JP3388943B2 - 黄変防止ポリアミド繊維とその製造法 - Google Patents

黄変防止ポリアミド繊維とその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度の白度と耐黄変性
を有するポリアミド繊維とその製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド繊維は、優れた化学的、機械
的性質を有し、衣料用及び産業資材用として広く用いら
れている。
【0003】しかしながら、通常のポリアミド繊維は、
特に白度の要求される用途には、白度が十分でないとい
う問題がある。この問題を解決するために、ポリアミド
繊維を製造する際に、蛍光増白剤を添加することが提案
されており、例えば、特開昭64−20321 号公報には、ベ
ンゾオキサゾール系蛍光増白剤、白色無機化合物及び分
散媒を含有させた白原着ポリアミド繊維が開示されてい
る。
【0004】一方、ポリアミド繊維は、アミノ末端基を
有するため酸性染料によって容易に染色できるという長
所を有する反面、光やガスによる黄変あるいは包装紙材
による黄変等を起こし易いという問題を有している。
【0005】従来、ポリアミド繊維の黄変、特に包装紙
材による黄変を防止する方法として、ポリアミド繊維を
改質する有効な方法はなく、包装紙材を改質する方法が
種々提案されている。例えば、包装紙材あるいは段ボー
ル製包装容器の内側ライナーに特定の化合物の溶液を塗
布又は含浸させる方法が提案されている (特公昭56−48
640 号、同60−7759号等) 。
【0006】また、ガスによる黄変を防止する方法とし
て、繊維のアミノ末端基量を少なくする方法が提案され
ており、例えば、特開平1−229810号公報にはポリアミ
ドの溶融紡糸時に酸又は酸無水物を添加反応させ、末端
アミノ基量を10〜30g当量/106gにする方法が開示され
ている。しかし、この方法では、包装紙材による黄変を
防止することはできなかった。
【0007】このような問題を解決するものとして、特
開平4−153315号公報には、アミノ末端基量が10g当量
/106g以下のポリアミドからなり、ベンゾオキサゾール
系蛍光増白剤を 0.005〜0.2 重量%含有している黄変防
止ポリアミド繊維が開示されている。しかし、高度の白
度と耐黄変性の要求される製品では、これらの性能が若
干不満足であった。
【0008】高度の白度と耐黄変性の要求される製品と
しては、ストッキング、ソックス等のスポーツ衣料やタ
イツ等がある。これらの用途には、優れた伸縮性とフィ
ット性を有するポリアミド仮撚加工糸が適しているが、
黄変の問題があり、白色製品用としては使用できなかっ
た。なお、白色の蛍光染料で染色することによって、当
初の白度を向上させることはできるが、耐黄変性を向上
させることはできなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高度の白度
と耐黄変性を有するポリアミド繊維とその製造法を提供
しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討の結果、ポリアミドのアミ
ノ末端基量を極めて少なくすると共に、繊維にベンゾオ
キサゾール系蛍光増白剤ペリノン系油溶性赤色染料を含
有させることが有効であることを見出し、本発明に到達
した。
【0011】すなわち、本発明の要旨は次のとおりであ
る。 1.アミノ末端基量が10g当量/106g以下のポリアミド
からなり、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤を 0.005〜
0.2 重量%及びペリノン系油溶性赤色染料を 0.5〜3.0p
pm含有していることを特徴とする黄変防止ポリアミド繊
維。 2.溶融紡糸法によってポリアミド繊維を製造するに際
し、トリアリールオキシ−S−トリアジンを添加、反応
させ、アミノ末端基量を10g当量/106g以下にすると共
に、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤を 0.005〜0.2 重
量%及びペリノン系油溶性赤色染料を 0.5〜3.0ppm添
加、含有させることを特徴とする黄変防止ポリアミド繊
維の製造法。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】本発明の方法においては、ポリアミドのア
ミノ末端基量を10g当量/106g以下とすることが必要で
ある。ポリアミドのアミノ末端基量を減少させる方法
は、特に限定されないが、溶融紡糸時にトリアリールオ
キシ−S−トリアジンを添加、反応させる方法が好まし
く採用される。
【0014】トリアリールオキシ−S−トリアジンとし
ては、特公昭46−5068号公報に記載されたものを使用す
ることができ、具体例としてはトリフェニル−S−シア
ヌレート、トリス(p−メチル−フェニル)−S−シア
ヌレート、トリス(p−t−ブチル−フェニル)−S−
シアヌレート等が挙げられる。
【0015】トリアリールオキシ−S−トリアジンの添
加量は、ポリアミドのアミノ末端基量の 0.7〜2.5 倍モ
ル、好ましくは 0.9〜2.3 倍モルが適当であり、この範
囲の添加量で、製糸性を損なうことなく、ポリアミドの
アミノ末端基量を10g当量/106g以下とすることができ
る。アミノ末端基量が10g当量/106g以下となるように
しないと、ポリアミド繊維の黄変を防止することができ
ない。
【0016】また、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤と
しては、イーストマンケミカル社から市販されている
「イーストブライトOB−1」(商品名)が好ましく使
用される。
【0017】蛍光増白剤の添加量は、 0.005〜0.2 重量
%とすることが必要であり、好ましくは0.01〜0.1 重量
%とするのがよい。この添加量があまり少ないと繊維の
白度を向上させる効果が不十分であり、一方、あまり多
いと白度向上効果が飽和するばかりでなく、繊維が色相
がやや黄色となる傾向を示し、好ましくない。
【0018】ペリノン系油溶性赤色染料としては、日本
化薬社製「カヤセットレッドA−BR」(商品名)が好
ましく使用される。
【0019】油溶性赤色染料の添加量は、 0.5〜3.0ppm
とすることが必要であり、好ましくは 0.8〜2.0ppmとす
るのがよい。この添加量があまり少ないと繊維の白度を
向上させる効果が不十分であり、一方、あまり多いと赤
味が強くなりすぎて、白度の高い繊維を得ることができ
ない。
【0020】油溶性赤色染料の添加量は、ごく微量であ
るため、ポリアミド繊維中に均一に分散させるため、予
め油溶性赤色染料を低濃度で含有するマスターチップを
作製しておき、これを所定の添加量となるようにベース
ポリマーチップと混合して紡糸することが好ましい。
【0021】本発明におけるポリアミドは、溶融紡糸可
能なものであれば特に限定されないが、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン46等が代表的なものとして挙げ
られる。
【0022】なお、本発明のポリアミド繊維には、二酸
化チタンのような白色無機化合物を艶消剤として、 0.2
〜3.0 重量%程度含有させてもよい。
【0023】本発明のポリアミド繊維は、十分な白度を
有すると共に、光やガスによる黄変あるいは包装紙材に
よる黄変等を起こさないので、高度の白度と耐黄変性を
要求される用途に好ましく使用される。
【0024】なお、本発明のポリアミド繊維は、用途に
応じて、生糸(フラットヤーン)又は加工糸として使用
される。
【0025】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、評価は、次の方法で行い、次の4段階でラ
ンク付けした。 ◎:極めて良好、〇:良好、△:やや不良、×:不良。 (a) 白度 官能検査により判定した。 (b) 耐光性 JIS L 0842に準じて、カーボンアークフェードメータで
測定して判定した。 (c) 耐黄変性 JIS L 0842に準じて、酸化窒素ガス堅牢度を判定し
た。 試料を6cm×6cmの大きさに裁断し、同じ大きさに切
断した市販の段ボールと重ねてアルミホイルで包み、80
℃で 100時間放置した後、官能検査により判定した。
【0026】実施例及び比較例 相対粘度(96%硫酸を溶剤とし、濃度1g/dl、温度25
℃で測定) が2.70、末端アミノ基量が62g当量/106gの
ナイロン6チップにトリフェニル−S−シアヌレート、
蛍光増白剤;「イーストブライトOB−1」及び油溶性
赤色染料;「カヤセットレッドA−BR」を表1及び表
2に示す量で添加、混合し、紡糸温度 270℃で、紡糸口
金までの滞留時間が15分間となる条件で紡糸し、4200m
/分の速度で巻き取り、80d/24fのナイロン6糸を得
た。このナイロン6糸を三菱重工社製LS−6型仮撚機
に供給し、加工速度 120m/分、仮撚数 3400T/M、ヒー
ター温度 185℃、延伸倍率 1.19 の条件で仮撚加工し、
S及びZ方向の仮撚加工糸とした。次いで、これらを石
川製作所製合撚機に供給し、撚数 120T/M(Z)で合撚し、
合撚糸を得た。得られた合撚糸を用いて、筒編地を作
り、前記の方法で、白度、耐光性及び耐黄変性を評価し
た。筒編地についての評価結果を、原糸及び加工糸の特
性値と共に表1及び表2に示す。なお、参考例として、
比較例1と同様にして得たナイロン6糸を用い、白色の
蛍光染料で染色した筒編地について評価した結果を表2
に併記した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、高度の白度と耐黄変性
を有するポリアミド繊維を得ることができる。また、本
発明の方法によれば、このようなポリアミド繊維を、溶
融紡糸時に添加剤を添加するだけで、容易に製造するこ
とが可能となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ末端基量が10g当量/106g以下の
    ポリアミドからなり、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤
    を 0.005〜0.2 重量%及びペリノン系油溶性赤色染料を
    0.5〜3.0ppm含有していることを特徴とする黄変防止ポ
    リアミド繊維。
  2. 【請求項2】 溶融紡糸法によってポリアミド繊維を製
    造するに際し、トリアリールオキシ−S−トリアジンを
    添加、反応させ、アミノ末端基量を10g当量/106g以下
    にすると共に、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤を 0.0
    05〜0.2 重量%及びペリノン系油溶性赤色染料を 0.5〜
    3.0ppm添加、含有させることを特徴とする黄変防止ポリ
    アミド繊維の製造法。
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