JPH07207441A - 膜の内部応力制御方法 - Google Patents

膜の内部応力制御方法

Info

Publication number
JPH07207441A
JPH07207441A JP320394A JP320394A JPH07207441A JP H07207441 A JPH07207441 A JP H07207441A JP 320394 A JP320394 A JP 320394A JP 320394 A JP320394 A JP 320394A JP H07207441 A JPH07207441 A JP H07207441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
grain size
ion
substrate
stress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP320394A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoto Kuratani
直人 鞍谷
Osamu Imai
今井  修
Kiyoshi Ogata
潔 緒方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
Priority to JP320394A priority Critical patent/JPH07207441A/ja
Publication of JPH07207441A publication Critical patent/JPH07207441A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基体上に各種膜を形成させる際に膜の内部に
生じる内部応力を制御する方法を提供する。 【構成】 基体上に膜を形成させるにあたり、形成され
る膜の結晶粒径を制御することで膜の内部応力を制御す
る膜の内部応力制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基体上に形成される膜の
内部応力を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種基体が有する諸特性、例えば機械的
特性、化学的特性、電気的特性、光学的特性、磁気的特
性等を改善させたり、又、新たな特性を付与したりする
目的で該基体上に各種膜を形成するために、様々な方法
が試みられている。かかる成膜方法としては、真空蒸着
法、スパッタ蒸着法、これら方法にイオン照射アシスト
を併用するイオン蒸着薄膜形成法等のPVD法やプラズ
マCVD法等を例示することができる。
【0003】これら成膜方法のうち真空蒸着法、スパッ
タ蒸着法等のようなPVD法はCVD法に比して低温下
で膜形成できるので、工業的に広く利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PVD
法を用いて基体上に膜形成しても、該膜の内部には、引
張応力或いは圧縮応力という内部応力が生じる。該膜に
生じる内部応力により、前記膜の機械的強度等の特性が
低下したり、該膜と該基体との密着性及び耐破壊強度が
低下したり、該膜の光の反射、透過、吸収、及び発光等
の光学的特性や電気的特性が変化したりする。このため
該膜を実用に供した場合、その信頼性、耐久性等に問題
があった。一般に真空蒸着法等で形成された膜は引張応
力を有することが知られているが、膜の内部応力の発生
機構はまだ充分には解明されていない。
【0005】そこで本発明は、各種基体上に各種膜を形
成させる際に、該膜の内部に生じる内部応力を制御する
方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく研究を重ね、以下に示す実験結果を得た。通
常、膜は結晶の固まりが集まって構成される多結晶体で
あるが、基体上に形成された膜の結晶粒径と該膜の内部
に発生する内部応力との間に、一定の相関関係が認めら
れた。即ち、該膜の結晶粒径が大きいほど圧縮応力が強
くなり、該膜の結晶粒径が小さいほど引張応力が強くな
った。
【0007】以上の知見に基づき本発明は、基体上に膜
を形成するにあたり、形成される膜の結晶粒径を制御す
ることで該膜の内部応力を制御することを特徴とする膜
の内部応力制御方法を提供するものである。この本発明
方法において、膜形成方法としては種々考えられるが、
例えば電子ビーム、抵抗、レーザ、高周波等の手段で、
目的とする膜の構成元素を含む物質を蒸着させる真空蒸
着とイオン照射とを併用するイオン蒸着薄膜形成法が考
えられる。また、前記物質のスパッタ蒸着とイオン照射
とを併用するイオン蒸着薄膜形成法も考えられる。この
場合、スパッタさせる手法も特に限定されず、イオンビ
ーム、マグネトロン、高周波等の手段によりスパッタで
きる。
【0008】蒸着(或いはスパッタ)される原子の数及
び膜厚は膜厚モニタによりモニタする。膜厚モニタは例
えば水晶振動子を用いた膜厚モニタでよいが、特に限定
はない。イオン蒸着薄膜形成法においてイオン照射に用
いるイオン源の方式は特に限定はなく、例えばカウフマ
ン型、バケット型等のものが考えられる。
【0009】また、照射するイオン種は蒸着(或いはス
パッタ)された物質の原子に作用して目的とする膜を形
成するものであればよく、例えば目的とする膜の構成元
素を含む原子イオン又は分子イオンの他、ヘリウムイオ
ン(He+ )、ネオンイオン(Ne+ )、アルゴンイオ
ン(Ar+ )、クリプトンイオン(Kr+ )、キセノン
イオン(Xe+ )等の不活性ガスイオン等が考えられ
る。また目的とする膜の構成元素を含む原子イオン又は
分子イオンと不活性ガスイオン等を混合して照射しても
よく、この場合、不活性ガスイオンにより前記原子イオ
ン又は分子イオンを一層高励起化することができ、膜の
形成に有利になる。
【0010】照射されるイオン数の制御は、イオン電流
測定器を用いて基体へのイオンの照射量をモニタするこ
とで行える。イオン電流測定器は例えばファラデーカッ
プ等でよいが、特に限定はない。そして、このイオン蒸
着薄膜形成法においては、照射するイオンのエネルギ、
又は蒸着(或いはスパッタ)される原子種と照射される
イオン種の輸送比(基体に到達する各原子数及び各イオ
ン数の比率)を制御することで、形成される膜の結晶粒
径を制御することができる。
【0011】また、本発明においては、プラズマCVD
法を採用することも考えられ、この場合には例えば印加
する高周波電力の大きさを制御することで、形成される
膜の結晶粒径を制御する。形成された膜の内部応力は、
成膜前後の基体の反りの変化を、例えば段差計等で測定
することにより求めることができる。
【0012】さらに熱的なダメージを充分に避けなけれ
ばならない基体については、基体ホルダを水冷して基体
を冷却させながら成膜を行うのが好ましい。前記基体の
材質は特に限定されず、例えばセラミックス、金属、ガ
ラス、プラスチック等が考えられる。
【0013】
【作用】本発明方法によると、基体上に成膜するにあた
り、成膜方法に応じて膜を構成する結晶粒の粒径が制御
され、これにより該膜の内部応力が制御される。膜構成
結晶粒の粒径が大きいほど圧縮応力が強くなり、膜構成
結晶粒の粒径が小さいほど、引張応力が強くなる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明方法を実施するために用いられる成
膜装置の1例の概略構成を示したものである。図1にお
いて、1は基体、2は基体1を支持するホルダ、3は目
的とする膜の構成元素を含む物質を蒸発させる蒸発源、
4はイオンを照射させるためのイオン源、5は基体1上
に蒸着される原子の個数及びその膜厚を計測するための
膜厚モニタ、6は基体1に照射されるイオンの個数を計
測するためのイオン電流測定器である。これらは真空容
器7内に収容されている。容器7内は排気装置8にて所
望の真空度とされ得る。
【0015】本発明によって内部応力が制御された基体
を作成するに当たっては、まず基体1をホルダ2に支持
させた後、真空容器7内を所定の真空度にする。その
後、基体1に蒸発源3を用いて、蒸発物質3aを真空蒸
着させる。なお、真空蒸着に代えて、蒸発物質3aをス
パッタ蒸着することで基体1上に膜形成してもよい。
【0016】この真空蒸着(或いはスパッタ蒸着)と同
時、又は交互に、又は真空蒸着(或いはスパッタ蒸着)
後に、イオン源4よりイオン4aを当該蒸着面に照射す
る。膜厚モニタ5は、ここでは水晶振動子を用いた膜厚
モニタであり、単位時間に基体上に到達する蒸発(或い
はスパッタ)原子の数、及び膜厚をモニタする。また、
イオン電流測定器6は、ここではファラデーカップであ
り、単位時間に基体に到達するイオンの数をモニタす
る。
【0017】前記成膜においては、形成される膜の内部
に発生する引張応力又は圧縮応力をコントロールするた
めに、次のような制御を行う。即ち、該膜構成結晶粒の
粒径と前記内部応力との間には、相関関係があり、粒径
が大きいほど圧縮応力が強くなり、粒径が小さいほど引
張応力が強くなる。該膜の結晶粒径は照射するイオンの
照射(加速)エネルギの大きさに依存して変化し、イオ
ン照射エネルギを大きくするほど前記粒径は小さくな
り、該エネルギを小さくするほど粒径は大きくなる。従
って、形成される膜の内部に発生する引張応力又は圧縮
応力が所望のものとなるような結晶粒径を有する膜を形
成するよう、照射するイオンの加速エネルギを制御す
る。
【0018】以上に述べた成膜操作により形成された膜
は、引張応力や圧縮応力が制御されており、例えばこれ
ら内部応力を最も小さくなるように制御すると、成膜す
ることにより基体に生じる内部応力や歪みは最小にな
る。これにより該膜の機械的強度等の特性を維持でき、
該膜と基体との密着性及び耐破壊強度が向上し、該膜が
有する反射、透過、吸収及び発光等の光学的特性や電気
的特性が保持される等の利点が得られる。
【0019】次に、図1に示す成膜装置による本発明方
法の具体例と、それによって得られる膜及び該膜で被覆
された基体について説明する。 例1 図1に示す装置を用いてシリコン(Si)から成る基体
1(直径50mm×厚さ500μm)を基体ホルダ2に
設置し、真空容器7内を1×10-6Torr以下の真空
度とした。その後、純度3N(99.9%)のニッケル
(Ni)ペレット3aを電子ビーム(EB)を用いた蒸
発源3を用いて蒸気化し、基体1上に成膜した。それと
同時にバケット型のイオン源4に純度5N(99.99
9%)のアルゴン(Ar)ガスを真空容器7内が5×1
-5Torrになるまで導入し、イオン化させ、該イオ
ン4aを基体1に立てた法線に対して0°の角度で基体
1に照射した。形成されたNi膜の膜厚は何れも1μm
であった。
【0020】前記成膜操作において、Arイオンの加速
エネルギを0.5keV、輸送比=(基体1上に到達す
るNi原子数/基体1上に到達するArイオン数)を1
5としたところ、形成されたNi膜の結晶粒径は14
2.1Åであり、このとき該Ni膜に生じた内部応力は
−2.3×109 dyn/cm2 (圧縮応力)であった。形成
されたNi膜の結晶粒径はX線回折法で半値幅を測定す
ることにより求め、また内部応力は、成膜前後の基体の
反りの変化を段差計(米国TENCERINSTRUM
ENTS社製、ALPHA−STEP200)を用いて
測定することにより求めた。 例2 例1において、Arイオンの加速エネルギを1keV、
輸送比を15としたところ、形成されたNi膜の結晶粒
径は140.6Åであり、このとき該Ni膜に生じた内
部応力は−5.9×108 dyn/cm2 (圧縮応力)であっ
た。 例3 例1において、Arイオンの加速エネルギを2keV、
輸送比を15としたところ、形成されたNi膜の結晶粒
径は135.8Åであり、このとき該Ni膜に生じた内
部応力は2.3×108 dyn/cm2 (引張応力)であっ
た。 例4 例1において、Arイオンの加速エネルギを5keV、
輸送比を15としたところ、形成されたNi膜の結晶粒
径は139.2Åであり、このとき該Ni膜に生じた内
部応力は3.3×109 dyn/cm2 (引張応力)であっ
た。 例5 例1において、Arイオンの加速エネルギを10ke
V、輸送比を15としたところ、形成されたNi膜の結
晶粒径は134.4Åであり、このとき該Ni膜に生じ
た内部応力は7.4×109 dyn/cm2 (引張応力)であ
った。
【0021】図2に、前記例1、2、3、4及び5によ
る成膜について、Ni膜の結晶粒径の大きさに対して、
Ni膜の内部応力の大きさをプロットしたグラフを示
す。これから判るように、概ね粒径が小さくなるほど膜
は大きな引張応力をもち、粒径が大きくなるに従ってそ
の内部応力は引張応力が小さくなり、さらに粒径が大き
くなると膜は圧縮応力を示す。
【0022】以上の結果から、Ni膜の内部応力は該膜
の結晶粒径の大小に依存することが明らかになった。な
お、以上はイオン蒸着薄膜形成法による成膜における膜
の内部応力制御方法についての説明であるが、このほ
か、例えば前述のプラズマCVD法による成膜において
も、形成される膜の結晶粒径を制御することで膜の内部
応力を制御できる。この場合は、前述のとおり、例えば
印加される高周波電力の大きさを制御することで膜の結
晶粒径を制御する。
【0023】
【発明の効果】本発明方法によると、各種基体上に各種
膜を形成させる際に、該膜の内部に生じる内部応力を制
御する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に用いる成膜装置の1例の概
略構成を示す図である。
【図2】本発明方法の1実施例における膜の結晶粒径と
該膜の内部応力との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 基体 2 基体ホルダ 3 蒸発源 3a 蒸発物質 4 イオン源 4a イオン 5 膜厚モニタ 6 イオン電流測定器 7 真空容器 8 排気装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に膜を形成するにあたり、該膜の
    結晶粒径を制御することで該膜の内部応力を制御するこ
    とを特徴とする膜の内部応力制御方法。
JP320394A 1994-01-17 1994-01-17 膜の内部応力制御方法 Withdrawn JPH07207441A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP320394A JPH07207441A (ja) 1994-01-17 1994-01-17 膜の内部応力制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP320394A JPH07207441A (ja) 1994-01-17 1994-01-17 膜の内部応力制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07207441A true JPH07207441A (ja) 1995-08-08

Family

ID=11550886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP320394A Withdrawn JPH07207441A (ja) 1994-01-17 1994-01-17 膜の内部応力制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07207441A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0962545A1 (fr) * 1998-06-04 1999-12-08 Societe Nationale D'etude Et De Construction De Moteurs D'aviation "Snecma" Revêtement céramique à faible conductivité thermique

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0962545A1 (fr) * 1998-06-04 1999-12-08 Societe Nationale D'etude Et De Construction De Moteurs D'aviation "Snecma" Revêtement céramique à faible conductivité thermique
FR2779448A1 (fr) * 1998-06-04 1999-12-10 Snecma Revetement ceramique a faible conductivite thermique et de type barriere thermique, procede de depot d'un tel revetement ceramique, et piece metallique protegee par ce revetement ceramique
US6432478B2 (en) 1998-06-04 2002-08-13 Societe Nationale d'Etude et de Construction de Moteurs d'Aviation “Snecma” and Snecma Services Ceramic heat barrier coating having low thermal conductivity, and process for the deposition of said coating

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Okimura et al. Preparation of rutile TiO 2 films by RF magnetron sputtering
Mattox Physical vapor deposition (PVD) processes
EP0940481A1 (en) Method and apparatus for forming a thin film of a metal compound
US4828870A (en) Method of forming a thin aluminum film
Hasan et al. Nucleation and initial growth of In deposited on Si3N4 using low‐energy (≤ 300 eV) accelerated beams in ultrahigh vacuum
JP2003158307A (ja) 超伝導材料の製造方法
JPH11504753A (ja) 窒化炭素冷陰極
US20040083969A1 (en) Film forming apparatus, substrate for forming oxide thin film, and production method thereof
EP0269112A2 (en) Method of forming a thin crystalline metal film
EP1239056A1 (en) Improvement of a method and apparatus for thin film deposition, especially in reactive conditions
JPH07207441A (ja) 膜の内部応力制御方法
WO2015123662A1 (en) Systems and methods for generating metal oxide coatings
JP3389639B2 (ja) 膜の内部応力制御方法
JP3128573B2 (ja) 高純度薄膜の形成方法
JPH07207442A (ja) 膜の内部応力制御方法
JPH03122266A (ja) 窒化物薄膜の製造方法
EP0280198B1 (en) Method of forming diamond film
JP2636577B2 (ja) 窒化チタン膜の形成方法
JPH04285154A (ja) 炭素薄膜の作成方法
JP4294138B2 (ja) Ecrプラズマを用いた反応性スパッタリングによる金型の離型処理方法
JPS58100672A (ja) 薄膜形成法及びその装置
JPH11199377A (ja) 結晶性薄膜形成方法
Pauleau Physical vapor deposition techniques I: Evaporation and sputtering
JPH0582467B2 (ja)
JPH0913166A (ja) 膜結晶性の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010403