JP3955436B2 - 水素発生器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は高温での純粋水素の調製のための高圧チャンバーを低圧チャンバーに連結するための水素選択性膜の壁に関する。
【0002】
【発明の背景】
公知技術はガス状水素含有混合物から純粋な水素をパラジウムをつけた(bearing)金属性膜を通る圧力下及び高温における透過により調製するために使用されるパラジウムをつけた合金膜の記述で一杯である。本出願人の出願中の特許出願08/719,385はここに引用により組み入れられるが、そこでは温度サイクリング及び水素中の最小量の膨潤に関する60%パラジウム−40%銅合金膜の重要な利益が開示されている。これは又、J. Shu, B.P. Grandjean, A. van Neste 及びS. Kaliaguineによる刊行物「Catalytic Palladium based Membrane Reactors:A Review」The Canadian Journal of Chemical Engineering, 69巻(1991年10月)についても同様であり、これも又ここに引用により組み入れられるが、そこではこの特定のパラジウム−銅合金が40重量%Cuにおいてシャープな最大を示すものとして述べられている。
【0003】
従って本発明の目的に対しては、吾々はかかるパラジウム銅合金を、最適の40重量%に充分近い銅含有量(即ち36−42%Cu)を以て使用し、その狭い範囲内に最大フラックスの3分の2より多くが保持される。かかる合金はこの明細書及び特許請求の範囲において「Pd/10%Cu」と名付けられる。
【0004】
例えば上記引用の出願中の出願において示される如く、Pd合金膜は薄い平らなフォイル又は小さい直径の管(例えば2mm O.D.)の形であり得る。Pd/40%Cu膜のフォイルは0.001乃至0.0025インチ(0.0254乃至0.0635mm)の厚さで容易に入手し得るが、一方、特別な高価なテクニックが0.0025インチ(0.0635mm)以上の壁の厚さをもつかかるPd/40%Cuの管をつくるためには必要とされる。
【0005】
又上記引用の出願中の出願において開示される如く、パラジウム合金フォイルはガスケットの間にサンドイッチされることができ、且つサンドイッチのエッジ区域は金属フレーム上にプレスされ得る。その様にリークのない密閉された二つのチャンバーの装置を製造するためには、均一な重い且つ高価なエッジ圧力が少なくとも高圧チャンバー中の圧力をバランスするために要求される。かくして純粋な水素発生器においてガスケットシールを溶接の如き耐圧性のシールで置き換えることが重要である。溶接はブレージング又はソルダリングよりも、フォイルの後者の異質の金属による汚染を回避するために好ましい。
【0006】
拡散溶接は融点の50から75%の範囲の温度を使用する[“Procedure Development and Practice Considerations for Diffusion Welding” S.B. Dunkerton著,“ASM Handbook”, 6巻883頁,ASM International(1993)]。銅の異なる金属又は合金に対する拡散溶接は「絶対融点の半分より大きい温度で実行される」[Diffusion welding of Solid-State Welding, J.L. Jollison及びF.J. Zanner著,“Metals Handbook”,9版,6巻,672頁,ASM International(1988);672頁第1欄及び677頁第1表参照]。
【0007】
Pd/40%Cu合金は約1200℃(1473K)の融点を有する[“ASM Handbook”,3巻,717頁,ASM International(1993)]。ここからそれを銅に対し溶接することは約460℃(733K)を超える温度を必要とすることが期待される。しかしながら、吾々はPd/40%Cuフォイルを横切る水素フラックスはフォイルがかかる高温に対し曝露された後は劣化することを見出した。
【0008】
本発明の基礎にはこれらの課題は水素選択性Pd/40%Cu膜の壁を注意深く制御された組成の薄いパラジウム−銅合金膜の形で開放区域の銅を表面につけた金属フレームに、膜をフレームに対し拡散接合により密封接合して提供することにより克服され得るという発見がある。
【0009】
ここに使用された“拡散接合”という用語は、約350℃より下の高い接合温度を制御し且つ維持し、一方フレームと接触する膜のエッジ区域を無酸素の雰囲気において実質上均一な高圧に付することを意味する。
【0010】
【発明の目的】
本発明の一つの目的はPd/40%Cuの銅に対する新規で、ずっと低温度の拡散接合のテクニックを提供し、これはフラックスの劣化を回避し、又過剰なガスケットの圧縮に対する必要性を回避する。
【0011】
本発明の他の目的はかかるテクニックにより銅表面に対し、耐温且つ耐圧の、ここで“しっかりした(firm)”と名付けられる、金属フレーム上で密封接合されたPd/40%Cuフォイルを有する新規な且つ改良された純水素透過性膜の壁である。
【0012】
他の且つ更なる目的は以下に説明され、且つより充分に添付クレーム中に叙述されるであろう。
【0013】
【発明の概要】
概括すると、その観点の一つからは、本発明は薄いPd/40%Cuのフォイルであってそのエッジ区域が銅を表面につけた金属フレームに対し拡散接合されているものを含むアセンブリを広く含む。この明細書及び添付クレーム中に使用される“銅表面”という用語は銅コーティング並びに拡散接合のために充分な銅含量をもつ銅の多い合金コーティングを意味する。
【0014】
本発明の新規な拡散接合テクニックは、薄いPd/40%Cuのフォイルで、好ましくは0.001〜0.0025インチ(0.0254〜0.0635mm)の厚さのものを、銅を表面につけたフレーム上に、水素含有雰囲気への曝露の後、或いは好ましくはその雰囲気の中で、200°乃至350°の範囲内、より特定的には290°及び325°の間で、例えば水素雰囲気の炉中で数時間のサイクル期間、プレスするステップを含む。
【0015】
本発明の新規な壁は研磨されたしっかりした金属のフレームで炭素鋼又はステンレス鋼又は他のものでつくられ、その上に付着性の、好ましくは電鍍された銅表面があり、且つ薄いPd/40%Cu膜フォイルがそのエッジ区域を銅表面に対し上記の拡散接合テクニックにより密封シールされている。
【0016】
好ましい且つ最良につくられたデザイン及びテクニックが以下提示される。
【0017】
【図面の簡単な説明】
本発明は次いで添付の図面に関して叙述される。その単一の図はその開放区域がPd/40%Cuのフォイルにより覆われている金属フレームで、フォイルのエッジ区域がフレームに対し、本発明により拡散接合されている、金属フレームの図式的頂面図である。
【0018】
【好ましい実施態様の記述】
吾々は上述の如く、薄いPd/40%Cuのフォイル膜の入手容易性と低コスト(管に対する)を利用し、それを密封的にフレームに対し壁を形成する様に拡散接合し、この壁が純粋な水素発生器においてガスケット化とそのために要求される過剰な機械的圧力を不要とすることを提案する。
【0019】
驚くべきことに、吾々はPd/40%Cuフォイルは加圧下に、且つ水素に対する曝露の後、そして好ましくは水素の存在において、温度が200°乃至350℃の低い範囲にある時でさえ、そして好ましくは290°及び325℃の間で銅に対し拡散接合されることができることを見出した。吾々は如何なる理論に対し拘束されることは欲しないが、接合は、少なくとも一部は、銅の金属内への拡散から結果として生じ、且つ水素曝露が干渉する酸化物層を除去するものと信じられ得る。
【0020】
この拡散接合の形態はその誠に同じ温度におけるその耐久性により証明される様に膜に対し有害でないことが見出され、その時純粋な水素が上記に引用した出願中の出願において記述される如く、メタノール−蒸気改質物(reformate)から発生される。
【0021】
例示として、次に図面中の図に言及すると、Alloy 101(即ち無酸素)銅フレーム1の試料は各々1.5インチ(38.1mm)平方且つ0.03125インチ(0.79375mm)の厚さで、中心に各々0.625インチ(15.875mm)直径の穴が穿孔された。Pd/40%Cuフォイル3は各々0.001インチの厚さ且つ1インチ(25.4mm)の直径で、フレーム1の0.625インチ(15.875mm)直径の穴の上に中心を合わせておかれた。フォイル3の各々の0.1875インチ(4.7625mm)の重なったエッジの周囲2は機械的に加圧下に一対の対向するフランジ(図示せず)により保持された。圧力は4個のフランジボルト(図示せず)上のトルク負荷により制御された。
【0022】
均等にフランジボルトを緊締後、アセンブリは熱処理のため制御された雰囲気の炉中に装荷された。炉の温度は200°及び350℃の間に変化され、炉を通して純粋な水素ガスをゆっくりと流し、これは大気圧に、又はそれに代えて減圧下に約12時間保持された。
【0023】
拡散接合によりつくり出されたフォイルとフレームとの間の密封シールは完成されたアセンブリを別の装置(これ又図示せず)内で150psiまでのヘリウムガスの圧力勾配に対し数時間さらすことによりテストされた。
【0024】
190°と325℃の間の温度範囲を選択し、且つ水素を約大気圧又は減圧で流す時、5000psi又はより多くのオーダーにおける機械的周囲圧力はフレームとフォイルとの間に密閉シールを結果として生じた。
【0025】
炉内の接合期間は操業条件と共に変化する。密封シーリングのために必要とされる時間は炉中の温度、エッジ圧力、及び高められた温度における予備水素曝露及び/又は炉中の水素雰囲気を選択し且つ制御することにより容易に実験的に決定される。
【0026】
純粋な水素発生器の高及び低圧力チャンバーを分離する壁として、本発明の拡散接合されたアセンブリは高められた操作温度における圧力差に耐えねばならない。上述の100%銅のフレームをつけた拡散接合されたアセンブリは約200℃より上のガス圧力下でひどく変形した。併しながら約200℃より下のかかる拡散接合されたアセンブリの作動は貧弱な水素透過性のため望ましくない。
【0027】
ここから本発明の目的に対し、吾々は銅コーティングをうけた金属又は合金からつくられた構造的にしっかりしたフレームを用いる。これは純粋水素発生器の作動温度及び圧力下で弱められないもので、炭素鋼、ステンレス鋼、又はその他の如きもので、これは銅コーティングに付されない時はそれら自体拡散接合は向かないものである。
【0028】
吾々はここに記述した如く、Pd/40%Cuフォイルのかかるしっかりした金属フレーム上にめっきされた銅コーティングに対する拡散接合が、驚くべきことに、銅コーティングの金属フレームに対する接合とPd/40%Cuフォイルの銅コーティングに対する接合とが共に強いというアセンブリを結果として生ずることを見出した。
【0029】
併し、これらのアセンブリのリークのテストにおいて、ヘリウムのリークに時には遭遇した。再び吾々は何らかの理論に拘束されることを欲しないけれども、吾々はヘリウムのリークを金属フレームのいくらか不均一な表面の粒状の筋(その筋は実際完成されたアセンブリのフォイルのエッジ区域を通して見えていた)及び/又は余りに薄い銅板(0.0005インチ(0.0127mm)より小さい如き厚さ)に起因すると思われることを見出した。
【0030】
かくして2チャンバー水素発生器におけるアセンブリの使用に対し一貫した密封シールを得るため、吾々はより厚い銅コーティングを選択するか、及び/又は吾々はフレーム金属を研磨し、銅をめっきし且つその上にPd/40%Cuを拡散接合する前に滑らかな均一な区域を提供する。
【0031】
かかる耐リーク性のアセンブリをつくり出す一つの特定例として、商業グレードの「油硬化」の予備研削された平らな素材の炭素鋼が上述の寸法で調製された。銅めっきの前に、滑らかな仕上げへと研磨され、これは一部は手により、又他は電動研磨によりなされ、脱グリースにより洗浄され且つ選ばれた(picked)。ある試料は又良好な銅の良好な接着を保証するため、又短い電解的「ニッケルストライク」に付された。
【0032】
試料は次いで標準の、例えばシアン化物又は硫酸塩の浴から、約0.0005乃至0.0008インチ(0.0127乃至0.02032mm)の銅のコーティング厚みで電気めっきされた。
【0033】
銅でめっきされたフレームに対する0.001インチ(0.0254mm)の厚さのPd/40%Cuフォイルの拡散接合が次いで上述の如く実行された。
【0034】
発明の好ましい態様が上記に述べられたが、当業者には発明の範囲から離れることなくそれらは変更され得ることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 開放区域がPd/40%Cuのフォイルにより覆われている金属フレームで、フォイルのエッジ区域がフレームに対し、本発明により拡散接合されている、金属フレームの図式的頂面図である。

Claims (5)

  1. 圧力差動下に純粋な水素の水素選択性膜を横切る高温における透過のための高圧−低圧チャンバー装置であって、高圧チャンバーを低圧チャンバー連結する壁を有し、前記が、薄いPd/40%Cuフォイル膜であってそのエッジ区域が銅を表面につけた金属フレームに対し密閉する様に拡散接合されているものからなり、前記拡散接合が、無酸素雰囲気下、前記フレームと接触している前記膜のエッジ区域を実質上均一に加圧すると共に200℃〜350℃の制御された接合温度に維持することにより実施されたものである、高圧−低圧チャンバー装置。
  2. 前記金属フレームが研磨された炭素鋼及びステンレス鋼の中の一つである請求項記載の高圧−低圧チャンバー装置。
  3. 銅表面フレームが研磨されている請求項1又は2記載の高圧−低圧チャンバー装置。
  4. 銅を表面につけた金属フレームに対し接合されたPd/40%Cuフォイル膜を製造する方法であって、前記フレーム及び膜を水素に対し曝露し、前記膜のエッジ区域を前記銅フレームと接触させ、且つ前記エッジ区域無酸素雰囲気下、200℃〜350℃の間の制御された高温において実質上均一に加圧し、それにより前記フレームの銅表面に対し前記膜を拡散接合することを含む方法。
  5. 水素曝露及び加圧が同時に遂行される請求項記載の方法。
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