JP3386531B2 - フィルタ素材 - Google Patents

フィルタ素材

Info

Publication number
JP3386531B2
JP3386531B2 JP27503393A JP27503393A JP3386531B2 JP 3386531 B2 JP3386531 B2 JP 3386531B2 JP 27503393 A JP27503393 A JP 27503393A JP 27503393 A JP27503393 A JP 27503393A JP 3386531 B2 JP3386531 B2 JP 3386531B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
shrinkable
filter material
cloth
shrink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27503393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07100316A (ja
Inventor
輝美 中西
美浩 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP27503393A priority Critical patent/JP3386531B2/ja
Publication of JPH07100316A publication Critical patent/JPH07100316A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3386531B2 publication Critical patent/JP3386531B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メルトブロー不織布か
らなる凹凸を有するフィルタ素材に関し、とくにマス
ク、空気清浄機などに用いられるフィルタ素材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】防塵マスクや空気清浄機などに用いるフ
ィルタ素材として、メルトブロー不織布からなるフィル
タ素材が知られている。メルトブロー不織布は、特開昭
49−10258号、特開昭50−46972号及び特
公昭56−33511号などに記載されるように、ノズ
ルから押出された樹脂を、ノズル周囲から吹き出す高温
高速の気体流により微細な繊維状にして捕集する、いわ
ゆるメルトブロー法によって得られる不織布である。こ
のメルトブロー不織布は、0.1〜10μm程度の非常
に微細な繊維からなるため、開孔径の小さな緻密な構造
とすることができ、微細な塵埃の捕集を可能とする。し
かし、その反面、圧力損失が大きく、目詰りしやすいた
め、長期間使用できないという欠点がある。
【0003】これに対して、フィルタ素材の分野では、
フィルタ素材にジグザグ形状などの凹凸を形成すること
により表面積を大きくして、圧力損失を小さくすると共
に、捕集効率を高める方法が知られている。しかしなが
ら、上記のメルトブロー不織布は微細な繊維からなる厚
みの薄いシートであるため、保形性がなく、しかも、熱
や圧力をかけて成形すると緻密化してフィルタ素材の圧
力損失が増大するため、単独では凹凸を設けることが難
しかった。
【0004】このため、従来は比較的剛性のある支持基
材とメルトブロー不織布を積層し、これをプリーツ加工
することによりジグザグ形状の凹凸を設けることが行わ
れていた。しかし、この方法でも、プリーツ加工などの
加工工程で加わる圧力によりメルトブロー不織布が緻密
化するため構造的な圧力損失の増加は避けられなかっ
た。また、この方法により得られるフィルタ素材には、
必ず剛性のある支持基材が積層されているため、柔軟性
がなく、しかも、小さな折り幅のプリーツを設けること
が難しかった。とくに、マスク用のフィルタ素材には、
顔にフィットする柔軟性と、厚みが薄いことが要求され
るが、従来の支持基材とメルトブロー不織布を積層して
プリーツ加工したフィルタ素材では、この要求を満たす
ことができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を解消すべくなされたものであり、圧力損失が小
さく、捕集効率の高い、凹凸を有するメルトブロー不織
布を用いた、柔軟で、厚みを薄くすることが可能なフィ
ルタ素材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、「メルトブロー不織布と
収縮布とが部分的に超音波シール又は高周波シールによ
って接合されており、収縮布が収縮して、メルトブロー
不織布に凹凸が形成されていることを特徴とするフィル
タ素材。」を要旨とする。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、「収縮布
が45〜80℃の温度で収縮する低温収縮性繊維を含ん
でいることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ素
材。」を要旨とする。
【0008】また、請求項3に記載の発明は、「メルト
ブロー不織布がエレクトレット化されていることを特徴
とする請求項1に記載のフィルタ素材。」を要旨とす
る。
【0009】また、請求項4に記載の発明は、「メルト
ブロー不織布と収縮布とが並列に並ぶ複数の線状接合部
によって接合されていることを特徴とする請求項1に記
載のフィルタ素材。」を要旨とする。
【0010】以下、図面に沿って本発明を説明する。図
1は本発明のフィルタ素材の一例を示す斜視図であり、
図2は本発明のフィルタ素材の製造途中の断面模型図
で、収縮布を収縮させて、メルトブロー不織布に凹凸を
形成させる前の、収縮布とメルトブロー不織布の接合状
態を示す図である。
【0011】発明に使用するメルトブロー不織布2に
は、ノズルから押出された樹脂を、ノズル周囲から吹き
出す高温高速の気体流により微細な繊維状にして捕集す
る、いわゆるメルトブロー法によって製造される不織布
が用いられる。メルトブロー不織布の平均繊維径は0.
1〜10μmであることが好ましく、10μmを超える
と微細な塵埃の捕集が困難となって捕集効率が低下し、
一方、0.1μm未満になると圧力損失が増大する。
【0012】メルトブロー不織布2の製造に用いる樹脂
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂が適
している。ただし、収縮布3が収縮する温度で収縮した
り、溶融したり、変形したりすることがない樹脂を使用
することが望ましい。
【0013】なお、メルトブロー不織布2は、特公昭5
9−124号公報、米国特許第4375718号公報、
特開昭60−168511号公報及び特開昭61−27
2063号公報などに開示されるようなエレクトレット
化手段により、エレクトレット化されていると、物理的
な塵埃の捕集に加えて電気的な吸着による塵埃の捕集が
できるため、著しく塵埃の捕集能力が向上するのでよ
い。エレクトレット化する場合には、エレクトレット化
されやすく、電荷を長期に渡って安定に保持できる、ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の
無極性の樹脂を用いてメルトブロー不織布を作製すると
良い。また、エレクトレット化はメルトブロー不織布単
独で行ってもよいが、収縮布と接合した後に収縮布とと
もに行ってもよい。ただし、収縮布を収縮させるとメル
トブロー不織布に凹凸ができて、エレクトレット化され
にくくなるため、収縮処理の前にエレクトレット化して
おくことが望ましい。
【0014】本発明に使用する収縮布3には、実質的に
メルトブロー不織布に影響を与えずに収縮することがで
き、メルトブロー不織布に凹凸を形成させると共にその
形状を保持するだけの収縮力を持つものが用いられる。
このような収縮布3としては、収縮性繊維を構成繊維に
含む織布、編布、不織布、ネット、もしくはこれらの複
合布などが好適に用いられ、とくに、収縮後でもあまり
緻密にならず、フィルタ素材の圧力損失を増大させない
ものが好ましい。収縮布3の収縮率は、50〜90%、
より好ましくは70〜90%であることが望ましい。
【0015】収縮性繊維は収縮布3を収縮させる働きを
する。収縮性繊維には、一般に熱によって収縮する繊維
が使用されるが、その収縮温度はメルトブロー不織布2
に実質的に影響を与えない45〜120℃の範囲にある
ことが望ましく、より好ましくは45〜100℃の範囲
にあることが望ましい。とくに、メルトブロー不織布が
エレクトレット化されている場合には、熱によって繊維
内に形成された分極構造が崩れてエレクトレット効果が
失われることがあるので、できるだけ低温で収縮させる
ことが望ましく、収縮性繊維として45〜80℃で収縮
する低温収縮性繊維を用いるとよい。最も望ましい収縮
性繊維の収縮温度は45〜70℃である。なお、収縮性
繊維の収縮率は上記の温度範囲において、50〜90
%、より好ましくは70〜90%であることが望まし
い。
【0016】上記収縮性繊維としては、例えば、融点の
異なる2成分以上の樹脂からなる複合繊維や、繊維の一
側面に熱履歴を与えることによって製造された繊維など
の熱によって潜在捲縮を発現して収縮する繊維、あるい
は繊維を構成する樹脂自体が熱によって縮む繊維が用い
られる。とくに、特開平3−199416号公報や特開
平3−199417号公報などに記載される、高密度ポ
リエチレンにポリカプロラクトンを3〜30重量%配合
せしめた繊維は、45〜80℃の低温で50〜90%の
高い収縮率を示すのでよい。なお、収縮性繊維はフィラ
メントであってもステープルファイバーであってもよ
く、繊維長や繊度は収縮布の種類によって適宜選択され
る。
【0017】前記の収縮布3の収縮は、全方向に収縮し
てもよいが、例えば図1のようにメルトブロー不織布に
畝状の凹凸を設けたフィルタ素材を作製する場合には、
一方向に収縮する収縮布を用いるとよい。例えば、収縮
布3が織布からなる場合には、織布を構成する縦糸、横
糸の両方に収縮性モノフィラメント糸または収縮性マル
チフィラメント糸などの収縮性繊維からなる糸を用いれ
ば全方向に収縮し、縦糸又は横糸のいずれか一方に収縮
性繊維からなる糸を用いれば一方向に収縮する。収縮性
繊維からなる糸には、繊度3〜100デニールのものを
用いるとよく、織密度は5〜50本/インチであること
が望ましい。また、収縮布3にとくにプレフィルタ機能
を持たせたい場合には、収縮性繊維を含む不織布を用い
るか、あるいは繊維ウェブと上記の収縮性繊維からなる
糸を用いた織布または収縮性フィラメントをひき揃えた
ものとを接合した複合布を用いるとよい。接合は、水流
絡合、ニードルパンチなどの絡合手段などにより行うと
よい。
【0018】収縮布3中の収縮性繊維の配合量は、収縮
布の種類、収縮布に求められる収縮率、及び収縮方向に
よっても変るが、全方向に収縮させたい場合には、50
〜100%、一方向に収縮させたい場合には、25〜7
5%含まれているのがよい。
【0019】前記のメルトブロー不織布2と収縮布3と
は部分的に接合されるが、その接合手段としては、超音
波シール又は高周波シールが使用できる。収縮布3に含
まれる収縮性繊維の収縮が、この接合工程で発現する
と、作業性が悪くなる上に、接合部分どうしの距離が変
ったり、後の収縮工程で所望の収縮布の収縮率が得られ
なくなったりして、メルトブロー不織布に所望の凹凸が
形成できなくなるため、できるだけ収縮性繊維の収縮が
発現しないように接合することが望ましい。超音波シー
ルや高周波シールでは雰囲気温度が上昇しないため、収
縮性繊維を実質的に収縮させずにメルトブロー不織布2
と収縮布3とを接合することができる。
【0020】上記の接合部分の形状や配置はとくに限定
されないが、例えば三角形、四角形、多角形、円などの
所定形状の多数の接合部が適宜の配置で設けられたもの
や、直線状、破線状、点線状、曲線状、波線状などの線
状の接合部が適宜の間隔で、並列に並べられたものが用
いられる。メルトブロー不織布2の凹凸の形状や高さ
は、この接合部の形状や配置と、収縮布3の収縮率によ
って定まるが、一般に、接合部どうしの距離が遠く、収
縮布の収縮率が大きいほど、凹凸の高さは大きくなる傾
向にある。例えば、図2のように線状の接合部4を一定
間隔で並列に並ぶように設け、線状の接合部4と直角の
方向に収縮布3を収縮させると、図1に示すようにメル
トブロー不織布2が畝状に盛り上がって凹凸が形成され
る。この際、畝状の凹凸の高さは、線状の接合部4間の
距離と収縮布3の収縮率によって定まる。例えば、マス
ク用のフィルタ素材1の場合には、凹凸の高さが3〜1
5mmの範囲となるように、線状の接合部4間の距離と
収縮布3の収縮率が設定される。線状の接合部4を並列
に並ぶように設けると、収縮に規則性を持たすことがで
き、凹凸形状が制御しやすいのでよい。
【0021】部分的に接合されたメルトブロー不織布2
と収縮布3とを熱処理して、収縮布3を収縮することに
より、接合されていないメルトブロー不織布2の部分が
盛り上がって、メルトブロー不織布2に凹凸が形成され
る。この際の熱処理温度は、収縮性繊維の収縮温度で行
われ、メルトブロー不織布2がエレクトレット化されて
いない場合には、メルトブロー不織布が溶融したり変形
したりしないように、45〜120℃、好ましくは45
〜100℃で熱処理され、メルトブロー不織布2がエレ
クトレット化されている場合には、エレクトレットが消
失しないように45〜80℃、好ましくは45〜70℃
で熱処理される。
【0022】なお、本発明のフィルタ素材1は、他のフ
ィルタ素材と組合せて用いてもよい。例えば、他のフィ
ルタ素材/メルトブロー不織布/収縮布の順に積層し、
3者を部分的に接合した後に収縮布を収縮させれば、他
のフィルタ素材とメルトブロー不織布が積層された状態
で、同じ凹凸形状を持つフィルタが得られる。また、メ
ルトブロー不織布/収縮布/他のフィルタ素材の順に積
層し、3者を部分的に接合した後に収縮布を収縮させれ
ば、メルトブロー不織布と他のフィルタ素材とが収縮布
を境に、逆の凹凸形状を持つフィルタ素材が得られる。
他のフィルタ素材としては、従来よりフィルタ素材に用
いられている、不織布、織物などが適しているが、とく
に圧力損失が小さく、ライフの長い水流絡合不織布が望
ましく、中でもポリプロピレン繊維を用いた水流絡合不
織布はエレクトレットがかかりやすいので良い。
【0023】
【実施例】実施例1 縦糸として、繊度50デニールの低温収縮性フィラメン
ト12本からなるマルチフィラメント糸(ユニチカ株式
会社製ポリカプロラクトンファイバーPCL)を1イン
チ当り18本使用し、横糸として、繊度50デニールの
ポリプロピレン製フィラメント12本からなるマルチフ
ィラメント糸を1インチ当り5本使用し、一方向に収縮
する織布を作製した。この織布と、平均繊維径4μm、
目付40g/m2 のポリプロピレン製メルトブロー不織
布とを積層し、超音波ウェルダーにより、織布の縦糸と
直交する幅0.5mmの直線状のシール部を、10mm
間隔で設けて両者を接合した。次いで、この接合物の織
布側に60℃の熱を5秒間加えて織布を収縮させ、メル
トブロー不織布に畝状の凹凸を形成させてフィルタ素材
を得た。この熱処理によって織布は縦糸の方向に約80
%の収縮率で収縮しており、メルトブロー不織布には約
4mmの高さの凹凸が形成されていた。また、収縮前の
メルトブロー不織布と織布との接合物の捕集効率は56
%、圧力損失は2.7mmH2O であるのに対し、収縮
後のフィルタ素材の捕集効率は78%、圧力損失は2.
5mmH2O で、圧力損失が低下しているにもかかわら
ず、捕集効率が向上していた。なお、捕集効率及び圧力
損失はJIS−T−8151に準じて、下記の方法によ
り測定した。
【0024】(圧力損失) 直径85mmの円形に打ち抜いたサンプルを試験装置の
ダクトに取付け、微差圧計により、初期の圧力損失を求
めた。
【0025】(捕集効率) 直径85mmの円形に打ち抜いたサンプルを試験装置の
ダクトに取付け、平均粒径0.45μmのシリカゲルを
濃度30mg/リットルで含む試験エアーを、風速30
リットル/分で通し、サンプルの通過前後での粒子数を
測定して捕集効率を求めた。
【0026】実施例2 実施例1のメルトブロー不織布に代えて、実施例1のメ
ルトブロー不織布をエレクトレット化したメルトブロー
不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィ
ルタ素材を作製した。なお、エレクトレット化は、実施
例1で使用したメルトブロー不織布を平滑な接地電極上
に接触させながら、対抗する針状の放電極との間で、印
荷電圧15kV、電流4mmAの直流高電圧をかけて行
った。収縮前のメルトブロー不織布と織布との接合物の
捕集効率は85%、圧力損失は2.7mmH2O である
のに対し、収縮後のフィルタ素材の捕集効率は99.2
%、圧力損失は2.5mmH2O で、圧力損失が低下し
ているにもかかわらず、捕集効率が向上していた。ま
た、エレクトレット効果は収縮後も失われていなかっ
た。得られたフィルタ素材は所望の形状に裁断された
後、周辺を超音波シールなどによりシールし、凹凸形状
が端面にでないように処理して、例えば、防塵マスクの
取替え用フィルタ材などのマスク用フィルタ素材として
好適に用いることができる。
【0027】比較例 実施例2と同じエレクトレット化したメルトブロー不織
布を、紙に挟んでプリーツ加工し、折り幅7mmのジグ
ザグ形状に成型してフィルタ素材を得た。なお、プリー
ツ加工後、紙は取り除いた。得られたフィルタ素材の捕
集効率は90%、圧力損失は4.5mmH2O で、捕集
効率の向上は多少見られるが十分ではなく、また、プリ
ーツ加工時に受けた加熱加圧の影響で、圧力損失の上昇
が大きく、目詰りが生じやすかった。また、形状の保持
性も悪く、型崩れしやすかった。なお、プリーツ加工に
よるプリーツの山の高さは5mmであったが、これより
山の高さの低いプリーツを安定生産することは困難であ
った。
【0028】実施例3 縦糸として、繊度50デニールの低温収縮性フィラメン
ト12本からなるマルチフィラメント糸(ユニチカ株式
会社製ポリカプロラクトンファイバーPCL)を1イン
チ当り18本使用し、横糸として、繊度50デニールの
ポリプロピレン製フィラメント12本からなるマルチフ
ィラメント糸を1インチ当り5本使用し、一方向に収縮
する織布を作製した。一方、平均繊維径4μm、目付4
0g/m2 のポリプロピレン製メルトブロー不織布を作
製し、これを平滑な接地電極上に接触させながら、対抗
する針状の放電極との間で、印荷電圧15kV、電流4
mmAの直流高電圧をかけてエレクトレット化した。ま
た、繊度2デニールのポリプロピレン繊維からなる目付
50g/m2 の水流絡合不織布を作製し、これを上記の
メルトブロー不織布と同じ方法でエレクトレット化し
た。上記の各素材を水流絡合不織布/織布/メルトブロ
ー不織布の順に積層し、超音波ウェルダーにより、織布
の縦糸と直交する幅0.5mmの直線状のシール部を、
10mm間隔で設けて3者を接合した。次いで、この接
合物の水流絡合不織布側から60℃の熱を10秒間加え
て織布を縦糸の方向に収縮させ、メルトブロー不織布と
水流絡合不織布に畝状の凹凸を形成させてフィルタ素材
を得た。この熱処理によって織布は縦糸の方向に約80
%の収縮率で収縮しており、メルトブロー不織布と水流
絡合不織布には約4mmの高さの凹凸が形成されてい
た。得られたフィルタ素材の捕集効率は99.9%、圧
力損失は4.2mmH2Oで非常に高い捕集効率が得ら
れた。
【0029】
【発明の効果】本発明のフィルタ素材は、収縮布の収縮
を利用してメルトブロー不織布に凹凸を形成しているた
め、従来のプリーツ加工によるフィルタ素材のように、
剛性のある支持基材と積層する必要がなく、柔軟性を有
している。また、凹凸の高さが接合部どうしの間隔と収
縮布の収縮率を選択することによって自由に設定でき、
従来のプリーツ加工では困難であった高さの低い(厚み
の薄い)凹凸を形成することも可能となる。更には、メ
ルトブロー不織布に凹凸が形成されることで、フィルタ
素材の圧力損失を下げると共に捕集効率の向上が計れ
る。しかも、収縮布とメルトブロー不織布との間には、
メルトブロー不織布の凹凸による空間が形成されるため
塵埃などの保持能力も向上する。このため、とくに本発
明のフィルタ素材は、厚みが薄く、柔軟であることが望
まれるマスク用のフィルタ素材として好適である。
【0030】また、請求項2に記載の発明によれば、収
縮布に45〜80℃で収縮する低温収縮性繊維を含んで
いるため、製造工程における収縮処理の際に、メルトブ
ロー不織布に熱による変形や劣化を与える心配がない。
とくに、エレクトレット化されたメルトブロー不織布で
は、高い熱が加わるとエレクトレットが消失するおそれ
があるが、上記低温収縮性繊維を用いれば、上記の低い
温度範囲で収縮処理が行えるため、エレクトレット効果
が失われる心配がない。
【0031】また、請求項3に記載の発明によれば、メ
ルトブロー不織布がエレクトレット化されているため、
物理的な微粒子の捕集に加えて、電気的な微粒子の吸着
作用を利用できるので、塵埃などの微粒子の捕集能力が
より高くなる。
【0032】また、請求項4に記載の発明によれば、メ
ルトブロー不織布と収縮布とが並列に並ぶ複数の線状接
合部によって接合されているので、線状の接合部の間隔
と、収縮布の収縮率を選択することで、メルトブロー不
織布の凹凸の高さを簡単に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルタ素材の一例を示す斜視図。
【図2】本発明のフィルタ素材の製造途中の状態を示す
断面模型図。
【符号の説明】
1 フィルタ素材 2 メルトブロー不織布 3 収縮布 4 接合部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトブロー不織布と収縮布とが部分的に
    超音波シール又は高周波シールによって接合されてお
    り、収縮布が収縮して、メルトブロー不織布に凹凸が形
    成されていることを特徴とするフィルタ素材。
  2. 【請求項2】収縮布が45〜80℃の温度で収縮する低
    温収縮性繊維を含んでいることを特徴とする請求項1に
    記載のフィルタ素材。
  3. 【請求項3】メルトブロー不織布がエレクトレット化さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ素
    材。
  4. 【請求項4】メルトブロー不織布と収縮布とが並列に並
    ぶ複数の線状接合部によって接合されていることを特徴
    とする請求項1に記載のフィルタ素材。
JP27503393A 1993-10-05 1993-10-05 フィルタ素材 Expired - Fee Related JP3386531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27503393A JP3386531B2 (ja) 1993-10-05 1993-10-05 フィルタ素材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27503393A JP3386531B2 (ja) 1993-10-05 1993-10-05 フィルタ素材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07100316A JPH07100316A (ja) 1995-04-18
JP3386531B2 true JP3386531B2 (ja) 2003-03-17

Family

ID=17549940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27503393A Expired - Fee Related JP3386531B2 (ja) 1993-10-05 1993-10-05 フィルタ素材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3386531B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4800643B2 (ja) * 2005-03-16 2011-10-26 ダイワボウホールディングス株式会社 筒状フィルターおよびその製造方法
CN107614772A (zh) * 2015-07-24 2018-01-19 株式会社可乐丽 纤维叠层体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07100316A (ja) 1995-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7094270B2 (en) Composite filter and method of making the same
US5306534A (en) Vacuum cleaner bag with electrostatically charged meltblown layer
EP1198280A1 (en) Composite filter and method of making the same
AU2002240938A1 (en) Composite filter and method of making the same
KR910001895B1 (ko) 에렉트레트 필터의 제조방법
US6090469A (en) Mechanically interlocked and thermally fused staple fiber pleated and non-pleated webs
JP5179939B2 (ja) 不織布で構成された複合繊維シート
US6136409A (en) Nonwoven fabric, filter medium and process for producing the same
JP2003047811A (ja) エレクトレット濾材およびその製造方法
JP3386531B2 (ja) フィルタ素材
CN109289322A (zh) 一种易清灰滤袋
US5436054A (en) Electret Filter
JP3326808B2 (ja) フィルター
JP2000153122A (ja) フィルタユニット
JP3625548B2 (ja) マスク用複合構造布帛
JP3295132B2 (ja) 集塵用濾材
EP1222328A1 (en) Melt processable perfluoropolymer forms
JP2555625B2 (ja) エレクトレット▲ろ▼材の製造方法
JPH05263345A (ja) 繊維層材及びその製造方法
JP3579738B2 (ja) エレクトレットフィルター
JPH0788312A (ja) 濾材およびその製造方法
JP4126679B2 (ja) フィルタ及びその製造方法
JPH06257064A (ja) エレクトレットシートの製造方法
JP3228343B2 (ja) エレクトレットフィルターの製造方法
JPS62225218A (ja) 濾材の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090110

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees