JP3383413B2 - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、紫外線防止効果持続
性、保存安定性および使用感（化粧効果）に優れた油中
水型乳化化粧料に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来より、酸化チタンを含有し、揮発性
シリコーンを油相成分とする油中水型乳化化粧料は、べ
たつきのない感触および塗布色をあまり白くすることが
ないという点で紫外線防止化粧料として非常に好まれる
ものであるが、酸化チタンは凝集し易く、油中水型乳化
化粧料において満足する保存安定性を得ることが難しか
った。 【０００３】これを解決するため、多くの提案（たとえ
ば、特願平３−３３９８５０号、特願平４−３７０４２
号、特願平４−２７８０７０号等）がなされているが、
化粧塗膜が摩擦を受けたり、長時間水にさらされる場合
には塗膜が落ちてしまい、十分な紫外線防止効果が得ら
れなくなるという欠点を有していた。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、改善された
紫外線防止効果持続性、保存安定性および使用感（化粧
効果）に優れた油中水型乳化化粧料を提供することを目
的としている。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。 【０００６】 【０００７】すなわち、請求項１は、揮発性シリコーン
のうち一種または二種以上を１０〜３０重量％、モノイ
ソステアリン酸ソルビタンおよび／またはモノイソステ
アリン酸ジグリセリルを０．２〜２．０重量％、下記一
般式 【０００８】 【化２】 【０００９】（式中、ｍは３００〜５００、ｎは１〜
７、ａは２０〜３０、ｂは２０〜３０の整数である。）
を０．１〜２．０重量％、平均粒子径０．０１〜０．０
５μｍの微粒子酸化チタンを０．５〜１０重量％、トリ
メチルシロキシケイ酸を０．１〜３．０重量％および水
を３０〜７０重量％含有することを特徴とする油中水型
乳化化粧料である。 【００１０】以下、本発明の構成を説明する。 【００１１】本発明に用いられる揮発性シリコーンは、
環状もしくは鎖状のポリジメチルシロキサンであり、環
状で３〜６量体、鎖状で２〜６量体のものである。これ
らのうち、一種または二種以上を用いる。 【００１２】その配合量は、化粧料全量を１００重量％
（以下ｗｔ％と略記する。）として、１０〜３０ｗｔ％
である。１０ｗｔ％未満では十分に優れた使用感が得ら
れにくく、３０ｗｔ％を超えると粘度の低下により化粧
料の分離が速くなり、保存安定性および使用感の点で好
ましくない。 【００１３】本発明に用いられる非イオン界面活性剤と
しては、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノイソス
テアリン酸ジグリセリルが挙げられる。これらのうち一
種または二種を用いる。 【００１４】その配合量は、化粧料全量を１００ｗｔ％
として、０．２〜２．０ｗｔ％である。０．２ｗｔ％未
満では保存安定性の点で十分でなく、２．０ｗｔ％を超
えると化粧料の伸びが重くなり、使用感の点で好ましく
ない。 【００１５】本発明に用いられるポリエーテル変性シリ
コーンは、前記一般式化２に示されたものであり、その
配合量は、化粧料全量を１００ｗｔ％として、０．１〜
２．０ｗｔ％である。０．１ｗｔ％未満では保存安定性
の点で十分でなく、２．０ｗｔ％を超えると化粧料にべ
たつき感を生じ、使用感の点で好ましくない。 【００１６】本発明に用いられる無機粉体としては酸化
チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。 【００１７】その配合量は、０．５〜１０ｗｔ％であ
る。０．５ｗｔ％未満では十分な紫外線防止効果が得ら
れず、１０ｗｔ％を超えると凝集により満足する保存安
定性を得ることが出来ない。また、化粧料の伸びが重く
なるという好ましくない感触を与える。 【００１８】 【００１９】本発明に用いられるトリメチルシロキシケ
イ酸の配合量は、０．１〜３．０ｗｔ％である。０．１
ｗｔ％未満では塗膜が十分な強度を持たなく、３．０ｗ
ｔ％を超えると感触上好ましくない。 【００２０】本発明に用いられる水としては精製水等が
挙げられ、その配合量は、好ましくは３０〜７０ｗｔ％
である。 【００２１】本発明の乳化化粧料には、上記の必須成分
に加えて必要に応じて粉末顔料、油性成分、保湿剤、乳
化剤、香料、紫外線吸収剤、防腐剤等を配合することが
できる。 【００２２】本発明の乳化化粧料には、常法に従って、
たとえばファンデーション、クリーム、乳液等の剤型に
製造し、使用することが可能である。 【００２３】 【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、表中の数値は含有量（ｗｔ％）を表す。 【００２４】また、本発明において使用した評価方法は
下記の通りである。 【００２５】（１）紫外線防止効果持続性評価試験方法 所定の方法で調製した実施例試料および比較例試料をテ
ストパネラー１０名の前腕部に塗布し、流水中に５分間
浸した。その後、日本化粧品工業連合会において採用さ
れているＳＰＦ測定法（平成４年１月１日通達）により
ＳＰＦ値を測定し、評価した。 【００２６】（２）保存安定性評価試験方法 所定の方法で調製した実施例試料および比較例試料を０
℃、２５℃および４５℃の恒温槽内に放置して、３週間
後の保存安定性を表１の評価基準に従って評価した。 【００２７】 【表１】 【００２８】（３）使用感（化粧効果）評価試験方法 所定の方法で調製した実施例試料および比較例試料をテ
ストパネラー１０名の顔面の左右に均等に塗布し、下記
項目について表２の評価基準に従って評価させ、結果を
集計し評価結果とした。 【００２９】 【表２】 【００３０】実施例１〜４、比較例１〜８ 乳化ファンデーションを表３、表４、表５に示した組成
で以下の方法によって調製し、上記の紫外線防止効果持
続性評価試験および保存安定性評価試験を行った。その
結果を、表３、表４、表５に併せて示す。 【００３１】（調製方法）油相成分を７０℃に加熱し、
これに微粒子酸化チタンおよび必要な場合には他の粉末
顔料を分散させた。あらかじめ７０℃に加熱しておいた
水相成分を添加攪拌し、室温まで冷却して目的の乳化化
粧料を得た。 【００３２】なお、各表中の成分のうち、一般式化２で
表されるポリエーテル変性シリコーンはｍ＝４００、ｎ
＝４、ａ＝２５、ｂ＝２５のものを用いた。また、メチ
ルフェニルポリシロキサンは平均分子量２０００のもの
を用いた。 【００３３】 【表３】【００３４】 【表４】【００３５】 【表５】【００３６】本発明の実施例１〜４は、紫外線防止効果
持続性および保存安定性において比較例よりも明らかに
優れている。比較例１〜４は、トリメチルシロキシケイ
酸を配合しない場合紫外線防止効果持続性に劣ることが
わかる。また、比較例５、８は、モノイソステアリン酸
ソルビタンおよび／またはモノイソステアリン酸ジグリ
セリルを配合せず、乳化剤としてポリエーテル変性シリ
コーンのみを用いた場合満足し得る保存安定性は得られ
ない。さらに、比較例６、７は、微粒子酸化チタンの含
有量が１０ｗｔ％を越える場合満足し得る保存安定性は
得られない。 【００３７】使用感（化粧効果）評価試験の結果を表６
に示す。 【００３８】 【表６】【００３９】表６に記載の通り、実施例１〜４は塗布時
のべたつき、塗布時の伸び、塗布時の滑り易さの各項目
に優れた成績を示し、４時間後のそれらの効果の持続性
も比較例に比べて圧倒的に優れていた。 【００４０】 【発明の効果】本発明の、油中水型乳化化粧料は、紫外
線防止効果持続性、保存安定性および使用感（化粧効
果）に優れる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ Ａ６１Ｋ 7/48 Ａ６１Ｋ 7/48 (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/00 A61K 7/42 A61K 7/48

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 揮発性シリコーンのうち一種または二種
   以上を１０〜３０重量％、モノイソステアリン酸ソルビ
   タンおよび／またはモノイソステアリン酸ジグリセリル
   を０．２〜２．０重量％、下記一般式 【化１】 （式中、ｍは３００〜５００、ｎは１〜７、ａは２０〜
   ３０、ｂは２０〜３０の整数である。） を０．１〜２．０重量％、平均粒子径０．０１〜０．０
   ５μｍの微粒子酸化チタンを０．５〜１０重量％、トリ
   メチルシロキシケイ酸を０．１〜３．０重量％および水
   を３０〜７０重量％含有することを特徴とする油中水型
   乳化化粧料。