JP3389639B2 - 膜の内部応力制御方法 - Google Patents

膜の内部応力制御方法

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哲 西山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基体上に形成される膜の
内部応力を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種基体が有する諸特性、例えば機械的
特性、化学的特性、電気的特性、光学的特性、磁気的特
性等を改善させたり、又、新たな特性を付与したりする
目的で該基体上に各種膜を形成するために、様々な方法
が試みられている。かかる成膜方法としては、真空蒸着
法、スパッタ蒸着法、これら方法にイオン照射アシスト
を併用するイオン蒸着薄膜形成法等のPVD法やプラズ
マCVD法等を例示することができ、さらに最近では、
蒸発させるべき金属を陰極(エバポレータ)とし、成膜
用真空容器を陽極として、両極間に直流電圧を印加して
アーク放電させ、金属元素のプラズマを発生させ、成膜
すべき基体にはエバポレータよりもさらに負のバイアス
電圧を印加して、プラズマ中の金属イオンを基体に向け
て加速し、成膜を行うマルチアーク方式PVD法も提案
されている。
【0003】これら成膜方法のうち真空蒸着法、スパッ
タ蒸着法等のようなPVD法はCVD法に比して低温下
で膜形成できるので、工業的に広く利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PVD
法を用いて基体上に膜形成しても、該膜の内部には、引
張応力或いは圧縮応力という内部応力が生じる。該膜に
生じる内部応力により、前記膜の機械的強度等の特性が
低下したり、該膜と該基体との密着性が低下したり、該
膜の光の反射、透過、吸収、及び発光等の光学的特性や
電気的特性が変化したりする。一般に真空蒸着法等で形
成された膜は引張応力を有することが知られているが、
膜の内部応力の発生機構はまだ充分には解明されていな
い。
【0005】そこで本発明は、各種基体上に各種膜を形
成させる際に、該膜の内部に生じる内部応力を制御する
方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく研究を重ね、以下に示す実験結果を得た。基板
上に形成された膜の結晶性と該膜の内部に発生する内部
応力との間に、一定の相関関係が認められた。即ち、該
膜の結晶性が高いほど圧縮応力が強くなり、該膜の結晶
性が低いほど引張応力が強くなった。
【0007】以上の知見に基づき本発明は、概括的に言
えば、基体上に膜を形成するにあたり、成膜方法に応じ
て、その成膜にあたり制御可能な成膜条件を制御するこ
とで形成される膜の結晶性、換言すれば結晶化の進みぐ
あいを制御して該膜の内部応力を制御する膜の内部応力
制御方法を提供するものである。以下、これをさらに詳
しく説明する。 先ず本発明方法において、膜形成方法と
しては、電子ビーム、抵抗、レーザ、高周波等の手段
で、目的とする膜の構成元素を含む物質を蒸着させる真
空蒸着とイオン照射とを併用するイオン蒸着薄膜形成法
が考えられる。また、前記物質のスパッタ蒸着とイオン
照射とを併用するイオン蒸着薄膜形成法も考えられる。
この場合、スパッタさせる手法も特に限定されず、イオ
ンビーム、マグネトロン、高周波等の手段によりスパッ
タできる。
【0008】蒸着(或いはスパッタ)される原子の数及
び膜厚は膜厚モニタによりモニタする。膜厚モニタは例
えば水晶振動子を用いた膜厚モニタでよいが、特に限定
はない。イオン蒸着薄膜形成法においてイオン照射に用
いるイオン源の方式は特に限定はなく、例えばカウフマ
ン型、バケット型等のものが考えられる。
【0009】また、照射するイオン種は蒸着(或いはス
パッタ)された物質の原子に作用して目的とする膜を形
成するものであればよく、例えば目的とする膜の構成元
素を含む原子イオン又は分子イオンの他、アルゴンイオ
ン(Ar+ )のような不活性ガスイオン、場合によって
は水素原子イオン(H+ )等が考えられる。また目的と
する膜の構成元素を含む原子イオン又は分子イオンと不
活性ガスイオン又は場合によってはH+ 等を混合して照
射してもよく、この場合、不活性ガスイオンやH+ によ
り前記原子イオン又は分子イオンを一層高励起化するこ
とができ、膜の形成に有利になる。
【0010】そして、このイオン蒸着薄膜形成法におい
ては、照射するイオンのエネルギーを制御することで、
形成される膜の結晶性を制御することができる。イオン
照射(加速)エネルギの制御は、イオン電流測定器を用
いて基体へのイオンの照射量をモニタすることで行え
る。イオン電流測定器は例えば2次電子抑制電極を備え
たファラデーカップ等でよいが、特に限定はない。
【0011】なお、前述のマルチアーク方式PVD法を
採用することも考えられる。この場合には、基体へ印加
するバイアス電圧を制御することで形成される膜の結晶
性を制御できる。形成された膜の内部応力は、成膜前後
の基体の反りの変化を、例えば段差計等で測定すること
により求めることができる。
【0012】さらに熱的なダメージを充分に避けなけれ
ばならない基体については、基体ホルダを水冷して基体
を冷却させながら成膜を行うのが好ましい。前記基体の
材質は特に限定されず、例えばセラミックス、金属、ガ
ラス、プラスチック等が考えられる。
【0013】
【作用】本発明方法によると、基体上にイオン蒸着薄膜
形成法により膜形成するにあたり、照射するイオンの加
速エネルギーを制御することで膜の結晶性が制御され、
これにより該膜の内部応力が制御される。膜の結晶性が
高いほど圧縮応力が強くなり、膜の結晶性が低いほど、
引張応力が強くなる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明方法を実施するために用いられる成
膜装置の1例の概略構成を示したものである。図1にお
いて、1は基体、2は基体1を支持するホルダ、3は目
的とする膜の構成元素を含む物質を蒸発させる蒸発源、
4はイオンを照射させるためのイオン源、5は基体1上
に蒸着される原子の個数及びその膜厚を計測するための
膜厚モニタ、6は基体1に照射されるイオンの個数を計
測するためのイオン電流測定器である。これらは真空容
器7内に収容されている。容器7内は排気装置8にて所
望の真空度とされ得る。
【0015】本発明によって内部応力が制御された基体
を作成するに当たっては、まず基体1をホルダ2に支持
させた後、真空容器7内を所定の真空度にする。その
後、基体1に蒸発源3を用いて、蒸発物質3aを真空蒸
着させる。なお、真空蒸着に代えて、蒸発物質3aをス
パッタ蒸着することで基体1上に膜形成してもよい。
【0016】この真空蒸着(或いはスパッタ蒸着)と同
時、又は交互に、又は真空蒸着(或いはスパッタ蒸着)
後に、イオン源4よりイオン4aを当該蒸着面に照射す
る。膜厚モニタ5は、ここでは水晶振動子を用いた膜厚
モニタであり、基体上に到達する蒸発(或いはスパッ
タ)原子の数、及び膜厚をモニタする。また、イオン電
流測定器6は、ここではファラデーカップであり、基体
に到達するイオンの数をモニタする。
【0017】前記成膜においては、形成される膜の内部
に発生する引張応力又は圧縮応力をコントロールするた
めに、次のような制御を行う。即ち、該膜の結晶性と前
記内部応力との間には、相関関係があり、結晶性が高い
ほど圧縮応力が強くなり、結晶性が低いほど引張応力が
強くなる。また、該膜の結晶性は照射するイオンの照射
(加速)エネルギの大きさに依存して変化し、イオン照
射エネルギを大きくするほど前記結晶性は低くなり、該
エネルギを小さくするほど結晶性は高くなる。従って、
形成される膜の内部に発生する引張応力又は圧縮応力が
所望のものとなるような結晶性を有する膜を形成するよ
う、照射するイオンの加速エネルギを制御する以上に述
べた成膜操作により形成された膜は、引張応力や圧縮応
力が制御されており、例えばこれら内部応力を最も小さ
くなるように制御すると、成膜することにより基体に生
じる内部応力や歪みは最小になる。これにより該膜の機
械的強度等の特性を維持でき、該膜と基体との密着性が
向上し、該膜が有する反射、透過、吸収及び発光等の光
学的特性や電気的特性が保持される等の利点が得られ
る。
【0018】次に、図1に示す成膜装置による本発明方
法の具体例と、それによって得られる膜及び該膜で被覆
された基体について説明する。図1に示す装置を用いて
シリコン(Si)より成る基体1(直径2インチ×厚さ
450μm)を基体ホルダ2に設置し、真空容器7内を
1×10-6Torrの真空度とした。その後、純度3N
(99.9%)のニッケル(Ni)ペレット3aを電子
ビームを用いた蒸発源3を用いて蒸気化し、基体1上に
成膜した。それと同時にバケット型のイオン源4に純度
5N(99.999%)のアルゴン(Ar)ガスを真空
容器7内が5×10-5Torrになるまで導入し、イオ
ン化させ、該イオン4aを基体1に立てた法線に対して
0°の角度で基体1に照射した。前記成膜操作は、Ar
イオンの加速エネルギを0.5KeV、1KeV、2K
eV、5KeV及び10KeVに変えて、各場合につき
行った。また、比較のためArイオンを照射せず、Ni
蒸着のみによる成膜も行った。生成されたNi膜の膜厚
は何れも1μmであった。
【0019】形成されたNi膜の内部応力を、成膜前後
の基体の反りの変化を段差計(米国TENCER IN
STRUMENTS社製、ALPHA−STEP20
0)を用いて測定することにより求めた。また、膜の結
晶性を、X線回折装置(リガク株式会社製)を用いて、
X線回折法にて、Niのメインピークである(111)
面の回折強度を測定することにより評価した。
【0020】図2に、Arイオン4aの加速エネルギの
大きさに対して、形成されたNi膜の(111)面の回
折強度をプロットしたグラフを示す。加速エネルギを大
きくするほど(111)面の回折強度は弱くなり、即ち
該膜の結晶性が低下していることが分かる。図3に、
(111)面の回折強度に対して、Ni膜の内部応力の
大きさをプロットしたグラフを示す。(111)面の回
折強度が強くなるほど、即ち結晶性が高くなるほど膜は
大きな引張応力をもち、結晶性が小さくなるに従ってそ
の内部応力は引張応力が小さくなり、さらに結晶性が小
さくなると膜は圧縮応力を示す。
【0021】以上の結果から、Ni膜の内部応力は該膜
の結晶性の高低に依存することが明らかになった。な
お、以上はイオン蒸着薄膜形成法による成膜における膜
の内部応力制御方法についての説明であるが、このほ
か、例えば前述のマルチアーク方式PVD法による成膜
においても、形成される膜の結晶性を制御することで膜
の内部応力を制御できる。このPVD法による場合は、
前述のとおり、基体に印加されるバイアス電圧を制御す
ることで膜の結晶性を制御できる。
【0022】
【発明の効果】本発明方法によると、各種基体上に各種
膜を形成させる際に、該膜の内部に生じる内部応力を制
御する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に用いる成膜装置の1例の概
略構成を示す図である。
【図2】本発明方法の1実施例におけるイオン加速エネ
ルギの大きさと膜の結晶性との関係を示す図である。
【図3】本発明方法の1実施例における膜の結晶性と該
膜の内部応力との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 基体 2 基体ホルダ 3 蒸発源 3a 蒸発物質 4 イオン源 4a イオン 5 膜厚モニタ 6 イオン電流測定器 7 真空容器 8 排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 哲 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電 機株式会社内 (72)発明者 江部 明憲 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電 機株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−145967(JP,A) 特開 昭63−69964(JP,A) 特開 平4−310515(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/54 C23C 14/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上にイオン蒸着薄膜形成法により膜
    を形成するにあたり、照射するイオンの加速エネルギー
    を制御することで該膜の内部応力を制御することを特徴
    とする膜の内部応力制御方法。
  2. 【請求項2】 前記膜がニッケル膜である請求項1記載
    膜の内部応力制御方法。
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