JP3395357B2 - 耐熱・難燃性ペースト状組成物 - Google Patents

耐熱・難燃性ペースト状組成物

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JP3395357B2
JP3395357B2 JP12219494A JP12219494A JP3395357B2 JP 3395357 B2 JP3395357 B2 JP 3395357B2 JP 12219494 A JP12219494 A JP 12219494A JP 12219494 A JP12219494 A JP 12219494A JP 3395357 B2 JP3395357 B2 JP 3395357B2
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flame
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忠司 犬飼
智晴 栗田
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/28Applying non-metallic protective coatings

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱・難燃性ペースト
状組成物、及び当該ペースト状組成物を含有してなる電
子部品用コート剤、電極材料用コート剤に関する。さら
に詳しくは、屈曲性に優れ(折り曲げ加工で割れない
等)、耐薬品性に優れ、金属に対する密着性に優れた耐
熱・難燃性ペースト状組成物、及び当該ペースト状組成
物を含有してなる電子部品用コート剤、電極材料用コー
ト剤に関する。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】電子部品で
ある抵抗器やフレキシブル印刷回路板等の絶縁コート剤
としては、従来からエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系及
びポリエステル樹脂系のものが使用されてきた。しか
し、近年の軽薄短小化に伴う高耐熱化や高屈曲性化に十
分対応できず、また抵抗器や回路板がショートした時の
発煙、発火等が問題になっている。また、耐薬品性が要
求されるリチウムイオン電池の電極用バインダーとし
て、フッ素樹脂が検討されているが、高価であるという
問題がある。
【0003】本発明の目的は、耐熱性、難燃性、屈曲
性、耐薬品性及び密着性に優れ、安価である耐熱・難燃
性ペースト状組成物、及び当該組成物を含有してなる電
子部品用コート剤、電極材料用コート剤を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明は、対数粘度が0.2dl/g以上のポリ
アミドイミド樹脂溶液(A)、無機微粒子(B)及び着
色顔料(C)からなり、各成分の含有割合が固形分重量
比で(A)/(B)/(C)=100/1〜3000/
0.05〜20であり、かつ揺変度が1.2以上である
ことを特徴とする耐熱・難燃性ペースト状組成物に関す
る。
【0005】また、本発明は、ポリアミドイミド樹脂が
アルキレングリコールビスアンヒドロトリメリテート残
基を含有するものであることを特徴とする上記耐熱・難
燃性ペースト状組成物、及びポリアミドイミド樹脂溶液
の主たる溶剤がγ−ブチロラクトンであることを特徴と
する上記耐熱・難燃性ペースト状組成物に関する。
【0006】さらに、本発明は、上記耐熱・難燃性ペー
スト状組成物を含有してなる電子部品用コート剤、電極
材料用コート剤に関する。
【0007】本発明におけるポリアミドイミド樹脂は、
酸成分及びアミン成分を重合させることにより得られ
る。
【0008】本発明においては、酸成分として、トリメ
リット酸無水物を用いる。また、溶剤に対する溶解性、
重合性等を付与するために、トリメリット酸無水物以外
に、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、トリカ
ルボン酸及びその無水物、テトラカルボン酸及びその二
無水物、アルキレングリコールビスアンヒドロトリメリ
テート等を、酸成分としてさらに用いることができる。
【0009】脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデ
カン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸等が挙げら
れ、好ましくはアジピン酸、セバシン酸である。
【0010】芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル
酸、5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボ
ン酸、テレフタル酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジ
カルボン酸、ジフェニルメタン−2,4−ジカルボン
酸、ジフェニルメタン−3,4−ジカルボン酸、ジフェ
ニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、1,2−ジフェ
ニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタ
ン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,4
−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3’−ジカル
ボン酸、2,2’−ビス−(4−カルボキシフェニル)
プロパン、2−(2−カルボキシフェニル)−2−(4
−カルボキシフェニル)プロパン、2−(3−カルボキ
シフェニル)−2−(4−カルボキシフェニル)プロパ
ン、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジ
フェニルエーテル−2,4−ジカルボン酸、ジフェニル
エーテル−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル
−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,
4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−2,4−ジ
カルボン酸、ジフェニルスルホン−3,4−ジカルボン
酸、ジフェニルスルホン−3,3’−ジカルボン酸、ベ
ンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノ
ン−2,4−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,4−
ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3’−ジカルボン
酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ビス−〔(4−カルボキシ)フタルイミド〕
−4,4’−ジフェニルエーテル、ビス−〔(4−カル
ボキシ)フタルイミド〕−α,α’−メタキシレン等が
挙げられ、好ましくはイソフタル酸、テレフタル酸であ
る。
【0011】トリカルボン酸としては、ブタン−1,
2,4−トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−ト
リカルボン酸等が挙げられ、また、これらの無水物も挙
げられる。
【0012】テトラカルボン酸としては、ブタン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸、ピロメリット酸、ベン
ゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、
ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカル
ボン酸、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカル
ボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン
酸、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸等が挙
げられ、また、これらの二無水物も挙げられる。好まし
くはピロメリット酸二無水物である。
【0013】アルキレングリコールビスアンヒドロトリ
メリテートとしては、エチレングリコールビスアンヒド
ロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒド
ロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスアンヒ
ドロトリメリテート、ポリプロピレングリコールビスア
ンヒドロトリメリテート等が挙げられ、好ましくはエチ
レングリコールビスアンヒドロトリメリテートである。
【0014】上記酸成分は、一種でも、二種以上の混合
物(例えば、イソフタル酸とエチレングリコールビスア
ンヒドロトリメリテート等)でも、トリメリット酸無水
物と一緒に用いることができる。
【0015】トリメリット酸無水物以外の上記酸成分の
中では、溶剤に対する溶解性、耐熱性、屈曲性の点から
アルキレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが
好ましく、酸成分のうちこれを10モル%以上用いると
上記効果を発揮し、35モル%以上用いると後記溶剤の
うちアミド系溶剤以外の溶剤にも可溶となる。
【0016】一方、アミン成分としてはジアミンが挙げ
られ、具体的には、m−フェニレンジアミン、p−フェ
ニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアニリ
ン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアニリン、ジア
ミノ−m−キシレン、ジアミノ−p−キシレン、1,4
−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、
2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジア
ミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’
−ジアミノジフェニルスルホン、3,4−ジアミノビフ
ェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−
ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニ
リン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−
ジアミノジフェニルメタン、o−トリジン、2,4−ト
リレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、2,2−ビス−〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、ビス−〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス−〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’−
ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’
−ビス−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘ
キサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニル
スルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド
等の芳香族ジアミン;エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン等の脂肪族ジアミン;ジシクロヘキシル−4,4’
−ジアミン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン等
が挙げられる。また、上記ジアミンのアミノ基を−N=
C=O基で置き換えたイソシアネート等も挙げられる。
【0017】上記アミン成分は、単独で用いてもよい
し、二種以上を併用してもよい。
【0018】上記アミン成分において、耐熱性、屈曲
性、難燃性及び価格の点から、好ましくはジイソシアネ
ート、特に好ましくはジフェニルメタンジイソシアネー
トである。さらに溶解性や屈曲性を改善する場合は、脂
肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン等)、脂環式
ジアミン(例えば、ジシクロヘキシル−4,4’−ジア
ミン等)、バルキーなジアミン(例えば、o−トリジン
等)、または上記ジアミンに相当するジイソシアネート
で、ジフェニルメタンジイソシアネートの一部を置き換
える(ジフェニルメタンジイソシアネートと上記成分を
併用する)ことができる。
【0019】上記酸成分およびアミン成分は、通常、等
モル配合されるが、必要に応じて、一方の成分を多少増
減させることもできる。
【0020】本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂
は、ジイソシアネート法や酸クロリド法等、通常の方法
で製造できるが、重合性、コストの点からジイソシアネ
ート法が好ましい。
【0021】ポリアミドイミド樹脂の重合に使用される
溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶
剤;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶
剤;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶剤;ジ
グライム、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;シ
クロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶
剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系
溶剤の他、γ−ブチロラクトンやテトラメチルウレア等
の比較的誘電率の高い溶剤等が挙げられ、好ましくはγ
−ブチロラクトンである。これらは、単独でも、混合溶
剤(例えば、N−メチル−2−ピロリドンとジグライム
等)としても用いることができ、さらにキシレン、トル
エン等の比較的誘電率の低い溶剤を混合して用いても構
わない。
【0022】反応温度は、通常50〜200℃であり、
好ましくは70〜180℃である。
【0023】また、反応を促進させるために、3級アミ
ン類(例えば、t−ブチルアミン等)、金属(例えば、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、コバルト、スズ、亜
鉛等)、半金属化合物等の触媒を添加してもよい。
【0024】このようにして得られたポリアミドイミド
樹脂溶液の対数粘度は、皮膜とした場合の強靱性や屈曲
性の点から、0.2dl/g以上が必要であり、好ましくは
0.3dl/g以上である。当該対数粘度が0.2dl/g未満
であると、強靱性、屈曲性が低下し、皮膜が脆くなる。
当該対数粘度は、酸成分とアミン成分(トリメリット酸
無水物と、ジアミンまたはジイソシアネート)の仕込み
モル比を調整したり、触媒を選択すること等によって調
整できる。
【0025】また、当該対数粘度は、0.5g(固形
分)のポリアミドイミド樹脂を100mlのN−メチル
−2−ピロリドンに溶解し、25℃でウベローデ粘度管
を用いて測定したものである。
【0026】上記ポリアミドイミド樹脂の分子量は、好
ましくは5000〜50000、より好ましくは800
0〜30000であり、ガラス転移温度は、好ましくは
180℃以上、より好ましくは200℃以上である。
【0027】なお、重合したポリアミドイミド樹脂溶液
からポリマー(ポリアミドイミド樹脂)を再沈澱させ、
再沈澱したポリマーを重合溶剤と異なる溶剤に再溶解し
て、ポリアミドイミド樹脂溶液として用いることもでき
る。再溶解に用いる溶剤としては、作業性、取扱いの容
易さの点からアミド系溶剤以外の溶剤が好ましく、例え
ば、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、テトラヒ
ドロフラン等が挙げられる。
【0028】また、ポリアミドイミド樹脂溶液を後述の
無機微粒子及び着色顔料と混練りする時に、他の溶剤
(前述の溶剤のうち、重合時及び再溶解時に使用したも
のと異なる溶剤)で希釈することもできる。
【0029】本発明に使用される無機微粒子は、従来用
いられているものであれば特に制限されず、使用目的に
応じて、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化珪素、LiCoO
2 (酸化コバルトリチウム)、カーボン粉等が挙げられ
る。当該無機微粒子は、一種でも二種以上(例えば、酸
化チタンと酸化珪素、酸化珪素とカーボン粉との組み合
わせ等)でも用いることができる。
【0030】また、使用する無機微粒子の種類により、
本発明のペースト状組成物は絶縁性にも導電性にもなり
うる。特に、電極材料用コート剤には、カーボン粉やL
iCoO2 等を用いることが好ましい。
【0031】当該無機微粒子の粒子径は、ペーストの分
散安定性、チキソトロピー性の点から、好ましくは20
μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。
【0032】当該無機微粒子の配合量は、ポリアミドイ
ミド樹脂の固形分100重量部に対して1〜3000重
量部であることが必要であり、好ましくは1〜2000
重量部である。無機微粒子が1重量部未満ではペースト
状組成物の揺変度が低く、皮膜とした場合の隠ぺい性も
不十分となる。また、無機微粒子が3000重量部を越
えると皮膜とした場合の屈曲性が低下して、折り曲げた
り、繰り返し屈曲したときに皮膜に亀裂が入ることがあ
る。
【0033】本発明に使用される着色顔料としては、従
来用いられているものであれば特に制限されず、目的に
あった色のものを選ぶことができ、例えば、酸化鉄、酸
化クロム等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機
顔料等が挙げられる。また、耐熱性と難燃性の点から無
機顔料が好ましい。当該着色顔料の粒子径は、好ましく
は0.1〜5μmである。
【0034】当該着色顔料の配合量は、目的とする色彩
と隠ぺい性を得るため、ポリアミドイミド樹脂の固形分
100重量部に対して0.05〜20重量部であること
が必要であり、好ましくは0.1〜10重量部、より好
ましくは0.5〜5重量部である。着色顔料が0.05
重量部未満であると着色効果が不十分であり、20重量
部を越えると皮膜が脆くなる。
【0035】本発明の耐熱・難燃性ペースト状組成物の
製造方法は、特に制限されるものではなく、デイゾルバ
ー、3本ロール、サンドミル、ボールミル等を用い、従
来公知の方法を適宜組み合わせて製造すればよい。例え
ば、ポリアミドイミド樹脂溶液に無機微粒子と着色顔料
を加え、3本ロールで数回混練りすることによって製造
できる。
【0036】また、本発明の耐熱・難燃性ペースト状組
成物には、上記配合物(ポリアミドイミド樹脂溶液、無
機微粒子、着色顔料)の他に、目的に応じて、染料、界
面活性剤、分散剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡
剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂及び架橋剤(多官能イソ
シアネート等)等を添加することができる。
【0037】上記のようにして得られる本発明の耐熱・
難燃性ペースト状組成物は、揺変度が1.2以上である
ことが必要であり、好ましくは1.5〜5.0である。
揺変度が1.2未満であるとチキソトロピー性が不足し
てスクリーン印刷等が困難となる。また、当該揺変度
は、無機微粒子の選択と配合量を変えること等によって
調整できる。
【0038】当該揺変度は、B型粘度計を用いて回転数
を2rpm、20rpmにして25℃でペースト状組成
物の溶液粘度を測定し、(2rpmでの溶液粘度)/
(20rpmでの溶液粘度)により求めたものである。
【0039】また、耐熱・難燃性ペースト状組成物の溶
液粘度(25℃,20rpm)は、好ましくは5〜50
0ポイズ、より好ましくは50〜300ポイズであり、
分散度は、好ましくは0.05〜50μ、より好ましく
は0.1〜30μである。
【0040】ここで、ペースト状とはチキソトロピー性
を有する液状であることをいう。
【0041】上記耐熱・難燃性ペースト状組成物は、電
子部品(例えば、抵抗器、フレキシブル印刷回路板等)
及び電極材料(例えば、リチウムイオン電池用電極材料
等)のコート剤に用いることができ、電子部品用コート
剤及び電極材料用コート剤として有用である。
【0042】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために以下に
実施例を挙げるが、本発明はこれらによって何等制限さ
れるものではない。
【0043】なお、本実施例中における各特性の測定は
以下の方法で行った。 (1)対数粘度:0.5g(固形分)のポリアミドイミド
樹脂を100mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解
し、25℃でウベローデ粘度管を用いて測定した。 (2)ガラス転移温度:TMA(サーモメカニカルアナラ
イザー)を用いて10℃/分の昇温速度で測定した。 (3)溶液粘度:B型粘度計(東京計器社製)を用い、回
転数を20rpmにして25℃で測定した。 (4)揺変度:(2rpmでの溶液粘度)/(20rpm
での溶液粘度)により求めた。 (5)分散度:グラインドゲージ(東京計器社製)を用い
て測定した。
【0044】(6)表面抵抗:JIS C 6481法に
準じて測定した。 (7)体積固有抵抗:JIS C 6481法に準じて測
定した。 (8)難燃性:UL規格に準じて測定した。 (9)屈曲性(折り曲げ性): (1)厚みが0.3mmのアルミ板に、膜厚が約10μ
mとなるようにペースト状組成物を塗布または印刷し、
乾燥後、さらにアルミ板(0.3mm厚)を内側に挟ん
で塗膜が外側になるように折り曲げた時にクラックが発
生しないアルミ板の枚数を測定した。 (2)フレキシブル印刷回路板に、約20μmの厚さに
ペースト状組成物をスクリーン印刷し、乾燥後、回路に
沿って折り曲げたときにクラックが発生するかどうかを
観察した。 (10)耐薬品性:5%塩酸水溶液及び5%水酸化ナトリウ
ム水溶液に、それぞれ40℃で1日浸漬した後の外観変
化を観察した。 (11)密着性:碁盤目剥離試験法により測定した。
【0045】実施例1 反応容器にトリメリット酸無水物を1モル、ジフェニル
メタンジイソシアネートを1モル、N−メチル−2−ピ
ロリドンを830g仕込み、撹拌しながら約30分間で
180℃まで昇温した。180℃で3時間撹拌した後、
反応を停止した。得られたポリアミドイミド樹脂溶液の
対数粘度は0.76dl/g、ガラス転移温度は280℃で
あった。このポリアミドイミド樹脂溶液100重量部
(固形分)に、酸化チタン(R820、石原産業社製)
9重量部、酸化珪素(アエロジル#300、日本アエロジル
社製)1重量部、着色顔料(ヘリオゲンブルーD-7080、
BASF社製)0.3重量部、レベリング剤(ByK358、
BYK Chemei社製)0.5重量部を加えて、N−メチル−
2−ピロリドンで希釈した。これを3本ロールで2回混
練りして、溶液粘度が450ポイズ、揺変度が1.9、
分散度が8μのペースト状組成物を得た。
【0046】このペースト状組成物を厚さ0.3mmの
アルミ板上に、約10μmの厚みにスクリーン印刷し、
200℃で30分間乾燥した。塗膜の表面抵抗は3×1
15Ω、体積固有抵抗は5×1014Ω・cmであり、難燃
性はV−0相当、折り曲げ性は3Tであり、耐薬品性、
密着性も良好であった。また、このペースト状組成物を
固定抵抗器のリード部に、膜厚が約10μmとなるよう
に塗布し、200℃で30分間乾燥した。塗布時にタレ
等の発生もなく、隠ぺい性が良好で、折り曲げ加工時に
割れが発生することもなかった。
【0047】実施例2 反応容器にトリメリット酸無水物を0.5モル、エチレ
ングリコールビスアンヒドロトリメリテートを0.5モ
ル、ジフェニルメタンジイソシアネートを1モル、γ−
ブチロラクトンを1100g仕込み、撹拌しながら約3
0分間で180℃まで昇温した。180℃で約7時間反
応させた後、反応を停止した。得られたポリアミドイミ
ド樹脂溶液の対数粘度は0.68dl/g、ガラス転移温度
は235℃であった。このポリアミドイミド樹脂溶液1
00重量部(固形分)に、酸化チタン(R820)3重
量部、酸化珪素(アエロジル#300)2重量部、着色顔料
(ヘリオゲンレッドK-3911HD、BASF社製)0.5重
量部、多官能イソシアネート(タケネート830 、武田薬
品社製)3重量部、レベリング剤(ByK358)0.5重量
部を加えて、シクロヘキサノンで希釈した。これを3本
ロールで2回混練りして、溶液粘度が275ポイズ、揺
変度が1.8、分散度が10μのペースト状組成物を得
た。
【0048】このペースト状組成物をフレキシブル印刷
回路板に、膜厚が15μmになるようにスクリーン印刷
を行い、200℃で30分間乾燥したところ、にじみも
なく、表面光沢に優れた印刷ができた。塗膜の表面抵抗
は5×1015Ω、体積固有抵抗は6×1014Ω・cmであ
り、VTM−0相当の難燃性を示した。この印刷物を回
路のパターンに沿って折り曲げたが、クラックは発生し
なかった。この印刷物は、300℃の半田浴に浸漬して
も膨れや剥離が見られず、ソルダーレジストインキ等に
好適な材料であった。また、耐薬品性、密着性も良好で
あった。
【0049】実施例3 実施例2で得られたポリアミドイミド樹脂溶液5重量部
(固形分)に、カーボン粉(コンダクテックスSC、コロ
ンビアカーボン社製)95重量部、エポキシ樹脂(エピ
コート154 、油化シェル社製)0.5重量部を加え、固
形分濃度が20%となるように、γ−ブチロラクトンと
シクロヘキサノンを等量加えた。この溶液を3本ロール
ミルで2回混練りして、揺変度が3.5のペースト状組
成物を得た。
【0050】このペースト状組成物を1/2オンスの銅
箔に、膜厚が約20μmとなるように塗布し、乾燥後、
熱ロールで圧着し、さらに200℃で1時間、真空下で
熱処理を行った。このペースト状組成物が塗布された銅
箔を、リチウムイオン電池の電解液であるプロピレンカ
ーボネートに浸漬したところ、当該塗膜はこれに十分耐
えうるものであった。また、難燃性、折り曲げ性も良好
であった。
【0051】
【発明の効果】本発明の耐熱・難燃性ペースト状組成物
は、耐熱性、難燃性、屈曲性、耐薬品性及び密着性に優
れ、安価であり、特に電子部品用コート剤、電極材料用
コート剤として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08G 73/14 C08G 73/14 (56)参考文献 特開 平5−148361(JP,A) 特開 昭64−36649(JP,A) 特開 平3−217473(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 79/00 - 79/08 C09D 179/00 - 179/08 C08K 3/00 - 13/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対数粘度が0.2dl/g以上のポリアミド
    イミド樹脂溶液(A)、無機微粒子(B)及び着色顔料
    (C)からなり、各成分の含有割合が固形分重量比で
    (A)/(B)/(C)=100/1〜3000/0.
    05〜20であり、かつ揺変度が1.2以上であること
    を特徴とする耐熱・難燃性ペースト状組成物を含有して
    なる電極材料用コート剤
  2. 【請求項2】 ポリアミドイミド樹脂がアルキレングリ
    コールビスアンヒドロトリメリテート残基を含有するも
    のであることを特徴とする請求項1記載の電極材料用コ
    ート剤
  3. 【請求項3】 ポリアミドイミド樹脂溶液の主たる溶剤
    がγ−ブチロラクトンであることを特徴とする請求項1
    または2記載の電極材料用コート剤
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