JP3391348B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP3391348B2
JP3391348B2 JP2001135936A JP2001135936A JP3391348B2 JP 3391348 B2 JP3391348 B2 JP 3391348B2 JP 2001135936 A JP2001135936 A JP 2001135936A JP 2001135936 A JP2001135936 A JP 2001135936A JP 3391348 B2 JP3391348 B2 JP 3391348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】自己消弧形半導体素子を適用した
インバータ装置等の電力変換装置に関するものであり、
特に自己消弧形半導体素子の保護回路であるスナバ回路
の構成要素の配置および接続方法に関し、スナバ回路内
のインダクタンスを低減するスナバ回路の構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図29は、例えば特開平4-22907
8号公報に示された従来の電力変換装置の、特に自己消
弧形半導体素子のスナバ回路の配置および接続方法に関
するものである。従来例において、1は自己消弧形半導
体素子の一例としてのGTO(Gate Turn−o
ff) サイリスタ(以下GTOと略す)、2はスナバダ
イオード、3はスナバコンデンサであり、スナバダイオ
ード2とスナバコンデンサ3の直列体からなるスナバ回
路が自己消弧形半導体素子1のバイパス回路を構成して
いる。4はスナバコンデンサ3の電極の一端であるコン
デンサフード、5はスナバコンデンサ3の電極の他端、
6はスナバダイオード2の陽極とスナバコンデンサ3の
電極4との接続体、7はGTO1とスナバコンデンサの
電極5との接続体、8はGTO1の冷却フィン、9はG
TO1とスナバダイオード2の冷却フィンである。この
公報には、図示していないスナバ回路に存在する寄生イ
ンダクタンスの低減がGTO1に接続されるスナバ回路
を構成するスナバコンデンサ3の一方の端子4を、コン
デンサ3を部分的に取り囲む良導電性のコンデンサフー
ドとして構成することにより達成され、この手段はスナ
バ回路の電気的な線路ループ長を出来るだけ小さく保持
するという思想に基づいていると記載されている。また
対象となるGTO1として2kAのターンオフ電流を有
し、4.5kV程度の定格電圧を有するGTOを対象と
している。この程度の電気定格を有する現状のGTOの
シリコンウエハーの直径は約4インチ程度である。また
スナバコンデンサ3の静電容量は2.5μFと記載され
ている。更に従来例の具体的なスナバダイオード2とし
ては、定格電流が低く、比較的寄生インダクタンスの大
きいスタッド形ダイオードを用いている。このスナバダ
イオード2は冷却フィン9に固定接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の電力変換装置は
以上のように構成されているので、例えば現在開発中の
直径が6インチ以上のシリコンウエハーを用いて製造さ
れる自己消弧形半導体素子、例えばGTOを適用した場
合、その電気定格は6kV、6kA以上となる。従って
従来のシリコンウエハーの直径が4インチ程度のGTO
に対する絶縁レベルとは絶縁レベルが全く異なり、必要
な絶縁距離が必然的に長くなる。また自己消弧形半導体
素子がターンオフして遮断する電流値が大きくなり、ス
ナバ回路にバイパスされる電流値が大きくなるために、
定格電流の大きく、かつ静電容量の大きなスナバコンデ
ンサ(例えばターンオフ電流が6kAであれば6μF程
度)とスナバダイオードが必要となり、接続すべき端子
間距離が必然的に長くなる。従ってスナバ回路の電気的
な線路ループ長が必然的に大きくなり、従来のスナバ回
路の接続方法をそのまま適用しても、電気的な線路ルー
プ長を出来るだけ小さく保持するという従来例の基本思
想を遵守することが容易ではなくなる。また従来例では
触れられていないが、自己消弧形半導体素子、例えば電
力変換器の制御性能を向上させるために、GTOのスイ
ッチング周波数を高周波化すると、スナバ回路に流れ込
む実効電流値が大きくなり、スナバコンデンサ、スナバ
ダイオードが大型化して、前述した基本思想を遵守する
ことが更に困難になる。
【0004】さて、スナバ回路に存在する寄生インダク
タンスが増加すると、自己消弧形半導体素子の電流遮断
時のターンオフ損失が増加する。これを図30を用いて
説明する。図30は自己消弧形半導体素子の電流遮断時
の典型的なアノードカソード間電圧VAK、アノードカソ
ード電流IAKの波形である。自己消弧形半導体素子の電
流が遮断電流から降伏していくと、余剰電流はスナバ回
路にバイパスされる。このバイパスされる電流ISNはス
ナバコンデンサの充電電圧VCSを発生する。加えてバイ
パス電流ISNは、図示した降伏していく電流IAKの電流
変化率di/dtの絶対値と同じ電流変化率を伴うの
で、その電流変化率と寄生インダクタンスとの積で決ま
る電圧VLSがスナバ回路内に発生する。またスナバダイ
オードにおいて発生する過渡電圧VDSは、電流変化率d
i/dtの絶対値の増加に伴って増加する。従って自己
消弧形半導体素子に印加される電圧は、スナバコンデン
サの充電電圧VCSと寄生インダクタンスの誘起電圧VLS
とスナバダイオードの過渡電圧VDSの和となり、図中時
刻T1に示されるスパイク状電圧VDSP を生じる。スナ
バ回路にバイパスされる電流ISNの変化率di/dtに
起因している電圧は、自己消弧形半導体素子がターンオ
フ動作を完了するT1以降になれば発生しなくなり、自
己消弧型半導体素子にかかる電圧VAKはスナバコンデン
サの充電電圧V CSだけになる。一方、寄生インダクタン
スに蓄積されたエネルギーは、スナバコンデンサの過剰
な充電電圧を発生させ、時刻T2における自己消弧形半
導体素子に印加される電圧の最大値VDMを増加させる要
因の一つとなる。また、このターンオフ動作における自
己消弧形半導体素子の損失は、自己消弧形半導体素子の
電流IAKと電圧VAKの積により近似的に求められるた
め、スナバ回路に存在する寄生インダクタンスは、その
損失を増加させる要因と成る。この損失は、電力変換器
の効率低下要因となるだけでなく、その損失量の程度に
よっては、自己消弧形半導体素子の冷却能力との平衡状
態を崩すことになり、温度上昇による素子破壊の要因と
なる。
【0005】このようにスナバ回路に存在する寄生イン
ダクタンスの増加は、スナバ回路が持つ基本機能である
自己消弧形半導体素子の保護回路の役割を果たせないど
ころか、電力変換器の信頼性を低下させる、あるいは自
己消弧形半導体素子をターンオフ電流を低減して使用し
なければならず、素子利用率を低下させるなどの問題が
あった。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、自己消弧形半導体素子の電気定
格が大きく、その保護回路であるスナバ回路の構成部品
が大型化した場合でも、スナバ回路に存在する寄生イン
ダクタンスを低減できる電力変換装置を得ることを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる電力変換
装置は、両端に各々電極を有してなる円盤状の自己消弧
型半導体素子と、両端に各々電極を有し上記自己消弧型
半導体素子のバイパス回路として上記自己消弧型半導体
素子の一方の電極と電気的に接続される円盤状のスナバ
ダイオードと、一端が上記自己消弧型半導体素子の一方
の電極に他端が上記スナバダイオードの一方の電極に接
続される第1の幅広導体と、少なくとも2つの電極を有
し上記自己消弧型半導体素子のバイパス回路として一方
の電極が上記自己消弧型半導体素子の他方の電極に他方
の電極が上記スナバダイオードの他方の電極に電気的に
接続されるスナバコンデンサと、一端が上記自己消弧型
半導体素子の他方の電極に他端が上記スナバコンデンサ
の一方の電極に接続され上記自己消弧型半導体素子の電
極面と平行な方向に延在する第2の幅広導体と、一端が
上記スナバダイオードの他方の電極に他端が上記スナバ
コンデンサの他方の電極に接続され上記自己消弧型半導
体素子の電極面と平行な方向に上記第2の幅広導体と所
定距離へだてて対向しながら延在する第3の幅広導体と
を備えたものである。
【0008】また、本発明にかかる電力変換装置は、両
端に各々電極を有してなる円盤状の自己消弧型半導体素
子及び両端に各々電極を有してなる円盤状のダイオード
で構成され、上記自己消弧型半導体素子の一方の電極に
上記ダイオードの一方の電極が接続された半導体直列体
と、両端に各々電極を有し上記自己消弧型半導体素子の
バイパス回路として上記半導体直列体の一方の電極と電
気的に接続される円盤状のスナバダイオードと、一端が
上記半導体直列体の一方の電極に他端が上記スナバダイ
オードの一方の電極に接続される第1の幅広導体と、少
なくとも2つの電極を有し上記自己消弧型半導体素子の
バイパス回路として一方の電極が上記半導体直列体の他
方の電極に他方の電極が上記スナバダイオードの他方の
電極に電気的に接続されるスナバコンデンサと、一端が
上記半導体直列体の他方の電極に他端が上記スナバコン
デンサの一方の電極に接続され上記自己消弧型半導体素
子の電極面と平行な方向に延在する第2の幅広導体と、
一端が上記スナバダイオードの他方の電極に他端が上記
スナバコンデンサの他方の電極に接続され上記自己消弧
型半導体素子の電極面と平行な方向に上記第2の幅広導
体と所定距離へだてて対向しながら延在する第3の幅広
導体とを備えたものである。
【0009】また、スナバダイオードが、自己消弧型半
導体素子の一方の電極面を含む平面と上記自己消弧型半
導体素子の他方の電極面を含む平面との間に位置するよ
うにしてもよい。
【0010】また、自己消弧型半導体素子の一方の電極
が、陽極とこの陽極に接続された冷却体又は導体とを有
しており、他方の電極が、陰極とこの陰極に接続された
冷却体又は導体とを有するようにしてもよい。
【0011】また、自己消弧型半導体素子の他方の電極
に電気的に接続されるスナバコンデンサの電極と、スナ
バダイオードの他方の電極に電気的に接続される上記ス
ナバコンデンサの電極とが上記スナバコンデンサの同一
面に設けられるようにしてもよい。
【0012】また、自己消弧型半導体素子の電極面がス
ナバダイオードの電極面と平行になるように配置しても
よい。
【0013】また、第1の導体が自己消弧型半導体素子
の電極面と平行な方向に延在するように配置してもよ
い。
【0014】また、第2の幅広導体と第3の幅広導体と
の間が所定距離になるよう上記第2の幅広導体と上記第
3の幅広導体との間に誘電体を配置してもよい。
【0015】また、幅広導体の幅が、この幅広導体が接
続される電極面の上記幅広導体の幅方向の長さよりも大
きくなるようにしてもよい。
【0016】また、上記電力変換装置を複数備え、上記
電力変換装置の自己消弧型半導体素子が各々直列又は直
並列に接続されるようにしてもよい。
【0017】さらに、電力変換装置が3レベルインバー
タであってもよい。
【0018】また、本発明にかかる電力変換装置は、自
己消弧型半導体素子と、上記自己消弧型半導体素子のバ
イパス回路として上記自己消弧型半導体素子に電気的に
接続されたスナバダイオード及びスナバコンデンサとを
備えた電力変換装置において、上記自己消弧型半導体素
子と上記スナバダイオードが取付けられ、上記自己消弧
型半導体素子と上記スナバダイオードとを電気的に接続
する第1の導体と、上記スナバダイオードの上記第1の
導体が取付けられた面とは反対側の面と上記スナバコン
デンサとを接続するように取付けられた第2の導体と、
上記スナバコンデンサと上記自己消弧型半導体素子の上
記第1の導体が取付けられた面とは反対側の面とを接続
し上記第2の導体と平行となるように取付けられた第3
の導体と、上記第2の導体と上記第3の導体の間に誘電
体とが設けられたものである。
【0019】
【作用】本発明にかかる電力変換装置は、スナバ回路の
インダクタンスを低減でき、従って自己消弧形半導体素
子の遮断時における損失を低減することができる。
【0020】また、第2の幅広導体と第3の幅広導体と
の間が所定距離になるよう上記第2の幅広導体と上記第
3の幅広導体との間に誘電体を配置することで、スナバ
コンデンサの容量を等価的に増加させ、自己消弧形半導
体素子の遮断時における損失を低減することができる。
【0021】また、上記電力変換装置を複数備え、上記
電力変換装置の自己消弧型半導体素子が各々直列又は直
並列に接続されるようにすることで、高電圧または大電
力の電力変換装置においてスナバ回路のインダクタンス
を低減し、自己消弧形半導体素子の遮断時における損失
を低減することができる。
【0022】また、電力変換装置が3レベルインバータ
であれば、3レベルインバータにおいて、スナバ回路の
インダクタンスを低減し、自己消弧形半導体素子の遮断
時における損失を低減することができる。
【0023】
【実施例】実施例1.この発明の第1の実施例を図につ
いて説明する。図1は自己消弧形半導体素子のスナバ回
路の構造の側面図を示す。ここでは自己消弧形半導体素
子1の一例として、GTOサイリスタ(以下GTO)を
取り上げるが、電極面が平形であれば、逆導通形GTO
サイリスタ、IGBT、SIサイリスタ、SICなどに
も適用できる。なお図1では、フリーホイールダイオー
ド、スナバ抵抗あるいはスナバエネルギー回生回路など
に用いられる追加的な構成要素は省略しているが、ここ
で示す基本構造に適用できることは言うまでもない。ま
た絶縁物、圧接用構造体等も省略している。1はGT
O、2はスタッド形ではなく、平形のスナバダイオー
ド、3はスナバコンデンサ、10はGTO1の陽極に圧
接された冷却フィン(導体でも良い)、11はGTO1
の陰極に圧接された冷却フィン(導体でも良い)、1
2、13はスナバコンデンサ3の電極、14は冷却フィ
ン10(GTO1の陽極の延長)とスナバダイオード2
の陽極とを接続する帯状の幅広導体、15はスナバダイ
オード2の陰極とスナバコンデンサ3の電極12とを接
続する幅広導体、16はスナバコンデンサ3の電極13
と冷却フィン11(GTO1の陰極の延長)を接続する
幅広導体である。なおスナバダイオード2の冷却につい
ては、冷却フィン10と幅広導体14との一体化におい
て実現しても良いし、個別に冷却フィンなどの冷却手段
を追加しても良い。
【0024】まず「電極面の平行の位置関係」について
説明する。スナバ回路構造の側面図である図1に示すよ
うに、6つ全ての電極面同士が角度を持たない、つまり
GTO1の陽極面あるいは陰極面に対して、スナバダイ
オード2の陽極面、陰極面、スナバコンデンサ3の電極
12、13の電極面の延長平面が空間で交わらない関係
にある。このような位置関係にある場合を「電極面の平
行の位置関係」と呼ぶことにする。これにより従来例に
比較して組立技術を各段に単純化でき、組立作業の簡素
化が図れる。特に幅広導体14、15、16についてU
字形曲げ等の加工を必要としないため、導体構造コスト
も低減できる。また、この構成は、後述する幅広導体の
平行な位置関係を可能にし、線路インダクタンスの低減
を可能にする。
【0025】次に「電極面の直線の位置関係」について
説明する。スナバ回路構造の平面図を図2に示す。説明
の都合上、図2ではGTO1とスナバダイオード2との
接続と、スナバダイオード2とスナバコンデンサ3との
接続と、スナバコンデンサ3とGTO1との接続につい
て個別に記載しているが、本来は重なって組立てられる
ものである。図2に示すように、前提条件としては上面
図で見て、GTO1の中心Aとスナバダイオードの中心
Bを直線で結んだ中心線ABと、スナバダイオード2の
中心Bとスナバコンデンサ3の電極12の中心Cを直線
で結んだ中心線BCと、スナバコンデンサ3の電極13
の中心DとGTO1の中心Aとを直線で結んだ中心線D
Aとが、一直線上にあるような位置関係にある場合を
「電極面の直線の位置関係」と呼ぶことにする。なおス
ナバコンデンサ3の電極12、13については、通常図
3に示すように、平面図で見ると幾つかの端子(ここで
は端子数を3とした)の集合体となっている。ここで示
すスナバコンデンサ3の電極12、13の中心として
は、図3に示すように、端子の集合体の中心を意味して
いる。この構成は、幅広導体の平面図上での重なりを確
保し、後述の線路インダクタンスの低減を可能にする。
【0026】次に「幅広導体の平行の位置関係」につい
て説明する。スナバ回路構造の側面図である図1におい
て、幅広導体14、15、16同士が角度を持たない、
つまりGTO1の陽極面あるいは陰極面に対して、幅広
導体14、15、16の延長平面が空間で交わらない関
係にある。このような位置関係にある場合を「幅広導体
の平行の位置関係」と呼ぶことにする。この構成は、後
述の線路インダクタンスの低減を可能にする。
【0027】次に幅広導体の幅の規定について説明す
る。具体的には少なくとも2つの電極端子を接続する導
体が、接続される少なくとも2つの端子の幅について小
さい方の端子の幅以上の幅広導体であることについて説
明する。GTO1の陽極(陰極)、スナバダイオード2
の陽極(陰極)、スナバコンデンサ3の電極12、13
が全て同じ幅を持つものである場合は極めて少ない。従
って、スナバ回路構造の上面図である図2に示すよう
に、例えば電極の幅を、GTO1、スナバコンデンサ
3、スナバダイオード2の順に大きい場合を仮定して説
明する。GTO1の冷却フィン10とスナバダイオード
2の陽極を接続する幅広導体14については、少なくと
もスナバダイオード2の電極幅以上の幅広導体を適用
し、スナバダイオード2の陰極とスナバコンデンサ3の
電極12を接続する幅広導体15については、少なくとも
スナバダイオード2の電極幅以上の幅広導体15を適用
し、スナバコンデンサ3の電極13とGTO1の冷却フ
ィン11を接続する幅広導体16については、少なくと
もスナバコンデンサ3の電極13の幅以上の幅広導体1
6を適用する。図2に示す幅広導体14、15、16
は、前述した幅広導体の幅の規定を満足した具体例であ
り、この導体幅の最小条件を「幅広導体の幅の規定」と
呼ぶことにする。この構成は、高周波電流の均一な分布
を実現し、後述の線路インダクタンスの低減を可能にす
る。
【0028】更に幅広導体間の相互結合の規定について
説明する。具体的にはスナバダイオード2の陰極とスナ
バコンデンサ3の電極12とを接続する幅広導体15とス
ナバコンデンサ3の電極13とGTO1の陰極とを接続
する幅広導体16間の相互インダクタンスによる結合を
持たせることについて説明する。まず「電気工学ハンド
ブック 電気学会」を参照すると、2本の閉回路間相互
インダクタンスMはノイマン公式である(1) 式で求
められる。
【0029】
【数1】
【0030】これより、2本の電流値が等しければ、相
互インダクタンスMは線路間距離rに反比例し、電流ベ
クトルが作る角度θの余弦に比例する。それぞれの線路
の自己インダクタンスをLS とすれば、線路インダクタ
ンスLは(2)式で求められる。
【0031】
【数2】
【0032】この値は負にはならないため、極力小さい
値とするためには、相互インダクタンスMは符号を負と
する可能な限り大きな値とし、LSの値に近づける必要
がある。つまり2本の線路に流れる電流の向きを正反
対、角度θで言えば、180°(従ってcosθ=−
1)とし、線路間距離rを可能な限り小さく取ることに
なる。この条件を満足する導体の配置関係を「幅広導体
間の相互結合の規定」と呼ぶことにする。この構成によ
り線路インダクタンスの低減が可能となる。
【0033】次に図1、図2の具体例を用いて説明す
る。図1では、幅広導体14と幅広導体16、幅広導体
15と幅広導体16が前述した2本の線路の関係にあ
る。まず幅広導体14、15、16に流れる電流につい
てであるが、GTO1が電流遮断を行うと、遮断された
電流は図1の回路にバイパスされるため、電流の絶対値
としては全ての幅広導体において同じであることは、キ
ルヒホッフの法則により明らかである。また幅広導体1
4、15の電流ベクトルと幅広導体16の電流ベクトル
が持つ角度θは図2から分かるように180°である。
さらにGTO1が電流を遮断する際、幅広導体14、1
5、16に流れる電流は高周波電流となるため、当然の
ことながら表皮効果を伴い、各幅広導体には電流が均一
に流れる。これにより、幅広導体14と16について
は、幅広導体14から発生する磁束と、幅広導体16か
ら発生する磁束とが効果的に打ち消し合い、相互インダ
クタンスMの絶対値の増加、ひいては線路インダクタン
スLの低減につながる。この線路インダクタンスLの低
減効果を証明するために、図4に示す簡易モデル形状に
対する中間くぼみ幅Xをパラメータとしたときの、線路
インダクタンスと実抵抗の三次元解析結果を図5に示
す。この結果は、Xの増加に従ってインダクタンスが減
少しており、前述した線路間距離rの低減による線路イ
ンダクタンスLの低減が可能であることを示している。
【0034】従って以上の事柄をまとめると、GTO1
の電極面、スナバダイオード2の電極面、スナバコンデ
ンサ3の「電極面に関する平行の位置関係」は、各電極
面の接続手段に曲げ加工の少ない幅広導体を用いること
を可能とし、接続手段の自己インダクタンスが低減で
き、ひいてはスナバ回路内インダクタンスが低減する条
件となる。またGTO1の電極面、スナバダイオード2
の電極面、スナバコンデンサ3の「電極面に対する直線
の位置関係」は、幅広導体の電流の向きを0°と180
°のみとし、幅広導体間の相互インダクタンスが増加で
き、ひいてはスナバ回路内インダクタンスが低減できる
条件となる。また「幅広導体の平行の位置関係」及び
「幅広導体の幅の規定」について、特に、接続する2つ
の電極のうち、電極幅の小さい方の幅以上の幅広導体の
適用は、幅広導体表面に均一に高周波電流を流すことを
可能とし、スナバ回路内インダクタンスが低減できる条
件となる。更に電流の向きが反対方向にある幅広導体間
距離を、相互結合を密にして相互インダクタンスの絶対
値を増加させるために近接させる「幅広導体間の相互結
合の規定」は、スナバ回路内インダクタンスを低減でき
る条件となる。またこれらの基本条件を遵守して実現し
たスナバ回路を自己消弧形半導体素子のバイパス回路に
接続することにより、図30に示すスパイク的に発生す
る電圧VDSP を低減でき、ターンオフ損失を低減できる
ことになる。また、上記の構成は自己消弧形半導体素
子、スナバダイオード、スナバコンデンサおよび幅広導
体が構成する回路の側面図上での面積を総断面積に比べ
て縮小する構成でもある。回路のインダクタンスは他の
条件が同じであれば回路の囲む面積にほぼ比例する性質
があるので、上記の構成によりインダクタンスの低減が
可能となる。
【0035】実施例2.この発明の第2の実施例を図に
ついて説明する。図6は、実施例1の設計概念にもとづ
く他の組合せによる自己消弧形半導体素子のスナバ回路
の構造を示す。1はGTO、2はスナバダイオード、3
はスナバコンデンサ、10はGTO1の陽極に圧接され
た冷却フィン(導体でも良い)、11はGTO1の陰極
に圧接された冷却フィン(導体でも良い)、12、13
はスナバコンデンサ3の電極、14は冷却フィン11
(GTO1の陰極の延長)とスナバダイオード2の陰極
とを接続する幅広導体、15はスナバダイオード2の陽
極とスナバコンデンサ3の電極12とを接続する幅広導
体、16はスナバコンデンサ3の電極13と冷却フィン
10(GTO1の陽極の延長)とを接続する幅広導体で
ある。なおスナバダイオード2の冷却については、冷却
フィン11と幅広導体14との一体化において実現して
も良いし、個別に冷却フィンなどの冷却手段を追加して
も良い。
【0036】図6において図1と異なる点は、GTO1
に並列接続されるスナバダイオード2、スナバコンデン
サ3の接続順序であり、具体的には、図1では、GTO
1に並列にGTO1の陽極側から、スナバダイオード
2、スナバコンデンサ3の順で接続しているが、図6で
は、GTO1に並列にGTO1の陽極側から、スナバコ
ンデンサ3、スナバダイオード2の順で接続している。
図6はスナバ回路構造の側面図であり、全ての電極面が
平行の位置関係に配置されており、全ての幅広導体が平
行の位置関係にある。また図7の平面図に示すように、
全ての電極面が直線の位置関係に配置されている。更に
幅広導体の幅の規定も、幅広導体間の相互結合関係も図
1と同様である。つまり図6のスナバ回路構造は、図1
で示したスナバ回路内インダクタンスの低減効果は同等
であることは明かである。
【0037】実施例3.この発明の第3の実施例を図に
ついて説明する。図8は、実施例1の設計概念にもとづ
く他の組合せによる自己消弧形半導体素子のスナバ回路
の構造を示す。1はGTO、2はスナバダイオード、3
はスナバコンデンサ、10はGTO1の陽極に圧接され
た冷却フィン(導体でも良い)、11はGTO1の陰極
に圧接された冷却フィン(導体でも良い)、12、13
はスナバコンデンサ3の電極、14は冷却フィン10と
スナバダイオード2の陽極とを接続する幅広導体、15
はスナバダイオード2の陰極とスナバコンデンサ3の電
極12とを接続する幅広導体、16はスナバコンデンサ
3の電極13と冷却フィン11を接続する幅広導体であ
る。
【0038】図8において図1と異なる点は、GTO1
に対するスナバダイオード2、スナバコンデンサ3の距
離関係であり、具体的には、図1では、GTO1に対し
て、スナバダイオード2がスナバコンデンサ3より近く
配置されているが、図8では、GTO1に対して、スナ
バコンデンサ3がスナバダイオード2より近く配置され
ている。図8に対するスナバ回路構造の側面図は省略す
るが、図8のスナバ回路構造は、図1で示したスナバ回
路内インダクタンスの低減方法を適用していることは明
かであり、スナバ回路内インダクタンスの低減は可能で
ある。
【0039】実施例4.この発明の第4の実施例を図に
ついて説明する。図9は、実施例1の設計概念にもとづ
く他の組合せによる自己消弧形半導体素子のスナバ回路
の構造を示す。1はGTO、2はスナバダイオード、3
はスナバコンデンサ、10はGTO1の陽極に圧接され
た冷却フィン(導体でも良い)、11はGTO1の陰極
に圧接された冷却フィン(導体でも良い)、12、13
はスナバコンデンサ3の電極、14は冷却フィン11と
スナバダイオード2の陰極とを接続する幅広導体、15
はスナバダイオード2の陽極とスナバコンデンサ3の電
極12とを接続する幅広導体、16はスナバコンデンサ
3の電極13と冷却フィン10とを接続する幅広導体で
ある。
【0040】図9において図6と異なる点は、GTO1
に対するスナバダイオード2、スナバコンデンサ3の距
離関係であり、具体的には、図6では、GTO1に対し
て、スナバダイオード2がスナバコンデンサ3より近く
配置されているが、図9では、GTO1に対して、スナ
バコンデンサ3がスナバダイオード2より近く配置され
ている。図9に対するスナバ回路構造の側面図は省略す
るが、図9のスナバ回路構造は、図6で示したスナバ回
路内インダクタンスの低減方法を適用していることは明
かであり、スナバ回路内インダクタンスの低減は可能で
ある。
【0041】実施例5.この発明の第5の実施例を図に
ついて説明する。図10は、実施例1の設計概念を一部
変形して実施した自己消弧形半導体素子のスナバ回路の
構造を示す。1はGTO、2はスナバダイオード、3は
スナバコンデンサ、10はGTO1の陽極に圧接された
冷却フィン(導体でも良い)、11はGTO1の陰極に
圧接された冷却フィン(導体でも良い)、12、13は
スナバコンデンサ3の電極、14は冷却フィン10とス
ナバダイオード2の陽極とを接続する幅広導体、15は
スナバダイオード2の陰極とスナバコンデンサ3の電極
12とを接続する幅広導体、16はスナバコンデンサ3
の電極13と冷却フィン11とを接続する幅広導体であ
る。
【0042】図10において図1と異なる点は、GTO
1、スナバダイオード2の電極面に対して、スナバコン
デンサ3の電極12、13の電極面が平行の位置関係に
配置されていない点である。具体的には、図1では、ス
ナバコンデンサ3の電極12、13の高さを異ならせて
全ての電極を平行の位置関係に配置していたが、図10
では、同じ高さの電極12、13を持つスナバコンデン
サ3を適用し、さらにL字形の幅広導体15、16を適
用している。これにより図1に比較して図10の有利な
点は、幅広導体15の自己インダクタンスが低減され、
ひいてはスナバ回路内インダクタンスを低減できること
である。これは幅広導体15、16の平行でない部分
が、図1の幅広導体16の方に、図10の幅広導体16
よりも多く存在していることに起因する。図10に対す
るスナバ回路構造の側面図は省略するが、図10のスナ
バ回路構造は、図1で示したスナバ回路内インダクタン
スの低減効果と同等以上とすることが可能であることは
明かである。
【0043】実施例6.この発明の第6の実施例を図に
ついて説明する。図11は、実施例1の設計概念を一部
変形して実施した自己消弧形半導体素子のスナバ回路の
構造を示す。1はGTO、2はスナバダイオード、3は
スナバコンデンサ、10はGTO1の陽極に圧接された
冷却フィン(導体でも良い)、11はGTO1の陰極に
圧接された冷却フィン(導体でも良い)、12、13は
スナバコンデンサ3の電極、14は冷却フィン11とス
ナバダイオード2の陰極とを接続する幅広導体、15は
スナバダイオード2の陽極とスナバコンデンサ3の電極
12とを接続する幅広導体、16はスナバコンデンサ3
の電極13と冷却フィン10とを接続する幅広導体であ
る。
【0044】図11において図6と異なる点は、GTO
1、スナバダイオード2の電極面に対して、スナバコン
デンサ3の電極12、13の電極面が平行の位置関係に
配置されていない点である。具体的には、図6では、ス
ナバコンデンサ3の電極12、13の高さを異ならせて
全ての電極を平行の位置関係に配置していたが、図11
では、同じ高さの電極12、13を持つスナバコンデン
サ3を適用し、さらにL字形の幅広導体15、16を適
用している。これにより図6に比較して図11の有利な
点は、幅広導体16の自己インダクタンスが低減され、
ひいてはスナバ回路内インダクタンスを低減できること
である。これは幅広導体15、16の平行でない部分
が、図6の幅広導体16の方に、図11の幅広導体16
よりも多く存在していることに起因する。図11に対す
るスナバ回路構造の側面図は省略するが、図11のスナ
バ回路構造は、図6で示したスナバ回路内インダクタン
スの低減効果と同等以上とすることが可能であることは
明かである。
【0045】実施例7.この発明の第7の実施例を図に
ついて説明する。図12は、実施例1の設計概念を一部
変形して実施した自己消弧形半導体素子のスナバ回路の
構造を示す。1はGTO、2はスナバダイオード、3は
スナバコンデンサ、10はGTO1の陽極に圧接された
冷却フィン(導体でも良い)、11はGTO1の陰極に
圧接された冷却フィン(導体でも良い)、12、13は
スナバコンデンサ3の電極、14は冷却フィン10とス
ナバダイオード2の陽極とを接続する幅広導体、15は
スナバダイオード2の陰極とスナバコンデンサ3の電極
12とを接続する幅広導体、16はスナバコンデンサ3
の電極13と冷却フィン11とを接続する幅広導体であ
る。
【0046】図12において図2と異なる点は、スナバ
ダイオード2、スナバコンデンサ3の電極面に対して、
GTO1の電極面が直線の位置関係に配置されていない
点である。具体的には、図2では、直線AB、直線B
C、直線DAが一直線上に位置するが、図12では直線
AB、直線ADが直線BCの直線上に位置しない。しか
し図12に対するスナバ回路構造の側面図が図1と同じ
である場合、全ての電極面は平行の位置関係にあり、全
ての幅広導体は平行の位置関係にある。また図12に示
す様に幅広導体の幅の規定も満足している。図12のス
ナバ回路構造は、全ての電極面が直線上にないこと以外
は、図2で示したスナバ回路内インダクタンスの低減効
果とほぼ同等とすることが可能であることは明かであ
る。
【0047】実施例8.この発明の第8の実施例を図に
ついて説明する。図13は、実施例1の設計概念を一部
変形して実施した自己消弧形半導体素子のスナバ回路の
構造を示す。1はGTO、2はスナバダイオード、3は
スナバコンデンサ、10はGTO1の陽極に圧接された
冷却フィン(導体でも良い)、11はGTO1の陰極に
圧接された冷却フィン(導体でも良い)、12、13は
スナバコンデンサ3の電極、14は冷却フィン10とス
ナバダイオード2の陽極とを接続する幅広導体、15は
スナバダイオード2の陰極とスナバコンデンサ3の電極
12とを接続する幅広導体、16はスナバコンデンサ3
の電極13と冷却フィン11とを接続する幅広導体であ
る。
【0048】図13において図2と異なる点は、スナバ
ダイオード2、スナバコンデンサ3の電極面に対して、
GTO1の電極面が直線の位置関係に配置されていない
点である。具体的には、図2では、直線AB、直線B
C、直線DAが一直線上に位置するが、図13では直線
AB、直線ADが直線BCの直線上に位置しない。しか
し図13に対するスナバ回路構造の側面図が図1と同じ
である場合、全ての電極面は平行の位置関係にあり、全
ての幅広導体は平行の位置関係にある。図13に示す様
に幅広導体の幅の規定も満足している。更にその幅広導
体の幅について図12に比較して有利な点は、上面図か
ら見て、GTO1の電極とスナバダイオード2の電極と
の接線P1、P2が幅広導体14の内側にあり、スナバ
ダイオード2の電極とスナバコンデンサ3の電極12と
の接線Q1、Q2が幅広導体15の内側にあり、更にス
ナバコンデンサ3の電極13とGTO1の電極との接線
R1、R2が幅広導体16の内側にあるため、GTO1
の遮断時のスナバ回路にバイパスされる高周波電流によ
る電界集中を避けることができる。図12では、特に冷
却フィン10と幅広導体14の接続部において電界集中
が生じる場合がある。電界集中が生じると局部的に熱損
失が発生し、GTO1の接合温度上昇を招き、ひいては
素子破壊の要因となる。従って図13に示すスナバ回路
構造は、全ての電極が直線上にないこと以外は、図2で
示したスナバ回路内インダクタンスの低減効果とほぼ同
等とすることが可能であり、幅広導体内の温度上昇の均
一化が可能なことは明かである。なおこの電界集中を避
けるための幅広導体の幅についての考え方は、他の実施
例に適用できることは言うまでもない。更に図13では
幅広導体14、15、16を上面図で見て、長方形のも
のを適用したが、例えば幅広導体14であれば、接線P
1に沿って切断された形状の幅広導体14を適用するなど
して、幅広導体のコストを低減することも可能である。
またインダクタンスの低減の観点からは、各電極中心が
直線上になくても、平面図上で重なり合う2つの幅広導
体のうち幅のせまいものが幅のひろいものに平面図上で
含まれていればよい。
【0049】実施例9.この発明の第9の実施例を図に
ついて説明する。図14は、実施例1の設計概念を直列
接続された複数の自己消弧形半導体素子のスナバ回路に
適用した場合の構造を示す。1A、1BはGTO、2
A、2Bはスナバダイオード、3A、3Bはスナバコン
デンサである。GTO1Aに注目すると、10AはGT
O1Aの陽極に圧接された冷却フィン(導体でも良
い)、11AはGTO1の陰極に圧接された冷却フィン
(導体でも良い)、12A、13Aはスナバコンデンサ
3Aの電極、14Aは冷却フィン10Aとスナバダイオ
ード2Aの陽極とを接続する幅広導体、15Aはスナバ
ダイオード2Aの陰極とスナバコンデンサ3Aの電極1
2Aとを接続する幅広導体、16Aはスナバコンデンサ
3Aの電極13Aと冷却フィン11Aとを接続する幅広
導体である。なおスナバダイオード2Aの冷却について
は、冷却フィン10Aと幅広導体14Aとの一体化にお
いて実現しても良いし、個別に冷却フィンなどの冷却手
段を追加しても良い。またGTO1Bの構造についても
GTO1Aに対する構造と同じであるため、説明は省略
する。
【0050】図14は直列接続された複数のGTO1
A、1Bの陽極と陰極に対して、図1をそのまま適用し
た場合を示している。従ってスナバ回路内インダクタン
スの低減効果は、図1と同等であることは明かである。
また複数の直列接続されたGTOに並列接続されるスナ
バ回路の接続方法は図15に示す4通りが考えられる。図
14は図15(1)の具体的構造であるが、例えば図1
5(2)について側面図を考慮すれば、図1と図6の組
合せ、あるいは図10と図11の組合せ等からも構成可
能であることは明かである。他の図15(3) 、
(4)についても既に記載した実施例の組合せにより実
現できる。
【0051】また、この実施例では複数の自己消弧型半
導体素子を直列接続したものを示したが、直並列接続し
たものについても同様にこの発明を適用できる。
【0052】実施例10.この発明の第10の実施例を
図について説明する。図16、図17は、実施例1の設
計概念を一部変形して実施した自己消弧形半導体素子の
スナバ回路の構造を示す。図16は平面図、図17は側
面図であり、スナバコンデンサとその接続手段などは説
明上省略している。図14と異なる点は、スナバダイオ
ード2A、2Bの中心B1、B2が、平面図で見て同じ
位置に無い点である。しかし、図16のように全ての電
極面が平行の位置関係にあり、また幅広導体が平行の位
置関係にあり、かつGTO1Aに対してスナバダイオー
ド2A、図示しないスナバコンデンサ3Aが中心線SS
上にありGTO1Bに対してスナバダイオード2B、図
示しないスナバコンデンサ3Bが中心線SSと角度を持
つ中心線TT上にある場合、結局方向1、方向2から見
たそれぞれのスナバ回路構造の側面図は図1と同じであ
る。従って図1と同様に、各々のスナバ回路内インダク
タンスの低減を実現できることは明かである。なお図1
6では、中心線SSと中心線TTが作る内角が直角であ
る場合を示したが、この内角が直角である必然性は無
く、特に制限はない。
【0053】実施例11.この発明の第11の実施例を
図について説明する。図18は中間電位点Cを有する直
流電源17の正負母線P、N間に直列接続された自己消
弧形半導体素子1A、1B、1C、1D(一例としてG
TO)と、それらの各々に逆並列接続されたフリーホイ
ールダイオード18A、18B、18C、18Dと、G
TO1AとGTO1Bとの接続点および中間電位点C間
に接続されたクランプダイオード19Aと、GTO1C
とGTO1Dとの接続点および中間電位点C間に接続さ
れたクランプダイオード19Bと、GTO1BとGTO
1Cとの接続点に設けられた出力端子Oとを備え、GT
O1AからGTO1Dのスイッチング動作により直流電
源17の正負母線P、Nの電圧と中間電位点Cの電圧の
3つの電圧レベルを出力端子Oに出力できる電力変換装
置、即ち3レベルインバータ装置である。なおアノード
リアクトル、スナバ抵抗あるいはスナバエネルギー回生
回路など追加的な構成要素は、本発明に直接関係しない
ため省略している。
【0054】この3レベルインバータ装置を構成する各
々のGTOの電流遮断時にかかる急峻な電圧上昇率を抑
制するためのスナバ回路の接続について説明する。この
3レベルインバータ装置のスナバ回路としては、GTO
1Aに並列接続されたスナバコンデンサ3Aとスナバダ
イオード2Aからなるスナバ回路と、クランプダイオー
ド19Aの陽極とフリーホイールダイオード18Cの陽
極に接続されたスナバダイオード2Bとスナバコンデン
サ3Bからなるスナバ回路と、フリーホイールダイオー
ド18Bの陰極とクランプダイオード19Bの陰極に接
続されたスナバコンデンサ3Cとスナバダイオード2C
からなるスナバ回路と、GTO1Dに並列接続されたス
ナバコンデンサ3Dとスナバダイオード2Dからなるス
ナバ回路が接続されている。例えばGTO1Aについて
は、図19(1)に示すように、電流(a)をGTO1
Aが遮断すると、電流(b)にバイパスされ、スナバ回
路にあるスナバコンデンサ3Aの充電動作により、GT
O1Aにかかる電圧上昇率を抑制することができる。G
TO1Dについても同様である。またGTO1Bについ
ては、図19(2)に示すように、電流(a)をGTO
1Bが遮断すると、電流(b)にバイパスされ、スナバ
回路にあるスナバコンデンサ3Bの充電動作により、G
TO1Bにかかる電圧上昇率を抑制することができる。
GTO1Cについても同様である。
【0055】図18に示すGTO1A、GTO1Dに対
するスナバ回路については、前述したスナバ回路構造の
実施例のいずれかをそのまま適用できる。しかしGTO
1B、GTO1Cに対するスナバ回路については、前述
した実施例をそのまま適用できないことは、図19
(1)と図19(2)に示す電流遮断動作の違いからも
明かである。
【0056】ここでは特にGTO1B、GTO1Cに対
して、インダクタンス低減が実現できるスナバ回路の構
造について図を用いて説明する。まず図20にはGTO
1Bに対するスナバ回路の構造の側面図を示す。1Bは
GTO、2Bはスナバダイオード、3Bはスナバコンデ
ンサ、10BはGTO1Bの陽極に圧接された冷却フィ
ン(導体でも良い)、11BはGTO1Bの陰極に圧接
された冷却フィン(導体でも良い)であり、出力端子O
に接続される。20Bはクランプダイオード19Aの冷
却フィン(導体でも良い)であり、中間電位点Cと接続
される。21Bはフリーホイールダイオード18Cの冷
却フィン(導体でも良い)である。12B、13Bはス
ナバコンデンサ3Bの電極、14Bは冷却フィン20B
とスナバダイオード2Bの陽極とを接続する幅広導体、
15Bはスナバダイオード2Bの陰極とスナバコンデン
サ3Bの電極12Bとを接続する幅広導体、16Bはス
ナバコンデンサ3Bの電極13Bと冷却フィン21Bを
接続する幅広導体である。なおスナバダイオード2Bの
冷却については、冷却フィン20Bと幅広導体14Bと
の一体化において実現しても良いし、個別に冷却フィン
などの冷却手段を追加しても良い。
【0057】図20では、全ての電極面が平行の位置関
係にあり、かつ直線の位置関係にもある。また幅広導体
の規定も満足することが可能である。図1に追加された
クランプダイオード19A 、フリーホイールダイオー
ド18Cについては、クランプダイオード19Aとスナ
バダイオード2Bとの、あるいはフリーホイールダイオ
ード18Cと幅広導体15Bの斜線部分との電流極性が
逆方向であることを考慮すれば、相互結合関係にある。
また幅広導体15Bと16Bは、部分的ではあるが極力
平行の位置関係を保つように配置されている。すなわ
ち、本実施例においても実施例1の設計概念を可能な限
り適用しているので、実施例1と同様にスナバ回路内イ
ンダクタンスの低減を実現できる。
【0058】次に、図21にはGTO1Cに対するスナバ
回路の構造の側面図を示す。1CはGTO、2Cはスナ
バダイオード、3Cはスナバコンデンサ、10CはGT
O1Cの陽極に圧接された冷却フィン(導体でも良い)
であり、出力端子Oに接続される。11CはGTO1C
の陰極に圧接された冷却フィン(導体でも良い)であ
り、20Cはクランプダイオード19Bの冷却フィン
(導体でも良い)であり、中間電位点Cと接続される。
21Cはフリーホイールダイオード18Bの冷却フィン
(導体でも良い)である。12C、13Cはスナバコン
デンサ3Cの電極、14Cは冷却フィン20Cとスナバ
ダイオード2Cの陰極とを接続する幅広導体、15Cは
スナバダイオード2Cの陽極とスナバコンデンサ3Cの
電極12Cとを接続する幅広導体、16Cはスナバコン
デンサ3Cの電極13Cと冷却フィン21Cを接続する
幅広導体である。なおスナバダイオード2Cの冷却につ
いては、冷却フィン20Cと幅広導体14Cとの一体化
において実現しても良いし、個別に冷却フィンなどの冷
却手段を追加しても良い。
【0059】図21においても図20と同様、全ての電
極面が平行の位置関係にあり、かつ直線の位置関係にも
ある。また幅広導体の幅の規定も満足することが可能で
ある。図1に追加されたクランプダイオード19B 、
フリーホイールダイオード18Bについては、クランプ
ダイオード19Bとスナバダイオード2Cとの、あるい
はフリーホイールダイオード18Bと幅広導体15Cの
斜線部分との電流極性が逆方向であることを考慮すれ
ば、相互結合関係にある。また幅広導体15Cと16C
は、部分的ではあるが極力平行の位置関係を保つように
配置されている。すなわち、本実施例においても実施例
1の設計概念を可能な限り適用しているので、実施例1
と同様にスナバ回路内インダクタンスの低減を実現でき
る。
【0060】なお、当然のことながら前述した他の実施
例を、GTO1B、GTO1Cのスナバ回路に適用し、
スナバ回路内インダクタンスを低減することも可能であ
る。例えば図20のスナバコンデンサ3Bについて、図
10に示したスナバコンデンサを適用しても良いことな
どは言うまでもない。
【0061】実施例12.この発明の第12の実施例を
図について説明する。図22は中間電位点Cを有する直
流電源17の正負母線P、N間に直列接続された自己消
弧形半導体素子1A、1B、1C、1D(一例としてG
TO)と、それらの各々に逆並列接続されたフリーホイ
ールダイオード18A、18B、18C、18Dと、G
TO1AとGTO1Bとの接続点および中間電位点C間
に接続されたクランプダイオード19Aと、GTO1C
とGTO1Dとの接続点および中間電位点C間に接続さ
れたクランプダイオード19Bと、GTO1BとGTO
1Cとの接続点に設けられた出力端子Oとを備え、GT
O1AからGTO1Dのスイッチング動作により直流電
源17の正負母線P、Nの電圧と中間電位点Cの電圧の
3つの電圧レベルを出力端子Oに出力できる電力変換装
置、即ち3レベルインバータ装置である。なおアノード
リアクトル、スナバ抵抗あるいはスナバエネルギー回生
回路など追加的な構成要素は、本発明に直接関係しない
ため省略している。
【0062】この3レベルインバータ装置を構成する各
々のGTOの電流遮断時にかかる急峻な電圧上昇率を抑
制するためのスナバ回路の接続について説明する。この
装置のスナバ回路としては、GTO1Aに並列接続され
たスナバコンデンサ3Aとスナバダイオード2Aからな
るスナバ回路と、クランプダイオード19Aの陽極とG
TO1Bの陰極に接続されたスナバコンデンサ3Bとス
ナバダイオード2からなるスナバ回路と、GTO1Cの
陽極とクランプダイオード19Bの陰極に接続されたス
ナバダイオード2Cとスナバコンデンサ3Cからなるス
ナバ回路と、GTO1Dに並列接続されたスナバダイオ
ード2Dとスナバコンデンサ3Dからなるスナバ回路が
接続されている。例えばGTO1Aについては、図23
(1)に示すように、電流(a)をGTO1Aが遮断す
ると、電流(b)にバイパスされ、スナバ回路にあるス
ナバコンデンサ3Aの充電動作により、GTO1Aにか
かる電圧上昇率を抑制することができる。GTO1Dに
ついても同様である。またGTO1Bについては、図2
3(2)に示すように、電流(a)をGTO1Bが遮断
すると、電流(b)にバイパスされ、スナバ回路にある
スナバコンデンサ3Bの充電動作により、GTO1Bに
かかる電圧上昇率を抑制することができる。GTO1C
についても同様である。
【0063】図22に示すGTO1A、GTO1Dに対
するスナバ回路については、前述したスナバ回路構造の
実施例のいずれかをそのまま適用できる。しかしGTO
1B、GTO1Cに対するスナバ回路については、前述
した実施例をそのまま適用できないことは、図23
(1)と図23(2)に示す電流遮断動作の違いからも
明かである。
【0064】ここでは特にGTO1B、GTO1Cに対
して、インダクタンス低減が実現できるスナバ回路の構
造について図を用いて説明する。まず図24にはGTO
1Bに対するスナバ回路の構造の側面図を示す。1Bは
GTO、2Bはスナバダイオード、3Bはスナバコンデ
ンサ、10BはGTO1Bの陽極に圧接された冷却フィ
ン(導体でも良い)、11BはGTO1Bの陰極に圧接
された冷却フィン(導体でも良い)であり、出力端子O
に接続される。20Bはクランプダイオード19Aの冷
却フィン(導体でも良い)であり、中間電位点Cと接続
される。12B、13Bはスナバコンデンサ3Bの電
極、14Bは冷却フィン11Bとスナバダイオード2B
の陰極とを接続する幅広導体、15Bはスナバダイオー
ド2Bの陽極とスナバコンデンサ3Bの電極12Bとを
接続する幅広導体、16Bはスナバコンデンサ3Bの電
極13Bと冷却フィン20Bを接続する幅広導体であ
る。なおスナバダイオード2Bの冷却については、冷却
フィン11Bと幅広導体14Bとの一体化において実現
しても良いし、個別に冷却フィンなどの冷却手段を追加
しても良い。
【0065】図24では、全ての電極面が平行の位置関
係にあり、かつ直線の位置関係にもある。また幅広導体
の幅の規定も満足することが可能である。図1に追加さ
れたクランプダイオード19Aについては、クランプダ
イオード19Aと幅広導体15Bの斜線部分との電流極
性が逆方向であることを考慮すれば、相互結合関係にあ
る。また幅広導体15Bと16Bは、部分的ではあるが
極力平行の位置関係を保つように配置されている。すな
わち、本実施例においても実施例1の設計概念を可能な
限り適用しているので、実施例1と同様にスナバ回路内
インダクタンスの低減を実現できる。
【0066】次に、図25にはGTO1Cに対するスナバ
回路の構造の側面図を示す。1CはGTO、2Cはスナ
バダイオード、3Cはスナバコンデンサ、10CはGT
O1Cの陽極に圧接された冷却フィン(導体でも良い)
であり、出力端子Oに接続される。11CはGTO1C
の陰極に圧接された冷却フィン(導体でも良い)であ
り、20Cはクランプダイオード19Bの冷却フィン
(導体でも良い)であり、中間電位点Cと接続される。
12C、13Cはスナバコンデンサ3Cの電極、14C
は冷却フィン10Cとスナバダイオード2Cの陽極とを
接続する幅広導体、15Cはスナバダイオード2Cの陰
極とスナバコンデンサ3Cの電極12Cとを接続する幅
広導体、16Cはスナバコンデンサ3Cの電極13Cと
冷却フィン20Cを接続する幅広導体である。なおスナ
バダイオード2Cの冷却については、冷却フィン10C
と幅広導体14Cとの一体化において実現しても良い
し、個別に冷却フィンなどの冷却手段を追加しても良
い。
【0067】図25においても図24と同様、全ての電
極面が平行の位置関係にあり、かつ直線の位置関係にも
ある。また幅広導体の幅の規定も満足することが可能で
ある。図1に追加されたクランプダイオード19Bにつ
いては、クランプダイオード19Bと幅広導体15Cの
斜線部分との電流極性が逆方向であることを考慮すれ
ば、相互結合関係にある。また幅広導体15Cと16C
は、部分的ではあるが極力平行の位置関係を保つように
配置されている。すなわち、本実施例においても実施例
1の設計概念を可能な限り適用しているので、実施例1
と同様にスナバ回路内インダクタンスの低減を実現でき
る。
【0068】なお、当然のことながら前述した他の実施
例を、GTO1B、GTO1Cのスナバ回路に適用し、
スナバ回路内インダクタンスを低減することも可能であ
る。例えば図25のスナバコンデンサ3Cについて、図
10に示したスナバコンデンサを適用しても良いことな
どは言うまでもない。
【0069】実施例13.この発明の第13の実施例を
図について説明する。図26、図27は、実施例1の設
計概念を一部変形して実施した自己消弧形半導体素子の
スナバ回路の構造を示す。1はGTO、2はスナバダイ
オード、3はスナバコンデンサ、10はGTO1の陽極
に圧接された冷却フィン(導体でも良い)、11はGT
O1の陰極に圧接された冷却フィン(導体でも良い)、
12、13はスナバコンデンサ3の電極、14は冷却フ
ィン11とスナバダイオード2の陽極とを接続する幅広
導体、15はスナバダイオード2の陰極とスナバコンデ
ンサ3の電極12とを接続する幅広導体、16はスナバ
コンデンサ3の電極13と冷却フィン11とを接続する
幅広導体である。
【0070】図1と異なる点はスナバダイオード2の電
極間距離と、スナバコンデンサ3の電極12、13の電
極間距離との和より、かなりGTO1の電極間距離が大
きい点である。この様な場合に、スナバ回路内インダク
タンスを低減するためには、図26、図27に示すよう
に、全ての電極面が直線の位置関係にあるように配置
し、幅広導体の幅の規定を遵守し、幅広導体15と1
6、幅広導体14と16を極力、相互結合関係を持たせ
るよう近接させて配置することが有利である。
【0071】実施例14.この発明の第14の実施例を
図について説明する。図28は、実施例1の設計概念を
一部変形して実施した自己消弧形半導体素子のスナバ回
路の構造を示す。1はGTO、2はスナバダイオード、
3はスナバコンデンサ、10はGTO1、スナバダイオ
ード2に圧接された冷却フィン(導体でも良い)、11
はGTO1の陰極に圧接された冷却フィン(導体でも良
い)、12、13はスナバコンデンサ3の電極、15は
スナバダイオード2の陰極とスナバコンデンサ3の電極
12とを接続する幅広導体、16はスナバコンデンサ3
の電極13と冷却フィン11とを接続する幅広導体であ
る。
【0072】図1と異なる点はGTO1とスナバダイオ
ード2を同じ圧接構造内に収めた点である。前述した実
施例に用いた図においては、GTO1とスナバダイオー
ド2の電極面の直径についてはGTO1が大きく、同じ
圧接構造内に収めた場合に、均一な電極面同士の接触が
不可能である場合を仮定した。即ちGTO1とスナバダ
イオード2は異なる圧接構造に収められることを前提と
した。しかし図28のようにGTO1とスナバダイオード
2の電極面の直径が、同一圧接構造内に収めることを許
容できる条件にある場合に、スナバ回路内インダクタン
スを低減するためには、図28に示すように全ての電極
面が直線の位置関係にあるように配置し、幅広導体の幅
の規定を遵守し、幅広導体15と16を極力、相互結合
関係を持たせるよう近接させて配置することが有利であ
る。
【0073】実施例15.前述した実施例の説明に用い
た図において、自己消弧形半導体素子、ダイオード、冷
却フィンなどを圧接して、熱伝導を保証し、温度分布の
均一化を図るための圧接手段は実用上は必ず追加されな
ければならない。さらに絶縁距離あるいは縁面距離を保
証するための絶縁物の挿入などは自己消弧形半導体素子
に印加される電圧に依存するため省略しているが、これ
についても実用上は適宜追加されなければならない。例
えば図1において、特に幅広導体15と幅広導体16の
間に挿入される絶縁物については、誘電率の大きな誘電
体を挿入すれば、等価的にスナバコンデンサの静電容量
が増加され、自己消弧形半導体素子が電流遮断した場合
にかかる電圧上昇率を抑制でき、ひいては自己消弧形半
導体素子の損失を低減できる。
【0074】
【発明の効果】本発明にかかる電力変換装置は、スナバ
回路のインダクタンスを低減でき、従って自己消弧形半
導体素子の遮断時における損失を低減することができ
る。
【0075】また、第2の幅広導体と第3の幅広導体と
の間が所定距離になるよう上記第2の幅広導体と上記第
3の幅広導体との間に誘電体を配置する場合には、スナ
バコンデンサの容量を等価的に増加させ、自己消弧形半
導体素子の遮断時における損失を低減することができ
る。
【0076】また、上記電力変換装置を複数備え、上記
電力変換装置の自己消弧型半導体素子が各々直列又は直
並列に接続されるようにする場合には、高電圧または大
電力の電力変換装置においてスナバ回路のインダクタン
スを低減し、自己消弧形半導体素子の遮断時における損
失を低減することができる。
【0077】また、電力変換装置が3レベルインバータ
である場合には、3レベルインバータにおいて、スナバ
回路のインダクタンスを低減し、自己消弧形半導体素子
の遮断時における損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例によるスナバ回路構
造の側面図である。
【図2】 この発明の第1の実施例によるスナバ回路構
造の平面図である。
【図3】 スナバコンデンサ電極の中心を説明する図で
ある。
【図4】 スナバ回路の構造モデルを示す図である。
【図5】 スナバ回路内インダクタンス特性を示す図で
ある。
【図6】 この発明の第2の実施例によるスナバ回路構
造の側面図である。
【図7】 この発明の第2の実施例によるスナバ回路構
造の平面図である。
【図8】 この発明の第3の実施例によるスナバ回路構
造の側面図である。
【図9】 この発明の第4の実施例によるスナバ回路構
造の側面図である。
【図10】 この発明の第5の実施例によるスナバ回路
構造の側面図である。
【図11】 この発明の第6の実施例によるスナバ回路
構造の側面図である。
【図12】 この発明の第7の実施例によるスナバ回路
構造の側面図である。
【図13】 この発明の第8の実施例によるスナバ回路
構造の平面図である。
【図14】 この発明の第9の実施例によるスナバ回路
構造の平面図である。
【図15】 直列接続された自己消弧形半導体素子に対
するスナバ回路の接続例を示す図である。
【図16】 この発明の第10の実施例によるスナバ回
路構造の平面図である。
【図17】 この発明の第10の実施例によるスナバ回
路構造の側面図である。
【図18】 この発明の第11の実施例に記載の3レベ
ルインバータ装置の回路構成図である。
【図19】 この発明の第11の実施例に記載の3レベ
ルインバータ装置に適用するスナバ回路の動作を説明す
る図である。
【図20】 この発明の第11の実施例によるスナバ回
路構造の側面図である。
【図21】 この発明の第11の実施例によるスナバ回
路構造の側面図である。
【図22】 この発明の第12の実施例に記載の3レベ
ルインバータ装置の回路構成図である。
【図23】 この発明の第12の実施例に記載の3レベ
ルインバータ装置に適用するスナバ回路の動作を説明す
る図である。
【図24】 この発明の第12の実施例によるスナバ回
路構造の側面図である。
【図25】 この発明の第12の実施例によるスナバ回
路構造の側面図である。
【図26】 この発明の第13の実施例によるスナバ回
路構造の側面図である。
【図27】 この発明の第13の実施例によるスナバ回
路構造の側面図である。
【図28】 この発明の第14の実施例によるスナバ回
路構造の側面図である。
【図29】 従来のスナバ回路構造を示す図である。
【図30】 自己消弧形半導体素子に適用するスナバ回
路の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 自己消弧形半導体素子 2 スナバ
ダイオード 3 スナバコンデンサ 10、11
冷却フィン 12、13 スナバコンデンサの電極 14、15、
16 幅広導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48 H02M 1/00 H02M 1/06 H02M 7/5387

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端に各々電極を有してなる円盤状の自
    己消弧型半導体素子と、両端に各々電極を有し上記自己
    消弧型半導体素子のバイパス回路として上記自己消弧型
    半導体素子の一方の電極と電気的に接続される円盤状の
    スナバダイオードと、一端が上記自己消弧型半導体素子
    の一方の電極に他端が上記スナバダイオードの一方の電
    極に接続される第1の幅広導体と、少なくとも2つの電
    極を有し上記自己消弧型半導体素子のバイパス回路とし
    て一方の電極が上記自己消弧型半導体素子の他方の電極
    に他方の電極が上記スナバダイオードの他方の電極に電
    気的に接続されるスナバコンデンサと、一端が上記自己
    消弧型半導体素子の他方の電極に他端が上記スナバコン
    デンサの一方の電極に接続され上記自己消弧型半導体素
    子の電極面と平行な方向に延在する第2の幅広導体と、
    一端が上記スナバダイオードの他方の電極に他端が上記
    スナバコンデンサの他方の電極に接続され上記自己消弧
    型半導体素子の電極面と平行な方向に上記第2の幅広導
    体と所定距離へだてて対向しながら延在する第3の幅広
    導体とを備えたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 【請求項2】 両端に各々電極を有してなる円盤状の自
    己消弧型半導体素子及び両端に各々電極を有してなる円
    盤状のダイオードで構成され、上記自己消弧型半導体素
    子の一方の電極に上記ダイオードの一方の電極が接続さ
    れた半導体直列体と、両端に各々電極を有し上記自己消
    弧型半導体素子のバイパス回路として上記半導体直列体
    の一方の電極と電気的に接続される円盤状のスナバダイ
    オードと、一端が上記半導体直列体の一方の電極に他端
    が上記スナバダイオードの一方の電極に接続される第1
    の幅広導体と、少なくとも2つの電極を有し上記自己消
    弧型半導体素子のバイパス回路として一方の電極が上記
    半導体直列体の他方の電極に他方の電極が上記スナバダ
    イオードの他方の電極に電気的に接続されるスナバコン
    デンサと、一端が上記半導体直列体の他方の電極に他端
    が上記スナバコンデンサの一方の電極に接続され上記自
    己消弧型半導体素子の電極面と平行な方向に延在する第
    2の幅広導体と、一端が上記スナバダイオードの他方の
    電極に他端が上記スナバコンデンサの他方の電極に接続
    され上記自己消弧型半導体素子の電極面と平行な方向に
    上記第2の幅広導体と所定距離へだてて対向しながら延
    在する第3の幅広導体とを備えたことを特徴とする電力
    変換装置。
  3. 【請求項3】 スナバダイオードが、自己消弧型半導体
    素子の一方の電極面を含む平面と上記自己消弧型半導体
    素子の他方の電極面を含む平面との間に位置することを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力変換装
    置。
  4. 【請求項4】 自己消弧型半導体素子の一方の電極は、
    陽極とこの陽極に接続された冷却体又は導体とを有して
    おり、他方の電極は、陰極とこの陰極に接続された冷却
    体又は導体とを有していることを特徴とする請求項3記
    載の電力変換装置。
  5. 【請求項5】 自己消弧型半導体素子の他方の電極に電
    気的に接続されるスナバコンデンサの電極と、スナバダ
    イオードの他方の電極に電気的に接続される上記スナバ
    コンデンサの電極とが上記スナバコンデンサの同一面に
    設けられていることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の電力変換装置。
  6. 【請求項6】 自己消弧型半導体素子の電極面がスナバ
    ダイオードの電極面と平行になるように配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    電力変換装置。
  7. 【請求項7】 第1の導体が自己消弧型半導体素子の電
    極面と平行な方向に延在するように配置されていること
    を特徴とする請求項6記載の電力変換装置。
  8. 【請求項8】 第2の幅広導体と第3の幅広導体との間
    が所定距離になるよう上記第2の幅広導体と上記第3の
    幅広導体との間に誘電体を配置したことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 【請求項9】 幅広導体の幅は、この幅広導体が接続さ
    れる電極面の上記幅広導体の幅方向の長さよりも大きい
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    電力変換装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    電力変換装置を複数備え、上記電力変換装置の自己消弧
    型半導体素子が各々直列又は直並列に接続されているこ
    とを特徴とする電力変換装置。
  11. 【請求項11】 電力変換装置が3レベルインバータで
    あることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記
    載の電力変換装置。
  12. 【請求項12】 自己消弧型半導体素子と、上記自己消
    弧型半導体素子のバイパス回路として上記自己消弧型半
    導体素子に電気的に接続されたスナバダイオード及びス
    ナバコンデンサとを備えた電力変換装置において、 上記自己消弧型半導体素子と上記スナバダイオードが取
    付けられ、上記自己消弧型半導体素子と上記スナバダイ
    オードとを電気的に接続する第1の導体と、上記スナバ
    ダイオードの上記第1の導体が取付けられた面とは反対
    側の面と上記スナバコンデンサとを接続するように取付
    けられた第2の導体と、上記スナバコンデンサと上記自
    己消弧型半導体素子の上記第1の導体が取付けられた面
    とは反対側の面とを接続し上記第2の導体と平行となる
    ように取付けられた第3の導体と、上記第2の導体と上
    記第3の導体の間に誘電体とが設けられたことを特徴と
    する電力変換装置。
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