JP3393934B2 - 膜厚監視制御方法 - Google Patents
膜厚監視制御方法Info
- Publication number
- JP3393934B2 JP3393934B2 JP21752494A JP21752494A JP3393934B2 JP 3393934 B2 JP3393934 B2 JP 3393934B2 JP 21752494 A JP21752494 A JP 21752494A JP 21752494 A JP21752494 A JP 21752494A JP 3393934 B2 JP3393934 B2 JP 3393934B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- film thickness
- piezoelectric crystal
- substrate
- film formation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成膜チャンバ内に設置
された圧電結晶上への膜の推積を測定することにより基
板上における膜厚及び成膜速度を制御できるようにした
膜厚監視制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】真空蒸着やスパッタリングにおいて成膜
される膜の膜厚及び成膜速度を測定するために、石英マ
イクロバランスという技術が広く用いられている。これ
は、蒸着またはスパッタリングにおいてチャンバ内に配
置されている石英結晶の表面に蒸着物が推積すると、結
晶の質量が増加し逆にその応答周波数が減少することを
利用しており、この時の膜厚tfと応答周波数fcとの
関係は次式で表される。【0003】膜厚監視装置に基板位置での膜厚を表示さ
せるためには、成膜する膜の密度ρfと、膜と石英結晶
との音響インピーダンス比zと、石英結晶と基板の幾何
学的位置の補正係数tooling との三つのパラメータが必
要であり、生産を始める前の条件出しの段階でこれら三
つのパラメータを決めておく必要がある。従来これらパ
ラメータの決定は次の手順により行っていた。すなわ
ち、 1) 成膜する膜のバルクの密度ρf及び膜と石英結晶
との音響インピーダンス比zがわかっている場合にはそ
の値を入力し、膜と石英結晶との音響インピーダンス比
zがわかっていない場合にはz=1を入力する。 2) 次にtooling を1に設定し、何度か成膜を行い膜
厚監視装置の表示と基板についた膜厚を他の膜厚検査装
置、例えば触針式膜厚計などで実測しtooling(=実測
膜厚/表示膜厚)を計算する。複数のtooling を計算
し、それらの平均のtooling 値を膜厚監視装置に入力す
る。 3) 生産時にときどき表示膜厚と実測膜厚とを比較
し、ずれるようであればtooling の値を修正する。とこ
ろが、この方法では、成膜条件により膜と石英結晶との
音響インピーダンス比zがバルクの音響インピーダンス
比zと若干異なるため周波数が低くなるにしたがってず
れが大きくなる場合があった。 【0004】さらに、膜と石英結晶との音響インピーダ
ンス比zを補正するために周波数が低くなってずれが大
きくなったところで、膜厚監視装置のzの値を変え、表
示値と実測値が一致するようにする方法が提案されてい
るが、この方法は、補正するzにtooling の誤差が含ま
れ、手間もかかるため実際にはあまり行われていない。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに、成膜チャンバ内に設置された圧電結晶上への膜の
推積を測定することにより基板上における膜厚及び成膜
速度を制御できるようにした本発明による膜厚監視制御
方法は、各成膜毎に開始時の圧電結晶の周波数と終了時
の圧電結晶の周波数を成膜監視装置に保存し、各成膜毎
にその開始から終了間での幾つかの時点において基板の
膜厚を測定し、測定した複数の膜厚の値を成膜監視装置
に入力して最小2乗法により最適な剪断モードの膜と圧
電結晶との音響インピーダンス比z及び圧電結晶と基板
の幾何学的位置の補正係数tooling を決定することを特
徴としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに、成膜チャンバ内に設置された圧電結晶上への膜の
推積を測定することにより基板上における膜厚及び成膜
速度を制御できるようにした本発明による膜厚監視制御
方法は、各成膜毎に開始時の圧電結晶の周波数と終了時
の圧電結晶の周波数を成膜監視装置に保存し、各成膜毎
にその開始から終了間での幾つかの時点において基板の
膜厚を測定し、測定した複数の膜厚の値を成膜監視装置
に入力して最小2乗法により最適な剪断モードの音響イ
ンピーダンス比z及び石英結晶と基板の幾何学的位置の
補正係数tooling を決定することを特徴としている。 【0006】 【作用】このように構成した本発明による膜厚監視制御
方法においては、各成膜毎の開始周波数と終了周波数と
それぞれの成膜を識別するためのRUN NO.が成膜監視装
置に表示されると共に内部に保存され、その後いくつか
のRUN NO.に対応した基板の実測膜厚値をRUN NO.に対
応させて入力することにより最適な剪断モードの膜と圧
電結晶との音響インピーダンス比z及び圧電結晶と基板
の幾何学的位置の補正係数tooling の値が計算され、以
後その値を用いることにより、膜厚を正確に計算できる
ようになる。本発明による膜厚監視制御方法によれば、
従来tooling を求めるために行っていた作業で最適なto
oling とzを一度に求めることができる。これにより剪
断モードの膜と圧電結晶との音響インピーダンス比z及
び圧電結晶と基板の幾何学的位置の補正係数tooling の
パラメータをばらばらに求める手間が省けしかも一つの
パラメータのもつ誤差が他のパラメータに与える影響を
最小限に押さえることができるようになる。 【0007】 【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。図1には本発明の成膜監視制御方法を
実施している装置の一例をブロック線図で示し、1は真
空チャンバ、この真空チャンバ1内には蒸発源2、成膜
すべき基板3、圧電結晶から成るマイクロバランスセン
サ4及び例えば触針式膜厚計のような膜厚検査装置5が
配置されている。蒸発源2は加熱用電源6に接続されて
いる。また7は膜厚監視装置であり、マイクロバランス
センサ4からの周波数信号を受ける入力、膜厚検査装置
5からの基板3上の膜厚情報を受ける別の入力及び加熱
用電源6へ制御信号を供給する出力を備えている。すな
わち、膜厚監視装置7は、各成膜時にその開始時点での
マイクロバランスセンサ4における圧電結晶の周波数及
びその終了時点での圧電結晶の周波数を保存し、一方そ
れぞれの成膜毎に識別番号(すなわちRUN NO.)を付
け、成膜を重ねに従って圧電結晶の周波数が高い状態か
ら低い状態になる間の複数の時点において膜厚検査装置
5によって基板3上の膜厚を実測し、それらの実測値を
成膜の識別番号に対応させて膜厚監視装置7に入力す
る。さらに具体的に説明すると、膜厚監視装置7におい
ては成膜時の開始と終了及びそのRUN NO.を保存し、次
のようなテーブルをもたせ、 周波数が高いところから低いところまで成膜し、その間
の複数の時点で膜厚の実測値を入力し最小2乗で最適な
tooling とzを計算する。その計算方法は式(1)をf(z,t
ool,fc)とおき、TOOLi=実測成膜/( f( z,1,fe)- f
( z,1,fs)) 、zの値を0.001 〜10の間で振り、 となるz及びTOOLを求める。ここでfs、fe は、それぞ
れ開始時の周波数、終了時の周波数である。 【0008】実際の例として蒸着でアルミニウムを成膜
した場合とスパッタでSi O2 を成膜した場合について
従来による方法と本発明による方法について比較例を以
下に例示する。 1)蒸着でアルミニウムを成膜した場合:センサーには
6MHzタイプを使用した。RUN NO. は1〜7までとし、
新しいクリスタルを約4.7MHzまで使用し、密度は、アル
ミニウムのバルクの値2.7 を用い、TOOLING は0.587 を
設定(数バッチの蒸着より従来の方式で求めた値)した
場合の膜厚監視装置の膜厚で各バッチごと約6ミクロン
で蒸着を止めた。実測膜厚は、そのときの基板に付いた
膜厚を基板を取り出し触針式で実測したものである。 【0009】表1の従来のものでは、膜厚監視装置の表
示膜厚がほぼ5.8 ミクロンを示しているにもかかわら
ず、実測膜厚は、6.2 ミクロンから5.5 ミクロンに減少
しており、エラーは+5.4 〜 -5.6 %と大きく、全域で
エラーを最小にするには、平均のTOOLING だけでは無理
なことがわかる。これに対して、表2に示す本発明の方
法によれば、最適なZ-RATIO =1.26、またTOOLING =0.
620 となり、全域でのエラーは+2.5〜ー1.9%と従来の場
合の半分以下になることがわかる。また、クリスタルに
よるばらつきは殆どないため次に新しいクリスタルに交
換し蒸着を行ってもこのエラーの差は殆どなく実際に求
まったZ-RATIO とTOOLING の値で蒸着を行いエラーはほ
ぼ同程度であった。 【0010】2)スパッタでSi O2 を成膜した場合:
センサーは5MHzタイプを使用し、実験方法は例1)の
場合と同様に行った。 【0011】表3及び表4から認められるように、従来
方式でZ-RATIO は、Si O2 のバルクの値1.07、TOOLIN
G は0.239 で、エラーは+5.8 〜 -9.9 %であるが、本
発明による方法ではZ-RATIO が0.432 、TOOLING は0.22
7 が最適の値と求まり、この結果エラーは、+1.4 〜 -
1.8 %と格段に良くなっている。実際このZ-RATIO とTO
OLING の値を用い新しいクリスタルで蒸着すると、エラ
ーはほぼ同じ値となった。以上の具体的実験例から蒸着
でアルミニウムを成膜した場合及びスパッタでSi O2
を成膜した場合には、ともに従来例ではそれぞれバルク
値z=1.08、z=1.07を使用すると、周波数が低くなる
に従いtooling の値がずれていくが、本発明の方法によ
ればz=1.258 、TOOL=0.620 、z=0.432 、TOOL=0.
227 がそれぞれ最適な値になりtooling の値がほぼ一定
になることが認められた。 【0012】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば各成膜毎に開始時の圧電結晶の周波数と終了時の圧電
結晶の周波数を成膜監視装置に保存し、各成膜毎に識別
番号をつけ、圧電結晶の周波数が高い状態から低い状態
へ変化する間に複数の時点において基板の膜厚を測定
し、測定した複数の膜厚の値を成膜監視装置に入力して
最小2乗法により最適な剪断モードの膜と圧電結晶との
音響インピーダンス比z及び圧電結晶と基板の幾何学的
位置の補正係数tooling を決定するように構成している
ので、従来のtooling を求めるのに行っていた操作でto
oling およびzを求めることができ、測定制度を向上さ
せることができる。またzがわからない物質についても
同様の操作でtooling およびzを求めることができるよ
うになる。
された圧電結晶上への膜の推積を測定することにより基
板上における膜厚及び成膜速度を制御できるようにした
膜厚監視制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】真空蒸着やスパッタリングにおいて成膜
される膜の膜厚及び成膜速度を測定するために、石英マ
イクロバランスという技術が広く用いられている。これ
は、蒸着またはスパッタリングにおいてチャンバ内に配
置されている石英結晶の表面に蒸着物が推積すると、結
晶の質量が増加し逆にその応答周波数が減少することを
利用しており、この時の膜厚tfと応答周波数fcとの
関係は次式で表される。【0003】膜厚監視装置に基板位置での膜厚を表示さ
せるためには、成膜する膜の密度ρfと、膜と石英結晶
との音響インピーダンス比zと、石英結晶と基板の幾何
学的位置の補正係数tooling との三つのパラメータが必
要であり、生産を始める前の条件出しの段階でこれら三
つのパラメータを決めておく必要がある。従来これらパ
ラメータの決定は次の手順により行っていた。すなわ
ち、 1) 成膜する膜のバルクの密度ρf及び膜と石英結晶
との音響インピーダンス比zがわかっている場合にはそ
の値を入力し、膜と石英結晶との音響インピーダンス比
zがわかっていない場合にはz=1を入力する。 2) 次にtooling を1に設定し、何度か成膜を行い膜
厚監視装置の表示と基板についた膜厚を他の膜厚検査装
置、例えば触針式膜厚計などで実測しtooling(=実測
膜厚/表示膜厚)を計算する。複数のtooling を計算
し、それらの平均のtooling 値を膜厚監視装置に入力す
る。 3) 生産時にときどき表示膜厚と実測膜厚とを比較
し、ずれるようであればtooling の値を修正する。とこ
ろが、この方法では、成膜条件により膜と石英結晶との
音響インピーダンス比zがバルクの音響インピーダンス
比zと若干異なるため周波数が低くなるにしたがってず
れが大きくなる場合があった。 【0004】さらに、膜と石英結晶との音響インピーダ
ンス比zを補正するために周波数が低くなってずれが大
きくなったところで、膜厚監視装置のzの値を変え、表
示値と実測値が一致するようにする方法が提案されてい
るが、この方法は、補正するzにtooling の誤差が含ま
れ、手間もかかるため実際にはあまり行われていない。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに、成膜チャンバ内に設置された圧電結晶上への膜の
推積を測定することにより基板上における膜厚及び成膜
速度を制御できるようにした本発明による膜厚監視制御
方法は、各成膜毎に開始時の圧電結晶の周波数と終了時
の圧電結晶の周波数を成膜監視装置に保存し、各成膜毎
にその開始から終了間での幾つかの時点において基板の
膜厚を測定し、測定した複数の膜厚の値を成膜監視装置
に入力して最小2乗法により最適な剪断モードの膜と圧
電結晶との音響インピーダンス比z及び圧電結晶と基板
の幾何学的位置の補正係数tooling を決定することを特
徴としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに、成膜チャンバ内に設置された圧電結晶上への膜の
推積を測定することにより基板上における膜厚及び成膜
速度を制御できるようにした本発明による膜厚監視制御
方法は、各成膜毎に開始時の圧電結晶の周波数と終了時
の圧電結晶の周波数を成膜監視装置に保存し、各成膜毎
にその開始から終了間での幾つかの時点において基板の
膜厚を測定し、測定した複数の膜厚の値を成膜監視装置
に入力して最小2乗法により最適な剪断モードの音響イ
ンピーダンス比z及び石英結晶と基板の幾何学的位置の
補正係数tooling を決定することを特徴としている。 【0006】 【作用】このように構成した本発明による膜厚監視制御
方法においては、各成膜毎の開始周波数と終了周波数と
それぞれの成膜を識別するためのRUN NO.が成膜監視装
置に表示されると共に内部に保存され、その後いくつか
のRUN NO.に対応した基板の実測膜厚値をRUN NO.に対
応させて入力することにより最適な剪断モードの膜と圧
電結晶との音響インピーダンス比z及び圧電結晶と基板
の幾何学的位置の補正係数tooling の値が計算され、以
後その値を用いることにより、膜厚を正確に計算できる
ようになる。本発明による膜厚監視制御方法によれば、
従来tooling を求めるために行っていた作業で最適なto
oling とzを一度に求めることができる。これにより剪
断モードの膜と圧電結晶との音響インピーダンス比z及
び圧電結晶と基板の幾何学的位置の補正係数tooling の
パラメータをばらばらに求める手間が省けしかも一つの
パラメータのもつ誤差が他のパラメータに与える影響を
最小限に押さえることができるようになる。 【0007】 【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。図1には本発明の成膜監視制御方法を
実施している装置の一例をブロック線図で示し、1は真
空チャンバ、この真空チャンバ1内には蒸発源2、成膜
すべき基板3、圧電結晶から成るマイクロバランスセン
サ4及び例えば触針式膜厚計のような膜厚検査装置5が
配置されている。蒸発源2は加熱用電源6に接続されて
いる。また7は膜厚監視装置であり、マイクロバランス
センサ4からの周波数信号を受ける入力、膜厚検査装置
5からの基板3上の膜厚情報を受ける別の入力及び加熱
用電源6へ制御信号を供給する出力を備えている。すな
わち、膜厚監視装置7は、各成膜時にその開始時点での
マイクロバランスセンサ4における圧電結晶の周波数及
びその終了時点での圧電結晶の周波数を保存し、一方そ
れぞれの成膜毎に識別番号(すなわちRUN NO.)を付
け、成膜を重ねに従って圧電結晶の周波数が高い状態か
ら低い状態になる間の複数の時点において膜厚検査装置
5によって基板3上の膜厚を実測し、それらの実測値を
成膜の識別番号に対応させて膜厚監視装置7に入力す
る。さらに具体的に説明すると、膜厚監視装置7におい
ては成膜時の開始と終了及びそのRUN NO.を保存し、次
のようなテーブルをもたせ、 周波数が高いところから低いところまで成膜し、その間
の複数の時点で膜厚の実測値を入力し最小2乗で最適な
tooling とzを計算する。その計算方法は式(1)をf(z,t
ool,fc)とおき、TOOLi=実測成膜/( f( z,1,fe)- f
( z,1,fs)) 、zの値を0.001 〜10の間で振り、 となるz及びTOOLを求める。ここでfs、fe は、それぞ
れ開始時の周波数、終了時の周波数である。 【0008】実際の例として蒸着でアルミニウムを成膜
した場合とスパッタでSi O2 を成膜した場合について
従来による方法と本発明による方法について比較例を以
下に例示する。 1)蒸着でアルミニウムを成膜した場合:センサーには
6MHzタイプを使用した。RUN NO. は1〜7までとし、
新しいクリスタルを約4.7MHzまで使用し、密度は、アル
ミニウムのバルクの値2.7 を用い、TOOLING は0.587 を
設定(数バッチの蒸着より従来の方式で求めた値)した
場合の膜厚監視装置の膜厚で各バッチごと約6ミクロン
で蒸着を止めた。実測膜厚は、そのときの基板に付いた
膜厚を基板を取り出し触針式で実測したものである。 【0009】表1の従来のものでは、膜厚監視装置の表
示膜厚がほぼ5.8 ミクロンを示しているにもかかわら
ず、実測膜厚は、6.2 ミクロンから5.5 ミクロンに減少
しており、エラーは+5.4 〜 -5.6 %と大きく、全域で
エラーを最小にするには、平均のTOOLING だけでは無理
なことがわかる。これに対して、表2に示す本発明の方
法によれば、最適なZ-RATIO =1.26、またTOOLING =0.
620 となり、全域でのエラーは+2.5〜ー1.9%と従来の場
合の半分以下になることがわかる。また、クリスタルに
よるばらつきは殆どないため次に新しいクリスタルに交
換し蒸着を行ってもこのエラーの差は殆どなく実際に求
まったZ-RATIO とTOOLING の値で蒸着を行いエラーはほ
ぼ同程度であった。 【0010】2)スパッタでSi O2 を成膜した場合:
センサーは5MHzタイプを使用し、実験方法は例1)の
場合と同様に行った。 【0011】表3及び表4から認められるように、従来
方式でZ-RATIO は、Si O2 のバルクの値1.07、TOOLIN
G は0.239 で、エラーは+5.8 〜 -9.9 %であるが、本
発明による方法ではZ-RATIO が0.432 、TOOLING は0.22
7 が最適の値と求まり、この結果エラーは、+1.4 〜 -
1.8 %と格段に良くなっている。実際このZ-RATIO とTO
OLING の値を用い新しいクリスタルで蒸着すると、エラ
ーはほぼ同じ値となった。以上の具体的実験例から蒸着
でアルミニウムを成膜した場合及びスパッタでSi O2
を成膜した場合には、ともに従来例ではそれぞれバルク
値z=1.08、z=1.07を使用すると、周波数が低くなる
に従いtooling の値がずれていくが、本発明の方法によ
ればz=1.258 、TOOL=0.620 、z=0.432 、TOOL=0.
227 がそれぞれ最適な値になりtooling の値がほぼ一定
になることが認められた。 【0012】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば各成膜毎に開始時の圧電結晶の周波数と終了時の圧電
結晶の周波数を成膜監視装置に保存し、各成膜毎に識別
番号をつけ、圧電結晶の周波数が高い状態から低い状態
へ変化する間に複数の時点において基板の膜厚を測定
し、測定した複数の膜厚の値を成膜監視装置に入力して
最小2乗法により最適な剪断モードの膜と圧電結晶との
音響インピーダンス比z及び圧電結晶と基板の幾何学的
位置の補正係数tooling を決定するように構成している
ので、従来のtooling を求めるのに行っていた操作でto
oling およびzを求めることができ、測定制度を向上さ
せることができる。またzがわからない物質についても
同様の操作でtooling およびzを求めることができるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を実施している装置の一例の構
成を示す概略ブロツク線図。 【符号の説明】 1:真空チャンバ、 2:蒸発源、 3:成膜すべき基板、 4:圧電結晶から成るマイクロバランスセンサ、 5:触針式膜厚計のような膜厚検査装置、 6:加熱用電源、 7:膜厚監視装置。
成を示す概略ブロツク線図。 【符号の説明】 1:真空チャンバ、 2:蒸発源、 3:成膜すべき基板、 4:圧電結晶から成るマイクロバランスセンサ、 5:触針式膜厚計のような膜厚検査装置、 6:加熱用電源、 7:膜厚監視装置。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 成膜チャンバ内に設置された圧電結晶上
への膜の推積を測定することにより基板上における膜厚
及び成膜速度を制御できるようにした膜厚監視制御方法
において、各成膜毎に開始時の圧電結晶の周波数と終了
時の圧電結晶の周波数を成膜監視装置に保存し、各成膜
毎に識別番号をつけ、圧電結晶の周波数が高い状態から
低い状態へ変化する間に複数の時点において基板の膜厚
を測定し、測定した複数の膜厚の値を成膜監視装置に入
力して最小2乗法により最適な剪断モードの膜と圧電結
晶との音響インピーダンス比z及び圧電結晶と基板の幾
何学的位置の補正係数tooling を決定することを特徴と
する膜厚監視制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21752494A JP3393934B2 (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | 膜厚監視制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21752494A JP3393934B2 (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | 膜厚監視制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0882517A JPH0882517A (ja) | 1996-03-26 |
JP3393934B2 true JP3393934B2 (ja) | 2003-04-07 |
Family
ID=16705598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21752494A Expired - Lifetime JP3393934B2 (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | 膜厚監視制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3393934B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4818073B2 (ja) * | 2006-11-10 | 2011-11-16 | 株式会社アルバック | 膜厚測定方法 |
JP6263441B2 (ja) * | 2014-05-23 | 2018-01-17 | キヤノントッキ株式会社 | 水晶発振式膜厚モニタによる膜厚制御方法 |
CN116590683B (zh) * | 2023-05-05 | 2023-12-26 | 北京创思镀膜有限公司 | 一种光学薄膜及其制备方法、光学薄膜元件 |
-
1994
- 1994-09-12 JP JP21752494A patent/JP3393934B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0882517A (ja) | 1996-03-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5112642A (en) | Measuring and controlling deposition on a piezoelectric monitor crystal | |
TWI465597B (zh) | 薄膜形成裝置、膜厚測定方法、膜厚感測器 | |
JP4818073B2 (ja) | 膜厚測定方法 | |
JP3630931B2 (ja) | プラズマ処理装置、プロセスモニタ方法及び半導体装置の製造方法 | |
CN103469172B (zh) | 石英晶体镀膜厚度控制方法及石英晶体镀膜装置 | |
US8438924B2 (en) | Method of determining multilayer thin film deposition on a piezoelectric crystal | |
KR20150135082A (ko) | 수정 발진식 막두께 모니터에 의한 막두께 제어 방법 | |
JP3393934B2 (ja) | 膜厚監視制御方法 | |
KR102685475B1 (ko) | 표면 탄성파 장치 및 제조 방법 | |
JP2000064037A (ja) | スパッタ装置における膜厚分布制御方法とその装置 | |
JP2012178716A (ja) | エッチング装置及びエッチング方法 | |
GB2088058A (en) | Measuring Coating Thickness | |
JPH08288258A (ja) | エッチング終点判定方法並びにドライエッチング方法及びその装置 | |
JP3926073B2 (ja) | 薄膜形成方法及び装置 | |
JPH0288772A (ja) | スパッタ装置の膜厚制御方法 | |
Mishin et al. | Thickness control by ion beam milling in acoustic resonator devices | |
CN112697081B (zh) | 一种膜厚测量系统及方法 | |
JP3401112B2 (ja) | 圧電結晶発振式膜厚計用発振回路 | |
RU2702702C1 (ru) | Способ определения чувствительности кварцевых микровесов | |
JPH0333203B2 (ja) | ||
JPH1092789A (ja) | エッチング速度評価方法 | |
JPS5946024A (ja) | 真空蒸着方法 | |
Kalinkina et al. | Development design parameters for the metallization of quartz samples | |
JPH11194078A (ja) | 透過型電子顕微鏡観察用の試料作製方法および試料作製装置 | |
CN118726932A (zh) | 一种基于微型压电传感器的薄膜参数监测方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120131 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130131 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140131 Year of fee payment: 11 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |