JP3393808B2 - チェーンの伸長度診断装置 - Google Patents
チェーンの伸長度診断装置Info
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Description
を診断するチェーンの伸長度診断装置に関する。
ベアでは、乗客や物を乗せる踏み段や、乗客が安心して
乗れるようにハンドレールを設けており、これらは駆動
装置により回転駆動される無端状のチェーンと同期して
無端移動するように構成されている。このチェーンは経
時的に伸び、その伸長度は使用時間や負荷条件によって
異なるため定期的な保守点検作業が必要となる。この伸
長度を検出する従来のチェーンの伸長度検出装置は、特
開平7−137976号公報に記載のように、チェーン
に標識を設け、この標識の通過を検出する検出装置によ
ってチェーンの単位当たりの長さを検出するものが提案
されている。
チェーンの伸長度検出装置は、上述のようにチェーンの
伸びを検出するためにチェーンに標識を設けていたた
め、既存のチェーンの伸長度を検出するためには新たに
標識を設けなければならず多大な労力と時間が必要であ
った。また新品チェーンの場合でも、標識の取付け精度
が検出結果に大きく影響するため、伸長度を判定する上
での信頼性を確保するのが困難であり、しかも、チェー
ンはスプロケットに噛み合う構造上、標識をチェーンの
側面に設けなければならず、これに合わせて標識を検出
するためのセンサもチェーンの側方から近接して配置し
なければならないが、駆動中のチェーンがその駆動方向
と直角方向に振動するため、所定の位置に固定したセン
サで標識を常に検出するのは非常に困難となっていた。
トに噛み合う際、チェーン初期状態でスプロケットのピ
ッチ円直径がチェーンのローラ中心と合致するが、チェ
ーンが伸びるとチェーンのローラ中心がスプロケットの
ピッチ円直径より大きい位置にずれて回転駆動されるこ
とになる。従って、回転駆動するスプロケットの角速度
は経年により変化しなくても、これに噛み合うチェーン
の周速度は経年により変化し、伸びたチェーンの運転速
度は初期状態と比較して速くなっているため、チェーン
が伸びたとしても初期状態でのチェーン一周の通過時間
とほとんど変わらなくなってしまう。このため、チェー
ンに一定間隔で標識を設けて標識の通過を検出しても、
チェーンの単位当たりの長さを検出することは困難であ
り、チェーンの伸長度を正確に検出するのが難しかっ
た。
異常伸長を正確に診断することができるようにしたチェ
ーンの伸長度診断装置を提供することにある。
するために、チェーンを組み合わせた搬送装置における
上記チェーンの伸長度を診断するチェーンの伸長度診断
装置において、上記チェーンの内リンク部分と外リンク
部分の通過を検出するチェーン通過検出器と、このチェ
ーン通過検出器のパルス信号から上記チェーンの上記内
リンク部分および上記外リンク部分のパルス周期を測定
するパルス測定部と、上記チェーンの上記内リンク部分
および上記外リンク部分のパルス周期の変化からチェー
ンの異常伸長を判定する判定部とを設けたことを特徴と
する。
診断装置は、チェーンの近傍にチェーン通過検出器を設
けてローラの鉄鋼部分からチェーンのパルス周期を検出
し、このパルス周期の変化からチェーンの異常伸長を診
断するようにしたため、従来のようにチェーンに一定間
隔で標識を設けることなく、正確に異常伸長を診断する
ことができる。
によって説明する。図7は、本発明の一実施の形態によ
るチェーンの伸長度診断装置を取り付けたエスカレータ
の要部駆動機構を示す側面図である。機械室に設けられ
たエスカレータ駆動用ドライビングマシン2は、ドライ
ビングチェーン3を介して上部駆動用踏み段チェーンス
プロケット4に連結されている。この上部駆動用踏み段
チェーンスプロケット4と同じシャフト5に軸支された
ハンドレール駆動用スプロケット6は、ハンドレール駆
動用メインチェーン7を介してダブルスプロケット8に
連結されている。このダブルスプロケット8にはハンド
レール駆動用ドライビングチェーン9を介してハンドレ
ール駆動装置10の駆動ローラ11が連結され、この駆
動ローラ11を介して無端状に構成したハンドレール1
を回転移動させている。また、ダブルスプロケット8と
テンションスプロケット14間に位置したハンドレール
駆動用メインチェーン7に対応して、チェーン通過検出
器12を含むチェーンガイド13が配置されている。こ
のチェーンガイド13は、ハンドレール駆動用メインチ
ェーン7に対応した部分に限らず、ハンドレール駆動用
ドライチェーン9やドライビングチェーン3に対応して
取り付けても良いし、設置場所としてはチェーンの噛み
合う二個のスプロケット間であればどこに取り付けても
良い。また、チェーン通過検出器12としては、チェー
ン駆動部分特有の油や塵埃や水に影響されることなく、
鉄鋼部分であるチェーンのローラ部分のみ、つまり金属
の遮へい有無によってのみ信号を出力する磁気センサな
どを用いる。
を用いて構成したチェーンの伸長度診断装置を示すブロ
ック構成図である。複数のチェーン20A,20B,2
0Cの各々の近傍にチェーン通過検出器12A,12
B,12Cが取り付けられており、これら各チェーン通
過検出器12A〜12Cは切換部16を介してMPU2
4に接続されている。この切換部16は、チェーン通過
検出器12Aがチェーン20Aのパルスを検出し終える
と、次にチェーン通過検出器12Bを検出可能な状態と
し、さらにチェーン通過検出器12Cを検出可能な状態
に切り替えることができる。MPU24は、チェーン通
過検出器12A〜12Cが検出したパルス信号からチェ
ーン20A〜20Cのローラ間のパルス幅を測定する測
定部17と、測定部17が測定したチェーン20A〜2
0Cのローラ間のパルス幅を基にチェーンのパルス周期
を比較演算して異常伸長を診断したり、チェーン20A
〜20Cの伸長度を定量的に判定する判定部18と、判
定部18でのチェーン20A〜20Cの伸長度の判定結
果から、例えば、最新の判定結果を比較して変化量を算
出し、これを経過時間で除して単位時間当たりの変化量
を求めてチェーン20A〜20Cの伸びが異常状態に達
するまでの時間を表すチェーン異常時期やチェーン交換
時期を予測する予測部19とで構成されている。
信部26を介して監視センタ27が接続されており、こ
の記憶部25は、測定部17での測定結果や、判定部1
8でのチェーン伸長度の判定結果や、予測部19でのチ
ェーン異常時期およびチェーン交換時期や、診断実施時
の日時等の情報を記憶し、通信部26は、記憶部25が
記憶した情報を定期的に監視センタ27に送信したり、
チェーン20A〜20Cが予測部19で異常時期に達し
ていると予測した緊急事態にチェーン交換指示などを監
視センタ27に送信する。また、判定部18でのチェー
ン20A〜20Cの伸長度の判定結果から、例えばチェ
ーン異常状態に達しているという判定がなされたとき、
判定部18は駆動制御部28に何らかの指令を与えてチ
ェーン駆動を制御できるよう構成している。
明する。チェーンの伸びは、弾性伸び、塑性伸びおよび
磨粍伸びに分類されており、一般にチェーンの伸びと言
われているのは磨粍伸びのことであり、伸びのなかでも
最も大きな比率を占めており、この磨粍伸びについて、
チェーンを中心から外側へ見た場合の断面図である図2
と、図2のB−B線に沿った初期状態を示す断面図であ
る図3と、図2のB−B線に沿った磨粍伸びした状態を
示す断面図である図4を用いて説明する。
リンクプレート21Bおよび外側リンクプレート21A
と、両リンクプレート21A,21Bの連結部に配置さ
れてスプロケットに係合することになると共に上述のチ
ェーン通過検出器12A〜12Cによって検出されるロ
ーラ15と、このローラ15に挿入すると共に内側リン
クプレート21Bにはめ込んだブッシュ22と、このブ
ッシュ22内に挿入すると共に外側リンクプレート21
Aにはめ込んだピン23で構成されている。ここで、ロ
ーラ15とブッシュ22の間、またブッシュ22とピン
23の間にはそれぞれ隙間が存在し、ローラ15はブッ
シュ22との間で自由に回転するが、ブッシュ22は内
側リンクプレート21Bに固設され、またピン23は外
側リンクプレート21Aに固設されているため、ピン2
3やブッシュ22自体が回転することはない。チェーン
が屈曲したり、スプロケットに噛み合って軌跡が円弧を
描いたりするのは、ブッシュ22とピン23の間に存在
する隙間によってブッシュ22とピン23が揺動し生じ
る現象である。
め、チェーン20が回転駆動しスプロケットとの噛み合
いにより屈曲を重ねると、当然ピン23とブッシュ22
の間の揺動によりピン23の外面とブッシュ22の内面
の磨粍が進み、隙間が拡大する方向に磨粍伸びが生じる
ことになる。チェーン20が磨粍伸びした状態になる
と、チェーン20の駆動中には常に図4の矢印で示す両
側方向に引っ張られるので、ブッシュ22とピン23間
の隙間が片側に寄り、ローラ15の外径面からそれと隣
り合うローラ15の外径面までの距離が変化する。一
方、ブッシュ22が固設された内側リンクプレート21
Bにおけるローラ間寸法j2,j4は変化せず、磨粍伸
びした状態になってもj2=j2’、j4=j4’とな
る。また、ピン23が固設された外側リンクプレート2
1Aにおけるローラ間寸法j1,j3は磨粍伸びした状
態になるとj1からj1’に、j3からj3’にそれぞ
れ拡がり、チェーン20は全体が伸びる。またローラ1
5の直径は、ローラ15の外面がスプロケットに接触し
て磨粍することで減少するが、その磨粍量はピン23と
ブッシュ22の間の隙間ほどではなく微少であるため、
ここではその変化量は無視して考えることができる。
チェーンの伸長度診断装置の動作原理を、図3に示した
初期状態のチェーンの出力信号の波形図である図5と、
図4に示した磨粍伸びした状態のチェーンの出力信号の
波形図である図6を用いて説明する。図5において、波
形の山部を形成しているパルスの立ち上がりから立ち下
がりまでのパルス幅H1,H2,H3,H4は、図3に
示したローラ15の外径部分h1,h2,h3,h4の
通過時間に対応し、また谷部を形成しているパルスの立
ち下がりから立ち上がりまでのパルス間隔J1,J2,
J3,J4は、図3に示したローラ15の外面から隣り
合うローラ15の外面までの寸法j1,j2,j3,j
4の通過時間に対応している。ローラ15の直径はh1
=h2=h3=h4であるため、それに対応する通過時
間のパルス幅もH1=H2=H3=H4となる。また初
期状態のチェーンは磨粍伸びがないためローラ外面から
隣り合うローラ外面までの寸法j1=j2=j3=j4
であり、それに対応するパルス間隔もJ1=J2=J3
=J4となる。
伸びした状態になるとチェーンの全体長さは長くなる
が、回転駆動するスプロケットに噛み合う際に初期状態
のチェーンではスプロケットのピッチ円直径が噛み合う
チェーンのローラ中心と合致するが、磨粍伸びしたチェ
ーンは噛み合うチェーンのローラ中心がスプロケットの
ピッチ円直径より大きい位置にずれて回転駆動する。こ
のため、回転駆動するスプロケットの角速度は経年によ
り変化しなくとも、スプロケットに噛み合うチェーンの
周速度はチェーンの初期状態と伸びた状態では異なり、
磨粍伸びした状態のチェーン運転速度は初期状態のそれ
と比較して速くなる。その結果、チェーンは伸びたとし
ても初期状態と伸びた状態でのチェーン一周の通過時間
はほとんど変わらないので、パルス幅H1’〜H4’は
パルス幅H1〜H4よりも小さくなる。
ためチェーンが磨粍伸びしても変わらないとすれば、図
3の外側リンクプレート21Aに支持された隣り合うロ
ーラ15のローラ中心からローラ中心までの寸法は、図
3では寸法K1,K2で、図4では寸法K1’,K2’
となり、内側リンクプレート21Bに支持された隣り合
うローラ15のローラ中心からローラ中心までの寸法
は、図3では寸法L1,L2で、図4では寸法L1’,
L2’となる。図3および図4の寸法K1,K1’は図
5と図6の出力信号では通過時間F1,F1’となり、
寸法K2,K2’は通過時間F2,F2’となり、寸法
L1,L1’は通過時間G1,G1’となり、寸法L
2,L2’は通過時間G2,G2’となる。
ると、チェーンの運転速度は速くなることで、内側リン
クプレート21Bに支持された隣り合うローラ15の外
面から外面までの間隔は変化しなくても、通過時間J2
は通過時間J2’へ、また通過時間J4は通過時間J
4’へと小さくなり、一方、外側リンクプレート21A
に支持された隣り合うローラ15の外面から外面までの
間隔は拡がるので、通過時間J1は通過時間J1’へ、
また通過時間J3は通過時間J3’へと大きくなる。こ
のようにチェーン通過検出器12A〜12Cの出力信号
での初期状態と磨粍伸びした状態の時間通過を比較して
みると、初期状態のチェーン一周分の外側リンクプレー
ト21Aに支持された隣り合うローラ15の中心間寸法
のパルス周期の総和F、また内側リンクプレート21B
に支持された隣り合うローラ15の中心間寸法のパルス
周期の総和Gは、次の数式(1)および数式(2)で表
され、その差M=F−Gとなりほぼ零に等しい。 F1+F2+F3……=F (1) G1+G2+G3……=G (2) 一方、磨粍伸びした状態におけるチェーン一周分の外側
リンクプレート21Aに支持された隣り合うローラ15
の中心間寸法のパルス周期の総和F、また内側リンクプ
レート21Bに支持された隣り合うローラ15の中心間
寸法のパルス周期の総和G’は、次の数式(3)および
数式(4)で表され、その差M’=F’−G’となる。 F1’+F2’+F3……=F’ (3) G1’+G2’+G3……=G’ (4) ここで、初期状態での差Mは磨粍伸びした状態でM’と
なり、磨粍伸びが大きくなるに従ってM’も大きくなる
ため、初期状態のパルス周期の差Mと、磨粍伸びした状
態のパルス周期の差M’を比較演算し、M’とMの差が
予め設定した設定値に達しているか否かでチェーンの異
常伸長を判定することが可能となる。また、初期状態で
のパルス幅H1〜H4は、磨粍した状態ではチェーン運
転速度が速くなってH1’〜H4’に変化するので、そ
の差H1”=H1−H1’を比較演算したり、または初
期状態でのパルス幅の総和Hと、磨粍した状態でのパル
ス幅の総和H’を数式(5)および数式(6)で求め、
その差H”=H−H’を比較演算して、H”が予め設定
した設定値に達しているか否かでチェーン全体の伸長度
を定量的に判定することも可能となる。 H=H1+H2+H3+H4+……+Hn (5) H’=H’1+H’2+H’3+H’4+……+H’n (6) つまり、チェーン運転速度の変化からチェーン全体の伸
長度を判定することができる。次いで、この伸長度結果
を記憶しチェーン駆動経過時間で除して演算すること
で、現時点でのチェーンの伸長度や、単位時間当たりの
伸び量や、チェーン駆動数時間経過後のチェーン伸長度
を定量的に判定し予測することができるので、異常状態
時期を予測することも可能となる。
置の診断手順を示すフローチャートである。先ず、ステ
ップS1で伸長度を測定し判定するチェーン20A〜2
0Cのチェーン通過検出器12A〜12Cを選択し、こ
こでは最初に切換部16によりチェーン通過検出器12
Aを選択する。ステップS2で選択したチェーンの1リ
ンク毎のパルスの検出を開始し、チェーンの1リンク毎
の通過時間を測定する。その後、ステップS3で、測定
した1リンクのパルス周期が偶数番目かどうかを判定
し、最初に検出したパルスは一番目なので、ステップS
4で伸び発生状態の診断であれば図6の通過時間F1’
で示したパルス周期を奇数番目の通過時間として記録す
る。次に、二番目に検出したパルス周期は、伸び発生状
態の診断であれば図6に示した通過時間G1’偶数番目
の通過時間として記録する。
通過時間を1リンク毎に奇数番目と偶数番目に区別して
記録してゆき、ステップS6で測定中のチェーンの一周
のリンク数に達したかを判定し、チェーン一周の通過時
間の検出や測定の結果を記録し終えたなら、ステップS
7でチェーン一周分の奇数番目のパルス周期の総和と、
偶数番目のパルス周期の総和を算出する。奇数番目のパ
ルス周期の総和F’は数式(3)で表され、偶数番目の
パルス周期の総和G’は数式(4)で表される。
期の総和F’と偶数番目のパルス周期の総和G’を比較
する。その結果、奇数番目のパルス周囲の総和F’の方
が大きい場合、ステップS9で奇数番目は外リンク部分
のパルス周期であり、偶数番目は内リンク部分のパルス
周期であると判定する。一方、ステップS8の判定で偶
数番目のパルス周期の総和G’が奇数番目のパルス周期
の総和F’を超えている場合、ステップS10で偶数番
目は外リンク部分のパルス周期であり、奇数番目は内リ
ンク部分のパルス周期であると判定する。次にステップ
S11で、外リンク部分と内リンク部分に区別して図9
〜図11に示すように1リンク毎のパルス周期の分布図
を作成する。
ク毎のパルス周期の分布図であり、図10および図11
は磨粍伸びしたチェーンにおける1リンク毎のパルス周
期の分布図で、各分布図の横軸は1リンク毎の通過時間
をmsecの単位で表しており、縦軸はチェーンのリン
ク個数を示している。初期状態のチェーンは、図9に示
したように1リンク毎のパルス周期が50msecを頂
点にデータが多く集まっており、A線とB線の範囲内の
パルス周期にデータが全て含まれているが、これは内リ
ンク部分および外リンク部分ともに距離間隔がほぼ変わ
らないことからほぼ同傾向の分布状態であることが示さ
れている。
と、チェーンとスプロケットの噛み合い特性やチェーン
の構造上、チェーンの運転速度は速くなって内リンク部
分の距離間隔は変化しないので通過時間は小さくなり、
また外リンク部分の距離間隔は拡がるので通過時間は大
きくなる。従って、磨粍伸びしたチェーンの内リンク部
分のリンクのみのパルス周期の分布は、図9に示した初
期状態の分布と比較して図10に示すように全体的に通
過時間が小さくなって分布しており、しかもA線未満の
パルス周期のリンクが発生している。ここで、内リンク
部分の距離間隔は磨粍伸びしても変わらないというチェ
ーンの特性があったとしても、A線未満のパルス周期の
リンクが発生する理由により局部的な異常伸びを起こし
た外リンク部分がスプロケットに噛み合う際に影響した
ものであるとすれば、通過時間が極度に短い内リンク部
分を検出するので同時にチェーンが局所的な異常伸びを
起こしているものと考えられる。
分のリンクのみのパルス周期の分布は、図9に示した初
期状態のチェーンの分布と比較して図11に示すように
全体的に通過時間が大きくなって分布しており、しかも
B線を超えたパルス周期のリンクが発生している。チェ
ーンの特性として外リンク部分の距離間隔は磨粍伸びす
ることで拡がるので、B線を超えたパルス周期のリンク
が発生しているのは外リンク部分が局所的な異常伸びを
起こしているものと考えられる。
テップS11でA線未満のパルス周期の有無および個数
と、B線を超えたパルス周期の有無および個数を算出し
てチェーン劣化指数を算出する。またステップS12
で、外リンク部分と内リンク部分の通過時間の総和の差
からチェーン全体の伸び率を計算する。その後、ステッ
プS13で、ステップS11で算出したチェーン劣化指
数やステップS12で算出したチェーン全体の伸び率が
使用限度に達しているかどうかを予め定めた設定値と比
較して判定する。このステップS13で使用限度に達し
ていないと判定したなら、ステップS15でチェーンの
異常状態時期や適正なチェーン交換時期を予測部19で
予測し、その後、ステップS16で測定結果やチェーン
伸長度の判定結果やチェーン異常状態予測時期やチェー
ン交換適正予測時期や診断実施時の日時等の情報を記憶
部25に記憶する。この記憶部25に記憶した情報は、
定期的に通信部26から監視センタ27に送信する。し
かし、ステップS13で使用限度に達していると判定し
たならステップS14で、図1に示す駆動制御部28に
何らかの指令を与えて駆動を停止させたり速度低下させ
たりする等のチェーン駆動の制御を行なったり、チェー
ン交換指令などを通信部26から監視センタ27に送信
する。
伸長度診断装置によれば、チェーンの近傍にチェーン通
過検出器12A〜12Cを設けてローラ15の鉄鋼部分
を検出し、測定したチェーンのパルス周期からチェーン
の異常伸長を診断するようにしたため、従来のようにチ
ェーンの複数の標識を設けることなく、正確な異常伸長
を診断することができる。しかも、保守員を介在するこ
となくチェーンの始動時期から定期的な計測を行なって
チェーン伸びを予測して適切な時期に点検や調整作業を
行なうこともできる。またチェーン伸びを予測すること
ができるので、異常が生じるのを未然に防ぐこともで
き、搬送装置の信頼性を向上させることができる。さら
に、エスカレータなどの乗客コンベアでは保守点検のた
めの稼働停止時間を削減することができるので、顧客の
利用度を高めることができる。
分のパルス周期からチェーン伸長度を算出するようにし
たが、所定の区分毎にパルス周期からチェーン伸長度を
算出するようにしても良い。また搬送装置としてエスカ
レータを例示したが、動く歩道やオートラインその他の
搬送装置でもチェーンを用いた駆動機構を採用していれ
ば同様に適用することができる。
伸長度診断装置は、チェーンの近傍にチェーン通過検出
器を設けて測定したチェーンのパルス周期の変化からチ
ェーンの異常伸長を診断するようにしたため、従来のよ
うにチェーンに複数の標識を設けることなく、正確な異
常伸長を診断することができるようになる。
診断装置を示すブロック図である。
するチェーンの断面図である。
状態の断面図である。
伸びした状態の断面図である。
状態のチェーンに用いたときの出力信号の波形図であ
る。
伸びしたチェーンに用いたときの出力信号の波形図であ
る。
付けた状態のエスカレータの要部を示す側面図である。
診断手順を示すフローチャートである。
初期状態のチェーンのパルス周期の分布図である。
る磨粍伸びしたチェーンのパルス周期の分布図である。
る磨粍伸びした他のチェーンのパルス周期の分布図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 チェーンを組み合わせた搬送装置におけ
る上記チェーンの伸長度を診断するチェーンの伸長度診
断装置において、上記チェーンの内リンク部分と外リン
ク部分の通過を検出するチェーン通過検出器と、このチ
ェーン通過検出器のパルス信号から上記チェーンの上記
内リンク部分および上記外リンク部分のパルス周期を測
定するパルス測定部と、上記チェーンの上記内リンク部
分および上記外リンク部分のパルス周期の変化からチェ
ーンの異常伸長を判定する判定部とを設けたことを特徴
とするチェーンの伸長度診断装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、上記パル
ス測定部による前回の測定結果と比較して上記チェーン
の交換適正時期を予測する異常状態時期予測部を設けた
ことを特徴とするチェーンの伸長度診断装置。 - 【請求項3】 請求項1記載のものにおいて、上記判定
部は、所定の範囲を超えた上記パルス周期の個数の変化
から上記チェーンの伸長度を判定することを特徴とする
チェーンの伸長度診断装置。
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