JP3393392B2 - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JP3393392B2
JP3393392B2 JP03844995A JP3844995A JP3393392B2 JP 3393392 B2 JP3393392 B2 JP 3393392B2 JP 03844995 A JP03844995 A JP 03844995A JP 3844995 A JP3844995 A JP 3844995A JP 3393392 B2 JP3393392 B2 JP 3393392B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、例えばオイルクー
ラ、アフタークーラ、インタークーラ、ラジエータ等に
使用される熱交換器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、オイルクーラ等の熱交換器として
アルミニウム製プレート・フィン型熱交換器が多く使用
されている。この熱交換器は、外部空気が流通する第1
流路と、これに対して直交方向にオイル等の流体の通過
する第2流路とが平板により隔てられて交互に配置され
ているものである。 【0003】本出願人は先に、この種の熱交換器とし
て、第1流路が、相互に所定間隔をあけて対向する平板
と、両平板の左右両側縁部同士の間にそれぞれ設けられ
たヘッダ部形成のための間隔保持用環状壁部と、これら
左右両間隔保持用環状壁部同士の中間に配置されたコル
ゲート・フィンとによって形成せられ、第2流路が、相
互に所定間隔をあけて対向する平板と、両平板の周縁部
に沿う周壁と、周壁の内側に設けられた伝熱面拡大用壁
部とによって形成され、上記第1流路の左右両間隔保持
用環状壁部の内側に第1流路を介して上下に隣り合う第
2流路を相互に連通する連通部が設けられた熱交換器を
提案した(例えば実開昭63−116781号公報参
照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の熱交換器では、第1流路の相互に対向する平
板に、ヘッダ部形成のための間隔保持用環状壁部を例え
ばプレス成形によりそれぞれ設ける必要があり、成形作
業に非常に手間がかゝり、またプレス成形のさいの金型
費用が非常に高く、コストアップになるという問題があ
った。 【0005】一方、第2流路の周壁と伝熱面拡大用壁と
は、前後両側壁と板状壁とよりなるアルミニウム押出形
材を素材として、これの板状壁の上下両端部分が切削除
去されて前後両側壁の上下両端部がそれぞれ残され、こ
れらの上下両端部が内側に折り曲げられ、両端部の先端
同士が互いに突き合わせられて、アルゴン溶接によって
接合されることにより製造されており、従ってその溶接
作業が非常に面倒で、手間がかゝり、熱交換器の製造コ
ストが高くつくという問題があって、実用化はされてい
ない。 【0006】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、第2流路の流路形成体を構成するアルミニウ
ム押出形材の前後両側壁の上下両端部の突合わせ先端同
士を面倒なアルゴン溶接等の別工程の溶接作業によって
接合する必要がなく、従って溶接作業の手間を省略する
ことができて、熱交換器の製造を容易かつ安価になし得
るとともに、液漏れを生じることがなく、熱交換性能の
向上を図り得、しかも耐圧性にすぐれており、また第1
流路の形成のために平板をプレス成形する必要がなく、
従ってその手間を省略することができて、製造が容易で
ある、熱交換器を提供しようとするにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、第1流路(A) と第2流路(B) とを備
えており、第2流路(B) が、上下両端部に流体通過孔を
有するアルミニウム・ブレージング・シート製の左右両
平板と、両平板同士の間に配置されかつ両平板の周縁部
に沿う周壁およびこれの内側に設けられた伝熱面拡大用
壁部を備えるとともに、上下両端部において周壁の内側
に連通用空隙部があけられている流路形成体とによって
形成されている熱交換器において、第2流路(B) の流路
形成体が、所要の厚みを有する前後両側壁とこれらを連
結する伝熱面拡大用壁部とよりなるアルミニウム押出形
材を素材として、これの伝熱面拡大用壁部の上下両端部
分が切削除去され、前後両側壁の上端部同士および下端
部同士がそれぞれ内側に折り曲げられて、先端が互いに
突き合わせられ、これらの互いに突き合わせられた先端
が接合されることなく、左右両平板と、上記流路形成体
とが積み重ねられ、左右両平板および流路形成体の積み
重ね後の一括ろう付けによって、流路形成体の前後両側
壁の互いに突き合わせられた折曲げ上端部の先端同士お
よび互いに突き合わせられた折曲げ下端部の先端同士
が、アルミニウム・ブレージング・シート製の左右両平
板から溶出したろう材により接合されていることを特徴
としている。 【0008】 【作用】上記熱交換器においては、とくに第2流路(B)
のアルミニウム押出形材よりなる流路形成体の前後両側
壁の上端部同士および下端部同士がそれぞれ内側に折り
曲げられて、先端が互いに突き合わせられ、これらの互
いに突き合わせられた 端が別工程の溶接作業によって
接合されることなく、左右両平板と、上記流路形成体と
が積み重ねられ、左右両平板および流路形成体の積み重
ね後の一括ろう付けによって、流路形成体の前後両側壁
の互いに突き合わせられた折曲げ上端部の先端同士およ
び互いに突き合わせられた折曲げ下端部の先端同士が、
ルミニウム・ブレージング・シート製の左右両平板か
ら溶出したろう材により接合されているから、従来のよ
うなアルゴン溶接等の別工程による接合作業を行なう必
要がなく、従って別工程の溶接作業の手間を省略するこ
とができて、熱交換器の製造を容易かつ安価になし得
る。そのうえ、ろう材によってしっかりと接合されるた
め、液漏れを生じることがなく、かつ熱交換性能が向上
するものである。 【0009】また、各平板の上下両端部の流体通過孔
と、上下両スペーサの流体通過孔と、流路形成体の上下
両連通用空隙部とによって上下両ヘッダ部が形成されて
いるから、熱交換器は耐圧性にすぐれている。 【0010】 【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。 【0011】この明細書において、前後および左右は図
1を基準とし、前とは図1の図面紙葉の表側、後とは同
裏側をいゝ、また左とは同図左側、右とは同右側をいう
ものとする。 【0012】図1〜図8は、この発明の第1実施例を示
すものである。 【0013】まず図1〜図3において、この発明による
熱交換器(1) はアルミニウム(アルミニウム合金を含
む)製であって、第1流路(A) と第2流路(B) とを交互
に備えている。そして、この実施例では、外部空気が流
される第1流路(A) と、外部空気と熱交換されるべきオ
イルが第1流路(A) に対して直交方向に流される第2流
路(B1)を有するオイルクーラと、コンプレッサから吐き
出されかつ外部空気と熱交換されるべき圧搾空気が第1
流路(A) に対して直交方向に流される第2流路(B2)を有
するアフタークーラとを一体に具備するものである。 【0014】なお、熱交換器(1) のオイルクーラ部分と
アフタークーラ部分とは、両者の間の共通の外部空気用
第1流路(A) における流体通過孔の無いブロック状の上
下両スペーサ(8a)(8a)によって相互に分離されている
が、この点については、後述する。 【0015】まず、熱交換器(1) の左端より12個の外
部空気用第1流路(A) と12個のオイル用第2流路(B1)
とが交互にかつ互いに直交状に配置されて、オイルクー
ラ部分が構成され、続いて1個の共通の外部空気流路
(A) を介して、6個の圧搾空気用第2流路(B2)と6個の
外部空気第1流路(A) とが交互にかつ互いに直交状に配
置されて、アフタークーラ部分が構成されている。 【0016】熱交換器(1) の外部空気用第1流路(A)
は、図2と図3に示すように、上下両端部に流体通過孔
(4)(4)を有する両面アルミニウム・ブレージング・シー
ト製の左右両平板(3)(3)と、両平板(3)(3)同士の中間の
上下両端部に配置されかつ両平板(3)(3)の流体通過孔
(4)(4)に連通する流体通過孔(9)(9)をそれぞれ有する一
対のスペーサ(8)(8)と、両スペーサ(8)(8)同士の中間に
配置されたルーバ付きコルゲート・フィン(10)とによっ
て形成されている。 【0017】この外部空気用第1流路(A) の前後両端は
開放せられており、ファンによる強制送風によりあるい
は車両等の走行による自然通風によって流路(A) に外部
空気が流通せしめられる。 【0018】一方、オイル用第2流路(B1)は、図4〜図
6に示すように、上下両端部に流体通過孔(4)(4)を有す
るアルミニウム・ブレージング・シート製の左右両平板
(3)(3)と、両平板(3)(3)の中間に配置されかつ両平板
(3)(3)の周縁部に沿う周壁(6)およびこれの内側に設け
られた伝熱面拡大用壁部(7) を具備する流路形成体(5)
とによって形成されている。 【0019】この流路形成体(5) は、前後両側壁(12)(1
2)とこれらの中間の伝熱面拡大用壁部(7) とよりなるア
ルミニウム押出形材(11)を素材として、これの伝熱面拡
大用壁部(7) の上下両端部分が切削除去されて前後両側
壁(12)(12)の上端部(12a)(12a)と下端部(12b)(12b)とが
それぞれ残され、前後両側壁(12)(12)の上端部(12a)(12
a)同士および下端部(12b)(12b)同士がそれぞれ内側に折
り曲げられて、折曲げ後の側壁上端部(12a)(12a)の先端
同士および側壁下端部(12b)(12b)の先端同士が互いに突
き合わせられたものであり、流路形成体(5) の上下両端
部分には、連通用空隙部(14)(14)が形成されている。 【0020】なおここで、流路形成体(5) の前後両側壁
(12)(12)の折曲げ上端部(12a)(12a)同士および折曲げ下
端部(12b)(12b)の先端同士は、後述する熱交換器(1) の
製造のさいに、アルミニウム・ブレージング・シート製
平板(3) から溶出したろう材により接合される。 【0021】そしてオイルクーラ部分には、各平板(3)
の上下両端部の流体通過孔(4)(4)と、上下両スペーサ
(8)(8)の流体通過孔(9)(9)と、流路形成体(5) の上下両
連通用空隙部(14)(14)とによって上下両ヘッダ部(2)(2)
が形成されている(図1参照)。 【0022】またオイル用第2流路(B1)の伝熱面拡大用
壁部(7) には、プレスあるいは成形ロールを用いた板状
連結壁部の成形加工によって、左右に突出した多数のア
ーチ形突起(15)が、左右の突起(15)同士の間に所定幅の
平坦部を残すように形成されるとともに、すべてのアー
チ形突起(15)に対向するように流体通過孔(16)があけら
れている。各アーチ形突起(15)の先端は平板(3) に当接
せしめられている。 【0023】そして、この実施例では、前後に隣り合う
突起列の左向きの突起(15)と右向きの突起(15)の位置は
相互に1つずつずれていて、左向きの突起(15)と右向き
の突起(15)とが前後に隣り合うように配されている。ま
た各アーチ形突起(15)の長手方向が第2流路(B) のオイ
ルの流れる方向と一致していて、各アーチ形突起(15)の
壁面がオイルの流れの方向に対向している。 【0024】なお、図示は省略したが、この発明は、上
記プレスあるいは成形ロールを用いた板状連結壁部の成
形加工によって、左右に突出した多数のアーチ形突起(1
5)が、左右の突起(15)同士の間に所定幅の平坦部を残す
ことなく形成されているような伝熱面拡大用壁部(7) を
有するオイル用第2流路(B1)を備えた熱交換器(1) に
も、同様に適用されるものである。 【0025】またコンプレッサから吐き出された圧搾空
気が流されるアフタークーラ部分の第2流路(B2)は、上
記オイル用第2流路(B1)とほゞ同じ構造を有しており、
図7と図8に示すように、上下両端部に流体通過孔(4)
(4)を有するアルミニウム・ブレージング・シート製の
左右両平板(3)(3)と、両平板(3)(3)の中間に配置されか
つ両平板(3)(3)の周縁部に沿う周壁(6) およびこれの内
側に設けられた伝熱面拡大用壁部(7) を具備する流路形
成体(5) とによって形成されている。 【0026】この流路形成体(5) は、前後両側壁(12)(1
2)とこれらの中間の伝熱面拡大用壁部(7) とよりなるア
ルミニウム押出形材(11)を素材として、これの伝熱面拡
大用壁部(7) の上下両端部分が切削除去されて前後両側
壁(12)(12)の上端部(12a)(12a)と下端部(12b)(12b)とが
それぞれ残され、前後両側壁(12)(12)の上端部(12a)(12
a)同士および下端部(12b)(12b)同士がそれぞれ内側に折
り曲げられて、折曲げ後の側壁上端部(12a)(12a)の先端
同士および側壁下端部(12b)(12b)の先端同士が、前後両
側壁(12)(12)に対して直角にカットされて互いに突き合
わせられ、流路形成体(5) の上下両端部分には、連通用
空隙部(14)(14)が形成されている。 【0027】なおここで、各流路形成体(5) の前後両側
壁(12)(12)の折曲げ上端部(12a)(12a)の先端同士および
折曲げ下端部(12b)(12b)の先端同士は、後述する熱交換
器(1) の製造のさいに、アルミニウム・ブレージング・
シート製平板(3) から溶出したろう材により接合され
る。 【0028】そして、アフタークーラ部分には、各平板
(3) の上下両端部の流体通過孔(4)(4)と、上下両スペー
サ(8)(8)の流体通過孔(9)(9)と、流路形成体(5) の上下
両連通用空隙部(14)(14)とによって上下両ヘッダ部(2)
(2)が形成されている(図1参照)。 【0029】なお、上記オイルクーラ部分とアフターク
ーラ部分とは、両者の間の共通の外部空気用第1流路
(A) に、流体通過孔の無いブロック状の上下両スペーサ
(8a)(8a)が配置されることによって相互に分離されてい
る。 【0030】ところで、圧搾空気用第2流路(B2)の伝熱
面拡大用壁部(7) の形状は、上記オイル用第2流路(B1)
の場合と異なっている。 【0031】すなわち、圧搾空気用第2流路(B2)の伝熱
面拡大用壁部(7) は、アルミニウム押出形材(11)に一体
に設けられかつ前後両側壁部(12)(12)と平行な並列状の
横断面略菱形の筒状部(17)によって構成され、隣接筒状
部(17)(17)同士は相互に連結されている。従って圧搾空
気用第2流路(B2)は、並列状の筒状部(17)の内部流路、
並びに隣接筒状部(17)(17)の外面同士の間の凹状部およ
びこれに対向する平板(3) 部分によって囲まれた断面略
三角形状の外部通路を具備している。 【0032】なお、図9の変形例に示すように、伝熱面
拡大用壁部(7) の隣接筒状部(17)(17)同士の間にはこれ
らを連結する帯状連結部(18)が設けられていても良い。
この場合、圧搾空気用第2流路(B2)は、並列状の筒状部
(17)の内部流路、並びに隣接筒状部(17)(17)の外面と帯
状連結部(18)との間の凹状部およびこれに対向する平板
(3) 部分によって囲まれた断面略三角形状の外部通路を
具備している。 【0033】上記熱交換器(1) は、アルミニウム・ブレ
ージング・シート製の平板(3) と、上下両スペーサ(8)
(8)(8a)(8a)およびコルゲート・フィン(10)と、2種類
の流路形成体(5) と、左右両外側の側板(20)(20)とより
なる構成部材が、所定の順序で重合状態に配置されて、
例えば真空ろう付法により一括ろう付けされることによ
り製造されるものである。そしてこのとき、熱交換器
(1) のオイルクーラ部分とアフタークーラ部分の各流路
形成体(5) の周壁(6) の前後両側壁(12)(12)の折り曲げ
られた上下両端部(12a)(12a)の突合わせ先端同士が、ア
ルミニウム・ブレージング・シート製平板(3) から溶出
したろう材により接合される。 【0034】熱交換器(1) の左側板(20)の上下両端部に
は、オイルクーラ部分の上下両ヘッダ部(2)(2)に通じる
オイル導入用管継手(21)およびオイル排出用管継手(22)
がそれぞれ接続され、同右側板(20)のアフタークーラ部
分の上下両端部には、上下両ヘッダ部(2)(2)に通じかつ
コンプレッサからの圧搾空気導入用管継手(23)および圧
搾空気排出用管継手(24)がそれぞれ接続されている。 【0035】上記において、熱交換器(1) の一方の第1
流路(A) にはファンによる強制送風によりあるいは車両
等の走行による自然通風によって空気が通過せしめられ
る。 【0036】これに対し、熱交換器(1) のオイルクーラ
部分では、所定の吐出圧を有するポンプから送られたオ
イルが、左側板(20)に接続されているオイル導入用管継
手(21)を通じて下側ヘッダ部(2) 内に流入せしめられ、
さらに該オイルは、オイル用第2流路(B1)の多数のアー
チ形突起(15)の壁面に正面から当たり、その流れを乱さ
れて各突起(15)の前後両側に回り込むとともに、流体通
過孔(16)を左から右にあるいは右から左に移行し、その
流れを乱されて充分に攪拌されながら流路(B1)内を移行
して、上側ヘッダ部(2) に至り、さらにオイル排出用管
継手(22)を通じて外部に排出される。このため熱交換効
率が非常にすぐれている。 【0037】他方、熱交換器(1) のアフタークーラ部分
では、コンプレッサから送られた圧搾空気が、右側板(2
0)に接続されている圧搾空気導入用管継手(23)を通じて
下側ヘッダ部(2) 内に流入せしめられ、さらに該圧搾空
気は、圧搾空気用第2流路(B2)の伝熱面拡大用壁部(7)
の多数の横断面略菱形筒状部(17)の内部通路および隣接
筒状部(17)(17)同士の間の断面略三角形状の外部通路内
を並行流となって移行し、上側ヘッダ部(2) より圧搾空
気排出用管継手(24)を通じて外部に排出され、このため
熱交換効率が非常にすぐれているものである。 【0038】また熱交換器(1) は、これを構成する部材
が重合状態に配置されて、一括ろう付けにより互いに接
合されるさいに、流路形成体(5) の前後両側壁(12)(12)
の上下両端部(12a)(12a)の突合わせ端同士が、アルミニ
ウム・ブレージング・シート製平板(3) から溶出したろ
う材により接合されるから、従来のアルゴン溶接による
別工程の接合作業を実施する必要がなく、従って溶接作
業の手間を省略することができて、熱交換器(1) の製造
を容易かつ安価になし得る。そのうえ、ろう材によって
しっかりと接合されるため、液漏れを生じることがな
く、かつ熱交換性能が向上するものである。 【0039】さらに、各平板(3) の上下両端部の流体通
過孔(4)(4)と、上下両スペーサ(8)(8)の流体通過孔(9)
(9)と、流路形成体(5) の上下両連通用空隙部(14)(14)
とによって上下両ヘッダ部(2)(2)が形成されるととも
に、オイル用第2流路(B1)の伝熱面拡大用壁部(7) に設
けられた多数のアーチ形突起(15)の先端が左右両平板
(3)(3)にそれぞれ当接せしめられ、かつ圧搾空気用第2
流路(B2)の伝熱面拡大用壁部(7) に設けられた並列状の
筒状部(17)の先端が左右両平板(3)(3)にそれぞれ当接せ
しめられているから、熱交換器(1) は耐圧強度が非常に
大きくかつ熱交換性能が非常にすぐれている。 【0040】またとくに、この実施例では、オイルクー
ラ部分とアフタークーラ部分との間の外部空気用第1流
路(A) に、流体通過孔の無いブロック状の上下両スペー
サ(8a)(8a)が配置されているから、熱交換器(1) の耐圧
強度がさらに増大するものである。 【0041】なお、図示の熱交換器(1) では、各突起列
のアーチ形突起(15)の長さ方向がオイルの流れの方向と
一致しているが、上記のようなオイルの乱流効果および
攪拌効果を損なわない程度であれば、各突起列の突起(1
5)をオイルの流れの方向に対し所要角度傾斜した状態に
配置しても勿論よい。またアーチ形突起(15)の断面形状
は、図示のものは略V形および略逆V形であるが、これ
に限らず、その他略U形および略逆U形等であってもよ
い。 【0042】図10は、この発明の第2実施例を示すも
のである。ここで、上記第1実施例の場合と異なる点
は、熱交換器(1) が、外部空気が流れる第1流路(A)
と、オイルが流れる第2流路(B) とを交互に備えたオイ
ルクーラ単独として使用されている点および、例えば複
数個のオイル用第2流路(B) を1つの単位として、各単
位毎にオイルの流れの方向が変って、オイルが全体とし
て蛇行状に移行するようになされ、このオイル用第2流
路(B) の流れの方向が変わる部分では、平板(3) の端壁
部(3a)が塞がれていて流体通過孔があけられていない点
にある。 【0043】ここで、オイルが流れる第2流路(B) は、
上記第1実施例の場合のオイル用第2流路(B1)と同様
に、上下両端部に流体通過孔(4)(4)を有するアルミニウ
ム・ブレージング・シート製の左右両平板(3)(3)と、両
平板(3)(3)の中間に配置された流路形成体(5) とによっ
て形成され、流路形成体(5) の伝熱面拡大用壁部(7) に
は左右に突出した多数のアーチ形突起(15)が設けられて
いる。 【0044】そして、この第2流路(B) の流路形成体
(5) の周壁(6) の前後両側壁(12)(12)の折曲げ上端部(1
2a)(12a)の先端同士、および折曲げ下端部(12b)(12b)の
先端同士が、平板(3) の側からみて斜めにカットされて
いて、熱交換器(1) の製造のさいに、アルミニウム・ブ
レージング・シート製平板(3) から溶出したろう材によ
ってさらに広い接合面積で接合され得るようになされて
いる。 【0045】この第2実施例の熱交換器(1) は、オイル
クーラとして例えばエンジンオイルの冷却に、あるいは
産業機械の冷却に、また各種油圧システムのオイルの冷
却に使用せられるものである。 【0046】なお、図11の変形例に示すように、前後
両側壁(12)(12)の折曲げ上端部(12a)(12a)の先端同士、
および折曲げ下端部(12b)(12b)の先端同士が、相互に半
分の厚みにカットされて、いわゆるあいじゃくりにより
接続され、同様に広い接合面積で接合され得るようにな
されていても良い。 【0047】図12は、この発明の第3実施例を示すも
のである。この実施例では、上記第2実施例の場合と同
様に、熱交換器(1) がオイルクーラ単独として使用さ
れ、複数個のオイル用第2流路(B) を1つの単位とし
て、各単位毎にオイルの流れの方向が変って、オイルが
全体として蛇行状に移行するようになされているが、第
2実施例の場合と異なる点は、この流れの方向が変わる
部分において、流体通過孔(9) を有している一側のスペ
ーサ(8) に対し、アルミニウム・ブレージング・シート
製の仕切用蓋(25)が被せ止められている点にある。 【0048】そして、この第2流路(B) の流路形成体
(5) の周壁(6) の前後両側壁(12)(12)の折曲げ上端部(1
2a)(12a)の先端同士および折曲げ下端部(12b)(12b)の先
端同士が、熱交換器(1) の製造のさいに、アルミニウム
・ブレージング・シート製平板(3) から溶出したろう材
により接合される点は、上記第1実施例の場合と同様で
ある。 【0049】なお、図示の仕切用蓋(25)は、スペーサ
(8) の外寸法と同じ大きさを有し、かつ浅い嵌合凸部(2
6)が設けられていて、この浅い嵌合凸部(26)がスペーサ
(8) の孔(9) に嵌め入れられることにより、相互に位置
ずれすることなく組み合わせられる。これらのスペーサ
(8) と仕切用蓋(25)とは、例えば真空ろう付法による一
括ろう付けにより接合されるため、仕切用蓋(25)は、ス
ペーサ(8) 側の表面にろう材層を有する片面ブレージン
グ・シート製であれば良いが、仕切用蓋(25)は両面ブレ
ージング・シート製であっても差し支えない。 【0050】また仕切用蓋(25)の厚みを吸収するため
に、例えばこれと嵌合するスペーサ(8) の厚みを、他の
部分のスペーサ(8) の厚みよりも仕切用蓋(25)の厚み分
薄くするのが、好ましい。あるいはまた、該スペーサ
(8) の片面に仕切用蓋(25)の周縁部を嵌め入れる凹部
(図示略)を設けて、スペーサ(8) の片面に仕切用蓋(2
5)の全体を嵌め込む形態としても良い。 【0051】上記第3実施例によれば、熱交換器(1) の
流れの方向が変わる部分における仕切壁を最小形状で果
たし得るので、軽量化を計ることができ、材料費が安く
つく。また仕切用蓋(25)の浅い嵌合凸部(26)をスペーサ
(8) の孔(9) に嵌め入れるため、セットが簡単であり、
かつセット後のずれ、外れ等の心配がない。 【0052】さらに、仕切用蓋(25)の浅い嵌合凸部(26)
をスペーサ(8) の孔(9) に嵌め入れた状態で接合される
ため、スペーサ(8) の外表面だけでなく、孔(9) の内周
面においてもアルミニウム・ブレージング・シート製仕
切用蓋(25)から溶出したろう材により、仕切用蓋(25)と
スペーサ(8) とが接合されるから、非常に強固に接合さ
れ、液漏れの心配がなく、不良品を生じ難いという利点
がある。 【0053】図13は、この発明の第4実施例を示すも
のである。この実施例では、熱交換器(1) がアフターク
ーラ単独として使用され、コンプレッサから吐き出され
た圧搾空気が第2流路(B) 内を移行するようになされて
いる。そして、第2流路(B)の伝熱面拡大用壁部(7)
は、上下両側に並列状フィン(28)を有する板状水平壁(2
7)によって構成されている。 【0054】なお、上記第1実施例の場合と同様に、こ
の第4実施例において、第2流路(B) の流路形成体(5)
の周壁(6) の前後両側壁(12)(12)の折曲げ上端部(12a)
(12a)の先端同士および折曲げ下端部(12b)(12b)の先端
同士が、熱交換器(1) の製造のさいに、アルミニウム・
ブレージング・シート製平板(3) から溶出したろう材に
より接合されるものである。 【0055】上記第2実施例〜第4実施例のその他の点
は、上記第1実施例の場合と同様であるので、図面にお
いて同一のものには同一の符号を付した。 【0056】なお、上記実施例における熱交換器(1) の
第1流路(A) と第2流路(B) の数は単なる例示であり、
熱交換器(1) の大きさ、および熱交換性能によって各流
路(A)(B)の数が設定される。 【0057】また上記各実施例の熱交換器(1) は、第2
流路(B) が垂直に配置されたいわゆる縦型の熱交換器と
して使用されているが、熱交換器(1) は第2流路(B) が
水平に配置された横型の熱交換器として使用される場合
もある。 【0058】また上記実施例の熱交換器(1) では、第1
流路(A) と第2流路(B) とが直交状に配置されている
が、両流路(A)(B)は互いに平行に配置される場合もあ
る。 【0059】そしてこの場合においては両流路(A)(B)内
の2種の流体は互いに平行流となるようにあるいは互い
に対向流となるように移行せしめられる。 【0060】さらに、上記第1実施例の熱交換器(1)
は、オイルクーラおよびアフタークーラの2種類の機能
を有するものとして、第2実施例および第3実施例の熱
交換器(1) は、オイルクーラの機能を有するものとし
て、第4実施例の熱交換器(1) は、アフタークーラの機
能を有するものとしてそれぞれ使用されているが、この
発明の熱交換器(1) は、その他オイルクーラ、アフター
クーラ、インタークーラ、ラジエータなどを複合してあ
るいは単独で構成し、気体および流体について2種類あ
るいは3種類の流体の熱交換を行なう各種の熱交換器と
して、同様に適用されるものである。 【0061】 【発明の効果】この発明による熱交換器は、上述のよう
に、第2流路(B) の流路形成体が、所要の厚みを有する
前後両側壁とこれらを連結する伝熱面拡大用壁部とより
なるアルミニウム押出形材を素材として、これの伝熱面
拡大用壁部の上下両端部分が切削除去され、前後両側壁
の上端部同士および下端部同士がそれぞれ内側に折り曲
げられて、先端が互いに突き合わせられ、これらの互い
に突き合わせられた先端 が接合されることなく、左右両
平板と、上記流路形成体とが積み重ねられ、左右両平板
および流路形成体の積み重ね後の一括ろう付けによっ
て、流路形成体の前後両側壁の互いに突き合わせられた
折曲げ上端部の先端同士および互いに突き合わせられた
折曲げ下端部の先端同士が、アルミニウム・ブレージン
グ・シート製の左右両平板から溶出したろう材により接
合されていることを特徴とするもので、本発明の熱交換
器によれば、従来のようなアルゴン溶接等の別工程によ
る接合作業を行なう必要がなく、従って別工程の溶接作
業の手間を省略することができて、熱交換器の製造を容
易かつ安価になし得る。そのうえ、ろう材によってしっ
かりと接合されるため、液漏れを生じることがなく、か
つ熱交換性能が向上するものである。 【0062】また、各平板の上下両端部の流体通過孔
と、上下両スペーサの流体通過孔と、流路形成体の上下
両連通用空隙部とによって上下両ヘッダ部が形成されて
いるから、熱交換器は耐圧性にすぐれている。 【0063】さらに、熱交換器の第1流路(A) のアルミ
ニウム・ブレージング・シート製の左右両平板同士の中
間に、流体通過孔を有する上下一対のスペーサと、両ス
ペーサ同士の間のコルゲート・フィンとを配置するもの
とすれば、従来のような平板をプレス成形してヘッダ部
形成のための間隔保持用環状壁部を設ける必要がなく、
従ってその手間を省略することができ、熱交換器の製造
を容易に行ない得、とりわけロット数の少ない熱交換器
の製造に有効であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の第1実施例の熱交換器の概略正面図
である。 【図2】図1の熱交換器のオイルクーラ部分とアフター
クーラ部分の流路構成を示す部分切欠き要部拡大斜視図
である。 【図3】図1の熱交換器のオイルクーラ部分とアフター
クーラ部分の構成部材の分解斜視図である。 【図4】図1の熱交換器のオイルクーラ部分に用いられ
た流路形成体の部分省略左側面図である。 【図5】同流路形成体の部分省略正面図である。 【図6】同流路形成体の伝熱面拡大用壁部の要部拡大斜
視図である。 【図7】図1の熱交換器のアフタークーラ部分に用いら
れた流路形成体の部分省略左側面図である。 【図8】図1の熱交換器のアフタークーラ部分の要部拡
大断面図である。 【図9】同アフタークーラ部分の要部拡大断面図で、流
路形成体の伝熱面拡大用壁部の変形例を示している。 【図10】この発明の第2実施例の熱交換器の構成部材
の分解斜視図である。 【図11】同熱交換器の流路形成体の変形例を示す部分
省略左側面図である。 【図12】この発明の第3実施例の熱交換器の構成部材
の分解部分斜視図である。 【図13】この発明の第4実施例の熱交換器の流路構成
を示す部分切欠き要部拡大斜視図である。 【符号の説明】 A 外部空気用第1流路 B 第2流路 B1 オイル用第2流路 B2 圧搾空気用第2流路 1 熱交換器 2 ヘッダ部 3 アルミニウム・ブレージング・シート製
平板 4 流体通過孔 5 流路形成体 6 周壁 7 伝熱面拡大用壁部 8 スペーサ 9 流体通過孔 10 コルゲート・フィン 12,12 前後両側壁 12a 上端部 12b 下端部 14 連通用空隙部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−244564(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28D 9/00 F28F 3/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 第1流路(A) と第2流路(B) とを備えて
    おり、第2流路(B)が、上下両端部に流体通過孔(4)(4)
    を有するアルミニウム・ブレージング・シート製の左右
    両平板(3)(3)と、両平板(3)(3)同士の間に配置されかつ
    両平板(3)(3)の周縁部に沿う周壁(6) およびこれの内側
    に設けられた伝熱面拡大用壁部(7) を備えるとともに、
    上下両端部において周壁(6) の内側に連通用空隙部(14)
    (14)があけられている流路形成体(5) とによって形成さ
    れている熱交換器において、第2流路(B) の流路形成体
    (5) が、所要の厚みを有する前後両側壁(12)(12)とこれ
    らを連結する伝熱面拡大用壁部(7) とよりなるアルミニ
    ウム押出形材を素材として、これの伝熱面拡大用壁部
    (7) の上下両端部分が切削除去され、前後両側壁(12)(1
    2)の上端部(12a)(12a)同士および下端部(12b)(12b)同士
    がそれぞれ内側に折り曲げられて、先端が互いに突き合
    わせられ、これらの互いに突き合わせられた先端が接合
    されることなく、左右両平板(3)(3)と、上記流路形成体
    (5) とが積み重ねられ、左右両平板(3)(3)および流路形
    成体(5) の積み重ね後の一括ろう付けによって、流路形
    成体(5) の前後両側壁(12)(12)の互いに突き合わせられ
    た折曲げ上端部(12a)(12a)の先端同士および互いに突き
    合わせられた折曲げ下端部(12b)(12b)の先端同士が、ア
    ルミニウム・ブレージング・シート製の左右両平板(3)
    (3)から溶出したろう材により接合されていることを特
    徴とする熱交換器。
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