JP3384623B2 - 半導体製造プロセスガス用濾過部材 - Google Patents
半導体製造プロセスガス用濾過部材Info
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Description
される特にプロセスガス中の微小パーティクルを除去す
るプロセスガス用濾過部材の改良に関するものであっ
て、ロウ付け加工の採用と例えば配管の継手部内にも直
接装着できるコンパクト化とによって、濾過特性に優れ
ながらも従来のような太径のハウジング部材との併用を
無くすることを可能として、配管密度の向上を図るとと
もに、これまで使用時に必要とされてきた高圧ガス容器
としての許認可問題を解消し得る濾過部材に関係するも
のである。
セスガスは、該素子の高い集積化に伴い微粒異物や水分
などの微小パーティクルを例えばPPTレベルまで除去
する必要から、極めて高い濾過特性が、耐食性,耐熱性
とともに求められ、またこれらは配管密度向上の為によ
り小型で簡便に装着できる濾過部材の要求が増しつつあ
る。
において採用されてきたプロセスガス用の濾過部材をそ
の使用方法とともに説明するものであって、リング状の
ガスケット20の中央開口内部に濾過用の微粉末粒子A
を充填し所定厚さに焼結一体化してなるディスク状のフ
ィルター21の前記ガスケット20の外周面を、2つの
管状部材(例えば配管)22A,22Bにそれぞれ周設
したリング状突起23間に配置し、かつネジ24の締め
付けによって外界と確実に遮蔽するよう構成した継手構
造であって、こうした継手構造はガスや液体など流体漏
れを確実に防ぐ方法として例えば米国ケイジョン社のV
CR継手構造と呼ばれている。
技術は近年の超LSIなど高密度集積素子の製造の為に
は不可欠なものであって、そのレベルも集積度の上昇に
伴って超精密化しており、前記フィルターの選択は極め
て重要な問題であるが、これまでのフィルターは、主と
して濾過精度の微細化という面に主眼が置かれ、例えば
30μm程度の細かい微粒子を大きな加圧力で圧縮する
ことで微細化しようとしており、また同図フィルターは
焼結時の熱収縮によるガスケット20と粒子層との隙間
発生を防ぐ為に、ガスケット内周縁部の両面にも粒子層
を形成した複合層25によって、両者結合をより確実に
しようとしている。
は、粒子粉末の高密度化の為に大きな加圧を加えても、
ガスケットの中央開口内に充填された粉末粒子にかかる
加圧力は、その外縁側の前記複合層25部分によって規
制されることとなり、したがって有効濾過部では所望の
空孔が得られないという空孔調整の困難さがある。
形状もディスクなどの簡単形状に制約され、実質濾過面
積も小さく、高精度でかつ大流量のガス濾過処理を効率
よく行うには限界がある。
ターとこれを装着する部材との結合一体化技術につい
て、特許公開W093/06912号や特願平4−14
8174号を提案しており、この中ではこのような焼結
や溶接などによってハウジング内に収納装着した濾過装
置も提案しているが、これら結合方法は比較的大型の形
態を持つものであって、本願のように例えば配管部材内
に収納されるような小型フィルターを高精度で結合一体
化しようとする場合には、生産性と確実な結合特性の両
面を満足できるものではなく結局新たな結合法が必要と
なっている。
ような微細パーティクルを高いレベルで効率よく捕集し
得る小径筒状の金属焼結フィルターを採用する一方、こ
れと結合するガスケットに凹状固着面を形成すること、
さらに該固着面において前記フィルターとロウ付け結合
することを基本としており、これによりコンパクト化を
達成する半導体製造プロセスガス用の濾過部材を提供し
ようとするものである。
5μm以下の微小パーティクルを捕捉する筒状の金属焼
結フィルターと、b)中央にガス流体が流通する為の流
通孔を貫通したドーナツ板状のメタルガスケットを備え
てなり、c)該ガスケットは、前記流通孔を囲んた一面
側に凹設してなる凹状固着面と、該固着面に対抗する他
面側を段差または円錐状斜面による張出形状に形成し
て、d)フィルターの一端面と前記凹状固着面とが、ロ
ウ材によってロウ付け結合することで一体化されるとと
もに、e)前記ロウ材がフィルターの空孔内部に熔融侵
入することで封孔する封孔深さを0.5mm以下とした
ことを特徴とする、f)半導体製造プロセスガス用濾過
部材である。
封孔深さを0.2mm以下とする前記濾過部材であり、
請求項3は、少なくとも前記フィルターと結合するロウ
材の結合部界面には、前記両者金属の拡散層が形成され
てなる濾過部材であり、請求項4の発明は前記筒状の金
属焼結フィルターが外径が10mm以下であることを特
徴とする。
ガスケットに凹設した固着面にロウ付けすることによっ
て一体化するものであって、かつ固着面を凹設したこと
によりこれを組立する際のフィルターの装着位置づれを
防いで同心配置を容易にするとともに、熔融するロウ材
の溜部となり、さらに濾過装置取扱中でのフィルターの
固着性を高める補強用としても寄与し、またロウ付けの
採用は、溶接などでの局所熱によるフィルターへの変形
や亀裂発生、さらには酸化着色などの問題を解消し、あ
わせて量産化を可能とするものである。
た薄肉化による強度低下を補う為に、その他面側に該固
着面に対抗する張出形状に形成しており、このような張
出形状とすることは、例えばこれをアウト−イン方式で
使用する際には流通孔出口をより下流側に位置させるこ
とができる為、前記VCR継手部の突状リング22a付
近の拡張空間部容積を減じてガス流体の流れを円滑にで
き滞留を抑える。
ーを用い、かつロウ付け一体化するものあり、その際ロ
ウ材が熔融して空孔内に侵入し封孔する封孔深さを0.
5mm以下としても確実で強固な結合が得られ、封孔に
よる濾過面積の減少やガス流体が大きく迂回することを
防ぐ。
孔深さを0.2mm以下としており、さらにガス流体の
円滑な流れが得られる。
ルターとの結合部界面に前記ロウ材との拡散層が形成さ
れることから、例えば耐食性や結合強度を向上させるこ
ともでき、各種処理ガスへの応用範囲を拡張し、さらに
請求項4の濾過部材によればその太さが10mm以下とし
ていることから配管内に直接装着することができ、特別
なハウジングを必要としない。
用濾過部材(以下単に“濾過部材”という)の一例を添
付図面に沿って説明する。
ば金属繊維や金属粉末などの微細エレメントを焼結した
筒状のフィルター2と、該フィルター2を固着保持する
メタルガスケット3とでなり、またガスケット3はその
中央部にガス流体が流通する為の流通孔4を中抜き貫通
させたドーナツ板状に形成している。
する部分であって、本願発明では例えば0.05μm以
下(好ましくは0.03〜0.001μm)というよう
な微小パーティクルを確実に捕捉し得る外径10mm以
下の筒状に形成した高精度濾材によって形成しており、
それを満足するよう微細エレメントの粒度や焼結体製造
条件、さらには形状,構造,空孔率,厚さなどは適宜設
定される。
ロセスガス流体を濾過しようとする場合には、その純度
はPPTレベルと極めて高く、しかも低圧損でより小型
としたフィルター部材が必要とされている。
は、すでに特公平3−33370号や特願平3−289
087号などによる微細濾材を提案しており、前者濾材
としては、微細金属繊維をその粒界で粒界腐食すること
によって切断した例えば太さ0.5〜10μmでアスペ
クト比率2〜20の金属短繊維を厚さ0.3〜2mm程
度に焼結してなる濾過材、また後者濾材としては、粗大
空孔を持つ支持体の表面上に前記と同様程度の金属短繊
維の微細粒子を懸濁した懸濁液を吸引法によって例えば
厚さ0.1〜0.8mm程度に吸引積層させ、さらに一
体焼結することで形成されてなる積層濾材を採用するこ
とができる。
も濾過精度に優れたものであることから本願の用途には
好適するものである。
例えば不定形状の各種アトマイズド粉末も採用すること
もできるが、このような粉末エレメントにおいては一般
的に空孔率が小さく、それに伴って圧損がより大きくな
るという欠点があり、したがってこの問題を改善するに
はその厚さをより小さくまた強度不足を補う為に前記積
層構造を採用することも好ましい。
の太さを10mm以下の筒状としているが、前記するよ
うに配管部材などへの収納を前提とすると、その太さは
10mm以下(好ましくは3〜8mm)とすることが必
要であり、本願では小径とすることによる濾過面積の減
少を所定長さを持つ筒状とすることでカバーしている。
材料については、被処理ガスに対する耐食性や機械的特
性を考慮し決定されるが、例えばニッケルやその合金、
例えばハステロイ(登録商標),インコネル(登録商
標)などの他、ステンレス鋼(316,316Lなど)
やさらには銀などから選択され、材質や粒子形態が単一
のみの他、2以上から適宜選択した混合乃至複合構造と
して成形した焼結体も採用される。
な焼結体により収納される管状部材(例えば配管や接続
治具)の内径より小さく、また所定長さ(例えば5〜5
0mm)を持つ例えはキャップ状などの筒状体に形成し
ており、また前記濾過特性を得る為の空孔径としては本
例ではその厚さを増す厚さ効果によって達成可能となる
よう例えば3μm以下とし、効率濾過の為に平均空孔率
は40%以上(好ましくは50〜80%)としている。
またその厚さについては前記空孔径との関係により取扱
性を考慮した0.5〜2mm程度としている。
8mmを越えるような厚い場合においては、前記しかつ
図1に見られるように、比較的粗い空孔を持つ支持層2
A(内部層)の片面側に微細な微細層2Bを例えば0.
05〜0.6mm程度で一体に形成する低圧損フィルタ
ーとした前記積層構造の採用も望ましい。
こともでき、使用状態を考慮して適宜変更してかまわな
い。
ては、必ずしも長さ方向に沿って同一断面を持つものと
いう厳密な意味ではなく、例えば同図に示したようなキ
ャップ形をはじめとして、筒体やさらには円錐や角錐な
どの錐形にしたものなどを含み、またその断面形状につ
いても円形,角形,不定型など種々形態で実施されてよ
く、例えば濾過面積の増大を図る為に、その全周にわた
ってひだを設けるのもよい。
ガスケット3について説明する。
保持する一方、それ自身は図3に見られるように管状部
材22A,22Bの突状リング23間で押圧することで
リーク発生を防ぎつつ装着されるものであって、その部
分の厚さ(t)を0.5〜2mm程度と前記管状部材と
同程度の外径を持つ薄板円板状成形品とされ、該押圧に
よってその表面に若干の凹部を形成しうる例えばHv2
0〜250程度の表面硬度を備えるニッケル,アルミ,
銀などの金属の他、それらいづれかの合金から選択され
る例えばニッケル合金やステンレス鋼なども採用され
る。
理ガスが流通する流通孔4をその一面10側から他面1
1側にわたって貫通させるとともに、該一面10側には
前記流通孔4を囲みかつ前記フィルター2の少なくとも
端部を嵌め入れ固着し得る大きさの凹設固着面5を中ぐ
り形成しており、好ましくは前記流通孔4の大きさはフ
ィルター2の内径内に収まるよう一乃至複数個設けられ
る。
ルター2の正確位置決めを可能にするとともに、ロウ材
が加熱によって拡がることを防ぎ、またフィルター2が
その取扱いなどにより倒壊することを防ぐ補強効果を持
つ。
凹設による薄肉化や強度不足を補う為に、該固着面5に
対抗して段差または円錐状の斜面を持つ張出形状6に形
成している。
中の微細不純物がその表面上に吸着して残留することを
防止すること、あるいは固着部5での前記フィルター2
端面との確実な結合を得る必要、さらには外周部が例え
ば配管部材の突状リング間で押圧されることで確実シー
ルを得ることなどの点を考慮して、その表面は好ましく
はRmax0.6μm以下となる表面粗さの精密研磨仕
上げ加工によって表面清浄の向上を図るのがよい。
トの固着面5において前記フィルター2の一端面との結
合をロウ材によるロウ付けによって一体化しており、本
例ではNi基合金アモルファス箔(厚さ10〜100μ
m)でなるロウ材箔片を介して結合する方法を採用し
た。
また前記フィルター2の空孔も微細であることに起因し
てフィルター空孔内に該ロウ材が侵入し空孔を塞ぐ程度
が少なく、封孔深さhを容易に0.5mm以下に押える
ことができ、またアモルファスはそれ自身高い平面性と
変形回復性を備えることから、このように薄いものであ
りながも両者の確実な結合と、容易な組立をすることが
できるメリットがあり、好ましくは20〜70μm程度
の厚さを有する前記箔が採用される。
0.5mm以下に限定する理由は、この値がそれを越え
るような大きい場合には、それによってガス流体が大き
く迂回することとなり円滑流れが得られず滞留部を形成
したり残留すること、それによりその後の異種ガスとの
完全な置換を不可能とすることなどによるものであっ
て、ガス純度をPPBレベルで制御するにはその深さは
0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以下としそ
の下限は0.005mm程度とすることが好ましい。
1の結合部を200倍に拡大した顕微鏡写真であって、
ロウ材はフィルター2の空孔内への侵入を非常に少なく
して該空孔を閉塞する封孔深さを0.05mm程度と非
常に薄しており、それによっても良好な結合状態で、リ
ークなく確実かつ強固に結合していることが確認されて
いる。
好ましい実施例としては前記封孔部の先端は前記ガスケ
ットの一面10より突出しないようにしてガス流体の大
きな迂回を防ぐのがよい。
箔を用いロウ付けしたことにより、フィルター2側とガ
スケット3側のロウ材9表面部には、これと接する両金
属でなる微薄な拡散層8,8の存在を見ることができ
る。
理ガスに対する保護層となって処理ガスでの腐食による
リーク発生を押えたり、結合強度の向上などに有効とな
る。
従来から知られているように非酸化雰囲気例えば真空乃
至還元雰囲気中で、該ロウ材の融解温度以上に全体加熱
することで可能となることから大量処理が可能となり生
産効率を高めることができる。本願ではロウ材の侵入を
押える為に比較的低温での加熱温度と2〜20分程度と
いう短い加熱時間での対応によって可能としている。勿
論この条件は、ワークの熱容量に依存するものであるこ
とから、その点は考慮されなければならない。
なる場合には、その結合端面の平面性を出す為の研磨時
に発生しやすい微小ダレなどによって起こるリーク発生
を防ぐ為に、例えば図5に示すように予めフィルターの
微細層2Bをその端面の全体又は一部に形成させた上で
ロウ付けするようにすることで、容易かつ確実にリーク
を解消でき、製品歩留り向上に寄与する。
ウが耐食性と高温強度に優れ好ましいが、これ以外にも
例えば金ロウや銀ロウなどの採用も可能であるが、熔融
状態でフィルターの空孔内部への侵入が大きくならない
よう熔融粘度の比較的大きいものを選択したり、前記処
理条件を適宜変更するのが良い。
溶接などで見られていた局部的な熱影響による変形や収
縮クラックなどの発生を押え、また酸化着色や金属ヒュ
ームなどの付着汚染問題を解決でき、さらにその後の例
えば平面性を出す為などの仕上げ加工が不要となるなど
のメリットがある。
合信頼性と製造効率向上を可能にできるものであり、さ
らに本願発明では前記固着面5の凹設による薄肉化を補
う為に、これに対抗してガスケット4の他面11側に段
差あるいは円錐状斜面を持つ張出し形状6を備えること
で強度低下を防ぐことができる。
例えばこれを前記VCR継手に適用した場合には、該張
出し部がリング突条22a付近の拡張空間の容積を実質
的に低減し、滞留発生を防ぐ。
式で使用する場合には、流通孔4の出口4Aがより下流
側に位置させることができ、前記拡張空間部への逆流を
抑制し、また円滑流れを可能にして滞留や残留の問題を
軽減する。
形状とした場合を示したが、それ以外にも例えば図4の
ようにその全体または一部をテーパー状斜面を持って形
成したり、あるいは該膨出部分のみを別製の部材で作り
接着して、結果的に膨出形状とすることもよい。
にフィルターとこれとロウ付け結合されるガスケットと
でなるものであって、小型形状にもかかわらず両者結合
状態を向上させ、構造簡単にして円滑な濾過流れを得る
ことができ、滞留やガス残留な どの問題を改善すること
ができる。
現在使用されているVCR継手にそのまま単体で使用で
きることから、従来から併用されてきた太径のハウジン
グを実質的に不要にして特別な配管工事を必要とせず、
また新規配設の場合にも配管ラインの配置密度向上を達
成するとともに圧力容器としての許認可までも不要にで
きるなど、半導体製造分野における本発明の意義は大き
いものである。
る断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】a)0.05μm以下の微小パーティクル
を捕捉する筒状の金属焼結フィルターと、 b)中央にガス流体が流通する為の流通孔を貫通したド
ーナツ板状のメタルガスケットを備えてなり、 c)該ガスケットは、前記流通孔を囲んだ一面側に凹設
してなる凹状固着面と、該固着面に対抗する他面側を段
差または円錐状斜面による張出形状に形成して、 d)フィルターの一端面と前記凹状固着面とが、ロウ材
によってロウ付け結合することで一体化されるととも
に、 e)前記ロウ材がフィルターの空孔内部に熔融侵入する
ことで封孔する封孔深さを0.5mm以下としたことを
特徴とする f)半導体製造プロセスガス用濾過部材。 - 【請求項2】前記封孔深さは、0.2mm以下とした請
求項1に記載の半導体製造プロセスガス用濾過部材。 - 【請求項3】少なくとも前記フィルターとロウ材との結
合部界面には、前記両者金属の原子間拡散による拡散層
を形成してなる請求項1または2に記載の半導体製造プ
ロセスガス用濾過部材。 - 【請求項4】前記筒状の金属焼結フィルターは外径が1
0mm以下であることを特徴とする請求項1、2、又は
3記載の半導体製造プロセスガス用濾過部材。
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