JP3394816B2 - 医療用カテーテル - Google Patents

医療用カテーテル

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、心臓外科手術などに
使用される医療用カテーテル、特に血液の脱血等に用い
る側孔が設けられている部分にもキンク防止用の線状体
を埋設した医療用カテーテルに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】内腔のあるカテーテルチューブ本体の先
端部の周壁に血液の脱血等に用いる側孔が複数個設けら
れた医療用カテーテルが、従来から一般に知られてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
なカテーテルにあっては、キンク防止用の線状体が側孔
が設けられていない先端部以外にのみ埋設され、側孔が
設けられている部分には埋設されていないために、該側
孔が設けられている部分がキンクするという問題があっ
た。
【０００４】そこでこの発明は、前記のような従来の問
題点を解決し、側孔が設けられている部分のキンクを防
止することができる医療用カテーテルを提供することを
目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項１の発明は、前記のような医療用カテーテル
において、側孔が設けられている部分のカテーテルチュ
ーブ本体の周壁にキンク防止用の螺旋状の線状体が該側
孔を避けて、かつ前記内腔を囲んで弾性変形可能に埋設
されている。請求項２の発明は、請求項１において、線
状体が、側孔が設けられている部分では側孔の径より大
きいピッチに、それ以外の部分では側孔の径より小さい
ピッチに埋設されている。請求項３の発明は、請求項１
において、線状体が、側孔が設けられている部分及びそ
れ以外の部分とも側孔の径より大きいピッチに埋設され
ている。
【０００６】請求項４の発明は、請求項１において、線
状体が、側孔が設けられている部分及びそれ以外の部分
とも側孔と隣接する位置では側孔の径より大きいピッチ
に、隣接しない位置では側孔の径より小さいピッチに埋
設されている。請求項５の発明は、請求項１ないし４の
いずれかにおいて、側孔が設けられている部分が、カテ
ーテルチューブ本体の先端部となっている。
【０００７】
【作用】側孔が設けられている部分にも前記のように線
状体が埋設されたので、該部分でのキンク防止が可能と
なった。
【０００８】
【実施例】図１はこの発明の一実施例を示す医療用カテ
ーテルの一部省略の正面図、図２は図１のＡ−Ａ線に沿
う拡大断面図である。両図において、１は医療用カテー
テルで、シリコーンゴム等からなり、内腔３のあるカテ
ーテルチューブ本体２を具えている。カテーテルチュー
ブ本体２の先端部の周壁には血液の脱血等に用いる側孔
５が複数個、後記螺旋状に埋設されるキンク防止用の線
状体６のピッチ間に位置するように放射状に設けられて
いる。
【０００９】線状体６は樹脂又は金属等からなり、カテ
ーテルチューブ本体２のほぼ全長にわたり連続して弾性
変形可能に埋設されるが、側孔５が設けられている部分
Ｘでは側孔５の径より大きいピッチに、それ以外の部分
Ｙでは側孔５の径より小さいピッチに埋設されている。
したがって、側孔５が設けられている部分Ｘの線状体６
は側孔５を避けるような形となり、両者がカテーテルチ
ューブ本体２の周壁内で重なり合うことはない。
【００１０】前記のようなカテーテル１を作るには、例
えば、途中からピッチの広くなっている線状体６をシリ
コーンゴムからなるカテーテルチューブ本体２の内腔３
の内壁に密接させた後、その上からシリコーンゴムをコ
ーティングして、線状体６がカテーテルチューブ本体２
の周壁の中間位置に埋設された状態にしたうえ、ピッチ
の広くなった疎の線状体６のピッチ間に側孔５を開け
る。カテーテル１の作成方法は前記に限るものではない
が、前記のような作成方法をとると、線状体６の埋設と
側孔５の開孔を容易に行え、きわめて実用的である。
【００１１】前記のようにこのカテーテル１は側孔５が
設けられている部分Ｘのカテーテルチューブ本体２の周
壁に線状体６が側孔５を避けて埋設されているので、該
部分でのキンクを有効に防止することが可能となる。
【００１２】図３，４は別の実施例を示し、図３の実施
例では、線状体６が、側孔５が設けられている部分Ｘ及
びそれ以外の部分Ｙとも側孔５の径より大きいピッチに
埋設されており、図４の実施例では、線状体６が、側孔
５が設けられている部分Ｘ及びそれ以外の部分Ｙとも側
孔５と隣接する位置では側孔５の径より大きいピッチ
に、隣接しない位置では側孔５の径より小さいピッチに
埋設されており、それ以外の構成は前記実施例と同様に
なっている。これら実施例でも前記実施例と同様な作用
効果が期待できる。
【００１３】尚、前記各実施例では側孔５をカテーテル
チューブ本体２の先端部の周壁に埋設したが、必ずしも
先端部でなくともよく、先端部から所定長さ離れた中間
部の周壁の任意の位置でもよい。
【００１４】
【発明の効果】この発明は前記のような構成からなるの
で、側孔が設けられている部分のキンクを防止すること
ができ、したがって心臓外科手術など可能な用途に安全
に使用することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施例を示す医療用カテーテルの
一部省略の正面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う拡大断面図である。
【図３】別の実施例の一部省略の正面図である。
【図４】さらに別の実施例の一部省略の正面図である。
【符号の説明】
１ 医療用カテーテル ２ カテーテルチューブ本体 ３ 内腔 ５ 側孔 ６ 線状体

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内腔のあるカテーテルチューブ本体の周
    壁に液体の流入、流出等に用いる側孔が設けられた医療
    用カテーテルにおいて、側孔が設けられている部分のカ
    テーテルチューブ本体の周壁にキンク防止用の螺旋状の
    線状体が該側孔を避けて、かつ前記内腔を囲んで弾性変
    形可能に埋設されていることを特徴とする医療用カテー
    テル。
  2. 【請求項２】 線状体が、側孔が設けられている部分で
    は側孔の径より大きいピッチに、それ以外の部分では側
    孔の径より小さいピッチに埋設されている請求項１記載
    の医療用カテーテル。
  3. 【請求項３】 線状体が、側孔が設けられている部分及
    びそれ以外の部分とも側孔の径より大きいピッチに埋設
    されている請求項１記載の医療用カテーテル。
  4. 【請求項４】 線状体が、側孔が設けられている部分及
    びそれ以外の部分とも側孔と隣接する位置では側孔の径
    より大きいピッチに、隣接しない位置では側孔の径より
    小さいピッチに埋設されている請求項１記載の医療用カ
    テーテル。
  5. 【請求項５】 側孔が設けられている部分が、カテーテ
    ルチューブ本体の先端部である請求項１ないし４のいず
    れかに記載の医療用カテーテル。
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