JP3389867B2 - スケールの薄い熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents
スケールの薄い熱延鋼帯の製造方法Info
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Description
延鋼帯の製造方法に関する。
ラブを直接、あるいは加熱炉で再加熱後、複数のスタン
ドからなる粗圧延機と仕上圧延機を用いて所定の板厚ま
で圧延し、コイル状に巻き取って製造される。
れているが、粗圧延後にはデスケーリングが施されるの
で、スケールのほとんどは仕上圧延以降のプロセスで形
成されたものである。このスケールの厚みが厚いと以下
のような問題を引き起こす。
剥離が生じて製品表面の美観を損なったり、剥離したス
ケールが飛散して作業環境を悪化させる。
酸洗効率が著しく低下する。それゆえ、従来より熱延鋼
帯の薄スケール化に関し、種々の検討がなされてきた。
上圧延機とゾーン冷却装置間の全域にわたりラミナー水
を噴射して大気を遮断して薄スケール化する方法が提案
されている。また、特開平7-268456号公報には、仕上圧
延機の最終スタンドとその前のスタンド間で被圧延鋼材
に1〜5kgf/mm2の張力を付加しながら20kgf/cm2以上の高
圧水を噴射してデスケーリングすると同時に大気遮断し
て薄スケール化する方法が開示されている。
58-157517号公報に記載された方法では、仕上圧延時に
形成された厚いスケールが残存しているため十分に薄ス
ケール化ができない。また、特開平7-268456号公報に記
載された方法では、張力が弱く均一にスケール中に歪み
を導入できないため鋼帯表面全域にわたって均一に薄ス
ケール化することができず、張力を増すとネッキクング
や破断が生じる。
なされたもので、鋼帯表面全域にわたって均一に薄いス
ケールを形成できるスケールの薄い熱延鋼帯の製造方法
を提供することを目的とする。
t%以上含有する鋼スラブを、1050℃以上の温度で粗圧延
し、前記粗圧延後の粗バーをデスケーリング後4スタン
ド以上からなる仕上圧延機で仕上圧延するに際し、少な
くとも第1スタンド〜第4スタンドのスタンド間で20kgf/
cm2以上の高圧水によりスタンド間デスケーリングを行
うスケールの薄い熱延鋼帯の製造方法により解決され
る。
一に薄いスケールを形成できる条件を検討したところ、
スケールの剥離性にはP量が大きく影響しており、P量と
粗圧延の温度とを調整し、しかも仕上圧延においてスタ
ンド間デスケーリングを行えばよいことが明らかになっ
た。
1に示すP量が種々異なる成分系の鋼を用い、実験室に
おいて真空中で900℃まで加熱後、20秒間空気を吹き付
け、20kgf/cm2の高圧水によりデスケーリングして、ス
ケール残存率を調査した。ここで、スケール残存率は次
の式から求めた値である。 [(スケール残存部の面積)/(試料表面の面積)]×100
(%)
す。
率が急激に低下し10%以下になる。このことから、P量を
0.03wt%以上にすることはスケール剥離性を促進し、薄
スケール化に有効であることがわかる。
ケール/地鉄界面におけるPの濃化に起因しており、スケ
ールが厚いほどPの濃化が促進されることが明らかにな
った。したがって、実機においては、P量が0.03wt%以上
の鋼を用い、粗圧延後の粗バーのスケールを厚くして地
鉄表面にPを濃化させ、仕上圧延機のスタンド間で再度
デスケーリングを行えば、薄スケール化が可能になるこ
とが予想される。
いて、その最適条件を検討した。図2に、粗圧延の温度
と最終製品のスケール厚との関係を示す。
第1〜第4スタンドのスタンド間で20kgf/cm2の高圧水に
よりスタンド間デスケーリングを行ったときの結果であ
るが、1050℃以上の温度で粗圧延すれば3μm以下の薄
いスケールが得られることがわかる。これは、1050℃以
上の温度で粗圧延することにより、仕上圧延機へ搬送さ
れる間に粗バーがより高温に維持されスケールが厚くな
り地鉄表面へのPの濃化が促進されたためと考えられ
る。
1〜第4スタンドの3つのスタンド間で行わなかった場合
や20kgf/cm2未満の高圧水でスタンド間デスケーリング
した場合には、3μm以下の薄いスケールが得られなか
った。
ラブを、1050℃以上の温度で粗圧延を行い、仕上圧延機
の第1〜第4スタンドのスタンド間で20kgf/cm2以上の高
圧水によりスタンド間デスケーリングを行えば、スケー
ルの薄い熱延鋼帯が得られることがわかる。なお、粗バ
ーを仕上圧延する前には、噛み込みスケールなどのスケ
ール欠陥の発生を防止するためデスケーリングを行う必
要がある。
付加しておらず、また、複数のスタンド間でデスケーリ
ングを行っているため、鋼帯表面全域にわたって均一に
薄いスケールを形成できる。
温度を30℃以上上昇させると、スケールがより厚くなり
地鉄表面へのPの濃化がより促進されるので、薄スケー
ル化にとって好ましい。
は規格値を超えることはできないが、自動車用加工性熱
間圧延高張力鋼帯(JIS G 3134)のように規格がない場
合でも、2次加工脆性の発生を防ぐために0.1wt%以下に
することが好ましい。
鋳造機から直接粗圧延しても、再加熱炉で加熱後粗圧延
しても、同様な効果が得られる。
トの観点から150℃以下にすることが好ましい。また、
加熱は、インダクションコイルを用いた誘導加熱装置な
どで行える。
間で行うことが好ましい。仕上温度は、加工性の観点か
らAr3変態点以上にすることが好ましい。
ールが著しく成長することはないが、より薄いスケール
を得るには、圧延後直ちに散水することが好ましい。
に粗圧延温度、粗バー加熱、スタンド間デスケーリング
などの熱延条件を変えて、熱延鋼帯1〜13を作製し、鋼
帯の長手方向の先端部、中央部、後端部の幅方向中央部
でスケール厚を測定して、平均のスケール厚を求めた。
このとき、仕上圧延前の粗バーのデスケーリングには15
0kgf/cm2の高圧水を、スタンド間デスケーリングには50
kgf/cm2の高圧水を用いた。また、仕上圧延後は直ちに
散水してスケールの成長を抑制した。
鋼帯1〜3、5、6、8、9、11〜13では、厚さが3μm以下
の薄いスケールの得られることがわかる。また、各鋼帯
とも、長手方向、幅方向にわたり均一な厚さのスケール
が得られた。
1と鋼帯5を比較すると、粗バー加熱により粗バー表面温
度を60℃上昇させた鋼帯5の方がより薄いスケールが得
られ、粗バー加熱が有効であることがわかる。
4、スタンド間デスケーリングの条件が本発明範囲外の
鋼帯7、 P量が本発明範囲外の鋼帯10では、厚さが5μm
以上の厚いスケールしか得られない。
いるので、鋼帯表面全域にわたって均一に薄いスケール
を形成できるスケールの薄い熱延鋼帯の製造方法を提供
できる。
る。
を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 P量を0.03wt%以上含有する鋼スラブを、
1050℃以上の温度で粗圧延し、前記粗圧延後の粗バーを
デスケーリング後4スタンド以上からなる仕上圧延機で
仕上圧延するに際し、少なくとも第1スタンド〜第4スタ
ンドのスタンド間で20kgf/cm2以上の高圧水によりスタ
ンド間デスケーリングを行うスケールの薄い熱延鋼帯の
製造方法。 - 【請求項2】 粗圧延後デスケーリング前に、粗バー表
面温度を30℃以上上昇させる請求項1に記載のスケール
の薄い熱延鋼帯の製造方法。
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JP31445198A Expired - Fee Related JP3389867B2 (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | スケールの薄い熱延鋼帯の製造方法 |
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-
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