JP2820805B2 - 表面性状の優れた薄物熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

表面性状の優れた薄物熱延鋼板の製造方法

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JP2820805B2 JP5338791A JP5338791A JP2820805B2 JP 2820805 B2 JP2820805 B2 JP 2820805B2 JP 5338791 A JP5338791 A JP 5338791A JP 5338791 A JP5338791 A JP 5338791A JP 2820805 B2 JP2820805 B2 JP 2820805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面性状が優れ、製品
板厚が2.5mm以下の自動車部品、パイプ等一般加工用
の薄物熱延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱延鋼
帯の製造工程で生成するスケールには、素材スラブの加
熱酸化による一次スケールと、圧延中の鋼帯の空気酸化
による二次スケールがある。これらのスケールはミルラ
インの入側に設置されたスケールブレーカ及び各圧延機
の前に設けられたデスケーリング装置で除去されてい
る。しかしながら、仕上げ圧延機の前に設けられたデス
ケーリング装置で完全にスケールが除去された場合で
も、仕上げ圧延機前段スタンドでは、圧延速度が比較的
遅いため、スタンド間で二次スケールが生成し、スケー
ル疵(以下、他のスケール疵と区別して「噛み込みスケ
ール疵」と呼ぶ)が発生することがある。
【0003】噛み込みスケール疵は、製品表面に流星状
或いは散砂状の形態で観察され、前段スタンドのワーク
ロールの肌荒れ状況と対応していることが確認されてい
る。これらのスケール疵は、いずれのタイプも肌荒れし
たロール表面の凹凸が板表面に転写され、板表面の凸部
に生成した二次スケールが次スタンドで板に押し込まれ
て発生すると考えられている。
【0004】図3は噛み込みスケール疵による製品の表
面品質不良率と製品板厚の関係を示している。同図にお
いて、製品板厚が3mm以上の製品では表面品質不良が発
生していないが、製品板厚が2.5mm以下の薄物材では
表面品質不良が発生し、不良率が製品板厚が薄いほど増
大している。これは、製品板厚が薄いほど、仕上げ圧延
機各スタンドでの圧下率が大きいこと、及び仕上げ圧延
機での通板性を安定にするため、仕上げ圧延機入側での
温度が高いことによるためである。すなわち、圧下率が
大きいほどロール面圧が高くなること、また仕上げ圧延
機入側での温度が高いとロールバイトでのロール表面温
度が高くなり、ロール表面の強度が低下するため、ロー
ル肌荒れが発生し易いものと思われる。
【0005】従来、噛み込みスケール疵を防止する方法
としては、例えば、昭和63年度塑性加工春季講演会の
技術懇談会資料「圧延用ロールの高品質化への新しい技
術」、p.15〜25のp.22に紹介されているよう
に、ロール冷却を増強してロール表面温度を低下させる
方法、或いは、特開平1−205810号に開示されて
いるように、仕上げ圧延機の前に設けられたデスケーリ
ング装置で圧延材の表面温度を900℃以下にして、圧
延材表面での二次スケール生成を防止する方法が提案さ
れている。
【0006】前者の方法に関しては、ロール冷却の増強
によるロール表面温度の低減量はロールバイト以外の部
分では30〜60℃と大きいが、最もロール表面温度が
上昇するロールバイトの部分では20℃程度であり、十
分な効果は得られないという問題がある。また、後者の
方法に関しては、圧延材の表面温度を下げることはロー
ル肌荒れ防止に効果的であるが、薄物材の圧延では仕上
げスタンドでの圧延材の温度低下が大きく、目標とする
仕上げスタンド出側での圧延材の温度を確保することが
困難となるばかりか、圧延材の温度低下による圧延荷重
の増大が大きく、安定した通板ができないという問題が
ある。
【0007】本発明は、上述の実情に鑑みてなされたも
のであって、表面性状の優れた薄物熱延鋼帯を安定して
製造し得る方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは、鋼の成分組成並びに熱延条件につい
て鋭意研究を重ねた結果、ここに本発明をなしたもので
ある。
【0009】すなわち、本発明に係る薄物熱延鋼板の製
造方法とは、連続熱間圧延機にて製品板厚が2.5mm
以下の熱延鋼帯を製造するに際し、重量%で(以下、同
じ)、C:0.03〜0.20%、Si:0.03〜
0.10%、Mn:0.10〜1.3%及びAl:0.
08%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物か
らなる鋼を、仕上げ圧延機入側での温度を980℃以上
として仕上げ圧延し、かつ500℃以上でコイルを巻取
ることにより噛み込みスケール疵を防止することを要旨
とするものである。
【0010】以下に本発明を更に詳述する。
【0011】
【作用】まず、本発明における鋼の化学成分の限定理由
は次のとおりである。
【0012】C:0.03〜0.20% Cは本発明の目的とする鋼板の強度と加工性を確保する
ための成分であるが、0.03%未満では強度不足とな
り、また0.20%を超えると十分な加工性が得られな
いため、C量は0.03〜0.20%の範囲とする。
【0013】Si:0.03〜0.10% Siは本発明の主たる目的である表面性状の優れた鋼板
を得るための成分である。まず、Si量を0.03%以上
としたのは噛み込みスケール疵の発生を防止するためで
ある。従来、Si量が0.10%を超えるSi−Alキルド
鋼では、噛み込みスケール疵の発生が非常に少ないこと
が知られていた。しかしながら、本発明者らはSi量が
微量にしか含まれないAlキルド鋼についてSi量と噛み
込みスケール疵の発生状況をスキンパスミルラインにて
調査した結果、僅かのSi量の違いで噛み込みスケール
疵の発生率が大きく異なることを見い出した。
【0014】すなわち、図1は製品板厚1.2mmの材料
についての結果を示したもので、Si量が多いほど噛み
込みスケール疵の発生率は著しく減少し、Si量が0.0
3%以上では噛み込みスケール疵が発生していないこと
がわかる。
【0015】図2は他の成分は同一として、Si量のみ
を微量に変化させた材料についてスケール生成速度を調
べたものである。調査には示差熱天秤を用い、アルゴン
ガス雰囲気中で加熱して1000℃で5分間保持後空気
を流し、試料の重量増分を測定した。図2において、S
i量が多いほど酸化増量は減少し、Si量が0.03%前
後を境として、それ以上では急激な減少が見られる。
【0016】また、図2の場合と同じ材料を真空中で1
000℃に加熱保持後、空気を5秒間流し、窒素ガスで
急冷した試料の表面状況を調べた結果、Si量が0.05
%の場合は、0.03%未満の場合に較べてタイトなス
ケール生成状況であることがわかった。
【0017】このようにSi量が0.03%以上で噛み込
みスケール疵の発生率が著しく減少する理由は、必ずし
も明確には判明していないが、図2及び上記実験に示し
た現象から推定して、圧延材表面のスケール生成状況が
大きく影響しているものと思われる。
【0018】一方、Si量を0.10%以下としたのは、
島状スケール疵(デスケーリング装置で除去できずに残
存したスケールが板に押し込まれて伸ばされた島状に発
生する疵)の発生を防止するためと、溶融メッキ鋼板用
として使用する場合のメッキ焼けを防止するためであ
る。島状スケール疵及び溶融メッキ鋼板のメッキ焼けは
Si量が0.10%を超えると発生し易くなり、製品の表
面品質不良となる。したがって、Si量は0.03〜0.
10%の範囲とする。
【0019】Mn:0.10〜1.3% Mnは本発明の目的とする鋼板の強度を確保するための
成分であるが、0.10%未満ではその効果が得られ
ず、また多過ぎても効果は飽和すると共に経済性を損な
うのでMn量は0.10〜1.3%の範囲とした。
【0020】Al:0.08%以下 Alは鋼板の製造上脱酸に必要な成分で、そのための十
分な量として0.08%以下に限定する。
【0021】次に本発明における熱延条件について説明
する。
【0022】上記の如き成分組成に溶製した鋼を連続鋳
造法又は造塊、分塊法により作製したスラブをそのまま
直接熱間圧延ラインに供給するか、又は必要に応じて再
加熱して熱間圧延ラインに供給するかは特に制限はな
く、公知の方法に従えばよい。
【0023】次いで、熱間圧延ラインにおいて、粗ミル
にて減厚した粗バーを仕上げ圧延機に供給する。その
際、仕上げ圧延機入側での温度を980℃以上とするの
は、製品板厚2.5mm以下の熱延鋼帯では、仕上げスタ
ンドでの圧延材の温度低下が大きいことを考慮して、目
標とする仕上げスタンド出側での圧延材の温度を確保す
ること、及び圧延材の温度低下による圧延荷重の増大を
防止し、安定した通板を確保することのためである。す
なわち、本発明の目的とする鋼板の加工性を得るために
は、仕上げスタンド出側での圧延材の温度をAr3変態点
以上とする必要があり、及び薄物材の熱間仕上げ圧延で
は圧延荷重が増大するとスタンド間及び仕上げスタンド
出側にて鋼帯の平坦度を良好に保つことが困難となり、
安定した通板が難しいためである。
【0024】仕上げ圧延後の巻取り温度を500℃以上
とするのは、熱延鋼帯の全長にわたって均一な巻取り温
度とし、均質な鋼帯を得るためである。すなわち、仕上
げ圧延後の冷却過程において強冷却を行った場合、熱延
鋼帯先端部が仕上げ圧延機を出た後、巻取り装置に到達
するまでの鋼帯に張力が付与されない間において、薄物
材では冷却水の圧力により波状の変形を生じ易く、均一
な冷却が困難となるためである。なお、本発明における
上述の成分組成の場合、巻取り温度が500℃以上で必
要な強度が得られる。
【0025】次に本発明の実施例を示す。
【実施例】
【表1】 に示す化学成分を有する鋼について同表に示す熱延条件
で熱延鋼帯を製造した。得られた熱延鋼帯のスケール疵
発生状況の観察結果を同表に併記する。表1の結果から
明らかなように、本実施例では噛み込みスケール疵及び
島状スケール疵の発生が皆無であり、従来法に比して極
めて優れていることがわかる。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明法によれ
ば、格別の設備改造を伴うことなく、かつ製造コストの
増加もなしに、単に成分組成及び製造条件を好適な範囲
に規制することのみにより、表面性状の優れた薄物熱延
鋼板を安定して製造することができ、製品の表面品質向
上並びに歩留りの向上への貢献は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼中Si含有量と噛み込みスケール疵の発生率
の関係を示す図である。
【図2】鋼中の各種のSi含有量とスケール生成速度の
関係を示す図である。
【図3】製品板厚と噛み込みスケール疵による製品の表
面品質不良率の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−247829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/02 - 8/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続熱間圧延機にて製品板厚が2.5m
    m以下の熱延鋼帯を製造するに際し、重量%で(以下、
    同じ)、C:0.03〜0.20%、Si:0.03〜
    0.10%、Mn:0.10〜1.3%及びAl:0.
    08%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物か
    らなる鋼を、仕上げ圧延機入側での温度を980℃以上
    として仕上げ圧延し、かつ500℃以上でコイルを巻取
    ることにより噛み込みスケール疵を防止することを特徴
    とする表面性状の優れた薄物熱延鋼板の製造方法。
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