JP3394331B2 - オルガノシリコーンポリマー用SiH末端連鎖伸長剤 - Google Patents

オルガノシリコーンポリマー用SiH末端連鎖伸長剤

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JP3394331B2 JP19848394A JP19848394A JP3394331B2 JP 3394331 B2 JP3394331 B2 JP 3394331B2 JP 19848394 A JP19848394 A JP 19848394A JP 19848394 A JP19848394 A JP 19848394A JP 3394331 B2 JP3394331 B2 JP 3394331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エラストマー及びヒド
ロシラン化反応により製造された架橋性オルガノシリコ
ーンプレポリマー又は架橋オルガノシリコーンポリマー
を含有する組成物並びにオルガノシリコーンポリマー及
びプレポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】米国特
許第 4,900,779号及び同第 4,902,731号に記載されてい
るようなオルガノシリコーンポリマーは、用途によって
は脆すぎるものもある。ポリマーの脆性は環状シロキサ
ン部分の間の距離が短いこと、即ち高い架橋密度から生
じるものである。このように架橋密度が高いと、破壊前
のエネルギー吸収分子運動が決定的に妨害される。これ
らのポリマーにある種ゴムを混合すると、米国特許第
5,171,817号及び同第 5,242,979号に示されているよう
に若干粘り強くなる。しかしながら、顕著な粘り強さを
得るためには、硬化ポリマーの架橋密度を低下させなけ
ればならない。環状ポリシロキサン及び多環式ポリエン
から製造されたオルガノシリコーンプレポリマーとの反
応の場合、末端不飽和基を有する連鎖伸長剤が米国特許
第 5,068,303号及び同第 5,008,360号に開示されてい
る。これらの連鎖伸長剤はプレポリマーの粘度を増大さ
せるために用いられている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の組成物は、
(1)不連続相のエラストマー及び(2)下記成分
(a)、(b)及び(c)の反応生成物であるオルガノ
シリコーン架橋ポリマー又は架橋性プレポリマーの連続
相を含むものである: (a)≡SiH基を少なくとも2個有する環状ポリシロ
キサン又は四面体シロキシシランの少なくとも1種、
(b)ヒドロシラン化において反応する非芳香族炭素−
炭素二重結合を少なくとも2個環内に有する多環式ポリ
エンの少なくとも1種、及び(c)式R1 −R2 −R
3(式中、R1 及びR3 は同一又は異なる−SiH末端基
であり、R2 は置換又は非置換脂肪族基又は置換又は非
置換芳香族基を含む。)を有する化合物の少なくとも1
種、なお、(a)及び(b)の少なくとも一方が2個を
超える反応性部位を有する。
【0004】本発明は、また、オルガノシリコーンプレ
ポリマーの製造方法及びエラストマー及び架橋オルガノ
シリコーンポリマーを含む製品に関する。低分子量Si
H末端連鎖伸長剤をプレポリマーに混合すると、靱性が
顕著に増大された組成物を生じる。連鎖伸長剤が硬質分
子鎖を有する場合には、せん断弾性率G′も増大する。
ポリマーが粘り強くなると、プリント基板上の銅に対す
るポリマーラミネートの接着のような性質が改善される
とともにゴム/ポリマー組成物から製造されたプリント
基板の穿孔能が向上するように加工性も改善される。
『プレポリマー』とは、部分的に硬化されているが、そ
のゲル化点まであるいはその点を超えて硬化されていな
い粘稠な液体又は固体ヒドロシラン化架橋性組成物を意
味する。ゲル化点は、材料を加熱した場合もはや流動せ
ずかつもはや有機溶媒に可溶でない点である。
【0005】本発明の組成物の成分(1)として示され
るエラストマーは、オルガノシリコーンポリマーの靱性
を改善するために添加される。靱性を付与するために多
くのエラストマーを添加することができるが、重量平均
分子量10,000未満を有する炭化水素エラストマーが
好ましい。重量平均分子量約5500〜7000を有す
るエチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(『EP
DM』又は『EPDMゴム』としても知られる)、例え
ば TRILENE 65 又は TRILENE 67 エラストマー(Uniroya
l Chemical社製, ミドルバリー, CT) が最も好ましい。
他の適切な炭化水素エラストマーとしては、例えば部分
的水素化低分子量ポリイソプレン(90%水素化の L1R
290, 日商岩井アメリカ社製, ニューヨーク, NY) 、部
分的水素化低分子量スチレン- ブタジエン又はブタジエ
ンポリマー(例えば RICON 184又は131, Colorado Chem
ical Specialties社製, グランドジャンクション, CO,
購入後水素化しなければならない)及び低分子量ブチル
ゴム(イソブチレン−イソプレンコポリマー,KALENE 8
00, Hardman 社製, ベレビル, NJ) が挙げられる。低分
子量(重量平均分子量200,000未満)ビニル又は−
SiH末端ポリジメチル/ジフェニルシロキサンコポリ
マーのようなシロキサンゴムを用いることもできる。
【0006】エラストマーは、通常、組成物の全量に対
して0.5〜20%、好ましくは3〜12%の量で用いら
れる。エラストマーは、オルガノシリコーンポリマーを
製造するために用いられるモノマー又はプレポリマーに
添加することができる。本発明に有効なエラストマー
は、米国特許第 5,171,817号及び同第 5,242,979号並び
に『Organosilicon Compositions Containing Hydrocar
bon Elastomers』, Research Disclosure 33082 (Octob
er 1991)に記載されている。エラストマーが他の性質に
顕著な影響を及ぼさずにポリマーを粘り強くするのに有
効であるために、いくつかの要求がある。第1に、オル
ガノシリコーンプレポリマーとエラストマーとの間で反
応がなければならない。第2に、ポリマーとエラストマ
ーは2相を形成しなければならない。所望の生成物を得
るために、エラストマーは好ましくは2個以上のヒドロ
シラン化反応性炭素−炭素二重結合をもたなければなら
ない。多数の二重結合を有するエラストマーはプレポリ
マーと反応して1相系を形成する傾向があるので、相分
離を起こすように、炭化水素エラストマーを水素化して
炭素−炭素二重結合数を減少させることができる。エラ
ストマーの炭素−炭素二重結合は、好ましくは50モル
%を超えず、更に好ましくは25モル%を超えず、最も
好ましくは15モル%を超えてはならない。
【0007】エラストマーは、第2相を形成するミクロ
ンサイズの粒子として硬化、即ち架橋ポリマー内に存在
することが好ましい。粒子は、好ましくは直径0.001
〜50ミクロン、更に好ましくは直径0.01〜10ミク
ロン、最も好ましくは0.1〜5ミクロンである。液状プ
レポリマーに可溶あるいは不溶なエラストマーを用いて
適切な結果が得られた。しかしながら、混合液が貯蔵中
に分離しないことが好ましいことから、液状プレポリマ
ーの分散性は貯蔵安定性に望ましいことである。本発明
のプレポリマー及びポリマーを製造するために用いられ
る成分(a)は、ケイ素に結合した水素原子を少なくと
も2個有する環状ポリシロキサン又は四面体シロキシシ
ランとすることができる。適切な環状ポリシロキサンは
下記一般式を有する。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、Rは水素、置換又は非置換飽和ア
ルキル又はアルコキシ基又は置換又は非置換アリール又
はアリールオキシ基であり、nは2〜20の整数であ
る。但し、Rは分子内ケイ素原子の少なくとも2個につ
いては水素である。) 適切な環状ポリシロキサンとしては、米国特許第 5,00
8,360号及び同第 5,068,303号に開示されているもので
ある。例としては、トリメチルシクロトリシロキサン;
ヘキサメチルシクロテトラシロキサン;テトラオクチル
シクロテトラシロキサン;テトラ及びペンタメチルシク
ロテトラシロキサン;テトラ、ペンタ、ヘキサ及びヘプ
タメチルシクロペンタシロキサン;テトラ、ペンタ及び
ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、テトラエチルシ
クロテトラシロキサン及びテロラフェニルシクロテトラ
シロキサンが挙げられる。好ましい環状ポリシロキサン
は、メチルヒドロシクロシロキサン、例えば1,3,5,7−
テトラメチルシクロテトラシロキサン;1,3,5,7,9−ペ
ンタメチルシクロペンタシロキサン及び1,3,5,6,9,11−
ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン又はその混合物で
ある。ほとんどの場合、多くのこれらの化合物の混合物
が用いられ、nは広く変動させることができる。『メチ
ルヒドロシクロシロキサン』とはその混合物を意味する
ものである。
【0010】四面体シロキシシランは、下記一般構造式
を有する。 Si−〔OSi(R)3 4 (式中、Rは上記で定義した通りであり、分子内ケイ素
原子の少なくとも2個については水素である。) 式(Ib)の反応成分の例としては、例えばテトラキス
ジメチルシロキシシラン、テトラキスジフェニルシロキ
シシラン及びテトラキスジエチルシロキシシランが挙げ
られる。この中ではテトラキスジメチルシロキシシラン
が最もよく知られた好ましい化合物である。本発明のプ
レポリマー及びポリマーを製造する際に成分(b)とし
て用いることができる多環式ポリエンは、ヒドロシラン
化において反応する非芳香族炭素−炭素二重結合を少な
くとも2個環内に有する多環式炭化水素化合物である。
これらの化合物の具体例は、シクロペンタジエンオリゴ
マー(例えばジシクロペンタジエン、トリシクロペンタ
ジエン及びテトラシクロペンタジエン)及びこれらの置
換誘導体、例えばメチルジシクロペンタジエンである。
シクロペンタジエンオリゴマー、例えばジシクロペンタ
ジエン及びトリシクロペンタジエンが好ましい。2種以
上の多環式ポリエンを組合わせて用いることもできる。
成分(a)又は(b)の少なくとも1種は、2個を超え
る反応性部位を有する。反応性部位は、ヒドロシラン化
において反応する炭素−炭素二重結合又は≡SiH基と
して定義される。
【0011】本発明のポリマー及びプレポリマーを製造
する際に用いられる成分(c)は、低分子量化合物であ
り、分子量3,000未満でありかつ式R1 −R2 −R3
(式中、R1 及びR3 は同一又は異なるSiH末端基で
あり、R2 は脂肪族又は芳香族基を含む。)を有するこ
とが好ましい。本成分を『連鎖伸長剤』と呼ぶ。R1
びR3 は−SiR4 5 H又は−(O−SiR4 5)x
H基(xは1〜6である。)であることが好ましい。R
4 及びR5 は、同一又は異なってよく、置換又は非置換
アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ及び
シロキシ基より選ばれる。シロキシ基はケイ素原子に結
合した水素原子をもたず、例えばトリメチルシロキシ、
ペンタメチルジシロキシ、フェニルメチルシロキシ及び
シクロシロキサン基が挙げられる。R1 及びR3 はテト
ラメチルジシロキサン又はp-ビス(ジメチルシリル)ベ
ンゼンから誘導されることが好ましい。使用されるヒド
ロシラン化条件下で≡SiH基又は炭素−炭素二重結合
と実質的に反応しないか又はヒドロシラン化触媒を妨害
しない官能性は任意のR基に結合することができる。適
切な官能基としては、例えばエステル、アミド、スルホ
ン、スルホキシド、ケトン及びエーテル基が挙げられ
る。≡SiH基と反応するかあるいはヒドロシラン化触
媒を妨害するので存在させることができない官能基の例
としては、例えばヒドロシラン化において反応する炭素
−炭素二重結合を有するオレフィン、アルコール、スル
フィド及び若干のアミンとホスフィンが挙げられる。R
2 の脂肪族又は芳香族基の例としては、置換又は非置換
直鎖、環状又は分枝鎖アルキル、アルコキシ、アリール
及びアリールオキシ並びにこれらの組合わせが挙げられ
る。R2 は、また、下記シロキサン結合だけから構成さ
れない限りシロキサン結合を含むこともできる。
【0012】
【化2】
【0013】成分(c)は、典型的にはヒドロシラン化
において反応する二重結合を含む化合物(例えばビニ
ル、アリル又はノルボルネニル)と分子量>600であ
ることが好ましい≡SiH基を2個含む過剰量の低分子
量モノマーとのヒドロシラン化反応生成物である。反応
性二重結合を2個有する化合物の例としては、5−ビニ
ル−2−ノルボルネン;o-、m-又はp-ジイソプロペニル
ベンゼン;o-、m-又はp-ジビニルベンゼン;ジアリルエ
ーテル;ジアリルベンゼン;ノルボルナジエン;ジメタ
ノヘキサヒドロナフタレン;ビスフェノールAのジアリ
ルエーテル;テトラメチルビスフェノールAのビニルベ
ンジルエーテル;1,3−ジビニルテトラメチルジシロキ
サン;1,4−ジビニル−1,1,4,4−テトラメチルジシリ
ルエチレン;ジビニルジメチルシラン及び1,3−ジビニ
ル−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサンが
挙げられる。≡SiH基を2個含む低分子量モノマーの
例としては、例えば1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジ
シロキサン;o-又はp-ビス(ジメチルシリル)ベンゼ
ン;1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン;o-又
はp-ビス(ジエチルシリル)ベンゼン;1,3−ジフェニ
ル−1,3−ジメチルジシロキサン;1,3−ビス(トリメ
チルシロキシ)−1,3−ジメチルジシロキサン及び1,1,
4,4−テトラメチルニジシリルエチレンが挙げられる。
【0014】また、成分(c)はo-又はp-ビス(ジメチ
ルシリル)ベンゼン;o-又はp-ビス(ジエチルシリル)
ベンゼン;又は1,1,4,4−テトラメチルニジシリルエチ
レンのような化合物とすることができる。成分(a)、
(b)及び(c)は、通常下記のような量で存在させ
る。 0.7<(b)の二重結合モル数/(a)及び(c)の≡
SiH結合モル数<1.6 及び 0.03<(c)の≡SiH結合モル数/(a)の≡Si
H結合モル数<0.30 より高い靱性値の場合、下記のような量にあることが好
ましい。 0.8<(b)の二重結合モル数/(a)及び(c)の≡
SiH結合モル数<1.4 及び 0.05<(c)の≡SiH結合モル数/(a)の≡Si
H結合モル数<0.25 更に、高ガラス転移温度と相まってより高い靱性値の場
合、下記のような量にあることが好ましい。 0.9<(b)の二重結合モル数/(a)及び(c)の≡
SiH結合モル数<1.2 及び 0.07<(c)の≡SiH結合モル数/(a)の≡Si
H結合モル数<0.20 各成分の好ましい比率は、使用される個々の成分及び使
用される量に左右される。
【0015】本発明のプレポリマー及びポリマーを形成
する反応は、熱的に又はヒドロシラン化触媒もしくはラ
ジカル発生剤、例えばペルオキシド又はアゾ化合物を加
えることにより促進させることができる。ヒドロシラン
化触媒としては、VIII 族元素の金属塩及び錯体があ
る。好ましいヒドロシラン化触媒は白金を含み、例えば
二塩化ビス(アセトニトリル) 白金、二塩化ビス(ベン
ゾニトリル)白金、白金−ジビニル錯体、白金/炭素、
二塩化白金、二塩化シクロオクタジエン白金、二塩化ジ
シクロペンタジエン白金及びクロロ白金酸が挙げられ
る。触媒濃度は、モノマー重量に対して白金0.0005
〜0.05重量%が好ましく、0.0010〜0.02%が更
に好ましく、0.002〜0.01%が最も好ましい。真に
粘り強いポリマーを得るためには、連鎖伸長剤(c)が
ポリマーの中に完全に反応すること、即ち両鎖端がポリ
マーに化学的に結合することが重要である。未反応又は
『ぶら下がっている』鎖端は連鎖伸長剤によって付与さ
れる靱性の程度を減少させる。本発明は、下記方法の1
種によって行われる。
【0016】(b)の炭素−炭素二重結合が『化学的に
区別できる』場合には、即ち2結合がヒドロシラン化反
応において顕著に異なる反応性を有する場合には2段階
でポリマーを製造することが好ましい。まず、(b)の
より反応性の炭素−炭素二重結合が完全に反応するよう
に試薬(a)及び(b)を共に反応させることにより、
オレフィンを多く含むプレポリマーを製造する。炭素−
炭素二重結合/Si−H結合比は1.1/1.0〜1.4/1.
0、好ましくは1.2/1.0〜1.3/1.0で変動させる。
ここでは全炭素−炭素二重結合/Si−H結合比が1.0
に近いように、このプレポリマーを成分(c)、連鎖伸
長剤と混合することができる。(a)の残りのSi−H
結合は、(b)の残りの炭素−炭素二重結合に対して
(c)のSi−H結合と競合する。(c)のSi−H結
合は(a)より立体的に詰め込まれていないので、前者
は後者よりも反応する傾向がある。これにより、連鎖伸
長剤の≡Si−H結合のほとんどあるいは全部が最終硬
化ポリマーの中に反応させることができる。3試薬すべ
てを同時に共に反応させる場合には、(c)のSi−H
結合のいくらかが(b)のより反応性の結合と反応し、
反応性の低い二重結合が末端の反応性の低下した連鎖伸
長剤を生じる。硬化中これらの結合のいくらかは未反応
のままであり、このことにより『ぶら下がっている』鎖
端を生じる。
【0017】しかしながら、(b)の炭素−炭素二重結
合が『化学的に区別できる』ものでない場合には、即ち
両結合がヒドロシラン化反応において同様又は同等の反
応性を有する場合には、試薬(a)、(b)及び(c)
を全部同時に混合することができる。上記混合物は、1
00〜260℃の好ましい温度で適切に触媒されかつ熱
重合される。連鎖伸長剤の種類を変動させる(剛性又は
可撓性、短い又は長い)ので、広範囲の靱性及び熱的性
質を得ることができる。例えば、4−8% Trilene 65
EPDMゴムの存在下に本発明の組成物を用いて、18
0〜650J/m2の破壊靱性値が得られた。連鎖伸長剤を
含めず7% Trilene 65 EPDMゴムを含めたメチルヒ
ドロシクロシロキサン(環内に4個と5個のケイ素原子
を有する混合物)及びジシクロペンタジエンから調製さ
れたプレポリマーから製造されたポリマーは破壊エネル
ギー値110J/m2を示す。靱性付与剤として作用するほ
かに、SiH末端連鎖伸長剤は、例えば成形操作におい
て反応性希釈剤として機能することができる。混合物が
加熱されるまで反応しないので、(a)及び(b)から
調製されたプレポリマーに加えると混合物を粘性でなく
かつ流動あるいは処理し易くすることができる。
【0018】上記工程のすべてについて、アルキルジア
ミンとアルキルトリアミン、例えばN,N,N′,N′
−テトラメチルエチレンジアミンとジエチレントリアミ
ンのような低レベルの硬化速度遅延剤(複合剤)又は
『Phosphorus Based CatalystRetardants for Silicon
Carbon Resin Systems 』, Research Disclosure 32610
3 (June 1991)及び欧州特許出願第 479,310号に記載さ
れているようなリン化合物の使用により、反応速度及び
それに伴う粘度増加を制御することができる。SiH末
端連鎖伸長剤を含有する処方に少量の触媒インヒビター
を添加すると、ヒドロシラン化反応が室温で起こること
を防止することにより触媒樹脂処方の可使時間は延長す
る。安定剤(酸化防止剤)は、プレポリマーの貯蔵安定
性及び硬化、即ち架橋ポリマーの熱酸化安定性を維持す
るのに有効である。ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジニル)−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ブチルプロパンジオエート(TINU
VIN(登録商標)144, Ciba-Geigy社製, ホーソーン, NY)
又はオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシヒドロシンナメート(オクタデシル3−(3′,
5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)
プロピオネートとしても知られる,NAUGARD(登録商標)7
6, Uniroyal Chemical社製, ミドルバリー, CT) とビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルセバケ
ート (TINUVIN(登録商標)765, Ciba-Geigy社製) の組合
わせが好ましい。安定剤とその使用は、米国特許第 5,0
25,048号及び同第 5,118,735号に記載されている。
【0019】ガラス、炭素(グラファイト)、石英、金
属、セラミック、アラミド及び他のポリマー繊維を液状
プレポリマーで湿潤し、これをプレプレグ及び複合物の
製造においてマトリックス材料として用いることができ
る。繊維は、例えば織物もしくは非織物材料又は一方向
繊維のトウの形とすることができる。本発明の組成物
は、プリント基板用のガラス又は他の繊維状充填剤を含
浸するのに特に十分適している。一般に、プレプレグ
(即ち、このプレプレグから製造されるラミネート及び
プリント基板)は組成物の全量に対して繊維状充填剤2
5〜90%、好ましくは30〜60%を含有し、織り方
に左右される。プレポリマーの繊維に対する湿潤及び結
合を高めるために、繊維をフィニッシュで処理すること
ができる。顔料及び他の種類の充填剤は容易に混合され
る。用いることのできる非繊維状充填剤の例は、ひる
石、マイカ、ウォラストナイト、カーボンブラック、炭
酸カルシウム、シリカ、フュームドシリカ、ガラスビー
ズ、すりガラス、くずガラス、セラミックビーズ、中空
ガラス球及び他の鉱物繊維である。充填剤は、補強剤あ
るいはコストを下げる増量剤として働くことができる。
また、粘度調節のような他の理由に用いることもでき
る。非繊維状充填剤は、組成物の全重量に対して20〜
95重量%の量で存在させることができる。
【0020】本発明の組成物は、優れた電気絶縁性及び
耐水性を有する。多くは高ガラス転移温度を有する。従
って、電子用途、例えば複合物、接着剤、封入剤、ポッ
ティングコンパウンド及び被覆剤に十分適している。プ
リント基板に用いられるようなラミネート及びプレプレ
グを調製するのに特に有効である。このプレプレグ及び
ラミネートは、米国特許第 5,008,360号に記載されてい
る。本発明の製品は、オルガノシリコーン組成物を含む
電子部品又はオルガノシリコーン組成物で被覆又は封入
(埋込又は封着)された電子部品からなる群より選ばれ
る。該部品は、典型的には電子回路基板、回路基板ラミ
ネート、回路基板プレプレグ、半導体部材、キャパシ
タ、レジスタ、ダイオード、トランジスタ、変圧器、コ
イル、ワイヤ、ハイブリッド回路及びマルチチップモジ
ュールからなる群より選ばれた少なくとも1種を含んで
いる。
【0021】本発明の組成物において用いられるプレポ
リマーに低分子量SiH末端連鎖伸長剤を混合すると、
靱性が顕著に増大されたポリマーを生じる。粘り強いポ
リマーは、プリント基板上の銅へのポリマーラミネート
の接着のような性質を改善し、ポリマーから製造された
プリント基板を穿孔するような加工性を改善することが
できる。連鎖伸長剤が硬質分子鎖、例えばR2 がビスフ
ェノール、ビフェニル、ナフチル又はアントラセニル基
のような置換又は非置換多芳香族部分を含むか又はR2
がジ、トリ又はテトラジシクロペンタジエニル基のよう
な置換又は非置換架橋縮合多環式部分を含むものを有す
る場合には、せん断弾性率G′も増大する。硬質鎖を含
む連鎖伸長剤としては、例えば過剰のビス(ジメチルシ
リル)ベンゼンとビニルベンゼン末端ビスフェノールA
のヒドロシラン化反応生成物及び過剰の1,1,3,3−テト
ラメチル−1,3−ジシロキサンとアリルエーテル末端ビ
スキシレノールPのヒドロシラン化反応生成物が挙げら
れる。
【0022】本発明の−SiH末端連鎖伸長剤を含むオ
ルガノシリコーン架橋ポリマー及び架橋性プレポリマー
は、不連続エラストマー相が存在しない場合にも有用で
ある。しかしながら、そのポリマー及びプレポリマーを
含む組成物は、エラストマー相を有するものほど靱性で
ないが連鎖伸長剤を含まないオルガノシリコーン組成物
より『粘り強くできる』ものである。即ち、連鎖伸長剤
を存在させると、これらの組成物を微粒子充填剤又は熱
可塑性樹脂のような種々の手段で粘り強くすることがで
きる。しかしながら、これらの添加剤は、連鎖伸長剤を
含まないポリマー及びプレポリマーの靱性を増大するの
に有効なほどではない。本明細書において、部及び%は
すべて特にことわらない限り重量によるものでありかつ
プレポリマーの全量に対するものである。下記実施例で
用いられる触媒及び触媒インヒビターを下記のように調
製する。
【0023】触媒A PC075、白金と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサンとの錯体はHuls America, Bristol,
PA から入手できる。これをトルエンで20%PC07
5溶液に希釈する。この溶液を触媒Aと呼ぶ。触媒B 1,500ppm のクロロ白金酸/ジシクロペンタジエン
(CPA/DCPD)触媒複合体を、ガラス容器内で0.
150部のCPAに窒素を5分間スパージし、次に10
0部のDCPDを加えて50〜70℃で1時間攪拌する
ことにより調製した。その後、この複合体を室温まで冷
却した。この触媒を触媒Bと呼ぶ。触媒インヒビター N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン
(TMEDA)/トルエンの2000ppm の溶液(『触媒
インヒビター溶液』)を、0.10部のTMEDAと49.
90部のトルエンをガラス容器に入れ十分に混合するこ
とにより調製した。
【0024】
【実施例A】本実施例は、下記式を有するSiH末端連
鎖伸長剤の調製を示すものである。
【0025】
【化3】
【0026】(n≦3、Me=メチル) 蒸留した5−ビニル−2−ノルボルネン(100.0部、
0.83モル)、340.0部(2.5モル)の1,1,3,3−テ
トラメチル−1,3−ジシロキサン(TMDS)及び0.7
3部の触媒Aをガラス容器に加えた。容器を25℃の水
浴に入れ、二重結合のすべてが 1H−NMRによって示
されるようにヒドロシラン化されるまで12時間攪拌し
た。過剰のTMDSを留去した後、減圧蒸留して475
部の連鎖伸長剤を回収した。蒸留生成物のSiH分析に
より、生成物が5.027meq SiH/gを含有すること
を示した。
【0027】
【実施例B】本実施例は、下記式を有するSiH末端連
鎖伸長剤の調製を示すものである。
【0028】
【化4】
【0029】(n≦3、Me=メチル) ジメタノヘキサヒドロナフタレン(DMHN)(25.0
部、0.16モル)、42.4部(0.32モル) の1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジシロキサン(TMDS)及び
0.22部の触媒Aをガラス容器に加えた。容器を25℃
の水浴に入れ、二重結合のすべてが 1H−NMRによっ
て示されるようにヒドロシラン化されるまで7時間攪拌
した。過剰のTMDSを回転蒸発器を用いて減圧(1mm
Hg)下25℃で20分間及び35℃で15分間除去し
た。蒸留生成物のSiH分析により、4.254meq Si
H/gを含有することを示した。
【0030】
【実施例C】本実施例は、オレフィンを多く含むプレポ
リマーの調製を示すものである。メチルヒドロシロキサ
ン(111.3部)(MHCS、主として8及び10員ポリ
シロキサン環)、145.7部のジシクロペンタジエン
(DCPD)、13.0部の触媒B、70.0部の30% T
RILENE 65 トルエン溶液 (TRILENE 65は UniroyalChemi
cal社製, ミドルバリー, CTのEPDMゴムである)、
1.25部のTINUVIN(登録商標) 765 妨害アミン酸化防止
剤 (Ciba Geigy社製, ホーソーン, NY) 、6.22部の N
AUGARD (登録商標)76 妨害フェノール酸化防止剤(Uniro
yal Chemical社製) 及び7.5部のトルエンをガラス容器
に加えた。反応物の温度が浴温より1−5℃高く維持す
るようにこの容器を25℃の水浴に入れ、DCPDのノ
ルボルネン結合のすべてが 1H−NMRによって示され
るようにヒドロシラン化されるまで攪拌を行った。この
プレポリマーは二重結合/SiH比1.30を有した。
【0031】
【実施例D】本実施例は、実施例Cの手順を用いてオレ
フィンを多く含むプレポリマーの調製を示すものであ
る。出発混合液中の成分の量は、プレポリマーの二重結
合/SiH比が実施例Cより低いように変動させる。M
HCS(140.4部)、169.7部のDCPD、15.2
部の触媒B、90.1部の30% TRILENE 65 EPDMゴ
ムトルエン溶液、1.53部のTINUVIN(登録商標) 765 酸
化防止剤、7.83部の NAUGARD (登録商標)76 酸化防止
剤及び9.0部のトルエンをガラス容器に加えた。このプ
レポリマーは二重結合/SiH比1.20を有した。
【0032】
【実施例E】本実施例は、実施例Cの手順を用いてオレ
フィンを多く含むプレポリマーの調製を示すものであ
る。出発混合液中の成分の量は、プレポリマーの二重結
合/SiH比が実施例C又はDより低いように変動させ
る。MHCS(61.2部)、67.3部のDCPD、6.5
部の触媒B、37.5部の30% TRILENE 65 EPDMゴ
ムトルエン溶液、0.64部のTINUVIN(登録商標) 765 酸
化防止剤、3.11部の NAUGARD (登録商標)76 酸化防止
剤及び9.0部のトルエンをガラス容器に加えた。このプ
レポリマーは二重結合/SiH比1.10を有した。
【0033】
【実施例F】本実施例は、下記式を有する連鎖伸長剤の
調製を記載するものである。
【0034】
【化5】
【0035】ガラス容器内の100mlトルエン中テトラ
メチルビスフェノールA(TMBPA−2VB)(20.6
4g、0.04モル)のビス(ビニルベンジルエーテル)
溶液にp-ビス(ジメチルシリル)ベンゼン(PBMS
B)(18.2g、0.094モル)及びHuls America製の0.
88mlの触媒PC075を加えた。この反応混合液を4
0℃で一晩攪拌し、薄層クロマトグラフィー(TLC)
でモニターした。溶媒及び過剰のPBMSBを減圧下で
除去して35gの所望の化合物、帯緑色の粘稠液状物
(収率96.8%)を得た。この物質の構造を 1H−NM
Rで確認した。
【0036】
【実施例G】本実施例は、下記式を有する連鎖伸長剤の
調製を記載するものである。
【0037】
【化6】
【0038】ガラス容器内の100mlトルエン中TMB
PA−2VB(20.64g、0.04モル)の溶液に1,1,
3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサン(16.08
g、0.12モル)及びHuls America製の0.83mlの触媒
PC075を加えた。この反応混合液を40℃で一晩攪
拌し、薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターし
た。溶媒及び過剰のテトラメチルジシロキサンを減圧下
で除去して30.58gの所望の化合物、帯黄色の粘稠液
状物(収率97.5%)を得た。この物質の構造を 1H−
NMRで確認した。
【0039】
【実施例1】本発明は、実施例Aのように調製された連
鎖伸長剤及び実施例Cのように調製されたオレフィンを
多く含むプレポリマーから一連の硬化プラークの調製を
示すものである。樹脂を触媒溶液A及び触媒インヒビタ
ー溶液と共に混合して130℃で3〜5分のゲル化時間
を得た。4滴のプレポリマー溶液を130℃まで予熱し
たホットプレート上に直接18ゲージの注射器から落と
すことにより、ゲル化時間を求めた。樹脂がゲル化する
までアプリケータースチックで樹脂を攪拌した。溶媒を
回転蒸発器で1−2mmHgの減圧下50℃で除去した。
ニートプレポリマーを0.3cm(1/8″)厚さのテフロ
ン被覆モールドに注入し、不活性雰囲気下オーブンで硬
化した。プレポリマーを165℃まで加熱し、1時間保
持し、250℃まで加熱し、4時間保持し、次いで室温
まで徐々に冷却した。次いで、試料を破壊エネルギー試
験用の1.3×6.4cm(0.5″×2.5″)矩形片に切断し
た。試料を予備破壊し、SAMPE Journal, January/Febru
ary 1988, p.42 に記載されている3ポイントブレンド
法によって試験した。また、0.6×0.6cm(0.25″×
0.25″)試験片を熱機械分析(TMA)によって試験
して硬化試料のガラス転移温度(Tg)を求めた。
【0040】TMAデータをTMAアナライザー、943
型、DuPont製、ウィルミントン, DEで得た。試料を液体
窒素雰囲気下荷重500mgで行った。試料を0℃で10
分間平衡化し、10℃/分で260℃まで加熱し、26
0℃で1分間保持し、10℃/分で20℃まで冷却し、
20℃で30分間保持した。第1加熱の作用は、試料の
熱応力を静めることであった。次いで、試料を10℃/
分で300℃まで第2加熱した。この第2加熱から試料
のガラス転移温度(Tg)を得た。Tgを温度に対して
記録し、ポリマーの勾配変化が熱膨張曲線で示された。
試験された処方並びに得られた破壊エネルギー及びTg
を表1に示す。表中の破壊エネルギーは5又は6試料で
得られた平均値である。470〜640J/m2の破壊エネ
ルギーは、処方中に13.7〜26.9重量%の連鎖伸長剤
を混合する処方で得られた。これを連鎖伸長剤なしで製
造された硬化プラークの破壊エネルギー110J/m2と比
べる。ガラス転移温度は、連鎖伸長剤なしで製造された
ポリマーの160〜190℃と比べて90〜122℃で
あった。
【0041】
【表1】表1 実施例Cの 実施例Aの インヒビター 触媒 平均破壊エネ TMA Tg プレポリマー 連鎖伸長剤 溶液 溶液A ルギー(J/m2) (℃) ──────────────────────────────────── 38.4 g 11.9 g 0.58 ml 0.53 g 505 90 38.4 g 11.9 g 0.58 ml 0.68 g 470 103 40.8 g 10.0 g 0.58 ml 0.66 g 525 102 40.8 g 10.0 g 0.58 ml 0.71 g 475 104 43.2 g 8.1 g 0.58 ml 0.60 g 636 106 43.2 g 8.1 g 0.58 ml 0.64 g 641 107 45.7 g 6.1 g 0.58 ml 0.83 g 592 112 45.7 g 6.1 g 0.58 ml 0.94 g 492 122 ────────────────────────────────────
【0042】
【実施例2】本実施例は、実施例Aのように調製された
連鎖伸長剤及び実施例Dのように調製されたオレフィン
を多く含むプレポリマーの一連の硬化プラークの調製を
示すものである。樹脂を触媒インヒビター溶液と触媒溶
液Aとともに混合して130℃で3〜6分のゲル化時間
を得た。ポリマープラークを調製し、実施例1に記載さ
れているように試験した。試験された処方及び得られた
破壊エネルギーとTgの結果を表2に示す。表中破壊エ
ネルギーは5又は6試料で得られた平均値である。18
1〜513J/m2の破壊エネルギーは、処方中に5.2〜2
0.4重量%の連鎖伸長剤を混合する処方で得られた。こ
れを連鎖伸長剤なしで製造された硬化プラークの破壊エ
ネルギー110J/m2と比べる。ガラス転移温度は、連鎖
伸長剤なしで製造されたポリマーの160〜190℃と
比べて84〜143℃であった。
【0043】
【表2】表2 実施例Dの 実施例Aの インヒビター 触媒 平均破壊エネ TMA Tg プレポリマー 連鎖伸長剤 溶液 溶液A ルギー(J/m2) (℃) ──────────────────────────────────── 47.8 g 10.2 g 0.58 ml 0.42 g 513 84 47.8 g 10.2 g 0.58 ml 0.50 g 501 92 50.7 g 7.7 g 0.58 ml 0.33 g 444 110 50.7 g 7.7 g 0.58 ml 0.54 g 414 125 53.8 g 5.2 g 0.58 ml 0.33 g 253 133 53.8 g 5.2 g 0.58 ml 0.54 g 231 136 56.8 g 2.6 g 0.58 ml 0.38 g 181 142 56.8 g 2.6 g 0.58 ml 0.63 g --- 143 ────────────────────────────────────
【0044】
【実施例3】本実施例は、実施例Aのように調製された
連鎖伸長剤及び実施例Eのように調製されたオレフィン
を多く含むプレポリマーの一連の硬化プラークの調製を
示すものである。樹脂を触媒インヒビターと触媒溶液A
とともに混合すると、130℃でゲル化時間3〜5分で
あった。ポリマープラークを調製し、実施例1に記載さ
れているように試験した。試験された処方及び得られた
破壊エネルギーとTgを表3に示す。表中破壊エネルギ
ーは5又は6試料で得られた平均値である。128〜4
46J/m2の破壊エネルギーは、処方中に5.9〜17.2重
量%の連鎖伸長剤を取り入れている処方で得られた。こ
れを連鎖伸長剤なしで製造された硬化プラークの破壊エ
ネルギー110J/m2と比べる。ガラス転移温度は、連鎖
伸長剤なしで製造されたポリマーの160〜190℃と
比べて89〜142℃であった。
【0045】
【表3】表3 実施例Eの 実施例Aの インヒビター 触媒 平均破壊エネ TMA Tg プレポリマー 連鎖伸長剤 溶液 溶液A ルギー(J/m2) (℃) ──────────────────────────────────── 49.7 g 8.6 g 0.58 ml 0.08 g 435 89 49.7 g 8.6 g 0.58 ml 0.33 g 383 68 52.9 g 5.9 g 0.58 ml 0.21 g 259 134 52.9 g 5.9 g 0.58 ml 0.42 g 190 145 58.5 g 3.1 g 0.60 ml 0.25 g 128 126 58.5 g 3.1 g 0.60 ml 0.67 g --- 142 ────────────────────────────────────
【0046】
【実施例4】本実施例は、実施例Bのように調製された
連鎖伸長剤及びオレフィンを多く含むプレポリマーの2
枚の硬化プラークの調製を示すものである。更に、連鎖
伸長添加剤で得られた靱性が TRILENE 65 EPDMゴム
のようなゴムの存在下にのみ可能であることを示すもの
である。即ち、連鎖伸長剤が硬化ポリマーの架橋密度を
減少させることにより、ゴムはポリマーを真に粘り強く
する。MHCS(100.0部)、71.0部のDCPD、
89.2部のトリシクロペンタジエン(TCPD)、13.
7部の触媒B、0.86部の TINUVIN (登録商標) 765酸
化防止剤及び4.2部の NAUGARD (登録商標) 76 酸化防
止剤を2個のガラス容器に加えた。第1容器(ラベル
A)に5.1部のトルエンと134.3部の30% TRILENE
65 EPDMゴムトルエン溶液を加えた。第2容器(ラ
ベルB)に139.4部のトルエンを加えた。用いられる
手順は、実施例Cに記載されている。これらのプレポリ
マーは二重結合/SiH比1.29を有した。プレポリマ
ーA及びBを実施例Bの連鎖伸長剤と触媒溶液Aと共に
混合すると、ゲル化時間は130℃で2分30秒〜3分
であった。最大硬化温度が250℃の代わりに220℃
である以外は、実施例1に記載されているようにポリマ
ープラークを調製及び試験した。
【0047】
【表4】表4 プレポリマ プレポリマ 連鎖伸長剤 触媒 平均破壊エネ TMA Tg ーA ーB 実施例B 溶液A ルギー(J/m2) (℃) ──────────────────────────────────── 100.5 g 46.3 g 0.84 g 586 90 102.5 g 47.3 g 0.32 g 58 117 ────────────────────────────────────
【0048】
【実施例5】本実施例は、連鎖伸長剤p-ビス(ジメチル
シリル)ベンゼンと実施例Dのように調製されたオレフ
ィンを多く含むプレポリマーの硬化プラークの調製を示
すものである。実施例Dのように調製されたプレポリマ
ー(71.4部)、8.85部のp-ビス(ジメチルシリル)
ベンゼン、0.88部のインヒビター溶液A及び2.17部
の触媒溶液Aをガラスジャーで混合した。ゲル化時間は
130で4分30秒であった。ポリマープラークを実施
例1で記載されているように調製及び試験した。13.6
重量%の連鎖伸長剤を取り入れている処方の破壊エネル
ギー、5試験片の平均値は207J/m2であった。これを
連鎖伸長剤なしで製造された硬化プラークの110J/m2
の破壊エネルギーと比べる。硬化ポリマーのガラス転移
温度は、連鎖伸長剤なしで製造されたポリマーの160
〜190℃に比べて115℃であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジュリア シュミット バーニア アメリカ合衆国 デラウェア州 19806 ウイルミントン ウェスト シックス ティーンス ストリート 2427 (72)発明者 ジイアン ジイアン ツアン アメリカ合衆国 デラウェア州 19807 ウイルミントン ウッデイル フォッ クスヒル レーン 22 (56)参考文献 特開 平3−134024(JP,A) 特開 平3−185027(JP,A) 特開 昭62−207333(JP,A) 欧州特許出願公開482404(EP,A 1) 米国特許5196498(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/00 - 7/62 C08L 83/00 - 83/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(a)、(b)及び(c)のヒ
    ドロシラン化反応生成物であるオルガノシリコーン架橋
    ポリマー又は架橋性プレポリマー:(a)≡SiH基を
    少なくとも2個有する環状ポリシロキサン又は四面体シ
    ロキシシランの少なくとも1種、(b)ヒドロシラン化
    において反応する非芳香族炭素−炭素二重結合を少なく
    とも2個環内に有する多環式ポリエンの少なくとも1
    種、及び(c)式R1−R2−R3(式中、R1及びR3は同
    一又は異なる−SiH末端基であり、R2は置換又は非
    置換脂肪族基又は置換又は非置換芳香族基である。)を
    有する化合物の少なくとも1種、なお、(a)及び
    (b)の少なくとも一方が2個を超える反応性部位を有
    する。
  2. 【請求項2】 (1)エラストマーの不連続相及び
    (2)下記成分(a)、(b)及び(c)のヒドロシラ
    ン化反応生成物であるオルガノシリコーン架橋ポリマー
    又は架橋性プレポリマー連続相を含む組成物:(a)≡
    SiH基を少なくとも2個有する環状ポリシロキサン又
    は四面体シロキシシランの少なくとも1種、(b)ヒド
    ロシラン化において反応する非芳香族炭素−炭素二重結
    合を少なくとも2個環内に有する多環式ポリエンの少な
    くとも1種、及び(c)式R1−R2−R3(式中、R1
    びR3は同一又は異なる−SiH末端基であり、R2は置
    換又は非置換脂肪族基又は置換又は非置換芳香族基であ
    る。)を有する化合物の少なくとも1種;なお、(a)
    及び(b)の少なくとも一方が2個を超える反応性部位
    を有する。
  3. 【請求項3】 (c)がo-及びp-ビス(ジメチルシリ
    ル)ベンゼン;o-及びp-ビス(ジエチルシリル)ベンゼ
    ン;及び1,1,4,4−テトラメチルジシリルエチレンから
    なる群より選ばれる請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 (c)がヒドロシラン化において反応す
    る炭素−炭素二重結合を2個含む化合物と≡SiH基を
    2個含む過剰量のモノマーのヒドロシラン化反応生成物
    である請求項記載の組成物。
  5. 【請求項5】 反応性炭素−炭素二重結合を2個含む化
    合物が5−ビニル−2−ノルボルネン;o-、m-又はp-ジイ
    ソプロペニルベンゼン;o-、m-又はp-ジビニルベンゼ
    ン;ジアリルエーテル;ジアリルベンゼン;ノルボルナ
    ジエン;ジメタノヘキサヒドロナフタレン;ビスフェノ
    ールAのジアリルエーテル;テトラメチルビスフェノー
    ルAのビニルベンジルエーテル;1,3−ジビニルテトラ
    メチルジシロキサン;1,4−ジビニル−1,1,4,4−テトラ
    メチルジシリルエチレン;ジビニルジメチルシラン;及
    び1,3−ジビニル−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジ
    シロキサンからなる群より選ばれる請求項記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 モノマーが1,1,3,3−テトラメチル−1,3
    −ジシロキサン;o-又はp-ビス(ジメチルシリル)ベン
    ゼン;1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン;o-
    又はp-ビス(ジエチルシリル)ベンゼン;1,3−ジフェ
    ニル−1,3−ジメチルジシロキサン;1,3−ビス(トリメ
    チルシロキシ)−1,3−ジメチルジシロキサン;及び1,
    1,4,4−テトラメチルジシリルエチレンからなる群より
    選ばれる請求項記載の組成物。
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