JP3271892B2 - サイレントチェーン - Google Patents

サイレントチェーン

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JP3271892B2
JP3271892B2 JP09010196A JP9010196A JP3271892B2 JP 3271892 B2 JP3271892 B2 JP 3271892B2 JP 09010196 A JP09010196 A JP 09010196A JP 9010196 A JP9010196 A JP 9010196A JP 3271892 B2 JP3271892 B2 JP 3271892B2
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文則 川島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数のリンクプレ
ートをピン孔内に挿入した連結ピンにより連結するとと
もに、リンクプレートの最外側にガイドリンクプレート
を配置して構成されるサイレントチェーンに関し、詳細
には、サイレントチェーンの荷重分担の改良および耐摩
耗性の向上に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】自動車や自動二輪車等の動
力伝達用チェーンとして用いられるサイレントチェーン
は、一般に、一対の歯部およびピン孔をそれぞれ有する
多数のリンクプレートを各ピン孔内に挿入した連結ピン
により連結するとともに、リンクプレートの最外側にガ
イドリンクプレートを配置した構造を有している。
【0003】このようなサイレントチェーンに張力が作
用したとき、この張力にともなう引張荷重は各リンクプ
レートにより分担される。ところが、従来のサイレント
チェーンでは、連結ピンの両端に配置されたガイドリン
クプレートの剛性がリンクプレートの剛性より高く、こ
のため、連結ピンおよびリンクプレートの変形が誘発さ
れ、連結ピンの長手方向中央側のリンクプレートと外側
のリンクプレートとで分担する荷重が異なる。その結
果、チェーンの疲労強度の低下や、連結ピンおよびリン
クプレートのピン孔の局部的摩耗が発生し得る。
【0004】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
なされたもので、各リンクプレートによる荷重分担を均
等にでき、さらには摩耗を低減できるサイレントチェー
ンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るサ
イレントチェーンは、一対の歯部およびピン孔がそれぞ
れ形成された多数のリンクプレートを厚み方向およびピ
ッチ方向に配設して前記ピン孔内に挿入した連結ピンに
より連結するとともに、前記リンクプレートの最外側に
ガイドリンクプレートを配置して構成されるサイレント
チェーンにおいて、隣り合う前記各ガイドリンクプレー
ト間の同じピッチ方向位置に配置されたリンクプレート
からなるリンク列について、最外側のリンクプレートを
構成する材料の縦弾性係数が、同じリンク列の他のリン
クプレートを構成する材料の縦弾性係数より大きく、
外側のリンクプレートの剛性が同じリンク列の他のリン
クプレートの剛性より高くなっていることを特徴として
いる。
【0006】請求項2の発明に係るサイレントチェーン
は、一対の歯部およびピン孔がそれぞれ形成された多数
のリンクプレートを厚み方向およびピッチ方向に配設し
て前記ピン孔内に挿入した連結ピンにより連結するとと
もに、前記リンクプレートの最外側にガイドリンクプレ
ートを配置して構成されるサイレントチェーンにおい
て、隣り合う前記各ガイドリンクプレート間の同じピッ
チ方向位置に配置されたリンクプレートからなるリンク
列について、最外側のリンクプレートの剛性が同じリン
ク列の他のリンクプレートの剛性より高く、前記ガイド
リンクプレートと同じピッチ方向位置に配置されたリン
クプレートおよび該ガイドリンクプレートからなるガイ
ド列について、ピン長手方向中央のリンクプレートの剛
性が同じガイド列の他のリンクプレートの剛性より高い
ことを特徴としている。
【0007】請求項3の発明に係るサイレントチェーン
は、請求項において、前記ガイド列におけるピン長手
方向中央のリンクプレートの板厚が、同じガイド列の他
のリンクプレートの板厚より厚いことを特徴としてい
る。
【0008】請求項4の発明に係るサイレントチェーン
は、請求項において、前記ガイド列におけるピン長手
方向中央のリンクプレートの背面部の形状が凸状の湾曲
面であることを特徴としている。
【0009】請求項5の発明に係るサイレントチェーン
は、請求項において、前記ガイド列におけるピン長手
方向中央のリンクプレートを構成する材料の縦弾性係数
が、 同じガイド列の他のリンクプレートを構成する材料
の縦弾性係数より大きいことを特徴としている。
【0010】請求項6の発明に係るサイレントチェーン
は、一対の歯部およびピン孔がそれぞれ形成された多数
のリンクプレートを厚み方向およびピッチ方向に配設し
て前記ピン孔内に挿入した連結ピンにより連結するとと
もに、前記リンクプレートの最外側にガイドリンクプレ
ートを配置して構成されるサイレントチェーンにおい
て、前記ガイドリンクプレートと同じピッチ方向位置に
配置されたリンクプレートおよび該ガイドリンクプレー
トからなるガイド列について、リンクプレートの孔ピッ
チをピン長手方向中央にいくほど大きくするとともに、
隣り合う前記各ガイドリンクプレート間の同じピッチ方
向位置に配置されたリンクプレートからなるリンク列に
ついて、リンクプレートの孔ピッチをピン長手方向端部
側にいくほど大きくしたことを特徴としている。
【0011】請求項1の発明では、リンク列の最外側の
リンクプレート、すなわちガイドリンクプレートのすぐ
内側のリンクプレートの剛性が、構成材料の縦弾性係数
の変更により、同じリンク列の他のリンクプレートの剛
性より高くなっている。これにより、リンク列の最外側
のリンクプレートの変形を抑制して、ピンの変形を防止
でき、各リンクプレートによる荷重分担を均等にでき
る。その結果、リンクプレートの疲労強度の低下や、連
結ピンおよびリンクプレートのピン孔の局部的摩耗を防
止できる。
【0012】請求項2ないし5の発明では、ガイド列の
ピン長手方向中央のリンクプレートの剛性が、それぞれ
板厚,背面部の形状および構成材料の縦弾性係数の変更
により、同じガイド列の他のリンクプレートの剛性より
も高くなっている。これにより、ピンの変形を防止し
て、各リンクプレートによる荷重分担を均等にできる。
その結果、リンクプレートの疲労強度の低下や、連結ピ
ンおよびリンクプレートのピン孔の局部的摩耗を防止で
きる。
【0013】請求項の発明では、ガイド列のリンクプ
レートの孔ピッチがピン長手方向中央にいくほど大きく
なっており、リンク列のリンクプレートの孔ピッチがピ
ン長手方向端部側にいくほど大きくなっている。
【0014】すなわち、チェーンに張力が作用したとき
の連結ピンおよびリンクプレートの変形の方向に応じた
孔ピッチ分布になっているので、張力の作用後は、ピン
長手方向において各リンクプレートの孔ピッチを揃える
ことが可能になる。これにより、連結ピンおよびリンク
プレートのピン孔の局部的摩耗を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を添付図
面に基づいて説明する。第1実施態様 図1および図2は本発明の第1実施態様によるサイレン
トチェーンを説明するための図であり、図1はサイレン
トチェーンの一部切欠き正面部分図、図2はその平面図
である。
【0016】これらの図に示すように、サイレントチェ
ーン1は、一対の歯部21およびピン孔22がそれぞれ
形成された多数のリンクプレート2(2a,2b)を厚
み方向およびピッチ方向(図左右方向)に積層するとと
もに、これらのリンクプレート2の各ピン孔22内にた
とえば断面円形状のピン3を挿入して、各リンクプレー
ト2を枢動可能に連結し、さらに該リンクプレート2の
最外側にガイドプレート4を配置した構造を有してい
る。
【0017】またサイレントチェーン1は、ガイドリン
クプレート4と同じピッチ方向位置に配置されたリンク
プレート2aおよびガイドリンクプレート4からなるガ
イド列5と、隣り合う各ガイドリンクプレート4,4間
の同じピッチ方向位置に配置されたリンクプレート2b
からなるリンク列6とから構成されている。
【0018】リンク列6において斜線を施した最外側の
リンクプレート2bの板厚をtとし、同じリンク列6の
他のリンクプレート2bおよびガイド列5のリンクプレ
ート2aの各板厚をt′とするとき t =1.1(mm) t′=1.0(mm) となっている。また、ガイドリンクプレート4の板厚t
G は tG =0.7(mm) となっている。
【0019】このような構成になるサイレントチェーン
1では、リンク列6の最外側のリンクプレート2bの板
厚tを同じリンク列6の他のリンクプレート2bの板厚
t′より大きくしたことにより、最外側のリンクプレー
ト2bの剛性が他のリンクプレート2bの剛性より高く
なっている。
【0020】したがって、サイレントチェーン1に張力
が作用した際、リンク列6の最外側のリンクプレート2
bの変形(ピッチ方向伸び)が抑制されることになり、
これにより、ピン3の変形が抑制され、各リンクプレー
ト2a,2bによる荷重分担が均等になる。その結果、
リンクプレート2の疲労強度の低下や、ピン3およびリ
ンクプレート2のピン孔22の局部的摩耗が防止される
ことになる。
【0021】しかも、この場合には、ガイドリンクプレ
ート4の板厚tG が最外側のリンクプレート2bの板厚
tより薄く、ガイドリンクプレート4の剛性が低下して
いるので、ピン3の変形が一層抑制される。なお、この
ガイドリンクプレート4の板厚tG に関しては、リンク
プレート2aの板厚t′と同じであっても、実用上差し
支えない。また、上記各数値は本実施態様の一例にすぎ
ないものであり、t>t′の関係を満たす限り、種々の
数値の組み合わせが可能である。
【0022】また前記実施態様では、断面円形状のピン
3を連結ピンとして用いた例を示したが、本発明はロッ
カージョイント型のサイレントチェーンにも同様に適用
できる(以下の各実施態様においても同様)。
【0023】第2実施態様 前記第1の実施態様においては、リンク列6の最外側の
リンクプレート2bの板厚を変えることにより剛性を変
えた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されな
い。
【0024】たとえば図3(a)に示すように、リンク
列6の最外側のリンクプレート2bの背面部23を凸状
の湾曲面で構成するようにしてもよい。このとき、リン
ク列6の他のリンクプレート2bおよびガイド列5のリ
ンクプレート2aの各背面部24は、同図(b)に示す
ように、直線状の平坦面から構成されている。
【0025】このような構成により、リンク列6の最外
側のリンクプレート2bの剛性を同じリンク列6の他の
リンクプレート2bの剛性より高くすることができる。
これにより、前記第1の実施態様と同様に、最外側のリ
ンクプレート2bの変形を抑制して、ピン3の変形を抑
制でき、各リンクプレート2a,2bによる荷重分担を
均等にできる。
【0026】第3実施態様 前記第1および第2の実施態様では、板厚または背面部
の形状という外形形状を変えることにより、リンク列6
の最外側のリンクプレート2bの剛性を変えた例を示し
たが、本発明の適用は、このようなものに限定されず、
最外側のリンクプレート2bを縦弾性係数の大きな材料
から構成したものにも同様に本発明を適用できる。
【0027】たとえばジュラルミンの縦弾性係数は鋼の
約1/3なので、最外側のリンクプレート2bを鋼で構
成し、他のリンクプレート2a,2bをジュラルミンか
ら構成するようにしてもよい。また、この場合に、第1
または第2実施態様を組み合わせるようにしてもよい。
すなわち、最外側のリンクプレート2bを鋼で構成する
とともに、その板厚tを他のリンクプレート2bの板厚
t′より大きくするようにしてもよい。
【0028】第4実施態様 図4は、本発明の第4実施態様によるサイレントチェー
ンを示している。同図において、前記第1実施態様と同
一符号は同一または相当部分を示している。ここでは、
前記第1実施態様におけるガイドリンクプレート4のか
わりに低剛性のガイドリンクプレート7が用いられてい
る。
【0029】このガイドリンクプレート7の背面側には
切欠き71が形成されており、これにより、ガイドリン
クプレート7の張力に対する剛性がガイドリンクプレー
ト4よりも低下している。この結果、ピン3の変形を一
層抑制でき、各リンクプレート2a,2bによる荷重分
担を一層均等にできる。
【0030】第5実施態様 図5は、本発明の第5実施態様によるサイレントチェー
ンを示している。同図において、前記第1実施態様と同
一符号は同一または相当部分を示している。ここでは、
前記第1実施態様よりも幅広のチェーンを例にとってい
る。
【0031】リンク列6において斜線を施した最外側の
リンクプレート2bおよびガイド列5において斜線を施
したピン長手方向中央のリンクプレート2aの各板厚を
tとし、他のリンクプレート2a,2bの板厚をt′と
するとき t =1.2(mm) t′=1.0(mm) となっている。また、ガイドリンクプレート4の板厚t
G は tG =0.7(mm) となっている。
【0032】この場合には、リンク列6の最外側のリン
クプレート2bの剛性と、ガイド列5の中央のリンクプ
レート2aの剛性を高くしたことにより、サイレントチ
ェーン1に張力が作用した際、リンク列最外側のリンク
プレート2bの変形が抑制されるとともに、ガイド列中
央のリンクプレート2aの変形が抑制されるので、ピン
3の変形が一層抑制され、各リンクプレート2a,2b
による荷重分担が均等になる。これにより、リンクプレ
ート2の疲労強度の低下や、ピン3およびリンクプレー
ト2のピン孔22の局部的摩耗が防止される。
【0033】しかも、この場合には、ガイドリンクプレ
ート4の板厚tG が最外側のリンクプレート2bの板厚
tより薄く、ガイドリンクプレート4の剛性が相対的に
低下しているので、丸ピン3の変形が一層抑制される。
なお、このガイドリンクプレート4の板厚tG に関して
は、リンクプレート2aの板厚t′と同じであっても、
実用上差し支えない。また、上記各数値は本実施態様の
一例にすぎないものであり、t>t′の関係を満たす限
り、種々の数値の組み合わせが可能である。
【0034】第6実施態様 前記第5実施態様においては、リンク列6の最外側のリ
ンクプレート2bとガイド列5の中央のリンクプレート
2aの各板厚を変えることにより剛性を変えた例を示し
たが、本発明の適用はこれに限定されない。
【0035】すなわち、前記第2実施態様と同様に、リ
ンク列最外側のリンクプレート2bおよびガイド列中央
のリンクプレート2aの各背面部の形状をそれぞれ凸状
湾曲面で構成することにより、各リンクプレート2a,
2bの剛性を高くするようにしてもよい。
【0036】また、前記第3実施態様と同様に、縦弾性
係数の大きな材料を用いることにより、リンク列6の最
外側のリンクプレート2bおよびガイド列5の中央のリ
ンクプレート2aの剛性を高く設定するようにしてもよ
い。
【0037】第7実施態様 図6は、本発明の第6実施態様によるサイレントチェー
ンを示している。この第6実施態様は前記第5実施態様
と概ね同様であるが、ガイド列5において逆方向の斜線
を施した中央のリンクプレート2aの板厚t″が t″=1.1(mm) となっている点が前記第5実施態様と異なっている。
【0038】すなわち、この場合には t>t″>t′ の関係が成立している。
【0039】この場合においても、前記第5実施態様と
同様に、サイレントチェーン1に張力が作用した際に、
リンク列最外側のリンクプレート2bの変形を抑制でき
るとともに、ガイド列中央のリンクプレート2aの変形
を抑制できるので、ピン3の変形を一層抑制でき、各リ
ンクプレート2a,2bによる荷重分担を均等にでき
る。
【0040】第8実施態様 図7は前記第7実施態様と実質的に同一の実施態様を示
しているが、本実施態様では、各リンクプレート2aお
よび2bが板厚の薄い2枚のリンクプレートからそれぞ
れ構成されている点が、前記第7実施態様と異なってい
る。
【0041】同図において、斜線を施した薄いリンクプ
レートの板厚をt1 ,斜線を施していない薄いリンクプ
レートの板厚をt2 とするとき t1 =0.6(mm) t2 =0.5(mm) となっている。
【0042】したがって、この場合には、リンク列6の
最外側のリンクプレート2bの板厚がtは t=t1 +t1 =0.6+0.6=1.2(mm) であり、ガイド列5の中央のリンクプレート2aの板厚
t″は t″=t1 +t2 =0.6+0.5=1.1(mm) である。また他のリンクプレート2a,2bの板厚t′
は t′=t2 +t2 =0.5+0.5=1.0(mm) である。
【0043】この場合には、薄い二枚のリンクプレート
からそれぞれ構成される各リンクプレート2a,2bが
実質的に一枚のリンクプレートとして作用するので、前
記第7実施態様と同様の作用効果を奏する。
【0044】しかも、この場合には、板厚が0.5およ
び0.6という二種類のリンクプレートを用意すれば足
りるので、前記第7実施態様のように、板厚が1.0,
1.1および1.2という三種類のリンクプレートを用
意する必要がなくなり、部品管理が容易になる。また、
このような二種類のリンクプレートを用いることによ
り、前記第1および第5実施態様をも構成することが可
能である。
【0045】第9実施態様 図8は、本発明の第9実施態様によるサイレントチェー
ンを示している。同図において、前記第5実施態様と同
一符号は同一または相当部分を示している。
【0046】本実施態様によるサイレントチェーン1
は、ガイド列5が偶数枚(ここでは4枚)のリンクプレ
ート2aから構成されている点が、前記第5実施態様と
異なっている。すなわち、前記第5実施態様では、ガイ
ド列5が奇数枚(3枚)のリンクプレート2aから構成
されているため、ピン長手方向中央のリンクプレート2
aは一枚に決まるが、本実施態様のように、ガイド列5
が偶数枚のリンクプレート2aから構成されている場合
には、中央の二枚のリンクプレート2aをピン長手方向
中央のリンクプレートとする。
【0047】したがって、この実施態様では、リンク列
6において斜線を施した最外側のリンクプレート2bお
よびガイド列5においてピン長手方向中央のリンクプレ
ート2aの各板厚tは t =1.2(mm) であり、斜線を施していない他のリンクプレート2a,
2bの板厚t′は t′=1.0(mm) となっている。
【0048】第10実施態様 図9は本発明の第10実施態様によるサイレントチェー
ンの一部を示している。本実施態様は、前記第1ないし
第9実施態様と異なり、チェーンの荷重分担の均等化は
別にして、耐摩耗性を向上させることのみを意図してい
る。
【0049】同図において、ガイド列5を構成する各リ
ンクプレート2aの孔ピッチをそれそれp1 ,p2 ,p
3 とするとき p2 >p1 =p3 となっている。すなわち、リンクプレート2aの孔ピッ
チはピン長手方向中央にいくほど大きくなっている。
【0050】また、リンク列6を構成する各リンクプレ
ート2bの孔ピッチをそれぞれp4,p5 ,p6 ,p7
とするとき p4 =p7 >p5 =p6 となっている。すなわち、リンクプレート2bの孔ピッ
チはピン長手方向端部側にいくほど大きくなっている。
【0051】このサイレントチェーン1に張力Fが作用
したとき、ピン3は、図10の一点鎖線に示すように変
形しようとする。すると、このピン3の変形にともなっ
て各リンクプレート2a,2bも変形し、その結果、同
図に示すように、リンクプレート2a,2bの各孔ピッ
チをピン長手方向に揃えることが可能になる。これによ
り、ピン3および各リンクプレート2a,2bのピン孔
22の局部的摩耗を防止できる。
【0052】試験結果 前記第1ないし第9実施態様のサイレントチェーン1に
予荷重(引張荷重)を作用させた結果について図11な
いし図13を用いて説明する。ここでは、第5実施態様
(図5)のサイレントチェーンを例にとる。
【0053】図11は、サイレントチェーン1から任意
のリンク列6を抽出して、該リンク列を構成する四枚の
リンクR1 ,R2 ,R3 ,R4 について試験後の孔ピッ
チpを測定した結果を示し、図12は、従来のサイレン
トチェーンに同様の予荷重を作用させた場合において、
任意のリンク列を構成する各リンクの孔ピッチ測定結果
を示し、図13は、予荷重を変化させた場合において、
ガイド列およびリンク列を構成する各リンクプレートの
ラックピッチp′のばらつきを従来品と対比させて示し
ている。なお、ここで、ラックピッチp′とは、図13
中にも示しているように、孔ピッチpの1.5倍の距離
となる外側フランク面上の長さを指している。
【0054】これらの図から明らかなように、従来のサ
イレントチェーンでは、孔ピッチpおよびラックピッチ
p′のばらつきが大きいのに対し、本実施態様によるサ
イレントチェーンでは、孔ピッチpのばらつきがほとん
どなく、予荷重を増加させた場合でも、ラックピッチ
p′のばらつきの増加はわずかである。
【0055】このことから、本実施態様では、予荷重の
作用時に、孔ピッチpおよびラックピッチp′の伸びが
均等化されており、各リンクプレートによる荷重分担が
均等になされていることが分かる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るサイ
レントチェーンによれば、各リンクプレートによる荷重
分担を均等にでき、さらには摩耗を低減できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様によるサイレントチェー
ンの一部切欠き正面部分図。
【図2】前記サイレントチェーンの平面部分図。
【図3】(a)は本発明の第3実施態様によるサイレン
トチェーンのリンクプレートの正面図、(b)は前記第
1実施態様によるサイレントチェーン(図1)のリンク
プレートの正面図。
【図4】本発明の第4実施態様によるサイレントチェー
ンの正面部分図。
【図5】本発明の第5実施態様によるサイレントチェー
ンの平面部分図。
【図6】本発明の第7実施態様によるサイレントチェー
ンの平面部分図。
【図7】本発明の第8実施態様によるサイレントチェー
ンの平面部分図。
【図8】本発明の第9実施態様によるサイレントチェー
ンの平面部分図。
【図9】本発明の第10実施態様によるサイレントチェ
ーンの平面部分図。
【図10】前記第10実施態様のサイレントチェーンの
作用効果を説明するための図。
【図11】前記第5実施態様のサイレントチェーンに予
荷重を作用させた場合において、任意のリンク列を構成
する各リンクプレートの孔ピッチ測定結果を示す図。
【図12】従来のサイレントチェーンに予荷重を作用さ
せた場合において、任意のリンク列を構成する各リンク
プレートの孔ピッチ測定結果を示す図。
【図13】予荷重を変化させた場合において、ガイド列
およびリンク列を構成する各リンクプレートのラックピ
ッチ測定結果を従来品と対比させて示す図。
【符号の説明】
1 サイレントチェーン 2,2a,2b リンクプレート 21 歯部 22 ピン孔 23,24 背面部 3 (連結)ピン 4 ガイドリンクプレート 5 ガイド列 6 リンク列 7 低剛性ガイド 71 切欠き p,p1 〜p7 孔ピッチ p′ ラックピッチ F 張力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 昭 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 多田 直純 三重県名張市八幡字口入野1300番50 ボ ーグ・ワーナー・オートモーティブ株式 会社内 (56)参考文献 特開 平2−278040(JP,A) 特開 平8−35541(JP,A) 特開 平9−196126(JP,A) 特開 昭62−132052(JP,A) 実開 昭57−141253(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 13/00 - 17/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の歯部およびピン孔がそれぞれ形成
    された多数のリンクプレートを厚み方向およびピッチ方
    向に配設して前記ピン孔内に挿入した連結ピンにより連
    結するとともに、前記リンクプレートの最外側にガイド
    リンクプレートを配置して構成されるサイレントチェー
    ンにおいて、 隣り合う前記各ガイドリンクプレート間の同じピッチ方
    向位置に配置されたリンクプレートからなるリンク列に
    ついて、最外側のリンクプレートを構成する材料の縦弾
    性係数が、同じリンク列の他のリンクプレートを構成す
    る材料の縦弾性係数より大きく、最外側のリンクプレー
    トの剛性が同じリンク列の他のリンクプレートの剛性よ
    り高くなっている、 ことを特徴とするサイレントチェーン。
  2. 【請求項2】 一対の歯部およびピン孔がそれぞれ形成
    された多数のリンクプレートを厚み方向およびピッチ方
    向に配設して前記ピン孔内に挿入した連結ピンにより連
    結するとともに、前記リンクプレートの最外側にガイド
    リンクプレートを配置して構成されるサイレントチェー
    ンにおいて、 隣り合う前記各ガイドリンクプレート間の同じピッチ方
    向位置に配置されたリンクプレートからなるリンク列に
    ついて、最外側のリンクプレートの剛性が同じリンク列
    の他のリンクプレートの剛性より高く、 前記ガイドリンクプレートと同じピッチ方向位置に配置
    されたリンクプレートおよび該ガイドリンクプレートか
    らなるガイド列について、ピン長手方向中央のリンクプ
    レートの剛性が同じガイド列の他のリンクプレートの剛
    性より高い、 ことを特徴とするサイレントチェーン。
  3. 【請求項3】 前記ガイド列におけるピン長手方向中央
    のリンクプレートの板厚が、同じガイド列の他のリンク
    プレートの板厚より厚い、 ことを特徴とする請求項2記載のサイレントチェーン。
  4. 【請求項4】 前記ガイド列におけるピン長手方向中央
    のリンクプレートの背面部の形状が凸状の湾曲面であ
    る、 ことを特徴とする請求項2記載のサイレントチェーン。
  5. 【請求項5】 前記ガイド列におけるピン長手方向中央
    のリンクプレー トを構成する材料の縦弾性係数が、同じ
    ガイド列の他のリンクプレートを構成する材料の縦弾性
    係数より大きい、 ことを特徴とする請求項2記載のサイレントチェーン。
  6. 【請求項6】 一対の歯部およびピン孔がそれぞれ形成
    された多数のリンクプレートを厚み方向およびピッチ方
    向に配設して前記ピン孔内に挿入した連結ピンにより連
    結するとともに、前記リンクプレートの最外側にガイド
    リンクプレートを配置して構成されるサイレントチェー
    ンにおいて、 前記ガイドリンクプレートと同じピッチ方向位置に配置
    されたリンクプレートおよび該ガイドリンクプレートか
    らなるガイド列について、リンクプレートの孔ピッチを
    ピン長手方向中央にいくほど大きくするとともに、 隣り合う前記各ガイドリンクプレート間の同じピッチ方
    向位置に配置されたリンクプレートからなるリンク列に
    ついて、リンクプレートの孔ピッチをピン長手方向端部
    側にいくほど大きくした、 ことを特徴とするサイレントチェーン。
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