JP3384556B2 - 丸ピン型サイレントチェーン - Google Patents

丸ピン型サイレントチェーン

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JP3384556B2 JP2000075743A JP2000075743A JP3384556B2 JP 3384556 B2 JP3384556 B2 JP 3384556B2 JP 2000075743 A JP2000075743 A JP 2000075743A JP 2000075743 A JP2000075743 A JP 2000075743A JP 3384556 B2 JP3384556 B2 JP 3384556B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G13/00Chains
    • F16G13/02Driving-chains
    • F16G13/04Toothed chains

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、丸ピン型サイレン
トチェーンに関する。より詳細には、本発明は、丸ピン
の直径、ガイドプレートのピン孔の直径及びピッチ、並
びに、インナーリンクプレートのピン孔の直径及びピッ
チを最適化し、丸ピンの曲がりを防止するとともにガイ
ドリンク列のそれぞれのインナーリンクプレートに作用
する応力を平均化させた丸ピン型サイレントチェーンに
関する。
【0002】
【従来の技術】丸ピン型サイレントチェーンは、ガイド
リンク列と間接リンク列が丸ピンによって交互に連結編
成されてなる。ガイドリンク列は、一対のガイドプレー
トと、このガイドプレート間に配列された1枚以上のイ
ンナーリンクプレートよりなる。ガイドリンク列のガイ
ドプレート及びインナーリンクプレートは、それぞれ前
後一対のピン孔を有する。間接リンク列は、ガイドリン
ク列のリンクプレートより1枚多いインナーリンクプレ
ートよりなる。間接リンク列のインナーリンクプレート
は、ガイドリンク列のガイドプレートとインナーリンク
プレートとの間、及び、インナーリンクプレートの間に
櫛歯状に噛み合う。間接リンク列のインナーリンクプレ
ートも、それぞれ前後一対のピン孔を有する。ガイドリ
ンク列のガイドプレート及びインナーリンクプレートの
前側のピン孔と隣合う間接リンク列のインナーリンクプ
レートの後側のピン孔を整列させ、共通するピン孔に丸
ピンを挿通することで、ガイドリンク列と間接リンク列
は無端状に連結される。サイレントチェーンがスプロケ
ットに巻き付く際、隣合うガイドリンク列と間接リンク
列が屈曲できるように、丸ピンの直径はインナーリンク
プレートのピン孔の直径より小さく、丸ピンの外周面と
インナーリンクプレートのピン孔の内周面との間には隙
間が設けられている。一方、丸ピンはガイドプレートに
対して圧入されており、これにより、サイレントチェー
ンは分解を防止されている。
【0003】特開平11−201238号公報は、上記
サイレントチェーンに関連する技術を開示している。こ
の公報では、ガイドプレートのピッチ(Pg)をインナ
ーリンクプレートのピッチ(Pi)より大きくし、サイ
レントチェーンの組立後に予荷重(プレストレス)を掛
けてインナーリンクプレートを塑性変形させ、最終製品
として、ガイドプレートのピッチ(Pg)とインナーリ
ンクプレートのピッチ(Pi)を実質的に同一にする技
術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示すような一対のガイドプレートと前記ガイドプレート
間に配列された複数のインナーリンクプレートよりなる
ガイドリンク列と、前記ガイドリンク列のインナーリン
クプレートより1枚多いインナーリンクプレートよりな
る間接リンク列とを有し、前記ガイドプレート及びイン
ナーリンクプレートの前後一対のピン孔に丸ピンが挿通
されて、前記ガイドリンク列と間接リンク列が交互に連
結編成されたサイレントチェーンを設計すると、特開平
11−201238号公報に開示されているような従来
の設計思想では、予荷重を掛けた後のガイドリンク列に
おけるガイドプレート50のピッチ(Pg)とそれぞれ
のインナーリンクプレート52のピッチ(Pi)が同じ
であり、丸ピンの外周面とそれぞれのインナーリンクプ
レートのピン孔の内周面との間には環状の隙間Cが均等
に存在している。このような予荷重を掛けた後のサイレ
ントチェーンに実際の引張力が作用すると、図9に示す
ように、ガイドリンク列ではその引張力がガイドプレー
ト50に集中する。その結果、ガイドプレート50に反
りが生じるとともに、丸ピン54に曲がりが生じる。ガ
イドプレート50の反り及び丸ピン54の曲がりは、丸
ピン54の外周面と中央のインナーリンクプレート52
aのピン孔の内周面との隙間Cがなくなるまで増大す
る。丸ピン54の外周面と中央のインナーリンクプレー
ト52aのピン孔の内周面との隙間Cがなくなると、ガ
イドリンク列においては、サイレントチェーンに作用す
る引張力は専らガイドプレート50と中央のインナーリ
ンクプレート52aが負担する。一方、間接リンク列に
おいては、丸ピン54の曲がりによって、サイレントチ
ェーンに作用する引張力は専ら最も外側のインナーリン
クプレート56,56が負担する。
【0005】そのため、従来のサイレントチェーンで
は、次の問題を生じる。 (1)丸ピン54に曲がりが生じやすいため、繰り返し
て作用する曲げ力によって、丸ピン54が疲労しやすい
という問題がある。 (2)丸ピン54の曲がりによって、ガイドリンク列の
ピッチと間接リンク列のピッチが変化し、サイレントチ
ェーンがスプロケットと噛み合うときの騒音が増大する
という問題がある。 (3)サイレントチェーンに作用する引張力は、ガイド
リンク列において、ガイドプレート50に集中し、この
ガイドプレート50が破損しやすいという問題がある。 (4)丸ピン54の曲がりによって、ガイドリンク列の
中央のインナーリンクプレート52aにサイレントチェ
ーンの引張力が集中し、特定のインナーリンクプレート
の負担が大となって、サイレントチェーン全体の寿命が
低下する問題がある。 (5)丸ピン54の曲がりによって、間接リンク列の外
側のインナーリンクプレート56にサイレントチェーン
の引張力が集中し、特定のインナーリンクプレートの負
担が大となって、サイレントチェーン全体の寿命が低下
する問題がある。 (6)丸ピン54の曲がりによって、1つのインナーリ
ンクプレートに応力が偏って作用し、集中する応力が材
料の弾性変形域を越えた場合には、インナーリンクプレ
ートの塑性変形や、インナーリンクプレートが破損する
という問題がある。
【0006】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、サイレントチェーンに実際に作用する引張力が、ガ
イドリンク列におけるガイドプレート及びそれぞれのイ
ンナーリンクプレートに同時且つ均等に作用するように
丸ピン型サイレントチェーンを設計することにある。す
なわち、本発明の目的は、上述した課題を解決するもの
であって、ガイドリンク列における丸ピンの曲がりとガ
イドプレート及び特定のインナーリンクプレートへの応
力集中を無くしてチェーン寿命を向上させることができ
るとともに、スプロケットに噛み合う際のピッチむらが
なく、噛み合い精度が向上して騒音の発生も低減できる
丸ピン型サイレントチェーンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対のガイド
プレートと前記ガイドプレート間に配列された複数のイ
ンナーリンクプレートよりなるガイドリンク列と、前記
ガイドリンク列のインナーリンクプレートより1枚多い
インナーリンクプレートよりなる間接リンク列とを有
し、前記ガイドプレート及びインナーリンクプレートの
前後一対のピン孔に丸ピンが挿通されて、前記ガイドリ
ンク列と間接リンク列が交互に連結編成された丸ピン型
サイレントチェーンにおいて、前記ガイドプレートの一
対のピン孔の直径(Dg)が前記丸ピンの直径(Dp)
より小さく、前記ガイドリンク列に配列されたそれぞれ
のインナーリンクプレートの一対のピン孔の直径(D
m)が前記丸ピンの直径(Dp)より大きく、前記ガイ
ドプレートのピン孔中心間のピッチ(Pg)が前記ガイ
ドリンク列に配列されたそれぞれのインナーリンクプレ
ートのピン孔中心間のピッチ(Pm)より大きく、前記
丸ピンが前記ガイドプレートに圧入されて組み立てられ
たとき、および予荷重を作用させたとき、前記ガイドリ
ンク列に挿通された丸ピンの外側間隔(L1)と前記ガ
イドリンク列に配列されたそれぞれのインナーリンクプ
レートのピン孔の外側間隔(L2)と前記ガイドプレー
トのピン孔の外側間隔とを、前記丸ピンが真っすぐな状
態を維持するように実質的に一致させたことによって、
前記課題を解決した。
【0008】すなわち、本発明の特徴は、丸ピンがガイ
ドプレートに圧入されて組み立てられる前の状態を基準
にすると、 Pg+Dg≒Pm+Dm (1) であり、これらの関係を満たすように、サイレントチェ
ーンが構成されている。上記(1)式において、実質的
に等しいを意味する「≒」でなく、左辺と右辺が物理的
に等しいことを意味する「=」の関係とすることが好ま
しい。また、丸ピンがガイドプレートに圧入されて組み
立てられた後の状態を基準にすると、次式で表される。
ここで、丸ピンをガイドプレートに圧入することで、弾
性変形によって、丸ピンの直径(Dp)及びガイドプレ
ートのピン孔の直径(Dg)が変化する。最適化を図る
には、丸ピン及びガイドプレートの弾性変形量も考慮す
る必要があり、丸ピンがガイドプレートに圧入されて組
み立てられた後の丸ピンの外側間隔(L1)、丸ピンの
直径(Dp’)及びガイドプレートのピッチ(PG’)
により式を立てると、 L1≒L2 (2) Pg’+Dp’≒Pm+Dm (3) (Pm+Dm−Dp’)−Pg’≒0 (4) の関係を満たすことが好ましい。なお、上記(2)乃至
(4)式においても、実質的に等しいを意味する「≒」
でなく、左辺と右辺が物理的に等しいことを意味する
「=」の関係とすることが好ましい。しかし、上記
(1)乃至(4)式において、左辺と右辺を物理的に一
致させることは困難であるため、本発明のサイレントチ
ェーンでは、例えば、(4)式の左辺が、サイレントチ
ェーンのピッチの0.005倍未満(0.5%未満)と
なるように構成することが好ましい。
【0009】なお、本発明において、ガイドプレートの
ピッチ(Pg)及びガイドリンク列に配列されたそれぞ
れのインナーリンクプレートのピッチ(Pm)とは、予
荷重(プレストレス)を掛ける前の状態におけるピン孔
中心の間隔であり、丸ピン圧入後のガイドプレートのピ
ッチ(PG’)とは、丸ピンの圧入・組み立てにより、
丸ピン及びガイドプレートが弾性変形した後のピッチを
いうものとする。
【0010】以上のようにサイレントチェーンを構成す
ることで、ガイドリンク列においては、ガイドプレート
に圧入されて組み立てられた丸ピンは真っすぐな状態
で、その丸ピンの外周面がそれぞれのインナーリンクプ
レートのピン孔の内周面に当接する。そして、このよう
なサイレントチェーンに実際に引張力が作用すると、そ
の引張力は、ガイドプレートに作用するとともに、それ
ぞれのインナーリンクプレートにも同時且つ均等に作用
する。これにより、ガイドリンク列において、丸ピンに
曲がりが生じることもなく、ガイドプレート及び特定の
インナーリンクプレートへの引張力の集中も回避され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明によ
る丸ピン型サイレントチェーンの実施例を説明する。図
1は、丸ピン型サイレントチェーンの平面図、図2は丸
ピン型サイレントチェーンの正面図である。本発明のサ
イレントチェーン10は、ガイドリンク列12と間接リ
ンク列14とが丸ピン16によって無端状に連結編成さ
れてなる。ガイドリンク列12は、一対のガイドプレー
ト18と、このガイドプレート18,18間に配列され
た複数のインナーリンクプレート20、20、20より
なる。間接リンク列14は、ガイドリンク列12のイン
ナーリンクプレート20より一枚多いインナーリンクプ
レート22、22、22、22よりなる。本実施例で
は、ガイドリンク列12のガイドプレート18及びイン
ナーリンクプレート20の厚みは互いに同じであり、間
接リンク列14のインナーリンクプレート22は、ガイ
ドリンク列12のガイドプレート18及びインナーリン
クプレート20の厚みより厚い。しかし、ガイドリンク
列12のインナーリンクプレート20の厚みと間接リン
ク列14のインナーリンクプレート22の厚みは同じで
もよい。また、ガイドプレート18の厚みが、他のイン
ナーリンクプレートより薄くてもよい。ガイドプレート
18は、前後一対のピン孔24を有する。ガイドリンク
列12のインナーリンクプレート20も、前後一対のピ
ン孔26を有する。間接リンク列14のインナーリンク
プレート22も、前後一対のピン孔28を有する。そし
て、ガイドリンク列12のガイドプレート18及びイン
ナーリンクプレート20のそれぞれのピン孔24,26
と、前後に隣合う間接リンク列14のインナーリンクプ
レート22のピン孔28を整列させ、共通するピン孔に
丸ピン16が挿通されて、ガイドリンク列12と間接リ
ンク列14が連結される。それぞれのインナーリンクプ
レート20,22は、スプロケットに噛み合う前後一対
の歯30を有する。本実施例では、インナーリンクプレ
ート20とインナーリンクプレート22の正面形状は同
じであるが、歯形状等が異なっていてもよい。
【0012】図3は、図1及び図2のサイレントチェー
ンのガイドプレート単体の正面図、図4は、図1及び図
2のサイレントチェーンのインナーリンクプレート単体
の正面図、図5は、サイレントチェーンが組み立てら
れ、丸ピン16がガイドプレート18のピン孔24に圧
入された状態の断面図、図6は、図5の6−6線断面図
である。なお、図5及び図6においては、本発明の理解
を容易にするため、隙間は誇張して示されている。図3
に示されるように、ガイドプレート18は、組み立てら
れる前のプレート単体の状態において、ピッチPgを有
する。ピン孔24の直径Dgは、丸ピン16の直径Dp
より僅かに小さい。丸ピン16がガイドプレート18の
ピン孔24に圧入されて組み立てられると、丸ピン16
の直径Dp’は、弾性変形によって初期の直径Dpより
小さくなり、ガイドプレート18のピン孔24の直径D
g’も、弾性変形によって初期の直径Dgより大きくな
る。また、ピッチPgは、若干異なってピッチPg’と
なる。図4に示されるように、ガイドリンク列12に配
列されたそれぞれのインナーリンクプレート20、2
0、20は、それぞれが組み立てられる前のプレート単
体の状態において、ピッチPmを有する。ガイドリンク
列12に配列されたインナーリンクプレート20、2
0、20におけるそれぞれのピン孔26の直径Dmは、
丸ピン16の直径Dpより僅かに大きい。
【0013】本発明では、丸ピン16、ガイドプレート
18及びインナーリンクプレート20の3部品の関係が
以下の式を満たすように構成されている。 Pg+Dg≒Pm+Dm (1) L1≒L2 (2) Pg’+Dp’≒Pm+Dm (3) (Pm+Dm−Dp’)−Pg’≒0 (4) ここで、L1は、ガイドプレート18のピン孔24への
圧入後の丸ピン16の外側間隔、L2はインナーリンク
プレート20のピン孔24の外側間隔である。上記式を
満たすように、サイレントチェーン10が組み立てられ
ると、図5及び図6に示されるように、ガイドリンク列
12における丸ピン16は真っすぐな状態で、その外周
面がそれぞれのインナーリンクプレート20、20、2
0のピン孔26の内周面に当接する。この状態を微視的
に観察すると、ガイドリンク列12における丸ピン16
の外周面とそれぞれのインナーリンクプレート20、2
0、20のピン孔26の内周面との関係は、僅かな隙間
をもった状態にあるか、何の応力も作用せずに接触して
いる状態と、僅かな応力をもって接触している状態に分
けられる。上記式において「≒」で表しているのは、製
造公差や組立誤差等によって、左辺と右辺を物理的に
「=」の関係にすることは困難であるためである。実質
的には、ガイドリンク列12における丸ピン16の外周
面とそれぞれのインナーリンクプレート20、20、2
0のピン孔26の内周面とは、僅かな隙間をもって対向
しているか、僅かな応力をもって接触している。
【0014】そこで、上記(4)式を基準にして、ガイ
ドリンク列12における丸ピン16の外周面とそれぞれ
のインナーリンクプレート20、20、20のピン孔2
6の内周面とが、どのような状態であれば、サイレント
チェーン10が十分に機能するかという問題に対して、
実験が行なわれた。平行に離間する2軸に取付けられた
スプロケットに本発明のサイレントチェーン10を捲回
し、サイレントチェーン10に負荷をかけた状態で高速
運転した。図7は、その実験結果を示している。横軸
は、次式で表されるように、上記4式の左辺をサイレン
トチェーン10のピッチ、すなわち、ガイドプレート1
8のピッチPg’で割った値である。 ((Pm+Dm−Dp’)−Pg’)/Pg’ (5) 図7の縦軸は、疲れ強さを表し、100のときの疲れ強
さは3KNである。上記(5)式の値が、正数になる場
合とは、ガイドリンク列12における丸ピン16の外周
面とそれぞれのインナーリンクプレート20、20、2
0のピン孔26の内周面とが隙間をもって対向している
状態である。この隙間が大きくなるに従い、疲れ強さが
低下する傾向にある。そして、上記(5)式の値が+
0.005以上になると、急激に疲れ強さが低下し、イ
ンナーリンクプレートの破壊が低荷重で発生する。一
方、上記(5)式の値が、負数になる場合とは、ガイド
リンク列12における丸ピン16の外周面とそれぞれの
インナーリンクプレート20、20、20のピン孔26
の内周面とが隙間なく一定の弾性変形をもって接触して
いる状態である。サイレントチェーン10を組み立てる
際、まず、左右一対のガイドプレート18のうち、一方
のガイドプレート18に丸ピン16を圧入した後、その
丸ピン16にインナーリンクプレート20、20、20
が取り付けられて組み立てられるので、ガイドリンク列
12に挿通された丸ピン16の外側間隔より、ガイドリ
ンク列12に配列されたそれぞれのインナーリンクプレ
ート20、20、20のピン孔26の外側間隔が狭くな
って、ガイドリンク列12における丸ピン16及びそれ
ぞれのインナーリンクプレート20、20、20にかじ
りが生じる。そのため、上記(5)式の値が−0.00
5以下になると、極めて製造が困難であるとともに、各
部品のかじりの問題も生じる。従って、上記(5)式の
値は、 −0.005<((Pm+Dm−Dp’)−Pg’)/Pg’<0.005 (6) または、 −0.005Pg’<(Pm+Dm−Dp’)−Pg’<0.005Pg’ (7) とすることが好ましい。以上のように、ガイドリンク列
12における丸ピン16の外周面とそれぞれのインナー
リンクプレート20、20、20のピン孔24の内周面
とが隙間なく且つ応力が作用せず接触させることが困難
な場合には、上記(6)式または(7)式を満たすよう
に製造することで、所期の目的を達成することができ
る。
【0015】次に、このようにして組み立てられたサイ
レントチェーン10に予荷重(プリストレス)を作用さ
せた場合には、バリや歪みが除去されるので、上記式を
若干補正する必要がある。予荷重を作用させた場合、ガ
イドプレート18のピッチPg’は若干大きくなる。ま
た、ガイドリンク列12に配列されたそれぞれのインナ
ーリンクプレート20、20、20のピッチPmも若干
大きくなる。上記(6)式及び(7)式において、下限
値は予荷重を作用させる前の製造上の問題であるため、
考慮することは不要であり、上限値について一定の補正
を行なう必要がある。しかしながら、上記(6)式及び
(7)式では、Pg’及びPmがそれぞれ一次関数で関
与するだけであるから、結果として、上記式の範囲内
で、サイレントチェーン10を設計すれば十分と考えら
れる。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明では、丸ピンがガイ
ドプレートに圧入されて組み立てられたとき、および、
予荷重を作用させたとき、ガイドリンク列に挿通された
丸ピンの外側間隔と前記ガイドリンク列に配列されたそ
れぞれのインナーリンクプレートのピン孔の外側間隔と
前記ガイドプレートのピン孔の外側間隔とを、前記丸ピ
ンが真っすぐな状態を維持するように実質的に一致させ
ている。従って、ガイドリンク列に挿通された丸ピンに
曲がりが生じないので、曲げ力による丸ピンの疲労が緩
和される。ガイドリンク列に挿通された丸ピンは、それ
自身が真っすぐな状態を維持するので、ガイドリンク列
及び間接リンク列ともピッチが一定であり、サイレント
チェーンがスプロケットに噛み合う際のピッチむらがな
く、噛み合い精度が向上して騒音の発生も低減できる効
果がある。また、ガイドリンク列に挿通された丸ピンに
曲がりが生じないので、サイレントチェーンに負荷され
る引張力は、ガイドリンク列におけるガイドプレートと
それぞれのインナーリンクプレートに同時且つ均等に作
用し、ガイドプレート及び特定のインナーリンクプレー
トに応力が集中することがなく、チェーン寿命を向上さ
せる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による丸ピン型サイレントチェーンの
平面図。
【図2】 図1の丸ピン型サイレントチェーンの正面
図。
【図3】 図1及び図2のサイレントチェーンのガイド
プレート単体の正面図。
【図4】 図1及び図2のサイレントチェーンのインナ
ーリンクプレート単体の正面図。
【図5】 サイレントチェーンが組み立てられ、丸ピン
がガイドプレートのピン孔に圧入された状態の断面図。
【図6】 図5の6−6線断面図。
【図7】 本発明によるサイレントチェーンの疲れ強さ
実験の結果を示すグラフ。
【図8】 従来のサイレントチェーンの断面図。
【図9】 図8のサイレントチェーンに引張力が作用し
たときの状態を示す断面図。
【符号の説明】
10 ・・・ サイレントチェーン 12 ・・・ ガイドリンク列 14 ・・・ 間接リンク列 16 ・・・ 丸ピン 18 ・・・ ガイドプレート 20,22 ・・・ インナーリンクプレート 24,26,28 ・・・ ピン孔 30 ・・・ 歯
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 13/00 - 17/00 F16H 7/00 - 7/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のガイドプレートと前記ガイドプレ
    ート間に配列された複数のインナーリンクプレートより
    なるガイドリンク列と、前記ガイドリンク列のインナー
    リンクプレートより1枚多いインナーリンクプレートよ
    りなる間接リンク列とを有し、前記ガイドプレート及び
    インナーリンクプレートの前後一対のピン孔に丸ピンが
    挿通されて、前記ガイドリンク列と間接リンク列が交互
    に連結編成された丸ピン型サイレントチェーンにおい
    て、 前記ガイドプレートの一対のピン孔の直径が前記丸ピン
    の直径より小さく、前記ガイドリンク列に配列されたそ
    れぞれのインナーリンクプレートの一対のピン孔の直径
    が前記丸ピンの直径より大きく、 前記ガイドプレートのピン孔中心間のピッチが前記ガイ
    ドリンク列に配列されたそれぞれのインナーリンクプレ
    ートのピン孔中心間のピッチより大きく、 前記丸ピンが前記ガイドプレートに圧入されて組み立て
    られたとき、および、予荷重を作用させたとき、前記ガ
    イドリンク列に挿通された丸ピンの外側間隔と前記ガイ
    ドリンク列に配列されたそれぞれのインナーリンクプレ
    ートのピン孔の外側間隔と前記ガイドプレートのピン孔
    の外側間隔とを、前記丸ピンが真っすぐな状態を維持す
    るように実質的に一致させたことを特徴とする丸ピン型
    サイレントチェーン。
  2. 【請求項2】 前記ガイドリンク列に挿通された丸ピン
    の外側間隔と前記ガイドリンク列に配列されたインナー
    リンクプレートのピン孔の外側間隔の差が、サイレント
    チェーンのピッチの0.5%未満であることを特徴とす
    る請求項1記載の丸ピン型サイレントチェーン。
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