JP3387823B2 - 汚泥中のダイオキシン類の抽出方法 - Google Patents

汚泥中のダイオキシン類の抽出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、浸出水処理汚泥な
どの汚泥中のダイオキシン類の抽出方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般廃棄物や産業廃棄物を埋立てた廃棄
物最終処分場の浸出水など、ダイオキシン類を含んだ汚
水は、たとえば、夾雑物や砂等を除去し、カルシウムや
マンガンなどの重金属類を凝集沈殿させ、BOD物質や
T−Nを生物処理により分解し、COD物質や浮遊物質
やT−Pなどを凝集沈殿させ、微細な浮遊物質を砂濾過
により除去し、残存するダイオキシン類の他、COD物
質や色度成分などをオゾン・紫外線および活性炭により
除去してから放流している。このとき生物処理やその前
後の凝集沈殿処理で発生した汚泥は、濃縮し、脱水した
後に、処分場に埋め立て処分している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た浸出水処理で発生した汚泥など、ダイオキシン類を含
んだ汚泥を埋め立てると、ダイオキシン類が埋立地内に
蓄積するだけでなく、再び浸出水中に溶出する恐れがあ
る。 【0004】本発明は上記問題を解決するもので、汚泥
中のダイオキシン類を除去し、埋立地におけるダイオキ
シン類の蓄積および溶出を防止することを目的とするも
のである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の汚泥中のダイオキシン類の抽出方法は、ダ
イオキシン類を含んだ汚泥を有機溶媒と混合し、この汚
泥混合液に低周波超音波を照射して汚泥の表面に吸着し
ているダイオキシン類を有機溶媒中に抽出する低周波超
音波抽出工程と、汚泥混合液に高周波超音波を照射して
汚泥の内部に取り込まれているダイオキシン類を有機溶
媒中に抽出する高周波超音波抽出工程とを行うようにし
たものである。 【0006】汚泥中に含まれているダイオキシン類に
は、汚泥の表面に吸着しているものと、汚泥の内部に取
り込まれているものとがあり、前者は低周波超音波の振
動エネルギーによって分離され、後者は高周波超音波の
振動エネルギーによって分離されて、有機溶媒中に移行
するので、上記したようにして低周波超音波抽出工程と
高周波超音波抽出工程とを行うことにより、汚泥中のダ
イオキシン類を効率的に有機溶媒中に抽出できる。した
がって、ダイオキシン類を抽出した有機溶媒を分離する
ことで汚泥よりダイオキシン類を除去できる。 【0007】有機溶媒としては、ジエチレングリコー
ル,DMSOなどの親水性有機溶媒を使用することがで
き、脱水汚泥1g(乾燥汚泥ベース)に対して約100
mlの割合で使用する。 【0008】超音波としては、約20〜100kHzの低
周波超音波を使用すればよく、100kHz以上の高周波
超音波を併せて使用するのが好ましい。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら説明する。図1はダイオキシン類を含んだ
浸出水の処理フローを示し、浸出水を前処理設備1に導
入して夾雑物や砂等を除去し、カルシウム除去設備2に
導入してカルシウムやマンガンなどの重金属類を凝集沈
殿させ、上澄水たるカルシウム除去水3を生物処理設備
4に導入してBOD物質やT−Nを微生物により分解除
去し、得られる生物処理水5を凝集沈殿処理設備6に導
入してCOD物質や浮遊物質やT−Pなどを凝集沈殿さ
せ、上澄水たる凝沈処理水7を砂濾過塔8に導入して微
細な浮遊物質を除去した後、オゾン・紫外線反応塔9,
活性炭吸着塔10に順次導入して、残存するダイオキシ
ン類の他、COD物質や色度成分などを除去し、処理水
11として放流する。 【0010】このときカルシウム除去設備2,生物処理
設備4,凝集沈殿処理設備6でそれぞれ発生した汚泥1
2,13,14は、図2に示したように、汚泥濃縮槽1
5に投入して静置し、それにより濃縮された濃縮汚泥1
6を汚泥貯留槽17に移送して一旦貯留した後、脱水助
剤18を添加して汚泥脱水機19で脱水することによ
り、脱水汚泥20とする。 【0011】汚泥濃縮槽15,汚泥貯留槽17,汚泥脱
水機19で分離された濃縮分離液21,22や脱水濾液
23は上述した前処理設備1に返送して、上記の一連の
浸出水処理を行う。 【0012】一方、脱水汚泥20は、超音波発生装置を
備えた超音波抽出槽24に投入して、槽内に注入する有
機溶媒25中に1〜10%の割合で懸濁する。そして槽
内の汚泥混合液に対して超音波発生装置より約20〜1
00kHzの低周波超音波を照射して、脱水汚泥20の表
面に吸着しているダイオキシン類を低周波超音波の振動
エネルギーによって分離させ、有機溶媒25中に移行さ
せる。次に槽内の汚泥混合液に対して約100kHz以上
の高周波超音波を照射して、脱水汚泥20の内部に取り
込まれているダイオキシン類を高周波超音波の振動エネ
ルギーによって分離させ、有機溶媒25中に移行させ
る。 【0013】その後、超音波抽出槽24より汚泥混合液
26を汚泥濃縮槽27に移送して静置し、それにより濃
縮された濃縮汚泥28を汚泥洗浄・濃縮槽29に移送
し、洗浄水30を用いて洗浄した後に静置し、それによ
り濃縮された濃縮汚泥31を脱水助剤32を添加して汚
泥脱水機33で脱水し、汚泥脱水機33より排出される
脱水汚泥34を埋立地へと搬出する。 【0014】汚泥濃縮槽27,汚泥洗浄・濃縮槽29,
汚泥脱水機33で分離された濃縮分離液35,36や脱
水濾液37は上述した前処理設備1に返送して、上記の
一連の浸出水処理を行い、それにより有機溶媒25を生
物処理設備4において微生物により分解除去し、有機溶
媒25中に抽出されたダイオキシン類をオゾン・紫外線
反応塔9においてオゾン酸化と紫外線照射とにより分解
除去する。 【0015】このようにして、浸出水処理で発生した汚
泥12,13,14中に含まれるダイオキシン類を効率
的に抽出し、分離して、分解・除去することができ、そ
の際に、ダイオキシン類以外の有機・無機汚濁成分も有
機溶媒25中に抽出されて汚泥より分離されるので、こ
れらの汚濁成分の埋立地への搬入も低減できる。 【0016】なお、上記においては汚泥混合液26を汚
泥濃縮槽27に導入して濃縮したが、遠心濃縮機を用い
て濃縮すれば汚泥と有機溶媒25とを効率よく分離でき
る。 【0017】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、汚泥に
対するダイオキシン類の結合状態に応じた低周波超音波
と高周波超音波とを照射することにより、汚泥中に含ま
れているダイオキシン類を効率的に有機溶媒中に抽出す
ることができ、その有機溶媒を分離することで汚泥より
ダイオキシン類を除去できる。その際に汚泥中のその他
の汚濁成分も有機溶媒中に抽出されるので、汚泥埋立地
に持ち込まれるダイオキシ類およびその他の汚濁成分を
低減することができ、環境上望ましいのはもちろんのこ
と、管理上のリスクを軽減できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施対象たる汚泥の発生を説明するフ
ローチャートである。 【図2】本発明の一実施形態における汚泥中のダイオキ
シン類の除去方法を説明するフローチャートである。 【符号の説明】 4 生物処理設備 9 オゾン・紫外線反応塔 20 脱水汚泥 24 超音波抽出槽 25 有機溶媒 35, 36 濃縮分離液 37 脱水濾液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−108285(JP,A) 特開 平8−145985(JP,A) 特開 平4−312475(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 11/12 B01D 11/02 B09B 3/00,5/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ダイオキシン類を含んだ汚泥を有機溶媒
    と混合し、この汚泥混合液に低周波超音波を照射して汚
    泥の表面に吸着しているダイオキシン類を有機溶媒中に
    抽出する低周波超音波抽出工程と、汚泥混合液に高周波
    超音波を照射して汚泥の内部に取り込まれているダイオ
    キシン類を有機溶媒中に抽出する高周波超音波抽出工程
    とを行うことを特徴とする汚泥中のダイオキシン類の抽
    出方法。
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