JP2555625B2 - エレクトレット▲ろ▼材の製造方法 - Google Patents

エレクトレット▲ろ▼材の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気掃除機、空気清浄機、冷暖房機等のエア
ーフイルターに用いられるエレクトレツト材の製造方
法に関するものである。
〔従来の技術〕 近年電気掃除機、空気清浄機、冷暖房機等のエアーフ
イルターにエレクトレツト材が使用されるようになつ
て来た。このようなエレクトレツト材は永久帯電した
静電気力によつて粉塵等の微粒子を吸引し、捕集するも
ので、その使用に当つては圧力損失を少なくし、長寿命
化を計るため、ひだ折り加工されて前記各機器に組み込
まれている。このようにひだ折り加工をするとエレクト
レツト材が組み込まれ、使用されている機器自体の
過開口面積(空気吸入口面積)の10倍以上の過有効面
積を有するようにすることができ過効率を上げること
ができる。
ひだ折りしたエレクトレツト材は、ひだ折りしただ
けで各機器に組み込んだときひだ頂部間隔が一定の間隔
を保持していることが好ましいことは当然であるが、一
般にはこのひだ頂部間隔は不揃いになり、特に風圧を受
けたとき局部的にはひだ頂部間隔がゼロ、即ちひだ折り
された隣接斜面同志が接触し、積重した形になつてしま
うことがある。このような接触もしくは積重はその部分
での過面積の損失となり、また積重したことによる圧
力損失を大にするので好ましくない。
上述したひだ折り斜面の接触、積重を防止するための
手段として樹脂製の細長い成形材、例えば紐、糸または
帯状のものを、エレクトレツト材のひだ折りに一致す
るようにひだ折りして折り目を作つておき、これを伸ば
し、伸長状態にあるエレクトレツト材上にある間隔を
置いて複数本融着させ、この成形材が固化する前にエレ
クトレツト材をひだ折りして、前記成形材を接着固化
させひだ頂部間の間隔を一定に保持させることが計られ
ている。このような従来法によるエレクトレツト材に
細長い成形材を接着固化させた部分の断面図を第2図に
示す。第2図において1はひだ折りされたエレクトレツ
ト材であり、2は接着固化された細長い成形材であ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述した従来の方法で細長い成形材で接着固化された
ひだ折りエレクトレツト材は、ひだ頂部間隔が一定間
隔で規則的に配列され、しかも風圧に対し強い抵抗を有
する構造となり、風圧を受けたとき隣接ひだ斜面の接
触、積重は防止できるが、第4図に示すように成形材が
エレクトレツト材のひだ頂部から斜面を埋めるように
なつて、この部分において材を目止めする状態とな
り、この成形材の使用本数が多くなればなる程、その目
止めされた合計面積は大となり、圧力損失および過有
効面積損失の増大の原因となつている。また上述した樹
脂製の細長い成形材をエレクトレツト材に適用すると
き、融着せしめられる細長い成形材を温度が高いため、
その熱がエレクトレツト材の半恒久的に帯電している
静電気を漏洩させてしまい、このためエレクトレツト
材固有の高い粉塵等の微粒子除去効率を低下させる欠点
を有する。
従つて本発明の目的は、ひだ折りしたエレクトレツト
材のひだ斜面の接触、積重を防止し、エレクトレツト
材の有効面積の損失を最小にすると共に、半恒久的に
帯電している静電気の漏洩も最小限に止め、エレクトレ
ツト材固有の粉塵等の微粒子の高除去効率を維持させ
たエレクトレツト材を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はひだ折りしたエレクトレツト材の隣接ひだ
頂部間を、エレクトレツト材材料の融点より低い融点
を有する樹脂製の細長い成形材で架橋固定するエレクト
レツト材の製造方法であって、前記成形体を加熱ノズ
ルから押し出し、未だ固化しない押出物をひだ折りした
エレクトレツト材の各ひだ頂部に載置して冷却固化し
て得られる樹脂製成形材でひだ頂部が架橋固化されるエ
レクトレツト材の製造方法である。
本発明におけるエレクトレツト材を構成する材料
は、トラツプイオン、両極に移動したイオンや双極子の
配向によつて恒久的に静電気帯電した繊維からなる材料
であり、これらはエレクトレツト材単独であつてもよ
く、またエレクトレツト層を他の材料の積層した積層材
であつてもよい。エレクトレツト材の材料自体および
エレクトレツト化する方法自体は公知の材料および方法
を使用できる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリフルオロエチレン、ポリエステル、ポリフルオロビ
ニリデン等の繊維から作つた不識布が使用でき、これを
高電圧源によるコロナ放電処理して帯電させる。
本発明のエレクトレツト材は任意の方法でひだ折り
する。ひだ折りするに当つて、各ひだの斜面の幅を大き
くすればする程、また頂部間の間隔を小さくすればする
程理論的にはエレクトレツト材の過有効面積は大き
くなるのであるが、あまりひだ斜面の幅を大きくしすぎ
ると、あるいはひだ頂部間の間隔を小さくしすぎると、
エレクトレツト材を組み込んだ機器の使用時の風圧で
相互に隣接しているひだ斜面が接触、積重してしまい、
過有効面積の損失、圧力損失の増大をもたらす欠点が
ある。
このため本発明によれば後述する成形材でのひだ頂部
間架橋固定との関係を併せて、一般にひだ斜面幅は100m
m以下、好ましくは50mmより少し小さくするとよい。ま
たひだ頂部間の間隔は3〜20mm、好ましくは5〜10mmと
するとよい。ひだ頂部間間隔が3mmより小さくなると隣
接ひだ斜面が相互に密着し易くなり、また20mmより大き
くなると、後述する成形材での頂部間架橋固定するに当
つて、成形材が固化する間に、自重により垂れ下がり、
ひだ頂部のみならず、ひだ斜面部にも接着し、この部分
を加熱して静電気の漏洩をもたらし、またこの部分の
材の目詰りを生ぜしめるので好ましくない。
本発明によればひだ折りしたエレクトレツト材の隣
接するひだ頂部間を樹脂製の細長い成形材で架橋固定す
る。このとき使用する樹脂としてはエレクトレツト材
を構成する材料の融点より低い融点を有する樹脂を選択
使用することが重要である。この樹脂の融点がエレクト
レツト材を構成する材料の融点と近似もしくは同じ
か、更にはそれより高いものであると、ひだ頂部に成形
材が接着したとき、エレクトレツト材自体を損傷する
ことがあるので好ましくない。
成形材に使用する樹脂としては共重合ポリエステル、
共重合ポリアミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ
オレフイン等任意の樹脂材料で、上述したようにエレク
トレツト材を構成する材料の融点より低い融点の樹脂
材料を使用することができる。
成形材の形状としては紐状、糸状もしくは細長い帯状
の形で、断面は任意の形状、例えば円形、橢円形、偏平
形等任意の形でよく、エレクトレツト材の大きさに従
つて一般に1〜20mm2の断面積のものを使用する。
これらは加熱ノズルから押し出し、未だ固化しない押
出物をひだ折りしたエレクトレツト材の各ひだ頂部に
載置し、かつ頂部間に架橋させ、できる限り速やかに冷
却固化させる。即ち押出物がひだ頂部に載置され、固化
する前にひだ頂部間で成形材が垂れ下がり、ひだ斜面部
に付着することのないようにする。
本発明による成形材でのひだ頂部間架橋固定本数はエ
レクトレツト材の大きさに応じて任意の数にすること
ができることは明らかであろう。
〔作用〕
本発明によれば、エレクトレツト材を構成する材料
の融点より低い融点でかつ細長い樹脂製の成形材で、エ
レクトレツト材のひだ頂部間のみを架橋固定してある
ため、エレクトレツト材の恒久的に帯電している静電
気の漏洩をもたらすことが殆どなく、このため粉塵等の
微粒子除去効率を低下させることが殆どない。またエレ
クトレツト材のひだ斜面部に成形材が付着していない
ので材の過有効面積の減少がなく、目詰りによる圧
力損失の増大も防止できる。しかもエレクトレツト材
のひだ頂部の高さに出入りがあっても充分にひだ折りさ
れた頂部間の間隔が有効に保持されるので、隣接するひ
だ斜面同志の接着、積重を防止できる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例 1 比色法効率90%のポリプロピレン(融点173℃)製不
識布からなり、コロナ放電処理して静電気帯電したエレ
クトレツト材を、ひた斜面幅40mmで、頂部間の間隔8m
mになるように頂部の数60個に折り込み、これを共重合
ポリエステル樹脂(融点125℃)の直径2mmの紐状成形材
を押し出しつつ第1図に示すように架橋し、固化させ
た。架橋固化させた紐状成形材は3本であり、各紐状成
形材間の間隔は150mmとした。
上述した如くして作つたエレクトレツト材を縦およ
び横の長さが500mmで奥行が50mmであるエアーフイルタ
ー枠に取り付けた。
このエアーフイルターについて風量18m2/分での圧力
損失と食塩微粒子(直径0.3mm)による除去効率を測定
した。その結果を表1に示す。
比較例 1 比較のため従来法に従い、実施例1で使用したひだ折
りした後、伸長したエレクトレツト材に、実施例1で
使用した紐状成形材を同じく3本乗せ、直ちに実施例1
と同じ斜面幅、同じ頂部間間隔でひだ折りし、紐状成形
材を接着固化させた。このものは第2図に示す如く、紐
状成形材同志が相互接着した部分を形成していた。
このエレクトレツト材を実施例1と同じエアーフイ
ルター枠に取り付け、実施例1と同様にして圧力損失、
食塩微粒子除去効率を測定した。その結果を表1に示
す。
実施例 2 比色効率95%のポリプロピレン(融点173℃)製不識
布からなり、コロナ放電処理して静電気帯電したエレク
トレツト材を、ひだ斜面幅20mmで頂部間間隔6mmにな
るように折り込み、これをエチレン酢酸ビニル共重合体
(融点110℃)の直径2mmの紐状成形材を押し出しつつ表
裏両面の頂部間を架橋固化させた、なおこの場合ひだ頂
部数22個毎に1本の紐状成形材で架橋し、各紐状成形材
をジグザク状に配置し、同列の紐状成形材間の間隔を20
0mm、ジグザグ状の他の列との間の間隔を100mmとしてそ
れぞれ5本ずつ架橋させた。
このエレクトレツト材を一辺600mmの正方形で奥行1
50mmのエアーフイルター枠に取り付けた。
このエアーフイルターについて風量28m2/分での圧力
損失と食塩微粒子(直径0.3mm)による除去効率を測定
した。結果を表2に示す。
比較例 2 比較のため従来法に従い、実施例2のひだ折りしたエ
レクトレツト材に伸長状態で実施例2で使用したエチ
レン酢酸ビニル共重合体の紐状成形材を同じ数だけ乗
せ、直ちに実施例2と同じ斜面幅、同じ頂部間間隔でひ
だ折りし、紐状成形材を接着固化させた。
このエレクトレツト材を実施例2と同じエアーフイ
ルター枠に取り付け、実施例2と同様にして圧力損失、
食塩除去効率を測定した。結果を表2に示す。
〔発明の効果〕 上記表1および表2のデータからも明らかな如く、本
発明によるエレクトレツト材は従来の構成のエレクト
レツト材に比し、圧力損失が少なく、除去効率もすぐ
れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるエレクトレツト材の一部断面
図、第2図は従来のエレクトレツト材の一部断面図で
ある。 1はエレクトレツト材、2は成形材。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ひだ折りしたエレクトレツト材の隣接ひ
    だ頂部間を、エレクトレツト材材料の融点より低い融
    点を有する樹脂製の細長い成形材で架橋固定するエレク
    トレツト材の製造方法であって、前記成形体を加熱ノ
    ズルから押し出し、未だ固化しない押出物をひだ折りし
    たエレクトレツト材の各ひだ頂部に載置し冷却固化し
    て得られる樹脂製成形材でひだ頂部が架橋固定されるエ
    レクトレツト材の製造方法。
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