JP3393388B2 - パン用小麦粉組成物及びこれを用いたパンの製造方法 - Google Patents

パン用小麦粉組成物及びこれを用いたパンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、サクミの良好な新規
のパンを得ることを目的としたパン用小麦粉組成物及び
これを用いたパンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、比較的粒径の大きい小麦粉を用い
た技術としては、粒径35〜105μを用い、これに粗
タンパク質、粉末モルト及びビタミンCを配合した作業
性改善と品質向上を目的としたパン用小麦粉組成物の提
案がある(特開平3−236735号)。
【0003】また目開き75μの篩を通過し、目開き3
8μの篩上に残る粉を60重量%以上の割合で含有する
小麦粉に増粘剤または増粘剤とモルトを配合したものを
使用するパン類の製造法も提案されている(特開平2−
207738号)。
【0004】次に粉の粒径が150μ以下であり、かつ
粒径40μ未満の粉の含有割合が10重量%以下である
強力粉に増粘剤又は増粘剤及びモルトを配合したパン用
小麦粉組成物及びその製造法も提案されている(特開平
1−206943号、特開平1−257422号)。
【0005】
【発明により解決すべき課題】前記従来知られている技
術は、何れも小麦粉の粒度を規定しているが、最大でも
150μ以下であり、何れも添加物を加えており、その
上目的とする所が、作業性の改善、内相及び風味の改
善、体積増加、食感の改良などがあげられる。また組成
物としては、前記の外に長時間の下積みでもダマが出来
にくいとか、吸水性の向上又はパンの老化の遅延化など
があげられている。
【0006】然るにこの発明は、前記従来のパン用小麦
粉組成物を用いたパンでは期待できない食感(口どけ、
口当り)と、歯切れがよく、サクミの大きいパンを得る
為に全く新規なパン用小麦粉組成物を目的としたもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】製パンになくてはならな
い材料として、小麦粉・イースト・水・食塩等がある
が、良いパンをつくるには、小麦粉が最も重要である。
【0008】小麦は、他の穀物にない独特のグルテンを
持っている。従って小麦粉に水を加えて捏ねると、この
独特の蛋白質が水を吸って膨潤し、つながり合って粘弾
性のあるガム状のグルテンを形成することが知られてい
る。
【0009】パンの場合、水を吸って膨潤し、つながり
あって伸びたグルテンが澱粉を包んで膜を形成し、イー
ストが出す炭酸ガスの働きでこの膜をふくらませて、パ
ンの形をつくり、焼成によって固められる。
【0010】この二次加工性は、小麦が小麦粉になって
初めて可能となるものであるから、小麦粒から皮部を分
離し、その内部の胚乳部を粉砕して粉にしなければなら
ない。
【0011】このように小麦は粉にすることは加工・利
用上常識と考えられ、良いパンをつくるには、高蛋白・
低灰分の粉が要求され、原料小麦に由来する蛋白質(グ
ルテン)の質や量、さらに製粉工程上の採り分けの組合
せに主眼がおかれていた。
【0012】一般的に小麦粉は100メッシュ程度の篩
を通過する粒度をもち、強力粉は硬質小麦を粉砕するた
め、他の薄力粉等と比べて粒度は粗めである。
【0013】一部に特定粒度の粗い小麦粉を使用したパ
ンの製造方法も見られるが、これらの方法によって製造
されたパンは食感において、従来のパンの域から出ない
ものであった。又、パスタ類の原料としてデュラム小麦
の粗粉を利用するが加工上の目的が全く異なる。
【0014】この発明は、現在市販されている小麦粉の
粒度域をはるかに越えた粒度巾のファリナを配合するこ
とによって、新規の食感を呈するパン類を製造すること
を特徴とする。
【0015】この新規な食感とは、 (1) 強力粉を配合したときに生じるヒキのある弾力的
な口当りをなくし、歯切れのよいサクイ食感となる。 (2) 口溶けが良い。 (3) トーストすることにより上記特徴が倍加する。
【0016】従来、上記食感を得るためには、製法(配
合・工程)を変えることにより、多少期待できることは
あった。さらにパン用小麦粉も強力粉の比率を減らし薄
力粉を増やすことにより可能であったが、薄力粉を増や
すと製品のボリューム低下・口溶けが悪くなる等のマイ
ナス面もあり、配合量には限界があった。しかしなが
ら、今回の発明のように、適当な粒度巾をもつファリナ
を小麦粉に配合することにより、食感の改良が可能とな
った。
【0017】従来の方法で、前記食感を得るには、次の
方法をとっていた。
【0018】(1) ストレート法より中種法による。
【0019】(2) 配合をリッチにする。油脂・糖類・
卵等の配合を増量する。
【0020】しかしながら、ファリナ配合と比較すれば
不充分であり、また配合変えることにより、本来のパン
から逸脱するおそれがあって、充分とは云えなかった。
【0021】この発明は、従来の製法にたよらず、小麦
粉の粒度を粗くすることにより、パンの食感を変化させ
る方法である。
【0022】すなわち、パンの食感を新規な食感にする
ため、特定の粒度巾の小麦ファリナを配合し、又、小麦
ファリナにα化澱粉・食物繊維を特定量添加して製造す
るパンの製造法である。
【0023】即ちこの発明は、使用粒径を著しく大きく
した(例えば粒径160〜800μ)小麦ファリナを必
要量(10〜70重量%)小麦粉に配合し、必要に応じ
α化澱粉又は食物繊維の一方又は両方を用いることによ
り、前記従来のパン用小麦粉組成物では達成し得なかっ
た新規なパン用小麦粉組成物またはこれを用いたパンの
製造法を得たのである。
【0024】即ちこの発明は、小麦粉に粒径が160〜
800μの小麦ファリナを10〜70重量%含有させる
ことを特徴としたパン用小麦粉組成物であり、粒径が1
60〜800μの小麦ファリナを10〜70重量%含有
した小麦粉にα化澱粉0.5〜3%又は食物繊維0.3
〜3%の何れか一方または両方を配合することを特徴と
したパン用小麦粉組成物である。また他の発明は、粒径
が160〜800μの小麦ファリナを10〜70重量%
含有する小麦粉に、膨剤、調味料その他の添加物と適量
の水とを加え、混練して生地を生成し、この生地を常法
により分割焼成することを特徴としたパンの製造法であ
【0025】前記におけるファリナの粒度は160〜8
00μであるが、好ましくは200〜500μである。
またファリナの蛋白値は8〜13重量%であり、灰分値
は0.3〜0.7重量%であって、内相の白いパンを希
望する場合には、灰分値を0.5重量%以下にする。
【0026】前記ファリナの配合量を10重量%未満に
すると、所期の効果を期待することができないが、10
重量%以上にすると、新規な食感を有するパンを得るこ
とができる。通常ファリナの含有量は50〜70重量%
がより好ましいが、70重量%以上に配合する場合に
は、食感は良好であるが生地のまとまり、発酵管理の困
難等工程管理が難しく、熟練を要する。そこでα化澱粉
又は食物繊維の一方又は両方を添加することにより、生
地のまとまりを良好にし、発酵管理も容易にすることが
できる。
【0027】前記における食物繊維としては、小麦ふす
ま、トウモロコシ外皮、大豆種皮、オート麦外皮等の殻
類外皮の粉砕物、りんごファイバー等の果実繊維粉砕物
及びそれらの精製物、α化物、酸素処理物、更には結晶
セルロース又は微結晶セルロースなどがある。
【0028】α化澱粉とは、コーン、小麦、米、タピオ
カ、馬鈴薯等を原料とするものである。
【0029】次にこの発明を実施例について説明する。
【0030】
【実施例1】この発明のパンの製造方法を、ハンバーガ
ーバンズについて説明する。ハンバーガーバンズは通常
のパンと異なり、一般的には製造工程に麸切り操作が必
要であり、これによりバンズ独特のヒキのない歯切れの
良いサクイ食感が得られる。しかしながら、ファリナを
配合することにより、前記麸切り操作をしなくても、バ
ンズ特有の食感を得ることが可能である。即ち麸切り操
作を省くことができる。
【0031】下記配合のパン用組成物を用いて、下記の
条件でバンズを製造した。
【0032】 (配 合 割 合) 中種(%) 本捏(%) ファリナ 40 0 強力粉 30 30 イースト 2.3 0 ※イーストフード 0.4 0 乳化剤 0.5 0 砂糖 0 8 食塩 0 2 脱脂粉乳 0 2 ショートニング 0 7 水 40 18 ※イーストフード 無機フード使用
【0033】(製造条件)中種について、前記中種材料
を、ミキサーに投入し、低速2分、高速2分でミキシン
グした所、捏上温度は24℃であった。そこで27℃、
75%RHで4時間発酵させた所、最終温度29℃であっ
た。
【0034】本捏について、前記中種工程で得た生地
に、ショートニングを除いた本捏材料を全部投入し、低
速2分、高速4分でミキシングし、ついでショートニン
グを加え、更に低速2分、高速8分でミキシングすれ
ば、捏上温度は26℃となった。そこで20分のフロア
ータイムをとった後、生地を60g 毎に分割し、ベンチ
タイムを15分とり、更に整型し、38℃、85%RHで
60分間ホイロをとった後、200℃で9分間焼成すれ
ば、この発明によるハンバーガーバンズができる。
【0035】
【実施例2】この発明のパンの製造方法をトーストブレ
ッドについて説明する。
【0036】下記の配合のパン用小麦粉組成物を用い
て、下記の条件でトーストブレッドを製造した。
【0037】 (配合割合) % ファリナ 70 強力粉 30 イースト 2 砂糖 3 食塩 2 ラード 2 水 63
【0038】(製造条件)前記材料中ラードを除いたも
の全量をミキサーに投入し、低速3分、中速3分でミキ
シングした後、ラードを加えて更に低速1分、中速3分
でミキシングした。この場合に捏上温度は25℃であっ
た。そこで27℃、75%RHで2時間発酵させ、パンチ
をとった後、更に1時間発酵させ、250g ×4(2
斤)に分割し、30分のベンチタイムをとり、整型し、
ついで38℃、85%RHで70分ホイロをとった後、2
20℃で30分間焼成すれば、この発明によるトースト
ブレッドができる。
【0039】前記によるパンは、トーストすることによ
り、麸切れが非常によく、サクサクした食感であった。
【0040】
【実施例3】この発明のパンの製造方法をソフトフラン
スパンの製造について説明する。
【0041】下記の配合のパン用小麦粉組成物を用い
て、下記の条件でソフトフランスパンを製造した。
【0042】 (配 合 割 合) % ファリナ 50 強力粉 50 ドライイースト 1.2 イーストフード 0.1 砂糖 3 食塩 2 バター 5 モルトシロップ 0.3 水 60
【0043】(製造条件)前記材料中バターを除いた全
量をミキサーに投入し、低速2分、中速2分でミキシン
グした後、バターを投入し、更に低速1分、中速3分で
ミキシングした所、捏上温度は27℃であった。
【0044】前記生地を27℃、75%RHで90分発酵
させ、ついでパンチをとり、更に30分発酵させ、40
〜350g に分割して、ベンチタイムを25分とり、整
型し、更に30℃、75%RHで60分ホイロをとった
後、220℃(スチーム入)で15〜30分焼成すれ
ば、この発明によるソフトフランスパンができた。
【0045】前記によるソフトフランスパンは、クラス
トが歯切れ良く、クラムヒキのない良好な食感である。
【0046】
【実施例4】この発明のパンの製造方法をピザクラスト
の製造について説明する。
【0047】一般にピザクラストは、トッピング具材の
味をひきたたせるために、リーンな配合が多く、ヒキの
ある硬めの食感になりやすい。尚、ヒキを抑えるために
30〜50重量%の薄力粉を強力粉に配合することが多
い。ファリナを配合することにより歯切れがよいソフト
な食感が得られ、ピザの具材と調和し、クラストもカッ
トしやすくなる。
【0048】下記配合のパン用小麦粉組成物を用いて、
下記の条件でピザクラストを製造した。
【0049】 (配 合 割 合) % ファリナ 60 強力粉 40 イースト 4 食塩 1.5 砂糖 4 脱脂粉乳 2 ショートニング 6 水 55
【0050】(製造条件)前記材料中ショートニングを
除いた全量をミキサーに投入し、低速2分、中速2分で
ミキシングし、ついでショートニングを投入して低速3
分、中速3分でミキシングした所、捏上温度は26℃で
あった。ついで、30分フロアタイムをとった後、生地
を50〜100g 宛分割し、10〜15分ベンチタイム
をった後、整型し、30℃、75%RHで20分間ホイロ
をとり、200℃で10分間焼成した所、この発明によ
るピザクラストができた。
【0051】
【実施例5】この実施例は、160〜500μの粒度構
成をとるファリナを用いて、次記のようにファリナ比率
を変えてパンを製造した。
【0052】 ファリナ含有比率% 0 10 30 40 70 100
【0053】前記のファリナを使用し、下記配合のパン
用小麦粉組成物を用いて、下記条件でパンを製造した。
【0054】 (配 合 割 合) % 強力粉+ファリナ 100 イースト 2 イーストフード 0.1 砂糖 5 食塩 2 脱脂粉乳 2 ショートニング 5 水 適量(63〜70)
【0055】(製造条件)前記材料中ショートニング以
外の全量をミキサーに投入し、低速3分、中速3分、高
速1分でミキシングし、ついでショートニングを投入
し、低速1分、中速3分、高速3分でミキシングした
所、捏上温度は27℃であった。
【0056】前記により得た生地を27℃、75%RHで
2時間発酵させ、ワンローフは460g 、プルマンは2
30g ×6(生地比容積3.94)に分割した後、ベン
チタイムを25分とり成型する。即ちワンローフは、棒
状1個詰め、プルマンはU字型6個詰めとする。ついで
38℃、85%RHで45分間ホイロをとり、200℃で
ワンローフは25分、プルマンは40分焼成し、夫々の
パンを得た。
【0057】前記各配合のパンについて検討した所、表
1の評価を得た。
【0058】
【表1】
【0059】前記実施例によれば(表1参照)、ファリ
ナ配合率が多くなると、次の性質が認められた。
【0060】(1) 吸水率が低下すると共に、水和性が
遅くなる傾向がみられた。
【0061】(2) 分割時、生地性ウェットで脆さが見
られるが、パンチ後、締りドライ感がでてきた。
【0062】(3) 成型時の弾性、伸展性は特に問題が
なかった。
【0063】(4) 製品ボリュームに有為差は認められ
なかった。
【0064】(5) 内相、膜厚、粗めだが100%でも
ボリュームよく膜伸びも普通であった。
【0065】(6) 食感、歯切れ、口溶けは、ファリナ
30%以上が好ましく、40%以上だと良好である。従
ってファリナの含有量は30%〜100重量%が適当と
認められる。
【0066】(7) 総合的には、ラインの作業性を考慮
して、30〜70重量%が適当と認められた。
【0067】次にファリナの粒度に対する比較試験につ
いて説明する。
【0068】
【試験例1】ファリナ100%配合の場合のパンについ
ては、表2の評価を得た。
【0069】
【表2】
【0070】
【試験例2】ファリナ40%、強力粉60%配合の場合
のパンについては、表3の評価を得た。
【0071】
【表3】
【0072】前記試験例によれば、粒度が粗くなると次
の性質が認められた。
【0073】(1) 吸水性の低下がある。水和が遅いた
めミキシングの延長が必要となり、油脂投入までのミキ
シングに2〜5倍の時間がかかる。但し、水和を終了す
ると、生地のまとまりは良く、油脂投入後のミキシング
は通常の小麦粉と変らない。
【0074】(2) 分割時に、生地性ウェットで脆い
が、パンチ後、締りドライである。
【0075】(3) 成型時の弾性は劣り稍だれぎみであ
るが、伸展性は良好である。
【0076】(4) 強力粉の割合を増加することにより
作業性を改善できる。
【0077】(5) 製品ボリュームには差が認められな
い。
【0078】(6) 内相、色白い(胚乳のグレード良い
方が有効)膜厚でキメあらくなる。ザラック感触であ
る。
【0079】(7) 食感、歯切れ、口溶けは良いが、ザ
ラツキを感じた。
【0080】(8) 強力粉の割合を増やすことにより内
相、食感は良くなった。
【0081】粒度が細かくなると、作業性、製品は良く
なるが、食感の特徴が薄れることは否定できない。
【0082】
【実施例6】この実施例はα化澱粉の添加によるパンの
性質の変化試験の実施例である。
【0083】ファリナ粒度は200〜500μを主体と
した。
【0084】 (配 合 割 合) 中種(%) 本捏(%) ファリナ 40 − 強力粉 30 30 イースト 2 − イーストフード 0.1 − 砂糖 − 5 食塩 − 2 脱脂粉乳 − 2 ショートニング − 5 水 40 適量
【0085】(製造条件) 中種工程 ミキサーに材料を投入し、低速2分、中速2分でミキシ
ングした所、捏上温度は24℃であった。ついで27
℃、75%RHで4時間発酵し、終了時の温度は29℃で
あった。
【0086】本捏工程 前記生地の中へショートニング以外の本捏材料を投入
し、低速3分、中速3分、高速1分でミキシングし、つ
いでショートニングを投入して低速1分、中速3分、高
速1分でミキシングした所、捏上温度は27℃であっ
た。
【0087】次に20分のフロアータイムをとり、ワン
ローフ460g 、プルマン220g ×6に分割し、20
分ベンチタイムをとり、成型・型詰め後、38℃、85
%RHで40分間ホイロをとり、200℃でワンローフ2
5分、プルマン40分焼成した所、夫々の製品を得た。
【0088】製品の評価は表4の通りであった。
【0089】
【表4】
【0090】前記実施例のα化澱粉としては馬鈴薯澱粉
を使用した。
【0091】表4によれば、次のようなα化澱粉の添加
結果が認められた。
【0092】(1) 吸水性のアップ 1%添加で3%の吸水アップが認められた。これにより
ファリナ配合による吸水ダウンを補正できる。
【0093】(2) 水切れ良化が認められた。
【0094】(3) メーキャップ時での生地性から3%
限界と認められた。
【0095】(4) 製品ボリュームは徐々に低下し、添
加量2〜3%が限界と認められた。
【0096】(5) 食感は添加量が多くなるとネチャツ
キ、重いと口溶けが悪いので、2〜3重量%が限界であ
る。
【0097】(6) 総合的にみて、α化澱粉の添加量は
0.5〜3重量%であり、好ましくは1〜2重量%であ
る。
【0098】
【実施例7】食物繊維、モルトパウダー、フード増量又
は乳化剤を添加した所、表5の結果を得た。
【0099】
【表5】
【0100】乳化剤はグリセリン脂肪酸エステル(80
%)を使用した。
【0101】前記におけるモルトパウダーはボリューム
アップを目的としており、0.05〜0.3重量%の添
加が可能である。フード増量及び乳化剤の使用はボリュ
ーム増加が目的である。
【0102】
【発明の効果】この発明によれば、粒径が160〜80
0μの小麦粉ファリナを10〜70重量%含有させるの
で、このパン用小麦粉組成物を用いたパンは、新規な食
感を有しており、サクミがあることは勿論、歯切れが良
好であり、製造に際して麸切り操作が不要になるなどの
諸効果がある。
【0103】またα化澱粉又は食物繊維の何れか一方又
は両方を添加した場合には加水の増加に効果があると共
に、ファリナを多量(40重量%以上)に用いた場合に
作業性を改善し、かつ生地のまとまりを良好にする効果
がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 2/00 - 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉に粒径が160〜800μの小麦
    ファリナを10〜70重量%含有させことを特徴と
    パン用小麦粉組成物。
  2. 【請求項2】 粒径が160〜800μの小麦ファリナ
    を10〜70重量%含有した小麦粉に、α化澱粉0.5
    〜3%又は食物繊維0.3〜3%の何れか一方または両
    方を配合したことを特徴とするパン用小麦粉組成物。
  3. 【請求項3】 粒径が160〜800μの小麦ファリナ
    を10〜70重量%含有する小麦粉に、膨剤、調味料そ
    の他の添加物と適量の水とを加え、混練して生地を生成
    し、この生地を常法により分割焼成することを特徴とし
    たパンの製造法。
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