JP3396546B2 - 電子写真平版印刷版の製版装置及びそれを用いた空版製版方法 - Google Patents

電子写真平版印刷版の製版装置及びそれを用いた空版製版方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空版製版機能を有する
電子写真平版印刷版の描画、現像、定着、溶出処理を行
うダイレクト製版装置及びそれを用いた空版製版方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版の作製方法は既に数多く知ら
れている。例えば、印刷用原版に銀塩フィルムによる原
稿を密着し、該原版の感光層に直接紫外線等で露光し、
これによって原稿の画像部に対応する硬化部分と、非画
像部に対応する非硬化部分を形成し、非硬化部分をアル
カリ又は水で洗浄除去し、硬化部分をインキ受理性とす
る製版方法である。この方法による印刷版がいわゆるP
S版と称されるものであり、広く用いられている。
【0003】一方、コンピュータ画像処理技術及び大容
量データのメモリー開発とデータ通信技術等の進歩によ
り、近年では、原稿入力、補正、編集、割付から頁組ま
で一貫してコンピュータ操作され、高速通信網や衛星通
信により即時遠隔地の末端プロッターに出力出来る電子
編集システムが実用化している。特に、即時性の要求さ
れる新聞印刷分野等において電子編集システムはもちろ
ん、そこからのデータにより印刷版が直接得られる製版
システムが、電子写真プロセスを利用し、半導体レーザ
ー光源露光によるシステムとして、一部では実用化され
始めている。
【0004】このようなシステムにおいては、後述のよ
うな溶出型の電子写真平版印刷版が、従来から使用され
ているPS版と同様な印刷条件で印刷することが可能で
あるため、有利に使用できる。その主な製版工程として
は印刷用原版を帯電、露光、現像を行い、トナーにより
画像を形成し、トナーが付着しない非画像部を溶出液に
より除去し、予め親水化処理を施した支持体表面を露出
させ印刷版とする。ここでトナーにより保護された画像
部は親油性であるから、オフセット印刷が出来るのであ
る。
【0005】電子写真平版印刷版は、アルミニウム等の
導電性支持体上に光導電性物質を含有する光導電体層が
被着された電子写真感光体から作製される。この電子写
真感光体の光導電体層を構成する材料としては、特公昭
37−17162号、同38−7758号、同46−3
9405号、特開昭52−2437号、同57−161
863号、同58−2854号、同58−28760
号、同58−118658号、同59−12452号、
同59−49555号、同62−217256号、同6
3−226668号、特開平1−261659号公報等
に記載されている様な有機光導電性化合物・結着樹脂系
材料が実用感度、耐刷性等に優れている。
【0006】電子写真平版印刷版の製版工程に於ては、
上記電子写真感光体の光導電体層上に、まず所定の帯電
工程が施され、一様な電荷がのせられる。次に露光によ
って画像に対応する静電潜像が形成される。続いて電子
写真用現像剤を用いての現像そして定着処理が行われ、
上記静電潜像に対応したトナー画像が形成される。トナ
ー画像以外の非画像部は、アルカリ剤等を含有する溶出
液により溶解・除去(溶出)され、続いて水洗または酸
性のリンス液による版面表面の見かけ上のpHの調節、
また必要に応じて版面保護液(保護ガム液)の塗布等の
処理が施されて最終的な刷版が得られる。
【0007】ところで上記現像行程において、いわゆる
反転現像によりトナー画像を得る場合、その優れた現像
特性からカブリおよび線細りのない良好な画像を得るこ
とが出来る。最近では特に高解像力で高品質な画像再現
性が要求されており、反転現像による電子写真平版印刷
版の製造方法はこの品質要求に応える方法である。
【0008】反転現像を行う場合には、まず露光工程に
おいて、トナーの付着が行われるべき部分、すなわち画
線部に対して光照射が行われ、その光照射部分の電位が
ほぼ0Vに減衰させられる。このとき光照射が行われな
い部分、すなわち非画像部相当部分は初期帯電電位がそ
のまま維持される事となる。現像行程領域では、液体現
像剤で充満された現像電極を介して現像電極と電子写真
平版印刷版との間に所定の現像バイアスを印加する。こ
の場合現像剤中のトナー粒子は、所定の方法によって帯
電された電子写真平版印刷版側と同極性の荷電を有して
いるものを用いる。このような状態で、上記現像行程領
域の現像電界中に静電潜像を有する感光体が搬入される
と、現像剤中のトナー粒子が現像電界により感光体側に
泳動され、光照射部分である感光体の0V部分にトナー
粒子の付着が行われる。この時初期帯電電位が残留して
いる非画像部相当部分はトナー粒子と反発しあうことと
なってトナー粒子の付着は回避される。
【0009】このような反転現像に用いられる現像剤と
しては、一般に乾式現像剤および液体現像剤のいずれも
採用することが出来るが、液体現像剤を用いれば、トナ
ー粒子を微細なものとすることができるため高解像力で
良好な画像再現性を得ることが出来る。液体現像剤は、
高絶縁媒体中に顔料(染料)あるいはポリマー粒子を分
散させ必要に応じて着色を行い、これに電荷(荷電)制
御剤を加えて所定の電荷を付与したものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、新聞印刷分
野では発行する新聞の紙面数(ページ建て)がしばしば
変動するが、印刷機の版胴としては最大ページ建てを考
慮した構成となっている。このため少ない紙面数で印刷
を行う場合には、ある版胴は印刷に用いないが紙は通さ
れている状況が発生する。このときそのまま印刷を行え
ば通っている紙に余分な汚れが印刷されるため、使用し
ない版胴には空版と呼ばれる全面非画像部とした印刷版
を装着して汚れの発生を防止している。昨今の新聞にお
けるカラー化に伴いこの様な状況は多くなっており空版
の製版頻度も高くなっている。
【0011】現在、空版の製版としては感光層が塗布さ
れていない平版印刷版、つまり表面を親水化したアルミ
版をPS版の自動製版装置を用いて、PS版と同様に工
程処理を行って印刷機に装着できる状態にして用いるこ
とが一般的に行われている。これは、PS版の処理工程
で特に空版の親水化表面に影響を与える工程はなく製版
に問題がないばかりか、空版は印刷機上での地汚れの発
生を防止するためPS版の現像処理におけるアルカリ処
理液で版面が清浄化されガム引きが行われることが必要
であることや、印刷機装着用の位置決めパンチ穴や折り
曲げ形成が必要であるためで、これと共に感光層が塗布
されていない平版印刷版を用いることで版材のコストを
低くくできることによる。
【0012】ところでコンピュータからの画像データ
を、レーザー光源を用いて上述のような電子写真反転現
像プロセスを含み電子写真平版印刷版を直接製版する装
置(例えば、「新聞技術」 Vol.36 No.3
P27〜32(1992)に記載の2L版CTPシステ
ム等が挙げられる)においても、空版を製版する要求が
ある。しかし、このような装置では液体現像剤による反
転現像処理が行われるため、感光層未塗布の平版印刷版
では当然ながら帯電を施しても電荷は保持されないため
全面にトナーが付着し、空版として使用できなくなって
しまう。現像部通過時に現像液の吐出を停止させておい
ても、現像部の構成部材には現像液が幾らか付着してい
るため、空版にもトナーが現像されるなどその影響が見
られる。そこで、空版製版の場合にも電子写真平版印刷
版を通常製版と同様に帯電させて、その後露光を行わず
表面の電荷を全て保持させたまま以降の処理を行って空
版としていた。このため空版製版にも通常製版と同様な
コストがかかり、その経済性が問題となっている。
【0013】本発明は上記事実を考慮して、空版製版機
能を有する電子写真平版印刷版用ダイレクト製版装置及
びそれを用いた空版製版方法を提供することが目的であ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決は、以下
の構成に基づく本発明の装置および方法により達成され
た。第一の発明による装置は、該電子写真平版印刷版
を、複数枚の非画像部溶出型電子写真平版印刷版が載置
できると共に単葉毎に描画部へ移送を行う給版部、帯電
とレーザー光による描画を行う描画部、液体現像剤によ
り反転現像処理を行う現像部、熱により定着を行う定着
部、アルカリ溶出剤により非画像部の溶出処理とガム引
き処理を行う溶出部、印刷機装着用の位置決め穴を穿孔
するパンチ部及び印刷機装着用に版を折り曲げる折り曲
げ部を有する自動製版装置であって、前記現像部は液体
現像剤の供給及びバイアス電圧の印加を行わず、該電子
写真平版印刷版を搬送して現像部を通過させることが可
能な現像部、及び前記定着部は加熱手段を作動させず、
該電子写真平版印刷版を搬送して定着部を通過させるこ
とが可能な定着部となっている製版装置である。すなわ
ち該電子写真平版印刷版の反転現像処理を行う現像機能
と、空版製版時は、トナーの吐出、及びバイアス電圧に
よる印加を行わず、該電子写真平版印刷版にトナーによ
る画像形成されずに現像部を通過させる機能を有し、現
像部の搬送経路を経由して、定着部へ搬送することが可
能な現像部を有する構成である。
【0015】第二の発明による方法は、第一の発明の電
子写真平版印刷版の製版装置を用いて、親水性表面を有
する基板上に少なくとも水溶性ポリマーまたはアルカリ
可溶性ポリマーを塗布した空版用材料を適用し、現像部
では液体現像剤の供給とバイアス電圧による印加を行わ
ず、現像処理を行わずに現像部の搬送手段の作動により
定着部へ搬送し、定着部では加熱手段を作動させず定着
処理を行わずに溶出部へ搬送して空版を製版する方法で
ある。
【0016】本発明における親水性表面を有する基板と
は、平版印刷版用の基板が好ましく、例えばアルミニウ
ム板、樹脂にアルミニウムをラミネートしたもの、もし
くは亜鉛板、銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、
クロム−銅板等のバイメタル板、またはクロム−銅−ア
ルミニウム板、クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステン
レス板等のトライメタル板等が用いられる。
【0017】また、特にアルミニウムの表面を有する支
持体の場合には、砂目立て処理、陽極酸化処理、珪酸ソ
ーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液
への侵漬処理等の表面処理がなされていることが好まし
い。また、米国特許第2714066号明細書に記載さ
れている如く、砂目立てした後に珪酸ナトリウム水溶液
に侵漬処理されたアルミニウム板、特公昭47−512
5号公報に記載されているようにアルミニウム板を陽極
酸化処理した後に、アルカリ金属珪酸塩の水溶液に侵漬
処理したものも好適に使用される。上記陽極酸化処理
は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硝酸等の無機酸、
もしくは蓚酸、スルファアミン酸等の有機酸またはこれ
らの塩の水溶液又は非水溶液の単独又は二種以上を組み
合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を
流すことにより実施される。
【0018】また、米国特許第3658662号明細書
に記載されているようなシリケート電着も有効である。
西独特許公開公報第1621478号に記載のポリビニ
ルホスホン酸による処理も適当である。
【0019】本発明に用いられる水溶性ポリマーとして
は、天然高分子類、例えば澱粉類、海藻マンナン、ふの
り、寒天およびアルギン酸ナトリウム等の藻類から得ら
れるもの、マンナン、ペクチン、トラガントガム、カラ
ヤガム、キサンチンガム、グアービンガム、ローカスト
ビンガム、アラビアガム、等の植物性粘質物、デキスト
ラン、グルカン、キサンタンガム、およびレバンなどの
ホモ多糖類、並びにサクシノグルカン、プルラン、カー
ドラン、およびザンタンガムなどのヘテロ多糖等の微生
物粘質物、にかわ、ゼラチン、カゼインおよびコラーゲ
ン等のタンパク質等、キチンおよびその誘導体等があげ
られる。
【0020】また、半天然物(半合成物)類としては、
アルギン酸プロピレングリコールエステル、ビスコー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース等の繊維素誘導体、カルボキシメチ
ルグアーガム等の変性ガム、並びにデキストリン等の培
焼澱粉類、酸化澱粉類、エステル化澱粉類等の加工澱粉
等が挙げられる。
【0021】合成品には、ポリビニルアルコールの他部
分アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変性ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビ
ニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等
の変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリ
アクリル酸エステル部分けん化物、ポリメタクリル酸
塩、及びポリアクリルアマイド等のポリアクリル酸誘導
体及びポリメタクリル酸誘導体、ポリエチレングリコー
ル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、
ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合物、カルボキシビ
ニル重合物、スチレン/マレイン酸共重合物、スチレン
/クロトン酸共重合物等が挙げられる。
【0022】これらの内、藻類から得られるもの、植物
性粘質物、繊維素誘導体、加工澱粉、及び合成品は皮膜
形成性が良好なため好適に用いられる。
【0023】これらの水溶性ポリマーは塗布するために
水溶性ポリマー溶液として使用するが、その際に親水性
を向上させる目的で強酸の金属塩やpH調整の目的で燐
酸、有機ホスホン酸、クエン酸等を含有させることがで
き、その添加量は塗布液の総重量を基準として約0.0
1〜5重量%が望ましい。
【0024】また水溶性ポリマー溶液には、その塗布性
の向上を目的として、エチレングリコール等の低級多価
アルコール等の湿潤剤および/または界面活性剤を含有
させておくこともできる。これらの湿潤剤および/また
は界面活性剤は塗布液の総重量に対して約0.5〜10
重量%、より好ましくは1〜5重量%の範囲で含有させ
られる。更に二酸化珪素、タルク、粘土などの充填剤を
2重量%までの量で、また染料や顔料等を1重量%まで
の量で含有させることもできる。これら水溶性ポリマー
溶液の濃度は0.01〜40重量%、より好ましくは5
〜30重量%、温度10℃〜50℃、pH値1〜13の
範囲が適当である。
【0025】本発明に用いられるアルカリ可溶性ポリマ
ーとしては、溶出工程において完全に溶出される必要が
あり、そのような性能を具備したポリマーとしては以下
に示すようなものが挙げられる。例えば、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、マレイン酸エステル樹脂、酢酸
ビニル−無水マレイン酸共重合体、フェノール樹脂等が
ある。さらにスチレン−ブチルアクリレート−アクリル
酸の共重合体、ブチルメタアリレート−ブチルアクリレ
ート−メタアクリル酸の共重合体、2エチルヘキシルア
クリレート−メタアクリル酸共重合体等酸価を有するス
チレン樹脂や酸価を有するスチレン(メタ)アクリル樹
脂、酸価を有する(メタ)アクリル樹脂等がある。さら
にスチレン−無水マレイン酸ハーフエステル共重合体、
酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、等が挙げられる。こ
れらは、もちろん単独で用いても良いが、2つ以上の組
合せでも使用できる。
【0026】また、これらのアルカリ可溶性ポリマーは
塗布するために下記の溶剤の溶液として使用されるが、
必要に応じて、光導電層と同様に、可塑剤あるいは界面
活性剤、その他の添加剤を加えてもよい。さらに、認識
性を高めるために染料や顔料等を1重量%までの量で含
有させることも可能である。
【0027】塗布液の溶媒としては、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロフォルム等のハロゲン化炭化水
素類、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブ
タノール等のアルコール類、アセトン、2-ブタノン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、2-メトキシエチルアセテート等のグリ
コールエーテル類、オキソラン、オキサン、ジオキサン
等の環状エーテル類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチル等のエステル類等が挙げられる。
【0028】本発明の空版用材料として、上記平版印刷
版用の基板に少なくともアルカリ可溶性樹脂と光導電性
物質を塗布してなる溶出型電子写真平版印刷版を用いる
こともできる。
【0029】
【作用】本発明の製版装置は、給版部、描画部、現像
部、定着部、溶出部、パンチ部、ベンダー部から成り、
通常製版では給版部に複数枚載置された電子写真平版印
刷版を一枚毎に描画部へ給版し、帯電およびレーザー走
査露光による描画が行われる。次に現像部に搬送された
電子写真平版印刷版は液体現像剤により反転現像処理が
行われ版面にトナー画像部が形成され、定着部で熱定着
が施されトナーを定着させる。引続き、溶出部でトナー
画像部以外の非画像部はアルカリ溶出液によって溶出さ
れ、水洗、ガム引き処理が施されパンチ部へ搬送され
る。パンチ部では印刷機装着用の位置決め孔が穿孔さ
れ、さらにベンダー部で電子写真平版印刷版の天地両端
が折り曲げられるようになっている。
【0030】空版製版処理の場合は、親水性基板上に少
なくとも水溶性ポリマーあるいはアルカリ可溶性ポリマ
ーを塗布した空版用材料を載置する。そこから一枚毎に
描画部に搬送されるが、帯電および描画処理は行わず現
像部へ送られる。現像部では、通常、現像によるトナー
画像形成が行われる機能と、印刷版のトナー現像を行わ
ない機能とに切り替え自由となっている。つまり空版製
版時には現像部において液体現像剤の供給、及びバイア
ス電圧の印加を行わず、現像部の搬送経路を経由して、
描画部から送られてきた空版用材料が、現像処理を受け
ず通過し定着部へ搬送される。定着部では空版用材料の
搬送のみを行い、熱定着は作動しないようになってい
る。続いて溶出部に送られるが以降は通常製版と同様に
処理が施される。
【0031】以上のような製版処理では空版用材料は反
転現像処理および熱定着処理を受けておらず、また水溶
性ポリマーにより、疎水性の液体現像剤が付着しても反
発するので、表面の親水化処理は影響を受けない。また
溶出部ではアルカリ溶出液により版面が清浄化され、引
き続いてガム引きされるので以降の処理や印刷機装着時
の手の接触から版面の保護も出来る。さらにパンチおよ
びベンダー部で穿孔、折り曲げ処理が施され、空版とし
て使用できる状態に製版がなされる。また、従来のよう
に電子写真平版印刷版を空版製版状態で製版しても溶出
部で光導電層は全て除去されるので空版として使用する
ことも可能である。
【0032】
【実施例】以下、本発明の電子写真平版印刷版の製版装
置に於ける各工程及びそれらに具有或は志向する作用の
詳細について図面を用いて説明する。尚、本発明はその
主旨を越えない限り、本説明及び実施例に何ら制限され
るものではない。
【0033】図1は本発明の一製版装置例の全体概要図
である。給版部1、描画部2、現像部3、定着部4、溶
出部5、パンチ部6、ベンダー部7および排版部8から
構成されている。通常製版では給版部1に複数枚載置さ
れた電子写真平版印刷版を一枚毎に描画部2へ給版し、
帯電およびレーザー走査露光による描画が行われるよう
になっている。次に電子写真平版印刷版は現像部3に搬
送され、図示しない液体現像剤により反転現像処理が行
われ版面にトナー画像が形成されるようになっている。
引続いて定着部4では図示しない定着ランプにより熱定
着が施され版面上のトナーを定着させるようになってい
る。次に溶出部5に搬送されてトナー画像部以外の非画
像部はアルカリ溶出液によって溶出され、水洗、ガム引
き処理が施されパンチ部6へ搬送される。パンチ部6で
は印刷機装着用の位置決め孔が穿孔され、さらにベンダ
ー部7で電子写真平版印刷版の上下両端が折り曲げられ
るようになっている。最後に排版部8へ搬送され製版さ
れた印刷版として排出される。
【0034】現像部は、液体現像剤吐出機構および回収
機構、バイアス電圧印加電極、余剰液絞液ロール対など
を有し実質的に反転現像を行う機構で構成されている。
現像処理中は現像部に電子写真平版印刷版が搬送され、
該電子写真平版印刷版の上部に液体現像剤が液体現像剤
吐出機構から供給され、該電子写真平版印刷版の搬送に
より、バイアス電圧印加電極の下部と該電子写真平版印
刷版の上部との間隙に液体現像剤が充填され、バイアス
電圧印加電極に現像に必要なだけのバイアス電圧を与
え、バイアス電圧の印加とともに反転現像が行われるよ
うになっている。
【0035】本発明の空版作製時の装置においては、現
像部の液体現像剤吐出機構からの液体現像剤の供給及び
バイアス電圧の印加を停止して、余剰液絞液ロール対に
より空版用材料を次工程である定着工程部に搬送され
る。
【0036】本発明の製版装置を用いて空版製版を行う
場合には、製版機の製版モードに空版製版モードを内蔵
しており、該空版製版モードを選択し製版開始のスイッ
チの動作で給版部から自動で製版を行うようになってい
る。該空版製版モードには、空版が必要な枚数設定もで
き自動で複版も行えるようになっている。
【0037】給版部で複数枚積載された空版用材料を一
枚取り上げ、描画部の露光定盤に載置および位置決めを
行い帯電および露光を行わず現像部入口の吸着搬送ユニ
ットへ排出される。この後版材は吸着搬送ユニットに吸
着され現像部へ送られる。
【0038】現像部では液体現像剤の吐出、及び、バイ
アス電圧の印加を停止しているため、版材は現像が行わ
れずに現像部のロール対を経て定着部へ送られる。版材
搬送時における現像部のロール対は、上下のロール対を
圧着させてニップ搬送しても、ロール対の上側ロールを
上昇させて下側のロールだけの駆動によるコロ搬送をし
てもどちらでも良いが、後者のコロ搬送の方がロールの
磨耗の軽減、及び、ロールに付着している微量の液体現
像剤に含まれている溶剤、またクリーナー液の溶剤が版
材に積極的に付着しないため好ましい。
【0039】定着部では空版製版時には搬送駆動部材の
みを作用させ、定着ランプは点灯加熱しないようになっ
ているので、現像部から送られた版材は加熱されること
なく溶出部へ送られる。
【0040】溶出部では通常の溶出処理が行われる。す
なわち使用される空版用材料が電子写真平版印刷版の場
合には光導電層がすべて溶出されてガム引きされる。ま
た親水性表面を有する平版印刷版用の基板に水溶性ポリ
マーあるいはアルカリ可溶性ポリマーを塗布した空版用
材料の場合には、水溶性ポリマー層あるいはアルカリ可
溶性ポリマー層がアルカリ溶出液により溶解洗浄され、
後にガム引きがなされる。
【0041】その後版材はパンチ部、ベンダー部へ順に
搬送され、印刷機装着用の切り欠きの穿孔処理と折り曲
げ処理が施されるようになっている。以上の処理を施さ
れた版材は印刷機に装着され空版として使用することが
可能となる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、電子写真平版印刷版の
製版装置において非画像部溶出型電子写真平版印刷版お
よび感光層未塗布の空版用材料の空版製版が可能で、空
版製版におけるコストを低減することができる。さらに
装置の給版部で複数枚積載した状態から製版が可能なた
め人手を介さず連続的に製版することも可能となる。ま
た、平版印刷版の版面に液体現像剤の付着、及び、画像
形成が行われず、熱による加熱も行わないため、空版製
版後の空版は親水性に優れ、印刷における汚れを発生さ
せない効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製版装置の概略図。
【図2】本発明の製版装置の現像部の概略構成図。
【符号の説明】 1 給版部 2 描画部 3 現像部 4 定着部 5 溶出部 6 パンチ部 7 ベンダー部 8 排版部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の非画像部溶出型電子写真平版印
    刷版が載置できると共に単葉毎に描画部へ移送を行う給
    版部、帯電とレーザー光による描画を行う描画部、液体
    現像剤により反転現像処理を行う現像部、熱により定着
    を行う定着部、アルカリ溶出剤により非画像部の溶出処
    理とガム引き処理を行う溶出部、印刷機装着用の位置決
    め穴を穿孔するパンチ部及び印刷機装着用に版を折り曲
    げる折り曲げ部を有する自動製版装置であって、前記現
    像部は液体現像剤の供給及びバイアス電圧の印加を行わ
    ず、該電子写真平版印刷版を搬送して現像部を通過させ
    ることが可能な現像部、及び前記定着部は加熱手段を作
    動させず、該電子写真平版印刷版を搬送して定着部を通
    過させることが可能な定着部となっていることを特徴と
    する電子写真平版印刷版の製版装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真平版印刷版の製
    版装置に、親水性表面を有する基板上に少なくとも水溶
    性ポリマーまたはアルカリ可溶性ポリマーを塗布した空
    版用材料を適用し、現像部では液体現像剤の供給とバイ
    アス電圧による印加を行わず、現像処理を行わずに現像
    部の搬送手段の作動により定着部へ搬送し、定着部では
    加熱手段を作動させず定着処理を行わずに溶出部へ搬送
    することを特徴とする空版製版方法。
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