JP3386378B2 - 拭き清浄具 - Google Patents

拭き清浄具

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JP3386378B2 JP24355398A JP24355398A JP3386378B2 JP 3386378 B2 JP3386378 B2 JP 3386378B2 JP 24355398 A JP24355398 A JP 24355398A JP 24355398 A JP24355398 A JP 24355398A JP 3386378 B2 JP3386378 B2 JP 3386378B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は自動車ボディや家
具類やその他の物品の表面に対して、汚れを拭き取る
(擦り取る)のに使用される拭き清浄具に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、机等の家具類に対する拭き清浄具
(クリーナーとも称される)として布雑巾等が用いら
れ、また、食器類やバスタブ等に対する拭き清浄具(ク
リーナー)としては軟質ウレタン発泡体やセルロースス
ポンジ等からなるものが広く用いられている。それらの
拭き洗浄具は、いずれも水や洗浄液等を含ませた後、被
清浄面に当てて汚れを擦り取るものである。 【0003】しかし、布雑巾は、油等のような頑固な汚
れに対する擦り取り作用に劣り、また、自動車ボディに
対して乾拭きを行う場合には汚れが殆ど取れず、一方、
水を含ませて自動車ボディや家具類を拭く場合には、埃
等は除去できるもの表面に拭き跡が目立ち、しかも強く
付着した汚れについては取り除けない問題がある。ま
た、軟質ウレタン発泡体やセルローススポンジ等からな
る拭き清浄具は、水や洗浄剤等の液体を含まない乾拭き
の場合に清浄作用を発揮しないのみならす、被清浄面を
傷付けるおそれがあり、また、液体を含ませて使用する
場合にも油等のような頑固な汚れについては強く擦って
も十分に除去できない問題がある。なお、不織布等に化
学薬品を染み込ませた雑巾も存在するが、油類のような
頑固な汚れに対しては効果が十分とは言い難い場合があ
る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】この発明は前記の点に
鑑みなされたもので、乾拭きの場合でも汚れを十分に除
去する効果があり、また頑固な汚れに対しても汚れ除去
効果が高く、さらに水分を含ませた使用においては拭き
跡が目立たず、より優れた清浄効果が得られる拭き清浄
具を提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、密度
5〜50kg/m3、引っ張り強度0.6〜1.6kg
/cm2、破断時の伸び8〜20%、セル数80〜30
0個/25mm連続気泡構造の多孔体で拭き取り作
業時の摩擦によって粒子状に剥離する表面を有し、かつ
親水性を示すメラミン系樹脂発泡体からなる拭き清浄具
であって前記メラミン系樹脂発泡体の気泡形成時に使
用する乳化剤としてアニオン系界面活性剤が、1〜60
重量部の範囲内で添加されて前記拭き清浄具の使用時に
拭き清浄具の表面に流出するようにされ、かつ洗浄助剤
が前記アニオン系界面活性剤と同量を越えない範囲で添
加されてなることを特徴とする拭き清浄具に係る。 【0006】 【発明の実施の形態】図1はこの発明の一実施例に係る
拭き清浄具の斜視図である。 【0007】図1に示す拭き清浄具10は、この発明の
一実施例に係るもので、連続気泡構造の多孔体からなる
素材を、この例のような直方体、あるいは図示しない適
宜形状としてなり、その表面が被清浄面と接触する拭き
面11となっている。 【0008】前記拭き清浄具10を構成する素材として
は、JIS K 6401による密度が5〜50kg/
3、JIS K 6301による引っ張り強度が0.
6〜1.6kg/cm2、JIS K 6301による
破断時の伸びが8〜20%、JIS K 6402の測
定によるセル数が80〜300個/25mmからなる連
続気泡構造の多孔体で、かつ拭き取り作業時の摩擦によ
って粒子状に剥離する表面を有するものが好ましい。こ
のような物性を有する素材として、特にメラミン系樹脂
発泡体が適する。特に引っ張り強度と破断時の伸びが範
囲内にある物性値を示すものであれば適度な硬さと脆さ
が発現するので、良好な研磨作用が得られる。さらに、
所定のセル数であることで良好なかきとり作用が得られ
る。 【0009】メラミン系樹脂発泡体は、公知の如く、メ
ラミンとホルムアルデヒドとの反応により得られるメラ
ミンホルムアルデヒド樹脂と、発泡剤成分とから製造さ
れる。このメラミン系樹脂発泡体は、特に難燃性に優れ
ることから、従来から建築用断熱材として好適であると
されていたが、引っ張りや引き裂き強度が低く、脆いた
め現実の用途が見出されずにいた。なお、メラミン系樹
脂発泡体に関する公報としては、特開昭53−1769
7号、特公平2−50943号、特開平7−15759
0号等がある。 【0010】しかし、本発明における前記物性を有する
メラミン系樹脂発泡体は、ウレタンやセルロース、エチ
レン酢酸ビニル系の他の発泡体に比べて骨格が細く、微
細なセルであり、しかも、非常に脆いため摩擦により細
かい粒子となって摩擦表面から剥離し飛散する。加え
て、このメラミン系樹脂発泡体は連通気泡構造を有する
三次元網状多孔体であり、表面は微細な凹凸になってい
る。そのため、前記微細な凹凸表面を拭き面11とする
この発明の拭き清浄具10においては、前記拭き面11
を机の天板等の被清浄面に当てて擦ると、前記飛散した
粒子が拭き面11と被清浄面間で一種の研磨剤として作
用するのみならず、拭き面11の微細な凹凸によって、
汚れ除去に最適な摩擦抵抗が発生し、汚れを確実に擦り
取ることができる。しかも、その汚れを拭き面11の微
細な凹部に保持するため、拭き跡を生じにくくなる。ま
た、前記飛散した粒子は非常に硬いため、研磨剤として
きわめて効率よく作用する。しかも、拭き取り作業時、
拭き面11は微細な粒子となって剥離するため、常に汚
れのない綺麗な面が拭き面11として現れることにな
り、拭き面に残った汚れが被清浄面に付着し、かえって
被清浄面を汚すおそれもない。 【0011】さらに、この拭き清浄具10は、発泡体の
樹脂自信が親水性を示し、かつ前記マイクロセルの連通
気泡構造によって水や洗浄剤等の液体を含み易く、その
水等を含んだ状態で使用すれば、前記微細なセル骨格に
よるかきとり作用と飛散した粒子による研磨作用と水等
による洗浄作用との相乗効果により清浄効果が極めて高
くなる。 【0012】本発明に用いるメラミン系樹脂発泡体に
は、その気泡形成時に使用する乳化剤として、アニオン
系界面活性剤を1〜60重量部の範囲内で添加し、この
拭き清浄具10を使用する際、アニオン系界面活性剤が
拭き清浄具10表面に流出するようにするのが好まし
い。このようにすれば、この拭き清浄具10を使用する
際、アニオン系界面活性剤が拭き清浄具10表面に流出
し、またそのアニオン系界面活性剤が流出した表面が粒
子状に剥離するため、洗浄効果がさらに増大する。前記
添加量が1重量部未満ではメラミン系樹脂発泡体の成形
時に十分な乳化が行われなくなって前記範囲のセル数か
らなる良好な発泡体を得ることができず、逆に60重量
部を超えるとアニオン系界面活性剤が過剰になり過ぎ、
拭き清浄具10の表面が常時べたつくようになってゴミ
が付着し易くなり、扱い難くなるため、前記添加量は1
〜60重量部の範囲内とされるのが好ましい。 【0013】前記アニオン系界面活性剤としては、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニル硫酸エス
テル塩、高級アルコール硫酸エステル塩、スルホ琥珀酸
塩が好適である。具体的には、直鎖ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、椰子油還元アルコール硫酸エステ
ルナトリウム(C1225OSO3Na)、牛脂還元アル
コール硫酸エステルナトリウム(C1633OSO3
a,C1837OSO3Na)等が挙げられる。 【0014】また、前記メラミン系樹脂発泡体にはさら
に洗浄性を高めるため、洗浄助剤を添加する。添加量は
前記アニオン系界面活性剤と同量を越えない範囲とさ
れ、60重量部以下が好ましい。これは前記アニオン系
界面活性剤と同量であれば十分な効果が得られ、それ以
上添加しても洗浄効果に影響が無いことによる。この洗
浄助剤は、界面活性剤のミセル限界濃度を低下させる作
用あるいは、重金属封鎖作用(硬水軟化作用)がある化
合物で、いわゆるビルダーと称される。この洗浄助剤と
しては、無機化合物、有機化合物いずれでもよく、具体
的には、ゼオライト、カルボキシメチルセルロース、炭
酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸
カリウム、珪酸ナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ等が
ある。この洗浄助剤の選択に当たっては、前記アニオン
系界面活性剤と相乗効果の高い組み合わせを選択する。
例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ(AB
S)、ノニルフェノールEO付加物については、トリポ
リリン酸ソーダ、珪酸ソーダ等が好ましく、直鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ(LAS)、高級アルコー
ルアルキル硫酸エステルソーダについては、ゼオライ
ト、カルボキシメチルセルロース等がふさわしい。 【0015】次に、前記拭き清浄具10の具体的実施例
1〜2、参考例1及び比較例1〜3を示す。なお、実施
、参考例及び比較例の配合において、下記の,〜
の成分については同一であり、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムとトリポリリン酸ナトリウムの量
だけが異なる。及びの量については物性値及び洗浄
効果の結果と共に表1で示す。洗浄効果は、実施例、参
考例及び比較例のメラミン系樹脂発泡体を110×70
×15mmとして種種の対象物に対して使用した結果で
ある。また従来品として布雑巾及び軟質ポリウレタン発
泡体についても洗浄効果を調べた。表中、「乾拭き」は
水等を含ませないで使用した場合、「水拭き」は水を含
ませて使用した場合を示す。また、最も奇麗に汚れが落
ちた場合を「◎」、殆ど汚れが落ちた場合を「○」、汚
れが残る場合を「△」、汚れが落ちない場合を「×」で
表す。 【0016】 ・実施例、参考例及び比較例におけるメラミン系樹脂発
泡体の配合例メラミンホルムアルデヒド縮合体 100重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 各自の量 ペンタン 8重量部 塩化アンモニウム 10重量部 蓚酸 3重量部 トリポリリン酸ナトリウム 各自の量 【0017】 【表1】【0018】実施例1,2及び参考例1に対する洗浄効
果の結果から、洗浄助剤(トリポリリン酸ナトリウ
ム)を添加しない参考例1の場合に多少洗浄効果の低下
するのが理解される。さらに実施例1,2の結果から
浄助剤の添加量を変化させても洗浄効果に影響が見られ
ないのがわかる。また、比較例1では、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムが少量であるためセルが比較的
粗く、フォームが硬く、非常に脆く実用に耐えなかっ
た。比較例2では多量の界面活性剤が添加されているた
め、発泡体表面がべたついた。比較例3では、洗浄助剤
を多量に添加したため使用に耐えられるような良好な発
泡体が得られなかった。 【0019】 【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
拭き清浄具は、従来は強度的な面で用途の無かったメラ
ミン系樹脂発泡体によって構成されたもので、そのメラ
ミン系樹脂発泡体の強度の低さおよび表面の微細な凹
凸、さらには水分等の含み易さにより、従来の布雑巾や
軟質ポリウレタン発泡体等からなる拭き清浄具に比べ
て、被清浄面を傷付けにくく、汚れ落ち効果に優れ、し
かも拭き跡が残らず、さらには艶出し作用も発揮すると
いう、優れた効果を有する。加えて、被清浄面を傷付け
にくいため、家具や自動車に限られず、食器類やその
他、幅広い対象物に使用することができ、さらに、拭き
跡が残らないため、表面が鏡面の物にも好適であり、し
かも、拭き跡除去のための仕上げ拭きが不要となり、作
業が簡単に済む効果もある。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例に係る拭き清浄具の斜視図
である。 【符号の説明】 10 請求項1の発明の一実施例に係る拭き清浄具 11 拭き面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀井 孝司 福岡県福岡市博多区博多駅東3丁目12番 24号 株式会社イノアックコーポレーシ ョン九州支店内 (72)発明者 福山 雅博 愛知県安城市今池町3−1−36 株式会 社イノアックコーポレーション安城事業 所内 (72)発明者 水上 明 福岡県福岡市東区和白丘3−15−31 (56)参考文献 特開 昭63−196699(JP,A) 登録実用新案3045160(JP,U) 1998年(平成10年)7月28日発行「化 学工業日報」 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 13/16,13/17 C08J 9/00 C08L 61/28

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 密度5〜50kg/m3、引っ張り強度
    0.6〜1.6kg/cm2、破断時の伸び8〜20
    %、セル数80〜300個/25mm連続気泡構造の
    多孔体で拭き取り作業時の摩擦によって粒子状に剥離
    する表面を有し、かつ親水性を示すメラミン系樹脂発泡
    体からなる拭き清浄具であって前記 メラミン系樹脂発泡体の気泡形成時に使用する乳化
    剤としてアニオン系界面活性剤が、1〜60重量部の範
    囲内で添加されて前記拭き清浄具の使用時に拭き清浄具
    の表面に流出するようにされ、かつ洗浄助剤が前記アニ
    オン系界面活性剤と同量を越えない範囲で添加されてな
    ることを特徴とする拭き清浄具。
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