JP3393458B2 - 反射型ゲストホスト液晶表示装置 - Google Patents

反射型ゲストホスト液晶表示装置

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JP3393458B2
JP3393458B2 JP20658195A JP20658195A JP3393458B2 JP 3393458 B2 JP3393458 B2 JP 3393458B2 JP 20658195 A JP20658195 A JP 20658195A JP 20658195 A JP20658195 A JP 20658195A JP 3393458 B2 JP3393458 B2 JP 3393458B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反射型ゲストホスト
液晶表示装置に関する。より詳しくは、偏光板を除く事
により入射光の利用効率を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置には種々のモードがあり、
現在ツイスト配向又はスーパーツイスト配向されたネマ
ティック液晶を用いたTNモードあるいはSTNモード
が主流となっている。しかしながら、これらのモードは
動作原理上一対の偏光板が必要であり、その光吸収があ
る為透過率が低く明るい表示画面が得られない。これら
のモードの他、二色性色素を利用したゲストホストモー
ドも開発されている。ゲストホストモードの液晶表示装
置は液晶に添加した二色性色素の吸収係数の異方性を利
用して表示を行なうものである。棒状構造の二色性色素
を用いると、色素分子は液晶分子に平行に配向する性質
があるので、電界を印加して液晶の分子配向を変化させ
ると、色素の配向方向も変化する。この色素は方向によ
って着色したりしなかったりするので、電圧を印加する
事によって液晶表示装置の着色、無色を切り換える事が
できる。
【0003】図7はハイルマイヤー(Heilmeie
r)型ゲストホスト液晶表示装置の構造を示しており、
(A)は電圧無印加状態を表わし、(B)は電圧印加状
態を表わしている。この液晶表示装置はp形色素と誘電
異方性が正のネマティック液晶(Np 液晶)を用いてい
る。p形の二色性色素は分子軸に略平行な吸収軸を持っ
ており、分子軸に平行な偏光成分Lxを強く吸収し、そ
れに垂直な偏光成分Lyは殆ど吸収しない。(A)に示
す電圧無印加状態では、入射光に含まれる偏光成分Lx
がp形色素により強く吸収され、液晶表示装置は着色す
る。これに対し、(B)に示す電圧印加状態では、誘電
異方性が正のNp 液晶が電界に応答して立ち上がり、こ
れに合わせてp形色素も垂直方向に整列する。この為、
偏光成分Lxは殆ど吸収されず液晶表示装置は無色を呈
する。入射光に含まれる他方の偏光成分Lyは電圧印加
状態及び電圧無印加状態の何れであっても二色性色素に
よって吸収される事はない。従って、ハイルマイヤー型
ゲストホスト液晶表示装置では、予め1枚の偏光板を介
在させ、他方の偏光成分Lyを取り除いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ネマティック液晶を用
いたゲストホスト液晶表示装置は、ゲストとして添加す
る二色性色素がネマティック液晶と同様に配向する。液
晶の配向方向と平行な偏光成分は吸収するが、これと直
交する偏光成分は吸収しない。従って、十分なコントラ
ストを得る為に、液晶表示装置の入射側に1枚の偏光板
を配置し、入射光の偏光方向を液晶の配向方向と一致さ
せている。しかしながら、この様にすると偏光板により
原理的には入射光の50%(実際には40%程度)が失
われる為、表示がTNモードの様に暗くなってしまう。
この問題を改善する手法として、単に偏光板を取り除い
ただけでは吸光度のオンオフ比が著しく低下するので適
当ではなく、種々の改善策が提案されている。例えば、
入射側から偏光板を除去する一方、出射側に四分の一波
長板及び反射板を取り付けた構造が提案されている。こ
の方式では、互いに直交する2つの偏光成分が、四分の
一波長板によって往路及び復路で偏光方向を90°回転
させ、偏光成分の入れ替えが行なわれる。従って、オフ
状態(吸収状態)では、各偏光成分が入射光路か反射光
路の何れかで吸収を受ける事になる。しかしながら、こ
の構造では四分の一波長板及び反射板を外付けする為、
液晶表示装置自体は透過型にする必要がある。特に、高
精細で且つ動画表示も可能にする為、アクティブマトリ
クス型の構造を採用した場合、基板上に画素電極駆動用
の薄膜トランジスタを集積形成する為、透過型では画素
開口率が低く入射光の相当部分が遮断される。従って、
偏光板を除去しても表示装置の画面を顕著に明るくする
事はできない。なお、他の方策として、コレステリック
液晶を用いて入射光に含まれる全ての偏光成分の吸収を
可能とする事により、偏光板を除去できる。しかしなが
ら、この方法はコレステリック液晶の強いヒステリシス
により中間調表示ができないという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題を解決する為、以下の構成を有する反射型ゲストホス
ト液晶表示装置を提案するものである。即ち、本発明に
かかる反射型ゲストホスト液晶表示装置は基本的な構成
として、透明電極が形成され且つ入射光を受け入れる一
方の基板と、反射電極が形成され且つ所定の間隙を介し
て該一方の基板に対向配置した他方の基板と、該間隙に
保持され透明電極と反射電極の間に印加される電圧に応
じて光変調を行なう電気光学体とを有する。前記電気光
学体は、二色性色素を含有し且つ該透明電極に沿って一
様に配向したゲストホスト型の液晶層と、所定の光学異
方軸を有し該反射電極に沿って成膜された光学薄膜層と
を含む積層構造を有する。前記液晶層は印加電圧に応じ
て吸収状態と透過状態に変化する。吸収状態では入射光
に含まれる第1振動成分を略吸収する一方、これと直交
する第2振動成分を略透過する。透過状態では両振動成
分を略透過する。前記光学薄膜層は該反射電極で反射さ
れる第2振動成分の往復路中に介在し、該第2振動成分
を第1振動成分に変換して吸収状態にある液晶層に再入
射する。特徴事項として前記電気光学体は、該光学薄膜
層が光学異方軸に沿って一軸配向した液晶分子を含む高
分子液晶材料で形成され四分の一波長板として機能す
る。さらに前記電気光学体は、該光学薄膜層と該液晶層
との間に介在するパシベーション層を含んでおり両者を
物理的に分離して高分子液晶材料を保護する。前記パシ
ベーション層は感光性材料からなり露光現像処理により
パタン化可能である。
【0006】好ましくは、前記パシベーション層は該液
晶層をホメオトロピック配向又はホモジニアス配向させ
る機能を有する。又好ましくは、前記光学薄膜層は該パ
タン化されたパシベーション層をマスクとして同じくパ
タン化されている。加えて好ましくは、前記光学薄膜層
は三原色に分かれた着色領域を含み、各着色領域別にパ
タン化されてカラーフィルタを構成する。
【0007】吸収状態における液晶層の配向方向に沿っ
た振動成分は同じ方向に配向している二色性色素によっ
て吸収される。しかしながら、これと直交する振動成分
は色素分子の配向方向と交差している為殆ど吸収されな
い。換言すると、殆ど光変調を受けない。しかし、本発
明によればこの振動成分は液晶層を通過した後光学薄膜
層に入射し、さらに反射電極で反射された後再び光学薄
膜層を通過する。従って、この振動成分は四分の一波長
板として機能する光学薄膜層を2回通った事になり、そ
の振動方向(偏光方向)が90°回転する。そうする
と、吸収状態にある液晶の配向方向と一致する為、この
振動成分は吸収される。この様にして、入射光に含まれ
る全ての振動成分は往路又は復路のどちらかで必ず吸収
される為、外付けの偏光板は不要になる。従って、偏光
板を除去しても偏光板付きの透過型ゲストホスト液晶表
示装置と略同等のコントラストが得られる。
【0008】とろこで、本発明では前記電気光学体を構
成する光学薄膜層と液晶層との間にパシベーション層が
介在している。このパシベーション層は光学薄膜層と液
晶層とを物理的に分離して高分子液晶材料を保護してい
る。高分子液晶材料からなる光学薄膜層がこのパシベー
ション層によりゲストホスト型の液晶層から分離されて
いる事により、相互溶解のない信頼性の高い液晶表示装
置が得られる。仮に、このパシベーション層が介在しな
いと光学薄膜層が液晶層に直接接触する事になり、光学
薄膜層を構成する高分子液晶材料がゲストホスト型の液
晶層中へ溶解する惧れがある。又、このパシベーション
層は材質を適切に選択し且つラビング等の処理を施す事
により、配向膜として機能する事ができる。即ち、パシ
ベーション層に接するゲストホスト型の液晶層をホメオ
トロピック配向又はホモジニアス配向させる事ができ
る。別途配向膜を設ける必要がなくなり、工程数が増加
せず製造コストを削減できる。加えて、パシベーション
層として感光性材料を用いる事で、露光現像処理により
パタン化する事ができる。パタン化したパシベーション
層をマスクとして利用する事で、基板上にカラーフィル
タを形成でき反射型ゲストホスト液晶表示装置のカラー
化が極めて容易になる。具体的には、パタン化されたパ
シベーション層をマスクとして用いる事で、光学薄膜層
を三原色に分かれた着色領域に分割できこれをカラーフ
ィルタとして利用する事が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明にかかる反射型ゲス
トホスト液晶表示装置の最良な実施形態を示している。
(A)に示す様に、本装置は上側基板1と下側基板2と
を用いて組み立てられている。上側基板1はガラス等か
らなり透明電極3が形成され且つ入射光を受け入れる。
この透明電極3は例えば行方向に沿ってストライプ状に
パタニングされている。下側基板2には反射電極4が形
成されている。この反射電極4は例えば列方向に沿って
ストライプ状にパタニングされている。従って、透明電
極3と反射電極4は行列状に交差し、単純マトリクス型
の液晶表示装置が得られる。下側基板2は所定の間隙を
介して上側基板1に対向配置されている。この間隙には
電気光学体5が保持されており、透明電極3と反射電極
4の間に印加される電圧に応じて入射光の光変調を行な
う。電気光学体5はゲストホスト型の液晶層6と光学薄
膜層7とを含む積層構造を有する。液晶層6は二色性色
素8を含有すると共に、透明電極3に沿って一様に配向
している。光学薄膜層7は所定の光学異方軸を有し、反
射電極4に沿って成膜されている。
【0010】液晶層6は印加電圧に応じて吸収状態と透
過状態に変化する。(A)は吸収状態を表わしており、
入射光に含まれる第1振動成分Xを略吸収する一方、こ
れと直交する第2振動成分Yを略透過する。逆に、透過
状態では両振動成分X,Yを略透過する。図示する様
に、吸収状態ではネマティック液晶分子9は水平配向し
ており、これに応じて二色性色素8も水平配向してい
る。本例では電圧無印加で吸収状態を実現しており、電
圧印加で透過状態に変化する。この為、ネマティック液
晶分子9は正の誘電異方性を有し且つ予め水平配向(ホ
モジニアス配向)に制御されている。逆に、電圧印加で
図示の吸収状態を実現する事もできる。この場合には、
ネマティック液晶分子9は負の誘電異方性を有するもの
を用いる。かかる構成において、光学薄膜層7は反射電
極4で反射される第2振動成分Yの往復路中に介在し、
第2振動成分Yを第1振動成分Xに変換して、吸収状態
にある液晶層6に再入射する。
【0011】光学薄膜層7は四分の一波長板として機能
する。(B)に示す様に、その光学異方軸は吸収状態に
ある液晶層の配向方向と45°の角度で交差している。
吸収状態を透過した第2振動成分Y(直線偏光成分)の
振動方向は配向方向と直交している。又、この第2振動
成分Yは光学異方軸と45°の角度で交差している。第
2振動成分Y(直線偏光成分)は四分の一波長板を通過
すると円偏光に変換される。この円偏光は反射電極で反
射された後再び四分の一波長板に入射すると第2振動成
分Yと直交する直線偏光(第1振動成分X)に変換され
る。この様にして変換された第1振動成分Xは吸収状態
にある液晶層6により吸収される事になる。
【0012】本発明の特徴事項として、電気光学体5
は、光学薄膜層7が光学異方軸に沿って一軸配向した液
晶分子を含む高分子液晶材料で形成されている。電気光
学体5は又、光学薄膜層7と液晶層6との間に介在する
パシベーション層11を含んでおり両者を物理的に分離
して高分子液晶材料を保護する。光学薄膜層7が液晶層
6から隔離されている事により、相互溶解のない信頼性
の高い表示装置が得られる。加えて、このパシベーショ
ン層11は液晶層6をホメオトロピック配向又はホモジ
ニアス配向させる機能を有する。本例では、液晶層6を
光学異方軸と45°の角度差でホモジニアス配向をさせ
ている。なお、上側基板1の内表面にも配向膜10が形
成されており、これと配向機能を有するパシベーション
層11とで液晶層6を上下から挟持する事により、所望
のホモジニアス配向を実現している。なお、場合によっ
てはパシベーション層11は感光性材料を用いる事がで
き、露光現像処理によりパタン化可能である。この場
合、光学薄膜層7はパタン化されたパシベーション層1
1をマスクとして同じくパタン化可能である。例えば、
下側基板2の周辺部からパシベーション層11を選択的
に除去する事で、上側基板1に対するシール性を良好な
ものにできる。加えて、本液晶表示装置をカラー化する
場合には、光学薄膜層7をパタン化して三原色に分かれ
た着色領域を設ける事ができる。即ち、光学薄膜層7は
各着色領域別にパタン化されてカラーフィルタを構成す
る事も可能である。
【0013】図2は、液晶層6の透過状態を表わしてお
り、ネマティック液晶分子9は垂直配向している。これ
に合わせて、二色性色素8も垂直配向している。従っ
て、第1振動成分X及び第2振動成分Y共に液晶層6を
略全面的に透過する。反射光は第1振動成分と第2振動
成分が互いに入れ替わるだけであり、何等光変調を受け
ない。誘電異方性が正のネマティック液晶分子9は印加
電圧に応答して立ち上がり、垂直配向に変化する。な
お、前述した様に電圧無印加でネマティック液晶分子9
の垂直配向を実現する事も可能である。即ち、配向膜1
0及びパシベーション層11の材料等を適宜選択する事
により、ネマティック液晶分子9を垂直配向(ホメオト
ロピック配向)する事ができる。この場合には、誘電異
方性が負のネマティック液晶分子9を用い、電圧印加に
応じて水平配向に切り換える。この時、水平配向方向を
一定とする為、垂直配向状態で予めネマティック液晶分
子9にプレチルトを付けておく。
【0014】引き続き図1及び図2を参照して、最良の
実施形態の具体的な構成を詳細に説明する。本液晶表示
装置において、液晶層6はネマティック液晶分子9から
なり、この中には黒色あるいはカラーの二色性色素8が
添加されている。二色性色素8を混入した液晶層6は水
平配向あるいは垂直配向されている。反射電極4はアル
ミニウム、銀等反射率の高い金属膜で構成されており、
従って本表示装置は反射型ディスプレイとなっている。
反射電極4の上には可視域(400〜700nm)の波長
に対して、λ/4の位相差を付与できる透明な光学薄膜
層7が形成されている。光学薄膜層7の光学異方軸は、
液晶層6が水平配向されている場合、その配向方向と4
5°の角度をなす様に設定されている。液晶層6が予め
垂直配向されている場合には、プレチルト角を持った液
晶分子9の余弦方向に対して45°の角度を持つ様に、
光学異方軸が設定されている。光学薄膜層7は光学異方
軸に沿って一軸配向した液晶分子を含む高分子液晶材料
で形成されている。例えば、高分子液晶材料(液晶性高
分子である芳香族ポリエステル、シロキサン樹脂等)を
用いて、これをネマティック相あるいはスメクティック
A相の温度で基板上に配列させておいてから、室温に戻
し固定する事で、一軸異方性の光学薄膜層7が得られ
る。屈折率異方性(Δn)の高い高分子液晶材料を用い
てλ/4層を形成すれば、その膜厚を十分に薄くでき
る。従って、反射電極上にλ/4層をコーティング形成
できる為、表示装置の製造プロセスは簡略化できる。こ
の光学薄膜層7と液晶層6との間にはパシベーション層
11が介在している。パシベーション層としては感光性
材料を用いる事ができ、露光現像によりパタン化できる
様にしている。感光性材料としては例えばポリビニルア
ルコール(PVA)の水溶液に光架橋反応を起させる為
の重クロム酸アンモンを微量添加したものを用いる事が
でき、スピンコーティング等により基板上に塗布でき
る。PVAは液晶層6に対して優れた配向性を有してお
り、パシベーション層11として好適である。
【0015】引き続き図1及び図2を参照しながら本発
明にかかる反射型ゲストホスト液晶表示装置の動作を詳
細に説明する。図1の(A)に示した水平配向状態で、
外部から光が入射した場合を考える。先ず、入射光は互
いに直交する偏光成分である第1振動成分Xと第2振動
成分Yに分けて考える事ができる。第1振動成分Xは液
晶層6の配向方向と同一である為、同じ方向に配向して
いる二色性色素8によって吸収される。しかし、第2振
動成分Yは色素分子の配向方向と直交している為全く吸
収されない。従って、第2振動成分Yは液晶層6を通過
し、さらに四分の一波長板として機能する光学薄膜層7
に進入する。さらに、反射電極4で反射され、再び光学
薄膜層7を通過する。第2振動成分Yは光学薄膜層7を
往復で2回通った事になり、偏光方向が90°回転す
る。そうすると、今度は液晶層6の配向方向と一致する
為、光が吸収される。この様にして、入射光に含まれる
全ての振動成分が往路あるいは復路のどちらかで吸収さ
れる為、偏光板なしで偏光板付きの透過型ゲストホスト
液晶表示装置並のコントラストが得られる。
【0016】
【実施例】図3を参照して光学薄膜層7及びパシベーシ
ョン層11を成膜する実施例を詳細に説明する。先ず工
程(a)で、ガラス等からなる基板2を洗浄した後その
表面にスパッタリング法又は真空蒸着法で金属膜を成膜
する。この金属膜を所定の形状にパタニングして反射電
極4に加工する。次に反射電極4の上を下地配向膜13
で被覆する。この下地配向膜13を所定の方向に沿って
ラビング処理する。さらに、下地配向膜13の上に高分
子液晶材料を塗布する。この高分子液晶は、例えば安息
香酸エステル系のメソゲンをペンダントとした側鎖型の
高分子液晶である。この高分子液晶をシクロヘキサンと
メチルエチルケトンを8:2の割合で混合した溶液に、
3〜5重量%溶解させる。この溶液を例えば1000rp
m の回転速度でスピンコートし、ガラス基板2上に高分
子液晶を成膜する。この後基板加熱を行ない、一旦高分
子液晶を光学的に等方性状態まで加温する。続いて加熱
温度を徐々に降下しネマティック相を経て室温状態まで
戻す。ネマティック相において高分子液晶は下地配向膜
13のラビング方向に沿って配列し、所望の一軸配向性
が得られる。この一軸配向状態は基板2を室温に戻す事
により固定される。この様なアニール処理により、高分
子液晶材料に含まれる液晶分子は一軸配向し、所望の光
学薄膜層7が得られる。
【0017】工程(b)に進み、光学薄膜層7の上に感
光性材料11aを塗布する。例えば、PVAの水溶液
(0.1〜5wt%)をスピンコートする。この時水溶液
にPVAの光架橋反応を起させる為例えば重クロム酸ア
ンモンを微量添加しておく。次に工程(c)に進み、所
望のマスクMを用いて水銀ランプあるいはキセノンラン
プで露光処理を行なう。さらに工程(d)に進み、水洗
処理を施すと露光されなかった感光性材料11aの部分
が水に溶解し、パタン化されたPVAのポリマーからな
るパシベーション層11が形成される。最後に工程
(e)で、このパシベーション層11をマスクとして基
板2をn−ブタノンに浸漬すると、パシベーション層1
1により被覆されていない光学薄膜層7の部分が溶解し
パタン化される事になる。例えば、液晶表示装置を組み
立てる場合上下の基板を互いに接着剤で接合する必要が
ある。この場合、基板2の周辺に位置するシール領域か
ら予め光学薄膜層7を除去する事で信頼性に優れたシー
ル構造が得られる。あるいは、上下の基板の間の導通を
とる場合、コンタクト部から光学薄膜層7を選択的に除
去する事が必要になる。このパシベーション層11を所
定の方向に沿ってラビング処理する事で、その上に接す
るゲストホスト液晶層の水平配向を実現すると共に、高
分子液晶とゲストホスト液晶との間に介在して両者のブ
ロッキング層として機能する。パシベーション層11の
ラビング方向と下地配向膜13のラビング方向は互いに
45°の角度で交差している。
【0018】図4を参照して高分子液晶の一例を説明す
る。図示する様に、高分子液晶は低分子液晶におけるコ
ア部分の化学構造と同じ剛直なメソゲン基(液晶構成
基)Aを含んでいる。このメソゲン基Aは屈曲性の側鎖
B(例えばポリエチレン鎖あるいはポリオキシエチレン
鎖)を介して、アクリル、メタクリルあるいはメチルシ
ロキサンの繰り返し単位を有する重合体の主鎖Cに連結
されている。かかる構造は、ペンダント形式の側鎖型高
分子液晶と呼ばれている。この高分子液晶はその構造要
素により低分子液晶の場合と同様にネマティック、スメ
クティック及びコレステリック相を呈する。その液晶温
度範囲は一般に低分子液晶より高温側に存在し、相転移
温度は分子量と共に上昇する。側鎖型高分子液晶の骨格
主鎖にシロキサン結合を導入すると、液晶温度領域を低
下させる事ができる。
【0019】図5は本発明にかかる反射型ゲストホスト
液晶表示装置の実施例を示す模式的な部分断面図であ
る。基本的には図1に示した最良の実施形態と同様な構
成を有しており、対応する部分には対応する参照番号を
付して理解を容易にしている。図示する様に、上側の基
板1は全面的に形成された透明電極からなる対向電極3
aを有し、下側の基板2はマトリクス状に細分化された
反射電極からなる画素電極4aを有している。即ち、先
の例が単純マトリクス型であるのに対し、本実施例はア
クティブマトリクス型である。下側基板2の内表面には
マトリクス状にパタニングされた画素電極4aに加え、
これに対応して薄膜トランジスタTFTも集積形成され
ている。このTFTは画素電極4aを個々に駆動するス
イッチング素子となる。即ち、このTFTを選択的にオ
ン/オフ制御して対応する画素電極4aに信号電圧を書
き込む。TFTのドレイン領域Dは画素電極4aに接続
し、ソース領域Sは信号ライン21に接続している。T
FTのゲート電極Gはゲートラインに連続している。
又、各画素電極4aに対応して保持容量Csも形成され
ている。画素電極4aは平坦化膜22により、これらT
FT、保持容量Cs、信号ライン21から電気的に分離
されている。一方、上側基板1の内表面には対向電極3
aが全面的に形成されている。互いに所定の間隙を介し
て対向配置された両基板1,2の間隙には電気光学体5
が保持されている。画素電極4aに信号電圧が書き込ま
れると、対面する対向電極3aとの間に電界が生じ、電
気光学体5は吸収状態と透過状態との間で変化する。こ
の光学変化は画素電極毎に現われる為、所望の画像表示
を行なう事ができる。画素電極4aの下部にTFT、保
持容量Cs、信号ライン21等が配置している。これら
の構成要素は入射光路中に介在しない為、画素開口率に
影響を与えない。換言すると、画素電極4aの画面がそ
のまま画素開口として利用でき、極めて明るい表示が可
能である。
【0020】特徴事項として電気光学体5を構成するゲ
ストホスト型の液晶層6と光学薄膜層7はパシベーショ
ン層11により互いに分離されている。パシベーション
層11は感光性材料からなり、露光現像処理により画素
電極4aに整合してパタン化されている。光学薄膜層7
はこのパタン化されたパシベーション層11をマスクと
して同じく画素電極4a毎にパタン化されている。本例
ではパタン化された光学薄膜層7は赤、緑、青に分かれ
た着色領域7r,7g,7bを含み、各着色領域別に対
応する画素電極4aと整合してカラーフィルタを構成し
ている。
【0021】図6は図5に示したカラーフィルタの製造
方法を示す工程図である。先ず工程(a)で基板2の上
に画素電極4aをパタニング形成する。その表面を配向
処理した後光学薄膜層7Rを成膜する。本例では赤緑青
の三原色からなるカラーフィルタを形成する為、光学薄
膜層7Rは予め赤色に着色されたものを用いる。例え
ば、光学薄膜層を構成する高分子材料の側鎖に赤色波長
成分を吸収する置換基を導入する。あるいは、液晶高分
子材料中に二色性を示さない通常の赤色色素を混入させ
ても良い。この様に予め赤色に着色しておいた光学薄膜
層7Rを基板2の上に成膜する。この具体的な成膜方法
は図3に示した成膜方法と同様である。次に工程(b)
で、赤色光学薄膜層7Rの上に感光性材料11aを塗布
する。工程(c)でマスクMを介し感光性材料11aを
露光処理する。工程(d)で基板2を水洗し感光性材料
11aの未感光部分を溶解除去し現像処理を行なう。こ
れにより、特定の画素電極4aに整合してパタン化され
たパシベーション層11が形成される。工程(e)で、
このパシベーション層11をマスクとして赤色光学薄膜
層7Rをエッチングし、画素電極4aに整合した赤色領
域7rに加工する。以下同様にして、緑色領域及び青色
領域を夫々対応する画素電極4aの上に形成する事がで
きる。なお、本例では加法混色系の赤緑青三原色を用い
てカラーフィルタを形成したが、本発明はこれに限られ
るものではない。減法混色系のイエロー、マゼンタ、シ
アンの三原色を用いたカラーフィルタとしても良い。
【0022】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、ゲ
ストホスト液晶表示装置の内部に反射電極を形成して反
射型にすると共に、この反射電極の上に四分の一波長板
として機能する光学薄膜層を形成している。その光学異
方軸(光学主軸)をゲストホスト液晶の配向方向に対し
て45°傾ける様に設定している。かかる構成により、
偏光板が不要で且つ高コントラストの明るい反射型液晶
表示装置が可能になる。特に、ゲストホスト液晶層と光
学薄膜層との間にパシベーション層を介在させる事によ
り、相互溶解性のない信頼性の高い液晶表示装置が得ら
れる。又、このパシベーション層に液晶配向機能を付与
する事で、工程数が増えず製造コストを削減できる。加
えて、光学薄膜層をカラーフィルタに加工する事で製造
工程が大幅に簡略化され製造コストの低減につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる反射型ゲストホスト液晶表示装
置の最良な実施形態を示す断面図及び平面図である。
【図2】図1に示した反射型ゲストホスト液晶表示装置
の動作説明に供する断面図である。
【図3】図1に示した反射型ゲストホスト液晶表示装置
に組み込まれる光学薄膜層及びパシベーション層の成膜
方法を示す工程図である。
【図4】光学薄膜層を構成する高分子液晶材料の一例を
示す化学構造図である。
【図5】本発明にかかる反射型ゲストホスト液晶表示装
置の好適な実施例を示す模式的な部分断面図である。
【図6】図5に示した反射型ゲストホスト液晶表示装置
の製造方法を示す工程図である。
【図7】従来の反射型ゲストホスト液晶表示装置を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 上側基板 2 下側基板 3 透明電極 4 反射電極 5 電気光学体 6 液晶層 7 光学薄膜層 8 二色性色素 9 ネマティック液晶分子 10 配向膜 11 パシベーション層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−333600(JP,A) 特開 平8−76148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 - 1/141

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極が形成され且つ入射光を受け入
    れる一方の基板と、反射電極が形成され且つ所定の間隙
    を介して該一方の基板に対向配置した他方の基板と、該
    間隙に保持され透明電極と反射電極の間に印加される電
    圧に応じて光変調を行なう電気光学体とを有し、 前記電気光学体は、二色性色素を含有し且つ該透明電極
    に沿って一様に配向したゲストホスト型の液晶層と、所
    定の光学異方軸を有し該反射電極に沿って成膜された光
    学薄膜層とを含む積層構造を有し、 前記液晶層は印加電圧に応じて吸収状態と透過状態に変
    化し、吸収状態では入射光に含まれる第1振動成分を略
    吸収する一方これと直交する第2振動成分を略透過し、
    透過状態では両振動成分を略透過し、 前記光学薄膜層は該反射電極で反射される第2振動成分
    の往復路中に介在し該第2振動成分を第1振動成分に変
    換して吸収状態にある該液晶層に再入射する反射型ゲス
    トホスト液晶装置であって、 前記電気光学体は、該光学薄膜層が光学異方軸に沿って
    一軸配向した液晶分子を含む高分子液晶材料で形成さ
    れ、且つ該光学薄膜層と該液晶層との間に介在するパシ
    ベーション層を含んでおり両者を物理的に分離して高分
    子液晶材料を保護するとともに、 前記パシベーション層は感光性材料からなり、露光現像
    処理によりパタン化可能である事を特徴とする 反射型ゲ
    ストホスト液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記パシベーション層は、該液晶層をホ
    メオトロピック配向又はホモジニアス配向させる機能を
    有する事を特徴とする請求項1記載の反射型ゲストホス
    ト液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記光学薄膜層は、該パタン化されたパ
    シベーション層をマスクとして同じくパタン化されてい
    る事を特徴とする請求項記載の反射型ゲストホスト液
    晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記光学薄膜層は、三原色に分かれた着
    色領域を含み、各着色領域別にパタン化されてカラーフ
    ィルタを構成する事を特徴とする請求項記載の反射型
    ゲストホスト液晶表示装置。
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