JP3395478B2 - ポリエステル組成物及びフィルム - Google Patents

ポリエステル組成物及びフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融状態で架橋高分
子粒子が均一単分散状態を維持し、かつ成形性に優れた
ポリエステル組成物及びそれからなるフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートは、その優れた物理的、化学的特性を有するた
め、繊維、フィルム、その他の成形品として広く使用さ
れている。しかし、その優れた特性とは逆に前記成形品
を得る成形工程における工程通過性、あるいは製品自体
での取り扱い時の滑り性不良による作業性の悪化、製品
価値の低下といった好ましくないトラブルが発生するこ
とも知られている。
【0003】これらの問題に対して、ポリエステル中の
粒子を含有せしめて成形品の表面に適度の凹凸を付与
し、成形品の表面の滑り性を向上させる方法が数多く提
案されている。この粒子としては、例えば酸化ケイ素、
二酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、カオリナトな
どの不活性無機粒子、あるいはベンゾグアナミン・ホル
ムアルデヒド樹脂、ポリテトラフルオルエチレン−ヘキ
サフルオルプロピレン共重合体、ポリフェニルエステル
樹脂などの有機高分子粒子をポリエステル合成反応系に
添加する方法がある(例えば特開昭55−133431
号公報、特開昭57−125247号公報など)が、ポ
リエステルの親和性が良好である点で、有機高分子粒子
が広く用いられている。
【0004】しかし、有機高分子粒子を添加する方法
は、一般にポリエステルとの親和性が良好であるが、均
一粒子を得にくく、得られたとしてもポリエステル中で
凝集するなどポリエステル中の分散性が不良で粗大粒子
の混入は避けられない。この対策として、強酸基または
その金属塩基を有する共重合ポリエステルと、水溶性高
分子化合物で処理された架橋高分子粒子を用いることが
提案されている(特開平5−156145号公報)。し
かしこの方法においては、強酸基またはその金属塩基を
有する共重合ポリエステルが吸水しやすいため、ポリエ
ステル組成物を成形する際にポリエステル組成物の粘度
が低下しやすく、成形性が劣るという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル組成物中に架橋高分子粒子が均一に単分散して
おり、しかも溶融保持しても良好な分散状態を維持する
ため、成形品の易滑性、表面均一性、透明性及び耐摩耗
性が優れ、かつ成形性に優れたポリエステル組成物とフ
ィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は、次
の構成により達成できる。
【0007】(1)芳香族ポリエステル(A)、架橋度
が50%以上である架橋高分子粒子(B)、および水溶
性高分子化合物(C)からなり、かつ該化合物(C)は
下記式(1)で定義される被覆率sが0.15以上であ
ることを特徴とするポリエステル組成物。
【0008】 s=wr ・・・・・・・・・・・・・式(1) (但し w:水溶性高分子化合物の添加量(対架橋高分
子粒子重量%) r:架橋高分子粒子の平均半径(μm)) (2)水溶性高分子化合物(C)がビニルピロリドン残
基を30モル%以上含有することを特徴とする請求項1
記載のポリエステル組成物。
【0009】(3)請求項1または請求項2のポリエス
テル組成物よりなる2軸配向ポリエステルフィルム。
【0010】(4)請求項1または請求項2に記載のポ
リエステル組成物を少なくとも片面に積層してなること
を特徴とする2軸配向ポリエステルフィルム。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における芳香族ポリエステ
ル(A)とは、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形
成性誘導体及びグリコールを主成分とするポリエステル
であって、強酸基または強酸金属塩基を有する化合物を
共重合していないか、共重合していてもその共重合量が
芳香族ジカルボン酸残基100モルに対して0.3モル
%以下、好ましくは、0.1モル%以下のものである。
強酸基またはその金属塩基が、芳香族ジカルボン酸成分
に対し0.3モル%を越える場合には、乾燥時のポリエ
ステル組成物中の水分除去が困難となるため、ポリエス
テル組成物の成形時の溶融粘度の低下が大きくなり、ポ
リエステル組成物の成形性が不良となる。強酸基または
その金属塩基の例としては、スルホン酸アルカリ金属塩
があげられる。
【0012】強酸基またはその金属塩基含有化合物以外
の共重合成分については特に制限はない。その成分の例
としては、炭素数3以上のグリコール、ポリアルキレン
グリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン
酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、
トリメット酸などの多官能カルボン酸成分、オキシカル
ボン酸成分などがあげられる。
【0013】本発明のポリエステルには、ポリエステル
の製造時に通常用いられるアルカリ金属化合物、アルカ
リ土類金属化合物、マンガン、亜鉛、アンチモン、ゲル
マニウム、チタンなどの化合物及びリン化合物などを含
有していてもよい。また、本発明のポリエステル組成物
には架橋高分子粒子以外の不活性有機、または無機粒子
が含有されていてもよい。
【0014】本発明における架橋高分子粒子(B)と
は、例えば、分子中に一個の不飽和結合を有する化合物
(X)と二個以上の不飽和結合を有する化合物(Y)と
の共重合体があげられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0015】化合物(X)の例としては、スチレン、エ
チルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロス
チレン、ビニルピリンなどの芳香族モノビニル化合物、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化
ビニル化合物、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、グリシジルアクリレート、N,N´−
ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアクリル酸エ
ステルモノマー、ブチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、N,N´−ジメチルアミノエチルメタクリレート
などのメタクリル酸エステルモノマー、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノまたは
ジカルボン酸及びジカルボン酸の酸無水物、アクリルア
ミド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーを用い
ることができる。なかでもスチレン、α−メチルスチレ
ン、及びp−メチルスチレンが好ましい。
【0016】化合物(Y)の例としては、ジビニルベン
ゼン化合物、あるいはトリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、あるいはポリエチレングリコールジアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−
ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレートなどの多価アクリレート及びメタクリレートが
あげられる。
【0017】これらのうち、特にジビニルベンゼン、ブ
チルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
トまたはトリメチロールプロパントリメタクリレートを
用いることが好ましい。なお(X)、(Y)の化合物は
それぞれ2種以上を混合して用いることもできる。
【0018】本発明の架橋高分子粒子組成として好まし
いものを例示すると、ジビニルベンゼンを主成分とする
架橋高分子粒子、スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体、エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共
重合体、スチレン−メチルメタクリレート−ジビニルベ
ンゼン共重合体、ブチルアクリレート−ジビニルベンゼ
ン共重合体を用いた架橋高分子粒子などがあげられる。
なかでも、エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共
重合体が耐熱性の点で好ましい。
【0019】さらに本発明の架橋高分子粒子は、フィル
ムの耐摩耗性の点で、全モノマーに対する化合物(Y)
の比率(架橋度という)を50%以上とする必要があ
り、好ましくは80%以上である。架橋度が50%未満
の場合は耐摩耗性が不良となるので好ましくない。また
80%以上となると、特に耐摩耗性が良好となるので好
ましい。
【0020】本発明に用いる架橋高分子粒子は易滑性、
表面均一性、透明性などの点から粒子形状が球形で、均
一な粒度分布のものが好ましい。
【0021】すなわち体積形状係数が0.35〜0.5
2のものが好ましく、さらには0.45以上のものが好
ましい。ここで、体積形状係数fは,次式で定義する。
【0022】f=V/D3 (Vは粒子体積(μm3 )、Dは粒子の投影面における
最大径(μm)) 本発明の架橋高分子粒子は公知の製造方法によって得ら
れるものである。公知の製造方法としては、例えば以下
の乳化重合による方法がある。
【0023】(1)ソープフリー重合法、すなわち乳化
剤を使用しないか、あるいは極めて少量の乳化剤を用い
て重合する方法。
【0024】(2)乳化重合に先だって重合系内へ重合
体粒子を添加しておいて乳化重合させるシード重合法。
【0025】(3)単量体成分の一部を乳化重合させ、
その重合系内で残りの単量体を重合させるコアーシェル
重合方法。
【0026】(4)特開昭54−97582号公報、及
び特開昭54−126288号公報に示されているユー
ゲルスタットなどによる重合方法。
【0027】(5)(4)の方法において膨潤助剤を用
いない重合方法。
【0028】上記のうち、特に(3)及び(4)の方法
が、均一な粒度分布をもつ球状架橋高分子粒子を得るこ
とができるので好ましい。
【0029】本発明の架橋高分子粒子は官能基を有して
いてもよいが、その官能基の種類は特に限定はないが、
例えばカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、エステ
ル基及びカルボキシル基、及びそれらの金属塩などをあ
げることができる。
【0030】官能基の導入方法に特に限定はないが粒子
の耐熱性の点から、高架橋の母体となる粒子を製造し、
その母体粒子の表面に官能基を導入することが望まし
い。例えばカルボキシル基のナトリウム塩を導入する場
合は、母体粒子としてエチルビニルベンゼン−ジビニル
ベンゼン共重合体を用いて架橋した粒子を製造し、その
後メタクリル酸により粒子表面にカルボキシル基を導入
する。その後系をアルカリ性にすることで粒子表面に−
COONaの官能基を導入する。
【0031】本発明においてポリエステル中に分散含有
させる架橋高分子粒子の平均粒径は、滑り性、透明性、
耐摩耗性などの点で、0.01〜5μmの範囲が好まし
く、より好ましくは0.05〜2μmである。
【0032】本発明では、架橋高分子粒子を30分以上
溶融保持してもポリエステル中に均一単分散させること
ができる。この均一単分散とは二次凝集粒子がほとんど
なく、一次粒子としてポリマ中に分散されている状態を
いう。すなわち、ポリマを透過型電子顕微鏡により観察
し、0.01mm2 の視野当りの二次凝集粒子の数が2
0個以下が好ましい。より好ましくは15個以下で、さ
らに好ましくは10個以下である。
【0033】本発明の架橋高分子粒子は種々の公知の方
法、例えばポリエステル合成反応系に添加、混合する方
法などによりポリマ中に含有させることができるが、ベ
ント式成形機において、ポリエステルに架橋高分子粒子
の水及び/または沸点200℃以下の有機化合物スラリ
ーを添加し、水及び/または沸点200℃以下の有機化
合物を常圧または減圧下でベント孔より除去し、溶融混
練する方法が、より均一単分散したポリエステルが得ら
れるため好ましい。
【0034】本発明における水溶性高分子化合物とは、
25℃の水に10wt%以上溶解する高分子化合物を言
う。具体例としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール、ゼラチン、セルロース、アルキル化セル
ロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルなど
があげられるが、これらのホモポリマーであってもよ
く、共重合ポリマーであってもよい。好ましくは、架橋
高分子粒子の水スラリーに水溶性高分子化合物を加えた
際に分散安定性が良好なものが好ましいが、特にpH5
〜8のゼーター電位の絶対値が水溶性高分子化合物を加
える前より大きくなるものが好ましく、更には、粒子の
分散性の点でビニルピロリドン残基を全化合物の30モ
ル%以上有することが好ましい。
【0035】水溶性高分子化合物の添加量は、下記式
(1)で定義される被覆率sが0.15以上、さらに好
ましくは0.45以上である。
【0036】 s=wr ・・・・・・・・・・・式(1) (但し w:水溶性高分子化合物の添加量(対架橋高分
子粒子重量%) r:架橋高分子粒子の平均半径(μm)) 本発明では被覆率sを0.15以上にすることにより、
ポリマ中の架橋高分子粒子は均一単分散しており、した
がって延伸フィルムにした場合には、均一な凹凸表面が
得られる。また、溶融保持した時の再凝集もないため
に、製膜加工工程においても均一単分散した状態を維持
できる。したがって易滑性、透明性及び耐摩耗性を兼備
したフィルムが得られる。被覆率sが0.15未満で
は、ポリマ中での架橋高分子粒子の分散性、安定性が不
良となり、また製膜工程などにおいては再凝集粒子が発
生し、特に耐摩耗性が不良となる。被覆率sを0.45
以上とすると耐摩耗性が大きく改善されるので、特に好
ましい。
【0037】また、水溶性高分子化合物の分子量として
は300〜3,000,000が好ましく、更には5,
000〜2,000,000が好ましい。
【0038】本発明のフィルムは、もちろん単層フィル
ムでも用いられるが、少なくとも片側に積層した後二軸
配向したフィルムとすると、フィルム表面の均一性、易
滑性、耐摩耗性が良好になるので望ましい。この場合、
ベースフィルムとしては通常のポリエチレンテレフタレ
ートフィルムが好ましく用いられる。積層フィルムにお
ける積層部のフィルム厚さは、架橋高分子粒子の平均粒
径に対して0.1〜10倍、特に0.1〜5倍にすると
易滑性、耐摩耗性が良好となり好ましい。
【0039】本発明における積層部の架橋高分子粒子の
含有量は0.5〜50重量%が好ましく、特に0.5〜
30重量%であることが、易滑性、耐摩耗性の点で好ま
しい。積層方法としては溶融共押出など適宜公知の積層
方法を採用できる。
【0040】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明
する。なお、ポリエステル組成物の各特性値の測定は次
の方法にしたがって行った。
【0041】(A)粒子の粒径 平均粒径は粒子の電子顕微鏡写真によって測定した50
体積%の点に当たる粒子等価球直径により求めた。等価
球直径とは粒子と同じ体積を有する球の直径である。
【0042】(B)ポリマの極限粘度 o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定し
た。
【0043】(C)ポリマ中の粒子の分散状態 ポリマーを超薄膜作成装置によって0.3μm前後の超
薄切片にした後、透過型電子顕微鏡によりポリマ中の粒
子の分散状態を観察し、0.01mm2 の視野当たりの
二次凝集粒子の数をカウントした。
【0044】(D)ポリエステル組成物の成形性 温度25℃、湿度70%RHの雰囲気下に放置したポリ
エステルを、真空ベント付き二軸押出機で滞留時間6分
で押出成形し、押出前後のポリマの極限粘度差を測定す
る。極限粘度差が0.10以下であれば成形性は良好で
あると判断した。
【0045】(E)ポリマ溶融時の粒子分散性 ポリマを窒素雰囲気下で290℃で30分間溶融撹拌し
た後冷却固化し、前記した、(C)ポリマ中の粒子の分
散状態で分析した。
【0046】(F)フィルム特性 (a)表面粗さRa(μm) JIS−B−0601に準じて、触針式表面粗さ計を用
いて測定した(カットオフ値0.08mm,測定長4m
m)。
【0047】(b)滑り性(μk) フィルムを1/2インチにスリットし、テープ走行試験
機TBT−300型((株)横浜システム研究所製)を
使用し、30℃、60%RH雰囲気で走行させ、初期の
μkを下記の式により求めた。 μk=0.733log(T1 /T2 ) ここでT1 は入側張力、T2 は出側張力である。ガイド
径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面粗
度0.2S)、巻き付け角は180°、走行速度は3.
3cm/秒である。前記μkが0.35以下であるもの
を滑り性良好と判断した。
【0048】(c)耐摩耗性 テープ走行試験機TBT−300((株)横浜システム
研究所製)を使用し、25℃、50%RHの雰囲気で2
000回繰り返し走行させたのち、ガイド部に付着した
白色の削れ粉(白粉)を目視にて判定する。ここで、ガ
イド径は8mmφであり、ガイド材質はSUS27(表
面粗度0.2S)、巻き付け角度は180°、テープ走
行速度は3.3cm/秒である。評価基準は次の通りで
ある。 ◎:白粉発生量が非常に少く、耐摩耗性は非常に良好で
ある。 ○:白粉発生量は少なく、耐摩耗性は良い。 △:白粉発生量がやや多く、耐摩耗性は劣る。 ×:白粉発生量が非常に多く、耐摩耗性は使用に絶えな
い。
【0049】実施例1 酸成分としてテレフタル酸ジメチル100重量部、エチ
レングリコール64重量部に、酢酸マグネシウム0.0
6重量部、リン酸トリメチル0.03重量部、三酸化ア
ンチモン0.03重量部を触媒として溶融粘度0.62
5のポリエステル(A)を製造した。一方、平均粒径
0.3μmのエチルビニルベンゼン/ジビニルベンゼン
からなる架橋高分子粒子(B、ジビニルベンゼンベンゼ
ン82%、体積形状係数0.51、20%水分散体)2
重量部に、ポリビニルピロリドン(C、分子量12,0
00、10%水溶液)0.1重量部を加え、撹拌した。
【0050】次に常圧および真空ベント孔付き二軸押出
機を使用して、ポリエステル(A)100重量部に、架
橋高分子粒子を3重量部の割合で添加した。水の大部分
は常圧ベントから除去し、また真空ベント孔は5tor
r以下に保持した。口金部分のポリエステル組成物
(X)の温度は290℃であった。
【0051】得られたポリエステル組成物(X)の極限
粘度は0.605であり、また、粒子の分散性評価では
二次凝集は3個で、ほぼ均一単分散状態であった。
【0052】このポリエステル組成物(X)の成形性評
価を行ったところ、押出前後の極限粘度差は0.020
であり良好であった。
【0053】次にこのポリエステル組成物(X)の溶融
時の粒子分散性評価を行ったところ、二次凝集粒子の数
が3個であり、分散安定性は良好であることを確認し
た。
【0054】このポリエステル組成物(X)と、それと
は別に製造したポリエステル(Y、組成、触媒などはA
と同じ)を290℃で溶融共押出して、積層未延伸フィ
ルムとした。その後90℃で縦横それぞれ3倍に延伸
し、さらに220℃で15秒間熱固定し、ポリエステル
XとポリエステルYの厚みが、おのおの0.3μm、8
μmになるようにした。このフィルムを評価したとこ
ろ、Ra=0.014μm、μk=0.27の耐摩耗性
の非常に良好なフィルムであった。
【0055】実施例2〜11、比較例1〜4 表1〜4の示した条件に変更した以外は実施例1にした
がって実施例2〜11、比較例1〜4を行なった。
【0056】結果を表1〜4に示したが、本願発明の要
件を満たすものはいずれも成形性、フィルム特性とも良
好であった。
【0057】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0058】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物は、水溶性
高分子と架橋高分子粒子とを特定量含有し、かつ特定の
基を有していない従来とは異なるポリエステルを採用す
ることにより、架橋高分子粒子がポリマ中で均一単分散
状態となり、かつ溶融保持しても分散安定性を保持し、
またポリエステル組成物の成形性が安定である。
【0059】従って、フィルムとする場合に安定して溶
融製膜ができるほか、溶融成形工程での凝集によるフィ
ルターの目詰まりがなく、かつ凝集粗大粒子によるフィ
ルムの膜破れなどがない。また、延伸フィルムにした場
合、均一なフィルム凹凸表面が得られる。従って、易滑
性、透明性、耐摩耗性に優れており磁気テープ用途、写
真、製版用途、コンデンサー用途などに好適である。
【0060】本発明の組成物を用いて積層フィルムとす
る場合、凝集粒子による粗大突起が少なく耐摩耗性が良
好なフィルムが得られる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリエステル(A)、架橋度が5
    0%以上である架橋高分子粒子(B)、および水溶性高
    分子化合物(C)からなり、かつ該化合物(C)は下記
    式(1)で定義される被覆率が0.15以上であること
    を特徴とするポリエステル組成物。 s=wr ・・・・・・・・・・式(1) (但し、w:水溶性高分子化合物の添加量(対架橋高分
    子粒子重量%) r:架橋高分子粒子の平均半径(μm))
  2. 【請求項2】 水溶性高分子化合物(C)がビニルピロ
    リドン残基を30モル以上有することを特徴とする請
    求項1記載のポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2のポリエステル
    組成物よりなる2軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のポリエ
    ステル組成物を少なくとも片面に積層してなる2軸配向
    ポリエステルフィルム。
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