JP3389451B2 - 一方向性電磁鋼スラブの連続鋳造方法 - Google Patents

一方向性電磁鋼スラブの連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1300℃以上へ
のスラブの高温加熱に雰囲気制御型誘導加熱炉を用いる
熱間圧延プロセスにおいて、あるいはその後の冷間圧延
プロセスにおいて、フクレ疵の発生を、あるいはフクレ
疵と耳ワレ疵の発生を有効に防止することができる、一
方向性電磁鋼スラブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板の製造においては、
[110]<110>のいわゆるゴス方位が高度に集積
した二次再結晶粒を得るために、MnS,AlNといっ
た粒方向性を制御するインヒビダーを用いる。このイン
ヒビターは熱間圧延に先立つスラブ加熱時に十分に固溶
させ、その後微細かつ均一に分散析出させる。このイン
ヒビダーの固溶には1300℃以上の高温加熱が必要で
あり、従って一方向性電磁鋼板スラブの加熱温度は13
00℃以上の高温となる。
【0003】1300℃以上へのスラブの高温加熱に通
常のガス燃焼式スラブ加熱炉を用いると、多量の溶融ス
ケールが発生するという問題点があり、また加熱に長時
間を要するためにその間にスラブの組織が粗大化し成品
の磁気特性を不安定にするという問題点がある。溶融ス
ケールの発生を防止しかつ短時間で1300℃以上に加
熱するために、例えば窒素ガス雰囲気下でスラブを電磁
誘導加熱する雰囲気制御型誘導加熱炉が使用されてい
る。また低温域では溶融スケールによる問題点やスラブ
組織粗大化による問題点が少ないために、例えば120
0℃迄の低温域の第一次加熱はガス燃焼式スラブ加熱炉
により行い、その後1300℃以上の高温域の第2次加
熱は雰囲気制御型誘導加熱炉により行う2段階加熱方式
も行われている。
【0004】一方、連続鋳造スラブの板幅を小さくする
幅大圧下圧延を行うと、同一の板幅の連続鋳造スラブか
ら各種の板幅の熱延コイルが得られるために工程管理上
好ましい。このため、一方向性電磁鋼板の熱間圧延にお
いては、ガス燃焼式スラブ加熱炉により前記の第1次加
熱を行った後幅大圧下圧延を行い、その後雰囲気制御型
誘導動加熱炉により前記の第2次加熱を行い板厚を小さ
くする通常の熱間圧延を行う2段階加熱・圧延方式も行
われている。
【0005】連続鋳造中のスラブの幅方向の両端部は、
スラブの短辺側からも抜熱されるために幅方向の中央部
よりも低温になり易い。例えばベンディング方式の連続
鋳造機においては、鋳造された湾曲状の鋳片はアンベン
ダーで平面状に形状矯正する。この形状矯正に際して、
幅方向の端部が過度に低温の鋳片は、幅方向の端部の靭
性が乏しいためにこの部分に微細割れが発生するが、こ
の微細割れは熱間圧延で耳ワレ疵となる。従ってスラブ
の連続鋳造においては、鋳型を出た鋳片の幅方向の両端
部のそれぞれ約200mmには注水しないでこの部分を
非注水域とし、幅方向の端部が過度に低温になる事を防
止して、熱間圧延における耳ワレ疵の発生を防止してい
る。
【0006】特公平7−5976号公報、特公平7−1
3268号公報、特許第2533987号、特開平3−
229823号公報は、一方向性電磁鋼板の前記の2段
階加熱・圧延方式において、あるいは前記の2段階加熱
方式において、一次加熱温度、幅大圧下圧延条件、二次
加熱における昇温速度等を特定の範囲内とすることによ
り、熱間圧延におけるふくれ疵、耳割れ疵を低減し、あ
るいは熱延トラブルを解消する方法が記載されている。
しかしながら、本発明者等の知見によるとスラブ加熱条
件や圧延条件をこれ等の範囲に特定すると、熱間圧延の
能率や生産性が大きく低下する。このため高能率な加熱
や熱間圧延を行っても、ふくれ疵や耳割れ疵等が発生し
ない連続鋳造鋳片が存在すると極めて好ましいが、これ
等の公報には連続鋳造鋳片の製造条件の記載は全くな
い。
【0007】特開昭53−19913号公報は、連続鋳
造による一方向性電磁鋼板スラブにおいて、予備熱間圧
延を行わない場合は1300〜1400℃の加熱の間に
結晶粒が粗大化し、格別の手段を講じないスラブの場合
は最大粒径が70〜140mmに達する事、凝固進行中
に電磁撹拌を行ったスラブの場合は5〜60mmに押さ
えられる事を記載している。この公報にはスラブ加熱炉
の型式の記載はない。しかし雰囲気制御型誘導加熱炉の
場合は1300〜1400℃の間に保持される時間が短
いために、このように結晶粒が粗大化する事はない。従
ってこの先行技術は、雰囲気制御型誘導加熱炉を用いる
際の、スラブの改善の示唆となるものではない。
【0008】特開平3−243244号公報は、連続鋳
造による方向性電磁鋼板用スラブを1400℃で4〜6
時間加熱しその後熱間圧延を行うプロセスにおいて、ス
ラブ端部の組織がこの高温、長時間の加熱によって粗大
な柱状晶となり、その後の圧延によって粒界に沿って耳
ワレ疵となる事を防止するために、例えばメニスカス下
部1mから引抜き方向3mの範囲で短辺側に電磁撹拌を
施し鋳片短辺部の組織を改善する事を記載している。こ
の公報にはスラブ加熱炉の型式の記載はないが、雰囲気
制御型誘導加熱炉の場合は、1400℃で4〜6時間の
長時間加熱を行う事がない。従ってこの先行技術も、雰
囲気制御型誘導加熱炉を用いる際のスラブの改善の示唆
となるものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】既に述べた如く、雰囲
気制御型誘導加熱炉とガス燃焼式スラブ加熱炉とを用い
る2段階加熱方式や2段階加熱・圧延方式では、熱間圧
延においてふくれ疵や耳割れ疵が発生するという問題点
がある。先行技術によると、加熱条件や圧延条件を特定
すると、このふくれ疵や耳割れ疵は軽減する。しかし加
熱条件や圧延条件を先行技術のように特定すると、熱間
圧延の能率や生産性が大きく低下する。本発明はこれ等
の問題点を解決するもので、高能率な加熱や熱間圧延を
行っても、ふくれ疵や耳割れ疵の発生を防止する事がで
きる、一方向性電磁鋼の連続鋳造スラブの製造方法の提
供を課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)130
0℃以上へのスラブの高温加熱に雰囲気制御型誘導加熱
炉を用いる熱間圧延プロセスに供する一方向性電磁鋼ス
ラブの連続鋳造方法において、鋳型を出てから少なくと
も長辺の片側の凝固シェルの厚さがスラブ厚さの25%
に達する迄の間、スラブ幅の全体にあるいは幅方向の端
部から0〜100mmの間を除いた幅の全体に注水冷却
を行うことにより非注水域をスラブの幅方向の端部の1
00mm未満としたことを特徴とする、一方向性電磁鋼
スラブの連続鋳造方法である。
【0011】スラブの加熱に雰囲気制御型誘導加熱炉を
用いる熱間圧延プロセスとしては、ガス燃焼式スラブ加
熱炉を用いないで、スラブの加熱の全てを雰囲気制御型
誘導加熱炉で行うプロセスと、低温域での加熱はガス燃
焼式スラブ加熱炉を用い高温域の加熱のみに雰囲気制御
型誘導加熱炉を用いる前記2段階加熱プロセスと、低温
域の第1次の加熱はガス燃焼式スラブ加熱炉を用い第1
次の加熱後に第1次の圧延を行い次に高温域の第2次の
加熱に雰囲気制御型誘導加熱を用いその後に第2次の圧
延を行う前記2段加熱・圧延プロセスがあるが、何れの
プロセスにおいても本発明を行うと、熱間圧延時のふく
れ疵は低減する。また後で述べる本発明の(2)を併せ
行うと耳ワレ疵は低減する。従って、本明細書の雰囲気
制御型電磁誘導加熱炉を用いる熱間圧延プロセスには、
これ等の全てのプロセスが含まれる。
【0012】本発明では片側の凝固シェルの厚さが少な
くともスラブ厚さの25%に達する迄の間、非注水域を
スラブの幅方向のそれぞれの端部の100mm未満とす
る。片側の凝固シェルの厚さがスラブ厚さの25%に達
する点はその都度測定してもよいが、予め測定した結果
に基づきあるいはシュミレーション等で得られた結果に
基づき、鋳型を出た後の鋳片の走行距離として把握して
置く事が操業上好ましい。本発明では片側の凝固シェル
の厚さがスラブ厚さの例えば30%に達する迄端部の非
注水域を100mm未満に保持しても支障がない。本発
明の端部の非注水域100mm未満とは、例えば50m
mであってもよいし、また非注水域が0となるように幅
方向の全体に注水を行うものであってもよい。
【0013】本発明はまた(2)、前記の(1)を行う
と共に、更に鋳型の長辺部に電磁誘導撹拌装置が内蔵さ
れた鋳型を用いて、鋳片表面のオッシレーションマーク
の深さが2mm以下となるように鋳型内の溶鋼を電磁撹
拌する。本発明者等の知見によると、電磁誘導撹拌を行
わない場合の鋳片表面のオッシレーションマークには深
さが2.5mm程度のものがあるが、鋳型に内蔵された
電磁誘導撹拌装置を用いて鋳型内の溶鋼を電磁撹拌する
と、鋳片表面のオッシレーションマークの深さは容易に
2mm以下になる。
【0014】
【発明の実施の形態】 (1)本発明者等は、通常の方法で、即ち鋳型を出た鋳
片の幅方向の両端部のそれぞれ200mmには注水しな
いで製造した、幅:1200mm、厚さ:250mmの
連続鋳造による一方向性電磁鋼板スラブを、加熱条件や
圧延条件を格別に特定しないで、高能率の加熱と熱間圧
延を行って、板厚が2.3mmの熱延コイルに熱間圧延
した。即ちガス燃焼式スラブ加熱炉により約1100℃
に加熱し、1パスの幅圧下圧延と1パスの平圧延により
スラブ幅を1050mmにし、その後雰囲気制御型誘導
加熱炉により1380℃に急速加熱し約15分間均熱し
た後熱間圧延して板厚が2.3mmのホットコイルとし
た。
【0015】(2)このホットコイルの表面を全長に亘
って目視観察したが、合計で87ヶのフクレ疵が観察さ
れた。本発明者等はホットコイルの全長を幅方向に7ゾ
ーンに区分し、各区分に発生したフクレ疵の個数を数え
た。図1はその結果である。図1の0〜150mm、及
び900mm〜1050mmの区分は、ホットコイルの
幅方向の両端部に相当するが、この部分にはフクレ疵は
なかった。即ちフクレ疵は専ら150mm〜900mm
の、ホットコイルの幅方向の中央部に相当する区分に発
生していた。
【0016】(3)本発明者はまた、ホットコイルのフ
クレ疵の部分をC方向に切断し、切断面のフクレ疵の部
分を拡大鏡により観察した。図2(A)はその模式図
で、フクレ疵は空孔を掩うように形成されていた。本発
明者等は、各フクレ疵について、図2(A)の(t/T
×100)により、フクレ疵の起点の深さを調査した。図
2(B)にその結果を示した。図2(B)にみられる如
く、フクレ疵の起点は(t/T)×100が25以下、
即ちホットコイルの表面からホットコイルの厚さの25
%迄のホットコイルの表層近傍に存在する。一方ホット
コイルの表面からこれよりも深い位置に起点を有するフ
クレ疵は観察されなかった。
【0017】(4)本発明者等は、フクレ疵の成因を更
に追跡するために、前記(1)で製造した後、熱間圧延
をしないで在庫されている鋳片を調査した。即ち鋳片の
表面を切削除去し、鋳片の表面から35mmの深さの鋳
片の表面と平行な観察面を作成し、サルファープリント
により観察面の欠陥を調査した。その結果を図3(B)
に示した。尚図3(A)の如く、この観察面の鋳片表面
からの深さd(35mm)は鋳片の厚さD(250m
m)に対してd/D×100=14の位置にある。従っ
てこの観察面は熱間圧延後は図2(B)のt/T×10
0=14となる鋳片の部分である。
【0018】図3(B)に見られる如く、この観察面に
は微細な、サルファープリント欠陥が散在して観察され
た。本発明者等はこの欠陥を顕微鏡により調査した。そ
の結果、この欠陥の性状は、鋳造中の鋳片を不均一に水
冷した場合に発生する欠陥の性状と酷似している事を知
得した。尚本発明者等の知見によると、鋳造中の鋳片を
不均一に水冷した場合に発生する欠陥は、非注水域の幅
を小さくする事により、あるいは非注水域を設けないで
全体を水冷域とする事により軽減する事ができる。
【0019】(5)上記の(1)〜(4)で得られた知
見に基づき、本発明者等は、図4のC1〜C5に示した、
非注水域の幅が異なる5種類の水冷パターンを用いて一
方向性電磁鋼板のスラブを連続鋳造により作成し、得ら
れたスラブに前記(1)で述べたと同様の高能率の加熱
と熱間圧延を施して、板厚が2.3mmのホットコイル
とした。
【0020】図4のC1は鋳型を出た後(凝固率10)
から凝固終了(片側凝固率50)に至る間、非注水域の
幅を200mmに設定した従来例であり、図1、図2で
述べた如く、多数のフクレ疵が発生した。
【0021】C2は非注水域の幅を120mmに設定し
た例であるが、120mmでは非注水域の幅がまだ過大
であり、フクレ疵が発生した。
【0022】C3は鋳型を出た後から凝固終了に至る迄
の間、非注水域の幅を100mm以下(70mm)に設
定した例であるが、フクレ疵は発生しない。この原因
は、前記(4)で述べた如く、非注水域の幅を小さくす
る事により、鋳片の欠陥が減少した事によると思われ
る。
【0023】C4は鋳型を出た後から凝固率が25%以
上(35%)になる迄の間、非注水域の幅を100mm
以下(80mm)とし、凝固率が25%以上(35%)
になった後非注水域の幅を100mm以上に拡大した場
合であるが、この際にはフクレ疵は発生しない。C4
場合は凝固率が35%になる迄は非注水域の幅が小さ
く、このため前記(4)により鋳片の表面近傍には欠陥
が少ない。凝固率が35%を超えて非注水域を大きくし
たため、鋳片の深部には前記(4)により欠陥が存在す
ると想考される。しかしながら前記(3)の如く、鋳片
の深部の欠陥はフクレ疵の起点とはならない。これ等の
原因で、C4の場合にはフクレ疵が発生しなかったと想
考される。
【0024】C5では鋳型を出た後から凝固率が25%
以下(15%)になる迄の間、非注水域の幅を100m
m以下(85mm)とし、凝固率が15%になった後非
注水域の幅を100mm以上に拡大する方法である。こ
の際にはフクレ疵が発生する。C5の場合は鋳片の凝固
率が15%以下の範囲には欠陥が存在しないが、鋳片の
凝固率が15%〜25%の間の部分には前記(4)によ
り欠陥が存在する。この凝固率が15%〜25%にある
欠陥は、熱間圧延した際に、図(3)で述べた、(t/
T)×100が15〜25に起点を有するフクレ疵とな
る。
【0025】(6)前記(5)で述べた理由で、本発明
においてはフクレ疵の発生を防止するために図4の斜線
部には入らないような水冷パターンで鋳片を水冷する。
このため本発明では、鋳型を出てから少なくとも長辺の
凝固シェルの厚さがスラブ厚さの25%に達するまでの
間、スラブの幅方向の端部から0〜100mmの間を除
く長辺の幅方向の全体に注水冷却を行うことにより非注
水域をスラブの幅方向の端部の100mm未満としたこ
とを特徴とする。
【0026】(7)既に述べたが、スラブの幅方向の両
端部は、アンベンダーにおいて低温になり易く、このた
め湾曲状に鋳造された鋳片は、アンベンダーで平面に形
状矯正する際に、この部分に微細割れが発生し易く、こ
の微細割れは熱間圧延で耳ワレ疵の原因となる。図4に
みられる如く、本発明では非注水域の幅を小さくする
が、この結果、スラブ幅方向の両端部は、アンベンダー
において、更に低温になり易い。
【0027】本発明者等の知見によると、このアンベン
ダーで発生する微細割れは、鋳片のオッシレーションマ
ークの深さが2mm超の場合に発生する。従って本発明
においてはオッシレーションマークの深さを2mm以下
にする事が好ましい。本発明者等は鋳型の長辺部に電磁
誘導撹拌装置が内蔵された鋳型を用いて、鋳造中の鋳型
内の溶鋼を電磁撹拌する事により、オッシレーションマ
ークの深さが2mm以下となる事を知得した。
【0028】非注水域を100mm未満にすると、アン
ベンダーにおける鋳片の幅方向の両端部は低温となる
が、オッシレーションマークの深さが2mm以下の鋳片
は低温になってもアンベンディングに際して微細割れが
発生することがなく、従って熱間圧延で発生する耳ワレ
疵を有効に防止する事ができる。
【0029】(8)本発明でフクレ疵が改善される機構
は必ずしも詳かではないが、本発明者等は下記の如くに
推考する。即ち雰囲気制御型誘導加熱炉は、誘導電流に
よる加熱であり、この誘導電流はスラブの表面からスラ
ブの厚さの25%に達するまでの表層部分を特に強く加
熱する。鋳片のこの部分に欠陥があると、欠陥が抵抗体
となり凝固温度以上に加熱され溶かされて図2の空孔が
出来、この空孔に、鋳片に含有されているNがN2分子
となって集積しフクレ疵となる。本発明では鋳片の注水
方法を改善する事により、スラブの表面からスラブの厚
さの25%に達するまでの表層部分に存在する、凝固中
のスラブの幅方向温度差による熱歪によって発生する欠
陥を低減する。この結果、雰囲気制御型誘導加熱炉を用
いる熱間圧延プロセスにおいて、フクレ疵の発生を有効
に防止する。
【0030】
【表1】
【0031】
【実施例】表1に、本発明法と従来法を比較して示し
た。従来法の非注水域は、図4のC1と同様で200m
mである。また本発明の非注水域は80mmで図4のC
3と同様である。従来法1、従来法2は幅方向圧下パス
(幅大圧下圧延パス)が1回で能率はよいが、ふくれ欠
陥の発生率が高くまた熱延板耳割れ深さも深い。従来法
3、従来法4はふくれ欠陥発生率が低い。しかし幅方向
圧下パス数が3パスであり生産性が悪い。本発明1、本
発明2は幅方向圧下パス数が1パスで生産性がよく、ま
たふくれ欠陥の発生は全くない。尚鋳型内電磁撹拌がな
い本発明1では耳割れが発生しているが鋳型内電磁撹拌
を行なった本発明2には耳割れの発生がない。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、雰囲気制御型誘導加熱
炉を用いる一方向性電磁鋼の熱間圧延において、フクレ
疵、耳割れ疵の発生を防止して、高能率に加熱、圧延を
行う事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】:熱延したコイルの全長におけるフクレ疵の分
布を示す図。
【図2】:熱延したコイルにおけるフクレ疵の発生深さ
を示す図。
【図3】:鋳片の表面下35mm位置における欠陥を示
す図。
【図4】:非注水域が異なる5種類の水冷パターンを示
す図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−117751(JP,A) 特開 昭63−5857(JP,A) 特開 昭60−56021(JP,A) 特開 昭58−3704(JP,A) 特開 昭57−139455(JP,A) 特開 昭53−4727(JP,A) 特開 昭51−47527(JP,A) 特開 昭63−295044(JP,A) 特開 平6−269901(JP,A) 特開 平8−155602(JP,A) 特開 昭63−119910(JP,A) 特開 昭50−33926(JP,A) 特公 昭49−24766(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/00 B21B 1/02 B22D 11/115 B22D 11/124 C21D 8/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1300℃以上へのスラブの高温加熱に雰
    囲気制御型誘導加熱炉を用いる熱間圧延プロセスに供す
    る一方向性電磁鋼スラブの連続鋳造方法において、鋳型
    を出てから少なくとも長辺の片側凝固シェルの厚さがス
    ラブ厚さの25%に達する迄の間、スラブ幅の全体にあ
    るいは幅方向の端部から0〜100mmの間を除いた幅
    の全体に注水冷却を行うことにより非注水域をスラブの
    幅方向の端部の100mm未満としたことを特徴とす
    る、一方向性電磁鋼スラブの連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】1300℃以上へのスラブの高温加熱に雰
    囲気制御型誘導加熱炉を用いる熱間圧延プロセスに供す
    る一方向性電磁鋼スラブの連続鋳造方法において、鋳型
    の長辺部に電磁誘導撹拌装置が内蔵された鋳型を用いて
    鋳片表面のオッシレーションマークの深さが2mm以下
    となるように鋳型内の溶鋼を電磁撹拌し、かつ鋳型を出
    てから少なくとも長辺の片側凝固シェルの厚さがスラブ
    厚さの25%に達する迄の間、スラブ幅の全体にあるい
    は幅方向の端部から0〜100mmの間を除いた幅の全
    体に注水冷却を行うことにより非注水域をスラブの幅方
    向の端部の100mm未満としたことを特徴とする、一
    方向性電磁鋼スラブの連続鋳造方法。
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