JP3390103B2 - ガス流通弁 - Google Patents

ガス流通弁

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JP3390103B2
JP3390103B2 JP07639495A JP7639495A JP3390103B2 JP 3390103 B2 JP3390103 B2 JP 3390103B2 JP 07639495 A JP07639495 A JP 07639495A JP 7639495 A JP7639495 A JP 7639495A JP 3390103 B2 JP3390103 B2 JP 3390103B2
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可成 谷
和義 平島
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株式会社平野屋物産
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種袋、箱、缶等の容
器に好適に用いることができるシール性の高いガス流通
弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、コーヒー豆等を密封袋
(箱、缶を含む)内に収納すると、自ら炭酸ガスを発生
し、同炭酸ガスが袋内に充満する。同様に、味噌等を密
封袋内に収納すると、これらも自らガスを出し、同ガス
が袋内に充満することになる。
【0003】さらに、コーヒー、紅茶、お茶等の製品を
加熱して密封袋内に収納すると、密封後、内部に収納さ
れたコーヒー、紅茶、お茶等から炭酸ガスが発生し、同
様に袋内に炭酸ガスが充満することになる。そのため、
この状態を放置すると、密封袋が膨らみ、ついには同袋
が破れるおそれがある。
【0004】上記した問題を解決するため、従来におい
ても、容器内部に発生したガスを外部に排出する一方
で、外部の空気の流入を阻止する手段として、図8〜図
11に示すような逆止弁機能を有するガス流通弁Bがあ
る。
【0005】図示するように、かかるガス流通弁Bは、
小径のガス流出孔101を設けた容器100の外表面に、環状
樹脂基板102を、ガス流出孔101を同心円的に囲む状態で
溶着し、同環状樹脂基板102上に薄肉樹脂フィルムから
なる弁板103を展延状態に載置し、さらに、同弁板103上
に、左右対象に、同一形状の弧状セグメントからなる押
圧樹脂板104,104を載置するとともに、これらの樹脂押
圧板104,104を弁板103及び環状樹脂基板102に一体的に
溶着している。また、押圧樹脂板104,104の内側直線部1
04a,104a間には非押圧部105が形成されている。
【0006】かかる構成によって、常態では、環状樹脂
基板102上に展延した薄肉樹脂フィルムからなる弁板103
によって、ガス流出孔101は閉塞されているので、ガス
流通弁Bは、外部の空気が容器100の内部に流入するの
を防止することができる。
【0007】一方、容器100の内部のガス圧が上昇する
と、押圧樹脂板104,104によって押圧されていない非押
圧部105に対応する弁板103の部分が、上昇したガス圧に
よって膨張し、環状樹脂基板102の上面と弁板103との間
に空気流通路が形成されることになり、容器100に発生
したガスが、ガス流出孔101及び空気流通路を通して外
部に流出することになる。
【0008】このように、図8〜図11に示すガス流通
弁Bを用いることによって、常態では容器の気密性を確
保することができるとともに、ガスが発生した場合は効
果的にガスを外部に除去することができ、ガス圧の異常
上昇に起因する容器の破裂事故を防止することができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のガス流通弁Bは、未だ、以下の解決すべき課題を有し
ていた。
【0010】即ち、上記したガス流通弁Bでは、常態で
は、弁板103は、単に展延常態で環状樹脂基板102に載置
されている、即ち、いわゆる自然密着状態にある。
【0011】従って、薄肉樹脂フィルムからなる弁板10
3は、容器100内にガスが発生していない場合であって
も、環状樹脂基板102との間にわずかな間隙を形成する
場合があり、同間隙を通して空気が内部に流入した場
合、内容物の劣化を早めることになっていた。
【0012】本発明は、上記した課題を解決することが
できるガス流通弁を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のガス流通弁で
は、容器に取付け、容器内に発生するガスを容器外に排
出するが、容器外の空気が容器内に流入するのを阻止可
能としたガス流通弁であって、容器の一側側壁に配設す
る弁座形成板と、同弁座形成板上面に重合させる弁板と
から構成し、弁座形成板と弁板の少なくともいずれか一
方が磁性体であって、磁力により互いに吸着すべく構成
したガス流通弁において、弁座形成板には、容器の一側
側壁に設けたガス流出孔と連通する透孔を設け、弁板
は、その一部を接着剤によって弁座形成板周縁部に接着
するとともに弁座形成板上面に吸着させることにより透
孔を閉塞すべく構成し、容器内のガス圧が設定値以上に
なった場合に、弁板が、接着剤による弁座形成板への接
着部分をヒンジ部として、他の部分を、磁力に抗して上
下方向にわずかに屈曲させて弁板の下面と弁座形成板の
上面との間に微小間隙を形成し、この間隙を通してガス
を外部に流出すべく構成した。
【0014】また、弁座形成板下面には凹部を形成し、
同凹部にフィルタを嵌入して弁座形成板を容器の一側側
壁に配設したこと、さらには、フィルタは、不織布、レ
ーヨン、紙の一つからなることにも特徴を有するもので
ある。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係るガス流通弁を、添付図に
示す実施例を参照して具体的に説明する。
【0016】図1に本発明に係るガス流通弁Aを具備す
る可撓性の袋からなる容器10を示しており、本実施例で
は、同袋はいわゆる自立型の袋として示されている。
【0017】図2に示すように、内部にコーヒー豆等の
内容物Cを収納した容器10は、複数のポリエチレンやポ
リプロピレン等からなる樹脂フィルムの積層体からなる
一側側壁10aの上部にガス流通弁Aを取付けている。
【0018】かかるガス流通弁Aの構成について、以
下、詳細に説明する。
【0019】図2及び図3に示すように、容器10は、そ
の一側側壁10aの上部に、小径の円からなるガス流出孔
1を設けている。
【0020】この一側側壁10aの外面であって、上記し
たガス流出孔1と対応する個所には、後述する磁性体か
らなる弁板8を吸着可能な円板状の弁座形成板9が配設
されており、同弁座形成板9は、中央部に、弁孔として
のガス流出孔1と連通する透孔2を設けるとともに、そ
の内側周縁部を、フェノール樹脂や、アクリル樹脂やポ
リアミド樹脂等からなる接着剤4によって、気密状態に
容器10の一側側壁10aの外面に気密状態に接着してい
る。なお、弁座形成板9は、一側側壁10aの外面に溶着
するようにしてもよい。
【0021】また、弁座形成板9は、その上面であって
透孔2の回りに弁座を形成する。
【0022】弁座形成板9は、本実施例では、可撓性を
有する薄肉鉄板の表面に錫を鍍金したブリキ板から形成
されている。なお、弁座形成板9は、このようなブリキ
板に代えて、表面に防水塗膜を形成したブリキ板や、樹
脂に鉄粉を混入して成形した可撓性を有する薄肉板や、
表面に防水塗膜を形成した薄肉鉄板等を用いることもで
きる。
【0023】そして、上記した構成を有する弁座形成板
9上には、図2及び図3に示すように、永久磁石等の磁
性体からなる円板状の弁板8が重合状態に載置されてい
る。
【0024】この弁板8は、樹脂に磁性粉末を混入して
可撓性を有する薄肉板に成形したフェライト系磁性板か
らなる。従って、弁板8は、その下面全体を、弁座形成
板9の上面に形成した弁座に密着された状態で磁力によ
り吸着されることになる。
【0025】一方、弁板8は、その一部8aを接着剤5に
よって弁座形成板9の対応する周縁部に接着するととも
に、他の部分を全て非接着状態としている。従って、後
述するように、容器10内のガス圧が設定値以上になった
場合は、弁板8は、その一部8aをヒンジ部として、他の
部分を、磁力に抗して上下方向にわずかに屈曲すること
になり、弁板8の下面と弁座形成板9の上面との間に微
小間隙を形成し、この間隙を通して、ガスを外部に流出
することができる。
【0026】即ち、常態では、弁板8を弁座を形成する
弁座形成板9の上面に磁力により密着して、透孔2とガ
ス流出孔1とからなる弁孔を強制的に閉塞することがで
き、外部空気がガス流通弁Aを通して容器10の内部に侵
入するのを確実に防止することができ、コーヒー豆等の
内容物Cを新鮮に保持することができる。
【0027】一方、コーヒー豆等の内容物Cから発生す
る二酸化炭素等のガスが容器10内に発生し、容器10内の
内圧が上昇し一定のガス圧(例えば、1.2kg/cm2)に達す
ると、弁板8の非接着部が弁座形成板9の弁座からわず
かに離隔して、弁板8と弁座形成板9との間に、微小間
隙を形成する。従って、容器10内に発生したガスを、ガ
ス流出孔1→透孔2→弁板8の下面と弁座形成板9の上
面との間に形成した微小間隙を通して容器10の外部に放
出することができ、二酸化炭素等のガス圧の異常上昇に
起因する容器10の破裂を効果的に防止することができ
る。
【0028】なお、上記した実施例では、弁座形成板9
をブリキ板等の被接着板から形成するとともに、弁板8
をフェライト系磁性板等の磁性板から形成したが、弁座
形成板9をフェライト系磁性板等の磁性板から形成する
とともに、弁板8をブリキ板等の被接着板から形成する
こともできる。
【0029】また、弁板8と弁座形成板9の両方をフェ
ライト系磁性板等の磁性板から形成するようにしてもよ
い。
【0030】次に上記したガス流通弁Aの容器10への取
付方法について説明する。
【0031】図4に示すように、容器10の一側側面10a
に取付けられる前は、ガス流通弁Aは、その一側に、中
央に透孔を有する両面テープ3を貼着している。
【0032】即ち、両面テープ3は、その一側面を接着
剤3aによって弁座形成板9の下面に接着するとともに、
その他側面に接着剤3bによって中央に透孔を有する剥離
紙6を接着している。
【0033】従って、ガス流通弁Aを容器10の一側側面
10aに取付けるに際しては、単に、両面テープ3を弁座
形成板9から剥離し、同剥離面9を接着剤3aによって、
ガス流出孔1の回りに接着すればよい。
【0034】次に、上記した両面テープ3を一側面に付
着したガス流通弁Aに製造方法について、図5及び図6
を参照して説明する。
【0035】まず、図5に示すように、一側面に両面テ
ープ3を予め貼着した弁座形成板用シート9aを、リール
Dから巻き戻し、その先端から順に、一定間隔を開け
て、弁孔形成用ポンチEによって弁孔を穿設する。その
後、弁座形成板9の上面に、リールFから巻き戻した弁
板8aを弁座形成板用シート9a上に重合するとともに、そ
の一部を接着剤5によって弁座形成板用シート9aに接着
する。次に、筒状打抜ポンチGによって、図6に示すよ
うに、両面テープ3を一側面に付着したガス流通弁Aを
打ち抜くことができる。
【0036】また、他の実施形態として、弁座形成板9
は、図7に示すように、その中央部下面に凹部9aを形成
し、同凹部9aに薄肉板状のフィルタFを、接着剤を用い
て嵌入固定してもよい。
【0037】かかるフィルタFは、通気性を有するが、
粉状物からなる内容物Cの容器10外部への流出を確実に
防止することができる条件を満たす材料で形成する必要
があり、かかる材料としては、酢酸セルロース等からな
る不織布や、レーヨンや、紙等を好適に用いることがで
きる。
【0038】従って、細かく挽いた粉状の粉状物からな
る内容物Cが、弁板8と弁座形成板9との間に侵入し
て、ガス流通弁Aの弁機能を損なうといった事故を、フ
ィルタFによって確実に防止することができる。
【0039】以上、本発明の実施例を参照して説明して
きたが、本発明は、何ら、上記した実施例の記載に限定
されるものではない。また、磁石等からなる弁板又は弁
座形成板の磁力強度や、弁板の密着面積や、弁座形成板
に設けた弁孔の流路面積を調整することにより、容器の
内圧との関係を明確に設定することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明では、弁板を、常態では、弁座に
磁力により強制的に密着して容器内外の連通を完全に遮
断することができる。従って、外部空気がガス流通弁を
通して容器の内部に侵入するのを確実に防止することが
でき、コーヒー等の内容物を新鮮に保持することができ
る。
【0041】一方、コーヒー等の内容物から発生するガ
スが容器内に発生し、容器内の内圧が上昇すると、弁板
が弁座から離隔し、容器内外が連通することになる。従
って、容器内に発生したガスを、容器外に放出すること
ができ、内圧の上昇による容器の破損を確実に防止する
ことができる。
【0042】さらに、ガス流通弁の弁孔前のフィルタを
設けた場合は、容器内の内容物が粒径の小さい粉状物で
ある場合であっても、同内容物が弁板と弁座形成板との
間に侵入して、ガス流通弁の弁機能を損なうといった事
故を確実に防止することができる
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス流通弁を具備する容器の斜視
図である。
【図2】図1の容器の断面側面図である。
【図3】図2のI-I線による矢視平面図である。
【図4】両面テープを付着したガス流通弁の断面正面図
である。
【図5】同ガス流通弁の製造工程説明図である。
【図6】同ガス流通弁の製造工程説明図である。
【図7】他の実施形態のガス流通弁の断面側面図であ
る。
【図8】従来のガス流通弁の斜視図である。
【図9】同ガス流通弁の分解斜視図である。
【図10】図8のII-II線による断面図である。
【図11】図8のIII-III線による断面図である。
【符号の説明】
A ガス流通弁 B ガス流通弁 C 内容物 1 ガス流出孔 2 透孔 3 両面テープ 3a 接着剤 3b 接着剤 4 接着剤 5 接着剤 6 剥離紙 8 弁板 8a 一部 9 弁座形成板 10 容器 10a 一側側壁
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 81/26 B65D 30/24 B65D 33/01 F16K 17/02 F16K 15/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器(10)に取付け、容器(10)内に発生す
    るガスを容器(10)外に排出するが、容器(10)外の空気が
    容器(10)内に流入するのを阻止可能としたガス流通弁で
    あって、容器(10)の一側側壁(10a)に配設する弁座形成板(9)と、
    同弁座形成板(9)上面に重合させる弁板(8)とから構成
    し、弁座形成板(9)と弁板(8)の少なくともいずれか一方
    が磁性体であって、磁力により互いに吸着すべく構成し
    たガス流通弁において、 弁座形成板(9)には、容器(10)の一側側壁(10a)に設けた
    ガス流出孔(1)と連通する透孔(2)を設け、 弁板(8)は、その一部(8a)を接着剤(5)によって弁座形成
    板(9)周縁部に接着するとともに弁座形成板(9)上面に吸
    着させることにより透孔(2)を閉塞すべく構成し、 容器(10)内のガス圧が設定値以上になった場合に、弁板
    (8)が、接着剤(5)による弁座形成板(9)への接着部分を
    ヒンジ部として、他の部分を、磁力に抗して上下方向に
    わずかに屈曲させて弁板(8)の下面と弁座形成板(9)の上
    面との間に微小間隙を形成し、この間隙を通してガスを
    外部に流出すべく構成した ことを特徴とするガス流通
    弁。
  2. 【請求項2】 弁座形成板(9)下面には凹部(9a)を形成
    し、同凹部(9a)にフィルタ(F)を嵌入して弁座形成板(9)
    を容器(10)の一側側壁(10a)に配設したことを特徴とす
    る請求項1記載のガス流通弁。
  3. 【請求項3】 フィルタ(F)は、不織布、レーヨン、紙
    の一つからなることを特徴とする請求項2記載のガス流
    通弁。
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