JPH11333228A - ガスケットフィルタおよびその製造方法、ガス処理方法 - Google Patents

ガスケットフィルタおよびその製造方法、ガス処理方法

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JPH11333228A
JPH11333228A JP14294298A JP14294298A JPH11333228A JP H11333228 A JPH11333228 A JP H11333228A JP 14294298 A JP14294298 A JP 14294298A JP 14294298 A JP14294298 A JP 14294298A JP H11333228 A JPH11333228 A JP H11333228A
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JP
Japan
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gasket
filter
porous material
manufacturing
gas
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JP14294298A
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English (en)
Inventor
Atsuhiro Fujii
淳弘 藤井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造的に単純であり、かつ、使用場所の制限
を受けないガスケットフィルタを提供する。 【解決手段】 ガスケットフィルタ10は、中央のフィ
ルタ部11と、それを囲むガスケット部12とで一体的
に構成され、円板形状をなしている。フィルタ部11は
網状の金属(例えばステンレス鋼)などの多孔性材料で
形成されており、半導体装置の製造等で用いる高純度ガ
スを濾過できる構成となっている。その厚みは濾過精
度、およびガス流量により変わるが、5mm前後に設定
される。また、直径はガス供給配管の直径に対応して設
定され、例えば6.35mm(1/4インチ)配管用で
あれば、約12mmの直径となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造等
に用いる高純度ガスの供給配管に使用されるガスケット
フィルタおよびその製造方法とガス処理方法に関し、特
に、ガス供給配管への取付けが容易なガスケットフィル
タおよびその製造方法と当該ガスケットフィルタを用い
たガス処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造等に用いる高純度ガス
供給のためフィルタは必須であり、しかもガス供給系統
の多くの場所で必要とされる。これまでは、外観形状が
ガス供給配管よりも大きなフィルタ装置が使用されてき
た。
【0003】しかし、近年はガス供給系統の小型化、小
容積化ひいては半導体装置製造装置の小型化の観点から
フィルタ装置の小型化が望まれ、ガス供給配管の接続部
に使用されるガスケットとフィルタとを組み合わせたガ
スケットフィルタが使用され始めている。
【0004】ここで、図12および図13を用いてガス
供給配管の接続部とガスケットの構成について説明す
る。図12は市販されている米国Cajon社製VCR
コネクタ、あるいは国内フジキン社製UJRコネクタな
どの一般的な継ぎ手を模式的に示す図であり、平板リン
グ状のガスケットGKを2つのガス供給配管TBで挟ん
だ状態を示す断面図である。ガス供給配管TBは、管部
T1と、当該管部T1よりも大きなシール部T2とで構
成され、シール部T2に設けられたリング状のエッジ部
T3をガスケットGKに食い込ませることで、ガス供給
配管TBの接続部における気密を保つ構成となってい
る。
【0005】なお、ガスケットGKは金属板であり、エ
ッジ部T3を食い込ませ、その状態を保つには、図13
に示すようにガス供給配管TBをネジ止めする方法が採
られる。すなわち、一方のガス供給配管TBには雄ネジ
を有したボディBDを係合させ、他方のガス供給配管T
Bには雌ネジを有したナットUNを係合させて、両者を
螺合させて締め込むことでガスケットGKの両面にエッ
ジ部T3を食い込ませるようにする。なお、一度締め込
みを行って、それを解除した後は再度締め込みを行って
も当初のシール能力は回復しないので、ガスケットGK
は使い捨てとなる。
【0006】次に、近年来、使用されつつあるガスケッ
トフィルタの構成について図14〜図16を用いて説明
する。図14は円錐円筒状のフィルタ部F1を有したコ
ニカルフィルタCFの構成を説明する斜視図である。
【0007】図14に示すようにコニカルフィルタCF
は円錐状のフィルタ部F1と、フィルタ部F1が取付け
られるガスケット部F2とで構成されている。フィルタ
部F1は金属網を内部が中空となるように円錐状に加工
し、フィルタ部F1の根元部FBにおいてガスケット部
F2に溶接で接合されている。また、フィルタ部F1の
先端部においては金属キャップMCが溶接で接合された
構成となっている。なお、コニカルフィルタCFの具体
的な寸法の一例としては、ガスケット部F2の直径Sが
約12mm、全体の高さLが約25mm程度である。
【0008】次に、図15および図16を用いてコニカ
ルフィルタCFの使用状態について説明する。図15は
コニカルフィルタCFを2つのガス供給配管TBで挟ん
だ状態を示す断面図である。図15に示すようにコニカ
ルフィルタCFのフィルタ部F1はガス供給配管TBの
管部T1内に挿入され、ガス供給配管TBのシール部T
2に設けられたリング状のエッジ部T3をガスケット部
F2に食い込ませることで、ガス供給配管TBの接続部
における気密を保つ構成となっている。
【0009】なお、ボディBDおよびナットUNを2つ
のガス供給配管TBにそれぞれ係合させ、両者を螺合さ
せて締め込むことでガスケット部F2の両面にエッジ部
T3を食い込ませるようにする構成は、図12および図
13を用いて説明したガス供給配管の接続方法と同じで
あり、一度締め込みを行って、それを解除した後は再度
締め込みを行ってもガスケット部F2の当初のシール能
力は回復しないので、コニカルフィルタCFは使い捨て
となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように従
来はガス供給配管と同じ大きさのコニカルフィルタをガ
ス供給配管に取付けることでガスの純度を維持するとと
もに、ガス供給系統の小型化を図っていた。
【0011】しかしながら、コニカルフィルタCFはそ
の構造が複雑であり、製造に時間を費やし、使い捨ての
割にコスト的に高価になることと、ガス供給配管TBの
管部T1内に挿入して使用するので、管部T1が屈曲し
た場所で、その直線部の長さがコニカルフィルタCFの
全長よりも短い場合には、使用できないという問題があ
った。
【0012】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、構造的に単純であり、かつ、使用
場所の制限を受けないガスケットフィルタを提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のガスケットフィルタは、多孔性材料で構成され、ガ
スを濾過するフィルタ部と、前記フィルタ部を囲むよう
に配設され前記フィルタ部と一体のガスケット部とを備
え、前記ガスケット部は、前記フィルタ部を構成する前
記多孔性材料の空孔を潰すことで通気性が無くなった稠
密構造を有している。
【0014】本発明に係る請求項2記載のガスケットフ
ィルタは、前記稠密構造が、前記多孔性材料の圧縮によ
って得られる構造となっている。
【0015】本発明に係る請求項3記載のガスケットフ
ィルタは、前記稠密構造が、前記多孔性材料の溶融によ
って得られる構造となっている。
【0016】本発明に係る請求項4記載のガスケットフ
ィルタは、前記稠密構造が、前記多孔性材料の前記空孔
に、少なくとも常温では固体の所定の物質を含浸させる
ことで得られる構造となっている。
【0017】本発明に係る請求項5記載のガスケットフ
ィルタは、前記所定の物質が金属あるいは樹脂である。
【0018】本発明に係る請求項6記載のガスケットフ
ィルタは、前記多孔性材料が網状金属である。
【0019】本発明に係る請求項7記載のガスケットフ
ィルタは、前記フィルタ部が、一方の主面側の外観形状
が略円錐形状であって、その内面側が中空である。
【0020】本発明に係る請求項8記載のガスケットフ
ィルタは、前記フィルタ部が面形状を有し、その面位置
は、少なくとも一方の主面側において、前記ガスケット
部よりも突出している。
【0021】本発明に係る請求項9記載のガスケットフ
ィルタの製造方法は、多孔性材料で構成され、ガスを濾
過するフィルタ部と、前記フィルタ部を囲むように配設
されたガスケット部とを備えたガスケットフィルタの製
造方法であって、前記多孔性材料を準備する工程(a)
と、前記多孔性材料のうち、前記ガスケット部となるべ
き端縁部の空孔を潰して通気性が無くなった稠密構造を
形成する工程(b)とを備えている。
【0022】本発明に係る請求項10記載のガスケット
フィルタの製造方法は、前記工程(b)が、前記ガスケッ
ト部となるべき端縁部をローラで繰り返し押圧して圧縮
するバニシング工程を含んでいる。
【0023】本発明に係る請求項11記載のガスケット
フィルタの製造方法は、前記工程(b)が、前記ガスケッ
ト部となるべき端縁部をプレスするプレス工程を含んで
いる。
【0024】本発明に係る請求項12記載のガスケット
フィルタの製造方法は、前記工程(b)が、前記ガスケッ
ト部となるべき端縁部をプレスするプレス工程と、プレ
スされた前記端縁部をローラで繰り返し押圧して圧縮す
るバニシング工程とを含んでいる。
【0025】本発明に係る請求項13記載のガスケット
フィルタの製造方法は、前記工程(b)が、前記ガスケッ
ト部となるべき端縁部に電子ビームを照射して前記多孔
性材料を溶融する工程を含んでいる。
【0026】本発明に係る請求項14記載のガスケット
フィルタの製造方法は、前記工程(b)が、前記ガスケッ
ト部となるべき端縁部をプレスするプレス工程と、プレ
スされた前記端縁部に電子ビームを照射して前記多孔性
材料を溶融する工程とを含んでいる。
【0027】本発明に係る請求項15記載のガスケット
フィルタの製造方法は、前記工程(b)が、前記ガスケッ
ト部となるべき端縁部を溶融金属に浸し、前記空孔に前
記溶融金属を含浸させる工程を含んでいる。
【0028】本発明に係る請求項16記載のガスケット
フィルタの製造方法は、前記工程(b)が、前記ガスケッ
ト部となるべき端縁部を金属メッキ液に浸し、前記空孔
にメッキを施す工程を含んでいる。
【0029】本発明に係る請求項17記載のガスケット
フィルタの製造方法は、前記工程(b)が、前記ガスケッ
ト部となるべき端縁部を溶融樹脂に浸し、前記空孔に前
記溶融樹脂を含浸させる工程を含んでいる。
【0030】本発明に係る請求項18記載のガスケット
フィルタの製造方法は、前記工程(a)が、前記多孔性材
料として網状金属を準備する工程を含み、前記工程(b)
の後に、前記フィルタ部の一方の主面側に凸形状のプレ
ス金型を押し当て、前記フィルタ部の他方の主面側の外
観形状が略円錐形状となるように、前記プレス金型で前
記フィルタ部を押圧する工程をさらに備えている。
【0031】本発明に係る請求項19記載のガス処理方
法は、多孔性材料で構成され、ガスを濾過するフィルタ
部と、前記フィルタ部を囲むように配設され前記フィル
タ部と一体のガスケット部とを備え、前記ガスケット部
が、前記フィルタ部を構成する前記多孔性材料の空孔を
潰すことで通気性が無くなった稠密構造を有するガスケ
ットフィルタを用いて、半導体装置の製造に使用される
プロセスガスを濾過する工程を備えている。
【0032】
【発明の実施の形態】<序論>発明者は、図14〜図1
6を用いて説明したコニカルフィルタの問題点を解決し
たガスケットフィルタとして、図1および図2に示すガ
スケットフィルタ5を開発した。
【0033】図1はガスケットフィルタ5の構成を説明
するための斜視断面図であり、図2はガスケットフィル
タ5の平面図である。図1に示すように、ガスケットフ
ィルタ5は平板リング状の2枚のガスケット1で多孔性
材料で形成された円板状のフィルタ部2を挟んだ構造で
あり、ガスケット1中央の開口部がガスの通過口となっ
ている。
【0034】なお、ガスケット1でフィルタ部2を挟ん
だだけでは、ガスケット1とフィルタ部2の間に生じる
隙間GPや、フィルタ部2の内部を通って側面からガス
が漏れるので、2つのガスケット1とフィルタ部2の側
面は全周に渡って溶接材3で覆われている。
【0035】以上説明した構成のガスケットフィルタ5
は、図14〜図16を用いて説明したコニカルフィルタ
CFのように複雑な構造ではなく、また、フィルタ部2
は平面的であるので、使用場所の制限を受けないという
点では当初の目的を達成できたが、以下に説明するよう
な点において改良の余地があった。
【0036】すなわち、ガスケット1とフィルタ部2の
間の間隙がいわゆるデッドスペース(盲腸部)となっ
て、当該部分に溜まったガスをパージするのに時間がか
かるという点と(第1の改良すべき点)、2枚のガスケ
ット1とフィルタ部2との3層構造となるので、従来の
ガスケット(厚み1mm以下)に比べて厚みが厚くな
り、ガス供給配管への取付けが難しくなるという点と
(第2の改良すべき点)、溶接によりガスケット1とフ
ィルタ部2を接合するので、溶接部とガスとの反応を考
慮しなければならないという点(第3の改良すべき点)
の3点である。
【0037】ここで、図3および図4を用いて、上述し
た第2の改良すべき点についてさらに説明する。図3
は、ガスケットフィルタ5を2つのガス供給配管TBで
挟んだ状態を示す断面図である。図3に示すようにガス
ケットフィルタ5の2つのガスケット1にガス供給配管
TBのシール部T2に設けられたリング状のエッジ部T
3を食い込ませることで、ガス供給配管TBの接続部に
おける気密が保たれる。なお、図3および図4において
は簡単化のため溶接材3は省略している。
【0038】2つのガス供給配管TBに、それぞれ雄ネ
ジを有したボディBDと、雌ネジを有したナットUNを
係合させて、両者を螺合させて締め込むことで2つのガ
スケット1にエッジ部T3を食い込ませるようにする
が、従来のガスケットに比べてガスケットフィルタ5は
2倍以上の厚みになり、ガスケット1にエッジ部T3を
食い込ませるのに必要な力も多く必要となる。
【0039】また、ボディBDとナットUNとを螺合さ
せる際に、ガスケットフィルタ5の厚みが厚いので、ガ
スケットだけの構成に対応して製作された市販のボディ
BDおよびナットUNでは、互いのネジ山の噛み合わせ
が不十分になって、取り付け不良によるガスリークが発
生する可能性があった。
【0040】次に、上述した第3の改良すべき点につい
てさらに説明する。半導体装置の製造等で用いる高純度
ガスとしては、リン(P)や塩素(Cl)、ヒ素(A
s)などの水素化物、あるいは塩化物を含んだ反応性、
腐食性を有するガスを使用することが多い。このような
ガスは、ステンレス鋼で形成されたガス供給配管TBを
腐食させるようなことはないが、ガスケットフィルタ5
における溶接部分においては、ガスとの接触により腐食
が発生する可能性があった。
【0041】すなわち、ガスケット1はガス供給配管T
Bのエッジ部T3が食い込む必要があるので、エッジ部
T3よりも軟らかい必要があり、エッジ部T3、すなわ
ちシール部T2をステンレス鋼で形成すると、ガスケッ
ト1にはニッケル(Ni)が使用される。そして、フィ
ルタ部2の材質としてはステンレスメッシュが使用され
るので、異種金属の溶接となり、両者の間に電位差が生
じることになる。電位差が生じるということは、電子の
流れが発生することであり、そこに、塩素などの反応性
ガスが接触すると腐食が発生する(電気腐食)。また、
合金中の金属介在物、例えばマンガン(Mn)、硫黄
(S)等によっても腐食が発生する。これは、Mn、S
の化合物は融点が低く、溶接部に集まりやすいためであ
る。
【0042】また、腐食が発生すれば、ガスリークが生
じる可能性が高まるだけでなく、半導体装置の製造等で
用いる高純度ガス(例えばプロセスガス)に対して溶接
部の金属が触媒として作用し、ガスが変質(触媒作用に
よる変質)するので、プロセスガスの純度が低下すると
いう現象が発生するとともに、異物や塵埃も発生する。
【0043】例えば、触媒作用による変質の一例として
は、アルシン(AsH3)ガスがニッケルあるいはプラ
チナ(Pt)の触媒作用を受けると水素ガスが発生する
ことが挙げられる。
【0044】発明者は上述した3つの改良すべき点につ
いて検討を行い、これらを解消したガスケットフィルタ
の発明を完成させた。以下、当該発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0045】<A.実施の形態1> <A−1.装置構成>本発明に係るガスケットフィルタ
の実施の形態1として、図5にガスケットフィルタ10
の斜視図を示す。図5に示すように、ガスケットフィル
タ10は、中央のフィルタ部11と、それを囲むガスケ
ット部12とで一体的に構成され、円板形状をなしてい
る。
【0046】フィルタ部11は網状の金属(例えばステ
ンレス鋼)などの多孔性材料で形成されており、半導体
装置の製造等で用いる高純度ガスを濾過できる構成とな
っている。その厚みは濾過精度、およびガス流量により
変わるが、5mm前後に設定される。また、直径はガス
供給配管の直径に対応して設定され、例えば6.35m
m(1/4インチ)配管用であれば、約12mmの直径
となる。
【0047】そして、ガスケット部12はフィルタ部1
1と同じ材質を圧縮することによって形成されており、
その厚みは1mm以下、例えば0.5mm〜0.8mm
程度となっている。なお、この厚みはフィルタ材の隙間
の距離によって決まる。
【0048】従って、フィルタ部11がガスケット部1
2よりも突出した形状となっているが、フィルタ部11
の直径を適用するガス供給配管の直径程度に設定してお
けば、ガス供給配管のシール部に設けられたリング状の
エッジ部の内側に完全に収まることになる。なお、図5
においてはフィルタ部11の一方面側しか記載されてい
ないが、反対側においても同様の形状となっている。
【0049】このように、フィルタ部11がガスケット
部12よりも突出した形状となっているので、ガス供給
配管に取り付ける際にアライメントが取りやすくなる。
すなわち、フィルタ部11の直径がガス供給配管の直径
程度であるので、ガス供給配管のシール部のエッジ部が
ガイドとなり、ガスケット部12にエッジ部が確実に接
触することになる。また、エッジ部がガイドとなるので
フィルタ部11が平面方向にずれることが防止され、ガ
ス供給配管への取り付けが容易となる。
【0050】また、フィルタ部11が立体的になるの
で、図1を用いて説明したガスケットフィルタ5に比べ
て表面積を大きくでき、ガスケットフィルタ5のフィル
タ部2と同じ材質(同じ空孔率)であれば、ガスケット
フィルタ5よりも圧力損失を低減できる。
【0051】<A−2.製造方法>次に、図6および図
7を用いてガスケットフィルタ10の製造方法について
説明する。
【0052】まず、図6に示すような円板状の網状の金
属(以後、フィルタ材と呼称)MFを準備する。フィル
タ材MFの厚みは完成したガスケットフィルタ10のフ
ィルタ部11の厚みに合わせて5mm前後に設定され
る。また、直径はガスケット部12の直径に合わせて約
12mmに設定される。
【0053】なお、フィルタ材MFの材質としては例え
ばステンレス鋼を使用し、メッシュの粗さは、空孔率
(隙間率)が20〜80%程度のものを使用する。空孔
率が20〜80%程度だと、メッシュではあっても板材
と同様の強度を有している。
【0054】そして、フィルタ材MFの端縁部、すなわ
ちガスケット部12となるべき部分をローラーROで挟
み込み、ローラーROを回転させながら圧力を加えつ
つ、フィルタ材MFを回転(あるいはローラーROを移
動)させる作業を繰り返して行うことで、フィルタ材M
Fの端縁部を全周に渡って圧縮する。この加工方法は一
般的にはバニシング加工と呼称されている。なお、この
ときに加える圧力(面圧)は1〜10トン程度となる。
【0055】バニシング加工はフィルタ材MFの端縁部
の厚みが1mm以下、望ましくは0.5mm〜0.8m
m程度となるまで続行され、図7に斜視断面図で示すよ
うに、フィルタ材MFは網状構造の隙間が潰れて通気性
が無い稠密構造を有するガスケット部12となり、バニ
シング加工が施されなかった中央部は網状を維持してフ
ィルタ部11となる。
【0056】なお、バニシング加工を行うと、その表面
の硬度が増すので、そのままではガス供給配管のシール
部のエッジ部が食い込むことができなくなる場合があ
る。例えば、ステンレス鋼にバニシング加工を行うとそ
の表面硬度はビッカース硬度で倍以上になり、同じステ
ンレス鋼で作られたエッジ部は食い込めなくなる。
【0057】従って、バニシング加工後には熱処理を施
して表面硬度を軟らかくする焼き鈍し工程が必要とな
る。
【0058】焼き鈍し工程は、ガスケットフィルタ10
を高温炉に入れ、不活性ガス雰囲気中でステンレス鋼の
相転移温度である900〜1100℃程度まで加熱した
後、徐々に冷却する工程を含んでいる。
【0059】なお、バニシング加工を行うと、その表面
状態が研磨されたように平滑になるので、シール面とし
ての機能を自動的に得ることができる。
【0060】また、以上の説明においてはフィルタ材M
Fとして網状のステンレス鋼を使用例について示した
が、ステンレス鋼に限定されるものではなく、例えばニ
ッケル鋼であっても良く、また、網状でなく粉体金属の
焼結体などでも良く、多孔性材料であれば良い。
【0061】<A−3.特徴的作用効果>以上説明した
本発明に係るガスケットフィルタの実施の形態1によれ
ば、先に説明した第1〜第3の改良すべき点を解消する
ことができる。
【0062】すなわち、フィルタ材MFの端縁部をバニ
シング加工することでガスケット部12を形成するの
で、ガスケット部12にデッドスペース(盲腸部)が存
在せず、ガスのパージが短時間で可能となる。
【0063】また、ガスケット部12の厚みはバニシン
グ加工により従来のガスケットと同程度とするので、ガ
ス供給配管に取り付けて締め込みを行う作業の難易は従
来のガスケットを使用する場合と同じとなる。逆に、先
に説明したように、フィルタ部11がガスケット部12
よりも突出した形状となっているので、ガス供給配管に
取り付ける際にアライメントが取り易くなるので、ガス
供給配管への取り付けは容易となる。
【0064】また、溶接部を一切含まないので溶接部と
ガスとの反応による溶接部の腐食や、高純度ガスの変質
を防止できる。
【0065】さらに、フィルタ部11とガスケット部1
2を一体で構成するので、複数の部品を溶接により接合
して構成するガスケットフィルタ5に比べて製造工程の
簡略化を図ることができ、製造コストの低減が可能とな
る。
【0066】<A−4.変形例>以上説明した本発明に
係るガスケットフィルタの実施の形態1によれば、フィ
ルタ材MFに最初からバニシング加工を施す例について
示したが、フィルタ材MFにプレス加工を施して、端縁
部の厚みを薄くしてからバニシング加工を施すようにし
ても良い。
【0067】また、プレス加工だけでガスケットフィル
タ10を成形するようにしても良いが、プレス加工では
端縁部の表面は研磨したようにはならないので、シール
面とするために研磨が必要となり、また端縁部、すなわ
ちガスケット部12の温度がプレス加工に伴なう発熱
で、いわゆる焼き鈍し温度にまで上昇して、ガスケット
部12の硬度が低下する場合があるので、温度上昇には
留意しなければならない。
【0068】逆に、フィルタ材MFとして硬い材質のも
のを使用し、プレス加工に伴なう発熱を利用して焼き鈍
しを行って、ガスケット部12の硬度を調整する方法を
採ることもできる。
【0069】<B.実施の形態2> <B−1.構成および製造方法>本発明に係る実施の形
態1のガスケットフィルタ10は、バニシング加工によ
り成形したガスケット部12を有した構成であったが、
電子ビーム加工(EB加工)により成形したガスケット
部を有した構成であっても良い。
【0070】図8は、本発明に係る実施の形態2のガス
ケットフィルタ20の製造工程を示す斜視断面図であ
る。図8に示すように、ガスケットフィルタ20は、中
央のフィルタ部21と、それを囲むガスケット部22と
で一体的に構成され、円板形状をなしている。フィルタ
部21は図5を用いて説明した実施の形態1のガスケッ
トフィルタ10のフィルタ部11と同様であり、網状の
金属(例えばステンレス鋼)などの多孔性材料で形成さ
れている。
【0071】図8に示す工程に先だって、円板状の網状
のフィルタ材MFを準備する工程は、実施の形態1にお
いて図6を用いて説明した工程と同様であるが、フィル
タ材MFの端縁部にバニシング加工を施す代わりに、図
8に示すように端縁部に電子ビームを照射することでフ
ィルタ材MFを溶かして、網状構造の隙間を埋めて通気
性が無い稠密構造とする。
【0072】電子ビームの照射は真空中で行われ、電子
ビームのエネルギー(パワー)はステンレス鋼のフィル
タ材MFを溶融させるだけのエネルギーであれば良く、
一例としては10KeV〜100KeVの加速電圧で、
1mA以下程度の電流となるようにすれば良い。
【0073】また、電子ビームの照射においては端縁部
のみにスポット照射を行って、フィルタ材MFを回転さ
せるか、電子ビームを端縁部に沿って移動させる方法で
も良いが、フィルタ部21となる部分をフィルタ材MF
よりも融点の高い材料で製作されたマスクで覆い、全面
照射を行うことで端縁部のみを溶融させる方法を採って
も良い。この方法であれば、一度に複数のガスケットフ
ィルタ20を製造することができる。
【0074】なお、電子ビームの照射はフィルタ材MF
の一方の主面側からのみ行っても良いが、一方の主面側
から照射した後、他方の主面側からも照射することでフ
ィルタ材MFの溶融を均一に行うことができる。
【0075】なお、以上の説明ではフィルタ材MFの材
質を網状の金属とした例について説明したが、アクリル
やポリカーボネートなどの網状の樹脂としても良い。
【0076】<B−2.特徴的作用効果>以上説明した
本発明に係るガスケットフィルタの実施の形態2によれ
ば、先に説明した第1〜第3の改良すべき点を解消する
ことができるとともに、電子ビームの照射は真空中で行
われるので、ガスケット部22が酸化されることがな
く、酸化に伴う変質を防止できる。
【0077】また、電子ビームの照射後、真空中に放置
して冷却することで焼き鈍しと同様の効果を得ることが
でき、ガスケット部22の硬度が固くなりすぎるという
ことが防止できる。
【0078】<B−3.変形例>以上説明した本発明に
係るガスケットフィルタの実施の形態2によれば、フィ
ルタ材MFに最初からEB加工を施す例について示した
が、フィルタ材MFにプレス加工を施して、端縁部の厚
みを薄くしてからEB加工を施すようにしても良い。
【0079】なお、以上説明した本発明に係るガスケッ
トフィルタの実施の形態1および2においては、フィル
タ材の厚みは、完成したガスケットフィルタのフィルタ
部の厚みに合わせて設定する例を示したが、完成したガ
スケットフィルタにおいて、フィルタ部とガスケット部
の厚さを同じにしたい場合には、フィルタ材の端縁部の
厚みを圧縮分を考慮して中央部よりも厚くしておけば良
い。
【0080】<C.実施の形態3> <C−1.構成および製造方法>本発明に係るガスケッ
トフィルタの実施の形態3として、図9にガスケットフ
ィルタ30の斜視断面図を示す。図9に示すように、ガ
スケットフィルタ30は、中央のフィルタ部31と、そ
れを囲むガスケット部32とで一体的に構成され、円板
形状をなしている。
【0081】フィルタ部31は網状の金属(例えばステ
ンレス鋼)などの多孔性材料で形成されており、半導体
装置の製造等で用いる高純度ガスを濾過できる構成とな
っている。そして、ガスケット部32は図9にハッチン
グを付して示すように網状の金属の隙間に金属を含浸し
て通気性が無い稠密構造となっている。なお、フィルタ
部31の厚みは濾過精度、およびガス流量により変わる
が、5mm前後に設定され、ガスケット部32も同じ厚
さである。
【0082】円板状の網状のフィルタ材MFを準備する
工程は、実施の形態1において図6を用いて説明した工
程と同様であるが、フィルタ材MFの端縁部にバニシン
グ加工を施す代わりに、端縁部の網状構造に常温(室
温)では固体の物質、例えば溶融させた金属を含浸させ
る点が異なっている。
【0083】端縁部に金属を含浸させるには、ハンダ材
のような低融点の金属の溶融液に端縁部を浸す方法や、
ニッケルや銀(Ag)などのメッキ液に端縁部を浸して
網状の金属の隙間にメッキを施す方法を採ることができ
る。なお、金属の溶融液やメッキ液がフィルタ部31に
浸入しないようにするため、フィルタ部31には予めパ
ラフィンなどの保護材を充填しておき、端縁部に金属を
含浸させた後に保護材を溶かして除去するなどの方法
や、フィルタ部31に不活性ガスを吹き付けながら端縁
部を浸す方法を採れば良い。
【0084】端縁部の網状構造に金属を含浸させること
で、網状構造の隙間が潰れ通気性が無い稠密構造を有す
るガスケット部32となり、金属を含浸させなかった中
央部は網状を維持してフィルタ部31となる。
【0085】なお、フィルタ材MFの端縁部に含浸させ
るものは金属に限定されず、例えば、アクリルやポリカ
ーボネートなどの常温では固体の樹脂を使用しても良
い。この場合、フィルタ材MFの材質を、アクリルやポ
リカーボネートなどの網状樹脂としても良い。
【0086】また、金属あるいは樹脂を含浸させた後
は、ガスケット部32の主面を研磨することでシール面
とすることができる。
【0087】なお、ガスケット部32の厚みはフィルタ
部31と同様としたが、フィルタ材MFの端縁部の厚み
を、予め切削加工などで薄くしておくことで、フィルタ
部よりも薄いガスケット部を得ることができる。
【0088】なお、ガスケット部の厚みは1mm以下、
望ましくは0.5mm〜0.8mm程度であれば良く、
また、先に説明したように空孔率が20〜80%程度で
は、板材と同様の強度を有しているので切削加工は可能
である。
【0089】<C−2.特徴的作用効果>以上説明した
本発明に係るガスケットフィルタの実施の形態3によれ
ば、先に説明した第1〜第3の改良すべき点を解消する
ことができるとともに、ガスケット部32を含浸によっ
て形成するので、極めて簡単に製造でき、製造コストの
大幅な低減が可能となる。
【0090】<D.実施の形態4> <D−1.構成および製造方法>本発明に係るガスケッ
トフィルタの実施の形態4として、図10にガスケット
フィルタ10Aの斜視図を示す。図10に示すように、
ガスケットフィルタ10Aは、中央のフィルタ部11A
と、それを囲むガスケット部12とで一体的に構成され
ている。
【0091】フィルタ部11Aは網状の金属(例えばス
テンレス鋼)などの多孔性材料で形成され、その外観形
状は円錐形状となっている。フィルタ部11Aの高さは
その材質の伸縮性によって変わるが、フィルタ部11A
の最大部分の直径の2倍程度である。なお、フィルタ部
11の内面側は中空になっている。
【0092】次に、図11を用いて製造方法について説
明する。まず、図6および図7を用いて説明した工程に
より、ガスケットフィルタ10を製造する。そして、図
11に示すように、フィルタ部11の中央部にプレス金
型PMを押し当て、プレス金型PMを押し下げること
で、プレス金型PMと反対方向にフィルタ部11を押し
出してフィルタ部11を円錐形状のフィルタ部11Aと
する。
【0093】このように、フィルタ部11を円錐形状の
フィルタ部11Aとする理由は、網状構造の隙間を押し
広げることでガス通過時の圧力損失を下げることにあ
り、網状構造の隙間が広がることによって、濾過性能が
多少犠牲になっても構わない場合には適した構成となっ
ている。
【0094】なお、フィルタ部の空孔率を先に説明した
20%よりも小さく、例えば10%としておけば、網状
構造の隙間を2倍程度に押し広げた後も、空孔率20%
のフィルタ部と同様の濾過性能は維持できる。このよう
に、空孔率と隙間の拡大率とを適宜設定することで濾過
性能と圧力損失とのトレードオフ関係を調整することが
できる。
【0095】また、以上説明においては、本発明に係る
実施の形態1のガスケットフィルタ10を使用する例に
ついて説明したが、本発明に係る実施の形態2および3
のガスケットフィルタ20および30に同様のプレス加
工を施すようにしても良いことは言うまでもない。
【0096】<D−2.特徴的作用効果>以上説明した
本発明に係るガスケットフィルタの実施の形態4によれ
ば、先に説明した第1〜第3の改良すべき点を解消する
ことができるとともに、濾過面積を拡大してガス通過時
の圧力損失を下げることができる。
【0097】<E.実施の形態5>次に、本発明に係る
ガスケットフィルタの実施の形態1〜4において説明し
たガスケットフィルタ10、10A、20、30を用い
て、半導体装置の製造等に用いる高純度ガスを処理する
方法について説明する。
【0098】まず、従来の技術として先に説明した外観
形状がガス供給配管よりも大きなフィルタ装置を使用す
る例を図17を用いて説明する。
【0099】図17において、半導体製造装置の処理室
PCに、半導体装置を形成する基板(ウエハ)WFを載
置した状態を模式的に示す。そして、処理室PCにはプ
ロセスガス供給源GBからガス供給配管TBを介してプ
ロセスガスPGが供給され、フィルタ装置FLはガス供
給配管TBに介挿されている。フィルタ装置FLをガス
供給配管TBに取り付けるには、ガスの流入側と流出側
の2カ所にコネクタCNが必要となり、フィルタ装置F
Lの大きさと合わせると非常に大きな取り付けスペース
が必要となる。
【0100】次に、図18に実施の形態1において説明
したガスケットフィルタ10を用いて高純度ガスを処理
する方法について説明する。図18は、半導体製造装置
の処理室PCに、半導体装置を形成する基板(ウエハ)
WFを載置した状態を模式的に示す図であり、処理室P
Cにはプロセスガス供給源GBからガス供給配管TBを
介してプロセスガスPGが供給されるが、ガスケットフ
ィルタ10はこのガス供給配管TBに介挿されている。
【0101】プロセスガスPGとしては、リン(P)や
塩素(Cl)、ヒ素(As)などの水素化物、あるいは
塩化物を含んだ反応性、腐食性を有するガス、例えばA
sH3(アルシン)、PH3(ホスフィン)などを使用す
ることが多いが、ガスケットフィルタ10は先に説明し
たように溶接部を有さずステンレス鋼だけで形成されて
いるので、プロセスガスPGによる腐食や、プロセスガ
スPGの変質を生じさせることなく、プロセスガスPG
に含まれる不純物を濾過して処理室PCに供給すること
ができる。これは、実施の形態2〜4において説明した
ガスケットフィルタ10A、20、30においても同様
である。
【0102】また、図17に示した従来のフィルタ装置
FLではガス供給配管TBへの取り付けのため2つのコ
ネクタCNが必要であり、広い取り付けスペースが必要
であったが、本発明のガスケットフィルタはコネクタの
中に組み込むことになるので、取り付けスペースは極め
て小さくなる。なお、図17と図18とでは図の縮尺が
一致しておらず直接比較ができないので念のために説明
すると、図17におけるコネクタCNが図18における
ボディBDとナットUNとで構成されるコネクタに対応
する。
【0103】なお、本発明に係るガスケットフィルタは
上記のような反応性ガスだけでなく、窒素ガスやアルゴ
ンガスなどの不活性ガスの供給配管に用いても良いこと
はもちろんであり、液体の供給配管に用いても良い。
【0104】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載のガスケット
フィルタによれば、ガスケット部をフィルタ部を構成す
る多孔性材料の空孔を潰すことで通気性が無くなった稠
密構造とし、フィルタ部とガスケット部とが一体になっ
ているので、ガスケット部をフィルタ部と別個の部品で
形成し、フィルタ部に接合した構成に比べて、ガスケッ
ト部にデッドスペースが存在せず、ガスがデッドスペー
スに溜まることがないのでパージが短時間で可能とな
る。また、フィルタ部を構成する多孔性材料の空孔を潰
すことでガスケット部を形成するので、ガスケット部を
フィルタ部と別個の部品で形成し、フィルタ部に接合し
た構成に比べてガス供給配管に取り付けて締め込みを行
う作業が容易にでき、また、溶接部を一切含まないので
溶接部とガスとの反応による溶接部の腐食や、ガスの変
質を防止できる。
【0105】本発明に係る請求項2記載のガスケットフ
ィルタによれば、ガスケット部の稠密構造を多孔性材料
の圧縮によって得るので、ガスケット部の厚みの制御が
容易であり、また圧縮の手段によってはガスケット部の
表面を研磨したのと同じ状態にできる。
【0106】本発明に係る請求項3記載のガスケットフ
ィルタによれば、ガスケット部の稠密構造を多孔性材料
の溶融によって得るので、多孔性材料の空孔を完全に潰
すことができる。また、溶融手段によっては、複数のガ
スケットフィルタを同時に加工できるので、製造コスト
を低減することができる。
【0107】本発明に係る請求項4記載のガスケットフ
ィルタによれば、空孔に、少なくとも常温では固体の所
定の物質を含浸させることでガスケット部の稠密構造を
得るので、ガスケットフィルタを極めて簡単に製造で
き、製造コストの大幅な低減が可能となる。
【0108】本発明に係る請求項5記載のガスケットフ
ィルタによれば、多孔性材料が金属である場合には、空
孔に含浸させる物質として金属を使用し、多孔性材料が
樹脂である場合には空孔に含浸させる物質として樹脂を
使用することで、良好な適合性を得ることができる。
【0109】本発明に係る請求項6記載のガスケットフ
ィルタによれば、多孔性材料が網状の金属であるので、
圧縮、溶融、含浸などにより稠密構造とすることに適し
ている。
【0110】本発明に係る請求項7記載のガスケットフ
ィルタによれば、多孔性材料が網状の金属である場合
に、表面積を増やして濾過対象となるガスの圧力損失を
低減させるのに最適な構造を得ることができる。
【0111】本発明に係る請求項8記載のガスケットフ
ィルタによれば、フィルタ部が面形状を有し、その面位
置が、少なくとも一方の主面側においてガスケット部よ
りも突出しているので、平坦な場合に比べて表面積が増
え、濾過対象となるガスの圧力損失を低減できる。
【0112】本発明に係る請求項9記載のガスケットフ
ィルタの製造方法によれば、ガスケット部をフィルタ部
と別個の部品で形成し、フィルタ部に接合した構成に比
べて、ガスケット部にデッドスペースが存在せず、ガス
がデッドスペースに溜まることがないのでパージが短時
間で可能となり、また、ガス供給配管に取り付けて締め
込みを行う作業が容易にでき、また、溶接工程を一切含
まないので溶接部とガスとの反応による溶接部の腐食
や、ガスの変質を防止したガスケットフィルタを得るこ
とができる。
【0113】本発明に係る請求項10記載のガスケット
フィルタの製造方法によれば、ガスケット部をバニシン
グ工程で形成するので、ガスケット部の厚みの制御が容
易であり、またガスケット部の表面を研磨したのと同じ
状態にできるので、シール面を自動的に得ることができ
る。
【0114】本発明に係る請求項11記載のガスケット
フィルタの製造方法によれば、ガスケット部をプレス工
程で形成するので、ガスケット部の形成を容易にかつ安
価に得ることができる。
【0115】本発明に係る請求項12記載のガスケット
フィルタの製造方法によれば、ガスケット部となるべき
端縁部をプレスした後にバニシング工程を行うことで、
ガスケット部の形成時間を短縮できる。
【0116】本発明に係る請求項13記載のガスケット
フィルタの製造方法によれば、ガスケット部を、端縁部
に電子ビームを照射して多孔性材料を溶融することで形
成するので多孔性材料の空孔を完全に潰すことができ
る。また、フィルタ部となるべき部分にマスクをかけ、
複数のガスケットフィルタに対して全面的に同時に電子
ビームを照射する方法を採れば、製造コストを低減する
ことができる。
【0117】本発明に係る請求項14記載のガスケット
フィルタの製造方法によれば、ガスケット部となるべき
端縁部をプレスした後に電子ビームを照射して多孔性材
料を溶融することで、ガスケット部の形成時間を短縮で
きる。
【0118】本発明に係る請求項15記載のガスケット
フィルタの製造方法によれば、空孔に溶融金属を含浸さ
せることでガスケット部を形成するので、ガスケットフ
ィルタを極めて簡単に製造でき、製造コストの大幅な低
減が可能となる。
【0119】本発明に係る請求項16記載のガスケット
フィルタの製造方法によれば、ガスケット部となるべき
端縁部を金属メッキ液に浸し、空孔にメッキを施すこと
でガスケット部を形成するので、ガスケットフィルタを
極めて簡単に製造でき、製造コストの大幅な低減が可能
となる。
【0120】本発明に係る請求項17記載のガスケット
フィルタの製造方法によれば、ガスケット部となるべき
端縁部を溶融樹脂に浸し、空孔に溶融樹脂を含浸させる
ことでガスケット部を形成するので、ガスケットフィル
タを極めて簡単に製造でき、製造コストの大幅な低減が
可能となる。
【0121】本発明に係る請求項18記載のガスケット
フィルタの製造方法によれば、多孔性材料が網状の金属
である場合に、表面積を増やして濾過対象となるガスの
圧力損失を低減させるのに最適な構造のガスケットフィ
ルタを得ることができる。
【0122】本発明に係る請求項19記載のガス処理方
法によれば、フィルタ部と、フィルタ部を構成する多孔
性材料の空孔を潰すことで形成されたガスケット部とを
有するガスケットフィルタによりプロセスガスを濾過す
るので、ガスケット部をフィルタ部と別個の部品で形成
し、フィルタ部に接合した構成に比べて溶接部を一切含
まないので、溶接部とプロセスガスとの反応による溶接
部の腐食や、ガスの変質を防ぐことができ、プロセスガ
スの純度を保った濾過処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コニカルフィルタの問題点を解決したガスケ
ットフィルタの構成を説明する斜視断面図である。
【図2】 コニカルフィルタの問題点を解決したガスケ
ットフィルタの構成を説明する平面図である。
【図3】 コニカルフィルタの問題点を解決したガスケ
ットフィルタの取付け状態を説明する図である。
【図4】 コニカルフィルタの問題点を解決したガスケ
ットフィルタの取付け状態を説明する図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態1のガスケットフィ
ルタの構成を説明する斜視図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態1のガスケットフィ
ルタの製造工程を説明する図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態1のガスケットフィ
ルタの製造工程を説明する図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態2のガスケットフィ
ルタの製造工程を説明する図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態3のガスケットフィ
ルタの製造工程を説明する図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態4のガスケットフ
ィルタの構成を説明する斜視図である。
【図11】 本発明に係る実施の形態4のガスケットフ
ィルタの製造工程を説明する図である。
【図12】 ガスケットの取付け状態を説明する図であ
る。
【図13】 ガスケットの取付け状態を説明する図であ
る。
【図14】 コニカルフィルタの構成を説明する斜視図
である。
【図15】 コニカルフィルタの取付け状態を説明する
図である。
【図16】 コニカルフィルタの取付け状態を説明する
図である。
【図17】 従来のフィルタ装置の使用例を説明する図
である。
【図18】 本発明に係るガスケットフィルタを用いた
ガス処理方法を説明する図である。
【符号の説明】
11,11A,21,31 ガスケット部、12,2
2,32 フィルタ部、MF フィルタ材、RO ロー
ラ、PM プレス金型。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性材料で構成され、ガスを濾過する
    フィルタ部と、 前記フィルタ部を囲むように配設され前記フィルタ部と
    一体のガスケット部とを備え、 前記ガスケット部は、 前記フィルタ部を構成する前記多孔性材料の空孔を潰す
    ことで通気性が無くなった稠密構造を有することを特徴
    とするガスケットフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記稠密構造は、前記多孔性材料の圧縮
    によって得られる構造である、請求項1記載のガスケッ
    トフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記稠密構造は、前記多孔性材料の溶融
    によって得られる構造である、請求項1記載のガスケッ
    トフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記稠密構造は、前記多孔性材料の前記
    空孔に、少なくとも常温では固体の所定の物質を含浸さ
    せることで得られる構造である、請求項1記載のガスケ
    ットフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記所定の物質は金属あるいは樹脂であ
    る、請求項4記載のガスケットフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記多孔性材料は網状金属である、請求
    項1〜請求項4の何れかに記載のガスケットフィルタ。
  7. 【請求項7】 前記フィルタ部は、一方の主面側の外観
    形状が略円錐形状であって、その内面側が中空である、
    請求項6記載のガスケットフィルタ。
  8. 【請求項8】 前記フィルタ部は面形状を有し、その面
    位置は、少なくとも一方の主面側において、前記ガスケ
    ット部よりも突出している、請求項1記載のガスケット
    フィルタ。
  9. 【請求項9】 多孔性材料で構成され、ガスを濾過する
    フィルタ部と、 前記フィルタ部を囲むように配設されたガスケット部と
    を備えたガスケットフィルタの製造方法であって、 (a)前記多孔性材料を準備する工程と、 (b)前記多孔性材料のうち、前記ガスケット部となるべ
    き端縁部の空孔を潰して通気性が無くなった稠密構造を
    形成する工程とを備える、ガスケットフィルタの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記工程(b)は、 前記ガスケット部となるべき端縁部をローラで繰り返し
    押圧して圧縮するバニシング工程を含む、請求項9記載
    のガスケットフィルタの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記工程(b)は、 前記ガスケット部となるべき端縁部をプレスするプレス
    工程を含む、請求項9記載のガスケットフィルタの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記工程(b)は、 前記ガスケット部となるべき端縁部をプレスするプレス
    工程と、 プレスされた前記端縁部をローラで繰り返し押圧して圧
    縮するバニシング工程とを含む請求項9記載のガスケッ
    トフィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記工程(b)は、 前記ガスケット部となるべき端縁部に電子ビームを照射
    して前記多孔性材料を溶融する工程を含む、請求項9記
    載のガスケットフィルタの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記工程(b)は、 前記ガスケット部となるべき端縁部をプレスするプレス
    工程と、 プレスされた前記端縁部に電子ビームを照射して前記多
    孔性材料を溶融する工程とを含む、請求項9記載のガス
    ケットフィルタの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記工程(b)は、 前記ガスケット部となるべき端縁部を溶融金属に浸し、
    前記空孔に前記溶融金属を含浸させる工程を含む、請求
    項9記載のガスケットフィルタの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記工程(b)は、 前記ガスケット部となるべき端縁部を金属メッキ液に浸
    し、前記空孔にメッキを施す工程を含む、請求項9記載
    のガスケットフィルタの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記工程(b)は、 前記ガスケット部となるべき端縁部を溶融樹脂に浸し、
    前記空孔に前記溶融樹脂を含浸させる工程を含む、請求
    項9記載のガスケットフィルタの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記工程(a)は、 前記多孔性材料として網状金属を準備する工程を含み、 前記工程(b)の後に、 前記フィルタ部の一方の主面側に凸形状のプレス金型を
    押し当て、前記フィルタ部の他方の主面側の外観形状が
    略円錐形状となるように、前記プレス金型で前記フィル
    タ部を押圧する工程をさらに備える、請求項9記載のガ
    スケットフィルタの製造方法。
  19. 【請求項19】 多孔性材料で構成され、ガスを濾過す
    るフィルタ部と、前記フィルタ部を囲むように配設され
    前記フィルタ部と一体のガスケット部とを備え、前記ガ
    スケット部が、前記フィルタ部を構成する前記多孔性材
    料の空孔を潰すことで通気性が無くなった稠密構造を有
    するガスケットフィルタを用いて、半導体装置の製造に
    使用されるプロセスガスを濾過する工程を備えるガス処
    理方法。
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