの
が専ら用いられているが、これは以下の観点からであ
る。
【0011】凝固末期における鋳片バルジングを抑制す
るには、引き抜き方向に配置される複数の圧下ロールの
ピッチを短くし、小径の圧下ロールを採用することが有
効であるが、径が小さくてロール軸方向に長い圧下ロー
ルでは、鋳片の反力に耐えられずにロールが撓み、鋳片
を十分に圧下できない問題がある。また小径ロールの場
合はその軸受けも小径となり、この小径の軸受けが鋳片
の過大な反力を受けると、すぐに劣化して短寿命となる
問題がある。
【0012】そこで図に示す様に分割した圧下ロールを
採用して、個々のロールについて軸方向の長さを短くす
ることにより、ロールが撓まず、鋳片を十分に圧下する
ことができる。また個々の軸受けにかかる力も小さくな
るから、寿命が長くなる。
【0013】図11は凝固完了位置近傍での鋳片の圧下
を行わない場合における鋳片厚み中央部の成分を分析し
た結果を示すグラフである。また図12は、図9,10
(従来例)に示す圧下ロールを用いて凝固完了位置近
傍で圧下を行った場合における鋳片厚み中央部の成分を
分析した結果を示すグラフである。これらの分析結果
は、炭素を含む普通鋼のスラブ型鋳片(幅2100mm)を製
造した場合であり、図11,12の横軸はスラブ型鋳片
幅方向の一方の端部からの距離(mm)で、縦軸は当該箇
所における炭素値を溶融金属のバルクの炭素値で割った
値(C/C0)である。尚成分分析にあたっては、凝固
後の鋳片の厚み中央部における幅方向各部位(10mmお
き)からドリルにより切粉を採取し、これを分析した。
また鋳片の圧下を行わない場合においては同条件で実験
を2回行い、これら2つの結果を示している(図1
1)。
【0014】圧下を行わない場合(図11)では特に鋳
片両端部近傍において偏析が著しく、また全体的にも偏
析が生じているが、従来例の様に圧下ロールを用いて
鋳片の圧下を行うと、図12に示す様に、後述するA−
B間(図4,5参照)であっても偏析が改善され、全体
的にも概ね偏析が改善されている。従来例の様に凝固
収縮を補償する圧下を行うことにより、凝固末期の濃化
溶鋼がより上流の液相或いは低固相率領域に排出され
て、偏析が全体的に改善されるのである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に凝固末期に
おいて圧下を行うことにより、鋳片の厚み方向中心部の
偏析がかなり改善されるものの、詳細に検討したとこ
ろ、最適な圧下条件に設定しても、鋳片幅方向の特定位
置において偏析が一定レベル以上に改善されないという
ことが分かった。即ち図12に示す様に全体的には偏析
が改善されるが、特定箇所で偏析が生じている。
【0016】そこで本発明においては、鋳片厚み中心部
の偏析を防止し、高い品質の鋳片を得ることのできる連
続鋳造設備を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る連続鋳造設
備は、鋳型から引き抜かれる鋳片の凝固完了位置近傍
に、鋳片の幅方向に沿って鋳片を挟む様に相対向する一
対の圧下ロールが鋳片引き抜き方向に複数設けられ、且
つ該各ロールがロール軸方向に分割されたものである連
続鋳造設備において、前記ロールの分割位置を、前記鋳
片の幅方向の端部から下記式(1)に示す長さの範囲内と
することを要旨とする。 0.5×鋳片厚みmm+200mm …(1)。
【0018】或いは本発明に係る連続鋳造設備は、鋳型
から引き抜かれる鋳片の凝固完了位置近傍に、鋳片の幅
方向に沿って鋳片を挟む様に相対向する一対の圧下ロー
ルが鋳片引き抜き方向に複数設けられ、且つ該各一対の
圧下ロールを構成する一方及び他方のロールがそれぞれ
ロール軸方向に分割された分割小ロールで構成される様
にしたものである連続鋳造設備において、前記鋳片の幅
方向端部から下記式(1)に示す長さより鋳片中心側の鋳
片各部が、鋳片引き抜き方向に見て上下流側に隣接する
前記分割小ロールのいずれかによって圧下されているこ
とを要旨とする。 0.5×鋳片厚みmm+200mm …(1)。
【0019】本発明者らは上記特定箇所における偏析の
原因を調べたところ、鋳片幅方向中央付近において、上
記圧下ロールの分割部分、即ちロール軸受け部分が存在
することが偏析の原因であることを見出した。
【0020】そして上記軸受けの位置を様々に変更して
鋳造実験を行った結果、鋳片の幅方向端部から上記式
(1)の長さまでの間についてはロール分割位置に制限を
設けなくても偏析を殆ど生じないが、この式(1)の長さ
までを除いた鋳片中心側部分においては、上述の様に圧
下ロールを分割しないか、或いは分割する場合は上述の
様に、鋳片引き抜き方向(鋳造方向)に隣接する2つの
分割小ロールのいずれかによって、鋳片の幅方向の全て
を圧下する様にすれば、即ち上流側圧下ロールの上ロー
ル分割位置及び下ロール分割位置と、下流側圧下ロール
の上ロール分割位置及び下ロール分割位置を、鋳片幅方
向に異ならせることによって、偏析を防止できることを
見出した。
【0021】更に本発明において、前記鋳片の幅方向端
部から前記式(1)に示す長さより鋳片中心側位置での圧
下ロールは、鋳片を挟んで対向する位置で分割されるも
のであることが好ましい。
【0022】一対の圧下ロールを構成する一方及び他方
のロールを異なる位置で分割した場合は、多様な長さの
分割小ロールが存在することになり、ロール整備を行う
場合にその操作が煩雑になる恐れがあるが、上記の様に
圧下ロールを構成する一方及び他方のロールを同じ位置
で分割することにより、分割小ロールの種類が少なくな
り、整備上都合が良いからである。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る連続鋳造設備
の圧下ロールを説明する為の図で、鋳片引き抜き方向を
切断する方向に見た図である。図1の(a)は鋳片引き抜
き方向(鋳造方向)に隣接して列ぶ圧下ロールのうち上
流側の圧下ロール(n本目の圧下ロール)を示し、図1
の(b)は下流側の圧下ロール(n+1本目の圧下ロー
ル)を示す。尚図1において、図9,10と同じ構成部
分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0024】圧下ロールを構成する一方及び他方のロー
ル(上下ロール11,12)は鋳片を挟んで対向する位
置で分割されており、即ち上下ロール11,12の軸受
け13,14が鋳片幅方向の同じ位置に設けられてい
る。また(a),(b)を比較して分かる様に、上下流側に隣
接する圧下ロール、即ちn本目とn+1本目で分割位置
が鋳片幅方向に異なっている。
【0025】図2,3は炭素を含む普通鋼のスラブ型鋳
片(幅2100mm)について、その厚み中央部における幅方
向の成分を分析した結果を示すグラフである。図2は図
1に示す圧下ロールを用いた場合の結果である。図3
は、図12と同じく図10(従来例)に示す圧下ロー
ルを用いて圧下を行った場合の結果を示すグラフであっ
て、これに軸受けの位置Jを併せて記入したものであ
る。尚図2においても軸受けの位置Jを併せて記入す
る。図2,3の横軸はスラブ型鋳片幅方向の一方の端部
からの距離(mm)、縦軸は当該箇所における炭素値を溶
融金属のバルクの炭素値で割った値(C/C0)であ
る。尚いずれも圧下力等の圧下条件(分割位置以外の圧
下条件)については最適となる様に設定した。また成分
分析にあたっては、上記と同様に凝固後の鋳片の厚み中
央部における幅方向各部位からドリルにより切粉を採取
し(10mmおきに採取)、これを分析した。
【0026】図2,3から分かる様に、従来の様に上下
ロール11,12の分割位置(軸受け13,14位置)
が異なる圧下ロールを用いた場合は(図10)、中央側
の軸受け位置部分において偏析が生じているが(図
3)、本発明の様に上下ロール11,12の分割位置
(軸受け13,14位置)が同じ圧下ロールを用い、上
下流側の圧下ロールで分割位置を異ならせた場合は(図
1)、いずれの箇所も偏析があまり生じていない(図
2)。この様に2圧下ロールピッチに1回以上分割位置
が存在しなければ、偏析を防止することが出来る。
【0027】次に鋳片厚み方向中央部に生じる偏析の原
因について考察する。
【0028】図4は鋳片10の凝固完了位置付近におけ
るスラブ型鋳片厚み中央部の断面図である。引き抜き方
向(鋳造方向)Hの下流側では凝固が完了しており(凝
固部10c)、一方鋳造方向Hの上流側では鋳片の中心
部分において未凝固部10aが残存している。10bは
凝固部10cと未凝固部10aの境界である。
【0029】鋳片の凝固は鋳片表面から進行し、即ち鋳
片の上下表面及び左右側面から徐々に内部に向かって進
行するが、鋳片中心部分においてその進行は必ずしも均
一とならず、図4に示す様にA−B間で凝固が遅れるこ
とが知られている。上記A位置は鋳片端部Eからスラブ
厚みの1/2の長さだけ中央側に向かった位置であり、
上記B位置は上記A位置から更に約200mm中央側に向か
った位置である。このA−B間は、鋳片上下表面と左側
面或いは右側面の3方向から凝固が進行することによっ
て濃化溶鋼が集まり易くなっている部位であり、この為
に凝固が遅れるのである。
【0030】この凝固完了位置近傍において図10(従
来例)に示す圧下ロールを用いて圧下を行うと、全体
的に概ね偏析が改善されるが、中央側の軸受け位置部分
においては偏析の改善程度が小さい。以下にこの理由を
考察する。
【0031】鋳片の凝固シェルが成長する過程において
不可避的に成分のバラツキが生じるが、凝固界面のライ
ン(境界10b)が圧下ロールの軸方向に対して平行
(鋳片引き抜き方向に対して直角)であると、圧下力の
弱い軸受け位置の部分に濃化溶鋼が集積するものと考え
られる(図4に示す白抜き矢印F)。即ち鋳片中央部が
最終凝固位置に達したとき、図5(a),(b)[図4に示す
D−D線に相当する断面図]に示す様に、圧下により排
出される濃化溶鋼の一部が上流の液相側に排出されず
に、圧下力の弱い軸受け位置部分に集積するものと推定
される。
【0032】一方、鋳片のA−B間においては凝固界面
のライン(境界10b)が圧下ロールの軸方向に対して
傾斜しているから、濃化溶鋼は上流の液相側に流れ込み
易く(図4に示す黒矢印G)、よってこのA−B間では
圧下力等の圧下条件を適正化しておけば、圧下力の弱い
部位があっても偏析があまり生じないものと考えられ
る。
【0033】従って鋳片端部EからB位置までの間は、
ロール分割位置に制限を設けなくても偏析をあまり生じ
ない。
【0034】一方B位置より中央側においては、前述の
様に圧下力の弱い軸受け位置部分に濃化溶鋼が集積する
と考えられるが、図1の様に、上下の圧下ロールで鋳片
を圧下できる部分、即ち上下分割小ロールにより圧下す
る部分が、引き抜き方向に隣接する2つの圧下ロールの
いずれか(n本目或いはn+1本目)でなされていれ
ば、偏析を殆ど生じない。換言すれば、上ロール,下ロ
ールいずれも軸受け位置の存在しない部分が、引き抜き
方向に列ぶ2ロールピッチ毎に1回以上存在していれ
ば、偏析を殆ど生じない。
【0035】
【実施例】炭素を0.15%含む普通鋼のスラブ型鋳片を、
その凝固末期に下記表1,2に示す条件で圧下を施して
製造した。この際の圧下ロール径は240mm、鋳造方向
(引き抜き方向)に隣接する圧下ロールの間隔(ロール
芯−ロール芯間隔)は270mmである。また図1,10,
6,7に示す様に鋳片幅方向に2または3分割した圧下
ロールを用いた。これら分割ロールを支持する軸受け1
3,14の幅(ロール分割部)は250mmである。圧下
は、鋳片中心部の固相率が0.1となる位置から完全凝固
するまでの領域(凝固完了位置近傍)に対して行い、ま
た圧下速度(圧下勾配×鋳造速度)は表1,2に示す様
に一定とした。
【0036】尚図6,7は2分割した圧下ロールを示す
図であり、引き抜き方向を切断する方向に見た図であ
る。これら図6,7の(a)は引き抜き方向に列ぶ圧下ロ
ールのうちn本目の圧下ロールを示し、(b)はn+1本
目の圧下ロールを示す。
【0037】図1,6ではn本目,n+1本目いずれも
軸受け13,14が鋳片を挟んで対向する位置に設けら
れ、またn本目とn+1本目の圧下ロールで分割位置が
幅方向に異なっている。図10,7ではn本目の上ロー
ル11側の軸受け13と、n+1本目の下ロール12側
の軸受け14とが、幅方向に同じ位置で分割されてお
り、またn本目の下ロール12側の軸受け14と、n+
1本目の上ロール11側の軸受け13とが、幅方向に同
じ位置で分割されている。
【0038】上記の様にして製造したスラブ型鋳片につ
いて、その厚み方向中心部の成分を分析した。尚分析に
あたっては、上記と同様に凝固後の鋳片の厚み中央部に
おける幅方向各部位(10mmおき)からドリルにより切粉
を採取し、これを分析した。
【0039】その結果を表1,2に併せて示す。尚表中
のCmax/C0は、当該評価部位を測定した複数の結果の
うちの最大炭素値を溶融金属のバルクの炭素値で割った
値である。また表中の「その他の部位」とは、軸受けの
存在しない位置の鋳片に関して分析した結果のうち、最
大炭素値を示した部位を指し、即ち鋳片の軸受けの存在
しない位置において最大の偏析を示す部位である。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】尚上述の図2は試験No.4の結果であり、
図3は試験No.1の結果である。
【0043】上記表1,2から分かる様に、試験No.1
〜3,5,6,8〜10,12の様に図10,7のタイ
プのロール配置(従来例)のものでは、特に軸受け位
置の鋳片部分において大きく偏析している。一方試験N
o.4,7,11,14の様に図1,6のタイプのロール
配置(本発明例)では、軸受け位置の鋳片部分であって
もあまり偏析しておらず、また他の部分においてもあま
り偏析していない。また試験No.13は図7のタイプの
ロール配置であるが、どの箇所もあまり偏析していな
い。これは軸受け位置が鋳片幅方向端部から上記式(1)
の長さまでの間であるからである。
【0044】図8は上記表1,2のCmax/C0の結果を
整理したグラフであり、縦軸に軸受け位置のCmax/C0
をとり、横軸に〔(鋳片端部から軸受け位置中心部まで
の距離)−(鋳片厚み)〕(mm)をとって表している。
【0045】図8から分かる様に横軸が200mmを超える
当たりから、即ち鋳片幅方向端部から上記式(1)に示す
長さより鋳片中心側位置においては、図10,7のタイ
プのロール配置の様に従来例のものでは偏析が大き
い。一方図1,6のタイプのロール配置の様に本発明の
ものでは、横軸が200mmを超えた部分においてもあまり
偏析していない。
【0046】以上、本発明に係る連続鋳造設備に関し
て、実施例を示す図面を参照しつつ具体的に説明した
が、本発明はもとより上記例に限定される訳ではなく、
前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術
的範囲に包含される。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る連続鋳造設備によれば、鋳
片厚み中心部分における偏析が低減し、品質の優れた鋳
片を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続鋳造設備の圧下ロールを説明
する為の図であって、鋳片引き抜き方向を切断する方向
に見た図。
【図2】図1に示す圧下ロールを用いた場合の、鋳片の
厚み中央部における幅方向の成分を分析した結果を示す
グラフ。
【図3】図10に示す圧下ロールを用いた場合の、鋳片
の厚み中央部における幅方向の成分を分析した結果を示
すグラフ。
【図4】鋳片の凝固完了位置付近におけるスラブ型鋳片
厚み中央部の断面図。
【図5】図4に示すD−D線に相当する断面図。
【図6】2分割した圧下ロールを示す図。
【図7】2分割した圧下ロールを示す図。
【図8】表1,2のCmax/C0の結果を整理したグラ
フ。
【図9】従来例の圧下ロール装置を示す断面図。
【図10】従来例における鋳片引き抜き方向に列ぶそ
れぞれの圧下ロールを示す図。
【図11】凝固完了位置近傍での鋳片の圧下を行わない
場合における鋳片厚み中央部の成分を分析した結果を示
すグラフ。
【図12】従来例の圧下ロールを用いて凝固完了位置
近傍の圧下を行った場合における鋳片厚み中央部の成分
を分析した結果を示すグラフ。
【符号の説明】
10 鋳片 10a 未凝固部 10b 境界 10c 凝固部 11 上ロール 12 下ロール 13,14 軸受け
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−290251(JP,A) 特開 平5−50200(JP,A) 特開 昭60−141356(JP,A) 特開 平3−110049(JP,A) 特開 平9−99348(JP,A) 特開 平8−257714(JP,A) 特開2001−18041(JP,A) 特開 平2−207953(JP,A) 特開 昭51−66230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/128 350 B22D 11/128 340 B22D 11/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型から引き抜かれる鋳片の凝固完了位
    置近傍に、鋳片の幅方向に沿って鋳片を挟む様に相対向
    する一対の圧下ロールが鋳片引き抜き方向に複数設けら
    れ、且つ該各ロールがロール軸方向に分割されたもので
    ある連続鋳造設備において、 前記ロールの分割位置を、前記鋳片の幅方向の端部から
    下記式(1)に示す長さの範囲内とすることを特徴とする
    連続鋳造設備。 0.5×鋳片厚みmm+200mm …(1)
  2. 【請求項2】 鋳型から引き抜かれる鋳片の凝固完了位
    置近傍に、鋳片の幅方向に沿って鋳片を挟む様に相対向
    する一対の圧下ロールが鋳片引き抜き方向に複数設けら
    れ、且つ該各一対の圧下ロールを構成する一方及び他方
    のロールがそれぞれロール軸方向に分割された分割小ロ
    ールで構成される様にしたものである連続鋳造設備にお
    いて、 前記鋳片の幅方向端部から下記式(1)に示す長さより鋳
    片中心側の鋳片各部は、鋳片引き抜き方向に見て上下流
    側に隣接する前記分割小ロールのいずれかによって圧下
    されていることを特徴とする連続鋳造設備。 0.5×鋳片厚みmm+200mm …(1)
  3. 【請求項3】 前記鋳片の幅方向端部から前記式(1)に
    示す長さより鋳片中心側位置での圧下ロールは、鋳片を
    挟んで対向する位置で分割されるものである請求項2に
    記載の連続鋳造設備。
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